説明

運動遊具

【課題】運動会で公知の玉運びは数人で大きな玉(ボール)を転がす、または小さな玉をスプーンなどに載せて一人で運ぶなどあるが、手足や指の細かい操作を必要とせず俊敏性やバランス感覚を問わず、運搬時の緊張感やゴールしたときの達成感が少ない。
【解決手段】少なくとも一つの主遊具と複数の補助遊具で構成され、各々の補助遊具の保持部にまたがって主遊具が保持され、各々の補助遊具の操作に応じて主遊具が移動する運動遊具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動会や学校・施設など人が集まる場所で複数人が協力して遊ぶものであり、左右の手足や指などバランスをとりながら動かす遊具であり、両手または両足を使えば1人でも楽しめる運動遊具である。
【背景技術】
【0002】
学校の運動会では二人で複数のダンボール箱を挟んで箱が落ちないよう協力して走ったり、大きなボールを複数人で転がしながら走る玉運びなど運動会用の遊具があり、介護施設などでは複数の者が一つの布を広げて持ち、その上に置いてあるボールを協力しながら中央の穴に導く運動用遊具などがある。
【0003】
前者は運動会での遊び方の色々な事例であって、既存の部材を用いて既に一般的に知られ行われている競技であり、後者は特許文献1に記載されているものであり、複数の者が協力して遊ぶ先行技術公報として、中央部に穴が開いたシートを大勢が協力しながら動かして、ボールを落とし穴に導く運動用遊具が提案されている。
【0004】
ダンボール箱を数個挟んで落ちないように協力して走る競技は、相手のほうにダンボール箱を押し付けるように力加減をどちらかと言うと弛めすぎないように押し付けておけば目的地まで箱を落とさず運搬でき、大きなボールを複数人で転がす玉運びは、予定外の方向へボールが転がらないよう互いに調整するものではあるが、器用な者がいれば一人でも運搬が可能であり、大きなシートを大勢で傾けて中央の穴にボールを導くのは、少なくとも4方向の数名がシートを扱うことでボールを穴へと導くことができる。
いわば、他者と協力して扱う遊具でありながら難易度が低く単調で、細かいバランス感覚も必要としないため緊張感が少なく、目的地に到達したときの喜びや達成感が少ないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−215919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
運動会の玉運びには地面の上の大きな玉(ボール)を数人で協力しながら転がす、または小さな玉をスプーンなどに載せて一人で運ぶなどの競技があるが、前者は操作者の体型に対してボールが大きいこと、後者はボールに対して受け皿が小さいことが難易度につながるだけで、あまりバランス感覚を問うものでもなく、ボール運搬時の緊張感やゴールしたときの達成感が少ない。
【0007】
複数人で行う運搬競技として多少の緊張感を伴って行うものには、二人で複数のダンボール箱を挟んで箱が落ちないよう協力して走る競技があるが、箱を押し付けあう力が均等にさえなれば、四角形の箱は格別予想外の動きを生じるものではなく面白みが少ない。
【0008】
これら主に屋外の運動会で行われるもの以外にも、複数人が協力しながら手足を動かす遊具として特許文献1がある。
これは広げた布を持つ複数人が協力しながら手を上下させることでボールを中央の穴へと導く遊具であり、他人の動作を意識しながら協力して手を動かす点は意義があるが、3〜4方向の数名がシートを扱うことでボールを穴へと導くことができるので布を持つ全員が協力して動作しているとは限らず、かつ広範囲のものを大勢で扱うためボールの動きはゆっくりしており、緊張感は少なく難易度が低いぶん面白みと達成感が欠ける。
【0009】
これら運動遊具は、広いスペースを要する・用具が大掛かり・人数が揃わなくてはならない・複数人の中の一部の人が操作するだけでゴールできる・バランス感覚を養えない・一人では遊べないなど、一つまたは複数の問題点を抱えているし、緊張感が少ない遊具であるがために達成感や面白みに欠ける運動遊具である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
少なくとも一つの主遊具と複数の第1補助遊具で構成され、第1補助遊具の間を主遊具が移動可能にまたがって保持される保持部を第1補助遊具に具えることにより、各々の第1補助遊具の操作に応じて主遊具が移動可能とすることで上記課題を解決する。
【0011】
また、第1補助遊具は棒状・板状・凹状・凸状・波型・器状・多角形体いづれかの形状であり、第1補助遊具の間を主遊具が移動可能にまたがって保持される保持部を第1補助遊具に具えることにより、各々の第1補助遊具の操作に応じて主遊具の動きを多岐にわたって変化可能とする運動遊具になる。
【0012】
第1補助遊具の1つの例としては、保持部は凹型形状にして第1補助遊具を突き合せることで、保持部の凹型形状が主遊具の移動幅を制限して保持部で主遊具が安定して保持される運動遊具にすることができる。
【0013】
さらに前記保持部を有さない第2補助遊具も具備することで、遊びのパターンを増やすことも可能となる運動遊具を提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記のように、本発明は少なくとも一つの主遊具と複数の第1補助遊具で構成され、第1補助遊具の間を主遊具が移動可能にまたがって保持される保持部を第1補助遊具に具えているため、各々の第1補助遊具の操作に応じて主遊具が移動できる運動遊具である。
例えば第1補助遊具が2つであれば、一人が左右の手で各々の第1補助遊具を持っても良いし、二人が1つずつの第1補助遊具を別々に持つことも可能なので、その2つの第1補助遊具の間を主遊具が移動可能にまたがって保持されるため、一方の第1補助遊具に位置や高さや角度または離れ具合など何らかの変化が生じれば、主遊具はもう一方の第1補助遊具との間を移動することになり、主遊具を落とさないよう、または安定して保持するためには各々の第1補助遊具を、随時バランスを取りながら操作する必要がある。
これにより第1補助遊具を扱う者は、たとえ一人で扱うとしても左右の手の動きになるべくずれが生じないように左右の第1補助遊具をバランス良く維持しておく必要があり、緊張感を味わいながら一人でも遊ぶことができるし、複数の者が協力しながらこの運動遊具を使うときは、複数の第1補助遊具を複数の者が個別に扱ってそれらの保持部にまたがる主遊具が移動するため、自分以外の操作者の動きに注意し変化があれば即時対応し協調性をもってバランスを保つ必要があり、このように第1補助遊具の操作者が複数人の場合は主遊具を保持部で保持させておくことの難易度が増すことになるので、難しくもあるが双方の意思疎通とバランスを取り合うことで協調性を養い、面白みと達成感も増す運動遊具となる。
【0015】
そして、第1補助遊具を棒状・板状・凹状・凸状・波型・器状・多角形体などいずれかの形状にすることで、それら第1補助遊具の間を主遊具が移動可能にまたがる状態を維持することが容易なものも困難なものなどの組合せを多種類に構成でき、各々の第1補助遊具の操作に応じて主遊具が第1補助遊具の間を移動する動きが多岐にわたって変化可能となる運動遊具にできる。
例えば棒状の第1補助遊具で主遊具を保持する場合、例えば主遊具が丸いボールである場合、少なくとも3つの第1補助遊具が寄せ集まればボールを保持することが可能であるが、いずれかの第1補助遊具に位置・高さ・角度などの変化が生じればボールは棒状の第1補助遊具の間で移動して隙間から落ちる可能性がある。
これが板状の第1補助遊具を複数寄せ集めたときには、棒状よりも第1補助遊具に幅が増えるぶんボールは隙間から落ちる可能性は減るが、板状の角度に応じて1つの第1補助遊具の上で転がる動きが生じ、凹状であれば主遊具は1つの第1補助遊具の上にあっても溝中央へと転がる習性が生じるし、凸状の第1補助遊具になれば主遊具は1つの第1補助遊具の上にあっても外へ(低い側へ)と転がろうとすることになる。
ここで主遊具を丸いボールにした場合を記載してみたが、主遊具は板状・立方体に限らず人形やダルマ・風船その他いろいろな物体を主遊具として第1補助遊具の間を移動可能にまたがって保持されれば良いのであって、例えば第1補助遊具の形状に沿う溝が形成された主遊具など極端な例で言えば折れ曲がる座布団を主遊具にした場合は、第1補助遊具が棒状であっても2つの第1補助遊具で主遊具を保持することが可能になり、ここまでに説明した形状の第1補助遊具およびのちに説明する第1補助遊具に関しても、主遊具は物体でありさえすれば、丸・四角の形状のみならず軟性・硬性・弾性・材質・重量・特質・数量など何ら限定せず主遊具として利用し、それらを多様な形状の第1補助遊具と組み合わせて扱うことで、動きや操作や難易度・面白みなど多岐にわたって楽しめる運動遊具となるのである。
波型の第1補助遊具とは、高い低いが高さ方向に波型に形成された第1補助遊具であれば、その上にある主遊具は波の山谷に当たって跳ねるような動きが加わることもあれば他の第1補助遊具との間で山谷に引っかかる動きも生じるし、波型が横方向に形成された第1補助遊具であれば、横幅方向の端面が直線ではないため広い狭いの波型ができることになり、複数の第1補助遊具が寄せ集まったときにも主遊具が落ちる可能性のある隙間が広い側(隣り合った第1補助遊具の波型で谷同士が並ぶ構成)や隙間が狭い側(隣り合った第1補助遊具の波型で山同士が並ぶ構成)になることで、1つの第1補助遊具を扱っていてもその傾きによって主遊具が移動したとしても片側は安心だが片側は緊張する操作になる。
第1補助遊具が器状である場合は主遊具が大きなものであったり複数になっても第1補助遊具で保持することが可能になり得るので、例えば運動会で一般的に行われている玉入れの竹かごのような器が複数に分かれているような形状で第1補助遊具を構成した場合には、第1補助遊具を上手く突き合せているときには多くの玉(主遊具)を保持することができるが、竹かごのように器の肉厚が薄ければ第1補助遊具同士を突き合せる面積が少なく押し付けあって器の形状を維持しておくのが困難であるため主遊具を複数保持し続けることの難易度が高くなる。
多角形体の第1補助遊具とは、複数の交点と辺と面を有する第1補助遊具の形状のことであり、例えば16面体であったり突起がたくさん出ている物体など、いわゆる複数の第1補助遊具を突き合せようとしても面と面で合わせることができない複雑な角度を寄せ集めることになる第1補助遊具であり、主遊具が移動可能にまたがる状況には主遊具の接する保持部の当たり面にも特定の角度があって第1補助遊具で主遊具を保持することの難易度が高い遊具になる。
このように多種類の形状で第1補助遊具を構成することで、それら第1補助遊具の間を移動する主遊具の動きも多岐にわたって変化し、その動きに対応して第1補助遊具を操作することが無我か敷くもあり面白みもある運動遊具となる。
【0016】
次に第1補助遊具の保持部の一例として凹型形状について説明すると、主遊具の一部と沿う形に第1補助遊具に凹型の窪みを設けておけば、第1補助遊具を突き合せることで保持部の凹型形状が主遊具の移動幅を制限することになり、保持部で主遊具が安定して保持される運動遊具となる。
例えば主遊具がボールやダルマの底部のように丸みのあるものである場合、複数の第1補助遊具を突き合せた場合にそのボールの丸みを受けて安定する凹型形状の保持部であれば、第1補助遊具を突き合せて平坦な場所に安定させている場合はその保持部にまたがる主遊具は安定して変化は生じないが、複数の第1補助遊具を一人または複数人で把持した場合はその位置や高さや角度または離れ具合に変化が生じて、保持部の上にあるボールは揺れたり転がったり保持部から落ちるなどの変化が起き、その動きと各々の第1補助遊具の操作に対し操作者は危機感と面白みを味わえる運動遊具となる。
このとき保持部の凹型形状が主遊具との当たり面に沿うもので深ければ、主遊具の保持力が高く(主遊具が動いたり転がったりし難い)遊びの難易度は低くなり、保持部の凹型形状が主遊具との当たり面に対し接する範囲が少なく浅い形状であれば、主遊具の保持力は低く(主遊具が動いたり転がったりし易い)難易度が高い運動遊具となる。
【0017】
上記のような主遊具がまたがる保持部を設けた第1補助遊具のほかに、さらに主遊具と関与しない保持部を有さない第2補助遊具も具備することで、これまで保持部にまたがる主遊具の変化にのみ注意を払って第1補助遊具を操作するだけの運動遊具が、操作の難易度を増すことや運動・遊びの幅を広げることが可能となる。
例えば片方の足に装着した第1補助遊具では主遊具を保持した状態を維持するために注意を払い、もう一方の足に装着した第2補助遊具では進行方向に進むための1歩を踏み出すなど、共にバランス良く双方の補助遊具を意識して操作することで、多方面に意識を配分して注意し他の操作者と協力しながら動き、変化に即時対応する俊敏性を養い、主遊具が保持されるバランスの良い位置を瞬時に検討して対応するなど、操作と変化と対応などに面白みを味わえる運動遊具となる。
【0018】
とかく運動会の玉運びなど複数人で協力する競技は大掛かりな用具を必要としたり広範囲なスペースを要する場合が多いが、本発明の運動遊具は一人が左右の手に2つの第1補助遊具を持って遊んでも良いし、複数人が各々左右の手に2つの第1補助遊具を持っても良いし、複数人が各々1つずつの第1補助遊具を持つなどいろいろなバリエーションで遊ぶことができ、左右の手や足を動かすことで第1補助遊具を操作して、保持部の上にある主遊具の状態を制御することで設備や人数やスペースなど大掛かりな運動会ではなくても楽しめる運動遊具となる。
例えば主遊具がボールであれば第1補助遊具を持つ左右の手の動きでボールは揺れたり転がったり保持部から落ちるなどの変化が起きることで一人でも遊べる運動遊具であり、複数人で第1補助遊具を扱うとなればボールを保持部から落とさないように操作者たちが協力して第1補助遊具を操作することに緊張と面白みがあり、そこに第1補助遊具の形状が複雑になる・第2補助遊具が加わる・主遊具が保持困難な物体になるなど、いろいろなパターン構成が可能な運動遊具にできるので多様な遊び方といろいろな難易度を持たせることが可能となる。
これまでの単調な玉運びと違って広大なスペースを勢いよく走らなくても歩く程度のスピードで楽しめるので、省スペースの室内遊具として・幼児から大人など年齢層も関係なく・第三者と協力して遊ぶコミュニティー用品として・高齢者の感覚刺激遊具やリハビリ用品としてなど、幅広い範囲の人たちに遊戯会場のスペースを問わず遊べる運動遊具となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の運動遊具の第1補助遊具が2つであり手で操作する場合を説明する図
【図2】本発明の運動遊具の第1補助遊具が4つであり手で操作する場合を説明する図
【図3】本発明の運動遊具の第1補助遊具が4つであり足で操作する場合を説明する図
【図4】本発明の運動遊具に第2補助遊具が加わった場合を説明する図
【図5】本発明の運動遊具の形状の一例を説明する図
【図6】本発明の運動遊具の第1補助遊具および主遊具の多様な例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の運動遊具1を使用する一例としてボールを一対(2つ)のトレイで運んでいる様子を示している。
この例の主遊具2はボールであり、第1補助遊具3は一対のトレイの形状をしているが左右2つに分かれており、その左右を突き合せた上部に主遊具2がまたがって保持されており、この場合の保持部5は球体下方の一部が安定する窪みの形状で第1補助具3(トレイ)に設けてある。
このときボールがまたがるトレイが単なる板状で平らな場合、すなわち主遊具2の球体の一部が平らな第1補助遊具3にまたがって極小さな点で接する場合もその接点は保持部5であるが、平坦な板状の第1補助遊具3にボールがまたがる状態で保持される状態を維持するのは難易度が高いので、図1では難易度を低くしたパターンの遊び方を例にして、主遊具2と接点が多く安定しやすい保持部5で図示してみる。
板状のトレイの左右2枚が密接している場合にその密接面の両側に設けてある窪み、すなわち球体を載せて安定する凹形状の保持部を設けておくことで、例えばこの左右に離すことができるトレイ、すなわち2つの第1補助遊具3を突き合せて床や机の上などに置いておけばその上に載せた球体、すなわちこの例の第1補助遊具3の保持部5に載せた主遊具2には、なんら変化が生じず安定して維持される。
しかし、この第1補助遊具3を図1のaのように一人の人間が左右の手で一対のトレイを把持した場合、すなわち2つの第1補助遊具3の一方を左手で持ちもう一方を右手で持った場合には、左右の手の高さ・向き・角度・動き・変化などに応じて第1補助遊具3にも変化が伝わり、それに伴い第1補助遊具3に設けられた保持部5と主遊具2の接する位置や向きなど変化するため主遊具2が前後左右等に揺れることになり、第1補助遊具3の角度が激しく変化したり突き合せた左右が離れすぎたら主遊具2は保持部5と大きく離れ、トレイから飛び出すこともあれば落下することもある。
図1のaは、左右一対に構成された2つの第1補助遊具3を一人の人間が左右の手で持って主遊具2を保持部5の上に載せて運んでいる状態を表しており、単独の頭脳と意思で左右の手のバランスを考えながら主遊具2を落とさないように保持部5の上に維持して運ぶ状況であることに対し、図2のbは左右一対に構成された二つの第1補助遊具3を別々に、二人の人間が両手で一つずつの第1補助遊具3を持って主遊具2を保持部5の上に載せて二人で運んでいる状態を表している。
この場合は二人が別々の頭脳と意思で各自が持っている第1補助遊具3を扱うため、高さ・向き・角度・動き・変化など、相手が扱う第1補助遊具3に協調して自分の持っている第1補助遊具3を扱う必要があり、双方の意思疎通や協調性がうまく噛み合わず双方の第1補助遊具3の高さが変わる・向きがずれる・角度が変わる・違う動きをする・相手に予想外の変化をするなど、主遊具2を保持部5の上に維持させておくこと自体が複数人では難易度が増すことになり、難しくもあるが双方の意思疎通とバランスを取り合う楽しみが生じる協調性を養う運動遊具1である。
【実施例2】
【0022】
図2は、本発明の運動遊具1を使用する一例としてボールを4つの第1補助遊具3で運んでいる様子を示している。
この場合の主遊具2はボールで、第1補助遊具3を4つ密接させたときに形を成す凹型の保持部5の上にまたがる状態に主遊具2を載せており、図2のaでは4つの第1補助遊具3のうち2つを一人が1つずつ左右の手で持ち、残り2つの第1補助遊具3をもう一人が左右の手で1つずつ持っているのに対し、図2のbでは4つの第1補助遊具3を4人が各々1つずつ両手で持っている状態を表している。
このとき図2のaでは第1補助遊具3を持つ左右の手の動きで揺れ動くボールを落下させないように左右の第1補助遊具3を突き合せておくのは当然のことながら、もう一人が持つ残り2つの第1補助遊具3とも離れすぎないように押し付けあう力が必要であり、かつ二人が持つ第1補助遊具3の各々がバランス良く操作されることでボールは保持された状態を維持できるが、いずれか1つの第1補助遊具3に高さ・向き・角度・動き・変化などが生じた場合は、残る3つの第1補助遊具3を臨機応変に操作してボールを落下させないように動かす必要がある運動用具である。
図2のbでは第1補助遊具3を扱う者が4名になるため、各々の操作者は自分の持つ第1補助遊具3を適宜な強さで他者の持つ第1補助遊具3に押し当てる必要があり、自分の持つ第1補助遊具3の位置が高くなればボールは他者の持つ第1補助遊具3へと転がるし、自分の持つ第1補助遊具3の位置が低くなればボールは自分の持つ第1補助遊具3に転がってきて、かつ対応がうまくできない場合は、主遊具2の丸みに沿うはずの凹形状のうち1/4しかない自分の持つ第1補助遊具3の保持部5からボールがはみ出して落下してしまう可能性がある。
このように、実施例1で一人または二人が一対の第1補助遊具3を把持することに比べ、二人またはそれ以上の複数人が複数の第1補助遊具3を把持することは、各々が持つ第1補助遊具3の動きに応じて主遊具2が他者の持つ第1補助遊具3のほうへと移動したり荷重がかかるなど影響を与えるため、主遊具2を載せて安定するはずの保持部5の凹型形状が1つの保持部5では主遊具2を安定して維持できないため、保持部5の配置と形状を乱さないように操作者である複数人が協力してバランスを取りながら主遊具2が安定して維持できるように第1補助遊具3を操作する必要があり、かついずれかの第1補助遊具3に高さ・向き・角度・動き・変化など生じた場合には敏速にそれに対処する反応をするなど、常に主遊具2を落とさないように操作者がみんなで協力して意思疎通を図りバランスを取り合う楽しみがあり、すなわちこの遊具は一般の運動会競技のようにボールをゴールまで運ぶ玉運びとして利用できるが、狭いスペースをゆっくり歩むだけでも充分に緊張感と達成感を味わえる運動遊具1である。
【実施例3】
【0023】
図3は、本発明の運動遊具1を使用する一例としてボール2つを4つの第1補助遊具3で運んでいる様子を示している。
この場合の主遊具2はボールで、第1補助遊具3を2つ突き合せたときにボールと接する部分を多くした凹型形状の上にまたがせた状態で保持させており、その保持部5の上に主遊具2を載せた一対の第1補助遊具3を二人の操作者が各々の足に装着して操作する状態を表している。
このとき操作者が進行するのは図中の矢印のように横方向、いわゆる一般的にカニ歩きと呼ばれる歩みを行うのであるが、片方の足に装着した第1補助遊具3を動かすとき、向かい合わせに立つもう一人の片足に装着した第1補助遊具3と突き合せている状態を維持したまま、互いが動かそうとする向かい合わせの足を、同じような高さを持ち上げて同じような幅ほど横(図中の矢印方向)に動かしたのちにタイミングを合わせて着地するまでが一つの動作の流れとして双方が合わせる必要があり、片足側の主遊具2が安定して保持されたのを確認して引き続きもう片方の足に装着した第1補助遊具3を同様に動かして進行・運搬することで、ゆっくりではあるが足の運びを他人と揃える協調性を要して遊ぶ運動遊具1である。
【実施例4】
【0024】
図4は、本発明の運動遊具1を使用する一例としてボールを第1補助遊具3に保持して、さらに保持部を有さない第2補助遊具4も活用している様子を示している。
実施例3で述べた足に装着する第1補助遊具3が二人で向かい合わせに立って前方向に突き合せて保持部が形成され主遊具2を載せたものに対し、この実施例では横に立つ人と協力してボールを運ぶ状態であることを表している。
この場合の進行方向は実施例3のように横方向へ進むカニ歩きでも良いし前方向へ進行するものであっても後方へと後退するものでも好きなルールに設定することができ、一人にとって右足・もう一人にとって左足に装着した第1補助遊具3を突き合せたときにボールと接する部分を多くした凹型形状の上にまたがせた状態で保持させており、その保持部5の上に主遊具2を載せた一対の第1補助遊具3を二人が別々に装着・操作し、双方にとって離れている足、すなわち主遊具を載せる保持部を有さない第2補助遊具4を装着した足と交互に動かして進行方向へと進む。
この第1補助遊具3を装着した側の足は、運動会で一般的に行われている二人三脚において紐で縛って二人の足の動きを揃えることに相当するが、お互いの第1補助遊具3を突き合せてボールを落とさないよう保持部に維持して進行することは、二人三脚のように紐で足を固定して走るだけよりも緊張感と相互の意思疎通や協力が必要となり、歩みはゆっくりになるが面白みの味わえる運動遊具1である。
【実施例5】
【0025】
図5は、本発明の運動遊具1を使用する一例として多数のボールを2つで一対になった第1補助遊具3で運んでいる様子を示している。
この場合の第1補助遊具3および保持部5の形状は、運動会で一般的に行われている玉入れの網かごのようなものでも良く、公知の玉入れでは竹ざおやポールに固定した高い位置にある網かごに玉を高く放り投げてかごに入れたり、一人が背負う網かごにめがけて玉を投げ入れるものなどが知られているが、本発明の遊具は2つまたはそれ以上の複数の第1補助遊具3、この場合は器状の第1補助遊具3を2つ突き合せて多数の主遊具2を保持している状態を表している。
2つの第1補助遊具3を持つ二人は複数の主遊具2を受け止め維持するためには双方が持つ第1補助遊具3をバランス良く突き合せて離れたりずれたりしないように操作し、主遊具2がこぼれ出たり落下しないように協力しながら遊ぶ運動遊具1である。
【実施例6】
【0026】
図6は、本発明の第1補助遊具3に棒状・板状・凹状・凸状・波型・器状・多角形体など多様な形状を用いた例を説明する。
先に述べたように本発明の運動遊具は板状の第1補助遊具を複数使用して、その一部を突き合せてそこにまたがる主遊具を保持して運ぶ運動遊具としていくつかの例を述べてきたが、保持部は必ずしもボールを主遊具としたときのようにボールの一部分に沿う凹型形状である必要はなく、例えば棒状の場合であれば、図6のaのように棒状の第1補助遊具3が3本寄せ集まった部分にボールをまたがせたとしても3つの棒とボールに接点、すなわち接する領域が保持部であり、その保持部にまたがって主遊具2が保持されることになる。
ただし3本の第1補助遊具3が位置や高さや向きなど変化が生じれば、ボールは棒状の第1補助遊具3同士の隙間から落ちてしまう可能性が高い。
このとき主遊具2が球体であるため安定性が悪くて落ちる可能性が高いし第1補助遊具3は少なくとも3本が寄せ集まる必要があるが、図6のbのように主遊具2が折れ曲がる座布団のようなものがまたがって載っている場合は、第1補助遊具3は2本でも主遊具2を保持しておくことが可能にもなる。
図6のcでは主遊具2をダルマにして波型の棒状である第1補助遊具3を3本寄せ集めて主遊具2を上にまたがせている。
図6のaのように平坦な棒状の第1補助遊具3の表面では主遊具2との接点が少なく、一旦滑ったり転がったりし始めた球体の主遊具2を落ちないように維持するのは大変かもしれないが、図6のcのような第1補助遊具3の上部に波型が形成されている場合には、平坦な表面よりは主遊具2の滑り落ちるのを食い止める可能性があり、しかしながら落ちるときに波型表面の山谷部分に引っかかったりがたつく動作が加わるなどで面白みが増す場合もある。
図示していないが波型は上下方向にのみならず、板状の第1補助遊具3に対し横方向に波型の端面を形成することも可能で、そのときは隣り合う第1補助遊具3の端面が山と山になるように合わせれば主遊具2が落ちる心配はなく、谷と谷の側が並ぶように合わせれば主遊具2が落下する隙間ができて、例えばボールなどの主遊具2を載せて保持しているときには、操作者は山側にボールが流れても安心だ谷側に流れたらボールが落ちないように対応するなどの敏速判断を必要とする運動遊具になる。
図6のdでは主遊具2をボールにして凸状の板を第1補助遊具3として利用する状況を図示している。
各々の操作者が持つ第1補助遊具3は凸形状で左右端部が低く中央が高くなっているため、当然ボールは低くなっている左右端部のほうへと転がってしまうが、この例の操作者3人は各々の第1補助遊具3の凸型曲面からボールを落とさないようにバランスを取りながら、残る2者とバランスを取り協力して主遊具2を落とさず維持する、または目的地に運ぶなどの緊張と面白みをもたらす運動遊具1である。
【0027】
上記のように本発明は、少なくとも一つの主遊具と複数の第1補助遊具で構成され、各々の第1補助遊具3をまたがせて主遊具を載せて一人または複数人で遊ぶことが可能であり、第1補助遊具を突き合せて保持部の形状をできるだけ変形または変化させないことで主遊具を安定して保持することを図るよう、左右の手や足・複数の操作者がお互いの動きや変化に対処する機敏性やバランス感覚・意思疎通・協調性などを要するまたはそれらを養える運動遊具である。
図示していないが、本発明の保持部は受け皿として凹型で表現してみたが、保持部が凸型で主遊具のほうを一部が凹型にして保持することでもなりたち、例えば第1補助遊具3の一部が突出する形状にして円柱や四角柱など凸型の保持部を形成してそれに見合う凹型溝のある主遊具を保持した場合は、第1補助遊具の突き合せが離れそうになれば凸型保持部は凹型溝の中で広がることにより主遊具を保持する力が増す場合もあるし、例えば円錐や四角錐のように先細りの凸型にした保持部がそれに見合う凹型溝のある主遊具を保持した場合は、第1補助遊具の突き合せが離れることによって先細りの方向へと主遊具が抜けたり飛び出すことになる。
また、実施例では主遊具をボールにして説明したが、この遊具の主遊具は球状に限らず立方体や多角形体でも良いし、風船やだるまや人形であっても構わない。底面が安定した平面である立方体の主遊具を、複数をつき合わせて形成される平坦な保持部に載せた場合は安定感があって保持しやすく難易度が低いものとなり、立方体は平坦であっても保持部に凸凹がある形状にすれば保持が困難で少し難易度が上がるし、多角形体の主遊具やラグビーボールのような主遊具を載せれば人には予想外の動きをするし、風船は軽くて保持部に維持しておくのが困難で難易度が上がり、だるまや人形を主遊具に用いることで揺れる動きを楽しんだり目を和ませる面白い遊具にもなる。
なおかつ、この遊具は二つまたはそれ以上の複数の第1補助遊具を突き合せて、底にまたがる状態で主遊具2を載せて保持させるため、第1補助遊具の突き合せる面を分厚くすれば押し付けあうことが容易になるため難易度が低くなり、第1補助遊具の突き合せ面の肉厚を薄くすれば突き合せ面積が少ないため難易度が高くなる運動遊具である。
このように、載る側の主遊具でも・載せる側の保持部でも・操作する第1補助遊具でも、それらの形状によって遊びの難易度を高くも低くも構成できるし、主遊具の数・第1補助遊具の数・操作者の人数・保持部の位置や大きさも難易度に変化を与えることが可能であるし、それらで難易度を上げて操作が難しくなれば遊びの中での運搬・歩行速度が遅くなり、すなわち本運動遊具を利用する年齢層は幅広いものであり、遊ぶスペースは狭くても充分に緊張感を持って遊べるものであり、他者と協力しあってバランスをとるには適度な緊張感を要するし変化に対して機敏に反応する必要があるため、遊んで目的地にいたったときの喜びや達成感が大きい面白い運動遊具である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記実施例では主に運動会などで用いる競技遊戯として説明したが、室内での遊具に用いることも可能であるし、リハビリ用具・コミュニケーション用具など、子供だけでなく大人・高齢者にも色々な場面で使用可能な運動遊具である。
【符号の説明】
【0029】
1 運動遊具
2 主遊具
3 第1補助遊具
4 第2補助遊具
5 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの主遊具と複数の第1補助遊具で構成され、該第1補助遊具の間を該主遊具が移動可能にまたがって保持される保持部を該第1補助遊具に具える運動遊具。
【請求項2】
前記第1補助遊具は棒状・板状・凹状・凸状・波型・器状・多角形体いずれかの形状である請求項1に記載の運動遊具。
【請求項3】
前記第1補助遊具の前記保持部は凹型形状であり、該第1補助遊具を突き合せることで、該保持部で前記主遊具が保持される請求項1または2のいずれかに記載の運動遊具。
【請求項4】
さらに前記保持部を有さない第2補助遊具も具備する請求項1から3のいずれか一つに記載の運動遊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−217661(P2012−217661A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86870(P2011−86870)
【出願日】平成23年4月10日(2011.4.10)
【特許番号】特許第4900859号(P4900859)
【特許公報発行日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(302015742)