説明

過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーター

【課題】気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理を行う場合であっても、インジケーターが気体透過性包装体に密着せず、正確な検知が可能なインジケーターを提供する。
【解決手段】基材上に過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する変色層を有する過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターであって、前記変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmの範囲であることを特徴とするインジケーター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターに関する。
【背景技術】
【0002】
病院、研究所等において使用される各種の器材、器具等は、消毒・殺菌のために滅菌処理が施される。この滅菌処理として、例えば、過酸化水素(蒸気)滅菌処理、過酸化水素プラズマ滅菌処理等が知られている。このうち、過酸化水素プラズマ滅菌処理は、過酸化水素雰囲気下でプラズマを発生させ低温ガスプラズマにより器材を滅菌するものであり、比較的低い温度で滅菌処理できるという点で有利である。
【0003】
これらの滅菌処理においては、滅菌処理が完了したかどうかを確認するためのインジケーターの設置が必要となる。具体的には、処理系内に過酸化水素又は過酸化水素プラズマが十分に行き渡っているか否か及び曝露時間を知るためのインジケーターを滅菌装置内に設置することが必要である。このようなインジケーター及びそれを形成するためのインキ組成物が特許文献1〜3に記載されている。具体的には、特許文献1及び2には、過酸化水素滅菌検知に用いるインキ組成物及びインジケーターが記載されている。また、特許文献3には、過酸化水素プラズマ滅菌検知に用いるインキ組成物及びインジケーターが記載されている。
【0004】
しかしながら、上記従来技術のインジケーターには次の問題がある。即ち、気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理に供する際、滅菌工程中にチャンバー(滅菌処理器)を真空にする工程が含まれているため、真空工程の際にインジケーターが気体透過性包装体に密着し、変色不良が生じる場合がある。例えば、包装体の一部に設けられた透明窓部(フィルム面)にインジケーターが密着し、過酸化水素又は過酸化水素プラズマを検知できない場合がある。
【0005】
よって、気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理を行う場合であっても、インジケーターが気体透過性包装体に密着せず、正確な検知が可能なインジケーターの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-078463号公報
【特許文献2】特開2007-040785号公報
【特許文献3】特開2005-315828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理を行う場合であっても、インジケーターが気体透過性包装体に密着せず、正確な検知が可能なインジケーターを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記目的を達成すべき鋭意研究を重ねた結果、特定の変色層を有するインジケーターが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターに関する。
1.基材上に過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する変色層を有する過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターであって、前記変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmの範囲であることを特徴とするインジケーター。
2.前記基材上に、基材面積の0.2〜20%の開口部が設けられている、上記項1に記載のインジケーター。
3.前記基材上に、型押し溝、スリット(線状の孔)及びミシン目(破線状の孔)からなる群から選択される少なくとも1種が設けられている、上記項1に記載のインジケーター。
4.上記項1に記載の変色層を形成するためのインキ組成物であって、過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する成分に加えて、平均粒子径1〜30μmの粒子を含有するインキ組成物。
5.前記粒子は、高分子化合物及び無機化合物の少なくとも1種である、上記項4に記載のインキ組成物。
6.アゾ系染料、メチン系染料、トリアリールメタン系染料及びチアジン系染料の少なくとも1種を含有する、上記項4又は5に記載の過酸化水素滅菌検知用インキ組成物。
7.1)スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の少なくとも1種及び2)メチン系染料を含有する、上記項4又は5に記載の過酸化水素滅菌検知用インキ組成物。
8.1)アントラキノン系染料、アゾ系染料及びメチン系染料の少なくとも1種、2)窒素含有高分子及び3)カチオン系界面活性剤を含有する。上記項4又は5に記載の過酸化水素プラズマ滅菌検知用インキ組成物。
9.気体透過性包装体の内面に上記項1〜3のいずれかに記載のインジケーターが設けられている過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌用包装体。
10.前記インジケーターを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられている、上記項9に記載の包装体。
11.前記気体透過性包装体が、ポリエチレン系繊維により形成されている、上記項9又は10に記載の包装体。
12.上記項9〜11のいずれかに記載の包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体を過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌雰囲気下に置く工程を有する過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌処理方法。
14.前記インジケーターの変色層が変色するまで過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌雰囲気下に包装体を置く、上記項12に記載の方法。
【0010】
以下、本発明のインジケーターについて詳細に説明する。
【0011】
本発明のインジケーターは、基材上に過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する変色層を有する過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターであって、前記変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmの範囲であることを特徴とする。
【0012】
上記特徴を有する本発明のインジケーターは、特に変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmの範囲であることにより、気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理を行う場合であっても、インジケーターが気体透過性包装体に密着せず、正確な検知が可能である。
【0013】
本発明のインジケーターは、変色層が上記表面粗さRaを有し、過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する限り、他の構成は従来公知のインジケーターと同じとすることができる。
【0014】
なお、本発明では、基材上に基材面積の0.2〜20%の開口部を設けることにより、インジケーターが気体透過性包装体に密着することをより確実に防止することが好ましい。この開口部は、基材上(変色層が形成されている部分も含む)に1つ又は2つ以上設けることができ、好ましくは変色層が形成されている部分に2つ以上設ける。開口部の形状は特に限定されず、円形、四角形、三角形等の各種形状が採用できる。開口部の具体例としては、例えば、直径2mm〜4mmの円形の孔を、変色層の両脇に設ける態様、変色層の中央部分に設ける態様、基材上(変色層が形成されている部分も含む)にランダムに設ける態様等が挙げられる。上記例の場合には、開口部の総面積は基材面積の0.3〜13%の範囲内であることが好ましい。
【0015】
更に、本発明では、基材上に、型押し溝、スリット(線状の孔)及びミシン目(破線状の孔)からなる群から選択される少なくとも1種が設けることにより、インジケーターが気体透過性包装体に密着することをより確実に防止することが好ましい。型押し溝は、例えば、図2の例1〜3に示されるようにインジケーターの対辺を横切るように縦筋、横筋等を単独又は組み合わせて設けることができる。このような型押し溝は公知のエンボス機により設けることができ、例えば、図3に示されるように溝の深さは25〜35μm程度に設定することが好ましい。なお、型押し溝を形成する向きは特に限定されず、変色層を有する面が凹部となるように設けてもよく、凸部となるように設けてもよい。スリットを設ける場合には、図2の例3に示されるように変色層上に1本又は複数本を設けることが好ましい。なお、インジケーターの強度等を考慮してスリットをミシン目(図示なし)に置き換えることもできる。このような型押し溝、スリット及びミシン目の少なくとも1種を設けることにより、過酸化水素の流動を確保することができるため、インジケーターが気体透過性包装体に密着することをより確実に防止することができる。
【0016】
更に、本発明では、基材上に四角形、三角形等の各種形状の切り込みを設けて基材の一部を平面から起こすことにより、インジケーターが気体透過性包装体に密着することをより確実に防止することが好ましい。このような切り込みは基材上に1つ又は2つ以上設けることができる。このような切り込みの具体例を図1のb−2〜b−5に示す。
【0017】
更に、本発明では、インジケーターを折り曲げて使用し、インジケーターが気体透過性包装体に密着することをより確実に防止することが好ましい。このような折り曲げは、例えばインジケーターの形状が長方形である場合に、対辺を横切るように折り曲げる態様やインジケーターの端部を三角形に折り曲げる態様などが挙げられる。このような折り曲げの具体例を図1のa−1〜b−1に示す。なお、折り曲げる向きは特に限定されず、変色層を有する面が山折りであってもよく、谷折りであってもよい。
【0018】
インジケーターの基材としては、塗布又は印刷によって変色層を形成できるものが良く、例えば、金属又は合金、セラミックス、ガラス、コンクリート、プラスチックス(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン等)、繊維類(不織布、織布、その他の繊維シート)、これらの複合材料等を用いることができる。また、ポリプロピレン合成紙、ポリエチレン合成紙等の合成樹脂繊維紙(合成紙)も好適に用いることができる。
【0019】
本発明における変色層は、過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で色が他の色に変化するもののほか、色が退色又は消色するものも包含される。変色層は、後述のインキ組成物を用い、例えば、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の印刷方法で行うことができる。また、印刷以外でも形成できる。例えば、基材をインキ組成物に浸漬することによって変色層を形成することもできる。この方法は、不織布等のようにインキが浸透する材料には特に好適である。
【0020】
本発明では、変色層を形成するためのインキ組成物は、過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する成分に加えて、平均粒子径1〜30μmの粒子を含有することが好ましい。この粒子を含有することにより、変色層の表面粗さRaを2.5〜15.0μm(好ましくは2.5〜5.0μm)に設定し易い。なお、本明細書における表面粗さRaは、JIS B 0601で規定されるRaである。なお、本発明では、上記粒子を用いることによって変色層の表面粗さを所定範囲に設定することに加えて、機械的手法(例えば、サンドペーパーやサンドブラストによる粗面化、シルクスクリーン印刷による変色層の膜厚印刷)を併用することもできる。
【0021】
粒子の平均粒子径は1〜30μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。粒子の材質としては限定的ではないが、高分子化合物及び無機化合物の少なくとも1種であって、過酸化水素又は過酸化水素プラズマと反応したり吸着したりしないものが好ましい。
【0022】
高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。高分子化合物は、樹脂球だけでなく、中空樹脂球、マイクロカプセル等であってもよい。また、無色である必要はなく、染料や顔料により着色されていてもよい。
【0023】
上記高分子化合物の中でも、低分子量ポリエチレン樹脂球が好ましく、例えば、市販品のケミパールW308(平均粒子径6μm、軟化点132℃)、ケミパールW200(平均粒子径6μm、軟化点113℃)、ケミパールW310(平均粒子径9.5μm、軟化点132℃、いずれも三井化学製の40%水分散液)等が好ましいものとして挙げられる。
【0024】
無機化合物としては、炭酸カルシウム、ガラス等が挙げられる。無機化合物は、必要に応じて球状だけでなく、板状物(フレーク状物)、針状物等の物質を用いてもよい。以下、粒子、板状物、針状物を総称して「粒子等」と称する。いずれの場合も変色層の表面粗さRaが2.5〜5.0μmに入るように併用することができる。板状及び針状の場合には、いずれもレーザー回折法で測定される球換算径で1〜30μmの大きさが好ましい。
【0025】
インキ組成物中の上記粒子等の含有量は限定されないが、上記粒子等を除いたインキ100重量部に対して1〜50重量部を加えることが好ましく、5〜20重量部加えることがより好ましい。粒子等の含有量が多すぎると、基材との接着性が低下したり、印刷解像度が低下したりするおそれがある。一方、粒子等の含有量が少なすぎると、所定の効果が得られ難くなる。
【0026】
本発明では、インキ組成物中に含まれる過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する成分としては、公知のものが使用できる。例えば、過酸化水素滅菌検知用インキ組成物としては、アゾ系染料、メチン系染料、トリアリールメタン系染料及びチアジン系染料の少なくとも1種を含有するインキ組成物(特開2006-78463号公報に記載のもの)、1)スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の少なくとも1種及び2)メチン系染料を含有するインキ組成物(特開2007-40785号公報に記載のもの)等が使用できる。また、過酸化水素プラズマ滅菌検知用インキ組成物としては、1)アントラキノン系染料、アゾ系染料及びメチン系染料の少なくとも1種、2)窒素含有高分子及び3)カチオン系界面活性剤を含有するインキ組成物(特開2005-315828号公報に記載のもの)等が好適に使用できる。これらのインキ組成物について以下に簡単に説明する。
【0027】
過酸化水素滅菌検知用インキ組成物
アゾ系染料、メチン系染料、トリアリールメタン系染料及びチアジン系染料の少なくとも1種を含有するインキ組成物(特開2006-78463号公報に記載のもの)が挙げられる。
【0028】
アゾ系染料は、発色団としてアゾ基−N=N−を有するものであれば限定されない。例えば、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等が挙げられる。より具体的に染料番号で表記すれば、C.I.Disperse Red 13、C.I.Disperse Red 52、C.I.Disperse Violet 24、C.I.Disperse Blue、44、C.I.Disperse Red 58、C.I.Disperse Red 88、C.I.Disperse Yellow 23、C.I.Disperse Orange 1、C.I.Disperse Orange 5、C.I.Solvent Red 1、 C.I.Solvent Red 3、 C.I.Solvent Red 23等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0029】
メチン系染料としては、メチン基を有する染料であれば良い。従って、本発明において、ポリメチン系染料、シアニン系染料等もメチン系染料に包含される。これらは、公知又は市販のメチン系染料から適宜採用することができる。具体的には、C.I.Basic Red 12、C.I.Basic Red 13、C.I.Basic Red 14、C.I.Basic Red 15、C.I.Basic Red 27、C.I.Basic Red 35、C.I.Basic Red 36、C.I.Basic Red 37、C.I.Basic Red 45、C.I.Basic Red 48、C.I.Basic Yellow 11、C.I.Basic Yellow 12、C.I.Basic Yellow 13、C.I.Basic Yellow 14、C.I.Basic Yellow 21、C.I.Basic Yellow 22、C.I.Basic Yellow 23、C.I.Basic Yellow 24、C.I.Basic Violet 7、C.I.Basic Violet 15、C.I.Basic Violet 16、C.I.Basic Violet 20、C.I.Basic Violet 21、C.I.Basic Violet 39、C.I.Basic Blue 62、C.I.Basic Blue 63等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0030】
トリアリールメタン系染料は限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、C.I.Basic Blue 1、C.I.Basic Blue 26、C.I.Basic Blue 5、C.I.Basic Blue 8、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Violet 12、C.I.Basic Violet 14、C.I.Basic Violet 3、C.I.Solvent Green 15、C.I.Solvent Violet 8等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。これらトリアリールメタン系染料の中でも、C.I.Solvent Violet 8、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Blue 1等を好適に用いることができる。
【0031】
チアジン系染料は特に限定されることなく、公知又は市販のものから選ぶことができる。例えば、C.I.Basic Blue 9、C.I.Basic Blue 25、C.I.Basic Blue 24、C.I.Basic Blue 17、C.I.Basic Green 5、C.I.Solvent Blue 8等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。これらチアジン系染料の中でも、C.I.Basic Blue 9等を好適に用いることができる。
【0032】
これらの染料の含有量は、用いる染料の種類、所望の検知特性等により異なるが、インキ組成物中0.01〜10重量%とし、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%とすればよい。
【0033】
また、1)スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の少なくとも1種及び2)メチン系染料を含有するインキ組成物(特開2007-40785号公報に記載のもの)が挙げられる。
【0034】
メチン系染料としては、メチン基を有する染料であれば良い。従って、本発明において、ポリメチン系染料、シアニン系染料等もメチン系染料に包含される。これらは、公知又は市販のメチン系染料から適宜採用することができる。具体的には、C.I.Basic Red 12、C.I.Basic Red 13、C.I.Basic Red 14、C.I.Basic Red 15、C.I.Basic Red 27、C.I.Basic Red 35、C.I.Basic Red 36、C.I.Basic Red 37、C.I.Basic Red 45、C.I.Basic Red 48、C.I.Basic Yellow 11、C.I.Basic Yellow 12、C.I.Basic Yellow 13、C.I.Basic Yellow 14、C.I.Basic Yellow 21、C.I.Basic Yellow 22、C.I.Basic Yellow 23、C.I.Basic Yellow 24、C.I.Basic Violet 7、C.I.Basic Violet 15、C.I.Basic Violet 16、C.I.Basic Violet 20、C.I.Basic Violet 21、C.I.Basic Violet 39、C.I.Basic Blue 62、C.I.Basic Blue 63等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0035】
上記染料の含有量は、所望の色相等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.05〜5重量%程度、特に0.1〜1重量%とすることが望ましい。
【0036】
スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の種類及び性状は限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の含有量は、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中50重量%以下程度、特に1〜35重量%とすることが望ましい。
【0037】
過酸化水素プラズマ滅菌検知用インキ組成物
1)アントラキノン系染料、アゾ系染料及びメチン系染料の少なくとも1種、2)窒素含有高分子及び3)カチオン系界面活性剤を含有するインキ組成物(特開2005-315828号公報に記載のもの)が挙げられる。
【0038】
アントラキノン系染料はアントラキノンを基本骨格とするものであれば限定的でなく、公知のアントラキノン系分散染料等も使用できる。特にアミノ基を有するアントラキノン系染料が好ましい。より好ましくは、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料である。この場合、各アミノ基は、2以上有していても良く、これらは互いに同種又は相異なっても良い。
【0039】
より具体的には、例えば1,4−ジアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 1)、1−アミノ−4−ヒドロキシ−2−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Red 4)、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 4)、1,4−ジアミノ−2−メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 11)、1−アミノ−2−メチルアントラキノン(C.I.Disperse Orange 11)、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 15)、1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン(C.I.Disperse Blue 1)、1,4−ジアミノ−5−ニトロアントラキノン(C.I.Disperse Violet 8)等を挙げることができる(カッコ内は染料番号)。その他にも C.I.Solvent Blue 14、C.I.Solvent Blue 35、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 114、C.I.Vat Blue 21、C.I.Vat Blue 30、C.I.Vat Violet 15、C.I.Vat Violet 17、C.I.Vat Red 19、C.I.Vat Red 28、C.I.Acid Blue 23、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Violet 43、C.I.Acid Violet 48、C.I.Acid Red 81、C.I.Acid Red 83、C.I.Reactive Blue 4、C.I.Reactive Blue 19、C.I.Disperse Blue 7 等として知られている染料も使用することができる。これらのアントラキノン系染料は、単独で又は2種以上併用することができる。これらアントラキノン系染料の中でも、C.I Disperse Blue 7、C.I Disperse Violet 1 等が好ましい。また、本発明では、これらのアントラキノン系染料の種類(分子構造等)を変えることによって検知感度の制御を行うこともできる。
【0040】
アゾ系染料は、発色団としてアゾ基−N=N−を有するものであれば限定されない。例えば、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等が挙げられる。より具体的に染料番号で表記すれば、C.I.Solvent Red 1、C.I.Solvent Red 3、C.I.Solvent Red 23、C.I.Disperse Red 13、C.I.Disperse Red 52、C.I.Disperse Violet 24、C.I.Disperse Blue 44、C.I.Disperse Red 58、C.I.Disperse Red 88、C.I.Disperse Yellow 23、C.I.Disperse Orange 1、C.I.Disperse Orange 5等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0041】
メチン系染料としては、メチン基を有する染料であれば良い。従って、本発明において、ポリメチン系染料、シアニン系染料等もメチン系染料に包含される。これらは、公知又は市販のメチン系染料から適宜採用することができる。具体的には、C.I.Basic Red 12、C.I.Basic Red 13、C.I.Basic Red 14、C.I.Basic Red 15、C.I.Basic Red 27、C.I.Basic Red 35、C.I.Basic Red 36、C.I.Basic Red 37、C.I.Basic Red 45、C.I.Basic Red 48、C.I.Basic Yellow 11、C.I.Basic Yellow 12、C.I.Basic Yellow 13、C.I.Basic Yellow 14、C.I.Basic Yellow 21、C.I.Basic Yellow 22、C.I.Basic Yellow 23、C.I.Basic Yellow 24、C.I.Basic Violet 7、C.I.Basic Violet 15、C.I.Basic Violet 16、C.I.Basic Violet 20、C.I.Basic Violet 21、C.I.Basic Violet 39、C.I.Basic Blue 62、C.I.Basic Blue 63等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0042】
上記染料の含有量は、染料の種類、所望の色相等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.05〜5重量%程度、特に0.1〜1重量%とすることが望ましい。
【0043】
窒素含有高分子は、例えばポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アミノ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン等の合成樹脂を好適に用いることができる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。インク組成物において、窒素含有高分子は感度強化剤としての役割を果たす。すなわち、感度強化剤を用いることにより、過酸化水素プラズマ滅菌検知の精度(感度)をより高めることができる。これにより、過酸化水素プラズマ滅菌用包装体中においても確実に変色するので、上記包装体に用いるインジケーターとして非常に有利である。
【0044】
かかる見地より、本発明では特にポリアミド樹脂を用いることが好ましい。ポリアミド樹脂の種類、分子量等は特に限定されず、公知又は市販のポリアミド樹脂を用いることができる。この中でも、リノール酸の二量体とジ−又はポリアミンとの反応生成物(長鎖線状重合物)であるポリアミド樹脂を好適に用いることができる。ポリアミド樹脂は、分子量4000〜7000の熱可塑性樹脂である。このような樹脂も市販品を用いることができる。
【0045】
窒素含有高分子の含有量は、上記高分子の種類、用いる着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.1〜50重量%程度、特に1〜20重量%とすることが望ましい。
【0046】
カチオン系界面活性剤としては、特に制限されないが、特にアルキルアンモニウム塩、イソキノリニウム塩、イミダゾリニウム塩及びピリジニウム塩の少なくともを用いることが望ましい。これらは、公知もの又は市販品も使用できる。本発明では、これらカチオン系界面活性剤を前記の染料と併用することによって、より優れた検知感度を得ることができる。
【0047】
アルキルアンモニウム塩の中でも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が好ましい。具体的には、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム等が挙げられる。特に、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等が好ましい。
【0048】
イソキノリニウム塩としては、例えばラウリルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムクロライド、ラウリルイソキノリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特にラウリルイソキノリニウムブロマイドが好ましい。
【0049】
イミダゾリニウム塩としては、例えば1−ヒドロキシエチル−2−オレイルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特に2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライドが好ましい。
【0050】
ピリジニウム塩としては、例えばピリジニウムクロライド、1−エチルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、1−ブチルピリジニウムクロライド、N−n−ブチルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、N−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、1−ドデシルピリジニウムクロライド、3−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、4−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチルオクチルピリジニウムクロライド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、3,4−ジメチルブチルピリジニウムクロリド、ピリジニウム−n−ヘキサデシルクロリド−水和物、N−(シアノメチル)ピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド、1−(アミノホルミルメチル)ピリジニウムクロライド、2−アミジノピリジニウムクロライド、2−アミノピリジニウムクロライド、N−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アセトニルピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド等が挙げられる。この中でも、特にヘキサデシルピリジニウムクロライドが好ましい。
【0051】
カチオン系界面活性剤の含有量は、上記界面活性剤の種類、用いる染料の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.2〜10重量%程度、特に0.5〜5重量%とすることが望ましい。
【0052】
その他、インキ組成物には、必要に応じて樹脂バインダー、増量剤、溶剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等の公知のインキに用いられている成分を適宜配合することができる。これらの成分の含有量については、常法に従えばよい。
【0053】
本発明のインジケーターは、過酸化水素又は過酸化水素プラズマ雰囲気下で行う滅菌処理であればいずれにも適用できる。従って、滅菌処理装置(具体的には、過酸化水素又は過酸化水素プラズマにより滅菌を行う装置)におけるインジケーターとして有用である。例えば、インジケーターの使用に際しては、市販の滅菌装置内に本発明インジケーターを置き、滅菌処理すべき器材等とともに滅菌処理雰囲気下に晒せば良い。この場合、装置内に置かれたインジケーターの変色により所定のプラズマ滅菌処理が行われたこと検知することができる。
【0054】
本発明では、気体透過性包装体の内面にインジケーターが設けられている過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌用包装体を用いて好適に滅菌処理を行うことができる。
【0055】
気体透過性包装体は、その中に被処理物を封入したままで滅菌できる包装体が好ましい。これは、滅菌用包装体(滅菌パウチ)として使用されている公知又は市販のものを使用することができる。例えば、ポリエチレン系繊維(ポリエチレン合成紙)により形成されている包装体を好適に用いることができる。この包装体に被処理物を入れ、開口部をヒートシール等により密閉した後、包装体ごと滅菌処理装置中で滅菌処理することができる。
【0056】
インジケーターは、上記包装体の内面に配置すればよい。配置する方法は限定的でなく、接着剤、ヒートシール等による方法のほか、インキ組成物を直接に包装体の内面に塗布又は印刷することによりインジケーターを構成することもできる。また、上記塗布又は印刷による場合は、包装体の製造段階でインジケーターを形成しておくこともできる。
【0057】
本発明では、インジケーターを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられていることが望ましい。例えば、包装体を透明シートと前記ポリエチレン合成紙で作製し、その透明シートを通して視認できるような位置に包装体内面にインジケーターを配置すればよい。
【0058】
上記包装体を用いて滅菌処理する場合、例えば包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体を過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌雰囲気下に置く工程を有する方法によれば良い。より具体的には、被処理物(医療器具、食品等)を包装体に入れた後、ヒートシール等の公知の方法に従って密封する。次いで、その包装体ごと滅菌雰囲気下に配置する。例えば、公知又は市販の滅菌装置の滅菌室に配置し、滅菌処理を行う。滅菌処理が終了した後は、包装体ごと取り出し、そのまま使用時まで包装体中で保管することができる。この場合、滅菌処理は、インジケーターの変色層が変色するまで滅菌雰囲気下に包装体を置くことが好ましい。
【発明の効果】
【0059】
本発明のインジケーターは、特に変色層の表面粗さRaが2.5〜5.0μmの範囲であることにより、気体透過性包装体に被処理物とインジケーターを装填・密封し、過酸化水素滅菌処理又は過酸化水素プラズマ滅菌処理を行う場合であっても、インジケーターが気体透過性包装体に密着せず、正確な検知が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のインジケーターに切り込みを設けて基材の一部を平面から起こす態様及び本発明のインジケーターを折り曲げる態様の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のインジケーターの基材上に、型押し溝及び/又はスリット(線状の孔)を設ける態様の一例を示す模式図である。
【図3】本発明のインジケーターの基材上に、型押し溝を設けた場合の基材断面図の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。なお、本発明は、実施例の態様に制限されない。
【0062】
実施例1〜3及び比較例1
表1に示す各成分を攪拌機にて均一に混合することによってインキ組成物を調製した。具体的には、粒子(ケミパール)以外の成分を先に十分に撹拌した後、ケミパールを加えて30分撹拌した。
【0063】
各インキ組成物を、PETシート(東洋紡製クリスパーK2323:125μm)に250メッシュ版を用いてスクリーン印刷して変色層を形成した。30分間自然乾燥した後、70℃で5分間強制乾燥した。これによりインジケーターを作製した。
【0064】
次に、各インジケーター及び塩ビ電線5m×2本を包装体(滅菌パウチ、製品名「ステラッド滅菌パウチレギュラー」)に入れ、開口部をヒートシールにより密閉したものを包装体ごとプラズマ滅菌器装置(過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌システム「STERRAD 50」ジョンソンアンドジョンソンメディカル社製)に入れ、予めメーカーによってプログラミングされた標準条件で滅菌処理を施し、その変色不良の有無を調べた。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
表1に示す成分は具体的には下記の通りである。
C.I.Basic Red 14:メチン系染料
Oil Yellow 129:ジアゾ系染料
SN-W407グリーン:(フタロシアニン系顔料分散液 KLT社製)
ジョンクリル690:(樹脂バインダー、ジョンソンポリマー製、スチレンアクリル酸樹脂)
MOWITAL PVB-B20H:(樹脂バインダー、クラレ製、ポリビニルブチラール)
NIKKOL CA-2150(カチオン系界面活性剤、日光ケミカルズ製)
ブチルセロソルブ:溶剤
プロピレングリコールモノメチルエーテル:溶剤
SH200オイル 100CS:(消泡剤、東レ・ダウコーニング製、シリコーンオイル)
表1の結果から分かるように、変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmである実施例1〜3のインジケーターはフィルム密着による変色不良は認められないが、Raが0.47μmである比較例1のインジケーターはフィルム密着による変色不良が認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する変色層を有する過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌検知インジケーターであって、前記変色層の表面粗さRaが2.5〜15.0μmの範囲であることを特徴とするインジケーター。
【請求項2】
前記基材上に、基材面積の0.2〜20%の開口部が設けられている、請求項1に記載のインジケーター。
【請求項3】
前記基材上に、型押し溝、スリット(線状の孔)及びミシン目(破線状の孔)からなる群から選択される少なくとも1種が設けられている、請求項1に記載のインジケーター。
【請求項4】
請求項1に記載の変色層を形成するためのインキ組成物であって、過酸化水素又は過酸化水素プラズマの存在下で変色する成分に加えて、平均粒子径1〜30μmの粒子を含有するインキ組成物。
【請求項5】
前記粒子は、高分子化合物及び無機化合物の少なくとも1種である、請求項4に記載のインキ組成物。
【請求項6】
アゾ系染料、メチン系染料、トリアリールメタン系染料及びチアジン系染料の少なくとも1種を含有する、請求項4又は5に記載の過酸化水素滅菌検知用インキ組成物。
【請求項7】
1)スチレンアクリル樹脂及びスチレンマレイン酸樹脂の少なくとも1種及び2)メチン系染料を含有する、請求項4又は5に記載の過酸化水素滅菌検知用インキ組成物。
【請求項8】
1)アントラキノン系染料、アゾ系染料及びメチン系染料の少なくとも1種、2)窒素含有高分子及び3)カチオン系界面活性剤を含有する。請求項4又は5に記載の過酸化水素プラズマ滅菌検知用インキ組成物。
【請求項9】
気体透過性包装体の内面に請求項1〜3のいずれかに記載のインジケーターが設けられている過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌用包装体。
【請求項10】
前記インジケーターを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられている、請求項9に記載の包装体。
【請求項11】
前記気体透過性包装体が、ポリエチレン系繊維により形成されている、請求項9又は10に記載の包装体。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかに記載の包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体を過酸化水素滅菌又は過酸化水素プラズマ滅菌雰囲気下に置く工程を有する過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌処理方法。
【請求項13】
前記インジケーターの変色層が変色するまで過酸化水素又は過酸化水素プラズマ滅菌雰囲気下に包装体を置く、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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