説明

遠心分離容器、幹細胞分離装置および幹細胞分離方法

【課題】繊維芽細胞が除去された純度の高い幹細胞を回収する。
【解決手段】筒状の側壁2と、該側壁2の一端を閉塞する先細の底部3とを有し、側壁2の内面の少なくとも一部に、その長手方向に対して略平行な平坦面2aを有する遠心分離容器1を提供する。また、幹細胞を含む懸濁液を収容した遠心分離容器1を支持して遠心回転させるロータと、遠心分離容器1から上清を排出する排出手段と、遠心分離容器1に培地を供給する供給手段と、ロータに支持された遠心分離容器1を、平坦面を下側に向けて該平坦面が略水平になるように傾倒させる傾倒手段とを備える幹細胞分離装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離容器、幹細胞分離装置および幹細胞分離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生体内から採取した脂肪組織から幹細胞を分離する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。幹細胞は、脂肪組織を消化酵素液で分解し、生成された懸濁液を遠心分離することにより抽出される。回収された幹細胞は、例えば、脂肪組織の提供者に移植されるなどして治療に使用される。
一方、幹細胞と繊維芽細胞とでは基材に対する接着性が異なることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−519883号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】松山晃文、「脂肪幹細胞の新展開」、幹細胞の基礎研究、医歯薬出版株式会社、2009年5月30日、Vol.229、No.9、p.694−697
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置で分離された幹細胞には、他の種類の細胞、特に繊維芽細胞が多く混在している。したがって、分離した幹細胞を治療に用いたときに、幹細胞の作用が繊維芽細胞によって阻害され、治療効果を十分に発揮できない可能性がある。また、滅菌性の担保などの点から、遠心分離容器内から幹細胞を取り出して繊維芽細胞を除去する処理を施すことは好ましくない。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、繊維芽細胞が除去された純度の高い幹細胞を回収することができる遠心分離容器、幹細胞分離装置および幹細胞分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、筒状の側壁と、該側壁の一端を閉塞する先細の底部とを有し、前記側壁の内面の少なくとも一部に、その長手方向に対して略平行な平坦面を有する遠心分離容器を提供する。
本発明によれば、生体組織から分離された幹細胞を含む懸濁液を収容して遠心回転させることにより、生体組織由来の幹細胞を抽出することができる。
【0008】
この場合に、遠心分離後に、平坦面を下側にして該平坦面が略水平になるように傾倒させることにより、幹細胞を平坦面上に移動させて該平坦面上に広げる。そして、傾倒させた状態で静置することにより、幹細胞に混在していた繊維芽細胞が幹細胞よりも早く平坦面に接着する。したがって、所定時間静置した後に正立させることにより、繊維芽細胞を平坦面に残して幹細胞を底部側に移動させ、繊維芽細胞の除去された純度の高い幹細胞を回収することができる。
【0009】
また、本発明は、上記に記載の遠心分離容器を支持して遠心回転させるロータと、前記遠心分離容器から上清を排出する排出手段と、前記遠心分離容器に培地を供給する供給手段と、前記ロータに支持された前記遠心分離容器を、前記平坦面を下側に向けて該平坦面が略水平になるように傾倒させる傾倒手段とを備える幹細胞分離装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、ロータによって遠心分離容器を遠心回転させることにより幹細胞を底部に沈降させた後、排出手段により上清を排出し、供給手段により培地を幹細胞に供給し、傾倒手段により遠心分離容器を傾倒させることにより、幹細胞に混在していた繊維芽細胞が幹細胞より先に平坦面に接着させられる。したがって、遠心分離容器を所定時間傾倒させた後に略正立させることにより、遠心分離容器の底部から繊維芽細胞の除去された純度の高い幹細胞を回収することができる。
【0011】
また、本発明は、幹細胞を含む懸濁液を収容した遠心分離容器を支持して遠心回転させるロータと、前記遠心分離容器から上清を排出する排出手段と、前記遠心分離容器に培地を供給する供給手段と、前記ロータに支持された前記遠心分離容器を略水平に傾倒させた姿勢で周方向に回転させる回転手段とを備える幹細胞分離装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、回転手段により遠心分離容器を略水平に傾倒させた姿勢で所定時間回転させることにより幹細胞に混在していた繊維芽細胞を側壁に選択的に接着させ、その後遠心分離容器を略正立させることにより、繊維芽細胞の除去された純度の高い幹細胞を回収することができる。
【0013】
また、本発明は、幹細胞を含む懸濁液を収容した遠心分離容器を遠心回転させることにより、前記幹細胞を前記遠心分離容器の底部に沈降させる遠心分離ステップと、該遠心分離ステップの後に、前記遠心分離容器を所定時間にわたって略水平に傾倒させる傾倒ステップと、該傾倒ステップの後に、前記遠心分離容器を略正立させる正立ステップとを備える幹細胞分離方法を提供する。
【0014】
本発明によれば、遠心分離ステップにおいて幹細胞を沈降させた後、傾倒ステップにおいて遠心分離容器を所定時間傾倒させてから正立ステップにおいて遠心分離容器を略正立させることにより、幹細胞に混在していた繊維芽細胞を選択的に遠心分離容器の側壁に接着させ、繊維芽細胞が除去された純度の高い幹細胞を回収することができる。
【0015】
上記発明においては、前記傾倒ステップが、前記遠心分離容器を1時間傾倒させることとしてもよい。
このようにすることで、幹細胞と繊維芽細胞とをより高い精度で分離することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記遠心分離容器が、上記に記載の遠心分離容器であり、前記傾倒ステップが、前記平坦面を下側に向けて該平坦面が略水平になるように傾倒させた姿勢で前記遠心分離容器を静置することとしてもよい。
このようにすることで、繊維芽細胞が側壁のより広い面積に接着させられるので、繊維芽細胞の除去効率を向上させることができる。
【0017】
また、上記発明においては、前記傾倒ステップが、前記遠心分離容器を周方向に回転させることとしてもよい。
このようにすることで、遠心分離容器として側壁が円筒状のものを使用しても、側壁全体を利用して繊維芽細胞を接着させて、繊維芽細胞の除去効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、繊維芽細胞が除去された純度の高い幹細胞を回収することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る遠心分離容器の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る幹細胞分離装置の全体構成図である。
【図3】図2の幹細胞分離装置を用いた幹細胞分離方法を説明するフローチャートである。
【図4】傾倒ステップにおける遠心分離容器の動作を説明する図である。
【図5】図1の遠心分離容器の変形例であり、平坦面が2つ設けられた構成を示す図である。
【図6】円筒状の遠心分離容器を使用した幹細胞分離方法の傾倒ステップにおける遠心分離容器の動作を説明する図である。
【図7】図6の遠心分離容器を使用した場合の幹細胞分離方法を説明するフローチャートである。
【図8】図6の遠心分離容器を使用して幹細胞を培養する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の一実施形態に係る遠心分離容器1、幹細胞分離装置100および幹細胞分離方法について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る遠心分離容器1は、図1に示されるように、筒状の側壁2と、該側壁2の一端を閉塞する底部3とを有する容器である。
【0021】
側壁2は、円の一部を弦に沿って切除した横断面形状を有し、周方向の一部に平坦面2aが形成されている。底部3は、先端に向かって先細になる錘状に形成され、さらにその先端には内面が凹状に形成されたポケット部3aが設けられている。また、遠心分離容器1内には、ポケット部3a内の底面から離れた位置まで配管4が挿入されている。細胞群を遠心分離した後に配管4から上清を排出したときに、ポケット部3a内に沈降させられた細胞群と少量の上清とを残して、上清が排出されるようになっている。
【0022】
遠心分離容器1の天井側は、側壁2と連続した天井壁または蓋によって塞がれている。また、遠心分離容器1は、内部の滅菌性を維持しつつ内部と外部との間でガスが交換されるように、図示しない通気孔が設けられている。
【0023】
平坦面2aの内面は、親水性を呈するように表面処理が施されている。表面処理は、例えば、プラズマ処理やコロナ処理などによって平坦面2aの内面の表面に極性を有する官能基を導入することにより行われる。平坦面2a以外の部分の内面においても同様の表面処理が施されていてもよい。これにより、比較的接着性の強い細胞が内面に接着しやすいようになっている。
【0024】
遠心分離容器1の材料は、表面処理の容易性の点から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、TPX樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の樹脂が好ましい。これらの樹脂のうち、光学的な透明性と強度の点から、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂がより好ましい。
【0025】
本実施形態に係る幹細胞分離装置100は、図2に示されるように、遠心分離容器1を支持して遠心回転させるロータ5と、遠心分離容器1を傾倒させた姿勢で保持する傾倒手段6と、ロータ5および傾倒手段6を収容する筐体7と、遠心分離容器1に液体を注入または遠心分離容器1から液体を排出する回路(排出手段、供給手段)8とを備えている。
【0026】
ロータ5は、略直立した回転軸5aと、該回転軸5aに略水平に固定されたアーム5bとを備えている。アーム5bの両端には、遠心分離容器1を収納する一対のバケット9が、底部3を回転軸5aに対して離間する方向に揺動可能に支持されている。バケット9は、遠心分離容器1の外面形状と相補的な内面形状を有し、平坦面2aを回転軸5aに向けて遠心分離容器1を収納するようになっている。回転軸5aが図示しないモータによってその中心軸線回りに回転させられたとき、バケット9とともに遠心分離容器1が揺動し、遠心分離容器1は底部3を半径方向外方に向けて略水平に保持されるようになっている。
【0027】
傾倒手段6は、各バケット9の下方に配置された平板状の2枚のスライド板6a(押圧部材、以下スライド板6a)を、回転軸5aの長手方向に沿ってスライドさせることにより構成されている。スライド板6は、バケット9から下方に離れた位置と、バケット9の底部を上方に押し上げてバケット9を略水平に傾倒させる位置とで停止可能に設けられている。
【0028】
筐体7は、図示しないヒータおよび二酸化炭素供給手段を備え、内部の温度および二酸化炭素濃度を一定に保持可能になっている。これにより、遠心分離容器1をバケット9に設置した状態でも遠心分離容器1内の細胞群が健全な状態に維持されるようになっている。
【0029】
回路8は、培地容器10aおよび廃液容器10bと遠心分離容器1の配管4とを接続するチューブ8aと、チューブ8a内に液体を送液させるポンプ8bとを備えている。培地容器10aは、血清などが適宜添加された培地を収容している。回路8は、バルブV1,V2の開閉と送液ポンプ8bの送液方向によって送液する液体の種類と送液経路とを切り替えるようになっている。また、チューブ8aの途中位置には図示しない回転継手が設けられ、遠心分離容器1が遠心回転させられたときにチューブ8aの捩じれが防止されるようになっている。
【0030】
次に、このように構成された遠心分離容器1および幹細胞分離装置100を用いた幹細胞分離方法について説明する。
本実施形態に係る遠心分離容器1および幹細胞分離装置100を用いて幹細胞を分離するためには、まず、生体組織を酵素で処理して分解することにより生体組織に含まれていた細胞群を生体組織から分離する。次に、図3に示されるように、分離した細胞群の懸濁液を遠心分離容器1に収容し、遠心分離する(遠心分離ステップS1)。
【0031】
次に、遠心分離容器1から廃液容器10bに不純物などを含む上清を排出した後、培地容器10aから遠心分離容器1内に培地を注入する(ステップS2)。このときに、培地の注入の勢いにより、ポケット部3a内に凝集していた細胞群が培地内に懸濁される。次に、スライド板6aを上方に移動させることにより、遠心分離容器1を、図4に示されるように、平坦面2aを下側に向けて略水平に傾ける。これにより、細胞群を含む培地Aが平坦面2a上に広げられる。そして、この姿勢で遠心分離容器1を所定時間静置する(傾倒ステップS3)。
【0032】
このときの静置時間は、約1時間が好ましい。静置時間が1時間より短い場合、細胞群に含まれる繊維芽細胞が十分に平坦面2aに接着しない可能があり、一方静置時間が1時間より長い場合、繊維芽細胞とともに幹細胞も平坦面2aに接着してしまい、最終的に回収される幹細胞の回収率が低下する可能性がある。
【0033】
次に、スライド板6aを下方に移動させて遠心分離容器1を略正立の姿勢に戻す(正立ステップS4)。このときに、接着性が強い繊維芽細胞は平坦面2aに接着して該平坦面2aにそのまま残り、接着性が繊維芽細胞に比べて弱い幹細胞は平坦面2aに接着することなく培地とともにポケット部3a内に移動させられる。したがって、ポケット部3a内から培地を回収することにより、繊維芽細胞をはじめとする接着性の強い細胞が除去された幹細胞を得ることができる。
なお、遠心分離ステップS1と正立ステップS4の後、遠心分離、上清の排出および図示しない洗浄液容器からの洗浄液の供給を繰り返すことにより細胞群を洗浄してもよい。
【0034】
このように、本実施形態によれば、幹細胞と繊維芽細胞との基材への接着性の強度の違いを利用して、幹細胞に混在した繊維芽細胞を簡便な構成と方法で除去し、純度の高い幹細胞を得ることができるという利点がある。また、このようにして幹細胞の純度を高めることにより、回収した幹細胞を治療に使用したときに幹細胞の機能を十分に発揮させて高い治療効果を得ることができるという利点がある。また、遠心分離容器1に平坦面2aを設け、より広い面積を利用して繊維芽細胞を接着させることにより、繊維芽細胞の除去効率を向上することができるという利点がある。
【0035】
なお、上記実施形態においては、平坦面2aを遠心分離容器1の側壁2の一方の側にのみ設けることとしたが、図5に示されるように、平坦面2aを側壁2の周方向の異なる位置に2つ設けてもよい。
このように構成された遠心分離容器1は、次のようにして使用される。
【0036】
傾倒ステップS3までは上述した実施形態と同様である。傾倒ステップS3の後、該傾倒ステップS3において下側に向けられていた一方の平坦面2aを上側に向けて遠心分離容器1を略水平に傾倒させ、この姿勢の状態で数日間培養する。これにより、幹細胞が他方の平坦面2a上で増殖する。このときに、幹細胞の他方の平坦面2aへの接着性と増殖効率を向上するために、他方の平坦面2aの表面には一方の平坦面2aと異なる表面処理が施されていてもよい。
【0037】
次に、遠心分離容器1から培地を除去した後、少量のトリプシン溶液などで処理して他方の平坦面2aから幹細胞を剥離させる。次に、洗浄液を遠心分離容器1内に注入してトリプシンによる反応を停止させ、必要であれば幹細胞を洗浄する。
このようにすることで、より多くの幹細胞を回収し、治療効果をさらに向上することができる。
【0038】
また、上記実施形態においては、図6に示されるように、側壁2が円筒状の遠心分離容器1を使用し、遠心分離容器1を水平に傾倒させた姿勢で周方向に回転させることにより繊維芽細胞を側壁2に接着させてもよい。
【0039】
この場合、遠心分離容器1の側壁2の内面全面が親水性を呈するように表面処理が施されていることが好ましい。そして、図7に示されるように、傾倒ステップS3’において、略水平に傾倒させた遠心分離容器1を周方向に十分にゆっくり回転させる。円筒状の遠心分離容器1を略水平に傾倒させたとき、細胞群は湾曲した側壁2の最も低い位置に凝集して沈んでしまうため、十分な数の繊維芽細胞を側壁2に接着させることが難しい。しかし、周方向に回転させることにより、繊維芽細胞を側壁2全面にわたって接着させて効率良く繊維芽細胞等を除去することができる。
【0040】
また、この場合には、底部3の内面に、幹細胞の接着性を向上する表面処理を施してもよい。このようにすることで、繊維芽細胞を側壁2に接着させた後、図8に示されるように、底部3の一方の側が略水平方向を向くように遠心分離容器1を傾けた状態で遠心分離容器1を周方向に回転させながら培養することにより、幹細胞群を底部3の内面上で増殖させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 遠心分離容器
2 側壁
2a 平坦面
3 底部
3a ポケット部
4 配管
5 ロータ
5a 回転軸
5b アーム
6 傾倒手段
6a スライド板
7 筐体
8 回路(排出手段、供給手段)
8a チューブ
8b ポンプ
9 バケット
10a 培地容器
10b 廃液容器
100 幹細胞分離装置
A 培地
S1 遠心分離ステップ
S3,S3’ 傾倒ステップ
S4 正立ステップ
V1,V2 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の側壁と、該側壁の一端を閉塞する先細の底部とを有し、
前記側壁の内面の少なくとも一部に、その長手方向に対して略平行な平坦面を有する遠心分離容器。
【請求項2】
幹細胞を含む懸濁液を収容した請求項1に記載の遠心分離容器を支持して遠心回転させるロータと、
前記遠心分離容器から上清を排出する排出手段と、
前記遠心分離容器に培地を供給する供給手段と、
前記ロータに支持された前記遠心分離容器を、前記平坦面を下側に向けて該平坦面が略水平になるように傾倒させる傾倒手段とを備える幹細胞分離装置。
【請求項3】
幹細胞を含む懸濁液を収容した遠心分離容器を支持して遠心回転させるロータと、
前記遠心分離容器から上清を排出する排出手段と、
前記遠心分離容器に培地を供給する供給手段と、
前記ロータに支持された前記遠心分離容器を略水平に傾倒させた姿勢で周方向に回転させる回転手段とを備える幹細胞分離装置。
【請求項4】
幹細胞を含む懸濁液を収容した遠心分離容器を遠心回転させることにより、前記幹細胞を前記遠心分離容器の底部に沈降させる遠心分離ステップと、
該遠心分離ステップの後に、前記遠心分離容器を所定時間にわたって略水平に傾倒させる傾倒ステップと、
該傾倒ステップの後に、前記遠心分離容器を略正立させる正立ステップとを備える幹細胞分離方法。
【請求項5】
前記傾倒ステップが、前記遠心分離容器を1時間傾倒させる請求項4に記載の幹細胞分離方法。
【請求項6】
前記遠心分離容器が、請求項1に記載の遠心分離容器であり、
前記傾倒ステップが、前記平坦面を下側に向けて該平坦面が略水平になるように傾倒させた姿勢で前記遠心分離容器を静置する請求項4に記載の幹細胞分離方法。
【請求項7】
前記傾倒ステップが、前記遠心分離容器を周方向に回転させる請求項4に記載の幹細胞分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−29597(P2012−29597A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170634(P2010−170634)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】