遠位標的装置
骨釘(10)内の横断ボア(16,18)を標的するための標的装置(20)は、骨釘の端部部分(24)に結合されるアーム部材(28)と、骨釘の長手軸と平行に延びるアーム部材の部分を形成する標的部分(32)とを有する。調節可能な標的装置(36)が、標的部分上に取り付けられ、調節可能な装置(36)は、釘内の横断ボア(16,18)と整列可能なあんなボア(88,90)を有する。調節可能な装置(36)は、釘長手軸及び横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に標的部分に対して移動可能である。標的表示器(150,200)が、調節可能な標的装置(36)上に取り付けられる。標的表示器は、離間した平行な放射線不透過性素子(160,162,210,212,214)をその中に有する平面的な部分を含む放射線透過性本体を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2006年11月7日に出願された米国出願第11/593,996号の一部継続出願であり、2006年8月10日に出願された米国仮出願第60/836,793号の利益を請求し、それらの開示がここに参照として引用される。
【背景技術】
【0002】
長い随内釘(即ち、遠位取付ネジを備える随内釘)を正確に係止するために、遠位ネジは釘内の横断ボアと正確に整列されなければならない。この係止は、横断ボアの場所をそれらの固定位置から変更する骨管内への挿入中の釘の変形によって複雑化される。典型的には、外科医は、X線Cアームの助けを受けて、自由裁量でこれを行うことを強制される。そのような手順の一般的な問題は、器具が「邪魔」することである。何故ならば、それらはCアームの画像平面上にあるからである。さらに、遠位係止は問題である。何故ならば、遠位ボアは、大腿骨の解剖学的形状、及び、正面平面と平行な平面に対して垂直な平面内にある(ここではz方向にある)結果として得られる釘の曲率の故に、軟組織を通じて精密に作成され得ないからである。
【0003】
随内釘は、しばしば、遠位係止のための2つの遠位開口又は横断ボアを提供する。遠位係止のために、釘は、骨折パターンに依存して使用されるべき、3つの係止選択肢をもたらし得る。これを達成するために、近位円形孔及びより遠位の長円形孔が提供される。もし骨折が不安定であるならば、もし回転安定性が求められるならば、或いは、もし釘の直径と大腿骨空洞との間に広い相違があるならば、遠位係止が薦められる。
【0004】
第一の可能性は、係止ネジを長円形孔の遠位部分内に配置することである。これは係止機構をもたらす、即ち、釘が遠位に移動することを可能にし、1つのネジだけを必要とする。代替的に、1つのネジが、長円形孔の遠位部分内に配置され、他のネジが円形孔内に配置され得る。これは釘の固定係止をもたらし、釘の移動を防止する。しかしながら、もしある時間期間の後に増強が必要とされるならば、円形孔内に配置されたネジは取り除かれ、長円形孔の遠位端部にあるネジだけを残す。この方法は2つのネジを必要とする。最後に、1つのネジが円形孔内に配置され、他のネジが長円形孔の近位部分内に配置され得る。やはり、これは固定係止をもたらし、2つのネジの配置を必要とする。
【0005】
遠位孔を通じるネジの穿孔及び挿入を案内するために、様々な技法が使用され得る。上述された自由裁量技法並びに以下に記載されるような画像化装置の直進(straight on)アプローチにおいて使用されるような標的器具。
【0006】
遠位標的における本質的な初期ステップは、釘内の円形遠位孔が完全に円形に現れるようX線蛍光透視装置を位置付けることである。本来的には、この視覚化は長円形孔と使用され得ない。もし円形孔が垂直平面又は水平平面のいずれかにおいて楕円形であるよう現れるならば、X線蛍光透視装置画像位置は適切に調節されなければならない。1回に1つの平面内の画像を矯正することが勧められる。
【0007】
画像増強器が正しく位置付けられるや否や、ドリルの先端が孔の中心に配置され、孔が、第二皮質の抵抗が感じられるまで、大腿骨では横皮質である第一皮質及び釘横断ボアを通じて穿孔される。ドリルは、典型的には、所要のネジ長を測定するための目盛りを有する。
【0008】
代替的に、画像を見ながら第二皮質を通じて孔が穿孔され得る。次に、所要のネジ長はドリル上のネジ目盛りから直接的に判読され得る。もし組織保護スリーブがドリルの周りに使用されるならば、それは測定のために取り除かれなければならない。釘が大腿骨内にあるときに中間皮質表面を係合し得る自由裁量ネジゲージを使用して矯正ネジ長を測定することも可能である。これは、ドリルを除去し、ネジゲージの小さいフックを中間皮質の背後の孔を通じて前進し、所要の係止ネジ長を読み出すことによって第二皮質を通じて穿孔した後に行われる。
【0009】
典型的には、普通5mmネジである遠位係止ネジは、ネジ回しを使用することによって皮膚を通じて挿入される。ネジ頭は、それが皮質とちょうど直接接触するまで、注意深く前進される。使用される如何なる標的計装も取り除かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はネジの位置決めをより容易且つより正確にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
照準又は標的アームが、既知の釘保持アームに取り付けられる。好適実施態様では、釘保持アームのボア内の照準アームを含む標的装置を保持するために、固着ボルトが使用される。釘保持アーム内に標的装置を保持するために、手係止機構を備える締結装置も使用され得る。(Z方向に調節可能な)放射線透過性調節装置が、照準又は標的アーム内の対応する開口内に挿入され且つレバーを回転することによって固定されるピンを用いて照準アーム上に摺動される。照準アーム上には、一連の孔があり、各孔は、それぞれの釘長(よって、各釘内の遠位ボアの対応する場所)に対応する数を有する。
【0012】
調節装置上に見い出される蟻案内上に滑動される放射線透過性標的表示器は、釘内の孔のレベルに配置される正確な位置が見い出されるシステムである。これは好ましくは傾斜X線を使用して行われる。位置決めは、釘の長手軸に対して平行に、標的表示器上に互いに縦に並んで位置する、2つの平面を整列することによって達成される。このために、X線を透過する標的表示器のリブは、X線標識を有する。第一平面には、点線ワイヤのようなビーズ状ストリップがある。第二平面には、均一な直線(実線)ワイヤが使用される。正しいZ位置決めにおいて、X線画像上で、互いから所定距離(点付き直線)にある二対の線だけが認識可能である。ワイヤ及びストリップは、Z方向に整列されない(即ち、実線ワイヤは、好ましくは、各ワイヤがZ方向における異なる平面にあるよう、点線ワイヤよりもさらに離間される)
【0013】
X線画像は、例えば、以下のように現れ得る。
【0014】
先ず、X線Cアームが整列される。もし角度整列が正しくないならば、画像は以下のようである。
【0015】
[外1]
【0016】
ここでは、X線Cアームは正しく整列している(中間横方向及びx/y平面)。
【0017】
[外2]
【0018】
最後に、釘の孔位置がZ平面内にあるよう、調節装置が調節される。
【0019】
正しいZ位置において、ボアの位置は、実線表示器の外側にあり、次に、Z位置は、実線ワイヤが釘内の遠位ボアの中心軸に跨るまで、調節装置の調節ネジの助けを受けて再調節され得る。
【0020】
標的装置のための放射線透過性位置決めアーム内のX線標識は、米国特許第6,036,696号、並びに、例証を含むGamma Long Nail R 2.0 Operative Technique P.25と題するパンフレットから既知である。この傾斜X線動作技法は、その基本的特性において、Hans Granheadによる文献、A New Technique Of Distal Screw Insertion For Locked Nailing, Acta Orthop Scan 1998 69(3):320−321からも既知である。
【0021】
有利に、傾斜Cアーム法を用いて、大腿骨の遠位貫通ボアのためのより自由なアクセスが達成され、よって、X線画像化の下の穿孔の危険性が最小限化される。本発明の標的装置は、骨釘内の横断ボアを位置決める新規な方法を提供する。
【0022】
本発明の標的装置を用いて再現可能な結果を達成するために、調節装置は、遊びのないネジ山を調節することでZ方向に調節され得る。これは調節装置の主本体上に取り付けられるカバー、Oリングを使用することによって達成され得る。Oリングの厚さは、調節装置の本体内にOリングのために提供される凹部よりも僅かに大きい。カバーは押し付けられ、調節ネジは本体内のネジ山に螺入されるので、弾性Oリングは、ネジ山の両側に対して調節ネジの両側を延伸し、遊びを接続から取り外す。
【0023】
係止の種類の観点からの所望の位置決め、即ち、性的位置又は動的位置の再調節において、プラスチックテンプレート又は案内プレートが操作者によって使用される。このために、対応するテンプレート又は案内プレート(右又は左の釘)は、好ましくは、クリック機構を使用して、調節装置上に配置される。
【0024】
本発明の器械は、最小侵襲的な手術を促進し、新規な器械及び最適化された外科技法の使用の助けを受けて、手術室(OR)時間を最小に減少するよう設計される。
【0025】
釘は、最小侵襲的手術のために必要とされる切開長を最小限科するのを助けるために、15.5mmの近位直径を有する。それにも拘わらず、それらは同一の生体力学的強度及び切取り抵抗をもたらす。本発明の器械プラットフォームの主要な利点は、器械が最小侵襲的外科技法のために、並びに、OR時間を最小に減少するために設計されることである。器械は使用が容易であり且つ洗浄が容易であり、様々な随内釘と共に使用され得る。
【0026】
本発明の標的装置は、X線蛍光透視時間の最小限化、誤穿孔を回避することの補助、並びに、各種類のGamma3長釘のための容易な校正という競争力のある利点をもたらす。標的装置は、主として、X線アーチファクトの問題を克服するために放射線透過性カーボン繊維から作成される。これは外科医が最適な正確な手術結果を得るのを助ける。
【0027】
ここで使用されるとき、骨又は他の人体部分に言及するとき、「近位」という用語は、心臓に近いことを意味し、「遠位」という用語は、心臓から最も離れていることを意味する。「下位」という用語は、足に向かうことを意味し、「上位」という用語は、頭に向かうことを意味する。「前方」という用語は、正面部分又は面に向かうことを意味し、「後方」という用語は、体の後方に向かうことを意味する。「中間」という用語は、体の正中に向かうことを意味し、「横方向」という用語は、体の正中から離れることを意味する。
【0028】
本発明は、骨釘内の横断ボアを標的するための標的装置に関し、それは骨釘の端部部分に結合されるアーム部材と、骨釘の長手軸と平行に延びるアーム部材の部分を形成する照準部分とを含む。調節可能な照準装置が照準部分上に取り付けられ、調節可能な装置は、釘内の横断ボアと整列可能な案内ボアを有する。調節可能な装置は、釘長手軸及び横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に照準部分に対して移動可能である。標的表示器が、調節可能な照準装置上に取り付けられる。標的表示器は、それぞれ離間した放射線不透過性素子をその中に有する第一及び第二の離間した平行な平面的な部分を含む放射線透過性本体を有する。調節可能な照準装置は、骨釘と平行に延びるアーム部材の部分に沿って長さ方向に移動可能である。好ましくは、標的表示器は、第一及び第二の平面的な部分の両方の内に一対の離間した放射線不透過性素子を含む。第一の平面的な部分内の放射線不透過性素子は、好ましくは、第二の平面的な部分内の放射線不透過性素子よりも互いにより近接して離間される。好適実施態様では、第一及び第二の平面的な部分は、釘横断ボアの中心軸を含む並びに横断ボアに隣接する釘の長手軸を含む平面に対して垂直に延びる。調節可能な照準装置は、放射線透過性材料から成る。照準装置上の案内ボアは、部分的に、釘横断ボアと整列されたボアをその内に有する放射線不透過性テンプレートによって形成され、テンプレートは、案内ボアに隣接して調節可能な照準装置上に取り外し可能に取り付けられる。釘は、調節可能な照準装置及び釘の長手軸に沿って離間した2つの横断ボアを含み、テンプレートは、2つの釘横断ボアと整列可能な2つのボアを有する。釘内の横断ボアの1つは、釘の長手軸の方向に細長い。好適実施態様では、アーム部材の照準部分は、調節可能な照準装置から延びる支持ピンを受け入れるために、その長さに沿って一連のボアを含む。アーム部材は、好ましくは、骨釘に結合される端部と反対側で、その端部にコネクタ素子、照準部分を解放可能に係合するためのコネクタを有する。随内釘内の横断ボアを位置付けるための方法が提供され、それは横断ボアを有する随内釘を骨管内に挿入するステップを含み、標的アームを随内釘に結合するステップを含み、標的アームは、釘の長手軸と平行に延びる部分を有し、横断ボアドリル案内を有する調節装置をボアの中心軸及び釘長手軸に取り付けるステップを含み、調節装置ドリル案内は、釘長手軸と平行に延びる標的アームの部分上に垂直な方向に移動可能であり、調節装置は、二組の平行な放射線不透過性素子をその上に有する、そこに結合される標的表示器を有し、二組の平行な放射線不透過性素子をX線ビーム内に整列するステップを含み、もし必要であるならば、調節装置を移動することによって、X線内の横断ボアを二組の平行な放射線不透過性素子の間で芯出しすることによって、釘内の横断ボアを位置決めるステップを含む。第一組の平行な放射線不透過性素子の間の距離が、第二組の間の距離よりも少ない。好ましくは、第一組の放射線不透過性素子は、実線ピン(solid pin)であり、第二組の放射線不透過性素子は、一連の接続されたビーズ素子(bead element)である。正面平面と平行な平面の位置決めは、標的表示器上と同じ間隔で、実線ピンを、一連の接続されたビーズ素子内に配置することによって達成される。第一組の放射線不透過性素子は、実線ピンであり、第二組の放射線不透過性素子は、一連の接続されたビーズ素子である。
【0029】
好ましくは、第一及び第二の組の放射線不透過性素子の放射線不透過性素子の端部を含む平面は、第一組の平行な放射線不透過性素子を含む平面及び第二組の平行な放射線不透過性素子を含む平面と非ゼロ角度を形成する。長骨のための骨折固着システムも提供され、少なくとも1つの横断ボア、好ましくは、そこを通じる一対の横断ボアを有する骨釘を含む。アーム部材が骨釘の端部部分に結合され、アーム部材は、骨釘の長手軸と平行に延びる照準部分を含む。調節可能な照準装置が、照準部分の上に取り付けられる。調節可能な照準装置は、釘内の横断ボアと整列可能な案内ボアを有する。調節可能な照準装置は、釘長手軸及び横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に照準部分に対して移動可能である。標的表示器が、調節可能な照準装置の上に取り付けられ、標的表示器は、それぞれ離間した放射線不透過性素子をその内に有する第一及び第二の離間した平行な平面的な部分を含む放射線透過性本体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】長骨の皮質を通じて延在する一対の遠位骨ネジを有する大腿骨のための典型的な随内骨折固着釘を示す正面図である。
【図2】本発明の標的装置を示す展開等角図である。
【図3】大腿骨内に挿入された図1の釘で解除状態に組み立てられた図2の標的装置を示す等角図である。
【図4】係止状態にある図3の標的装置を示す等角図である。
【図5】標的装置に取り付けられる調節装置を受け入れる直ぐ前の図4の標的装置を示す等角図である。
【図6】調節装置内の放射線透過性組織保護スリーブを含む調節装置が標的装置上に取り付けられた状態の図5の標的装置を示す等角図である。
【図7】図5及び6に示される調節装置を示す展開図である。
【図8】右大腿骨との使用のための組織保護スリーブ案内テンプレートを示す正面図である。
【図9】図8のテンプレートが調節装置上に取り付けられる過ぎ前の調節装置の一部を示す拡大図である。
【図9A】案内テンプレート内のボアが解除位置にある調節装置内の骨釘内のボアと整列された状態の標的装置の端部上に取り付けられた調節装置を示す正面図である。
【図10】調節装置が係止位置にある状態を示す図9Aと同一の正面図である。
【図11】案内テンプレート内の孔がZ方向において骨ネジ内の横断ボアと整列される前の調節装置を示す一部正面図である。
【図12】放射線透過性組織保護スリーブが調節装置内に取り付けられた状態の調節装置を含む標的装置全体を示す等角図である。
【図13】長短両方の一対の放射線透過性トロカールと長短の放射線透過性トロカールを受け入れる一対の放射線透過性組織保護スリーブとを示す側面図である。
【図14】トロカールの先端にある放射線透過性素子を備える放射線透過性トロカールを示す正面図である。
【図14A】トロカールの先端にある放射線透過性素子を備える放射線透過性トロカールを示す正面図である。
【図15A】動的係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図15B】二次増強係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図15C】固定係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図16A】本体の正面平面と平行なx−y平面と本体の矢状方向平面と平行な平面に位置するZ方向との両方で調節され得るCアームX線機械内に配置される患者の大腿骨内に挿入された骨ネジ上に取り付けられた本発明の標的装置を示す説明図である。
【図16B】本体の正面平面と平行なx−y平面と本体の矢状方向平面と平行な平面に位置するZ方向との両方で調節され得るCアームX線機械内に配置される患者の大腿骨内に挿入された骨ネジ上に取り付けられた本発明の標的装置を示す説明図である。
【図17A】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図17B】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図17C】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図18】骨ネジの挿入のために釘を取り囲む骨内の孔を穿孔するためのドリル案内及びその中に取り付けられるドリルビットを備える調節装置を含む本発明の標的装置を示す一部等角図である。
【図19】本発明の標的装置及び調節装置を利用する穿孔された骨を通じての並びに骨釘の横断ボア内への骨ネジの挿入を示す等角図である。
【図20】骨内の予穿孔された孔を通じて骨釘の第二横断ボアへの第二骨ネジの挿入を示す等角図である。
【図21】表示器が本発明の調節装置に結合される前に傾斜X線ビームアプローチと共に使用されるべき標的表示器を含む本発明の標的装置を示す等角図である。
【図22】標的表示器上の同一平面内に取り付けられる離間した一対の点線放射線不透過性ワイヤを示す標的表示器を示す等角図である。
【図22A】同一の垂直平面内に平行に延びる一対の点線ワイヤを示す標的表示器を示す正面図である。
【図22B】頂部にある同一平面上の点線ワイヤと一対の離間した実線放射線不透過性ワイヤとを示す、線B−Bに沿って回転された図22Aの標的表示器を示す断面図である。
【図23】X線ビームが調節装置と傾斜角度で延びた状態で調節装置上に取り付けられた標的表示器を含む本発明の標的装置を示す等角図である。
【図24】X線ビームが釘横断ボアのX−Y平面と整列されないときのX線蛍光透視装置上に現れる線を群A中に示し且つX線ビームが正しく整列されるときの点線ワイヤ及び実線ワイヤを群B中に示す説明図である。
【図25】横断ボアの中心が間違って整列されるとき(線群A)及び実線ワイヤが横断ボアの中心について正しく整列されるとき(線群B)のX線蛍光透視装置上の光景を示す説明図である。
【図26】ボア及び案内テンプレートを骨釘内の横断ボアと正しく整列するためにZ方向において調節される標的装置上に取り付けられる標的表示器を備える標的装置を含む本発明の標的装置を示す一部正面図である。
【図27】点線ワイヤ及び実線ワイヤが骨釘内の横断ボアと正しく整列された状態の正しく整列された標的表示器を示すX線蛍光透視図である。
【図28】トロカールを案内し骨ネジの受入れのために骨を穿孔する前に切開を形成するよう調整装置及び標的表示器上に取り付けられる組織保護スリーブを備える標的表示器を含む標的装置組立体を示す等角図である。
【図29】傾斜アプローチが使用されるときに骨が穿孔された後に骨の横断ボア内への第二骨ネジの挿入を示す図20に類似する等角図である。
【図30】斜めに向けられる第一脚及び第二脚を有する本発明の代替的な標的表示器を示す等角図である。
【図31】図30の標的表示器を示す正面図である。
【図32】図31の線32−32に沿う図31中に示される標的表示器の第一脚を示す正面図である。
【図33】図30に示されるものと類似するが旋回蝶番によって接続される第一脚と第二脚とを備える本発明の標的表示器のさらに他の実施態様を示す正面図である。
【図34】図7乃至9に示されるものと類似する調節装置上に取り付けられる図30の標的表示器を示す等角図である。
【図35】模擬実験されたX線ビーム内の図30の標的表示器を含む本発明の標的システムを示す概略図である。
【図36】図32の標的表示器素子を利用して釘内の遠位孔と整列されるべきトロカールを示すX線蛍光透視図である。
【図37】整列される釘及びトロカールを示す中間X線蛍光透視図である。
【図38】骨釘の遠位釘孔と整列する金属トロカールを示すX線蛍光透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、GAMMA(R)長骨釘(long bone nail)としてStryker Trauma Gmbhによって販売されているような骨折固着のために使用される典型的な随内釘10が示されている。釘10は、大腿骨12において使用されるとき、大腿骨の頭部への挿入のためのラグネジ14と、ボア16及び長円形孔18を通り抜ける一対の遠位係止ネジ17とを含み、それらは遠位大腿骨15の横側及び中央側の両方で皮質骨と係合する。
【0032】
図2を参照すると、概ね20として示される本発明の部分的に組み立てられた標的装置が示されており、それは大腿骨随内釘10の近位端部24に結合されたハンドル部分22を含む。ハンドル22は、釘10の近位端部24へのネジ付き接続によって或いは当該技術分野において全て既知のあらゆる他の方法で結合され得る。好適実施態様では、ハンドル22は、結合部分26を含み、それは大腿骨ラグネジ14及び遠位骨ネジボア16及び18を受け入れるために骨を位置決めし且つ穿孔するための様々な標的装置を受け入れるよう構成されている。例えば、そのようなラグネジのための標的アームは、米国特許第6,039,739号及び第7,077,847号に示されるものに類似し得る。それらの開示は参照としてここに引用される。図2に示されるように、標的装置20は、遠位標的アーム28を含み、それはアーム22の部分26に結合されるよう構成される取付けシステム30を含む。アーム26は、固着ボルト34を受け入れるための一連の貫通ボア32を備える。以下により詳細に議論されるように、遠位標的アーム28は、その上に取り付けられた調整装置36を含む。
【0033】
図3を参照すると、部分26内のボア32の1つを通じて固着ボルト34を挿入する直ぐ前に、結合装置30がアーム22の部分26上に挿入された状態で、右大腿骨12内に挿入された骨釘18が示されている。結合部分30とアーム22の部分26との間の正しい回転整列を保証するために、部分26上に形成される整列表示器(図示せず)を位置決めするよう、窓38が結合部分30内に設けられ得る。遠位標的アームレバー40が設けられ得る。遠位標的アームレバー40は、レバー40が回転されるときに、ハンドル部分26と結合部分30との間に緊密な摩擦係止が創成されるよう、部分26の内部ボア内に適合する係止部材に結合される。この係止部分は、図4に示されている。明らかに、標的アーム28をハンドル22に結合するあらゆる方法が使用され得る。標的装置全体を一体形とすることさえも可能である。遠位標的アームがハンドル22に取り付けられた後、それは釘18の長手軸と概ね平行に整列して本体の外側に配置される。
【0034】
図5及び6を参照すると、遠位標的アーム28上への取付け直前の調節装置36が示されている。調節装置36は、遠位標的アーム28の一連のボア42の1つに取り付けられる。ボア42のそれぞれは、一連の異なる長さの骨釘の1つのための正しい整列で調節装置36を位置付ける。明らかに、釘が短ければ短いほど、釘18の近位端部により近接するボア42が使用される。所与の長さの釘のための正しい孔42内に取り付けられるとき、調節装置は、釘10の遠位端部で横断ボア16及び18と整列する。アーム28及び調節装置36の両方が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のような放射線透過性の材料で作成されることが付記されるべきである。
【0035】
図7を参照すると、調節装置36の展開図が示されている。装置36は、装置36の本体56内の空洞54内で上下に移動され得る一対の調節可能な部材50及び52を含む。結合ピン58が、部材50及び52を通じて延び、従って、調節ネジ60の活性化の直後、空洞54内で垂直に移動する。ピン58は、一対の径方向に延びるタブ62及び64を含み、それらはアーム28のボア42内に開口するスロット付き凹部43及び45内に収容される。(図9Aを参照。)タブ62及び64は、ボア42内への挿入後、ピン58の回転を阻止する。同様に本体56内に取り付けられているのは、一対の支持ピン66及び68であり、それらは図8に示されるテンプレートを取り付けるために使用される。概ね70として示される係止機構が設けられ、それは移動可能な素子50及び52、従って、ピン58を本体56の空洞54内の所望の垂直位置に係止し得る。よって、組み立てられるとき、並びに、ピン58が調節アーム28のボア42内に取り付けられるとき、調節装置本体56は、ネジ60の回転によってZ方向に上下に移動され得る。好適実施態様では、ネジ60は、正確な調節が行われ得るように、遊びを有さないよう設計される。これはOリング67とネジ60のシャフト73に対してOリングを押し付けるカバー69とで達成される。本体56は、各側面に一対の蟻形状の延長部91,92を含む。所望の場所に達すると、本体56をピン58に対して係止ためのレバー71を回すことによって、係止機構70は作動され得る。明らかに、調節装置36を設計する多くの他の方法がある。しかしながら、本質的なことは、調節装置本体56が、アーム28上に取り付けられた後、少なくともZ方向に、ピン58に対して移動し得ることである。
【0036】
図8を参照すると、調節装置36と使用されるべき右テンプレート74が示されている。テンプレート74は、骨釘内で横ボアを位置決めし、横断ボアに隣接する皮質骨を穿孔するため並びに骨ネジを横断ボア内に挿入するためのドリルを案内することの使用のための、一対の取付け開口76及び78と一対のボア80,82とを含む。右大腿骨のためのテンプレート74が示されているが、左大腿骨のためのテンプレートは類似しており、逆転された孔80及び82(「動的」及び「固定」)を備える。「固定」及び「動的」標識は、以下に議論されるような円形孔16及び長円形孔18内の骨ネジの場所に言及している。テンプレート74は、テンプレートを調節装置36のピン66及び68上に取り付けるための開口76及び78を含む。テンプレート74はプラスチック製であるので、左及び右のテンプレート74を提供する1つの方法は、右テンプレート用の必要な標識を一方の側で、左テンプレート用の標識を他の側で鋳造することである。
【0037】
図9を参照すると、調節装置のピン66及び68上に取り付けられる直ぐ前の右テンプレートが示されている。図9中に見られ得るように、ピン66及び68は概ね円筒形であるが、開口76及び78の上方平坦面84及び86を受け入れるための陥凹部分69を有する。よって、テンプレート74は、ピン66及び68上に配置され、次に、テンプレート74を調節装置36上に係止するために、図9中で下向きに摺動される。テンプレート74のボア80及び82の間の異なる間隔が適合され得るよう、調節装置36は長円孔88及び90を有することが付記されなければならない。これは二次的増強が要求されるときに必要とされる。
【0038】
図9Aは、ボア80及び82が釘10の円形ボア16及び長円形ボア18の近位端部と整列された状態で、アーム28上に取り付けられた調節装置36を示している。図9Aに示される位置では、係止システム70は解除位置にある。図10を参照すると、係止システム70のレバー71が係止位置に移動され、それによって、調節装置36及びテンプレート74を所望位置に固定する。同様に図9及び10に示されているのは、調節装置36の本体56の両側に形成された一対の蟻形状取付け素子90及び92である。これらの蟻形状素子90及び92の機能は、以下により詳細に議論される。
【0039】
図11を参照すると、図9A及び10とは対称的に、調節装置36はZ方向における間違った位置に示されており、それによって、外科医は、ネジ60を回し、それによって、正しい整列が達成されるまで調節装置36の本体56を移動することによって、テンプレート位置を調節しなければならない。左テンプレートにおける図11中のテンプレート74は、図8の右テンプレート74中に示されるものよりも共に近接して配置される孔80及び82を有し、それは長円形孔18内に挿入される骨ネジが長円形孔18の最近位部分にあることを可能にするのに対し、図8のテンプレートは、骨ネジが長円形孔18の最遠位端部に配置されるよう、より広い間隔を有する。テンプレート74上のより近接した孔の場所は、テンプレートが右テンプレートであろうが左テンプレートであろうが、固定係止をもたらす。これは図15に最良に示されており、そこでは、最右の釘100は、釘が骨髄管内で遠位に移動することを防止するよう、骨ネジが固定係止のために位置付けられることを示している。中央の釘102は、二次的増強として参照されており、そこでは、もし円形横断ボア16内の骨ネジが取り除かれるならば、釘が遠位に移動し得る、動的係止が釘区画104内に示されており、そこでは、釘は長円形孔18内の単一の横断係止ネジについて遠位に移動し得る。2つのネジの間の間隔は、2つの異なる左及び右のテンプレート74が必要とされるよう、釘102対釘100におけるよりも大きい。
【0040】
図12を参照すると、その上に調節装置36が取り付けられた標的装置が示されており、調節装置36は、テンプレート74の孔82内に取り付けられた放射線透過性組織保護スリーブ106を含む。組織保護スリーブは、遠位大腿骨の皮質骨を通じて穿孔するときに、トロカール(外套針)及びドリルを案内して、釘10の遠位端部内の横断ボアと整列させるのを助ける。
【0041】
図13を参照すると、長短の放射線透過性トロカール110及び112がそれぞれ示されており、長短の放射線透過性組織保護スリーブ114及び116がそれぞれ示されている。組織保護スリーブ114及び116は管状であり、組織を切断するための放射線透過性標準トロカールを収容するためにそこを貫通するボアと、大腿骨の皮質骨内に孔を穿孔するためのドリルビットとを備える。長短のトロカール及びスリーブの両方は、異なるサイズの患者に適合するよう提供される。しかしながら、短いトロカールの使用が好ましい。何故ならば、調節装置36上の支持とスリーブの端部との間の角誤差がより少ないからである。
【0042】
図14を参照すると、その中心軸122に沿う放射線不透過性素子120を含む先端118を有する長い放射線透過性トロカールが示されている。短い放射線透過性トロカールは、放射線不透過性標的部材120を含む先端構造を有する。直進(straight on)X線ビームアプローチと関連して以下に議論されるように、放射線透過性トロカールは、釘内の横断ボアを標的するために使用される。上記に議論されたように、短いスリーブが好ましい。組織保護スリーブ114及び116は、骨の皮質表面と接触し、それによって、穿孔作業中に組織を保護するのに十分な長さであることが必要である。
【0043】
図16A及びBを参照すると、患者の足がX線ビーム経路内に挿入された状態で、直進アプローチにおける標準的な調節可能なX線画像化システムの使用が示されている。本発明の標的装置20は、図16A及びBの場合には、左大腿骨の骨髄管内に挿入された釘の上に取り付けられている。図面は、X線蛍光透視装置124と整列する画像化装置の動作を示している。遠位標的における本質的な初期ステップは、釘内の遠位孔16が完全に円形に現れるようX線蛍光透視装置画像を位置付けることである。本来的に、この可視化ステップは、長円形孔18ではなく円形孔の出現に言及している。もし孔が垂直平面又は水平平面のいずれかに楕円形であるように現れるならば、画像増強器位置は、図16A及び16Bに示されるように、適切に調節されなければならない。1回に1つの平面内の画像を矯正することが勧められる。放射線透過性トロカール110,112は、トロカールの先端に放射線不透過性素子を備える。これは直進アプローチにおいてトロカールの正確な位置を決定するのに役立つ。図17A乃至17Bは、直進X線ビームアプローチにおいてボア16を位置付けるための、110又は112のいずれかにおける、放射線透過性トロカールの使用を示している。図17a乃至17cは、図17cに示される正しく配置された放射線透過性トロカールで外科医によって見られるX線蛍光透視装置画像である。
【0044】
図18を参照すると、標的アーム28が示されており、標的アームの上には、調節装置36が係止位置に取り付けられ、大腿骨の横側上の皮質骨を通じて、釘10の横断ボア16を通じて、並びに、大腿骨の中央側上の皮質骨を通じてドリル132を案内するよう、左テンプレートの孔82内に取り付けられた長いスリーブ130を備える。
【0045】
図19を参照すると、左テンプレートのボア80を通じて骨釘10の長円形横断ボア18に至る第一骨ネジ136の挿入が示されている。もちろん、これは横断ボア18が図18に示されるのと類似の方法で穿孔された後に達成される。
【0046】
図20を参照すると、骨ネジ136のそれと類似の方法で骨釘10の横断ボア16を通じて挿入される第二骨ネジ138が示されている。両方の骨ネジは、標準的なネジ回し140及び142でそれぞれ挿入される。使用の容易性のために、ネジ回し142のハンドル148がよりアクセス可能であるよう、ネジ回し140のハンドル146は取り除かれ得る。2つの骨ネジが使用されるので、図15によれば、(長円形ボア18のいずれの端部がネジを受け入れるかに依存して)固定係止又は二次的増強のいずれかが使用される。
【0047】
図21乃至29は、好適な傾斜アプローチで使用されるときの標的装置20の使用を示している。傾斜アプローチが好ましいのは、X線ビームを骨釘10の長手軸に対して20°と45°との間の角度、好ましくは、30°に方向付けることによって、ハンドル146,148を介するネジ回し140,142の作動が、X線ビームの外側で手によって行われ得るからである。調節装置36、よって、孔80,82を釘10のボア16及び18と整列するために、標的表示器150が使用される。図22、22a、及び、22bに示されるように、好適実施態様では、表示器150は、専らPEEKのような放射線透過性材料から成り、平行六面体の形状にある。好適実施態様では、動作技法の故に、30度傾斜平行四辺形設計が表示器150のために選択される。外科医が解剖学的理由のために40度又は20度の角度にCアームを配置するとき(時折、患者の他の足が邪魔するので、角度は再配置されなければならない)、彼又は彼女がどの放射線不透過性標識も見ないよう、表示器フレームの角度は、垂直から30度傾斜されている。もし長方形設計(垂直から0度)が使用されるならば、それは傾斜整列手順の間に使用可能な放射線不透過性表示器長を有意に「失う」であろう。表示器150は、4つの脚152,154,156,158をそれぞれ有する。脚154及び156は、脚152及び158を含む平面と平行な第一平面内にある。同様に、脚152及び154は、脚156及び158を含む平面と平行な平面と同一平面にある。脚154及び156は、上述されたように、30度に傾斜される側脚155及び157によって接続されている。同様に、脚152及び158は、側脚159及び161によって接続されている。好適実施態様では、図22A中に見られ得るように、脚152及び154は、主として放射線透過性材料で構成されるが、放射線不透過性点線又はビーズ付きワイヤ160を含む。好適実施態様では、点線ワイヤ(dashed wire)又はビーズ付きワイヤ(beaded wire)160は、標的表示器150の製造中にアーム152及び154内に成形される。図22b中に最良に見られ得るように、脚156及び158は、同様に好ましくは標的表示器150の製造中に所定位置に成形される固体放射線透過性ワイヤ162を含む。図22b中に見られるように、実線ワイヤ(solid wire)162の間の間隔は、点線又はビーズ付きワイヤ160の間の間隔未満である。よって、異なるワイヤ160及び162が2つの点線及び2つの実線を示すX線蛍光透視画像中で容易に区別され得る。もちろん、実線ワイヤ及び点線ワイヤは、それらの機能を変更せずに逆転され得る。即ち、脚156及び158は、点線ワイヤ160を有し得るし、脚152及び154は、実線ワイヤ162を有し得る。
【0048】
好適実施態様において、標的表示器150は、調節装置36の本体56の雄蟻形状側部延長部90及び92と係合するための図21中に最良に示される蟻形状凹部164を有する。図10を参照すると、右大腿骨が対処されるとき、標的表示器150は雄蟻延長部92上に取り付けられ、左大腿骨が対処されるとき、標的表示器150を取り付けるために延長部90が利用される。両方の場合において、標的表示器150は、調節装置36から釘10の近位端部に向かって延びる。
【0049】
図23を参照すると、標的表示器150が調節装置36の蟻90上に取り付けられた状態で、左大腿骨上に取り付けられた標的装置20が示されている。X線蛍光透視機械124が、釘10の長手軸に対して約30度の角度で方向付けられて示されている。この位置において、X線ビーム170が、骨ネジが遠位大腿骨並びにボア16及び18内に挿入される軸から、偏心(オフセット)されていることが見られ得る。よって、外科医の手は、X線ビームに入らない。
【0050】
図24を参照すると、標的表示器150を使用して釘横断ボア16及び18の正しい場所を決定するための整列方法が示されている。「A」と印された4つの線の画像群において、上方脚154及び下方脚152内の点線ワイヤ160は、アーム158の実線ワイヤ162が両方の点線ワイヤ160より下に配置された状態で、脚156の実線ワイヤ162より上及び下に位置付けられていることが見られ得る。これはX線ビームが釘10の横断ボア16,18のx−y平面と同一平面上にないことを意味する。しかしながら、適切な整列が達成されるときには、図24の群B内に示される線の群化は、図22b内に示される正しい整列及び感覚と今や一致する。
【0051】
図25を参照すると、今や整列された実線ワイヤ162及び破線ワイヤ160(図24の群化B)を釘10のスロット付き或いは長円形の開口18の遠位端部の中心と位置付ける調節装置36、従って、標的表示器150の使用が示されている。160,162のワイヤの群「A」は、横断ボア18の間違って位置付けられた中心を示し、群「B」は、正しく位置付けられた横断ボア18の中心を示している。これは図25の矢印「D」の方向に調節装置36のネジ60を調節することによって達成される。このプロセスは図26中の左ネジのために示されており、図面の頂部にある回転矢印は、Z方向にテンプレート74(この場合には左テンプレート74)を調節するネジ60の回転を示している。
【0052】
図27を参照すると、図25「B」に示されるような正しい整列が達成されるときの外科医によって見られるX線蛍光透視画像が示されている。ボア18は、調節ネジ60の使用によって実線ワイヤ162の間の中間に配置されている。
【0053】
図28を参照すると、左テンプレート74の孔80を通じて挿入された組織保護スリーブ114,116が示されている。次に、横断ボア18及び横断ボア16の両方のための直線アプローチに関して上記に議論されたように、皮質骨内の孔が穿孔される。同様に、骨ネジは、直線アプローチで達成されるのと同じ方法で、図29中に示されるように挿入される。
【0054】
動作技法が直進アプローチ及び傾斜アプローチの両方を使用して今や説明される。
【0055】
直進アプローチでは、標的装置20の組立て及び釘10の挿入後、適切な係止テンプレート74が、テンプレート固着ピン66,68の上に導かれ、係止テンプレートをピンの上に押し下げることによって固定される。
【0056】
2つの異なるテンプレート74が利用可能である。1つは静的/静的モード(右及び左)で、1つは静的/動的モードである。記載されたように、これは一方の側で左釘のために並びに他方の側で右釘のために使用されるテンプレート44を有することによって達成される。
【0057】
調節装置の位置決めピン58は、アーム28のボア42内に挿入され、レバー71を時計回りに回転することによって固定される。
【0058】
所要の釘の長さは、遠位標的アーム28上の調節装置36の位置を決定する。釘長は、好ましくは、適切な孔42の上で遠位標的装置上に印される。
【0059】
調節装置は、ボア管への挿入前に、釘に組み立てられる標的装置で校正(calibrate)される。
【0060】
これはOR内のテーブル上で行われ得る。校正(calibration)は、非偏向(non-deflected)状態において釘で横断ボア16,18を穿孔するための正しい位置に調節装置を配置する。よって、挿入されるや否や、偏向(deflection)はボア16,18を少量だけ校正位置から移動させる。釘が達したことを保証するために、より長いドリルが、より長い放射線透過性組織保護スリーブ内に組み立てられる。
【0061】
組立体は、先ず、近位孔16に導かれる。釘孔が如何なる抵抗もなく直接的に打たれたかみるために、今や整列はドリルで確認される。ドリルは円滑に且つ容易に釘孔を通り抜けなければならない。もしそうでないならば、ネジ孔を通じた容易で円滑なアクセスがあるまで、ネジ60は回転される。近位孔が校正されると、校正は遠位孔で繰り返される。もし釘の挿入中に屈曲が起こらないならば、これは調節装置36の正しい中央−横方向位置である。
【0062】
校正は、先ず、近位釘孔で行われる。これが行われるのは、調節装置36が正確に中立位置にある必要がないからである。これは何故ならば隣接遠位釘孔は釘挿入時により少なく偏向しそうだからである。
【0063】
校正が行われた後、組織保護スリーブが抜き取られ、然る後、ドリルスリーブが先ず続き、最後にドリルが続く。次に、遠位標的アームカプリング30が、レバー40を移動することによって解放され、固着ボルト34が取り外される。遠位標的装置組立体は分離され、固着ボルトが、遠位標的アーム28上に成形される固着ボルト格納場所内に置かれ得る。
【0064】
調節装置は、誤穿孔を避けるために、遠位標的アームから取り外されない。
【0065】
好ましくないとしても、直線アプローチが使用され得る。このアプローチでは、X線ビームは、ボア16及び18と一致し、釘10に対して垂直である。
【0066】
依然として組み立てられる調節装置36を備える遠位標的アーム28は、カプリング装置30を介してハンドル22に結合される。
【0067】
放射線透過性トロカール110又は112が、対応する放射線透過性組織保護スリーブ114又は116内に組み立てられ、ちょうせ36上のテンプレート74内の遠位係止孔80を通じて皮膚に押し付けられる。
【0068】
図17A及び17Bに示されるように、円形及び長円形の遠位孔のX線図が間違って整列されている。図17Cは、Z平面内に正しく整列されたX線ビームを示している。
【0069】
放射線透過性トロカール110又は112は、トロカールの先端118に放射線不透過性素子120を備える。この放射線不透過性素子は、直線アプローチにおいてトロカール先端の正確な位置を決定するために使用され得る。
【0070】
この機能は調節装置36のネジ40を回転することによってX線制御下で釘内の孔との組織保護スリーブの最適な横方向整列をもたらすために使用される。正しい中央−横方向(Z平面)整列が達成されるとき、素子120によって生成される放射線不透過性ドットが中心化され(図17Cを参照)、次に、放射線透過性トロカールが、案内スリーブ及び標準金属トロカールと置換される。
【0071】
小さい切開が標準トロカールの先端で開始され、遠位大腿骨の横方向皮質まで下に延長される。トロカールは、典型的には、組織保護スリーブが横方向皮質に達するときに約3mmだけスリーブの背後に延びる。組織保護スリーブは骨と良好に接触しているべきである(図6)。
【0072】
整列が依然として正しいことを保証するために、第二X線制御が遂行されなければならない。必要であるならば、適切な整列が達成されるまで、調節装置のノブを回転することによって、調節が遂行される。
【0073】
ネジ長は、如何なる既知の方法でも決定され得る。例えば、トロカールは取り除かれ、校正された4.2mm×340mmドリルによって置換される。外科医は、第一皮質を通じて穿孔し、第二皮質に達すると、ドリル上のドリル目盛り上の測定値を読み取る。約5mmである皮質の厚さが、正しいネジ長を選択するために、この測定値に加えられる。
【0074】
代替的に、ドリルは、第二皮質を通じて穿孔され、X線又は蛍光X線画像によって監視され得る。次に、ネジ長がドリル上の目盛りから直接的に読まれる。
【0075】
次に、第二皮質が穿孔される。第二皮質を通じて穿孔した後に既知のネジ定規を使用して正しいネジ長を測定することも可能である。ドリル案内スリーブは取り除かれなければならず、ネジ定規は組織保護スリーブを通じて前進され得る。定規の小さいフックが中間皮質の背後に配置され、所要の係止ネジ長が定規の目盛りから読まれる。
【0076】
ネジの挿入は、組織保護スリーブを通じてネジ回しの使用によって、上記に議論されたような直進アプローチにおけるような標準的な方法で行われる。最遠位孔が先ず取り組まれる。好ましくは、5mm係止ネジが、ネジ回しシャフト上の印が遠位放射線透過性組織保護スリーブ114又は116に接近するまでネジ回しを使用することによって、放射線透過性組織保護スリーブの遠位端部を通じて挿入される。ネジ頭が皮質と軽く直接的に接触するまで、ネジ頭が注意深く前進される。
【0077】
ネジ回しシャフト上の印が組織保護スリーブに達するとき、これはネジ頭が皮質付近にあることを示している。ネジ込み過ぎないよう注意されるべきである。ネジ頭は皮質とちょうど接触するようになり、抵抗が感じられるはずである。
【0078】
好ましくは、ネジ回しシャフトは、組織保護スリーブ内部に残される。ネジ回し先端は、第一ネジ頭内に係合されたままであり、組織保護スリーブは、皮質に抗して、ネジ頭の上に押し込まれる。これはシステムの安定性を保証するのを助ける。ネジ回しシャフトは標的アームを所定位置に維持するのを助ける。次に、最近位孔が取り組まれる。
【0079】
放射線透過性トロカール110,112は、放射線透過性組織保護スリーブ114,116内に組み立てられ、調節装置内の近位係止孔を通じて皮膚に押し付けられる。
【0080】
最遠位孔のために上述されたのと同じ動作技法が後続され、遠位ネジ長測定が、上述されたのと同じ方法で行われる。
【0081】
ドリルスリーブが取り除かれ、選択された5mm完全ネジ山付きネジがネジ回しで挿入される。
【0082】
ネジ回し/スリーブを取り除くことによって並びに遠位標的アームのレバー40を開放することによって、標的装置が今や取り除かれ得る。次に、固着ボルト34が引き抜かれる。
【0083】
上述されたような傾斜アプローチでは、X線ビームは、釘に対して並びに遠位係止スリーブに対して約20°〜45°に向けられる。これは、穿孔中に、ドリル先端が見られ得るが、画像増強器は動力工具及びドリルの軸内にないという利点をもたらす。
【0084】
上述された校正の後、依然として組み立てられた調節装置36を備える遠位標的アーム28は、バネ回止めが感じられるまで、ハンドル20の部分26の上に押し付けられる。整列表示器窓38内で、ハンドル部分26上の白線39が見られ得る。次に、クリックが感じられ且つ標的アームレバー40が係止されるまで、固着ボルト34がボア内に挿入される。次に、標的表示器150が、(右又は左に依存して)調節装置36の近位蟻形状溝(flute)の上に取り付けられる。
【0085】
傾斜アプローチを用いた遠位標的における本質的な初期ステップは、画像増強器を釘に対して並びに遠位係止スリーブに対して約20°〜45°、好ましくは、30°に位置付けることである。
【0086】
X線制御の下で釘内の孔16又は18の最適な横方向整列をもたらすために、X線機械のCアームが、釘シャフトが、上記に議論されたような標的表示器150の点線ワイヤと実線ワイヤとの間の中間にあるように位置付けられる。
【0087】
今や調節が調節装置36のノブ40を回転することによって遂行される。図27に示されるように係止孔が点線ワイヤと実線ワイヤとの間の中間にあるときに適切な整列が達成される。次に、上述されたような直線挿入におけるように、穿孔及びネジ挿入が遂行される。
【0088】
傾斜アプローチにある間、放射線透過性トロカール110,112を使用することは必要でない。それらは釘10内の横断ボア16又は18の場所をさらに示すために使用され得る。X線蛍光透視装置上の画像は、直進アプローチにおけるような円形点(ドット)よりも、むしろ放射線不透過性標識(marker)12によって生成される線が示される。
【0089】
図30及び31を参照すると、概ね200として示される代替的な標的表示器が示されている。標的表示器200は、第一脚202と、第二脚204とを含む。脚は、頂端部206で接続されている。標的表示器200は、調節装置36の蟻90,92と係合するための蟻接続溝208を有する。標的表示器200は、好ましくは、主としてPEEKのような放射線透過性材料によって作成される。
【0090】
次に、図30乃至32を参照すると、PEEK製の第一アーム202は、その中に形成される一連の放射線不透過性線を含む。好適実施態様では、中心線210は、中心線又はピン210の両側に形成される他の金属又は放射線不透過性線212のいずれよりも大きな直径を有する金属ピンである。
【0091】
図32を参照すると、より大きな中心ロッド210と異なる長さを有する一連の長短の放射線不透過性線212とを含む第一202の上面図が示されている。アームは、複数の短い長さの放射線不透過性線又は素子214と、一連のより長い放射線不透過性線又は素子216とを有する。第三実施態様では、ピン210の各側(図32中の上及び下)に3つの長い並びに3つの短い薄い素子又は線214,216がある。好適実施態様では、より短い線214は、ピン210の線の中心に対して並びに長い線216に対して2.5mm増分で離間されている。好適実施態様では、1つのより短い線214が各隣接線216から2.5mmに配置された状態で、線216は5mmで離間されている。よって、図32に示されるように、3つの長い放射線不透過性素子又は放射線不透過性線216は、放射線不透過性ピン210の中心線211から最大15mm離間される。好適実施態様では、第一脚202内の薄い線214,216は、電子業界における回路板の製造において使用される方法に類似するエッチング加工プロセスによって形成される。好適実施態様では、次に、エッチング加工済み金属格子(グリッド)は、放射線透過性(プラスチック)材料中にサンドウィッチ状に埋設される。好適実施態様では、頂点206で第一脚及び第二脚によって形成される角度は約30°である。この角度は使用中に外科医の手をX線ビームから外に維持するよう選択される。第一脚と第二脚との間の角度は、15°と60°との間で変化し得るし、使用中に外科医の手がX線ビームの外側にあることを依然として可能にする。
【0092】
図33を参照すると、図31乃至32に示される標的表示器の第二実施態様が示されている。この標的表示器は、15°と60°との間の角度を形成するよう第一脚202Aが第二脚204Aに対して旋回することを可能にする旋回ピン220を含む。第一アームと第二アームとの間の所望の角度に係止するために、回止めシステム(図示せず)が利用され得る。標的表示器200Aは、その他の点では図30乃至32に示されるものと同一であり、角度が一旦設定されると同様に機能する。
【0093】
図34を参照すると、標的表示器150に関して上述されたような調節素子36上に取り付けられる図30乃至34の標的表示器を備える本発明の標的システムが示されている。標的表示器は、インプラント(移植片)、例えば、大腿骨釘の遠位端部内のボアに対して同様に調節される。唯一の相違は、整列ピンが図35に示されるX線機械224のビームに対して整列され得るよう、整列ピン222が第二脚204の端部に配置されることである。ピン222は、ビームが第二脚204と整列されるときに点(ドット)として現れる。
【0094】
代替的且つ好適な標的表示器をしようするための方法は、(標的表示器が右大腿骨又は左大腿骨に取り付けられるかに依存して)標的表示器200を調節装置36上の2つの蟻形状取付け素子91,92の1つに取り付けることである。金属トロカール240が、調節装置36の近位孔内に配置され、kワイヤ又は整列ピン222が、X線機械のCアームを調節するために、整列アームの端部でボア内に挿入される。トロカール240は、組織保護スリーブ130内に収容され得る。Cアームは、X線ビームが第二脚204と一致し且つ釘12に対して斜角にあるよう整列される。第一X線撮影が取られ、中央のより厚い金属ピン210は、金属トロカールを収容する組織保護スリーブ13−0の理論的な位置を示す。
【0095】
図36は、金属トロカール240の尖頭端部242が目盛り上の中央のより厚い金属バーと誤整列された状態で、第一X線がどのように見えるかを示している。X線機械のCアームは、トロカール240の金属先端がより厚い中央金属ピン210と一致して位置するよう、再び、整列されなければならない。そのような整列が図37に示されている。その場合には、金属トロカールの先端と釘12内のボアの中心軸との間で偏心(オフセット)された二線216が存在する。目盛りの長い線216は5mmで離間されるので、偏心は約10mmである。何故ならば、遠位釘孔の中心軸は、より厚い金属バーの軸より下で第二線と整列され得からである。上記に示されたように、より短いエッチング加工された線214は、2.5mm間隔である、即ち、各対の長い線216の間の中間である。明らかに、中心のより厚い金属ピン210より上であろうと下であろうと、他の目盛り距離が可能である。これらの中心線偏心は、挿入中の骨釘の変形に起因し得る。いずれにしても、X線走査から、金属ピン210が遠位釘孔より上であるか或いは下であるか、並びに、2つの間の距離が見られ得る。調節装置36は、組織保護スリーブ及びトロカール中心を遠位釘孔(図38参照)と完全に整列するよう調節される。図38に示されるように、組織保護スリーブ130は、釘と完全に整列され、遠位孔の穿孔が開始し得る。孔は、上述されたような従来的な方法で穿孔される。
【0096】
本発明は具体的な実施態様を参照してここに記載されたが、これらの実施態様は本発明の原理及び用途の例証に過ぎないことが理解されるべきである。従って、数多くの変形が例証的な実施態様になされ得ること、並びに、付属の請求項によって定められる本発明の精神及び範囲から逸脱せずに他の構成が考案され得ることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2006年11月7日に出願された米国出願第11/593,996号の一部継続出願であり、2006年8月10日に出願された米国仮出願第60/836,793号の利益を請求し、それらの開示がここに参照として引用される。
【背景技術】
【0002】
長い随内釘(即ち、遠位取付ネジを備える随内釘)を正確に係止するために、遠位ネジは釘内の横断ボアと正確に整列されなければならない。この係止は、横断ボアの場所をそれらの固定位置から変更する骨管内への挿入中の釘の変形によって複雑化される。典型的には、外科医は、X線Cアームの助けを受けて、自由裁量でこれを行うことを強制される。そのような手順の一般的な問題は、器具が「邪魔」することである。何故ならば、それらはCアームの画像平面上にあるからである。さらに、遠位係止は問題である。何故ならば、遠位ボアは、大腿骨の解剖学的形状、及び、正面平面と平行な平面に対して垂直な平面内にある(ここではz方向にある)結果として得られる釘の曲率の故に、軟組織を通じて精密に作成され得ないからである。
【0003】
随内釘は、しばしば、遠位係止のための2つの遠位開口又は横断ボアを提供する。遠位係止のために、釘は、骨折パターンに依存して使用されるべき、3つの係止選択肢をもたらし得る。これを達成するために、近位円形孔及びより遠位の長円形孔が提供される。もし骨折が不安定であるならば、もし回転安定性が求められるならば、或いは、もし釘の直径と大腿骨空洞との間に広い相違があるならば、遠位係止が薦められる。
【0004】
第一の可能性は、係止ネジを長円形孔の遠位部分内に配置することである。これは係止機構をもたらす、即ち、釘が遠位に移動することを可能にし、1つのネジだけを必要とする。代替的に、1つのネジが、長円形孔の遠位部分内に配置され、他のネジが円形孔内に配置され得る。これは釘の固定係止をもたらし、釘の移動を防止する。しかしながら、もしある時間期間の後に増強が必要とされるならば、円形孔内に配置されたネジは取り除かれ、長円形孔の遠位端部にあるネジだけを残す。この方法は2つのネジを必要とする。最後に、1つのネジが円形孔内に配置され、他のネジが長円形孔の近位部分内に配置され得る。やはり、これは固定係止をもたらし、2つのネジの配置を必要とする。
【0005】
遠位孔を通じるネジの穿孔及び挿入を案内するために、様々な技法が使用され得る。上述された自由裁量技法並びに以下に記載されるような画像化装置の直進(straight on)アプローチにおいて使用されるような標的器具。
【0006】
遠位標的における本質的な初期ステップは、釘内の円形遠位孔が完全に円形に現れるようX線蛍光透視装置を位置付けることである。本来的には、この視覚化は長円形孔と使用され得ない。もし円形孔が垂直平面又は水平平面のいずれかにおいて楕円形であるよう現れるならば、X線蛍光透視装置画像位置は適切に調節されなければならない。1回に1つの平面内の画像を矯正することが勧められる。
【0007】
画像増強器が正しく位置付けられるや否や、ドリルの先端が孔の中心に配置され、孔が、第二皮質の抵抗が感じられるまで、大腿骨では横皮質である第一皮質及び釘横断ボアを通じて穿孔される。ドリルは、典型的には、所要のネジ長を測定するための目盛りを有する。
【0008】
代替的に、画像を見ながら第二皮質を通じて孔が穿孔され得る。次に、所要のネジ長はドリル上のネジ目盛りから直接的に判読され得る。もし組織保護スリーブがドリルの周りに使用されるならば、それは測定のために取り除かれなければならない。釘が大腿骨内にあるときに中間皮質表面を係合し得る自由裁量ネジゲージを使用して矯正ネジ長を測定することも可能である。これは、ドリルを除去し、ネジゲージの小さいフックを中間皮質の背後の孔を通じて前進し、所要の係止ネジ長を読み出すことによって第二皮質を通じて穿孔した後に行われる。
【0009】
典型的には、普通5mmネジである遠位係止ネジは、ネジ回しを使用することによって皮膚を通じて挿入される。ネジ頭は、それが皮質とちょうど直接接触するまで、注意深く前進される。使用される如何なる標的計装も取り除かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はネジの位置決めをより容易且つより正確にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
照準又は標的アームが、既知の釘保持アームに取り付けられる。好適実施態様では、釘保持アームのボア内の照準アームを含む標的装置を保持するために、固着ボルトが使用される。釘保持アーム内に標的装置を保持するために、手係止機構を備える締結装置も使用され得る。(Z方向に調節可能な)放射線透過性調節装置が、照準又は標的アーム内の対応する開口内に挿入され且つレバーを回転することによって固定されるピンを用いて照準アーム上に摺動される。照準アーム上には、一連の孔があり、各孔は、それぞれの釘長(よって、各釘内の遠位ボアの対応する場所)に対応する数を有する。
【0012】
調節装置上に見い出される蟻案内上に滑動される放射線透過性標的表示器は、釘内の孔のレベルに配置される正確な位置が見い出されるシステムである。これは好ましくは傾斜X線を使用して行われる。位置決めは、釘の長手軸に対して平行に、標的表示器上に互いに縦に並んで位置する、2つの平面を整列することによって達成される。このために、X線を透過する標的表示器のリブは、X線標識を有する。第一平面には、点線ワイヤのようなビーズ状ストリップがある。第二平面には、均一な直線(実線)ワイヤが使用される。正しいZ位置決めにおいて、X線画像上で、互いから所定距離(点付き直線)にある二対の線だけが認識可能である。ワイヤ及びストリップは、Z方向に整列されない(即ち、実線ワイヤは、好ましくは、各ワイヤがZ方向における異なる平面にあるよう、点線ワイヤよりもさらに離間される)
【0013】
X線画像は、例えば、以下のように現れ得る。
【0014】
先ず、X線Cアームが整列される。もし角度整列が正しくないならば、画像は以下のようである。
【0015】
[外1]
【0016】
ここでは、X線Cアームは正しく整列している(中間横方向及びx/y平面)。
【0017】
[外2]
【0018】
最後に、釘の孔位置がZ平面内にあるよう、調節装置が調節される。
【0019】
正しいZ位置において、ボアの位置は、実線表示器の外側にあり、次に、Z位置は、実線ワイヤが釘内の遠位ボアの中心軸に跨るまで、調節装置の調節ネジの助けを受けて再調節され得る。
【0020】
標的装置のための放射線透過性位置決めアーム内のX線標識は、米国特許第6,036,696号、並びに、例証を含むGamma Long Nail R 2.0 Operative Technique P.25と題するパンフレットから既知である。この傾斜X線動作技法は、その基本的特性において、Hans Granheadによる文献、A New Technique Of Distal Screw Insertion For Locked Nailing, Acta Orthop Scan 1998 69(3):320−321からも既知である。
【0021】
有利に、傾斜Cアーム法を用いて、大腿骨の遠位貫通ボアのためのより自由なアクセスが達成され、よって、X線画像化の下の穿孔の危険性が最小限化される。本発明の標的装置は、骨釘内の横断ボアを位置決める新規な方法を提供する。
【0022】
本発明の標的装置を用いて再現可能な結果を達成するために、調節装置は、遊びのないネジ山を調節することでZ方向に調節され得る。これは調節装置の主本体上に取り付けられるカバー、Oリングを使用することによって達成され得る。Oリングの厚さは、調節装置の本体内にOリングのために提供される凹部よりも僅かに大きい。カバーは押し付けられ、調節ネジは本体内のネジ山に螺入されるので、弾性Oリングは、ネジ山の両側に対して調節ネジの両側を延伸し、遊びを接続から取り外す。
【0023】
係止の種類の観点からの所望の位置決め、即ち、性的位置又は動的位置の再調節において、プラスチックテンプレート又は案内プレートが操作者によって使用される。このために、対応するテンプレート又は案内プレート(右又は左の釘)は、好ましくは、クリック機構を使用して、調節装置上に配置される。
【0024】
本発明の器械は、最小侵襲的な手術を促進し、新規な器械及び最適化された外科技法の使用の助けを受けて、手術室(OR)時間を最小に減少するよう設計される。
【0025】
釘は、最小侵襲的手術のために必要とされる切開長を最小限科するのを助けるために、15.5mmの近位直径を有する。それにも拘わらず、それらは同一の生体力学的強度及び切取り抵抗をもたらす。本発明の器械プラットフォームの主要な利点は、器械が最小侵襲的外科技法のために、並びに、OR時間を最小に減少するために設計されることである。器械は使用が容易であり且つ洗浄が容易であり、様々な随内釘と共に使用され得る。
【0026】
本発明の標的装置は、X線蛍光透視時間の最小限化、誤穿孔を回避することの補助、並びに、各種類のGamma3長釘のための容易な校正という競争力のある利点をもたらす。標的装置は、主として、X線アーチファクトの問題を克服するために放射線透過性カーボン繊維から作成される。これは外科医が最適な正確な手術結果を得るのを助ける。
【0027】
ここで使用されるとき、骨又は他の人体部分に言及するとき、「近位」という用語は、心臓に近いことを意味し、「遠位」という用語は、心臓から最も離れていることを意味する。「下位」という用語は、足に向かうことを意味し、「上位」という用語は、頭に向かうことを意味する。「前方」という用語は、正面部分又は面に向かうことを意味し、「後方」という用語は、体の後方に向かうことを意味する。「中間」という用語は、体の正中に向かうことを意味し、「横方向」という用語は、体の正中から離れることを意味する。
【0028】
本発明は、骨釘内の横断ボアを標的するための標的装置に関し、それは骨釘の端部部分に結合されるアーム部材と、骨釘の長手軸と平行に延びるアーム部材の部分を形成する照準部分とを含む。調節可能な照準装置が照準部分上に取り付けられ、調節可能な装置は、釘内の横断ボアと整列可能な案内ボアを有する。調節可能な装置は、釘長手軸及び横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に照準部分に対して移動可能である。標的表示器が、調節可能な照準装置上に取り付けられる。標的表示器は、それぞれ離間した放射線不透過性素子をその中に有する第一及び第二の離間した平行な平面的な部分を含む放射線透過性本体を有する。調節可能な照準装置は、骨釘と平行に延びるアーム部材の部分に沿って長さ方向に移動可能である。好ましくは、標的表示器は、第一及び第二の平面的な部分の両方の内に一対の離間した放射線不透過性素子を含む。第一の平面的な部分内の放射線不透過性素子は、好ましくは、第二の平面的な部分内の放射線不透過性素子よりも互いにより近接して離間される。好適実施態様では、第一及び第二の平面的な部分は、釘横断ボアの中心軸を含む並びに横断ボアに隣接する釘の長手軸を含む平面に対して垂直に延びる。調節可能な照準装置は、放射線透過性材料から成る。照準装置上の案内ボアは、部分的に、釘横断ボアと整列されたボアをその内に有する放射線不透過性テンプレートによって形成され、テンプレートは、案内ボアに隣接して調節可能な照準装置上に取り外し可能に取り付けられる。釘は、調節可能な照準装置及び釘の長手軸に沿って離間した2つの横断ボアを含み、テンプレートは、2つの釘横断ボアと整列可能な2つのボアを有する。釘内の横断ボアの1つは、釘の長手軸の方向に細長い。好適実施態様では、アーム部材の照準部分は、調節可能な照準装置から延びる支持ピンを受け入れるために、その長さに沿って一連のボアを含む。アーム部材は、好ましくは、骨釘に結合される端部と反対側で、その端部にコネクタ素子、照準部分を解放可能に係合するためのコネクタを有する。随内釘内の横断ボアを位置付けるための方法が提供され、それは横断ボアを有する随内釘を骨管内に挿入するステップを含み、標的アームを随内釘に結合するステップを含み、標的アームは、釘の長手軸と平行に延びる部分を有し、横断ボアドリル案内を有する調節装置をボアの中心軸及び釘長手軸に取り付けるステップを含み、調節装置ドリル案内は、釘長手軸と平行に延びる標的アームの部分上に垂直な方向に移動可能であり、調節装置は、二組の平行な放射線不透過性素子をその上に有する、そこに結合される標的表示器を有し、二組の平行な放射線不透過性素子をX線ビーム内に整列するステップを含み、もし必要であるならば、調節装置を移動することによって、X線内の横断ボアを二組の平行な放射線不透過性素子の間で芯出しすることによって、釘内の横断ボアを位置決めるステップを含む。第一組の平行な放射線不透過性素子の間の距離が、第二組の間の距離よりも少ない。好ましくは、第一組の放射線不透過性素子は、実線ピン(solid pin)であり、第二組の放射線不透過性素子は、一連の接続されたビーズ素子(bead element)である。正面平面と平行な平面の位置決めは、標的表示器上と同じ間隔で、実線ピンを、一連の接続されたビーズ素子内に配置することによって達成される。第一組の放射線不透過性素子は、実線ピンであり、第二組の放射線不透過性素子は、一連の接続されたビーズ素子である。
【0029】
好ましくは、第一及び第二の組の放射線不透過性素子の放射線不透過性素子の端部を含む平面は、第一組の平行な放射線不透過性素子を含む平面及び第二組の平行な放射線不透過性素子を含む平面と非ゼロ角度を形成する。長骨のための骨折固着システムも提供され、少なくとも1つの横断ボア、好ましくは、そこを通じる一対の横断ボアを有する骨釘を含む。アーム部材が骨釘の端部部分に結合され、アーム部材は、骨釘の長手軸と平行に延びる照準部分を含む。調節可能な照準装置が、照準部分の上に取り付けられる。調節可能な照準装置は、釘内の横断ボアと整列可能な案内ボアを有する。調節可能な照準装置は、釘長手軸及び横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に照準部分に対して移動可能である。標的表示器が、調節可能な照準装置の上に取り付けられ、標的表示器は、それぞれ離間した放射線不透過性素子をその内に有する第一及び第二の離間した平行な平面的な部分を含む放射線透過性本体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】長骨の皮質を通じて延在する一対の遠位骨ネジを有する大腿骨のための典型的な随内骨折固着釘を示す正面図である。
【図2】本発明の標的装置を示す展開等角図である。
【図3】大腿骨内に挿入された図1の釘で解除状態に組み立てられた図2の標的装置を示す等角図である。
【図4】係止状態にある図3の標的装置を示す等角図である。
【図5】標的装置に取り付けられる調節装置を受け入れる直ぐ前の図4の標的装置を示す等角図である。
【図6】調節装置内の放射線透過性組織保護スリーブを含む調節装置が標的装置上に取り付けられた状態の図5の標的装置を示す等角図である。
【図7】図5及び6に示される調節装置を示す展開図である。
【図8】右大腿骨との使用のための組織保護スリーブ案内テンプレートを示す正面図である。
【図9】図8のテンプレートが調節装置上に取り付けられる過ぎ前の調節装置の一部を示す拡大図である。
【図9A】案内テンプレート内のボアが解除位置にある調節装置内の骨釘内のボアと整列された状態の標的装置の端部上に取り付けられた調節装置を示す正面図である。
【図10】調節装置が係止位置にある状態を示す図9Aと同一の正面図である。
【図11】案内テンプレート内の孔がZ方向において骨ネジ内の横断ボアと整列される前の調節装置を示す一部正面図である。
【図12】放射線透過性組織保護スリーブが調節装置内に取り付けられた状態の調節装置を含む標的装置全体を示す等角図である。
【図13】長短両方の一対の放射線透過性トロカールと長短の放射線透過性トロカールを受け入れる一対の放射線透過性組織保護スリーブとを示す側面図である。
【図14】トロカールの先端にある放射線透過性素子を備える放射線透過性トロカールを示す正面図である。
【図14A】トロカールの先端にある放射線透過性素子を備える放射線透過性トロカールを示す正面図である。
【図15A】動的係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図15B】二次増強係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図15C】固定係止が望ましいときの骨ネジの場所を示す一対の横断ボアを有する3つの骨釘の遠位端部を示す一部正面図である。
【図16A】本体の正面平面と平行なx−y平面と本体の矢状方向平面と平行な平面に位置するZ方向との両方で調節され得るCアームX線機械内に配置される患者の大腿骨内に挿入された骨ネジ上に取り付けられた本発明の標的装置を示す説明図である。
【図16B】本体の正面平面と平行なx−y平面と本体の矢状方向平面と平行な平面に位置するZ方向との両方で調節され得るCアームX線機械内に配置される患者の大腿骨内に挿入された骨ネジ上に取り付けられた本発明の標的装置を示す説明図である。
【図17A】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図17B】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図17C】直進X線ビームアプローチを使用するときの釘内の横断ボアを配置するために調節装置内に取り付けられるときの図14の放射線透過性トロカールを整列するプロセスを示すX線蛍光透視図である。
【図18】骨ネジの挿入のために釘を取り囲む骨内の孔を穿孔するためのドリル案内及びその中に取り付けられるドリルビットを備える調節装置を含む本発明の標的装置を示す一部等角図である。
【図19】本発明の標的装置及び調節装置を利用する穿孔された骨を通じての並びに骨釘の横断ボア内への骨ネジの挿入を示す等角図である。
【図20】骨内の予穿孔された孔を通じて骨釘の第二横断ボアへの第二骨ネジの挿入を示す等角図である。
【図21】表示器が本発明の調節装置に結合される前に傾斜X線ビームアプローチと共に使用されるべき標的表示器を含む本発明の標的装置を示す等角図である。
【図22】標的表示器上の同一平面内に取り付けられる離間した一対の点線放射線不透過性ワイヤを示す標的表示器を示す等角図である。
【図22A】同一の垂直平面内に平行に延びる一対の点線ワイヤを示す標的表示器を示す正面図である。
【図22B】頂部にある同一平面上の点線ワイヤと一対の離間した実線放射線不透過性ワイヤとを示す、線B−Bに沿って回転された図22Aの標的表示器を示す断面図である。
【図23】X線ビームが調節装置と傾斜角度で延びた状態で調節装置上に取り付けられた標的表示器を含む本発明の標的装置を示す等角図である。
【図24】X線ビームが釘横断ボアのX−Y平面と整列されないときのX線蛍光透視装置上に現れる線を群A中に示し且つX線ビームが正しく整列されるときの点線ワイヤ及び実線ワイヤを群B中に示す説明図である。
【図25】横断ボアの中心が間違って整列されるとき(線群A)及び実線ワイヤが横断ボアの中心について正しく整列されるとき(線群B)のX線蛍光透視装置上の光景を示す説明図である。
【図26】ボア及び案内テンプレートを骨釘内の横断ボアと正しく整列するためにZ方向において調節される標的装置上に取り付けられる標的表示器を備える標的装置を含む本発明の標的装置を示す一部正面図である。
【図27】点線ワイヤ及び実線ワイヤが骨釘内の横断ボアと正しく整列された状態の正しく整列された標的表示器を示すX線蛍光透視図である。
【図28】トロカールを案内し骨ネジの受入れのために骨を穿孔する前に切開を形成するよう調整装置及び標的表示器上に取り付けられる組織保護スリーブを備える標的表示器を含む標的装置組立体を示す等角図である。
【図29】傾斜アプローチが使用されるときに骨が穿孔された後に骨の横断ボア内への第二骨ネジの挿入を示す図20に類似する等角図である。
【図30】斜めに向けられる第一脚及び第二脚を有する本発明の代替的な標的表示器を示す等角図である。
【図31】図30の標的表示器を示す正面図である。
【図32】図31の線32−32に沿う図31中に示される標的表示器の第一脚を示す正面図である。
【図33】図30に示されるものと類似するが旋回蝶番によって接続される第一脚と第二脚とを備える本発明の標的表示器のさらに他の実施態様を示す正面図である。
【図34】図7乃至9に示されるものと類似する調節装置上に取り付けられる図30の標的表示器を示す等角図である。
【図35】模擬実験されたX線ビーム内の図30の標的表示器を含む本発明の標的システムを示す概略図である。
【図36】図32の標的表示器素子を利用して釘内の遠位孔と整列されるべきトロカールを示すX線蛍光透視図である。
【図37】整列される釘及びトロカールを示す中間X線蛍光透視図である。
【図38】骨釘の遠位釘孔と整列する金属トロカールを示すX線蛍光透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、GAMMA(R)長骨釘(long bone nail)としてStryker Trauma Gmbhによって販売されているような骨折固着のために使用される典型的な随内釘10が示されている。釘10は、大腿骨12において使用されるとき、大腿骨の頭部への挿入のためのラグネジ14と、ボア16及び長円形孔18を通り抜ける一対の遠位係止ネジ17とを含み、それらは遠位大腿骨15の横側及び中央側の両方で皮質骨と係合する。
【0032】
図2を参照すると、概ね20として示される本発明の部分的に組み立てられた標的装置が示されており、それは大腿骨随内釘10の近位端部24に結合されたハンドル部分22を含む。ハンドル22は、釘10の近位端部24へのネジ付き接続によって或いは当該技術分野において全て既知のあらゆる他の方法で結合され得る。好適実施態様では、ハンドル22は、結合部分26を含み、それは大腿骨ラグネジ14及び遠位骨ネジボア16及び18を受け入れるために骨を位置決めし且つ穿孔するための様々な標的装置を受け入れるよう構成されている。例えば、そのようなラグネジのための標的アームは、米国特許第6,039,739号及び第7,077,847号に示されるものに類似し得る。それらの開示は参照としてここに引用される。図2に示されるように、標的装置20は、遠位標的アーム28を含み、それはアーム22の部分26に結合されるよう構成される取付けシステム30を含む。アーム26は、固着ボルト34を受け入れるための一連の貫通ボア32を備える。以下により詳細に議論されるように、遠位標的アーム28は、その上に取り付けられた調整装置36を含む。
【0033】
図3を参照すると、部分26内のボア32の1つを通じて固着ボルト34を挿入する直ぐ前に、結合装置30がアーム22の部分26上に挿入された状態で、右大腿骨12内に挿入された骨釘18が示されている。結合部分30とアーム22の部分26との間の正しい回転整列を保証するために、部分26上に形成される整列表示器(図示せず)を位置決めするよう、窓38が結合部分30内に設けられ得る。遠位標的アームレバー40が設けられ得る。遠位標的アームレバー40は、レバー40が回転されるときに、ハンドル部分26と結合部分30との間に緊密な摩擦係止が創成されるよう、部分26の内部ボア内に適合する係止部材に結合される。この係止部分は、図4に示されている。明らかに、標的アーム28をハンドル22に結合するあらゆる方法が使用され得る。標的装置全体を一体形とすることさえも可能である。遠位標的アームがハンドル22に取り付けられた後、それは釘18の長手軸と概ね平行に整列して本体の外側に配置される。
【0034】
図5及び6を参照すると、遠位標的アーム28上への取付け直前の調節装置36が示されている。調節装置36は、遠位標的アーム28の一連のボア42の1つに取り付けられる。ボア42のそれぞれは、一連の異なる長さの骨釘の1つのための正しい整列で調節装置36を位置付ける。明らかに、釘が短ければ短いほど、釘18の近位端部により近接するボア42が使用される。所与の長さの釘のための正しい孔42内に取り付けられるとき、調節装置は、釘10の遠位端部で横断ボア16及び18と整列する。アーム28及び調節装置36の両方が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のような放射線透過性の材料で作成されることが付記されるべきである。
【0035】
図7を参照すると、調節装置36の展開図が示されている。装置36は、装置36の本体56内の空洞54内で上下に移動され得る一対の調節可能な部材50及び52を含む。結合ピン58が、部材50及び52を通じて延び、従って、調節ネジ60の活性化の直後、空洞54内で垂直に移動する。ピン58は、一対の径方向に延びるタブ62及び64を含み、それらはアーム28のボア42内に開口するスロット付き凹部43及び45内に収容される。(図9Aを参照。)タブ62及び64は、ボア42内への挿入後、ピン58の回転を阻止する。同様に本体56内に取り付けられているのは、一対の支持ピン66及び68であり、それらは図8に示されるテンプレートを取り付けるために使用される。概ね70として示される係止機構が設けられ、それは移動可能な素子50及び52、従って、ピン58を本体56の空洞54内の所望の垂直位置に係止し得る。よって、組み立てられるとき、並びに、ピン58が調節アーム28のボア42内に取り付けられるとき、調節装置本体56は、ネジ60の回転によってZ方向に上下に移動され得る。好適実施態様では、ネジ60は、正確な調節が行われ得るように、遊びを有さないよう設計される。これはOリング67とネジ60のシャフト73に対してOリングを押し付けるカバー69とで達成される。本体56は、各側面に一対の蟻形状の延長部91,92を含む。所望の場所に達すると、本体56をピン58に対して係止ためのレバー71を回すことによって、係止機構70は作動され得る。明らかに、調節装置36を設計する多くの他の方法がある。しかしながら、本質的なことは、調節装置本体56が、アーム28上に取り付けられた後、少なくともZ方向に、ピン58に対して移動し得ることである。
【0036】
図8を参照すると、調節装置36と使用されるべき右テンプレート74が示されている。テンプレート74は、骨釘内で横ボアを位置決めし、横断ボアに隣接する皮質骨を穿孔するため並びに骨ネジを横断ボア内に挿入するためのドリルを案内することの使用のための、一対の取付け開口76及び78と一対のボア80,82とを含む。右大腿骨のためのテンプレート74が示されているが、左大腿骨のためのテンプレートは類似しており、逆転された孔80及び82(「動的」及び「固定」)を備える。「固定」及び「動的」標識は、以下に議論されるような円形孔16及び長円形孔18内の骨ネジの場所に言及している。テンプレート74は、テンプレートを調節装置36のピン66及び68上に取り付けるための開口76及び78を含む。テンプレート74はプラスチック製であるので、左及び右のテンプレート74を提供する1つの方法は、右テンプレート用の必要な標識を一方の側で、左テンプレート用の標識を他の側で鋳造することである。
【0037】
図9を参照すると、調節装置のピン66及び68上に取り付けられる直ぐ前の右テンプレートが示されている。図9中に見られ得るように、ピン66及び68は概ね円筒形であるが、開口76及び78の上方平坦面84及び86を受け入れるための陥凹部分69を有する。よって、テンプレート74は、ピン66及び68上に配置され、次に、テンプレート74を調節装置36上に係止するために、図9中で下向きに摺動される。テンプレート74のボア80及び82の間の異なる間隔が適合され得るよう、調節装置36は長円孔88及び90を有することが付記されなければならない。これは二次的増強が要求されるときに必要とされる。
【0038】
図9Aは、ボア80及び82が釘10の円形ボア16及び長円形ボア18の近位端部と整列された状態で、アーム28上に取り付けられた調節装置36を示している。図9Aに示される位置では、係止システム70は解除位置にある。図10を参照すると、係止システム70のレバー71が係止位置に移動され、それによって、調節装置36及びテンプレート74を所望位置に固定する。同様に図9及び10に示されているのは、調節装置36の本体56の両側に形成された一対の蟻形状取付け素子90及び92である。これらの蟻形状素子90及び92の機能は、以下により詳細に議論される。
【0039】
図11を参照すると、図9A及び10とは対称的に、調節装置36はZ方向における間違った位置に示されており、それによって、外科医は、ネジ60を回し、それによって、正しい整列が達成されるまで調節装置36の本体56を移動することによって、テンプレート位置を調節しなければならない。左テンプレートにおける図11中のテンプレート74は、図8の右テンプレート74中に示されるものよりも共に近接して配置される孔80及び82を有し、それは長円形孔18内に挿入される骨ネジが長円形孔18の最近位部分にあることを可能にするのに対し、図8のテンプレートは、骨ネジが長円形孔18の最遠位端部に配置されるよう、より広い間隔を有する。テンプレート74上のより近接した孔の場所は、テンプレートが右テンプレートであろうが左テンプレートであろうが、固定係止をもたらす。これは図15に最良に示されており、そこでは、最右の釘100は、釘が骨髄管内で遠位に移動することを防止するよう、骨ネジが固定係止のために位置付けられることを示している。中央の釘102は、二次的増強として参照されており、そこでは、もし円形横断ボア16内の骨ネジが取り除かれるならば、釘が遠位に移動し得る、動的係止が釘区画104内に示されており、そこでは、釘は長円形孔18内の単一の横断係止ネジについて遠位に移動し得る。2つのネジの間の間隔は、2つの異なる左及び右のテンプレート74が必要とされるよう、釘102対釘100におけるよりも大きい。
【0040】
図12を参照すると、その上に調節装置36が取り付けられた標的装置が示されており、調節装置36は、テンプレート74の孔82内に取り付けられた放射線透過性組織保護スリーブ106を含む。組織保護スリーブは、遠位大腿骨の皮質骨を通じて穿孔するときに、トロカール(外套針)及びドリルを案内して、釘10の遠位端部内の横断ボアと整列させるのを助ける。
【0041】
図13を参照すると、長短の放射線透過性トロカール110及び112がそれぞれ示されており、長短の放射線透過性組織保護スリーブ114及び116がそれぞれ示されている。組織保護スリーブ114及び116は管状であり、組織を切断するための放射線透過性標準トロカールを収容するためにそこを貫通するボアと、大腿骨の皮質骨内に孔を穿孔するためのドリルビットとを備える。長短のトロカール及びスリーブの両方は、異なるサイズの患者に適合するよう提供される。しかしながら、短いトロカールの使用が好ましい。何故ならば、調節装置36上の支持とスリーブの端部との間の角誤差がより少ないからである。
【0042】
図14を参照すると、その中心軸122に沿う放射線不透過性素子120を含む先端118を有する長い放射線透過性トロカールが示されている。短い放射線透過性トロカールは、放射線不透過性標的部材120を含む先端構造を有する。直進(straight on)X線ビームアプローチと関連して以下に議論されるように、放射線透過性トロカールは、釘内の横断ボアを標的するために使用される。上記に議論されたように、短いスリーブが好ましい。組織保護スリーブ114及び116は、骨の皮質表面と接触し、それによって、穿孔作業中に組織を保護するのに十分な長さであることが必要である。
【0043】
図16A及びBを参照すると、患者の足がX線ビーム経路内に挿入された状態で、直進アプローチにおける標準的な調節可能なX線画像化システムの使用が示されている。本発明の標的装置20は、図16A及びBの場合には、左大腿骨の骨髄管内に挿入された釘の上に取り付けられている。図面は、X線蛍光透視装置124と整列する画像化装置の動作を示している。遠位標的における本質的な初期ステップは、釘内の遠位孔16が完全に円形に現れるようX線蛍光透視装置画像を位置付けることである。本来的に、この可視化ステップは、長円形孔18ではなく円形孔の出現に言及している。もし孔が垂直平面又は水平平面のいずれかに楕円形であるように現れるならば、画像増強器位置は、図16A及び16Bに示されるように、適切に調節されなければならない。1回に1つの平面内の画像を矯正することが勧められる。放射線透過性トロカール110,112は、トロカールの先端に放射線不透過性素子を備える。これは直進アプローチにおいてトロカールの正確な位置を決定するのに役立つ。図17A乃至17Bは、直進X線ビームアプローチにおいてボア16を位置付けるための、110又は112のいずれかにおける、放射線透過性トロカールの使用を示している。図17a乃至17cは、図17cに示される正しく配置された放射線透過性トロカールで外科医によって見られるX線蛍光透視装置画像である。
【0044】
図18を参照すると、標的アーム28が示されており、標的アームの上には、調節装置36が係止位置に取り付けられ、大腿骨の横側上の皮質骨を通じて、釘10の横断ボア16を通じて、並びに、大腿骨の中央側上の皮質骨を通じてドリル132を案内するよう、左テンプレートの孔82内に取り付けられた長いスリーブ130を備える。
【0045】
図19を参照すると、左テンプレートのボア80を通じて骨釘10の長円形横断ボア18に至る第一骨ネジ136の挿入が示されている。もちろん、これは横断ボア18が図18に示されるのと類似の方法で穿孔された後に達成される。
【0046】
図20を参照すると、骨ネジ136のそれと類似の方法で骨釘10の横断ボア16を通じて挿入される第二骨ネジ138が示されている。両方の骨ネジは、標準的なネジ回し140及び142でそれぞれ挿入される。使用の容易性のために、ネジ回し142のハンドル148がよりアクセス可能であるよう、ネジ回し140のハンドル146は取り除かれ得る。2つの骨ネジが使用されるので、図15によれば、(長円形ボア18のいずれの端部がネジを受け入れるかに依存して)固定係止又は二次的増強のいずれかが使用される。
【0047】
図21乃至29は、好適な傾斜アプローチで使用されるときの標的装置20の使用を示している。傾斜アプローチが好ましいのは、X線ビームを骨釘10の長手軸に対して20°と45°との間の角度、好ましくは、30°に方向付けることによって、ハンドル146,148を介するネジ回し140,142の作動が、X線ビームの外側で手によって行われ得るからである。調節装置36、よって、孔80,82を釘10のボア16及び18と整列するために、標的表示器150が使用される。図22、22a、及び、22bに示されるように、好適実施態様では、表示器150は、専らPEEKのような放射線透過性材料から成り、平行六面体の形状にある。好適実施態様では、動作技法の故に、30度傾斜平行四辺形設計が表示器150のために選択される。外科医が解剖学的理由のために40度又は20度の角度にCアームを配置するとき(時折、患者の他の足が邪魔するので、角度は再配置されなければならない)、彼又は彼女がどの放射線不透過性標識も見ないよう、表示器フレームの角度は、垂直から30度傾斜されている。もし長方形設計(垂直から0度)が使用されるならば、それは傾斜整列手順の間に使用可能な放射線不透過性表示器長を有意に「失う」であろう。表示器150は、4つの脚152,154,156,158をそれぞれ有する。脚154及び156は、脚152及び158を含む平面と平行な第一平面内にある。同様に、脚152及び154は、脚156及び158を含む平面と平行な平面と同一平面にある。脚154及び156は、上述されたように、30度に傾斜される側脚155及び157によって接続されている。同様に、脚152及び158は、側脚159及び161によって接続されている。好適実施態様では、図22A中に見られ得るように、脚152及び154は、主として放射線透過性材料で構成されるが、放射線不透過性点線又はビーズ付きワイヤ160を含む。好適実施態様では、点線ワイヤ(dashed wire)又はビーズ付きワイヤ(beaded wire)160は、標的表示器150の製造中にアーム152及び154内に成形される。図22b中に最良に見られ得るように、脚156及び158は、同様に好ましくは標的表示器150の製造中に所定位置に成形される固体放射線透過性ワイヤ162を含む。図22b中に見られるように、実線ワイヤ(solid wire)162の間の間隔は、点線又はビーズ付きワイヤ160の間の間隔未満である。よって、異なるワイヤ160及び162が2つの点線及び2つの実線を示すX線蛍光透視画像中で容易に区別され得る。もちろん、実線ワイヤ及び点線ワイヤは、それらの機能を変更せずに逆転され得る。即ち、脚156及び158は、点線ワイヤ160を有し得るし、脚152及び154は、実線ワイヤ162を有し得る。
【0048】
好適実施態様において、標的表示器150は、調節装置36の本体56の雄蟻形状側部延長部90及び92と係合するための図21中に最良に示される蟻形状凹部164を有する。図10を参照すると、右大腿骨が対処されるとき、標的表示器150は雄蟻延長部92上に取り付けられ、左大腿骨が対処されるとき、標的表示器150を取り付けるために延長部90が利用される。両方の場合において、標的表示器150は、調節装置36から釘10の近位端部に向かって延びる。
【0049】
図23を参照すると、標的表示器150が調節装置36の蟻90上に取り付けられた状態で、左大腿骨上に取り付けられた標的装置20が示されている。X線蛍光透視機械124が、釘10の長手軸に対して約30度の角度で方向付けられて示されている。この位置において、X線ビーム170が、骨ネジが遠位大腿骨並びにボア16及び18内に挿入される軸から、偏心(オフセット)されていることが見られ得る。よって、外科医の手は、X線ビームに入らない。
【0050】
図24を参照すると、標的表示器150を使用して釘横断ボア16及び18の正しい場所を決定するための整列方法が示されている。「A」と印された4つの線の画像群において、上方脚154及び下方脚152内の点線ワイヤ160は、アーム158の実線ワイヤ162が両方の点線ワイヤ160より下に配置された状態で、脚156の実線ワイヤ162より上及び下に位置付けられていることが見られ得る。これはX線ビームが釘10の横断ボア16,18のx−y平面と同一平面上にないことを意味する。しかしながら、適切な整列が達成されるときには、図24の群B内に示される線の群化は、図22b内に示される正しい整列及び感覚と今や一致する。
【0051】
図25を参照すると、今や整列された実線ワイヤ162及び破線ワイヤ160(図24の群化B)を釘10のスロット付き或いは長円形の開口18の遠位端部の中心と位置付ける調節装置36、従って、標的表示器150の使用が示されている。160,162のワイヤの群「A」は、横断ボア18の間違って位置付けられた中心を示し、群「B」は、正しく位置付けられた横断ボア18の中心を示している。これは図25の矢印「D」の方向に調節装置36のネジ60を調節することによって達成される。このプロセスは図26中の左ネジのために示されており、図面の頂部にある回転矢印は、Z方向にテンプレート74(この場合には左テンプレート74)を調節するネジ60の回転を示している。
【0052】
図27を参照すると、図25「B」に示されるような正しい整列が達成されるときの外科医によって見られるX線蛍光透視画像が示されている。ボア18は、調節ネジ60の使用によって実線ワイヤ162の間の中間に配置されている。
【0053】
図28を参照すると、左テンプレート74の孔80を通じて挿入された組織保護スリーブ114,116が示されている。次に、横断ボア18及び横断ボア16の両方のための直線アプローチに関して上記に議論されたように、皮質骨内の孔が穿孔される。同様に、骨ネジは、直線アプローチで達成されるのと同じ方法で、図29中に示されるように挿入される。
【0054】
動作技法が直進アプローチ及び傾斜アプローチの両方を使用して今や説明される。
【0055】
直進アプローチでは、標的装置20の組立て及び釘10の挿入後、適切な係止テンプレート74が、テンプレート固着ピン66,68の上に導かれ、係止テンプレートをピンの上に押し下げることによって固定される。
【0056】
2つの異なるテンプレート74が利用可能である。1つは静的/静的モード(右及び左)で、1つは静的/動的モードである。記載されたように、これは一方の側で左釘のために並びに他方の側で右釘のために使用されるテンプレート44を有することによって達成される。
【0057】
調節装置の位置決めピン58は、アーム28のボア42内に挿入され、レバー71を時計回りに回転することによって固定される。
【0058】
所要の釘の長さは、遠位標的アーム28上の調節装置36の位置を決定する。釘長は、好ましくは、適切な孔42の上で遠位標的装置上に印される。
【0059】
調節装置は、ボア管への挿入前に、釘に組み立てられる標的装置で校正(calibrate)される。
【0060】
これはOR内のテーブル上で行われ得る。校正(calibration)は、非偏向(non-deflected)状態において釘で横断ボア16,18を穿孔するための正しい位置に調節装置を配置する。よって、挿入されるや否や、偏向(deflection)はボア16,18を少量だけ校正位置から移動させる。釘が達したことを保証するために、より長いドリルが、より長い放射線透過性組織保護スリーブ内に組み立てられる。
【0061】
組立体は、先ず、近位孔16に導かれる。釘孔が如何なる抵抗もなく直接的に打たれたかみるために、今や整列はドリルで確認される。ドリルは円滑に且つ容易に釘孔を通り抜けなければならない。もしそうでないならば、ネジ孔を通じた容易で円滑なアクセスがあるまで、ネジ60は回転される。近位孔が校正されると、校正は遠位孔で繰り返される。もし釘の挿入中に屈曲が起こらないならば、これは調節装置36の正しい中央−横方向位置である。
【0062】
校正は、先ず、近位釘孔で行われる。これが行われるのは、調節装置36が正確に中立位置にある必要がないからである。これは何故ならば隣接遠位釘孔は釘挿入時により少なく偏向しそうだからである。
【0063】
校正が行われた後、組織保護スリーブが抜き取られ、然る後、ドリルスリーブが先ず続き、最後にドリルが続く。次に、遠位標的アームカプリング30が、レバー40を移動することによって解放され、固着ボルト34が取り外される。遠位標的装置組立体は分離され、固着ボルトが、遠位標的アーム28上に成形される固着ボルト格納場所内に置かれ得る。
【0064】
調節装置は、誤穿孔を避けるために、遠位標的アームから取り外されない。
【0065】
好ましくないとしても、直線アプローチが使用され得る。このアプローチでは、X線ビームは、ボア16及び18と一致し、釘10に対して垂直である。
【0066】
依然として組み立てられる調節装置36を備える遠位標的アーム28は、カプリング装置30を介してハンドル22に結合される。
【0067】
放射線透過性トロカール110又は112が、対応する放射線透過性組織保護スリーブ114又は116内に組み立てられ、ちょうせ36上のテンプレート74内の遠位係止孔80を通じて皮膚に押し付けられる。
【0068】
図17A及び17Bに示されるように、円形及び長円形の遠位孔のX線図が間違って整列されている。図17Cは、Z平面内に正しく整列されたX線ビームを示している。
【0069】
放射線透過性トロカール110又は112は、トロカールの先端118に放射線不透過性素子120を備える。この放射線不透過性素子は、直線アプローチにおいてトロカール先端の正確な位置を決定するために使用され得る。
【0070】
この機能は調節装置36のネジ40を回転することによってX線制御下で釘内の孔との組織保護スリーブの最適な横方向整列をもたらすために使用される。正しい中央−横方向(Z平面)整列が達成されるとき、素子120によって生成される放射線不透過性ドットが中心化され(図17Cを参照)、次に、放射線透過性トロカールが、案内スリーブ及び標準金属トロカールと置換される。
【0071】
小さい切開が標準トロカールの先端で開始され、遠位大腿骨の横方向皮質まで下に延長される。トロカールは、典型的には、組織保護スリーブが横方向皮質に達するときに約3mmだけスリーブの背後に延びる。組織保護スリーブは骨と良好に接触しているべきである(図6)。
【0072】
整列が依然として正しいことを保証するために、第二X線制御が遂行されなければならない。必要であるならば、適切な整列が達成されるまで、調節装置のノブを回転することによって、調節が遂行される。
【0073】
ネジ長は、如何なる既知の方法でも決定され得る。例えば、トロカールは取り除かれ、校正された4.2mm×340mmドリルによって置換される。外科医は、第一皮質を通じて穿孔し、第二皮質に達すると、ドリル上のドリル目盛り上の測定値を読み取る。約5mmである皮質の厚さが、正しいネジ長を選択するために、この測定値に加えられる。
【0074】
代替的に、ドリルは、第二皮質を通じて穿孔され、X線又は蛍光X線画像によって監視され得る。次に、ネジ長がドリル上の目盛りから直接的に読まれる。
【0075】
次に、第二皮質が穿孔される。第二皮質を通じて穿孔した後に既知のネジ定規を使用して正しいネジ長を測定することも可能である。ドリル案内スリーブは取り除かれなければならず、ネジ定規は組織保護スリーブを通じて前進され得る。定規の小さいフックが中間皮質の背後に配置され、所要の係止ネジ長が定規の目盛りから読まれる。
【0076】
ネジの挿入は、組織保護スリーブを通じてネジ回しの使用によって、上記に議論されたような直進アプローチにおけるような標準的な方法で行われる。最遠位孔が先ず取り組まれる。好ましくは、5mm係止ネジが、ネジ回しシャフト上の印が遠位放射線透過性組織保護スリーブ114又は116に接近するまでネジ回しを使用することによって、放射線透過性組織保護スリーブの遠位端部を通じて挿入される。ネジ頭が皮質と軽く直接的に接触するまで、ネジ頭が注意深く前進される。
【0077】
ネジ回しシャフト上の印が組織保護スリーブに達するとき、これはネジ頭が皮質付近にあることを示している。ネジ込み過ぎないよう注意されるべきである。ネジ頭は皮質とちょうど接触するようになり、抵抗が感じられるはずである。
【0078】
好ましくは、ネジ回しシャフトは、組織保護スリーブ内部に残される。ネジ回し先端は、第一ネジ頭内に係合されたままであり、組織保護スリーブは、皮質に抗して、ネジ頭の上に押し込まれる。これはシステムの安定性を保証するのを助ける。ネジ回しシャフトは標的アームを所定位置に維持するのを助ける。次に、最近位孔が取り組まれる。
【0079】
放射線透過性トロカール110,112は、放射線透過性組織保護スリーブ114,116内に組み立てられ、調節装置内の近位係止孔を通じて皮膚に押し付けられる。
【0080】
最遠位孔のために上述されたのと同じ動作技法が後続され、遠位ネジ長測定が、上述されたのと同じ方法で行われる。
【0081】
ドリルスリーブが取り除かれ、選択された5mm完全ネジ山付きネジがネジ回しで挿入される。
【0082】
ネジ回し/スリーブを取り除くことによって並びに遠位標的アームのレバー40を開放することによって、標的装置が今や取り除かれ得る。次に、固着ボルト34が引き抜かれる。
【0083】
上述されたような傾斜アプローチでは、X線ビームは、釘に対して並びに遠位係止スリーブに対して約20°〜45°に向けられる。これは、穿孔中に、ドリル先端が見られ得るが、画像増強器は動力工具及びドリルの軸内にないという利点をもたらす。
【0084】
上述された校正の後、依然として組み立てられた調節装置36を備える遠位標的アーム28は、バネ回止めが感じられるまで、ハンドル20の部分26の上に押し付けられる。整列表示器窓38内で、ハンドル部分26上の白線39が見られ得る。次に、クリックが感じられ且つ標的アームレバー40が係止されるまで、固着ボルト34がボア内に挿入される。次に、標的表示器150が、(右又は左に依存して)調節装置36の近位蟻形状溝(flute)の上に取り付けられる。
【0085】
傾斜アプローチを用いた遠位標的における本質的な初期ステップは、画像増強器を釘に対して並びに遠位係止スリーブに対して約20°〜45°、好ましくは、30°に位置付けることである。
【0086】
X線制御の下で釘内の孔16又は18の最適な横方向整列をもたらすために、X線機械のCアームが、釘シャフトが、上記に議論されたような標的表示器150の点線ワイヤと実線ワイヤとの間の中間にあるように位置付けられる。
【0087】
今や調節が調節装置36のノブ40を回転することによって遂行される。図27に示されるように係止孔が点線ワイヤと実線ワイヤとの間の中間にあるときに適切な整列が達成される。次に、上述されたような直線挿入におけるように、穿孔及びネジ挿入が遂行される。
【0088】
傾斜アプローチにある間、放射線透過性トロカール110,112を使用することは必要でない。それらは釘10内の横断ボア16又は18の場所をさらに示すために使用され得る。X線蛍光透視装置上の画像は、直進アプローチにおけるような円形点(ドット)よりも、むしろ放射線不透過性標識(marker)12によって生成される線が示される。
【0089】
図30及び31を参照すると、概ね200として示される代替的な標的表示器が示されている。標的表示器200は、第一脚202と、第二脚204とを含む。脚は、頂端部206で接続されている。標的表示器200は、調節装置36の蟻90,92と係合するための蟻接続溝208を有する。標的表示器200は、好ましくは、主としてPEEKのような放射線透過性材料によって作成される。
【0090】
次に、図30乃至32を参照すると、PEEK製の第一アーム202は、その中に形成される一連の放射線不透過性線を含む。好適実施態様では、中心線210は、中心線又はピン210の両側に形成される他の金属又は放射線不透過性線212のいずれよりも大きな直径を有する金属ピンである。
【0091】
図32を参照すると、より大きな中心ロッド210と異なる長さを有する一連の長短の放射線不透過性線212とを含む第一202の上面図が示されている。アームは、複数の短い長さの放射線不透過性線又は素子214と、一連のより長い放射線不透過性線又は素子216とを有する。第三実施態様では、ピン210の各側(図32中の上及び下)に3つの長い並びに3つの短い薄い素子又は線214,216がある。好適実施態様では、より短い線214は、ピン210の線の中心に対して並びに長い線216に対して2.5mm増分で離間されている。好適実施態様では、1つのより短い線214が各隣接線216から2.5mmに配置された状態で、線216は5mmで離間されている。よって、図32に示されるように、3つの長い放射線不透過性素子又は放射線不透過性線216は、放射線不透過性ピン210の中心線211から最大15mm離間される。好適実施態様では、第一脚202内の薄い線214,216は、電子業界における回路板の製造において使用される方法に類似するエッチング加工プロセスによって形成される。好適実施態様では、次に、エッチング加工済み金属格子(グリッド)は、放射線透過性(プラスチック)材料中にサンドウィッチ状に埋設される。好適実施態様では、頂点206で第一脚及び第二脚によって形成される角度は約30°である。この角度は使用中に外科医の手をX線ビームから外に維持するよう選択される。第一脚と第二脚との間の角度は、15°と60°との間で変化し得るし、使用中に外科医の手がX線ビームの外側にあることを依然として可能にする。
【0092】
図33を参照すると、図31乃至32に示される標的表示器の第二実施態様が示されている。この標的表示器は、15°と60°との間の角度を形成するよう第一脚202Aが第二脚204Aに対して旋回することを可能にする旋回ピン220を含む。第一アームと第二アームとの間の所望の角度に係止するために、回止めシステム(図示せず)が利用され得る。標的表示器200Aは、その他の点では図30乃至32に示されるものと同一であり、角度が一旦設定されると同様に機能する。
【0093】
図34を参照すると、標的表示器150に関して上述されたような調節素子36上に取り付けられる図30乃至34の標的表示器を備える本発明の標的システムが示されている。標的表示器は、インプラント(移植片)、例えば、大腿骨釘の遠位端部内のボアに対して同様に調節される。唯一の相違は、整列ピンが図35に示されるX線機械224のビームに対して整列され得るよう、整列ピン222が第二脚204の端部に配置されることである。ピン222は、ビームが第二脚204と整列されるときに点(ドット)として現れる。
【0094】
代替的且つ好適な標的表示器をしようするための方法は、(標的表示器が右大腿骨又は左大腿骨に取り付けられるかに依存して)標的表示器200を調節装置36上の2つの蟻形状取付け素子91,92の1つに取り付けることである。金属トロカール240が、調節装置36の近位孔内に配置され、kワイヤ又は整列ピン222が、X線機械のCアームを調節するために、整列アームの端部でボア内に挿入される。トロカール240は、組織保護スリーブ130内に収容され得る。Cアームは、X線ビームが第二脚204と一致し且つ釘12に対して斜角にあるよう整列される。第一X線撮影が取られ、中央のより厚い金属ピン210は、金属トロカールを収容する組織保護スリーブ13−0の理論的な位置を示す。
【0095】
図36は、金属トロカール240の尖頭端部242が目盛り上の中央のより厚い金属バーと誤整列された状態で、第一X線がどのように見えるかを示している。X線機械のCアームは、トロカール240の金属先端がより厚い中央金属ピン210と一致して位置するよう、再び、整列されなければならない。そのような整列が図37に示されている。その場合には、金属トロカールの先端と釘12内のボアの中心軸との間で偏心(オフセット)された二線216が存在する。目盛りの長い線216は5mmで離間されるので、偏心は約10mmである。何故ならば、遠位釘孔の中心軸は、より厚い金属バーの軸より下で第二線と整列され得からである。上記に示されたように、より短いエッチング加工された線214は、2.5mm間隔である、即ち、各対の長い線216の間の中間である。明らかに、中心のより厚い金属ピン210より上であろうと下であろうと、他の目盛り距離が可能である。これらの中心線偏心は、挿入中の骨釘の変形に起因し得る。いずれにしても、X線走査から、金属ピン210が遠位釘孔より上であるか或いは下であるか、並びに、2つの間の距離が見られ得る。調節装置36は、組織保護スリーブ及びトロカール中心を遠位釘孔(図38参照)と完全に整列するよう調節される。図38に示されるように、組織保護スリーブ130は、釘と完全に整列され、遠位孔の穿孔が開始し得る。孔は、上述されたような従来的な方法で穿孔される。
【0096】
本発明は具体的な実施態様を参照してここに記載されたが、これらの実施態様は本発明の原理及び用途の例証に過ぎないことが理解されるべきである。従って、数多くの変形が例証的な実施態様になされ得ること、並びに、付属の請求項によって定められる本発明の精神及び範囲から逸脱せずに他の構成が考案され得ることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨釘内の横断ボアを標的するための標的装置であって、
骨釘の端部部分に結合され得るアーム部材を含み、該アーム部材は、前記骨釘の長手軸と平行に延びる標的部分を含み、
該標的部分に取り付けられる調節可能な標的装置を含み、該調節可能な標的装置は、前記釘内の前記横断ボアと整列可能な案内ボアを有し、前記調節可能な標的装置は、前記釘長手軸及び前記横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に前記標的部分に対して移動可能であり、
前記調節可能な標的装置に取り付けられる標的表示器を含み、該標的表示器は、放射線透過性本体を有し、該放射線透過性本体は、第一傾斜脚部分と第二傾斜脚部分とを含み、前記第一傾斜脚部分及び前記第二傾斜脚部分は、各部分の第一端部で頂点を形成し、前記第一脚部分は、離間した放射線不透過性素子をその中に有する、
標的装置。
【請求項2】
前記調節可能な標的装置は、前記骨釘と平行に延びる前記アーム部材の前記部分に沿って長手方向に移動可能である、請求項1に記載の標的装置。
【請求項3】
前記第一脚部分は、少なくとも3つの離間した放射線不透過性素子を含む、請求項1に記載の標的装置。
【請求項4】
中心放射線不透過性素子が、少なくとも2つの他の放射線不透過性素子よりも厚い、請求項3に記載の標的装置。
【請求項5】
前記中心放射線不透過性素子は、金属ロッドであり、前記他の放射線不透過性素子は、エッチング処理される金属である、請求項4に記載の標的装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの他の放射線不透過性素子は、少なくとも2.5〜5mm増分で前記中心放射線不透過性素子の上及び下に離間する、請求項5に記載の標的装置。
【請求項7】
前記中心放射線不透過性素子との組み合わせで少なくとも4つの他の放射線不透過性素子がある、請求項5に記載の標的装置。
【請求項8】
前記4つの放射線不透過性素子の少なくとも2つは、前記中心放射線不透過性素子及び前記他の放射線不透過性素子よりも短い長さを有する、請求項7に記載の標的装置。
【請求項9】
全ての前記放射線不透過性素子は、同一平面内に位置する、請求項7に記載の標的装置。
【請求項10】
前記第一脚部分及び前記第二脚部分は、互いに15°と45°との間で傾斜して前記頂点から延びる、請求項1に記載の標的装置。
【請求項11】
前記第二脚部は、前記頂点で前記第一脚部と前記第二脚部との間に形成される角度の前記第一脚部に対して延びる1つの放射線不透過性ピン素子を含む、請求項10に記載の標的装置。
【請求項12】
前記角度は、30°である、請求項5に記載の標的装置。
【請求項13】
前記調節可能な標的装置は、放射線透過性材料から成る、請求項1に記載の標的装置。
【請求項14】
随内釘内の横断ボアを位置付けるための方法であって、
骨管内に横断ボアを有する随内釘を挿入するステップを含み、
標的アームを前記随内釘に結合するステップを含み、前記標的アームは、前記釘の長手軸と平行に延びる部分を有し、
前記釘長手軸と平行に延びる前記標的アームの前記部分の上に横断ボアドリル案内を有する調節装置を取り付けるステップを含み、前記調節装置ドリル案内は、前記ボアの中心軸及び前記釘長手軸に対して垂直な方向に移動可能であり、前記調節装置は、それに結合される標的表示器を有し、該標的表示器は、その上に少なくとも3つの平行な放射線不透過性素子を有し、
X線ビーム内の前記標的表示器を前記釘横断ボアと整列するステップを含み、
もし必要であるならば、前記調節装置を移動することによって、前記X線ビーム内の前記ドリル案内を前記平行な放射線不透過性素子の中心のものと整列することによって、前記横断ボアドリル案内を前記釘横断ボアと整列して位置付けるステップを含む、
方法。
【請求項15】
前記標的表示器は、頂点で接合され且つ15°と45°との間で互いに対して傾斜される第一脚部分と第二脚部分とを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一脚部分は、その内にすくなくとも3つの放射線不透過性素子を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二脚部分は、その長手軸に沿って延びる放射線不透過性整列素子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記X線ビーム内の前記標的表示器の整列は、前記第二脚放射線不透過性素子を前記X線ビームの軸と同軸に整列するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも3つの放射線不透過性素子は、前記放射線不透過性素子の中心のものから2.5mmと5mmとの間だけ離間される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記調節装置は、前記標的表示器第一アーム放射線不透過性素子間隔に対応する2.5mmから5mmにある表示器を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
骨釘内の横断ボアを標的するための標的装置であって、
骨釘の端部部分に結合され得るアーム部材を含み、該アーム部材は、前記骨釘の長手軸と平行に延びる標的部分を含み、
該標的部分に取り付けられる調節可能な標的装置を含み、該調節可能な標的装置は、前記釘内の前記横断ボアと整列可能な案内ボアを有し、前記調節可能な標的装置は、前記釘長手軸及び前記横断ボアの中心軸の両方を含む平面に対して垂直な方向に前記標的部分に対して移動可能であり、
前記調節可能な標的装置に取り付けられる標的表示器を含み、該標的表示器は、放射線透過性本体を有し、該放射線透過性本体は、第一傾斜脚部分と第二傾斜脚部分とを含み、前記第一傾斜脚部分及び前記第二傾斜脚部分は、各部分の第一端部で頂点を形成し、前記第一脚部分は、離間した放射線不透過性素子をその中に有する、
標的装置。
【請求項2】
前記調節可能な標的装置は、前記骨釘と平行に延びる前記アーム部材の前記部分に沿って長手方向に移動可能である、請求項1に記載の標的装置。
【請求項3】
前記第一脚部分は、少なくとも3つの離間した放射線不透過性素子を含む、請求項1に記載の標的装置。
【請求項4】
中心放射線不透過性素子が、少なくとも2つの他の放射線不透過性素子よりも厚い、請求項3に記載の標的装置。
【請求項5】
前記中心放射線不透過性素子は、金属ロッドであり、前記他の放射線不透過性素子は、エッチング処理される金属である、請求項4に記載の標的装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの他の放射線不透過性素子は、少なくとも2.5〜5mm増分で前記中心放射線不透過性素子の上及び下に離間する、請求項5に記載の標的装置。
【請求項7】
前記中心放射線不透過性素子との組み合わせで少なくとも4つの他の放射線不透過性素子がある、請求項5に記載の標的装置。
【請求項8】
前記4つの放射線不透過性素子の少なくとも2つは、前記中心放射線不透過性素子及び前記他の放射線不透過性素子よりも短い長さを有する、請求項7に記載の標的装置。
【請求項9】
全ての前記放射線不透過性素子は、同一平面内に位置する、請求項7に記載の標的装置。
【請求項10】
前記第一脚部分及び前記第二脚部分は、互いに15°と45°との間で傾斜して前記頂点から延びる、請求項1に記載の標的装置。
【請求項11】
前記第二脚部は、前記頂点で前記第一脚部と前記第二脚部との間に形成される角度の前記第一脚部に対して延びる1つの放射線不透過性ピン素子を含む、請求項10に記載の標的装置。
【請求項12】
前記角度は、30°である、請求項5に記載の標的装置。
【請求項13】
前記調節可能な標的装置は、放射線透過性材料から成る、請求項1に記載の標的装置。
【請求項14】
随内釘内の横断ボアを位置付けるための方法であって、
骨管内に横断ボアを有する随内釘を挿入するステップを含み、
標的アームを前記随内釘に結合するステップを含み、前記標的アームは、前記釘の長手軸と平行に延びる部分を有し、
前記釘長手軸と平行に延びる前記標的アームの前記部分の上に横断ボアドリル案内を有する調節装置を取り付けるステップを含み、前記調節装置ドリル案内は、前記ボアの中心軸及び前記釘長手軸に対して垂直な方向に移動可能であり、前記調節装置は、それに結合される標的表示器を有し、該標的表示器は、その上に少なくとも3つの平行な放射線不透過性素子を有し、
X線ビーム内の前記標的表示器を前記釘横断ボアと整列するステップを含み、
もし必要であるならば、前記調節装置を移動することによって、前記X線ビーム内の前記ドリル案内を前記平行な放射線不透過性素子の中心のものと整列することによって、前記横断ボアドリル案内を前記釘横断ボアと整列して位置付けるステップを含む、
方法。
【請求項15】
前記標的表示器は、頂点で接合され且つ15°と45°との間で互いに対して傾斜される第一脚部分と第二脚部分とを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一脚部分は、その内にすくなくとも3つの放射線不透過性素子を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二脚部分は、その長手軸に沿って延びる放射線不透過性整列素子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記X線ビーム内の前記標的表示器の整列は、前記第二脚放射線不透過性素子を前記X線ビームの軸と同軸に整列するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも3つの放射線不透過性素子は、前記放射線不透過性素子の中心のものから2.5mmと5mmとの間だけ離間される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記調節装置は、前記標的表示器第一アーム放射線不透過性素子間隔に対応する2.5mmから5mmにある表示器を有する、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公表番号】特表2010−500061(P2010−500061A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523204(P2009−523204)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007103
【国際公開番号】WO2008/017501
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007103
【国際公開番号】WO2008/017501
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]