説明

遠投籠釣り用コマセ飛散防止キャップ

【課題】遠投籠釣りにおいて、リールに巻きつけられた道糸の先端にコマセ籠とオモリと釣り針付き仕掛けを結束し、コマセ籠を投入する時、コマセが空中に飛び散らずに投入出来る。
【解決手段】釣竿にリールを装着し、該釣竿に間隔をおいて設けられた道糸ガイド(図示せず)を介して、針金あるいはテグス13は、コマセ飛散防止キャップ3の上部の浮揚手段2とオモリ23を内蔵したコマセ籠20の中心部を摺動可能に挿通し、オモリ45と釣り針42付き仕掛け40と連結し、コマセ籠20にコマセ70を充填し、コマセ飛散防止キャップ1を被せて投入する際、周囲にコマセ70が飛散しないで投入出来、着水すると、飛散防止キャップ1は、浮揚手段2によりコマセ籠20より上方向Aに浮揚し、オモリ23を内蔵したコマセ籠20は、下方に移動し、水中では、コマセ籠20が現れ、コマセ籠20のコマセ70は、水中48に溶出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【発明が属する技術分野】
【0001】
本発明は、釣り場において、コマセ籠にコマセ(集魚用餌以下コマセと言う)を充填し、オモリを装着した釣り針付き仕掛けを投入して釣るいわゆる遠投籠釣りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一実施例を示す図であり、釣竿102に道糸105が巻き取られているリール101を装着し、釣竿102に間隔を持った道糸ガイドに道糸105を挿通し、釣竿102の先端のガイドを挿通して、該道糸105の先端に、ウキ104、コマセ籠106、幹糸108に複数の釣り針付きのサビキ仕掛け108(一実施例を示す)の下端部にスナップ付きサルカン109でオモリ110を装着し、釣り人103の前方の水面100に向って投入する状態を示すもので、コマセ籠106から漏れ出たり、風などで飛び散り、釣り人本人103に該コマセ107が振り掛かり、また周囲の人にも振り掛かるので迷惑をかけていた。
【0003】
また、コマセを硬めにすると、水中でコマセがコマセ籠から溶け出しにくいので、集魚効果が落ち、釣果に悪影響であり、またコマセ籠106を引き上げる際、コマセ籠106の中のコマセ107は、液状となっているため、引き揚げた際、周囲の人にコマセ107が飛び散るので、迷惑をかけないようコマセ籠106に残留したコマセ107を水中で洗い流さなければならなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コマセ籠付きの仕掛けを投入する際、コマセ籠に充填したコマセが遠心力や風などの影響でコマセ籠の穴や網目から飛び散り、周囲の人に迷惑をかけていた問題点と、コマセが飛び散らないように配合エサなどを混入して硬めにすると、水中でコマセ籠からコマセが溶けにくく、十分な集魚効果が得られず、釣果に悪影響を及ぼす問題点があったので、これらのことを解決することである。
【0005】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、遠投する際、コマセを充填したコマセ籠を収納する大きさの浮後揚手段を持つコマセ飛散防止キャップを被せて投入すると、コマセ籠に充填したコマセが周囲に飛散することなく、水面まで着水が可能となり、また、水中から引き揚げる際、コマセ籠にコマセが残留していると、液状となったコマセがコマセ籠から漏れたり、飛散するので、水中で洗い流す必要なく引き揚げられることが主たる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠投籠釣り用コマセ飛散防止キャップは次のものを有している。
道糸の先端部に真直ぐな針金又はテグスの上下端部に結束用環を設け、該針金又はテグスを摺動可能なオモリを内蔵したコマセ籠と該コマセ籠を収納可能な大きさの上部に浮揚手段(発砲材などから成る浮き体)を備えたコマセ飛散防止キャップで構成され、コマセ籠にコマセを充填して、コマセ飛散防止キャップを該コマセ籠に被せ収納し、該コマセ籠下部にサビキや胴付き仕掛け(釣り針付き仕掛け)と該仕掛けの下端部にオモリを連結した仕掛けを遠方の水面に向かって投入する際、コマセ籠は飛散防止キャップに収納されているので、周囲にコマセが飛散せず、着水と同時に水中に落下し、水中においては、前記キャップの上部に浮揚手段が設けられているので、当該コマセ飛散防止キャップは、前記真直ぐな針金又はテグスの上方に移動し、オモリを備えたコマセ籠は、下方に移動するので、該コマセ籠がコマセ飛散防止キャップの中から現れ、コマセが水中に流出分散し、集魚効果が得られることを特徴とする遠投籠釣り用コマセ飛散防止キャップである。
また、引き揚げる際、まだコマセ籠の中にコマセが液状で残留している場合でも、従来のように水中で洗い出す必要がなく引き揚げることが可能になるという目的を実現したコマセ飛散防止キャップである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記コマセを充填したコマセ籠にコマセ飛散防止キャップに収納して投入すると、風や遠心力によりコマセが周囲の人に飛び散らず、かつ、仕掛けを巻き上げる際、コマセ籠に残留しているコマセを水中で洗い流してから巻き上げる必要がないと言う効果が得られた。
【発明の実施するための最良の形態】
【0008】
以下。この発明のコマセ飛散防止キャップの実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0009】
この発明のコマセ飛散防止キャップは、図1から図4までに示すものは、市販の従来からある一般的なコマセ流出量を調節可能なコマセ籠20と一般的なサビキ仕掛け40を用いた一実施例を示すもので、針金などで形成されたコマセ籠や網目状のコマセ籠および天秤仕掛けなどでも実施は可能であり、図3は、当該コマセ飛散防止キャップ1とコマセ籠20の詳細な断面図を示すものである。
【0010】
道糸12は、リール55へ巻き取られ、ウキ本体51の上部にウキトップ52を設け、該ウキ本体51の下部に道糸12を通す挿通環53からなるウキ50の道糸挿通環53に道糸12を挿通し、絡み防止材54を介しサルカン14と結束されている。
【0011】
真直ぐな針金13の上端部にはサルカン14と下端部にはサルカン15が装着され、該針金13を中心に軸とする摺動可能なキャップ本体3と該キャップ本体3の上部に浮揚手段(発砲材などの浮き体)2からなるコマセ飛散防止キャップ1の前記浮揚手段2の中心部に前記針金13を摺動可能な貫通孔10が設けられ、該貫通孔10の入口6から出口7を介し、コマセ籠20が前記針金13を摺動可能に配設されている。
【1012】
前記コマセ飛散防止キャップ1の浮揚手段2の段部8とキャップ本体3が嵌合され当接部9まで挿入固着され、前記コマセ籠20を収納し易くするためキャップ本体3の下端部広がり部4が形成され、コマセ籠20をコマセ飛散防止キャップ1に収納し、キャップ本体3の内側5に突起部18を設けることにより収納時にコマセ籠20が係止される。
【1013】
該コマセ籠20は、通常使用されている従来からある一般的なコマセ流出量調節可能な筒状の内側容器21と外側容器22からなり、円周方向に摺動可能に嵌合され、外側容器21と内側容器22の筒部30、31の周面にコマセ流出口24、26が周設され、コマセ70を注入する注入口25、27が周設され容器角部にギザギザ部36、37を周設し、該ぎざぎざ部36、37を両手で回動し当接部38と外側容器端部39を摺動すると容器内部28,29のコマセのコマセ流出量が調節可能となる。
【1014】
前記コマセ飛散防止キャップ1とコマセ籠20の下方にサビキ仕掛け40がスナップ付サルカン43で連結されている。
該サビキ仕掛け40は、幹糸41に複数本の疑似餌付釣針42がハリス47でハリス結束部46に結束されている。
【1016】
該サビキ仕掛け40の下部にはスナップ付サルカン44でナス形オモリ45が連結されている。
【1017】
以上のように構成された一実施例の遠投籠釣り仕掛けで更に詳しく説明すると、図4(a)は、投入前の状態を示すもので、空気中49ではコマセ籠20は、コマセ飛散防止キャップ1の筒部本体3の中に収納されており、図4(b)は、着水し、水中の状態を示すもので、飛散防止キャップ1は浮揚手段(発泡剤などの浮き体)2が筒部本体3の上方に設けられているので、該コマセ飛散防止キャップ1は、緩衝材16に当接するまで矢印Aの方向に浮揚する。
【1018】
それと同時に、コマセ籠20は、ドーナツ状オモリ33を内蔵しているので、矢印B方向へ移動し、緩衝材17に当説するまで下方に移動すると、図4(a)の状態であったコマセ籠20は、水中では現れ、コマセ70はコマセ流出量調節口24,26やコマセ充填口25、27から水中48へ分散流出し集魚効果を得られる。
【1019】
図5に示すものは、当該飛散防止キャップ1の浮揚手段の形状を示す、他の実施例を示すもので、図5(a)〜(f)は、端部が広がり部4Aから4Fを持つ筒状本体3A〜3Fと中心部に挿通孔10A〜10Fを設けた浮揚手段2A〜2Fからなる飛散防止キャップ1Aから1Fの形状を変えたり接着、一体化した他の実施例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【1020】
【図1】この発明の、従来からある一般的なコマセ籠とサビキ仕掛けを用いた一実施例を示すものである。
【図2】この発明のコマセ飛散防止キャップ1の詳細図である。
【図3】この発明の飛散防止キャップ1とコマセ籠20の詳細な中央縦断面図を示すものである。
【図4】(a)は、この発明の投入前(空気中)を示すもので、(b)は、水中の状態を示すものである。
【図5】この発明の他の形態を示す実施例を示すコマセ飛散防止キャップの一例である。
【図6】従来の一般的な遠投籠釣り仕掛けでの投入前の状態を示すものである。
【符号の説明】
【1021】
1:コマセ飛散防止キャップ、2:浮揚手段(フロート)、3:筒部本体、4:広がり部、10:挿通孔、12、道糸、13:針金、20:コマセ籠全体、21:内側容器全体、22、外側容器全体、23:ドーナツ状オモリ、24、26:コマセ流出口、25、27:コマセ充填口、30:内側容器筒部、31:外側容器筒部、36:内側容器ギザギザ部、37:外側容器ギザギザ部、40:サビキ仕掛け、41:幹糸、42:疑似餌付釣針、45:ナス形オモリ、46:ハリス結束部、48:水中、49:空気中、50:ウキ全体51、55:リール、70:コマセ、1A〜1F:コマセ飛散防止キャップ、2A〜2F:浮揚手段(フロート)、3A〜3F、筒部、4A〜4F:広がり部、10A〜10F:挿通孔、A:浮揚方向、B:落下方向、100、水面、104:ウキ、106:コマセ籠、107:コマセ、108、仕掛け、110:ナス形オモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、遠投籠釣りに関するもので、釣竿にリールを装着し、道糸を釣竿に間隔をおいて設けられたガイドに挿通し、該道糸の先端と籠釣り仕掛け全体の間に上部に浮揚手段(発砲材などの浮き体あるいは密閉空間)を備えたコマセ飛散防止キャップと該コマセ飛散防止キャップが収納可能な大きさのオモリを内蔵したコマセ籠が介在し、該コマセ飛散防止キャップとコマセ籠は、針金あるいはテグスを中心軸に摺動可能に設けられ、前記コマセ籠にコマセを充填した後、該コマセ籠にコマセ飛散防止キップを被せ、前記仕掛け全体を投入すると、投入の際に該コマセ籠の中のコマセが風や遠心力で周囲に飛び散る事無く投入出来ることを特徴とし、また、水中では当該コマセ飛散防止キャップが浮揚手段(発砲材などの浮き体あるいは密閉空間)により上方に移動し、コマセ籠はオモリが内蔵されているため下方に移動し、該コマセ飛散防止キャップに収納されていたコマセ籠が水中に現れ、コマセ籠に充填されたコマセが水中に溶出することを特徴とする遠投籠用コマセ飛散防止キャップに関する。
【請求項2】
前記飛散防止キャップの上部の浮揚手段である浮き体の中央縦断面形状を紡錘形、球形、直方体などの形状で、密閉空間や発泡材などから成ることを特徴とする、遠投籠釣り用コマセ飛散防止キャップに関する。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−14317(P2007−14317A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224668(P2005−224668)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(599026957)
【Fターム(参考)】