道路用表示板の取付構造
【課題】車両などが接触しても表示板が破壊されにくく、継続的に支持可能な道路用表示板の取付構造を提供する。
【解決手段】弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材を支持体に固定させる道路用表示板の取付構造において、前記固定具に、少なくとも支持体又は表示部材のいずれかとの固定に用いる締結部材を挿通させる貫通穴を設け、この貫通穴の内部に前記締結部材を締結させる際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーを内装させる。
前記締結部材を締結させたときに、前記スペーサーによって前記固定具の貫通穴周縁の変形が抑制され、適正な大きさの力で前記締結部材が締結されるので、道路用表示板に車両などが接触してもその締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持される。。
【解決手段】弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材を支持体に固定させる道路用表示板の取付構造において、前記固定具に、少なくとも支持体又は表示部材のいずれかとの固定に用いる締結部材を挿通させる貫通穴を設け、この貫通穴の内部に前記締結部材を締結させる際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーを内装させる。
前記締結部材を締結させたときに、前記スペーサーによって前記固定具の貫通穴周縁の変形が抑制され、適正な大きさの力で前記締結部材が締結されるので、道路用表示板に車両などが接触してもその締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持される。。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路反射鏡や交通標識等の道路用表示板を支柱などの支持体に固定させる取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路脇に設置される道路反射鏡や交通標識等の道路用表示板は、取付金具を介して支柱等に固定される構造が一般的であるが、大型車両などがこれに接触したときに、道路用表示板が破壊されたり、表示面の向きがずれるなどしてその機能が失われる場合があり、その対策について種々の提案がなされている。
【0003】
例えば特許文献1には、運転席から直接見えない情景を反射させて運転の安定性を高める鏡2を交差点・曲がり部分等の道路傍に立設した支柱1に取り付ける如く構成した鏡2の支柱1への取付部材4であって、鏡2に結合する第一の結合部材4aと支柱1に結合する第二の結合部材4bとを鉛直の硬質ゴム4cを介して結合してなる鏡2の支柱への取付部材を備えた道路用鏡支持装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−066811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される道路用鏡支持装置は、図面において第一の結合部材4a及び第二の結合部材4bと硬質ゴム4cとの結合をボルトで行うように示されているが、このような構成においては硬質ゴム4cの変形によってボルトの締結が緩みやすくなり、その支持力が失われて道路用鏡が外れてしまう恐れがあるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、車両などが接触しても表示板が破壊されにくく、継続的に支持可能な道路用表示板の取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用表示板の取付構造は、弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材が支持体に固定される道路用表示板の取付構造であって、
前記固定具には少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材が挿通する貫通穴が設けられ、
該貫通穴の内部には前記締結部材が締結される際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーが内装されていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る道路用表示板の取付構造によれば、弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材を支持体に固定させ、少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材を挿通させる貫通穴を前記固定具に設け、この貫通穴の内部に前記締結部材を締結させる際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーを内装させるので、前記締結部材を締結させたときに、前記スペーサーによって前記固定具の貫通穴周縁の変形が抑制され、適正な大きさの力で前記締結部材が締結されるので、道路用表示板に車両などが接触してもその締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持される。
【0009】
また、前記固定具に、前記貫通穴を形成させた固定部と、表示部材に外力がかかったときに弾性変形する変形部とを形成させ、この変形部を前記固定部より薄肉に形成させれば、前記固定部よりも前記変形部がより変形しやすくなされるので、道路用表示板に車両などが接触したときに前記変形部が変形して受けた外力を緩和させ、前記固定部における変形を抑制させるので、前記締結部材の締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持されるので、好ましい。
【0010】
また、前記固定具において、前記固定部側から前記変形部側へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部を、前記固定部と前記変形部との間に形成させれば、道路用表示板に車両などが接触して前記変形部が変形するときに、薄肉の変形部と前記固定部との肉厚が変化する境界部分への力の集中が前記変圧部で分散されて緩和されるので、前記固定具が破壊されにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持されるので、好ましい。
【0011】
また、前記固定具に、前記表示部材の後面側に当接させる当接面を全体に備えた板状の表示当接部と、この表示当接部から後方へ垂直に突出する板状の支持部を備えさせ、前記固定部と前記変形部とを前記支持部に形成させれば、道路用表示板に車両などが接触したときに、前記表示当接部における変形が当接面に当接された前記表示部材によって抑制され、前記表示当接部と前記表示部材との固定が外れにくくなされるので、好ましい。また、固定具の変形が前記支持部の前記変形部においてなされるので、前記固定部における変形が抑制され、前記締結部材と、好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る道路用表示板の取付構造によれば、車両などが接触しても表示板が破壊されにくく、継続的に表示板を支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る道路用表示板の取付構造の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図2】図1の道路用表示板に外力がかかった状態を示す平面図である。
【図3】固定具の固定の状況を示す図1のC−C断面図である。
【図4】固定具の固定の状況を示す図1のA−A断面図である。
【図5】固定具の固定の状況を示す図1のB−B断面図である。
【図6】図1の固定具を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図7】図1の固定具の貫通穴に内装されているスペーサーを示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
【図8】本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図9】図7の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
【図10】本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図11】図9の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において1は道路用表示板の表示部材であり、2は表示部材1の支持体である支柱である。
支柱2は円筒形状の鋼管からなり、道路脇などの設置面において垂直方向に立設されて設けられている。
前記支柱2の側面には支柱バンド21が固定され、この支柱バンド21には固定具3が固定されており、前記表示部材1は前記固定具3に固定され、固定具3、支柱バンド2とを介して支柱2に固定されている。
【0015】
前記固定具3は弾性材料から形成されており、本実施形態の固定具3は合成ゴムで形成させている。
このため、固定具3を介して支柱2に固定された表示部材1に車両が接触する等して外力がかかったとき、固定具3が弾性変形して撓み、受けた力を緩和させて道路用表示板が破壊されることを防ぐことができる。
図2は図1の道路用表示板に外力がかかった状態を示す平面図である。
このように固定具3が変形して外力を逃がした後、車両が通過する等して外力が消滅すれば、固定具3は元の形状に弾性的に戻るので、図2の状態から図1(イ)の状態に復帰する。
【0016】
図3は固定具の固定の状況を示す図1のC−C断面図であり、図4は固定具の固定の状況を示す図1のA−A断面図であり、図5は固定具の固定の状況を示す図1のB−B断面図である。
前記支柱バンド21は板状の亜鉛メッキ鋼板を曲げ加工して形成されている。具体的には長方形の亜鉛メッキ鋼板を前記支柱2の外周側面の略全周に対応した形状に曲げ加工させて巻回部23を形成させ、この巻回部23の両側の端からそれぞれ板状のバンド固定部24a、24bを延設させて同一方向へ突出させて形成させている。前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの間には若干の隙間が設けられるように形成させている。
【0017】
各バンド固定部24a、24bには、それぞれバンド貫通穴25a、25bを形成させており、前記バンド貫通穴25a及びバンド貫通穴25bは、それぞれ2個づつ上下方向に並設させて形成させている。
そして、ボルト8aの雄ねじ部分を一方のバンド固定部24aの外側からバンド貫通穴25aに挿通させて、他方のバンド固定部24bのバンド貫通穴25bから突出させてナット8bに螺結させることで、前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの隙間が狭められて前記巻回部23が支柱2の外周側面を締め付け、前記支柱バンド21が強固に支柱2に固定されるようになされている。
【0018】
また、前記バンド固定部24aには、突出する先の部分が曲げ加工され、前記バンド固定部24bの方向へ垂直に突出する突出片部27が延設されて形成されている。
この突出片部27は、前記各バンド貫通穴25a、25bに雄ねじ部分を挿通させたボルト・ナット8a、8bを締結させ、前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの隙間が狭められたときに、突出片部27の先端がバンド固定部24bに当接するように形成されており、各バンド固定部24a、24bの先の部分でこれらの間に前記突出片部27の突出する大きさの隙間が形成されるようになされている。このため、前記ボルト・ナット8a、8bを更に締結させることで、前記各バンド固定部24a、24bの根元付近におけるこれらの間の隙間が狭められ、前記巻回部23が効率よく支柱2の外周側面を締め付けるようになされている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の表示部材1は、アルミニウムの板体が長方形に形成された表示板11を備えており、この前面には交通標識が表示されている。
表示板11の後面には、アルミニウム押出形材からなる胴縁12が、長手方向を水平に向け、上下方向に2本並設させて固定させている。
【0020】
図3に示すように、胴縁12の後面において、長手方向に沿って後方に突出する二本一対の突条13a、13bを上下方向に並設させて形成させており、各突条13a、13bは、その突出する縁部分が他方の突条の方へ曲がって延設されるように形成させている。
前記各突条13a、13bは、その間にボルトの頭部を収納させて、その雄ねじ部分を前記の縁部分から後方へ突出させた状態で長手方向へ摺動可能に取り付けられるように形成させている。各突条13a、13bの間に取り付けられたボルトは、そのボルト頭部が前記の各突条13a、13bの縁部分に当接されて、後方へ抜けないように取り付けられる。
【0021】
図6は図1の固定具3を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
本実施形態の固定具3は、断面がTの字形状に形成されて設けられており、具体的には板面を前方及び後方へ向けた長方形の板状の表示当接部31と、この表示当接部の後面の水平方向中央部分から後方へ突出する板形状の支持部35とを備えるように形成させている。
【0022】
前記表示当接部31には、前面から後面に貫通する円形の貫通穴33が水平方向へ2個並設して形成させており、また前記表示当接部31の前面は、全体的に平面な表示当接面32を形成するように設けている。
【0023】
前記支持部35は、前記表示当接部31に近い根本側と突出する先の側とで板厚が異なるように形成させており、具体的には、前記根本側に変形部37が設けられ、突出する先側に前記変形部37より若干厚肉の固定部36が設けられている。また、前記固定部36と、これより若干薄肉に形成された変形部37との間においては、固定部36から変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなるように形成された変厚部38が形成されている。
また、前記固定部36には、一方の面から他方の面へ貫通する円形の貫通穴39が上下方向へ2個並設して形成させている。
【0024】
固定具3は、図5に示すように、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の各貫通穴33に挿通させてそれぞれナットを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接面32を当接させて、表示部材1に固定される。
【0025】
また、図4に示すように、ボルト8aの雄ねじ部分を、支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの各バンド貫通穴25a、25bに挿通させ、更に固定具3の固定部36の各貫通穴39に挿通させて、それぞれナット8bに螺結させることによって、前記支柱バンド21が支柱2に固定されると共に、前記固定具3が前記支柱バンド21に固定される。
【0026】
尚、図4、5に示すように、固定具3の表示当接部31の各貫通穴33、及び支持部35の各貫通穴39には、あらかじめ円筒形状のスペーサー4が内装されている。
図7は図1の固定具3の貫通穴に内装されているスペーサーを示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
スペーサー4は、その外径が各貫通穴33、39の内径に対応した大きさに形成されると共に、その長さは各貫通穴33、39の穴の長さより若干短く形成されており、各貫通穴33及び39の内部に収納可能に形成されている。
また、スペーサー4は、その内径がボルト8a及びボルト9aのそれぞれの雄ねじ部分の外径より若干大きく形成されており、その中空部分にボルト8a、及びボルト9aの雄ねじ部分を挿通可能に形成されている。
【0027】
固定具3の表示当接部31において、前記スペーサー4を内装させた貫通穴33に、前記ボルト9aの雄ねじ部分を挿通させてナット9bを螺結させることで、前記ボルト9aのボルト頭部の内側の面と、前記ナット9bの内側の面とが、それぞれ前記スペーサー4の端縁に当接し、前記スペーサー4の長さ以下の厚みに前記表示当接部31が変形することを抑制するので、ボルト・ナット9a、9bが適正なトルクで締結されて緩みにくいものとなされ、その固定が安定的に継続される。
また同様に、固定具3の固定部36において、前記スペーサー4を収納させた貫通穴39に、前記ボルト8aの雄ねじ部分を挿通させてナット8bを螺結させることで、前記ボルト8aのボルト頭部の内側の面と、前記ナット8bの内側の面とが、それぞれ前記スペーサー4の端縁に当接し、前記スペーサー4の長さ以下の厚みに前記固定部36が変形することを抑制するので、ボルト・ナット8a、8bが適正なトルクで締結されて緩みにくいものとなされ、その固定が安定的に継続される。
【0028】
また、固定具3の支持部35において、支柱バンド21との固定に用いられるボルト8aを挿通させる貫通穴39を固定部36に形成させ、この固定部36と表示部材1を固定させた表示当接部31との間に、固定部36より若干薄肉の変形部37を形成させることで、図2に示すように表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、主に変形部37で変形がなされて固定部36における変形が抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0029】
また、前記固定部36と変形部37との間に、前記固定部36から前記変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部38を設けることで、図2に示すように表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記固定部36との肉厚が変化する境界部分へ力の集中せずに前記変圧部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0030】
また、前記固定具3の表示当接部31に、全体的に平面な表示当接面32を形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0031】
図8は本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図であり、図9は図7の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
本実施形態の道路用表示板の取付構造は、固定具3の形状が異なっていることが図6に示す実施形態との相違点である。
具体的には、本実施形態の固定具3は、断面がLの字形状に形成されて設けられており、より詳細には板面を前方及び後方へ向けた長方形の板状の表示当接部31と、この表示当接部31の後面の水平方向端部分から後方へ突出する板形状の支持部35とを備えるように形成させている。
そして、表示当接部31の前面から後面に至る貫通穴33を、表示当接部31の中央付近に1個のみ形成させている点が、図6に示される実施形態の固定具3と異なる主な事項である。
【0032】
一方、本実施形態の固定具3の支持部35の形状は、図6の形状と同様であり、即ち、表示当接部31側に近い根本側に変形部37を設け、突出する先側に変形部37より若干厚肉の固定部36を設け、変形部37と固定部36との間に変形部37に至る程緩やかに薄肉となる変厚部38を設けると共に、固定部36に円形の貫通穴39を上下方向に2個並設させて形成させている。
【0033】
本実施形態の表示部材1、支柱2、支柱バンド21の形状は、図1に示す実施形態と同一であり、支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの各バンド貫通穴25a、25bにボルト8aの雄ねじ部分を挿通させ、更に固定具3の支持部35の各貫通穴39に挿通させて、それぞれナット8bに螺結させることによって、前記支柱バンド21が支柱2に固定されると共に、前記固定具3が前記支柱バンド21に固定される。
【0034】
また、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の貫通穴33に挿通させてナット9bを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接部31の前面である表示当接面32を当接させて、固定具3が表示部材1に固定される。
【0035】
尚、本実施形態の固定具3の各貫通穴33、39には、図1の実施形態と同様に、あらかじめ図6に示される形態と同様のスペーサー4が内装されており、ボルト・ナット8a、8b、及びボルトナット9a、9bの締結の際に、各貫通穴33、39の周縁部における固定具3の変形を抑制させて、これらの締結を緩みにくいものとしている。
【0036】
また、図1〜7の実施形態と同様に、固定具3の支持部35において、支柱バンド21との固定に用いられるボルト8aを挿通させる貫通穴39を固定部36に形成させ、この固定部36と表示部材1を固定させた表示当接部31との間に、固定部36より若干薄肉の変形部37を形成させることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、主に変形部37で変形がなされて固定部36における変形が抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0037】
また、図1〜7の実施形態と同様に、前記固定部36と変形部37との間に、前記固定部36から前記変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部38を設けることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記固定部36との肉厚が変化する境界部分へ力の集中せずに前記変圧部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0038】
また、図1〜7の実施形態と同様に、前記固定具3の表示当接部31に、全体的に平面な表示当接面32を形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0039】
図10は本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図であり、図11は図9の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
本実施形態の道路用表示板の取付構造は、固定具3の形状が異なることが図6、及び図8に示す実施形態との相違点である。
具体的には、本実施形態の固定具3は、中空部分を有し長手方向を上下へ向けて開口する筒体に形成されており、その形状は、前面が全体的に平面に形成され、その左右の両縁から後方へ側面が延設されると共に、各側面は後方へ至る程に中央方向へアールを描いて収束して後面に至り、更に後面の中央において筒壁の一部が前記筒体の内側方向へ突出して窪み長手方向に沿う溝を後面に形成させている。
【0040】
本実施形態の固定具3の形状をより詳細に説明すると、固定具3の前面は全体的に平面に形成されて表示当接面32を構成し、その筒壁部分が表示当接部31を構成している。
また前記筒壁は表示当接部31の両側の縁から後方へ延設されて側面部分を形成させ、この側面部分が後方中央方向へ収束して後面部分を形成させているが、前記側面部分の表示当接部31付近と前記後面中央付近とにおける筒壁の厚さに対して、その間の部分の筒壁を若干薄肉に形成させて変形部37を形成するように設けている。
また、前記変形部37と前記の各厚肉部分との間には、前記の厚肉部分の側から変形部37の方へ至る程に緩やかに薄肉となる変厚部38をそれぞれ形成させている。
【0041】
そして、後面中央の筒壁の一部が筒体の内側へ突出し、上下方向に沿う溝を形成するように設けられた部分において、前記の内側へ突出する部分の側方の筒壁に、水平方向へ貫通する貫通穴39を上下方向に並設させて2個形成させている。
【0042】
本実施形態の表示部材1、支柱2、支柱バンド21の形状は、図1及び図9に示す実施形態と同一である。
支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bは、前記固定具3の後面に形成された前方に突出する溝部分に挿入される。
前記固定具3に形成された貫通穴39は、支柱バンド21のバンド貫通穴25a、25bに対応した大きさと配置に形成されており、ボルト8aの雄ねじ部分を固定具3の中空部分から一方の貫通穴39へ挿通させ、更に前記支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bに形成させた各バンド貫通穴25a、25bへそれぞれ貫通させ、最後に他方の貫通穴39へ挿通させた後、ナット8bを螺結させ、固定具3を支柱バンド21に固定させる。
【0043】
また、固定具3の前方の表示当接部31の筒壁部分には、筒壁の外側面から内側面に至る貫通穴33を水平方向へ2個並設させて形成させており、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の貫通穴33に挿通させてナットを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接部31の前面である表示当接面32を当接させて、固定具3が表示部材1に固定される。
【0044】
前記側面と後面の端付近の筒壁に対して、これより若干薄肉に形成された変形部37を設けることで、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときには、変形部37においてより容易に変形がなされて他の部分での変形が抑制され、貫通穴39に挿通されて固定されているボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0045】
また、前記変形部37と、これより厚肉に形成された筒壁部分との間に、前記の厚肉部分の側から変形部37の方へ至る程に緩やかに薄肉となる変厚部38が形成されることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記厚肉部分との境界部分へ力の集中せずに前記変厚部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0046】
また、本実施形態の固定具3の各貫通穴33、39には、図1〜7の実施形態、及び図8〜9の実施形態と同様に、あらかじめ図6に示される形態と同様のスペーサー4が内装されており、ボルト・ナット8a、8b、及びボルトナット9a、9bの締結の際に、各貫通穴33、39の周縁部における固定具3の変形を抑制させて、これらの締結を緩みにくいものとしている。
【0047】
また、図1〜7の実施形態、及び図8〜9の実施形態と同様に、前記固定具3の表示当接部31の前面を、全体的に平面な表示当接面32に形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0048】
本実施形態の固定具3は筒体に形成され、その中空部分の内部にボルト・ナット8a、8bを収納させて支柱バンド21に固定されるので、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときに、表示部材1の後面部分がボルト・ナット8a、8bに直接接触しないため、表示部材1の損傷が抑制される。
また、本実施形態の固定具3は、後面側に形成させた溝部分に、支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの略全体を収納させるように設けられており、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときに、表示部材1の後面部分がバンド固定部24a、24bに直接接触しないようになされ、表示部材1の損傷が抑制される。
【0049】
図1〜11に示す実施形態の表示部材1には、交通標識を表示させた表示板1を設けているが、これに限るものではなく、表示板1を道路反射鏡に形成させてもよく、他の表示板1に形成させてもよい。
【0050】
また、スペーサー4は、固定具3の貫通穴33や貫通穴39に内装されて、その両側の端部をそれぞれボルト・ナット8a、8bやボルトナット9a、9b等の締結部材や、表示部材1の胴縁12の各突条13a、13bや、支柱バンド21のバンド固定部24a、24b等に当接させ、前記締結部材の締結の際に各貫通穴33、39の内側からこれらを支持して、各貫通穴33、39周縁の固定具3の変形を抑制させるとともに、前記締結部材の締結が適正なトルクでなされるように形成されている。
このため、前記の実施形態のスペーサー4は図6に示すように円筒形状に形成されているが、貫通穴に内装されてその両端に当接する各部材を前記貫通穴の内側から支持できる形状であれば円筒形状に限るものではなく、一例としては円筒形状の筒壁の一部に切り欠きを有する断面形状がCの字形状に形成された略筒形状に形成させてもよい。
また、断面が円形以外の筒形状や略筒形状に形成させてもよい。この場合には、固定具3に形成させる貫通穴33や貫通穴39の形状を、スペーサー4の外形に対応した形状に形成させることで、内装させたスペーサー4が外部からの振動や外力によって貫通穴33、39の内部で揺動することが抑制され、固定具3やスペーサー4が破壊されにくくなされる。
また、スペーサー4の一方又は両方の筒壁の端部から垂直に延設される鍔部を設けることで、固定具3の固定においてスペーサー4と接触するボルト・ナット8a、8bやボルト・ナット9a、9b、支柱バンド21の支柱固定部24a、24b、や胴縁12の胴縁13a、13b等とスペーサー4との接触面積が増加し、より安定して貫通穴33、39の周縁の固定具3の変形を抑制させることができる。この場合においても、貫通穴33、39の内部に前記鍔部を収納できる形状に貫通穴33、39を形成させて、内装させたスペーサー4の貫通穴33、39内部での揺動を抑制させるのが、好ましい。
スペーサー4は、前記のような形状に形成させることができるが、図6に示すような円筒形状に形成させることで、円形に形成させた貫通穴に内装させることができるので、スペーサー4や各貫通穴の形成が容易にできると共に、固定具3が変形するような外力がかかった際に、スペーサー4と、その中空部分に挿通させたボルト8aやボルト9aとの間に力がかかっても、スペーサー4の筒壁に力が集中するような角部分が形成されていないので、スペーサー4の耐久性が良好なものとなされ、好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1 表示部材
11 表示板
12 胴縁
13a、13b 突条
2 支柱
21 支柱バンド
22
23 巻回部
24a、24b バンド固定部
25a、25b バンド貫通穴
27 突出片部
3 固定具
31 表示当接部
32 表示当接面
33 貫通穴
35 支持部
36 固定部
37 変形部
38 変厚部
39 貫通穴
4 スペーサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路反射鏡や交通標識等の道路用表示板を支柱などの支持体に固定させる取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路脇に設置される道路反射鏡や交通標識等の道路用表示板は、取付金具を介して支柱等に固定される構造が一般的であるが、大型車両などがこれに接触したときに、道路用表示板が破壊されたり、表示面の向きがずれるなどしてその機能が失われる場合があり、その対策について種々の提案がなされている。
【0003】
例えば特許文献1には、運転席から直接見えない情景を反射させて運転の安定性を高める鏡2を交差点・曲がり部分等の道路傍に立設した支柱1に取り付ける如く構成した鏡2の支柱1への取付部材4であって、鏡2に結合する第一の結合部材4aと支柱1に結合する第二の結合部材4bとを鉛直の硬質ゴム4cを介して結合してなる鏡2の支柱への取付部材を備えた道路用鏡支持装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−066811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される道路用鏡支持装置は、図面において第一の結合部材4a及び第二の結合部材4bと硬質ゴム4cとの結合をボルトで行うように示されているが、このような構成においては硬質ゴム4cの変形によってボルトの締結が緩みやすくなり、その支持力が失われて道路用鏡が外れてしまう恐れがあるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、車両などが接触しても表示板が破壊されにくく、継続的に支持可能な道路用表示板の取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用表示板の取付構造は、弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材が支持体に固定される道路用表示板の取付構造であって、
前記固定具には少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材が挿通する貫通穴が設けられ、
該貫通穴の内部には前記締結部材が締結される際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーが内装されていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る道路用表示板の取付構造によれば、弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材を支持体に固定させ、少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材を挿通させる貫通穴を前記固定具に設け、この貫通穴の内部に前記締結部材を締結させる際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーを内装させるので、前記締結部材を締結させたときに、前記スペーサーによって前記固定具の貫通穴周縁の変形が抑制され、適正な大きさの力で前記締結部材が締結されるので、道路用表示板に車両などが接触してもその締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持される。
【0009】
また、前記固定具に、前記貫通穴を形成させた固定部と、表示部材に外力がかかったときに弾性変形する変形部とを形成させ、この変形部を前記固定部より薄肉に形成させれば、前記固定部よりも前記変形部がより変形しやすくなされるので、道路用表示板に車両などが接触したときに前記変形部が変形して受けた外力を緩和させ、前記固定部における変形を抑制させるので、前記締結部材の締結が緩みにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持されるので、好ましい。
【0010】
また、前記固定具において、前記固定部側から前記変形部側へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部を、前記固定部と前記変形部との間に形成させれば、道路用表示板に車両などが接触して前記変形部が変形するときに、薄肉の変形部と前記固定部との肉厚が変化する境界部分への力の集中が前記変圧部で分散されて緩和されるので、前記固定具が破壊されにくくなされ、前記道路用表示板が継続的に支持されるので、好ましい。
【0011】
また、前記固定具に、前記表示部材の後面側に当接させる当接面を全体に備えた板状の表示当接部と、この表示当接部から後方へ垂直に突出する板状の支持部を備えさせ、前記固定部と前記変形部とを前記支持部に形成させれば、道路用表示板に車両などが接触したときに、前記表示当接部における変形が当接面に当接された前記表示部材によって抑制され、前記表示当接部と前記表示部材との固定が外れにくくなされるので、好ましい。また、固定具の変形が前記支持部の前記変形部においてなされるので、前記固定部における変形が抑制され、前記締結部材と、好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る道路用表示板の取付構造によれば、車両などが接触しても表示板が破壊されにくく、継続的に表示板を支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る道路用表示板の取付構造の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図2】図1の道路用表示板に外力がかかった状態を示す平面図である。
【図3】固定具の固定の状況を示す図1のC−C断面図である。
【図4】固定具の固定の状況を示す図1のA−A断面図である。
【図5】固定具の固定の状況を示す図1のB−B断面図である。
【図6】図1の固定具を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図7】図1の固定具の貫通穴に内装されているスペーサーを示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
【図8】本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図9】図7の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
【図10】本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
【図11】図9の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において1は道路用表示板の表示部材であり、2は表示部材1の支持体である支柱である。
支柱2は円筒形状の鋼管からなり、道路脇などの設置面において垂直方向に立設されて設けられている。
前記支柱2の側面には支柱バンド21が固定され、この支柱バンド21には固定具3が固定されており、前記表示部材1は前記固定具3に固定され、固定具3、支柱バンド2とを介して支柱2に固定されている。
【0015】
前記固定具3は弾性材料から形成されており、本実施形態の固定具3は合成ゴムで形成させている。
このため、固定具3を介して支柱2に固定された表示部材1に車両が接触する等して外力がかかったとき、固定具3が弾性変形して撓み、受けた力を緩和させて道路用表示板が破壊されることを防ぐことができる。
図2は図1の道路用表示板に外力がかかった状態を示す平面図である。
このように固定具3が変形して外力を逃がした後、車両が通過する等して外力が消滅すれば、固定具3は元の形状に弾性的に戻るので、図2の状態から図1(イ)の状態に復帰する。
【0016】
図3は固定具の固定の状況を示す図1のC−C断面図であり、図4は固定具の固定の状況を示す図1のA−A断面図であり、図5は固定具の固定の状況を示す図1のB−B断面図である。
前記支柱バンド21は板状の亜鉛メッキ鋼板を曲げ加工して形成されている。具体的には長方形の亜鉛メッキ鋼板を前記支柱2の外周側面の略全周に対応した形状に曲げ加工させて巻回部23を形成させ、この巻回部23の両側の端からそれぞれ板状のバンド固定部24a、24bを延設させて同一方向へ突出させて形成させている。前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの間には若干の隙間が設けられるように形成させている。
【0017】
各バンド固定部24a、24bには、それぞれバンド貫通穴25a、25bを形成させており、前記バンド貫通穴25a及びバンド貫通穴25bは、それぞれ2個づつ上下方向に並設させて形成させている。
そして、ボルト8aの雄ねじ部分を一方のバンド固定部24aの外側からバンド貫通穴25aに挿通させて、他方のバンド固定部24bのバンド貫通穴25bから突出させてナット8bに螺結させることで、前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの隙間が狭められて前記巻回部23が支柱2の外周側面を締め付け、前記支柱バンド21が強固に支柱2に固定されるようになされている。
【0018】
また、前記バンド固定部24aには、突出する先の部分が曲げ加工され、前記バンド固定部24bの方向へ垂直に突出する突出片部27が延設されて形成されている。
この突出片部27は、前記各バンド貫通穴25a、25bに雄ねじ部分を挿通させたボルト・ナット8a、8bを締結させ、前記バンド固定部24aとバンド固定部24bとの隙間が狭められたときに、突出片部27の先端がバンド固定部24bに当接するように形成されており、各バンド固定部24a、24bの先の部分でこれらの間に前記突出片部27の突出する大きさの隙間が形成されるようになされている。このため、前記ボルト・ナット8a、8bを更に締結させることで、前記各バンド固定部24a、24bの根元付近におけるこれらの間の隙間が狭められ、前記巻回部23が効率よく支柱2の外周側面を締め付けるようになされている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の表示部材1は、アルミニウムの板体が長方形に形成された表示板11を備えており、この前面には交通標識が表示されている。
表示板11の後面には、アルミニウム押出形材からなる胴縁12が、長手方向を水平に向け、上下方向に2本並設させて固定させている。
【0020】
図3に示すように、胴縁12の後面において、長手方向に沿って後方に突出する二本一対の突条13a、13bを上下方向に並設させて形成させており、各突条13a、13bは、その突出する縁部分が他方の突条の方へ曲がって延設されるように形成させている。
前記各突条13a、13bは、その間にボルトの頭部を収納させて、その雄ねじ部分を前記の縁部分から後方へ突出させた状態で長手方向へ摺動可能に取り付けられるように形成させている。各突条13a、13bの間に取り付けられたボルトは、そのボルト頭部が前記の各突条13a、13bの縁部分に当接されて、後方へ抜けないように取り付けられる。
【0021】
図6は図1の固定具3を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図である。
本実施形態の固定具3は、断面がTの字形状に形成されて設けられており、具体的には板面を前方及び後方へ向けた長方形の板状の表示当接部31と、この表示当接部の後面の水平方向中央部分から後方へ突出する板形状の支持部35とを備えるように形成させている。
【0022】
前記表示当接部31には、前面から後面に貫通する円形の貫通穴33が水平方向へ2個並設して形成させており、また前記表示当接部31の前面は、全体的に平面な表示当接面32を形成するように設けている。
【0023】
前記支持部35は、前記表示当接部31に近い根本側と突出する先の側とで板厚が異なるように形成させており、具体的には、前記根本側に変形部37が設けられ、突出する先側に前記変形部37より若干厚肉の固定部36が設けられている。また、前記固定部36と、これより若干薄肉に形成された変形部37との間においては、固定部36から変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなるように形成された変厚部38が形成されている。
また、前記固定部36には、一方の面から他方の面へ貫通する円形の貫通穴39が上下方向へ2個並設して形成させている。
【0024】
固定具3は、図5に示すように、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の各貫通穴33に挿通させてそれぞれナットを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接面32を当接させて、表示部材1に固定される。
【0025】
また、図4に示すように、ボルト8aの雄ねじ部分を、支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの各バンド貫通穴25a、25bに挿通させ、更に固定具3の固定部36の各貫通穴39に挿通させて、それぞれナット8bに螺結させることによって、前記支柱バンド21が支柱2に固定されると共に、前記固定具3が前記支柱バンド21に固定される。
【0026】
尚、図4、5に示すように、固定具3の表示当接部31の各貫通穴33、及び支持部35の各貫通穴39には、あらかじめ円筒形状のスペーサー4が内装されている。
図7は図1の固定具3の貫通穴に内装されているスペーサーを示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
スペーサー4は、その外径が各貫通穴33、39の内径に対応した大きさに形成されると共に、その長さは各貫通穴33、39の穴の長さより若干短く形成されており、各貫通穴33及び39の内部に収納可能に形成されている。
また、スペーサー4は、その内径がボルト8a及びボルト9aのそれぞれの雄ねじ部分の外径より若干大きく形成されており、その中空部分にボルト8a、及びボルト9aの雄ねじ部分を挿通可能に形成されている。
【0027】
固定具3の表示当接部31において、前記スペーサー4を内装させた貫通穴33に、前記ボルト9aの雄ねじ部分を挿通させてナット9bを螺結させることで、前記ボルト9aのボルト頭部の内側の面と、前記ナット9bの内側の面とが、それぞれ前記スペーサー4の端縁に当接し、前記スペーサー4の長さ以下の厚みに前記表示当接部31が変形することを抑制するので、ボルト・ナット9a、9bが適正なトルクで締結されて緩みにくいものとなされ、その固定が安定的に継続される。
また同様に、固定具3の固定部36において、前記スペーサー4を収納させた貫通穴39に、前記ボルト8aの雄ねじ部分を挿通させてナット8bを螺結させることで、前記ボルト8aのボルト頭部の内側の面と、前記ナット8bの内側の面とが、それぞれ前記スペーサー4の端縁に当接し、前記スペーサー4の長さ以下の厚みに前記固定部36が変形することを抑制するので、ボルト・ナット8a、8bが適正なトルクで締結されて緩みにくいものとなされ、その固定が安定的に継続される。
【0028】
また、固定具3の支持部35において、支柱バンド21との固定に用いられるボルト8aを挿通させる貫通穴39を固定部36に形成させ、この固定部36と表示部材1を固定させた表示当接部31との間に、固定部36より若干薄肉の変形部37を形成させることで、図2に示すように表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、主に変形部37で変形がなされて固定部36における変形が抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0029】
また、前記固定部36と変形部37との間に、前記固定部36から前記変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部38を設けることで、図2に示すように表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記固定部36との肉厚が変化する境界部分へ力の集中せずに前記変圧部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0030】
また、前記固定具3の表示当接部31に、全体的に平面な表示当接面32を形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0031】
図8は本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図であり、図9は図7の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
本実施形態の道路用表示板の取付構造は、固定具3の形状が異なっていることが図6に示す実施形態との相違点である。
具体的には、本実施形態の固定具3は、断面がLの字形状に形成されて設けられており、より詳細には板面を前方及び後方へ向けた長方形の板状の表示当接部31と、この表示当接部31の後面の水平方向端部分から後方へ突出する板形状の支持部35とを備えるように形成させている。
そして、表示当接部31の前面から後面に至る貫通穴33を、表示当接部31の中央付近に1個のみ形成させている点が、図6に示される実施形態の固定具3と異なる主な事項である。
【0032】
一方、本実施形態の固定具3の支持部35の形状は、図6の形状と同様であり、即ち、表示当接部31側に近い根本側に変形部37を設け、突出する先側に変形部37より若干厚肉の固定部36を設け、変形部37と固定部36との間に変形部37に至る程緩やかに薄肉となる変厚部38を設けると共に、固定部36に円形の貫通穴39を上下方向に2個並設させて形成させている。
【0033】
本実施形態の表示部材1、支柱2、支柱バンド21の形状は、図1に示す実施形態と同一であり、支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの各バンド貫通穴25a、25bにボルト8aの雄ねじ部分を挿通させ、更に固定具3の支持部35の各貫通穴39に挿通させて、それぞれナット8bに螺結させることによって、前記支柱バンド21が支柱2に固定されると共に、前記固定具3が前記支柱バンド21に固定される。
【0034】
また、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の貫通穴33に挿通させてナット9bを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接部31の前面である表示当接面32を当接させて、固定具3が表示部材1に固定される。
【0035】
尚、本実施形態の固定具3の各貫通穴33、39には、図1の実施形態と同様に、あらかじめ図6に示される形態と同様のスペーサー4が内装されており、ボルト・ナット8a、8b、及びボルトナット9a、9bの締結の際に、各貫通穴33、39の周縁部における固定具3の変形を抑制させて、これらの締結を緩みにくいものとしている。
【0036】
また、図1〜7の実施形態と同様に、固定具3の支持部35において、支柱バンド21との固定に用いられるボルト8aを挿通させる貫通穴39を固定部36に形成させ、この固定部36と表示部材1を固定させた表示当接部31との間に、固定部36より若干薄肉の変形部37を形成させることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、主に変形部37で変形がなされて固定部36における変形が抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0037】
また、図1〜7の実施形態と同様に、前記固定部36と変形部37との間に、前記固定部36から前記変形部37へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部38を設けることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記固定部36との肉厚が変化する境界部分へ力の集中せずに前記変圧部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0038】
また、図1〜7の実施形態と同様に、前記固定具3の表示当接部31に、全体的に平面な表示当接面32を形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0039】
図10は本発明にかかる道路用表示板の取付構造に用いる固定具の他の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は背面図であり、(ハ)は側面図であり、図11は図9の固定具を表示部材に取り付けた状態の一例を示す平面図である。
本実施形態の道路用表示板の取付構造は、固定具3の形状が異なることが図6、及び図8に示す実施形態との相違点である。
具体的には、本実施形態の固定具3は、中空部分を有し長手方向を上下へ向けて開口する筒体に形成されており、その形状は、前面が全体的に平面に形成され、その左右の両縁から後方へ側面が延設されると共に、各側面は後方へ至る程に中央方向へアールを描いて収束して後面に至り、更に後面の中央において筒壁の一部が前記筒体の内側方向へ突出して窪み長手方向に沿う溝を後面に形成させている。
【0040】
本実施形態の固定具3の形状をより詳細に説明すると、固定具3の前面は全体的に平面に形成されて表示当接面32を構成し、その筒壁部分が表示当接部31を構成している。
また前記筒壁は表示当接部31の両側の縁から後方へ延設されて側面部分を形成させ、この側面部分が後方中央方向へ収束して後面部分を形成させているが、前記側面部分の表示当接部31付近と前記後面中央付近とにおける筒壁の厚さに対して、その間の部分の筒壁を若干薄肉に形成させて変形部37を形成するように設けている。
また、前記変形部37と前記の各厚肉部分との間には、前記の厚肉部分の側から変形部37の方へ至る程に緩やかに薄肉となる変厚部38をそれぞれ形成させている。
【0041】
そして、後面中央の筒壁の一部が筒体の内側へ突出し、上下方向に沿う溝を形成するように設けられた部分において、前記の内側へ突出する部分の側方の筒壁に、水平方向へ貫通する貫通穴39を上下方向に並設させて2個形成させている。
【0042】
本実施形態の表示部材1、支柱2、支柱バンド21の形状は、図1及び図9に示す実施形態と同一である。
支柱2に巻回させた支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bは、前記固定具3の後面に形成された前方に突出する溝部分に挿入される。
前記固定具3に形成された貫通穴39は、支柱バンド21のバンド貫通穴25a、25bに対応した大きさと配置に形成されており、ボルト8aの雄ねじ部分を固定具3の中空部分から一方の貫通穴39へ挿通させ、更に前記支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bに形成させた各バンド貫通穴25a、25bへそれぞれ貫通させ、最後に他方の貫通穴39へ挿通させた後、ナット8bを螺結させ、固定具3を支柱バンド21に固定させる。
【0043】
また、固定具3の前方の表示当接部31の筒壁部分には、筒壁の外側面から内側面に至る貫通穴33を水平方向へ2個並設させて形成させており、前記表示部材1の胴縁12の各突条13a、13b間に取り付けられたボルト9aの雄ねじ部分を前記表示当接部31の貫通穴33に挿通させてナットを螺結させることによって、前記各突条13a、13bの突出縁部分に前記表示当接部31の前面である表示当接面32を当接させて、固定具3が表示部材1に固定される。
【0044】
前記側面と後面の端付近の筒壁に対して、これより若干薄肉に形成された変形部37を設けることで、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときには、変形部37においてより容易に変形がなされて他の部分での変形が抑制され、貫通穴39に挿通されて固定されているボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくいものとなされる。
【0045】
また、前記変形部37と、これより厚肉に形成された筒壁部分との間に、前記の厚肉部分の側から変形部37の方へ至る程に緩やかに薄肉となる変厚部38が形成されることで、表示部材1が外力を受けて固定具3が変形するときに、薄肉の変形部37と前記厚肉部分との境界部分へ力の集中せずに前記変厚部38で分散されて緩和されるので、この部分における固定具3の破壊が抑制される。
【0046】
また、本実施形態の固定具3の各貫通穴33、39には、図1〜7の実施形態、及び図8〜9の実施形態と同様に、あらかじめ図6に示される形態と同様のスペーサー4が内装されており、ボルト・ナット8a、8b、及びボルトナット9a、9bの締結の際に、各貫通穴33、39の周縁部における固定具3の変形を抑制させて、これらの締結を緩みにくいものとしている。
【0047】
また、図1〜7の実施形態、及び図8〜9の実施形態と同様に、前記固定具3の表示当接部31の前面を、全体的に平面な表示当接面32に形成させて、表示部材1の突条13a、13bの縁に当接させるので、外力を受けて固定具3が変形するときに、表示当接部31の変形が当接される突条13a、13bによって抑制されるので、ボルト・ナット8a、8bの締結が緩みにくくなされる。
【0048】
本実施形態の固定具3は筒体に形成され、その中空部分の内部にボルト・ナット8a、8bを収納させて支柱バンド21に固定されるので、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときに、表示部材1の後面部分がボルト・ナット8a、8bに直接接触しないため、表示部材1の損傷が抑制される。
また、本実施形態の固定具3は、後面側に形成させた溝部分に、支柱バンド21の各バンド固定部24a、24bの略全体を収納させるように設けられており、表示部材1に外力を受けて固定具3が変形するときに、表示部材1の後面部分がバンド固定部24a、24bに直接接触しないようになされ、表示部材1の損傷が抑制される。
【0049】
図1〜11に示す実施形態の表示部材1には、交通標識を表示させた表示板1を設けているが、これに限るものではなく、表示板1を道路反射鏡に形成させてもよく、他の表示板1に形成させてもよい。
【0050】
また、スペーサー4は、固定具3の貫通穴33や貫通穴39に内装されて、その両側の端部をそれぞれボルト・ナット8a、8bやボルトナット9a、9b等の締結部材や、表示部材1の胴縁12の各突条13a、13bや、支柱バンド21のバンド固定部24a、24b等に当接させ、前記締結部材の締結の際に各貫通穴33、39の内側からこれらを支持して、各貫通穴33、39周縁の固定具3の変形を抑制させるとともに、前記締結部材の締結が適正なトルクでなされるように形成されている。
このため、前記の実施形態のスペーサー4は図6に示すように円筒形状に形成されているが、貫通穴に内装されてその両端に当接する各部材を前記貫通穴の内側から支持できる形状であれば円筒形状に限るものではなく、一例としては円筒形状の筒壁の一部に切り欠きを有する断面形状がCの字形状に形成された略筒形状に形成させてもよい。
また、断面が円形以外の筒形状や略筒形状に形成させてもよい。この場合には、固定具3に形成させる貫通穴33や貫通穴39の形状を、スペーサー4の外形に対応した形状に形成させることで、内装させたスペーサー4が外部からの振動や外力によって貫通穴33、39の内部で揺動することが抑制され、固定具3やスペーサー4が破壊されにくくなされる。
また、スペーサー4の一方又は両方の筒壁の端部から垂直に延設される鍔部を設けることで、固定具3の固定においてスペーサー4と接触するボルト・ナット8a、8bやボルト・ナット9a、9b、支柱バンド21の支柱固定部24a、24b、や胴縁12の胴縁13a、13b等とスペーサー4との接触面積が増加し、より安定して貫通穴33、39の周縁の固定具3の変形を抑制させることができる。この場合においても、貫通穴33、39の内部に前記鍔部を収納できる形状に貫通穴33、39を形成させて、内装させたスペーサー4の貫通穴33、39内部での揺動を抑制させるのが、好ましい。
スペーサー4は、前記のような形状に形成させることができるが、図6に示すような円筒形状に形成させることで、円形に形成させた貫通穴に内装させることができるので、スペーサー4や各貫通穴の形成が容易にできると共に、固定具3が変形するような外力がかかった際に、スペーサー4と、その中空部分に挿通させたボルト8aやボルト9aとの間に力がかかっても、スペーサー4の筒壁に力が集中するような角部分が形成されていないので、スペーサー4の耐久性が良好なものとなされ、好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1 表示部材
11 表示板
12 胴縁
13a、13b 突条
2 支柱
21 支柱バンド
22
23 巻回部
24a、24b バンド固定部
25a、25b バンド貫通穴
27 突出片部
3 固定具
31 表示当接部
32 表示当接面
33 貫通穴
35 支持部
36 固定部
37 変形部
38 変厚部
39 貫通穴
4 スペーサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材が支持体に固定される道路用表示板の取付構造であって、
前記固定具には少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材が挿通する貫通穴が設けられ、
該貫通穴の内部には前記締結部材が締結される際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーが内装されていることを特徴とする道路用表示板の取付構造。
【請求項2】
前記固定具には、前記貫通穴が形成された固定部と、表示部材に外力がかかったときに弾性変形する変形部とが形成され、該変形部は前記固定部より薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の道路用表示板の取付構造。
【請求項3】
前記固定具には、前記固定部側から前記変形部側へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部が、前記固定部と前記変形部との間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の道路用表示板の取付構造。
【請求項4】
前記固定具には、前記表示部材の後面側に当接される当接面を全体に備えた板状の表示当接部と、該表示当接部から後方へ垂直に突出する板状の支持部を備え、前記固定部と前記変形部とが前記支持部に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の道路用表示板の取付構造。
【請求項1】
弾性材料からなる固定具を介して、表示板を備えた表示部材が支持体に固定される道路用表示板の取付構造であって、
前記固定具には少なくとも前記支持体又は前記表示部材のいずれかとの固定に用いられる締結部材が挿通する貫通穴が設けられ、
該貫通穴の内部には前記締結部材が締結される際の前記貫通穴の周縁部の変形を抑制させるスペーサーが内装されていることを特徴とする道路用表示板の取付構造。
【請求項2】
前記固定具には、前記貫通穴が形成された固定部と、表示部材に外力がかかったときに弾性変形する変形部とが形成され、該変形部は前記固定部より薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の道路用表示板の取付構造。
【請求項3】
前記固定具には、前記固定部側から前記変形部側へ至る程に肉厚が緩やかに薄くなる変厚部が、前記固定部と前記変形部との間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の道路用表示板の取付構造。
【請求項4】
前記固定具には、前記表示部材の後面側に当接される当接面を全体に備えた板状の表示当接部と、該表示当接部から後方へ垂直に突出する板状の支持部を備え、前記固定部と前記変形部とが前記支持部に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の道路用表示板の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−246871(P2011−246871A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117542(P2010−117542)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
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