説明

運用試験用システムおよびこれに利用するデータ転送方法

【課題】 現用演算装置の動作を停止させることなく、更新用演算装置の運用試験を実行することが可能な運用試験用システムおよびこれに利用するデータ転送方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、運用試験用システムは、中継装置と第1ルータと第2ルータとを有する。中継装置は、管理装置から受信した管理データをコピーして2つの管理データとし、送信元、宛先をそれぞれ異なるダミーのIPアドレスに置換して第1ルータと第2ルータに送出する。第1ルータは、送信元、宛先を元のIPアドレスに置換して現用演算装置に送信する。第2ルータは、送信元、宛先を元のIPアドレスに置換して更新用演算装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、運用試験用システムおよびこれに利用するデータ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運用中の演算装置における演算処理結果をネットワークで接続された管理装置で受信して管理するシステムにおいて、演算装置に搭載されたアプリケーションを更新するため、更新後のアプリケーションを搭載した新たな演算装置を別に用意し、管理装置との接続をこれに切り替えて運用を継続することがある。
【0003】
この場合、新たな演算装置が正常に稼働するかどうかを管理装置で確認する運用試験を行う必要があるが、この運用試験が長期間に渡る場合、その間当該演算装置の運用が停止しまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−242607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この演算装置の運用の停止を避けるため、更新後のアプリケーションを搭載した新たな演算装置の運用試験をオフラインで行うことが考えられるが、その場合、この新たな演算装置の演算処理結果を管理者が手動で管理装置に入力しなければならず、処理が煩雑になるという問題があった。
【0006】
また、運用中の演算装置と新たな演算装置との双方から管理装置で演算処理結果を受信してそれぞれ運用中データ、試験中データとして別個に管理することが考えられるが、IPネットワークで構築されたシステムを利用している場合、これらの演算装置に別のIPアドレスを割り当てることになるため、管理装置側にも更新切り替え時に通信先の再設定を行う必要があるとともにさらに運用試験が必要となり、処理が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、演算装置とこの演算装置の処理を管理する管理装置がIPネットワークで接続されたシステムにおいて、運用中の演算装置の動作を停止させることなく、更新切り替えのための新たな演算装置の運用試験を実行することが可能な運用試験用システムおよびこれに利用するデータ転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための実施形態によれば、運用試験用システムは、中継装置と第1ルータと第2ルータとを有する。中継装置は、管理装置から受信した管理データをコピーして2つの管理データとし、送信元、宛先をそれぞれ異なるダミーのIPアドレスに置換して第1ルータと第2ルータに送出する。第1ルータは、送信元、宛先を元のIPアドレスに置換して現用演算装置に送信する。第2ルータは、送信元、宛先を元のIPアドレスに置換して更新用演算装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来の管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】一実施形態による運用試験用システムの構成を示すブロック図である。
【図3】一実施形態による運用試験用システムの管理データの送信処理の動作を示すシーケンス図である。
【図4】一実施形態による運用試験用システムの演算データの送信処理の動作を示すシーケンス図である。
【図5】一実施形態による運用試験用システムにおいて置換される各データの送信元、宛先IPアドレスを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態として、図1に示すように、運用中の現用演算装置10が管理装置20にLANスイッチ30を介してIPネットワークで接続されている管理システムに、現用演算装置10に搭載されているアプリケーションを更新するために更新後のアプリケーションが搭載されている新たな更新用演算装置40を用意し、現用演算装置10の運用を継続しながら管理装置20により更新用演算装置40の運用試験を行うための運用試験用システムについて説明する。
【0011】
〈一実施形態による管理システムの構成〉
本発明の一実施形態による運用試験用システムを利用した管理システム1の構成について、図2を参照して説明する。
【0012】
本実施形態による管理システム1は、運用中の現用演算装置10と、管理装置20と、更新用演算装置40と、管理装置20にLANスイッチ30を介して接続されるとともに現用演算装置10および更新用演算装置40に接続された運用試験用システム50とを有する。この管理システム1内では、IPネットワークにより相互に通信を行うために、管理装置20には第1のIPアドレス:A1(以下、「A1アドレス」とする。)が割り当てられ、現用演算装置10および更新用演算装置40には同一の第2のIPアドレス:A2(以下、「A2アドレス」とする。)が割り当てられている。
【0013】
管理装置20は、現用演算装置10および更新用演算装置40と、運用試験用システム50、LANスイッチ30を介して通信を行い、現用演算装置10および更新用演算装置40に管理データを送信するとともに現用演算装置10および更新用演算装置40から演算結果データを受信し管理する。
【0014】
運用試験用システム50は、管理装置20に接続された中継装置51と、現用演算装置10に接続された第1ルータ52と、更新用演算装置40に接続された第2ルータ53と、中継装置51と第1ルータ52および第2ルータ53とを接続するLANスイッチ54とを有する。
【0015】
中継装置51は、第1ポート51aと、アドレス置換部51bと、第2ポート51cとを有する。
【0016】
第1ポート51aは、A2アドレスが設定され、管理装置20(A1アドレス)とのデータの送受信を行う。
【0017】
アドレス置換部51bは、第1ポート51aから受信された管理データXをコピーして同一の2つの管理データx1、x2を生成する。そして、管理データx1の送信元IPアドレスであるA1アドレスを、第3のIPアドレスであるダミーの送信元IPアドレス:C1(以下、「C1アドレス」とする。)に置換し、宛先IPアドレスであるA2アドレスを、第4のIPアドレスであるダミーの宛先IPアドレス:C2(以下、「C2アドレス」とする。)に置換する。また、管理データx2の送信元IPアドレスであるA1アドレスをC1アドレスに置換し、宛先IPアドレスであるA2アドレスを、第5のIPアドレスであるダミーの宛先IPアドレス:C3(以下、「C3アドレス」とする。)に置換する。第2ポート51cから演算データy1、y2を受信したときには、この逆のアドレス置換処理を行う。このC1アドレス、C2アドレス、およびC3アドレスは、IPネットワーク上の同一セグメントのアドレスとする。
【0018】
第2ポート51cは、C1アドレスが設定され、LANスイッチ54を介して第1ルータ52、53とのデータの送受信を行う。
【0019】
第1ルータ52は、中継装置51から送出された管理データx1のダミーの送信元IPアドレスであるC1アドレスを、管理装置20のIPアドレスであるA1アドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC2アドレスをA2アドレスに置換し、現用演算装置10に送信する。現用演算装置10から演算データy1を受信したときには、この逆のアドレス置換処理を行う。
【0020】
また第2ルータ53は、中継装置51から送出された管理データx2のダミーの送信元IPアドレスであるC1アドレスを、管理装置20のIPアドレスであるA1アドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC3アドレスをA2アドレスに置換し、更新用演算装置40に送信する。更新用演算装置40から演算データy2を受信したときには、この逆のアドレス置換処理を行う。
【0021】
〈一実施形態による管理システムの動作〉
次に、本実施形態による管理システムの動作について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、A1アドレスが割り当てられた管理装置からA2アドレスが割り当てられた現用演算装置10および更新用演算装置40に管理データが送信されるときの運用試験用システム50の動作を示すシーケンス図であり、図4は、この現用演算装置10および更新用演算装置40から管理装置20に演算データが送信されるときの運用試験用システム50の動作を示すシーケンス図であり、図5は、これらの動作により置換される各データのIPアドレスを示す説明図である。
【0022】
まず図3に示すように、A1アドレスが割り当てられた管理装置20からA2アドレスが割り当てられた現用演算装置10に対し、送信元IPアドレスをA1アドレスとし、宛先IPアドレスをA2アドレスとする管理データXが送信され、これがLANスイッチ30を介して運用試験用システム50の中継装置51の、A2アドレスが割り当てられた第1ポート51aから受信される(S1)。
【0023】
第1ポート51aから受信された管理データXは、中継装置51のアドレス置換部51bにおいてコピーされ、同一の2つの管理データx1、x2が生成される(S2)。
【0024】
そして、図5に示すようにアドレス置換部51bにおいて、この管理データx1の送信元IPアドレスであるA1アドレスが、ダミーの送信元IPアドレスであるC1アドレスに置換され、宛先IPアドレスであるA2アドレスが、ダミーの宛先IPアドレスであるC2アドレスに置換される。また、管理データx2の送信元IPアドレスであるA1アドレスが、C1アドレスに置換され、宛先IPアドレスであるA2アドレスが、第5のIPアドレスであるダミーの宛先IPアドレスであるC3アドレスに置換される(S3)。
【0025】
次に、アドレス置換部51bにおいてアドレスが置換された管理データx1が、C1アドレスが割り振られた第2ポート51cからLANスイッチ54を介して第1ルータ52に送出され、管理データx2が、第2ポート51cからLANスイッチ54を介して第2ルータ53に送出される(S4)。
【0026】
第1ルータ52では、中継装置51から送出された管理データx1が取得され、この管理データx1のダミーの送信元IPアドレスであるC1アドレスが、管理装置20のIPアドレスであるA1アドレスに置換されるとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC2アドレスがA2アドレスに置換される(S5)。
【0027】
このようにアドレスが置換された管理データx1は、第1ルータ52から現用演算装置10に送信される(S6)。
【0028】
また第2ルータでは、中継装置51から送出された管理データx2が取得され、この管理データx2のダミーの送信元IPアドレスであるC1アドレスが、管理装置20のIPアドレスであるA1アドレスに置換されるとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC3アドレスがA2アドレスに置換される(S7)。
【0029】
このようにアドレスが置換された管理データx2は、第2ルータ53から更新用演算装置40に送信される(S8)。
【0030】
このように運用試験用システム50で処理が行われることにより、管理装置20から特定のIPアドレス(A2アドレス)宛てに送信された管理データが、現用演算装置10および更新用演算装置40の双方で受信することが可能になる。
【0031】
また、受信した管理データに対する応答として、現用演算装置10および更新用演算装置40から管理装置20に演算データが送信されるときには、図4に示すように、まずA2アドレスが割り当てられた現用演算装置10からA1が割り当てられた管理装置に対し、送信元IPアドレスをA2アドレスとし、宛先IPアドレスをA1アドレスとする演算データy1が送信され、A2アドレスが割り当てられた更新用演算装置40からもA1が割り当てられた管理装置に対し、送信元IPアドレスをA2アドレスとし、宛先IPアドレスをA1アドレスとする演算データy2が送信される。
【0032】
現用演算装置10から送信された演算データy1は、運用試験用システム50の第1ルータ52で受信される(S11)。
【0033】
第1ルータ52で受信された演算データy1は、この第1ルータ52において、演算データy1の送信元IPアドレスであるA2アドレスが、ダミーの送信元IPアドレスであるC2アドレスに置換され、宛先IPアドレスであるA1アドレスが、ダミーの宛先IPアドレスであるC1アドレスに置換される(S12)。第1ルータ52においてアドレスが置換された演算データy1は、LANスイッチ54を介して中継装置51に送出される(S13)。
【0034】
一方、更新用演算装置40から送信された演算データy2は、運用試験用システム50の第2ルータ53で受信される(S14)。
【0035】
第2ルータ53で受信された演算データy2は、この第2ルータ53において、演算データy2の送信元IPアドレスであるA2アドレスが、ダミーの送信元IPアドレスであるC3アドレスに置換され、宛先IPアドレスであるA1アドレスが、ダミーの宛先IPアドレスであるC1アドレスに置換される(S15)。第2ルータ53においてアドレスが置換された演算データy2は、LANスイッチ54を介して中継装置51に送出される(S16)。
【0036】
中継装置51では、第1ルータ52から送出された演算データy1、および第2ルータ53から送出された演算データy2第2ポート51cから受信される(S17)。
【0037】
そして、予め中継装置51に設定された情報に基づいて、受信された演算データy1および演算データy2のうち、正規のデータとして扱う方のデータが選択される(S18)。
【0038】
ここでは、更新用演算装置40は運用試験中であることが設定されており、現用演算装置10から送信された演算データy1のほうが正規のデータとして選択される。
【0039】
正規のデータとして判断された演算データy1は、中継装置51のアドレス置換部51bにおいて、この演算データy1のダミーの送信元IPアドレスであるC2アドレスが、現用演算装置10のIPアドレスであるA2アドレスに置換されるとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC1アドレスがA1アドレスに置換される(S19)。
【0040】
アドレスが置換された演算データy1は、中継装置51の第1ポート51aから管理装置20に送信される(S20)。
【0041】
このように運用試験用システム50で処理が行われることにより、管理装置20から特定のIPアドレス(A2アドレス)宛てに送信された管理データに基づいて現用演算装置10および更新用演算装置40の双方で演算処理された演算データが算出されて応答され、管理装置20においては現用演算装置10から正規のデータが受信可能であるとともに更新用演算装置40においても運用試験を実行することが可能になる。
【0042】
上記のステップS18において、予め中継装置51に、受信された演算データy2が正規のデータとして設定されているとき、または演算データy2が運用試験用のデータとして管理装置20に送信することが設定されているときは、中継装置51のアドレス置換部51bにおいて、この演算データy2のダミーの送信元IPアドレスであるC3アドレスが、現用演算装置10のIPアドレスであるA2アドレスに置換されるとともに、ダミーの宛先IPアドレスであるC1アドレスがA1アドレスに置換され、中継装置51の第1ポート51aから管理装置20に送信される。
【0043】
以上の本実施形態により、運用中の現用演算装置の動作を停止させることなく、更新演算装置において運用試験を実行することができ、また現用演算装置10と更新用演算装置40とは同一のIPアドレスが割り当てられているため、更新用演算装置40においては現用演算装置10と同一のIPアドレス宛てのデータに対する運用試験を行うことができ、効率良く精度の高い運用試験を行うことができる。
【0044】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換し、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…管理システム
10…現用演算装置
20…管理装置
30…LANスイッチ
40…更新用演算装置
50…運用試験用システム
51…中継装置
51a…第1ポート
51b…アドレス置換部
51c…第2ポート
52…第1ルータ
53…第2ルータ
54…LANスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用中の現用演算装置に接続された第1ルータと、更新後のアプリケーションが搭載されている新たな更新用演算装置に接続された第2ルータと、これらの第1ルータおよぶ第2ルータに接続されるとともに、前記現用演算装置および前記更新用演算装置とデータの送受信を行う管理装置にIPネットワークを介して接続された中継装置とを備え、前記管理装置には第1IPアドレスが割り振られ、前記現用演算装置および前記更新演算装置には同一の第2IPアドレスが割り振られた運用試験用システムであって、
前記中継装置は、
前記第2IPアドレスが割り振られた第1ポートと、
転送用のダミーのIPアドレスである第3IPアドレスが割り振られた第2ポートと、
前記第1ポートから、送信元IPアドレスを前記第1IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第2IPアドレスとする管理データを受信したときに、この管理データをコピーして同一の第1管理データおよび第2管理データとし、この第1管理データの送信元IPアドレスをダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスをダミーの宛先IPアドレスである第4IPアドレスに置換して前記第2ポートから送出し、第2管理データの送信元IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスをダミーの宛先IPアドレスである第5IPアドレスに置換して前記第2ポートから送出し、
前記第2ポートから、送信元IPアドレスを前記第4IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、この現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換して前記第1ポートから送出し、送信元IPアドレスを前記第5IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第3IPドレスとする更新用演算装置データを受信したときに、この更新用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換して前記第1ポートから送出するアドレス置換部とを有し、
前記第1ルータは、
前記中継装置から送出された第1管理データを取得し、取得した第1管理データのダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスである第4IPアドレスを前記2アドレスに置換して前記現用演算装置に送信し、
前記現用演算装置から、送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、受信した現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第4IPアドレスに置換するとともに宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換して前記中継装置に送出する送信部を有し、
前記第2ルータは、
前記中継装置から送出された第2管理データを取得し、取得した第2管理データのダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスである第5IPアドレスを前記2アドレスに置換して前記更新用演算装置に送信し、
前記更新用演算装置から、送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、受信した現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第5IPアドレスに置換するとともに宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換して前記中継装置に送出する送信部を有する、
ことを特徴とする運用試験用システム。
【請求項2】
前記中継装置には、前記第2ポートから受信された前記現用演算装置データおよび前記更新用演算装置データのうち、どちらを正規のデータとして扱うデータかを示す情報が予め設定され、
前記中継装置は、前記設定された情報に基づいて、正規のデータとして扱うデータを選択し、選択したデータの送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを置換して前記第1ポートから送出する
ことを特徴とする請求項1に記載の運用試験用システム。
【請求項3】
運用中の現用演算装置に接続された第1ルータと、更新後のアプリケーションが搭載されている新たな更新用演算装置に接続された第2ルータと、これらの第1ルータおよぶ第2ルータに接続されるとともに、前記現用演算装置および前記更新用演算装置とデータの送受信を行う管理装置にIPネットワークを介して接続された中継装置とを備え、前記管理装置には第1IPアドレスが割り振られ、前記現用演算装置および前記更新演算装置には同一の第2IPアドレスが割り振られた運用試験用システムの、
前記中継装置が、
前記第2IPアドレスが割り振られた第1ポートから、送信元IPアドレスを前記第1IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第2IPアドレスとする管理データを受信したときに、この管理データをコピーして同一の第1管理データおよび第2管理データとし、この第1管理データの送信元IPアドレスをダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスをダミーの宛先IPアドレスである第4IPアドレスに置換して、前記第3IPアドレスが割り振られた第2ポートから送出し、第2管理データの送信元IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスをダミーの宛先IPアドレスである第5IPアドレスに置換して前記第2ポートから送出し、
前記第1ルータが、
前記中継装置から送出された第1管理データを取得し、取得した第1管理データのダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスである第4IPアドレスを前記2アドレスに置換して前記現用演算装置に送信し、
前記第2ルータが、
前記中継装置から送出された第2管理データを取得し、取得した第2管理データのダミーの送信元IPアドレスである第3IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換するとともに、ダミーの宛先IPアドレスである第5IPアドレスを前記2アドレスに置換して前記更新用演算装置に送信し、
前記第1ルータが、
前記現用演算装置から、送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、受信した現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第4IPアドレスに置換するとともに宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換して前記中継装置に送出し、
前記第2ルータが、
前記更新用演算装置から、送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、受信した現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第5IPアドレスに置換するとともに宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスに置換して前記中継装置に送出し、
前記中継装置は、
前記第2ポートから、送信元IPアドレスを前記第4IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第3IPアドレスとする現用演算装置データを受信したときに、この現用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換して前記第1ポートから送出し、
送信元IPアドレスを前記第5IPアドレスとし、宛先IPアドレスを前記第3IPドレスとする更新用演算装置データを受信したときに、この更新用演算装置データの送信元IPアドレスを前記第2IPアドレスに置換するとともに、宛先IPアドレスを前記第1IPアドレスに置換して前記第1ポートから送出する
ことを特徴とする運用試験用システムに利用するデータ転送方法。
【請求項4】
前記中継装置には、前記第2ポートから受信された前記現用演算装置データおよび前記更新用演算装置データのうち、どちらを正規のデータとして扱うデータかを示す情報が予め設定され、
前記中継装置は、前記設定された情報に基づいて、正規のデータとして扱うデータを選択し、選択したデータの送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを置換して前記第1ポートから送出する
ことを特徴とする請求項3に記載の運用試験用システムに利用するデータ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−195673(P2012−195673A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56564(P2011−56564)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】