説明

遠隔的に監督される安全な試験の運営システム

【課題】遠隔的に監督される安全な試験の運営を制御するシステムと方法を提供する。
【解決手段】試験問題データと確認済みの身体的特徴データを含むデータを記憶するための記憶装置13と、試験受験者の身体的特徴データを前記記憶された確認済み身体的特徴データと比較し、前記記憶手段に接続されて作動するデータプロセッサ10から成る中央ステーション1と、データプロセッサ30と、データプロセッサ30に接続されて作動し、入力データを記憶するデータ記憶装置31と、身体的特徴データをプロセッサ30に入力するための身体的特徴判断装置34と、試験問題データを表示するためのディスプレー32と、試験応答データをプロセッサ30に入力するための入力装置33と、試験の監督データを記録するためのレコーダ35、及び、中央ステーション1と通信するための通信リンクから成る遠隔試験ステーション3と、登録ステーション2を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔試験ステーションにおいて実施され、遠隔的に監督される安全な試験の運営を制御するためのシステムと、このシステムを用いて、遠隔的に監督される安全な試験を運営する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SAT、GRE、GMAT、MCAT、LSAT、資格検定試験及び他の同様の試験等の安全で監督が必要とされる試験を管理する際には、試験を適切に行うために極めて多くの時間と労力が費やされている。第1に、受験者は、適切に登録されていなければならない。条件を満たしている者だけが登録され、試験を受けることが重要である。第2に、登録された者だけが試験を受けることができるようにすることが重要である。もちろん、適切に登録された者以外の者が試験を受けたような場合、どんな試験であってもその適正さが失われることになる。不正が行われないようにするため、試験が適切に監督されることも重要である。最後に、試験問題の情報は、盗まれたり、無認可のアクセスが行われたり、修正されたりしないように、安全でなければならない。上述した全ての安全性の対策には相当な費用と労働力が必要とされる。
【0003】
試験が複数の離れた場所で行われる場合には、試験の適切さを維持することはさらに困難になる。このため、離れた場所における試験について、有効で、費用的にも効率がよく、安全な管理を行うことができるように上述した安全対策を自動化することが、長い間望まれてきた。
【0004】
本技術分野において、これらの目的の幾つかを達成する試みがなされてきた。
【0005】
ライレイ(Riley)に付与された米国特許第4,486,180号は、運転者の試験を管理するシステムを開示する。この特許では、運転者の試験を行うために自動化されたブースを開示するが、このシステムは、運転者の試験に限定されており、しかも、相当数の離れた試験場において、多くの様々に標準化された試験を管理するには十分に包括的ではないし、安全なものではない。
【0006】
サム(Samph)他に付与された米国特許第5,195,033号と同第5,204,813号では、中央のコンピュータが、複数の査定センターに接続されており、試験の管理を行うようになっている試験システムを開示する。しかし、これらの特許に開示されたシステムでは、受験者の照合及び試験問題データの安全性を保証するのには十分ではない。
【0007】
グリフィン(Griffin)他に付与された米国特許第4,764,120号では、複数の教室からの学生の応答を中央で処理する学生応答システムを開示する。しかし、この開示されたシステムでは、ほとんどの標準化された試験に要求される厳重な確認、監督及び安全性に適応できない。
【0008】
ワイズ(Wise)他に付与された米国特許第5,218,528号では、投票人が、登録され、認証される自動化された投票システムを開示しているが、試験問題のデータに関する十分な安全性をシステムに与えていない。
【0009】
本発明は、コンピュータ化され、かつ、標準化された試験を分配するために使用される本分野におけるコンピュータネットワークの現在の状態を進展させた。
【0010】
何年にもわたる開発時間と非常に多くの試験とによって、既存のシステムは健全かつ信頼性ある試験方法であることが証明されている。現在のシステムは、中央のマスターネットワークにより世界中でサポートされているローカルネットワーク上で試験を分配するソフトウェアプラットフォームを含む。このマスターネットワークは試験を試験センターにダウンロードし、受験者による試験が終了した後に、終了した試験ファイルを取り出す。
【0011】
この現在のネットワークは、登録係を雇用している登録センターを利用しており、この登録係が、受験者からの電話での要求に答え、かつ、個人的な統計情報、試験の選択及び支払情報をマニュアルで入力している。これらの登録係は、どの日時のどの場所の試験センターに受験生を割り当てるかを決める。
【0012】
試験センターは、試験を受験者に分配するローカルネットワークから構成されている。試験センターのシステム管理者は、予定に従ってやって来た受験者を受け入れ、公的な形式の証明書を照合することにより、受験生が同一であることを確認する。確認が終わると、受験者は、指定された試験ステーションに着座し、管理者は試験を開始する。管理者は、受験生が補足的物品を使用して試験で不正を行なわないように試験を監督し、発生する可能性のあるいかなる問題にも応じられるようにする。
【0013】
しかし、この利点にもかかわらず、本分野の現在の状態は、試験の受験生を登録し、登録された者だけに試験を行うようにし、試験を監督し、試験問題のデータを保護するのに相当の労働力を必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4,486,180号
【特許文献2】米国特許第5,195,033号
【特許文献3】米国特許第5,204,813号
【特許文献4】米国特許第4,764,120号
【特許文献5】米国特許第5,218,528号
【発明の概略】
【0015】
このように、本発明の目的は、本分野の試験分配システムの現在の状態をとりながら、可能な限り最大限にまで試験手順を自動化し、試験場所でのサポート要員の必要性を排除することである。
【0016】
本発明の別の目的は、自己試験用キオスク、すなわち、必要とされるソフトウェアとハードウェアとを一体化し、完全に無人の遠隔試験ステーションを開発することである。試験手順の全ては、受験を希望する受験者が、現場での試験要員を必要とすることなく、登録を行い、予定を立て、試験を終了することができるように自動化される。この種の試験センターは、ほとんど全ての種類のコンピュータ化された試験を分配するのに使われる。
【0017】
上述の目的に従って、本発明は、遠隔試験場において、遠隔的に監督されるようになっている安全な試験の運営を制御するための新規なシステムを提供した。
【0018】
本発明の最も基本的な実施例においては、本システムは、(1)中央ステーションと、(2)遠隔試験ステーションと、からなる。
【0019】
中央ステーションは、(a)試験問題データや、確認済みの身体的特徴のデータなどのデータを記憶するための記憶手段と、(b)試験受験者の身体的特徴データと確認され、かつ、記録された身体的特徴データとを比較する、記憶手段に接続されて作動するデータプロセッサと、を含む。
【0020】
遠隔試験ステーションは、(a)データプロセッサと、(b)データプロセッサに接続されて作動し、入力データを記憶するデータ記憶手段と、(c)試験受験者の身体的特徴データをデータプロセッサに入力するようになっている身体的特徴判断装置と、(d)試験問題データを表示するための表示手段と、(e)試験応答データをデータプロセッサに入力するための入力装置と、(f)試験の監督データを記録する手段と、(g)試験問題データを中央プロセッサから受け取り、試験受験者の身体的特徴データ、試験応答データ及び試験監督データを中央ステーションに通信するようになっている通信手段と、から構成される。
【0021】
好ましい一実施例においては、監督データは、試験のオーディオ/ビジュアルデータである。監督データは、(a)試験受験者の身体的特徴データの入力と、(b)試験応答データの入力とからなるオーディオ/ビジュアルな記録を含むことが好ましい。監督データは、さらに、試験受験者の静止写真を含んでいることが好ましい。
【0022】
更に別の実施例においては、本システムは、中央ステーションと遠隔試験ステーションの他に、登録ステーションを有する。この登録ステーションは、(a)登録者データを処理し、照合するデータプロセッサ、(b)登録者データを照合するのに十分なデータを記録し、データプロセッサに接続されて作動する記憶手段、(c)登録者の身体的特徴データを入力するための身体的特徴判断装置、及び、(d) 確認済みの身体的特徴データを含む確認済み試験登録者データを中央ステーションに通信するための通信手段と、から構成される。
【0023】
登録ステーションと、試験ステーションとは、互いに離れていてもよいし、近接していてもよい。一実施例においては、登録ステーションと試験ステーションとを1つのステーションに組み合わせることができる。
【0024】
本発明の別の態様においては、本発明は、遠隔試験ステーションにおいて遠隔的に監督される安全な試験の運営を制御するための方法を提供する。この方法は、(a)確認済みの身体的特徴データを中央ステーションにおいて記憶し、(b)試験問題データを中央ステーションにおいて記憶し、(c)遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを入力して、試験を開始し、(d)試験受験者の身体的特徴データを中央ステーションに通信して、試験受験者の身体的特徴データを確認済みの身体的特徴データと比較し、試験受験者データを確認し、(e)試験問題データを中央ステーションから遠隔試験ステーションに送信し、(f)試験問題データに応答して試験回答データ入力を記憶し、(g)試験のオーディオ/ビデュアルな監督データを記録し、かつ、記憶し、識別子を監督データに割り当て、(h)試験を終了し、(i)試験を無効にする事由の有無について監督データを再検討することにより、試験を有効なものとして認定する、各段階からなる。
【0025】
一実施例においては、本方法は、固有の識別子を試験に割り当てる段階をさらに含む。
【0026】
別の実施例においては、監督データが評価され、試験が、その試験そのものが行われている間に、有効なものとして認定される。このようにして、試験受験者は試験採点の有効な記録を持って退出することができる。
【0027】
別の好ましい実施例においては、試験ステーションは、キオスクすなわち試験登録データの入力なしには、出入り不能な独立型ユニットである。試験受験者が中央ステーションと通信できる第2の通信手段をキオスク内部に設けることができる。
【0028】
本発明の一実施例においては、遠隔試験ステーションは、一般人が利用できる施設内に据え付けられたキオスクとすることができ、受験者は外部の補助なしに試験を終了することができる。更に別の実施例においては、受験者は、キオスクの中で試験の登録を行い、また、試験の予定を立てることができる。登録と予定を組むことは、別個になっている登録場所で実行するようにしてもよい。本発明の登録という観点から見て重要なことは、後に、適切に登録を受けた人のみが所定の試験を受けることができるように、登録を行うことによって、確認済みの身体的特徴データを中央エリアに記録することになる、ということである。
【0029】
キオスクは、既存のビルディングに設置され、ビルの暖房、通気、空調(HVAC)、電話、及び電気システムを利用できる独立型立設ユニットであることが好ましい。キオスクに含まれたハードウェアによって、受験生は、登録データ、個人的な身体的特徴データを入力でき、次いで、試験問題を受け取り、プライバシーの守られた、安全な試験ステーションで試験を終了することが可能になる。受験生にとって集中の妨げになるものを最小にするため、各試験ステーションは防音特性を有しているものであることが好ましい。好ましい実施例においては、各試験ステーションへの出入りは自動化されたシステムにより電子的に制御される。
【0030】
各キオスクは、一つの中央ステーションによって遠隔地からサポートされる。
【0031】
ネットワークは、ローカル試験ネットワークを遠隔地から更新し、維持するために現状技術のテレコミュニケーション法を利用する。遠隔登録と試験ステーションに対する技術的なサポートは中央ステーションにより行われる。中央ステーションは、試験を終了する間に、受験者のあらゆる問題に応答するために使用することができる。予め選択された受験生のみが特定の試験を受ける権利を有するといった、適格性に基づいた試験もまた中央ステーションから制御できる。
【0032】
本システムの遠隔試験ステーションは、試験中に不正が行われるおそれを排除するために設計された様々な安全対策をも特徴とする。第1に、身体的特徴データ判断装置がある。本発明に係るシステムに用いられる装置には、受験生の指紋、網膜、手形を記録する装置の他に、音声を記録し、かつ、解析する装置が含まれる。本システムによって、試験の得点が中央ステーションにより承認されるようにすることもできる。例えば、受験生の写真を含む印刷された得点結果は、変性不能かつ複写不能な用紙に印刷され、公証役場で認証されるようにすることができる。試験を有効なものとして承認するために、コーディングアルゴリズムにより創られた固有の見かけ上の乱数が試験応答データと、試験が行われたときの監督データと、に割り当てられる。有効か無効かの判断は、試験中又は試験後のいずれかにおいて判断される。
【0033】
要約すれば、本発明は、試験受験者の確認と、試験の配分、試験監督及び試験を有効なものとするための承認の手順を自動化する。本発明により、本システムをサポートするための現場要員は必要ではなくなり、さらに、安全で個人的な試験環境が形成される。本発明により、受験する可能性のある受験者がコンピュータ化された試験をさらに簡単に利用できるようになり、受験生は都合のよい時に自分で登録して、予定を立てることができる。本発明によって、雇用者または資格認定機関などの試験の実施者が、総額及びその他の費用を最小にして、安全で確実な試験を管理できることになる。
【0034】
本発明の目的、特徴及び利点は、本分野の当業者であれば、図面を参照し、以下に記載の詳細な説明と好ましい実施例の詳細な説明を検討することにより、容易に明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るシステムのハードウェアのブロック線図である。
【図2】図1のシステムのためのソフトウェア相互作用図である。
【図3】試験がその試験中に認証される、本発明に係る試験実施手順の一実施例のフローチャートである。
【図4】図3及び4の実施例における登録及び試験中の中央エリアの作動状況を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、遠隔試験場で行われ、遠隔的に監督される安全な試験の運営を制御するための、本発明に係るシステムのハードウェアを表すブロック線図である。中央ステーション1はデータプロセッサ10を備えている。ディスプレー11が、試験員が離れた場所で行われる試験の進行と、本システムの機能とを監視できるように、設けられている。キーボードのような入力装置12が、本システムの制御、更新及び管理を行うことができるように設けられている。試験後に試験結果が認証され、その認証された試験結果が中央ステーション1から受験者に送られるようになっている本発明の実施例においては、プリンタ14が設けられている。
【0037】
中央ステーション1は、登録場所2と通信できるように接続されている。適切なデータリンクであればいかなるものでも、中央ステーション1を登録ステーション2に接続するために用いることができる。登録場所2は、ディスプレー24と記録装置23とに接続されたデータプロセッサ20を含む。キーボード、カードリーダ、バーコードリーダ等のような入力装置25が、登録データの入力を行うことができるように設けられており、入力された登録データは記憶されたデータと比較され、その登録者が特定の試験について登録される資格を有するかどうかが判断される。登録のための支払いがクレジットカードでできるようにクレジットカード入力装置27を任意に設けることもできる。受験者の指紋、網膜像、声紋、手形、または、写真やディジタル像などの個人を識別できるその他の生物学的なデータのような身体的特徴データを記録するための身体的特徴判断装置26が設けられている。以下に記載するように、登録プロセスにおいては、確認済みの身体的特徴データは、後に行われる試験受験者の身体的特徴データとの比較のために、中央ステーション1に送られ、中央ステーション1に記憶され、それによって、受験者が特定の試験に関し適切に登録されていたことを確認するようになっている。
【0038】
遠隔試験場所3は、中央ステーション1と通信できるように接続されたデータプロセッサ30を備える。その通信手段としては、モデム及び電話線、ISDN(サービス総合ディジタル網)接続、衛星リンク、または、他の適切なデータリンクを用いることができる。その接続が、同報通信であったり、もしくは、インターネットを介するデータリンクであるときには、転送されたデータの安全性を保証するために、特定のエンコーディング及びデコーディング用ソフトウェアが必要となる。試験を開始するために必要とされるデータを記録するために記憶装置31が設けられている。中央ステーション1から受け取った試験問題データを表示するためにディスプレー32が設けられており、さらに、タッチスクリーン、キーボード、ペン装置、または、これらとは別の入力装置等の入力装置33が設けられており、登録データ及び試験応答データの入力を受験者が行えるようになっている。登録データが登録カードによって入力される実施例においては、バーコードリーダ等(図1に図示せず)も設けられる。受験者が受験者身体的特徴データを入力できるように身体的特徴判断装置34が設けられている。以下に記載するように、試験受験者の身体的特徴データは中央ステーション1に送信され、試験が開始される前に、記憶装置13に記憶された確認済み身体的特徴データと比較される。
【0039】
さらに、遠隔場所3は、監督データを記録し、入力する手段35を有する。好ましい実施例においては、監督データは、オーディオ・ビジュアルな記録、詳細には、受験者の身体的特徴データの入力と、試験中の試験応答データの入力との記録である。一例を挙げると、ビデオカメラが自己充足式試験キオスクの片隅に配置されており、試験全体のオーディオ・ビジュアルな記録を作り出している。
【0040】
試験を有効または無効なものとして認証するために監督データがどのように使用されるかについて、以下に記載する。しかしながら、簡単に言えば、監督データは、試験中、試験後、または、試験中及び試験後の双方のときに、評価されればよい。
【0041】
好ましい実施例においては、遠隔試験場所3は、キオスク、すなわち、一般人が自由に出入りできる既存のビルディングの中に設置されるように設計された非固定式の立設構造である。キオスクは、ショッピングモールまたは空港、もしくは駅構内の公衆ビルのロビーに配置することができる。本実施例におけるキオスクは、施設提供者の電気、電話及びHVACシステムを利用する。登録ステーション2は、遠隔試験ステーション3を構成するキオスクから離れていてもよいし、または、これに近接していてもよい。登録と試験とが同一場所で実行される場合には、(1)例えば、識別情報、統計情報、支払情報及び試験選択を含む登録に必要な情報と、(2)例えば、登録、身体的特徴データ及び試験応答データを含む試験に関する情報の双方を入力するために入力装置が設けられていなければならない。
【0042】
キオスクを使用する実施例においては、その構造は、一般人が利用できる施設の開放された空間領域に設置されるように設計された、非固定立設式の軽量ユニットである。この構造は、短時間で組み立てることができる半永久的な囲いであり、施設提供者の設備に大規模な建て増し修正を必要としない。電気線及び電話線が、施設提供者の設備から、必要な通りに、そのユニット内に配線される。必要であれば、キオスクに必要な冷暖房要求を満足させるために、施設提供者の設備を使用することができる。必要であれば、補助的な冷暖房設備を増設してもよい。ショッピングモール内のストアユニットのような、さらに小さく、より整理された空間が利用できる場合には、同一レベルの安全性を達成し得る修正されたユニットを設置することもできる。
【0043】
キオスクにおいて、遠隔試験場所3は、単一の試験ステーションまたは複数のステーションから構成することができる。これらのステーションの各々には常時ロックされており、電子的に制御されるロック36で保護されているドアを設けることができる。このドアは、受験者が無事に登録を終了し、ステーションの外部にある入力装置を用いてチェックインした後にだけ、ロックが外される。受験者が試験ステーションに一旦入ると、ドアは外からロックされたままとなり、試験受験者の安全とプライバシーを守るようになっている。ドアは内側からはロックされておらず、受験者はいつでも外に出ることができるが、ロックは、試験監督データの一部となる信号を発するようにすることもできる。必要な場合には、試験中に無許可でドアを開くことは、試験を終了または無効にするような無効事由となる。
【0044】
キオスクの壁は音声吸収材料から形成されることが好ましく、これによって、試験受験者が静かに、妨害されないで試験を行うことができる。施設提供者の設備からの周囲ノイズが受験者の集中の妨げの原因となる場合には、「白色雑音」発生器を設置することができる。共通の増幅器により作動される、各試験ステーションに配置されたスピーカが低レベルの音声を発し、集中を妨げるそのようなノイズを遮蔽する。
【0045】
キオスクの内側には、必要とされる様々な入力装置とディスプレーが配置された棚が設けられている。試験受験者の個人的な所持品のために設けられた棚もある。コンピュータ化された試験に適応する照明が各試験ステーションに設けられている。
【0046】
データプロセッサ30と記憶装置31とを含む、パーソナルコンピュータのようなコンピュータが、ステーション内のロックされたコンパートメント内に設けられていることが好ましい。
【0047】
好ましい実施例においては、試験監督データを記録するための装置35は、試験を監視し、記録するために用いられるビデオカメラであり、試験ステーションの片隅に取り付けられている。試験のオーディオ・ビジュアルな記録を用いて、身体的特徴データ及び試験応答データの入力を文書に記録し、試験中に発生する可能性のある問題または異常事態を記録し、試験受験者が不正を行わないようにしている。
【0048】
一実施例においては、試験監督データの評価は試験中に行うことができるようになっている。この本実施例においては、オーディオ・ビジュアルな試験監督データが中央ステーション1に送られ、ディスプレー11に表示され、試験管理者が試験の様子を見渡したり、必要であれば、その試験を終了し、もしくは、無効にし、または、試験中に発生する問題に応答できるようになっている。オーディオ・ビジュアルな試験監督データは、ディジタル的に記録され、中央ステーション1に送られ、記憶され、後に、試験の有効性の判断を行う際に使用されるようになっていることが好ましい。装置35は、試験受験者の静止した状態の画像を捉えるのにも使用される。この画像は、試験監督データの一部となり、受験者の識別、または、試験の有効性の判断のために記録される。
【0049】
身体的特徴判断装置34は、受験者の指紋のディジタル像を捕らえる指紋記録装置、網膜像記録装置、声紋装置、手形記録装置等の入手可能な様々な装置の中から選択される。上述したように、身体的特徴判断装置34をカメラと組み合わせて用い、写真またはディジタル像が身体的特徴データの一部となるようにすることもできる。
【0050】
一つの入力装置を、受験生が中央ステーショーン1と通信するために使用できるマイクロフォンまたは送受話器とすることが望ましい。双方向ビデオ通信が望ましい場合もある。
【0051】
以下に記載するように、試験問題データは安全のために中央ステーション1に記録され、試験手順中の適当な時点において試験ステーション3に送信される。
【0052】
中央ステーション1は、試験受験者の確認と、試験受験者データの有効性の判断とに使用される、登録者の確認済みの身体的特徴データをも記録する。試験応答データは中央ステーション1に送られ、そこで記憶される。このデータは、一実施例においては、後に行われる試験受験者データの有効性の判断にも使用される。
【0053】
オンラインの管理者と技術者とが中央ステーション1から遠隔試験ステーション3に操作的及び技術的サポートを与える。この作業を達成できるのであれば、いかなる通信方法(データ、声、または、双方向ビデオ)を用いてもよい。ソフトウェアのアップグレードとシステムの改訂は、中央ステーション1を登録ステーション2及び遠隔試験ステーション3に接続する通信ラインを用いて、中央ステーション1により実行される。
【0054】
登録
試験の登録について、図2のフローチャートに図示した好ましい実施例を参照して説明する。
【0055】
登録者は登録ステーション2に到着すると、段階40において、識別票を提示する。この識別票は段階41において入力装置25を介してプロセッサ20に入力される。次いで、別の資格認定情報が段階42において要求され、段階43において入力される。登録者が登録を希望する試験の種類(この試験の種類は段階44において入力される)に応じて、登録場所のプロセッサ20か、中央ステーションのプロセッサ10のいずれかが、登録者には資格があるかどうかを段階47において判断する。試験が、段階45において、適格性試験であると判断された場合には、登録者のデータが、段階46において、段階47を実行する前に、中央ステーションに送信される。登録者に資格がない場合には、登録は、段階48で中止される。試験が適格性試験でない場合には、登録場所2のプロセッサ20が、段階47において、登録者の適格性を認めるように指示される。
【0056】
登録者の適格性が認められると、段階49において、身体的特徴データの入力が要求される。身体的特徴データの入力後、料金が段階50、51及び52において徴集される。支払いにクレジットカードが使われる場合には、段階51において、承認を得ることが必要となる。支払いが現金による場合には、現金または小切手が段階52において徴集される。段階53において料金の徴集が確認されると、段階54において試験の予定が立てられ、段階55において、登録者の身体的特徴データ及び他の個人的なデータが中央ステーション1に送られる。必要であれば、段階54と55は順番を逆にできる。スケジュールが立てられる段階54には、登録者が試験を受けたいと希望する好ましい時間及び場所等のデータ入力も含まれる。段階56において、登録直後に試験が行われるようにスケジュールが立てられる場合には、登録者は、図3に示す試験の段階62に直接進む。
【0057】
試験が後日行われる場合には、段階57において、登録カードがプリンタ28を用いて印刷されるか、あるいは、登録番号が付与され、登録手続が段階58において完了する。登録カード又は登録番号は、図3に図示した試験の開始時に、チェックインのためにも使用することができる。料金が段階53において徴集されない場合には、登録手続は段階48において終了する。
【0058】
登録ステーション2が試験ステーション3に近接していたり、あるいは、一体になっている場合には、試験場所3が空いているときには、登録直後に試験を同一の場所で行うことも可能である。
【0059】
確認済みの身体的特徴データの記録や、この確認済みのデータの中央ステーション1への通信が結果的に行われるものである限りは、他の登録手順を用いることもできる。
【0060】
図2のフローチャートから明白であるように、本発明の登録手順は全てもしくは少なくともほぼ自動化できる。
【0061】
試験
図3の好ましい実施例を参照して試験手順を説明する。
【0062】
試験手順は、試験受験者が遠隔試験ステーション3に到着して、段階60において、登録手順中に印刷された登録カードを提示するか、もしくは、段階60の間に、登録番号を入力するように要求されて開始される。好ましい実施例においては、登録カードまたは登録カードに記載された登録番号の要求は、ドアを開くために、キオスクの外側のディスプレーでなされる。このために、ディスプレーと、カードリーダとがキオスクの外側に設けられている。そうでない場合には、指示メッセージが遠隔試験場3のディスプレー32に表示され、カード情報が入力装置33を介して登録者により入力されるか、もしくは、アコードリーダのような特定の入力装置がこの目的のために設けることもできる。
【0063】
段階61でカードが有効であると判断され、試験受験者が有効な登録者として確認された場合には、オーディオ・ビジュアルな試験監督データの記録が段階62において開始され、試験受験者は段階63において身体的特徴データを入力するように要求される。例えば、試験受験者は、静止画像をとるためにビデオカメラに向くように求められたり、あるいは、受験者は適当な記録装置に手または指を置くように求められる。
【0064】
本実施例においては、身体的特徴データが判断されて(段階64)、無効事由がある場合には、試験が無効になり、試験は中止になる。無効事由とは、例えば、遠隔試験ステーションに2人の人間が存在していたような場合や、または、身体的特徴データを不適切に、あるいは、不正に入力しようとした場合である。一般的に、無効事由となるような出来事またはデータの種類は、試験の種類と、要求される安全性のレベルに応じて変わる。試験監督データは、電子ドアロックからの信号のようなオーディオ・ビジュアルデータ以上のものを含んでいてもよく、そのような場合には、例えば、ロック解除すなわちドアが開いたことを示す信号は無効事由となり得る。無効事由がない場合には、身体的特徴データが、段階65において、中央ステーション1に送信され、段階66において、記憶装置13において記憶された確認済み身体的特徴データと比較される。
【0065】
送信された試験受験者の身体的特徴データが適切な登録者に相当する確認済み身体的特徴データと一致する場合には(段階67)、試験問題データが段階69において遠隔試験場所3に送信される。段階70、71、73は、ディスプレー32に表示された質問データに応答して試験受験者が試験応答データを入力することを表している。試験応答データの入力中のいかなる時でも、試験監督データの分析により判断されるような無効事由が発生すると(段階72)、試験は停止されるか、及び/又は、無効にされる(段階68)。上述したように、無効事由には、受験者がキオスクのドアを開くこと、許可されていないノートまたは参照物品の使用、試験受験者とキオスクの外部の人間との無許可の通信などが含まれる。
【0066】
全ての質問に対して答が出されると(段階73)、試験受験者には、問題を見直すか(段階74)、又は、試験を完了する(段階76)かの選択の機会が与えられる。段階77において、固有の識別票が試験に割り当てられる。この識別票は、試験応答データと監督データとを試験に対して整合させる際に使用される。
この後、段階78において試験応答データが中央ステーション1に送信される。
【0067】
試験の記録が、段階79において、試験受験者のために印刷される。一実施例においては、監督データは試験中に試験を有効なものとして認証するために使用されるので、段階79において、認証された試験結果を試験受験者に与えることができる。
【0068】
別の実施例においては、監督データが分析され、試験は試験終了後に有効なものとして認証される。このような場合には、段階79において、試験受験者には、試験が終了したという記録のみが与えられ、段階80において、試験の終了に引き続き、例えば、公式得点記録フォームを印刷することにより、認証された試験結果が与えられる。
【0069】
本明細書には詳細に記載していないが、試験を有効なものとして認証するのと同時に、もしくは、認証に関連させて、試験後に登録を行わせることも可能である。
【0070】
更に別の実施例においては、双方向通信が試験受験者と中央ステーション1との間で行われる。この双方向通信も監督データとして記録され、かつ、記憶される。このような通信リンクにより、受験者は、例えば、試験中に休息室において休憩することを要請したり、あるいは、システムに関する技術的な問題または質問を通信することができる。極めて安全性のある試験においては、許可された中断の後であっても、段階60から67までの繰り返しを要求することもできる。
【0071】
受験者が本システムの機能に慣れるように、試験前又は試験中に指導書を受験者に与えることもできる。
【0072】
試験手順の終了時に、データは中央ステーション1に返送される。これらのデータは、試験応答データ、オーディオ・ビジュアル監督データ、受験者の静止写真及び登録データのうちのいくつか、もしくは、全てを含む。上述したように、試験がその試験中に有効と認定された場合には、試験結果が処理され、印刷された記録が作られる。
【0073】
印刷された記録は、受験者個人情報及び資格データ、記録されたあらゆる身体的特徴の他に受験者の静止写真、試験応答データ、合格・不合格状況及び得点の割合のうちいくつかもしくは全てを含む。遠隔場所3又は中央ステーション1のいずれで行うにしても、特別に形式化された安全な用紙に印刷された公式得点記録フォームに記録が印刷される。この安全な用紙は、生徒に修正されたり複写されないように保護手段を利用している。この用紙は透かし模様で識別可能なロゴを有し、色付き用紙に印刷されている。
【0074】
記録は、各試験に割り当てられた識別票及び試験データをも含んでいることが好ましい。この識別票は、特定のアルゴリズムによりつくられた見かけ上の乱数であることが好ましい。アルゴリズムは、とりわけ、登録及び資格データ、試験の日時、受けた試験、応答データすなわち得点から得られる入力変数を利用する。このように、識別票は各試験に対して固有なものであり、有効な得点記録を認証するために用いることができ、ひいては、試験受験者または他人が記録を偽造することを防止することができる。
【0075】
記録が中央ステーション1でつくられるような別の実施例においては、有効なものと予備的に認証された記録が最初に試験受験者に郵送される。この後、試験及び得点の有効化を完全なものにするために、受験者は、アメリカ合衆国の公証役場においてその文書を公証してもらわなければならない。公証人は、文書上の指示によって、文書上の個人データと写真とがまさにその人と一致することをまず確認しなければならないということを知らされる。識別に用いることができる様式のリストが得点記録に含まれている。試験受験者が同一人物であることが確認されると、公証人は、シールの一部が受験者の写真と重なるように注意を払いながら、文書に公証シールを貼る。
【0076】
本実施例においては、得点結果が中央ステーション1に返送されなければならない。返送された文書が中央ステーション1により検証され、証明されると、試験は完全に有効なものとみなされたことになる。この結果が試験受験者と、試験を請け負っている試験機関に送られる。
【0077】
中央ステーションと遠隔登録・試験場所の相互作用をもっと理解するために、図2及び図3に図示する、中央ステーションで実行されてもよい段階が図4に図示されている。図4における同一の段階は同一の参照符号を有する。段階46においてデータが登録場所から受け取られ、段階49において中央ステーションは登録者が適格を有しているか否かを判断する。必要であれば、中央ステーションは、段階48において、登録を中止してもよい。段階53において料金の徴集が確認され、段階54において試験のスケジュールが立てられ、身体的特徴データが段階55において登録場所から受け取られる。
【0078】
中央ステーションが、段階56において、試験が現在行われるべきものかどうかを判断する場合には、段階62において、試験の監督データの記録を開始させることができる。試験が登録直後に行われない場合には、段階57において、登録カードが印刷されるか、あるいは、登録番号が発行される。試験が登録終了と同時に行われる場合には、中央ステーションの第一段階は、段階61において、試験場所において入力された登録カードまたは番号が有効であるかどうかを判定することである。
【0079】
試験中に確認が行われる実施例においては、段階64及び72において、中央ステーションは無効事由があったかどうかを判定し、無効事由があった場合には、段階68に進み、試験を停止させる。
【0080】
中央ステーションは、段階65から67において、身体的特徴データの受信、比較及び確認を行い、データが一致する場合には、試験データが段階69において試験ステーションに送信される。
【0081】
別の考えられる実施例においては、試験データが既に試験場所3の記憶装置31内に存在しているようにすることもできる。この実施例においては、記憶装置31に存在する試験データは、段階69において、中央ステーション1からの指示を受けてロックが解除されることになる。
【0082】
図4に図示した実施例においては、試験受験者が、段階80において、質問を中央ステーションに送ることができ、段階81において答えを受け取る。中央ステーションは、段階78において、試験応答データを受け取り、段階79において、記録を印刷する。上述したように、試験が試験中に有効なものと認証された場合には、遠隔試験地で記録を印刷してもよい。
【0083】
本発明のシステムを、いくつかの好ましい実施例に関して図示してきたが、本分野の当業者であれば、本発明の趣旨と範囲内において、削除、付加、置き換え及び改善できることが理解できるであろう。本発明の範囲は、請求の範囲によってのみ定義されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔試験ステーションで行われ、遠隔的に監督される高機密性試験の運営を制御するシステムにおいて、

(1)(a)試験問題データと確認済み身体的特徴データとを含むデータを記憶するための記憶装置と、(b)前記記憶装置に対して作動可能に接続され、試験受験者の身体的特徴データを前記記憶された確認済み身体的特徴データと比較するための第1のデータプロセッサと、を含む中央ステーションと、

(2)(a)第2のデータプロセッサと、(b)前記第2のデータプロセッサに対して作動可能に接続されて入力データを記憶するデータ記憶装置と、(c)前記試験受験者の身体的特徴データを生成する身体的特徴測定装置と、(d)試験問題データを表示するためのディスプレイと、(e)試験応答データを入力するための入力装置と、(f)試験の監督データを生成する記録装置と、(g)前記中央ステーションと通信し、前記中央ステーションから前記試験問題データを受け取り、試験受験者の身体的特徴データ、前記試験応答データ及び前記監督データを前記中央ステーションに送信する通信回路と、を備える遠隔試験ステーションと
から構成され、
前記身体的特徴測定装置、前記ディスプレイ、前記記録装置、及び前記通信回路は前記第2のデータプロセッサに対して作動可能に接合され、かつ該第2のデータプロセッサによって制御されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記監督データは前記試験のオーディオ/ビジュアルデータを備えることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記監督データは、(a)前記試験受験者の身体的特徴データの入力と、(b)前記試験応答データの入力と、からなるオーディオ・/ビジュアルな記録を含むことを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記監督データは前記試験受験者の静止写真を含むことを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
(a)登録者のデータを処理し、確認するための第3のデータプロセッサと、
(b)登録者のデータ及び続いて生成される確認済み試験登録データを確認するのに十分なデータを格納し、前記第3のデータプロセッサに対して作動可能に接続される登録格納装置と、
(c)登録者の身体的特徴データを入力して確認済み身体的特徴データを生成するための身体的特徴測定装置と、
(d)確認済み身体的特徴データを含む前記確認済み試験登録データを前記中央ステーションに送信して前記格納装置に格納するための通信手段と
を備える登録ステーションをさらに具備することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記登録ステーションと前記試験ステーションとは同一の場所にあることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記試験ステーションは、試験登録データの入力なしには入ることができない自己充足式ユニットであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
試験の監督データを生成する前記記録装置は、前記ユニットの内部に設けられたビデオカメラを含むことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
試験受験者が前記中央ステーションと通信できるようにするための専用回路をさらに備えることを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項10】
遠隔試験ステーションで行われ、遠隔的に監督される高機密性試験の運営を制御する方法であって、
(a)確認済み身体的特徴データを中央ステーションに格納するステップと、
(b)試験問題データを前記中央ステーションに格納するステップと、
(c)試験開始前に前記遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを入力するステップと、
(d)試験受験者の前記身体的特徴データを前記中央ステーションに送信し、受験者の前記身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較することにより、前記受験者の前記身体的特徴データを認証するステップと、
(e)前記中央ステーションからの試験問題データを前記遠隔試験ステーションで利用可能にするステップと、
(f)前記試験問題データに応答して入力された試験応答データを格納するステップと、
(g)前記試験のオーディオ/ビデオ監督データを記録し格納するステップと、
(h)前記試験を終了させるステップと、
(i)前記監督データについて無効事由がないことを確認することにより、前記試験の有効性を認証するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
固有の識別子を前記試験に対して割り当てるステップをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記(a)の確認済み身体的特徴データを格納するステップは、特定のテストに対して登録者に適格性を付与するステップと、身体的特徴データを記録するステップと、支払金を徴収するステップと、前記記録された身体的特徴データを前記中央ステーションに送信して前記確認済み身体的特徴データとして格納するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
登録データを含む登録カードを発行するステップをさらに具備することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記登録データが前記中央ステーションに送信されるまでは前記ステップ(c)は実行することができないことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記識別子及び前記登録データを含む前記試験の記録を印刷するステップをさらに具備することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ(e)は前記中央ステーションから前記遠隔試験ステーションまで前記試験データを送信するステップを具備することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(e)は、前記遠隔試験ステーションにおいて試験データのロックを解除するステップを具備することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(c)は、他の登録データを入力するステップをさらに備えることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項19】
前記ステップ(e)は、前記試験受験者の身体的特徴データが前記ステップ(d)において認証されるときのみ実行されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項20】
遠隔試験ステーションで行われ、遠隔的に監督される高機密性試験の運営を制御する方法であって、
(a)確認済み身体的特徴データを中央ステーションに格納するステップと、
(b)試験問題データを前記中央ステーションに格納するステップと、
(c)試験開始前に前記遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを入力するステップと、
(d)試験受験者の前記身体的特徴データを前記中央ステーションに送信し、受験者の前記身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較することにより、前記受験者の前記身体的特徴データを認証するステップと、
(e)前記中央ステーションからの試験問題データを前記遠隔試験ステーションに対して送信するステップと、
(f)前記試験問題データに応答して入力された試験応答データを格納するステップと、
(g)前記試験のオーディオ/ビデオ監督データを記録かつ格納し、前記監督データに対して識別子を割り当てるステップと、
(h)前記試験の間じゅう前記監督データについて無効事由の形跡がないかを確認するステップと、
(i)前記試験を終了させるステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項21】
固有の識別子を前記試験に対して割り当てるステップをさらに含むことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記(a)の確認済み身体的特徴データを格納するステップは、特定のテストに対して登録者に適格性を付与するステップと、身体的特徴データを記録するステップと、支払金を徴収するステップと、前記記録された身体的特徴データを前記中央ステーションに送信して前記確認済み身体的特徴データとして格納するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
登録データを含む登録カードを発行するステップをさらに具備することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記登録データが入力され前記中央ステーションに送信されるまでは前記ステップ(c)は実行されことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記識別子及び前記登録データを含む前記試験の記録を印刷するステップをさらに具備することを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(e)乃至(i)は、前記試験受験者の身体的特徴データが前記ステップ(d)において認証されるときのみ実行されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一つの通信チャネルによって中央ステーションに接続された遠隔試験ステーションで行われ、遠隔的に監督される高機密性試験の運営を制御するシステムにおいて、該システムは前記中央ステーション及び少なくとも一つの前記遠隔試験ステーションを備え、
前記中央ステーションは、
試験問題データ、確認済み身体的特徴データ、試験応答データ、及び監督データを含むデータを格納するための手段と、
前記遠隔試験ステーションで生成される試験受験者の身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較し、前記試験受験者の身体的特徴データが前記確認済み身体的特徴データと一致すると制御信号を生成するための手段と、

前記制御信号に呼応して前記試験問題データを前記遠隔試験ステーションにダウンロードするための手段と
を具備し、
少なくとも一つの前記遠隔試験ステーションは、
データを処理するための手段と、
前記中央ステーションの前記格納手段からダウンロードされる前記試験問題データを含むデータを格納するためのデータ格納手段と、
前記試験受験者の身体的特徴データを測定するための手段と、
試験に対応する前記試験応答データ及び前記監督データを記録するための手段と、
前記処理手段の制御のもと、前記中央ステーションと交信し、前記通信チャネルと作動可能に接続されて前記試験受験者の身体的特徴データを前記中央ステーションにアップロードし、前記試験受験者の身体的特徴データが前記確認済み身体的特徴データと一致するときに前記中央ステーションの前記格納手段から前記試験問題データをダウンロードし、前記試験問題データ及び前記監督データを前記中央ステーションの前記格納手段にアップロードするための手段と
を具備することを特徴とするシステム。
【請求項28】
前記監督データは前記試験のオーディオ/ビジュアルデータを備えることを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記試験受験者の身体的特徴データは指紋を備えることを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項30】
記録手段は前記試験受験者の身体的特徴データの生成を記録するための手段をさらに備えることを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項31】
中央ステーションから管理されるテストシステムを制御し、かつ、遠隔試験ステーションで遠隔的に監督される高機密性試験を提供するための方法であって、
確認済み身体的特徴データを前記中央ステーションに格納するステップと、
試験問題データを前記中央ステーションに格納するステップと、
試験開始の際に前記遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを生成するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記中央ステーションに提供するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データが前記確認済み身体的特徴データと一致するときには前記中央ステーションからの前記試験問題データを前記遠隔試験ステーションで利用可能にすることによって前記試験を継続するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、該方法は、
前記試験のオーディオ/ビジュアルの監督データを記録し格納するステップと、
前記試験を完結するステップと、
前記中央ステーションにおいて前記監督データについて無効事由がないかを検証することによって前記試験を認証するステップと
をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項33】
中央ステーションから管理されるテストシステムを制御し、かつ、遠隔試験ステーションで遠隔的に監督される高機密性試験を提供するための方法であって、
確認済み身体的特徴データを前記中央ステーションに格納するステップと、
試験問題データを前記中央ステーションに格納するステップと、
試験開始の際に前記遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを生成するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記中央ステーションに提供するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データが前記確認済み身体的特徴データと一致するときには前記遠隔試験ステーションに格納された前記試験問題データのロックを解除するための鍵データを送信することによって前記試験を継続するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、該方法は、
前記試験の監督データを生成するステップと、
前記中央ステーションにおいて前記監督データについて無効事由がないかを検証することによって前記試験を認証するステップと、
前記試験を完結するステップと、
認証されたテスト・レポートをただちに発行するステップと
をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項35】
中央ステーションから管理されるテストシステムを制御し、かつ、遠隔試験ステーションで遠隔的に監督される高機密性試験を提供するための方法であって、
確認済み身体的特徴データを前記中央ステーションに格納するステップと、
試験問題データを前記中央ステーション及び前記遠隔試験ステーションのうちの一つに格納するステップと、
試験開始の際に前記遠隔試験ステーションにおいて試験受験者の身体的特徴データを生成するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記中央ステーションに提供するステップと、
前記試験問題データを前記遠隔試験ステーションで利用可能にすることによって前記試験を完結できるようにするステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データを前記確認済み身体的特徴データと比較するステップと、
前記試験受験者の身体的特徴データが前記確認済み身体的特徴データと一致しないときには前記試験を無効にするステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、該方法は、
前記試験のオーディオ/ビジュアルの監督データを記録し格納するステップと、
前記試験を完結するステップと、
前記中央ステーションにおいて前記監督データについて無効事由がないかを検証することによって前記試験を認証するステップと
をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項37】
前記列挙されたあらゆるステップは、当該列挙された順で実行されることを特徴とする請求項35記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−9055(P2010−9055A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189596(P2009−189596)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【分割の表示】特願平10−539674の分割
【原出願日】平成10年3月10日(1998.3.10)
【出願人】(508093274)プロメトリック・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】