遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法
【課題】風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することを目的とする。
【解決手段】SCADA14は、風力発電装置12とSCADA16に備えられた端末並びにクライアント端末66との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44、並びに風力発電装置12と上記端末との間におけるデータ伝送の中継を本設スイッチングハブ42又は予備スイッチングハブ44に切り替えるネットワーク切替器46を備える。そして、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48によって、予備スイッチングハブ44を介して入力されるSCADA端末からの切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による切り替えが実行される。
【解決手段】SCADA14は、風力発電装置12とSCADA16に備えられた端末並びにクライアント端末66との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44、並びに風力発電装置12と上記端末との間におけるデータ伝送の中継を本設スイッチングハブ42又は予備スイッチングハブ44に切り替えるネットワーク切替器46を備える。そして、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48によって、予備スイッチングハブ44を介して入力されるSCADA端末からの切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による切り替えが実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の風力発電装置から構成されているウインドファームでは、風力発電装置の運転状態の監視を行う遠隔監視装置として、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が用いられている。
このようなウインドファームにおいて、SCADAと風力発電装置とは、通信回線(例えばEthernetをベースとした通信ネットワーク)によって接続されている。
【0003】
このような構成の一例として、特許文献1には、ウインドファームにSCADAマスターサーバが設けられ、通信ネットワークを介してリモートコントロールセンターに設けられたSCADAリモートクライアントが接続され、SCADAリモートクライアントがインターネット回線を介してワークステーションに接続されるシステムが記載されている。
【0004】
また、通信ネットワークに障害が生じると、データ伝送が困難となる場合がある。
通信回線に障害が発生した場合の対処方法として、特許文献2には、閉域IP網及びISDN交換機網という2系統の異なる種類の通信回線でPOS端末とホストシステムとの間を接続し、閉域IP網に障害が生じた場合にISDN交換機網に切り替える通信システムが記載されている。
【0005】
さらに、通信回線の障害に対応するために、風力発電装置内には通信ネットワークに接続するためのスイッチングハブが設置され、冗長化のために、ウインドファーム内でリングトポロジーを構成する場合がある。
そして、リングトポロジーを実現する風力発電装置側のスイッチングハブが不調、あるいは故障した場合、スイッチングハブの電源リセットを実施することによって、不調等を解消する場合がある。電源リセットによって、スイッチングハブを再起動するためには、第1の方法として、遠隔地である中央制御室の端末(情報処理装置)から対象の風力発電装置側のスイッチングハブに対し、ネットワーク経由でリセットコマンドを送信する方法があり、第2の方法として、風力発電装置にメンテナンス要員が出向き、スイッチングハブの電源を切入操作する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0135788号明細書
【特許文献2】特開2009−164758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の方法では、風力発電装置側のスイッチングハブが通信ネットワーク経由でコマンドを受信できない状態、つまり、通信ネットワークが確立していない状態(pingコマンドに対する応答がない状態)では、遠隔地からのコマンド送信による不調の解消はできない。一方、第2の方法では、複数の風力発電装置側のスイッチングハブが不調である場合、リング接続が機能しない状態も考えられ、数十台〜100台を越える風力発電装置から構成されているウインドファームでは、メンテナンス要員が駐在する事務所から当該風力発電装置までの移動に時間がかかり、復旧のための時間のロスが多大となる。特に、洋上に設置されたウインドファームでは、ヘリコプターや船によるメンテナンス要員の移動が必要となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法は以下の手段を採用する。
【0010】
すなわち、本発明に係る遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する遠隔監視装置であって、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブと、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブと、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段と、前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する第1制御手段と、を備える。
【0011】
本発明によれば、遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する。なお、遠隔監視装置に接続される風力発電装置は、一つであっても複数であってもよく、遠隔監視装置に接続される情報処理装置は、風力発電装置に対して遠隔地に設けられている。さらに、遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ及び予備スイッチングハブ、並びに風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、本設スイッチングハブ又は予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える。
【0012】
そして、予備スイッチングハブに接続されている第1制御手段によって、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、切替手段による切り替えが実行される。
【0013】
通常、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送は、本設スイッチングハブを介して行われる。なお、通常の場合でも、予備スイッチングハブの電源はオンとされている。
ここで、本設スイッチングハブが不調となり、本設スイッチングハブを介した風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送に不具合が生じた場合、遠隔地に設けられている情報処理装置が、本設スイッチングハブから予備スイッチングハブに切り替える切替信号を予備スイッチングハブへ送信する。予備スイッチングハブは、切替信号を第1制御手段に入力し、第1制御手段は、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を本設スイッチングハブから予備スイッチングハブに切り替えるように、切替手段を制御する。
【0014】
従って、本発明は、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる。
【0015】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記第1制御手段が、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行してもよい。
【0016】
本発明によれば、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、第1制御手段が本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行するので、本設スイッチングハブの電源リセットを遠隔地から行うことができる。
【0017】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記第1制御手段が、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記風力発電装置を制御する風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行してもよい。
【0018】
本発明によれば、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、第1制御手段が風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行するので、風車制御装置の電源リセットを遠隔地から行うことができる。
【0019】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記本設スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、前記本設スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行する第2制御手段を備えてもよい。
【0020】
本発明によれば、本設スイッチングハブに接続される第2制御手段によって、予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行するので、予備スイッチングハブの電源リセットを遠隔地から行うことができる。
これにより、本設スイッチングハブが正常に機能している状態において、予備スイッチングハブに不調が発見された場合に、電源リセットによる不調の解消を実行することができ、予備スイッチングハブを正常に保つことができる。
【0021】
また、本発明の遠隔監視装置は、風力発電装置を制御する風車制御装置から受信した前記風力発電装置の運転状態を示す運転データを、通信回線を介して遠隔地に設置された情報処理装置へ送信してもよい。
【0022】
本発明によれば、風力発電装置の運転データを遠隔地に設置された情報処理装置へ送信するので、メンテナンス要員は、風力発電装置へ出向くことなく、遠隔地において風力発電装置の運転データを収集すると共に、運転状態をリアルタイムで確認することができる。
【0023】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記本設スイッチングハブ及び前記予備スイッチングハブが、前記風力発電装置を操作するための可搬型の情報処理端末から送信された制御信号を前記風力発電装置へ送信するためのポートを設けられてもよい。
【0024】
本発明によれば、可搬型の情報処理端末からの風力発電装置の制御信号が、本設スイッチングハブ又は予備スイッチングハブを介して風力発電装置へ送信されるので、可搬型の情報処理端末を用いて遠隔地から、風力発電装置に対する各種メンテナンス等を行うことができる。
【0025】
一方、本発明に係る風力発電システムは、風力発電装置、及び上記記載の遠隔監視装置が洋上に設置され、前記第1制御手段は、陸上に設置された情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する。
【0026】
さらに、本発明に係る遠隔監視装置の制御方法は、風風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信するために、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブ、及び前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える遠隔監視装置の制御方法であって、前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る風力発電システムの通信構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る本設用スイッチングハブ及び予備スイッチングハブに接続されている機器の関係を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る運転データがSCADA端末に表示されない場合に行われる、電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る遠隔操作による電源リセットを行う場合にSCADA端末に表示される画面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって本設系統に異常が発見された場合に行われる、本設リモートI/Oに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって予備系統に異常が発見された場合に行われる、予備スイッチングハブに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって本設系統に異常が発見された場合に行われる、予備リモートI/Oに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】従来のHOTと風車制御装置との接続関係を示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う事由が発生した場合における処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う場合におけるHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う場合におけるHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「制御油システム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「ヨーシステム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「冷却システム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明に係る遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る風力発電システム10の通信構成を示すブロック図である。
図1に示されるようにウインドファームである風力発電システム10は、風力発電装置12、SCADA(機側装置)14、及びSCADA(中央操作室)16を備える。本実施形態に係る風力発電システム10は、一例として、風力発電装置12及びSCADA14が、洋上に設置される。一方、SCADA16が、風力発電装置12から電力が送電される陸上の変電所に設置される。また、SCADA14とSCADA16は、各々光成端箱20A,20Bを備え、光ケーブル22によって通信(一例としてEthernet)による通信)が可能とされている。
【0031】
なお、風力発電システム10をメンテナンスするメンテナンス要員は、一例として、SCADA16に常駐するが、SCADA16とは異なる他の場所に常駐していてもよい。
【0032】
そして、本実施形態に係る風力発電装置12は、SCADA14を介してSCADA16に備えられた情報処理装置(保守端末36C、保守端末36D)、クライアント端末66との間で各種データの送受信が行われ、SCADA16に備えられた保守端末並びにクライアント端末66によって各種制御が可能とされている。なお、各種データとは、風力発電装置12から送信される運転データ(トリップデータも含む)や、SCADA16に備えられた保守端末並びにクライアント端末66から送信される風力発電装置12を制御するための制御信号等である。
なお、保守端末36Dは、風力発電装置12のトリップデータの信号設定、制御用ソフトウェア変更、制御パラメータの収集や変更、後述する風車制御装置30の日付や時刻設定、風車制御装置内NVRAM(Non Volatile RAM:不揮発性RAM)が記憶しているデータの収集や変更、SCADA14よりも高速サンプリング可能な運転データの取得等が可能とされている。
【0033】
次に、風力発電装置12、SCADA14、及びSCADA16の各電気的構成について説明する。
【0034】
風力発電装置12は、風力発電装置12全体の制御を司る風車制御装置30をそのナセル内に備えている。
【0035】
風車制御装置30は、風力発電装置12を構成する各種機器から出力されるデータが入力され、風力発電装置12の運転状態を示す運転データを生成する。
風車制御装置30は、スイッチングハブ(SW−HUB)32Aと接続され、スイッチングハブ32Aには、リモートI/O34A及び保守端末36A、並びに風力発電装置12のタワー下に設けられたスイッチングハブ32Bが接続されている。
【0036】
なお、本実施形態で用いられている各スイッチングハブは、異なる伝送媒体を接続し、信号を相互に変換するためのメディアコンバータ(M/C)の機能も有している。また、以下の説明において、各機器間における通信規格(プロトコル等)は、特に言及しない限り、従来既知の何れの通信規格が用いられてもよい。
【0037】
スイッチングハブ32Bには、リモートI/O34B及び保守端末36B、並びにSCADA14に備えられるネットワーク切替器46(詳細は後述)が接続されている。
また、風車制御装置30は、メディアコンバータ38Aを介して、シリアル通信(例えばRS−232C)によってSCADA14と通信可能とされている。
【0038】
さらに、風車制御装置30には、コンバータ制御装置40が接続されている。コンバータ制御装置40は、風力発電装置12が備えている電力変換装置用の制御装置であり、コンバータ制御装置40においても運転データが生成される。
コンバータ制御装置40も、メディアコンバータ38Bを介して、シリアル通信(例えばRS−232C)によってSCADA14と通信可能とされている。
【0039】
SCADA14は、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44、並びに風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送の中継を、本設スイッチングハブ42又は予備スイッチングハブ44に切り替えるネットワーク切替器46を備える。
通常、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送は、本設スイッチングハブ42を介して行われる。なお、通常の場合でも、予備スイッチングハブ44の電源はオンとされている。
【0040】
そして、予備スイッチングハブ44には、予備リモートI/O48が接続されており、予備リモートI/O48によって、予備スイッチングハブ44を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からの切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による切り替えが実行される。なお、予備リモートI/O48は、予備スイッチングハブ44を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からのリセットコマンドに基づいて、本設スイッチングハブ42又は風車制御装置30に対する電源のオン及びオフも実行可能とされている。
【0041】
また、本設スイッチングハブ42には、本設リモートI/O50が接続されており、本設リモートI/O50は、予備スイッチングハブ44に対する電源のオン及びオフを、本設スイッチングハブ42を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からのリセットコマンドに基づいて実行可能とされている。
さらに、本設リモートI/O50には、本設系統(本設スイッチングハブ42と本設リモートI/O50とを含む伝送系統)と予備系統(予備スイッチングハブ44と予備リモートI/O48とを含む伝送系統)とのネットワーク状態の正常性を監視する自己診断機能が備えられている。自己診断機能は、例えば、本設系統又は予備系統を構成する機器に対して所定間隔で、所定信号を送信し、所定信号に対応した信号の返信の有無によってネットワーク状態の正常性を監視する。
【0042】
図2は、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44が備える各ポートに接続されている機器の関係を示したブロック図である。
【0043】
図2に示されるように、本設スイッチングハブ42は、電源スイッチ50Aを介して、予備スイッチングハブ44は、電源スイッチ50Bを介して、電源52から電力の供給を受ける。
そして、電源スイッチ50Aは、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48からのリセットコマンドに応じて、本設スイッチングハブ42への電力のオン及びオフを行う。一方、電源スイッチ50Bは、本設スイッチングハブ42に接続されている本設リモートI/O50からのリセットコマンドに応じて、予備スイッチングハブ44への電力のオン及びオフを行う。
【0044】
さらに、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bは、電源スイッチ50Cを介して電力の供給を受けるが、電源スイッチ50Cは、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48からのリセットコマンドに応じて、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bへの電力のオン及びオフを行う。
【0045】
また、図示は省略するが、予備リモートI/O48は、本設リモートI/O50の電源リセットが可能とされ、本設リモートI/O50は、予備リモートI/O48の電源リセットが可能とされている。
【0046】
そして、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、ネットワーク切替器46を介して各種機器が接続されている。
ネットワーク切替器46は、複数のEthernet切替器46A(Ethernet切替器46A−1〜Ethernet切替器46A−5)で構成されている。
【0047】
具体的には、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、Ethernet切替器46A−1を介し変換器54Aが接続され、Ethernet切替器46A−2を介してスイッチングハブ32Bが接続され、Ethernet切替器46A−3を介して本設リモートI/O50が接続され、Ethernet切替器46A−4を介してRTU(Remote Terminal Unit)56が接続され、Ethernet切替器46A−5を介して変換器54Bが接続されている。
【0048】
なお、変換器54Aは、シリアル通信(RS−232C)とEthernet通信とを変換し、メディアコンバータ38Aを介して風車制御装置30と接続される。
RTU56は、風力発電装置12から送信されてくる運転データを逐次記憶する。
変換器54Bは、メディアコンバータ38Bを介してコンバータ制御装置40と接続される。
【0049】
また、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、各々光成端箱20Aが接続され、光ケーブル22及び光成端箱20Bを介して、SCADA16に設置されたスイッチングハブ32Cと接続される。光ケーブル22は、一例として、本設系統及び予備系統毎に1組ずつ設けられているが、これに限らず、本設系統及び予備系統毎に2組以上でもよいし、本設系統及び予備系統とで分けなくてもよい。
【0050】
スイッチングハブ32Cの各ポートには、SCADA16に設置されている変換器54C、ネットワーク監視用端末60、WEBサーバー62、DBサーバー64、保守端末36C、保守端末36D、変換器54D、及びインターネット回線65を介してクライアント端末66が接続されている。
【0051】
変換器54C及び変換器54Dは、Ethernet通信とシリアル通信とを変換し、変換器54Cには、風力発電装置12を操作するための制御信号を、シリアル通信で風力発電装置12へ送信するための可搬型の情報処理端末であるHOT(Handy Operation Terminal)68が接続可能とされている。
【0052】
ネットワーク監視用端末60は、従来既知のネットワーク監視用のプロトコル(ソフトウェア)等を用いて、SCADA14,16、風力発電装置12で構成される通信ネットワークの正常性を監視する。
【0053】
DBサーバー64は、SCADA14を介して送信されてくる風力発電装置12の運転データを逐次記憶する。
【0054】
保守端末36C及びクライアント端末66は、SCADA14を介して送信されてくる運転データをWEBサーバー62経由でその画面に表示したり、SCADA14へコマンドを送信する端末(以下、「SCADA端末」という。)である。
【0055】
保守端末36Dは、保守端末36Cと同様にSCADA端末であるが、風力発電装置12へ制御信号を送信することによって、風力発電装置12の操作が可能とされている。すなわち、上述したHOT68と同様の機能を有している。なお、変換器54Dを介してシリアル通信で風力発電装置12に接続されていることから、コンバータ制御装置40から送信される運転データを逐次記憶することができる。
【0056】
次に、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送に不具合が生じた場合、すなわちSCADA16に設置されているSCADA端末である保守端末36Cや保守端末36Dに、SCADA14を介して送信される風力発電装置12の運転データが表示されない場合における、本実施形態に係る風力発電システム10の作用について、従来のSCADAと共に説明する。
【0057】
従来のSCADA、すなわち、予備スイッチングハブ44を備えていないSCADAでは、データ伝送の不具合が生じた場合であって、SCADAに備えられているスイッチングハブや風力発電装置12に備えられているスイッチングハブに不具合が発見された場合、風力発電装置12までメンテナンス要員が、駐在している場所(中央操作室)から遠隔地である風力発電装置12まで出向き、復旧の手段として、各スイッチングハブを電源リセットする必要があった。そして、電源リセットによっても不具合が解消されない場合に、故障したネットワーク機器の交換や修理を行っていた。
【0058】
一方、本実施形態に係る予備スイッチングハブ44を備えたSCADA14では、まず、SCADA端末である保守端末36C又は保守端末36Dをメンテナンス要員が操作することによって、切替コマンドをSCADA端末から予備スイッチングハブ44へ送信する。予備スイッチングハブ44は、切替コマンドを予備リモートI/O48へ出力する。
【0059】
予備リモートI/O48は予備スイッチングハブ44を介して入力される切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による伝送経路の切り替えを実行する。なお、切替コマンドには、データの伝送経路を本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替える予備切替コマンドと、データの伝送経路を予備スイッチングハブ44から本設スイッチングハブ42へ切り替える本設切替コマンドとがある。
すなわち、本設スイッチングハブ44に不調が生じた場合は、予備切替コマンドが、SCADA端末から予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力される。従って、データの伝送経路は、本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられ、本設スイッチングハブ42が不調となっても、データ伝送の不具合は解消される。
【0060】
これにより、本実施形態に係る風力発電システム10は、本設スイッチングハブ42の不調によるデータ伝送の不具合を、風力発電装置12までメンテナンス要員が出向くことなく、遠隔地から解消することができる。
【0061】
なお、その後、本設スイッチングハブ42の不調が解消された場合は、本設切替コマンドが、SCADA端末から予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力され、データの伝送経路が予備スイッチングハブ44から本設スイッチングハブ42へ戻される。
【0062】
次に、本実施形態に係る風力発電システム10において、風力発電装置12やSCADA14に備えられているネットワーク機器の電源リセットを行うことによって、データ伝送の不具合を解消する場合について説明する。
【0063】
図3は、本設系統の異常、つまり運転データがSCADA端末に表示されない場合、また、風車制御装置30の処理停止と想定される場合に行われる、電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、故障探求作業の一環として、後述するステップ104とステップ106の間で本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられている。
【0064】
まず、ステップ100では、本設スイッチングハブ42に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、本設スイッチングハブ42へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0065】
次のステップ102では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ104へ移行する。
【0066】
ステップ104では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、データ転送の不具合を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ106へ移行する。
【0067】
ステップ106では、本設スイッチングハブ42を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ本設スイッチングハブ42を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを電源スイッチ50Aへ送信し、電源スイッチ50Aに本設スイッチングハブ42の電源リセットを行わせる。
【0068】
この遠隔操作による電源リセットを行う場合にSCADA端末に表示される遠隔メンテナンス画面69を図4に示す。
図4に示される遠隔メンテナンス画面69には、遠隔操作による電源リセットを行うことができるネットワーク機器の一覧が表示され、メンテナンス要員は、電源リセットを行う対象となるネットワーク機器を選択(「リセット」のクリック)することによって、遠隔操作による電源リセットを行う。
なお、一覧として表示されているネットワーク機器のうち、「RTU」はRTU56を電源リセットすることを示し、「SW−HUB−3」は本設スイッチングハブ42の電源リセットを示し、「SW−HUB−4」は予備スイッチングハブ44の電源リセットを示し、「CNV−1」は変換器54Aの電源リセットを示し、「CNV−2」は変換器54Bの電源リセットを示し、「R−I/O−3」は本設リモートI/O50の電源リセットを示し、「R−I/O−4」は予備リモートI/O48の電源リセットを示し、ハードSSはハードウェアによるセーフティシステムの電源リセットを示し、「風車制御装置電源」は風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bの電源リセットを示す。
【0069】
なお、遠隔メンテナンス画面69によって、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44との切り替えが可能とされている。
【0070】
次のステップ108では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ110へ移行する。
【0071】
ステップ110では、風車制御装置30を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「風車制御装置電源」を選択することによって、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bの電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bを電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを電源スイッチ50Cへ送信し、電源スイッチ50Cに風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bの電源リセットを行わせる。
【0072】
次のステップ112では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ114へ移行する。
【0073】
ステップ114では、電源リセットによって、データ伝送の不具合が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0074】
以上のように、本実施形態に係る風力発電システム10では、機器の故障でない限り、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向くことなく、SCADA16からネットワーク機器の電源リセットを行うことができるため、データ伝送の不具合の解消に要する時間を短縮することができる。
【0075】
図5は、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設リモートI/O50に異常が発見された場合に行われる、本設リモートI/O50に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、異常の発見と共にメンテナンス要員によって本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられる。
【0076】
まず、ステップ200では、本設リモートI/O50に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0077】
次のステップ202では、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ204へ移行する。
【0078】
ステップ204では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、本設系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ206へ移行する。
【0079】
ステップ206では、本設リモートI/O50を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「R−I/O−3」を選択することによって、本設リモートI/O50の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ本設リモートI/O50を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを本設リモートI/O50に対応する電源スイッチ50Aへ送信し、該電源スイッチに本設リモートI/O50の電源リセットを行わせる。なお、本設リモートI/O50への電力は、電源52から電源スイッチ50A、電源スイッチ50Aから本設リモートI/O50の順で供給されている。
【0080】
次のステップ208では、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ210へ移行する。
【0081】
ステップ210では、電源リセットによって、本設系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0082】
図6は、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統に異常が発見された場合に行われる、予備スイッチングハブ44に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、本設スイッチングハブ42のままとされている。
【0083】
まず、ステップ300では、予備スイッチングハブ44に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、予備スイッチングハブ44へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0084】
次のステップ302では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ304へ移行する。
【0085】
ステップ304では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、予備系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ306へ移行する。
【0086】
ステップ306では、予備スイッチングハブ44を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「SW−HUB−4」を選択することによって、予備スイッチングハブ44の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へ予備スイッチングハブ44を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。本設リモートI/O50は、該リセットコマンドを予備スイッチングハブ44に対応する電源スイッチ50Bへ送信し、該電源スイッチ50Bに予備スイッチングハブ44の電源リセットを行わせる。
【0087】
次のステップ308では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ310へ移行する。
【0088】
ステップ310では、電源リセットによって、予備系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0089】
図7は、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48に異常が発見された場合に行われる、予備リモートI/O48に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、本設スイッチングハブ42のままとされている。
【0090】
まず、ステップ400では、予備リモートI/O48に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0091】
次のステップ402では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ404へ移行する。
【0092】
ステップ404では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、予備系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ406へ移行する。
【0093】
ステップ406では、予備リモートI/O48を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「R−I/O−4」を選択することによって、予備リモートI/O48の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へ予備リモートI/O48を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。本設リモートI/O50は、該リセットコマンドを予備リモートI/O48に対応する電源スイッチ50Bへ送信し、該電源スイッチに予備リモートI/O48の電源リセットを行わせる。
【0094】
次のステップ408では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ410へ移行する。
【0095】
ステップ410では、電源リセットによって、予備系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0096】
次に、本実施形態に係る風力発電システム10において、遠隔地であるSCADA16から、風力発電装置12をメンテナンス操作する場合について説明する。
【0097】
従来の風力発電システム10では、SCADAを介してSCADA16から風力発電装置12に対して、風力発電装置12の起動及び停止、並びに警報リセットの操作程度しか可能ではなかった。
そのため、風力発電装置12に対するメンテナンス操作を必要とする場合は、図8に示すように、メンテナンス要員がHOT68を携え、風力発電装置12まで出向き、RS−232Cによって制御盤70を介して風車制御装置30とHOT68とを接続し、HOT68によって制御信号を風車制御装置30へ送信することによって、風力発電装置12のメンテナンス操作を行っていた。
すなわち、従来の風力発電システム10では、メンテナンス操作の全てを風力発電装置12で行う必要があった。
【0098】
一方、本実施形態に係る風力発電システム10では、Ethernet通信とRS−232Cとを変換すると共に風車制御装置30又はコンバータ制御装置40に接続される変換器54A,54Bが、SCADA14の本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44のポートに接続されている。そして、SCADA16のスイッチングハブ32CのポートにEthernet通信とRS−232Cとを変換する変換器54C,54Dが接続されている。従って、本実施形態に係る風力発電システム10では、SCADA16の変換器54CにHOT68を接続することで、メンテナンス要員によるSCADA16から風力発電装置12のメンテナンス操作を可能としている。
【0099】
図9は、メンテナンス操作を行う事由が発生した場合における処理の流れを示している。なお、メンテナンス操作を行う事由が発生した場合とは、例えば、セーフティシステム作動時の遠隔リセットを行う場合、ケーブルツイストが発生したことによって、ヨーリミットスイッチが作動したため、ヨーリミットバイパスやヨー巻き戻しを行う場合、警報発生時に各種電磁弁やモーターの単独操作を行う場合、復旧に時間を要するトラブルが発生し、冷却系の補機を操作する場合等である。
【0100】
まず、ステップ500では、HOT68を変換器54Cへ接続する。
【0101】
次のステップ502では、HOT68を用いて風力発電装置12をメンテナンスモードへ移行させる。
図10は、HOT68に表示されるメニュー画面72の一例を示す。HOT68には、風速、風向、ナセル方向等の風力発電装置12の運転状態を示すデータが表示される。そして、HOT68には、「起動」、「停止」、「マニュアル」、「メンテナンス」等が表示され、「メンテナンス」と表示されたボタン74が押されることによって、風力発電装置12は、メンテナンスモードへ移行される。
【0102】
次のステップ504では、風力発電装置12が備える機器に対するメンテナンス操作を、HOT68を用いて行う。
【0103】
図11は、メンテナンス操作を行う場合におけるHOT68に表示されるメニュー画面74Aの一例を示す。図11に示されるように、メニュー画面74Aには、メンテナンス操作の対象となるシステム及び機器の一覧が表示され、ページ切替ボタン76が押されることによって、図12に示されるような他のメニュー画面74BへHOT68の画面が切り替わる。
そして、メンテナンス要員は、メニュー画面74A,74Bに表示されるボタンを押すことによって、メンテナンス対象となるシステム又は機器を選択し、HOT68の画面をメンテナンス操作画面へ切り替える。
メンテナンス操作画面には、メンテナンスを行うための各種操作ボタン等が表示され、該操作ボタンをクリック等することによって、風力発電装置12へ制御信号が送信される。
【0104】
図13は、図11に示される「制御油システム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Aであり、各種ポンプやバルブ等のオン及びオフ等が選択可能とされている。
図14は、図11に示される「ヨーシステム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Bであり、ヨーリミットバイパスのオン及びオフ、ナセルの旋回方向が操作可能とされている。
図15は、図11に示される「冷却システム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Cであり、ポンプやファン等のオン及びオフ等が選択可能とされている。
【0105】
なお、図12に示されるメニュー画面の「その他設定」には、トリップデータの信号設定、制御用ソフトウェア変更、制御パラメータの収集や変更、風車制御装置30の日付や時刻設定、風車制御装置内NVRAM(Non Volatile RAM:不揮発性RAM)が記憶しているデータの収集や変更等が含まれる。
【0106】
次のステップ506では、所定のメンテナンス操作が終了すると、メンテナンス要員は、メンテナンス操作を継続するか否か判断し、継続すると判断した場合は、ステップ504へ戻る一方、終了すると判断した場合は、ステップ508へ移行する。
【0107】
次のステップ508では、HOT68の変換器54Cへの接続を解除し、本処理を終了する。
【0108】
このように、本実施形態に係るSCADA14は、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44に、HOT68から送信された制御信号を風力発電装置12へ送信するためのポートが設けられているため、HOT68を用いて遠隔地から、風力発電装置12に対する各種メンテナンスを行うことができる。
また、保守端末36DもHOT68と同様の機能を有している。保守端末36Dは、変換器54Dが接続されているので、SCADA16から保守端末36Dを用いたコンバータ制御装置40のメンテナンス操作が可能とされている。
【0109】
なお、風車制御装置30及びコンバータ制御装置40の通信規格がシリアル通信でなく、Ethernet通信の場合は、変換器54A〜54Dを用いることなく、遠隔によるメンテナンス操作が可能となる。また、メンテナンス操作は、有線、無線、又は携帯電話を用いたインターネット回線65に接続されているクライアント端末66から行われてもよい。
【0110】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
例えば、上記実施形態では、風力発電装置12及びSCADA14が洋上に設置される形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、風力発電装置12及びSCADA14が陸上に設置される形態としてもよい。
【0112】
また、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44とのネットワーク切替器46による切り替えは、ネットワーク監視用端末60が本設系統の異常を発見した場合に、SCADA端末から自動的に切替コマンドが予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力されることによって行われてもよい。
【0113】
また、上記実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 風力発電システム
12 風力発電装置
14 SCADA
16 中央操作室
36D 保守端末
42 本設スイッチングハブ
44 予備スイッチングハブ
46 ネットワーク切替器
48 予備リモートI/O
50 本設リモートI/O
68 HOT
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の風力発電装置から構成されているウインドファームでは、風力発電装置の運転状態の監視を行う遠隔監視装置として、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が用いられている。
このようなウインドファームにおいて、SCADAと風力発電装置とは、通信回線(例えばEthernetをベースとした通信ネットワーク)によって接続されている。
【0003】
このような構成の一例として、特許文献1には、ウインドファームにSCADAマスターサーバが設けられ、通信ネットワークを介してリモートコントロールセンターに設けられたSCADAリモートクライアントが接続され、SCADAリモートクライアントがインターネット回線を介してワークステーションに接続されるシステムが記載されている。
【0004】
また、通信ネットワークに障害が生じると、データ伝送が困難となる場合がある。
通信回線に障害が発生した場合の対処方法として、特許文献2には、閉域IP網及びISDN交換機網という2系統の異なる種類の通信回線でPOS端末とホストシステムとの間を接続し、閉域IP網に障害が生じた場合にISDN交換機網に切り替える通信システムが記載されている。
【0005】
さらに、通信回線の障害に対応するために、風力発電装置内には通信ネットワークに接続するためのスイッチングハブが設置され、冗長化のために、ウインドファーム内でリングトポロジーを構成する場合がある。
そして、リングトポロジーを実現する風力発電装置側のスイッチングハブが不調、あるいは故障した場合、スイッチングハブの電源リセットを実施することによって、不調等を解消する場合がある。電源リセットによって、スイッチングハブを再起動するためには、第1の方法として、遠隔地である中央制御室の端末(情報処理装置)から対象の風力発電装置側のスイッチングハブに対し、ネットワーク経由でリセットコマンドを送信する方法があり、第2の方法として、風力発電装置にメンテナンス要員が出向き、スイッチングハブの電源を切入操作する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0135788号明細書
【特許文献2】特開2009−164758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の方法では、風力発電装置側のスイッチングハブが通信ネットワーク経由でコマンドを受信できない状態、つまり、通信ネットワークが確立していない状態(pingコマンドに対する応答がない状態)では、遠隔地からのコマンド送信による不調の解消はできない。一方、第2の方法では、複数の風力発電装置側のスイッチングハブが不調である場合、リング接続が機能しない状態も考えられ、数十台〜100台を越える風力発電装置から構成されているウインドファームでは、メンテナンス要員が駐在する事務所から当該風力発電装置までの移動に時間がかかり、復旧のための時間のロスが多大となる。特に、洋上に設置されたウインドファームでは、ヘリコプターや船によるメンテナンス要員の移動が必要となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法は以下の手段を採用する。
【0010】
すなわち、本発明に係る遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する遠隔監視装置であって、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブと、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブと、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段と、前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する第1制御手段と、を備える。
【0011】
本発明によれば、遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する。なお、遠隔監視装置に接続される風力発電装置は、一つであっても複数であってもよく、遠隔監視装置に接続される情報処理装置は、風力発電装置に対して遠隔地に設けられている。さらに、遠隔監視装置は、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ及び予備スイッチングハブ、並びに風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、本設スイッチングハブ又は予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える。
【0012】
そして、予備スイッチングハブに接続されている第1制御手段によって、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、切替手段による切り替えが実行される。
【0013】
通常、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送は、本設スイッチングハブを介して行われる。なお、通常の場合でも、予備スイッチングハブの電源はオンとされている。
ここで、本設スイッチングハブが不調となり、本設スイッチングハブを介した風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送に不具合が生じた場合、遠隔地に設けられている情報処理装置が、本設スイッチングハブから予備スイッチングハブに切り替える切替信号を予備スイッチングハブへ送信する。予備スイッチングハブは、切替信号を第1制御手段に入力し、第1制御手段は、風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を本設スイッチングハブから予備スイッチングハブに切り替えるように、切替手段を制御する。
【0014】
従って、本発明は、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる。
【0015】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記第1制御手段が、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行してもよい。
【0016】
本発明によれば、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、第1制御手段が本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行するので、本設スイッチングハブの電源リセットを遠隔地から行うことができる。
【0017】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記第1制御手段が、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記風力発電装置を制御する風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行してもよい。
【0018】
本発明によれば、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、第1制御手段が風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行するので、風車制御装置の電源リセットを遠隔地から行うことができる。
【0019】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記本設スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、前記本設スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行する第2制御手段を備えてもよい。
【0020】
本発明によれば、本設スイッチングハブに接続される第2制御手段によって、予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行するので、予備スイッチングハブの電源リセットを遠隔地から行うことができる。
これにより、本設スイッチングハブが正常に機能している状態において、予備スイッチングハブに不調が発見された場合に、電源リセットによる不調の解消を実行することができ、予備スイッチングハブを正常に保つことができる。
【0021】
また、本発明の遠隔監視装置は、風力発電装置を制御する風車制御装置から受信した前記風力発電装置の運転状態を示す運転データを、通信回線を介して遠隔地に設置された情報処理装置へ送信してもよい。
【0022】
本発明によれば、風力発電装置の運転データを遠隔地に設置された情報処理装置へ送信するので、メンテナンス要員は、風力発電装置へ出向くことなく、遠隔地において風力発電装置の運転データを収集すると共に、運転状態をリアルタイムで確認することができる。
【0023】
また、本発明の遠隔監視装置は、前記本設スイッチングハブ及び前記予備スイッチングハブが、前記風力発電装置を操作するための可搬型の情報処理端末から送信された制御信号を前記風力発電装置へ送信するためのポートを設けられてもよい。
【0024】
本発明によれば、可搬型の情報処理端末からの風力発電装置の制御信号が、本設スイッチングハブ又は予備スイッチングハブを介して風力発電装置へ送信されるので、可搬型の情報処理端末を用いて遠隔地から、風力発電装置に対する各種メンテナンス等を行うことができる。
【0025】
一方、本発明に係る風力発電システムは、風力発電装置、及び上記記載の遠隔監視装置が洋上に設置され、前記第1制御手段は、陸上に設置された情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する。
【0026】
さらに、本発明に係る遠隔監視装置の制御方法は、風風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信するために、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブ、及び前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える遠隔監視装置の制御方法であって、前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、風力発電装置側のスイッチングハブの不調によるデータ伝送の不具合を、遠隔地から解消することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る風力発電システムの通信構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る本設用スイッチングハブ及び予備スイッチングハブに接続されている機器の関係を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る運転データがSCADA端末に表示されない場合に行われる、電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る遠隔操作による電源リセットを行う場合にSCADA端末に表示される画面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって本設系統に異常が発見された場合に行われる、本設リモートI/Oに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって予備系統に異常が発見された場合に行われる、予備スイッチングハブに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る本設リモートI/Oの自己診断機能によって本設系統に異常が発見された場合に行われる、予備リモートI/Oに対する電源リセットの処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】従来のHOTと風車制御装置との接続関係を示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う事由が発生した場合における処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う場合におけるHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るメンテナンス操作を行う場合におけるHOTに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「制御油システム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「ヨーシステム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係るHOTに表示される「冷却システム」を押すことによって、HOTに表示されるメンテナンス操作画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明に係る遠隔監視装置、発電システム、及び遠隔監視装置の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る風力発電システム10の通信構成を示すブロック図である。
図1に示されるようにウインドファームである風力発電システム10は、風力発電装置12、SCADA(機側装置)14、及びSCADA(中央操作室)16を備える。本実施形態に係る風力発電システム10は、一例として、風力発電装置12及びSCADA14が、洋上に設置される。一方、SCADA16が、風力発電装置12から電力が送電される陸上の変電所に設置される。また、SCADA14とSCADA16は、各々光成端箱20A,20Bを備え、光ケーブル22によって通信(一例としてEthernet)による通信)が可能とされている。
【0031】
なお、風力発電システム10をメンテナンスするメンテナンス要員は、一例として、SCADA16に常駐するが、SCADA16とは異なる他の場所に常駐していてもよい。
【0032】
そして、本実施形態に係る風力発電装置12は、SCADA14を介してSCADA16に備えられた情報処理装置(保守端末36C、保守端末36D)、クライアント端末66との間で各種データの送受信が行われ、SCADA16に備えられた保守端末並びにクライアント端末66によって各種制御が可能とされている。なお、各種データとは、風力発電装置12から送信される運転データ(トリップデータも含む)や、SCADA16に備えられた保守端末並びにクライアント端末66から送信される風力発電装置12を制御するための制御信号等である。
なお、保守端末36Dは、風力発電装置12のトリップデータの信号設定、制御用ソフトウェア変更、制御パラメータの収集や変更、後述する風車制御装置30の日付や時刻設定、風車制御装置内NVRAM(Non Volatile RAM:不揮発性RAM)が記憶しているデータの収集や変更、SCADA14よりも高速サンプリング可能な運転データの取得等が可能とされている。
【0033】
次に、風力発電装置12、SCADA14、及びSCADA16の各電気的構成について説明する。
【0034】
風力発電装置12は、風力発電装置12全体の制御を司る風車制御装置30をそのナセル内に備えている。
【0035】
風車制御装置30は、風力発電装置12を構成する各種機器から出力されるデータが入力され、風力発電装置12の運転状態を示す運転データを生成する。
風車制御装置30は、スイッチングハブ(SW−HUB)32Aと接続され、スイッチングハブ32Aには、リモートI/O34A及び保守端末36A、並びに風力発電装置12のタワー下に設けられたスイッチングハブ32Bが接続されている。
【0036】
なお、本実施形態で用いられている各スイッチングハブは、異なる伝送媒体を接続し、信号を相互に変換するためのメディアコンバータ(M/C)の機能も有している。また、以下の説明において、各機器間における通信規格(プロトコル等)は、特に言及しない限り、従来既知の何れの通信規格が用いられてもよい。
【0037】
スイッチングハブ32Bには、リモートI/O34B及び保守端末36B、並びにSCADA14に備えられるネットワーク切替器46(詳細は後述)が接続されている。
また、風車制御装置30は、メディアコンバータ38Aを介して、シリアル通信(例えばRS−232C)によってSCADA14と通信可能とされている。
【0038】
さらに、風車制御装置30には、コンバータ制御装置40が接続されている。コンバータ制御装置40は、風力発電装置12が備えている電力変換装置用の制御装置であり、コンバータ制御装置40においても運転データが生成される。
コンバータ制御装置40も、メディアコンバータ38Bを介して、シリアル通信(例えばRS−232C)によってSCADA14と通信可能とされている。
【0039】
SCADA14は、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44、並びに風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送の中継を、本設スイッチングハブ42又は予備スイッチングハブ44に切り替えるネットワーク切替器46を備える。
通常、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送は、本設スイッチングハブ42を介して行われる。なお、通常の場合でも、予備スイッチングハブ44の電源はオンとされている。
【0040】
そして、予備スイッチングハブ44には、予備リモートI/O48が接続されており、予備リモートI/O48によって、予備スイッチングハブ44を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からの切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による切り替えが実行される。なお、予備リモートI/O48は、予備スイッチングハブ44を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からのリセットコマンドに基づいて、本設スイッチングハブ42又は風車制御装置30に対する電源のオン及びオフも実行可能とされている。
【0041】
また、本設スイッチングハブ42には、本設リモートI/O50が接続されており、本設リモートI/O50は、予備スイッチングハブ44に対する電源のオン及びオフを、本設スイッチングハブ42を介して入力される保守端末並びにクライアント端末66からのリセットコマンドに基づいて実行可能とされている。
さらに、本設リモートI/O50には、本設系統(本設スイッチングハブ42と本設リモートI/O50とを含む伝送系統)と予備系統(予備スイッチングハブ44と予備リモートI/O48とを含む伝送系統)とのネットワーク状態の正常性を監視する自己診断機能が備えられている。自己診断機能は、例えば、本設系統又は予備系統を構成する機器に対して所定間隔で、所定信号を送信し、所定信号に対応した信号の返信の有無によってネットワーク状態の正常性を監視する。
【0042】
図2は、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44が備える各ポートに接続されている機器の関係を示したブロック図である。
【0043】
図2に示されるように、本設スイッチングハブ42は、電源スイッチ50Aを介して、予備スイッチングハブ44は、電源スイッチ50Bを介して、電源52から電力の供給を受ける。
そして、電源スイッチ50Aは、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48からのリセットコマンドに応じて、本設スイッチングハブ42への電力のオン及びオフを行う。一方、電源スイッチ50Bは、本設スイッチングハブ42に接続されている本設リモートI/O50からのリセットコマンドに応じて、予備スイッチングハブ44への電力のオン及びオフを行う。
【0044】
さらに、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bは、電源スイッチ50Cを介して電力の供給を受けるが、電源スイッチ50Cは、予備スイッチングハブ44に接続されている予備リモートI/O48からのリセットコマンドに応じて、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bへの電力のオン及びオフを行う。
【0045】
また、図示は省略するが、予備リモートI/O48は、本設リモートI/O50の電源リセットが可能とされ、本設リモートI/O50は、予備リモートI/O48の電源リセットが可能とされている。
【0046】
そして、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、ネットワーク切替器46を介して各種機器が接続されている。
ネットワーク切替器46は、複数のEthernet切替器46A(Ethernet切替器46A−1〜Ethernet切替器46A−5)で構成されている。
【0047】
具体的には、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、Ethernet切替器46A−1を介し変換器54Aが接続され、Ethernet切替器46A−2を介してスイッチングハブ32Bが接続され、Ethernet切替器46A−3を介して本設リモートI/O50が接続され、Ethernet切替器46A−4を介してRTU(Remote Terminal Unit)56が接続され、Ethernet切替器46A−5を介して変換器54Bが接続されている。
【0048】
なお、変換器54Aは、シリアル通信(RS−232C)とEthernet通信とを変換し、メディアコンバータ38Aを介して風車制御装置30と接続される。
RTU56は、風力発電装置12から送信されてくる運転データを逐次記憶する。
変換器54Bは、メディアコンバータ38Bを介してコンバータ制御装置40と接続される。
【0049】
また、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44は、各々光成端箱20Aが接続され、光ケーブル22及び光成端箱20Bを介して、SCADA16に設置されたスイッチングハブ32Cと接続される。光ケーブル22は、一例として、本設系統及び予備系統毎に1組ずつ設けられているが、これに限らず、本設系統及び予備系統毎に2組以上でもよいし、本設系統及び予備系統とで分けなくてもよい。
【0050】
スイッチングハブ32Cの各ポートには、SCADA16に設置されている変換器54C、ネットワーク監視用端末60、WEBサーバー62、DBサーバー64、保守端末36C、保守端末36D、変換器54D、及びインターネット回線65を介してクライアント端末66が接続されている。
【0051】
変換器54C及び変換器54Dは、Ethernet通信とシリアル通信とを変換し、変換器54Cには、風力発電装置12を操作するための制御信号を、シリアル通信で風力発電装置12へ送信するための可搬型の情報処理端末であるHOT(Handy Operation Terminal)68が接続可能とされている。
【0052】
ネットワーク監視用端末60は、従来既知のネットワーク監視用のプロトコル(ソフトウェア)等を用いて、SCADA14,16、風力発電装置12で構成される通信ネットワークの正常性を監視する。
【0053】
DBサーバー64は、SCADA14を介して送信されてくる風力発電装置12の運転データを逐次記憶する。
【0054】
保守端末36C及びクライアント端末66は、SCADA14を介して送信されてくる運転データをWEBサーバー62経由でその画面に表示したり、SCADA14へコマンドを送信する端末(以下、「SCADA端末」という。)である。
【0055】
保守端末36Dは、保守端末36Cと同様にSCADA端末であるが、風力発電装置12へ制御信号を送信することによって、風力発電装置12の操作が可能とされている。すなわち、上述したHOT68と同様の機能を有している。なお、変換器54Dを介してシリアル通信で風力発電装置12に接続されていることから、コンバータ制御装置40から送信される運転データを逐次記憶することができる。
【0056】
次に、風力発電装置12とSCADA16が備える端末との間におけるデータ伝送に不具合が生じた場合、すなわちSCADA16に設置されているSCADA端末である保守端末36Cや保守端末36Dに、SCADA14を介して送信される風力発電装置12の運転データが表示されない場合における、本実施形態に係る風力発電システム10の作用について、従来のSCADAと共に説明する。
【0057】
従来のSCADA、すなわち、予備スイッチングハブ44を備えていないSCADAでは、データ伝送の不具合が生じた場合であって、SCADAに備えられているスイッチングハブや風力発電装置12に備えられているスイッチングハブに不具合が発見された場合、風力発電装置12までメンテナンス要員が、駐在している場所(中央操作室)から遠隔地である風力発電装置12まで出向き、復旧の手段として、各スイッチングハブを電源リセットする必要があった。そして、電源リセットによっても不具合が解消されない場合に、故障したネットワーク機器の交換や修理を行っていた。
【0058】
一方、本実施形態に係る予備スイッチングハブ44を備えたSCADA14では、まず、SCADA端末である保守端末36C又は保守端末36Dをメンテナンス要員が操作することによって、切替コマンドをSCADA端末から予備スイッチングハブ44へ送信する。予備スイッチングハブ44は、切替コマンドを予備リモートI/O48へ出力する。
【0059】
予備リモートI/O48は予備スイッチングハブ44を介して入力される切替コマンドに基づいて、ネットワーク切替器46による伝送経路の切り替えを実行する。なお、切替コマンドには、データの伝送経路を本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替える予備切替コマンドと、データの伝送経路を予備スイッチングハブ44から本設スイッチングハブ42へ切り替える本設切替コマンドとがある。
すなわち、本設スイッチングハブ44に不調が生じた場合は、予備切替コマンドが、SCADA端末から予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力される。従って、データの伝送経路は、本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられ、本設スイッチングハブ42が不調となっても、データ伝送の不具合は解消される。
【0060】
これにより、本実施形態に係る風力発電システム10は、本設スイッチングハブ42の不調によるデータ伝送の不具合を、風力発電装置12までメンテナンス要員が出向くことなく、遠隔地から解消することができる。
【0061】
なお、その後、本設スイッチングハブ42の不調が解消された場合は、本設切替コマンドが、SCADA端末から予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力され、データの伝送経路が予備スイッチングハブ44から本設スイッチングハブ42へ戻される。
【0062】
次に、本実施形態に係る風力発電システム10において、風力発電装置12やSCADA14に備えられているネットワーク機器の電源リセットを行うことによって、データ伝送の不具合を解消する場合について説明する。
【0063】
図3は、本設系統の異常、つまり運転データがSCADA端末に表示されない場合、また、風車制御装置30の処理停止と想定される場合に行われる、電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、故障探求作業の一環として、後述するステップ104とステップ106の間で本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられている。
【0064】
まず、ステップ100では、本設スイッチングハブ42に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、本設スイッチングハブ42へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0065】
次のステップ102では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ104へ移行する。
【0066】
ステップ104では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、データ転送の不具合を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ106へ移行する。
【0067】
ステップ106では、本設スイッチングハブ42を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ本設スイッチングハブ42を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを電源スイッチ50Aへ送信し、電源スイッチ50Aに本設スイッチングハブ42の電源リセットを行わせる。
【0068】
この遠隔操作による電源リセットを行う場合にSCADA端末に表示される遠隔メンテナンス画面69を図4に示す。
図4に示される遠隔メンテナンス画面69には、遠隔操作による電源リセットを行うことができるネットワーク機器の一覧が表示され、メンテナンス要員は、電源リセットを行う対象となるネットワーク機器を選択(「リセット」のクリック)することによって、遠隔操作による電源リセットを行う。
なお、一覧として表示されているネットワーク機器のうち、「RTU」はRTU56を電源リセットすることを示し、「SW−HUB−3」は本設スイッチングハブ42の電源リセットを示し、「SW−HUB−4」は予備スイッチングハブ44の電源リセットを示し、「CNV−1」は変換器54Aの電源リセットを示し、「CNV−2」は変換器54Bの電源リセットを示し、「R−I/O−3」は本設リモートI/O50の電源リセットを示し、「R−I/O−4」は予備リモートI/O48の電源リセットを示し、ハードSSはハードウェアによるセーフティシステムの電源リセットを示し、「風車制御装置電源」は風車制御装置30、スイッチングハブ32A、スイッチングハブ32B、及びリモートI/O34Bの電源リセットを示す。
【0069】
なお、遠隔メンテナンス画面69によって、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44との切り替えが可能とされている。
【0070】
次のステップ108では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ110へ移行する。
【0071】
ステップ110では、風車制御装置30を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「風車制御装置電源」を選択することによって、風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bの電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bを電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを電源スイッチ50Cへ送信し、電源スイッチ50Cに風車制御装置30、スイッチングハブ32A、及びスイッチングハブ32Bの電源リセットを行わせる。
【0072】
次のステップ112では、SCADA端末に風力発電装置12からSCADA14を介して送信されてくる運転データが表示されるか否かを、メンテナンス要員、又は、ネットワーク監視用端末60が判断する。表示される場合は、データ転送の不具合が解消したため本処理を終了する一方、表示されない場合は、ステップ114へ移行する。
【0073】
ステップ114では、電源リセットによって、データ伝送の不具合が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0074】
以上のように、本実施形態に係る風力発電システム10では、機器の故障でない限り、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向くことなく、SCADA16からネットワーク機器の電源リセットを行うことができるため、データ伝送の不具合の解消に要する時間を短縮することができる。
【0075】
図5は、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設リモートI/O50に異常が発見された場合に行われる、本設リモートI/O50に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、異常の発見と共にメンテナンス要員によって本設スイッチングハブ42から予備スイッチングハブ44へ切り替えられる。
【0076】
まず、ステップ200では、本設リモートI/O50に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0077】
次のステップ202では、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ204へ移行する。
【0078】
ステップ204では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、本設系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ206へ移行する。
【0079】
ステップ206では、本設リモートI/O50を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「R−I/O−3」を選択することによって、本設リモートI/O50の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ本設リモートI/O50を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。予備リモートI/O48は、該リセットコマンドを本設リモートI/O50に対応する電源スイッチ50Aへ送信し、該電源スイッチに本設リモートI/O50の電源リセットを行わせる。なお、本設リモートI/O50への電力は、電源52から電源スイッチ50A、電源スイッチ50Aから本設リモートI/O50の順で供給されている。
【0080】
次のステップ208では、本設リモートI/O50の自己診断機能によって本設系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ210へ移行する。
【0081】
ステップ210では、電源リセットによって、本設系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0082】
図6は、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統に異常が発見された場合に行われる、予備スイッチングハブ44に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、本設スイッチングハブ42のままとされている。
【0083】
まず、ステップ300では、予備スイッチングハブ44に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、予備スイッチングハブ44へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0084】
次のステップ302では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ304へ移行する。
【0085】
ステップ304では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、予備系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ306へ移行する。
【0086】
ステップ306では、予備スイッチングハブ44を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「SW−HUB−4」を選択することによって、予備スイッチングハブ44の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へ予備スイッチングハブ44を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。本設リモートI/O50は、該リセットコマンドを予備スイッチングハブ44に対応する電源スイッチ50Bへ送信し、該電源スイッチ50Bに予備スイッチングハブ44の電源リセットを行わせる。
【0087】
次のステップ308では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備系統の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ310へ移行する。
【0088】
ステップ310では、電源リセットによって、予備系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0089】
図7は、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48に異常が発見された場合に行われる、予備リモートI/O48に対する電源リセットの処理の流れを示している。この場合におけるデータの伝送経路は、本設スイッチングハブ42のままとされている。
【0090】
まず、ステップ400では、予備リモートI/O48に対して電源リセットを行う。この電源リセットは、SCADA端末からのリモートコマンドにより、予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へリセットコマンドを送信することによって行われる。
【0091】
次のステップ402では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ404へ移行する。
【0092】
ステップ404では、SCADA14を介した風力発電装置12とSCADA端末との間の通信経路、ケーブル、電源、スイッチングハブ等に異常がないか否かを、ネットワーク監視用端末60等を用いて、メンテナンス要員が判断する。異常が無い場合は、本処理を終了し、他の原因(SCADA端末の故障等)を解消させることによって、予備系統の異常を解消させる一方、異常がある場合は、ステップ406へ移行する。
【0093】
ステップ406では、予備リモートI/O48を遠隔操作によって電源リセットする。すなわち、メンテナンス要員が、図4に示される遠隔メンテナンス画面69における「R−I/O−4」を選択することによって、予備リモートI/O48の電源リセットを行う。これにより、SCADA端末から、本設スイッチングハブ42を介して本設リモートI/O50へ予備リモートI/O48を電源リセットするためのリセットコマンドが送信される。本設リモートI/O50は、該リセットコマンドを予備リモートI/O48に対応する電源スイッチ50Bへ送信し、該電源スイッチに予備リモートI/O48の電源リセットを行わせる。
【0094】
次のステップ408では、ネットワーク監視用端末60の診断機能によって予備リモートI/O48の異常が解消されたか否かを判定し、解消された場合は本処理を終了する一方、解消されない場合はステップ410へ移行する。
【0095】
ステップ410では、電源リセットによって、予備系統の異常が解消されないため、メンテナンス要員が風力発電装置12及びSCADA14まで出向き、ネットワーク機器の故障修理を行い、本処理を終了する。なお、風力発電装置12及びSCADA14へ出向くのは、次のメンテナンス時でもよい。
【0096】
次に、本実施形態に係る風力発電システム10において、遠隔地であるSCADA16から、風力発電装置12をメンテナンス操作する場合について説明する。
【0097】
従来の風力発電システム10では、SCADAを介してSCADA16から風力発電装置12に対して、風力発電装置12の起動及び停止、並びに警報リセットの操作程度しか可能ではなかった。
そのため、風力発電装置12に対するメンテナンス操作を必要とする場合は、図8に示すように、メンテナンス要員がHOT68を携え、風力発電装置12まで出向き、RS−232Cによって制御盤70を介して風車制御装置30とHOT68とを接続し、HOT68によって制御信号を風車制御装置30へ送信することによって、風力発電装置12のメンテナンス操作を行っていた。
すなわち、従来の風力発電システム10では、メンテナンス操作の全てを風力発電装置12で行う必要があった。
【0098】
一方、本実施形態に係る風力発電システム10では、Ethernet通信とRS−232Cとを変換すると共に風車制御装置30又はコンバータ制御装置40に接続される変換器54A,54Bが、SCADA14の本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44のポートに接続されている。そして、SCADA16のスイッチングハブ32CのポートにEthernet通信とRS−232Cとを変換する変換器54C,54Dが接続されている。従って、本実施形態に係る風力発電システム10では、SCADA16の変換器54CにHOT68を接続することで、メンテナンス要員によるSCADA16から風力発電装置12のメンテナンス操作を可能としている。
【0099】
図9は、メンテナンス操作を行う事由が発生した場合における処理の流れを示している。なお、メンテナンス操作を行う事由が発生した場合とは、例えば、セーフティシステム作動時の遠隔リセットを行う場合、ケーブルツイストが発生したことによって、ヨーリミットスイッチが作動したため、ヨーリミットバイパスやヨー巻き戻しを行う場合、警報発生時に各種電磁弁やモーターの単独操作を行う場合、復旧に時間を要するトラブルが発生し、冷却系の補機を操作する場合等である。
【0100】
まず、ステップ500では、HOT68を変換器54Cへ接続する。
【0101】
次のステップ502では、HOT68を用いて風力発電装置12をメンテナンスモードへ移行させる。
図10は、HOT68に表示されるメニュー画面72の一例を示す。HOT68には、風速、風向、ナセル方向等の風力発電装置12の運転状態を示すデータが表示される。そして、HOT68には、「起動」、「停止」、「マニュアル」、「メンテナンス」等が表示され、「メンテナンス」と表示されたボタン74が押されることによって、風力発電装置12は、メンテナンスモードへ移行される。
【0102】
次のステップ504では、風力発電装置12が備える機器に対するメンテナンス操作を、HOT68を用いて行う。
【0103】
図11は、メンテナンス操作を行う場合におけるHOT68に表示されるメニュー画面74Aの一例を示す。図11に示されるように、メニュー画面74Aには、メンテナンス操作の対象となるシステム及び機器の一覧が表示され、ページ切替ボタン76が押されることによって、図12に示されるような他のメニュー画面74BへHOT68の画面が切り替わる。
そして、メンテナンス要員は、メニュー画面74A,74Bに表示されるボタンを押すことによって、メンテナンス対象となるシステム又は機器を選択し、HOT68の画面をメンテナンス操作画面へ切り替える。
メンテナンス操作画面には、メンテナンスを行うための各種操作ボタン等が表示され、該操作ボタンをクリック等することによって、風力発電装置12へ制御信号が送信される。
【0104】
図13は、図11に示される「制御油システム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Aであり、各種ポンプやバルブ等のオン及びオフ等が選択可能とされている。
図14は、図11に示される「ヨーシステム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Bであり、ヨーリミットバイパスのオン及びオフ、ナセルの旋回方向が操作可能とされている。
図15は、図11に示される「冷却システム」を押すことによって、HOT68に表示されるメンテナンス操作画面78Cであり、ポンプやファン等のオン及びオフ等が選択可能とされている。
【0105】
なお、図12に示されるメニュー画面の「その他設定」には、トリップデータの信号設定、制御用ソフトウェア変更、制御パラメータの収集や変更、風車制御装置30の日付や時刻設定、風車制御装置内NVRAM(Non Volatile RAM:不揮発性RAM)が記憶しているデータの収集や変更等が含まれる。
【0106】
次のステップ506では、所定のメンテナンス操作が終了すると、メンテナンス要員は、メンテナンス操作を継続するか否か判断し、継続すると判断した場合は、ステップ504へ戻る一方、終了すると判断した場合は、ステップ508へ移行する。
【0107】
次のステップ508では、HOT68の変換器54Cへの接続を解除し、本処理を終了する。
【0108】
このように、本実施形態に係るSCADA14は、本設スイッチングハブ42及び予備スイッチングハブ44に、HOT68から送信された制御信号を風力発電装置12へ送信するためのポートが設けられているため、HOT68を用いて遠隔地から、風力発電装置12に対する各種メンテナンスを行うことができる。
また、保守端末36DもHOT68と同様の機能を有している。保守端末36Dは、変換器54Dが接続されているので、SCADA16から保守端末36Dを用いたコンバータ制御装置40のメンテナンス操作が可能とされている。
【0109】
なお、風車制御装置30及びコンバータ制御装置40の通信規格がシリアル通信でなく、Ethernet通信の場合は、変換器54A〜54Dを用いることなく、遠隔によるメンテナンス操作が可能となる。また、メンテナンス操作は、有線、無線、又は携帯電話を用いたインターネット回線65に接続されているクライアント端末66から行われてもよい。
【0110】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
例えば、上記実施形態では、風力発電装置12及びSCADA14が洋上に設置される形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、風力発電装置12及びSCADA14が陸上に設置される形態としてもよい。
【0112】
また、本設スイッチングハブ42と予備スイッチングハブ44とのネットワーク切替器46による切り替えは、ネットワーク監視用端末60が本設系統の異常を発見した場合に、SCADA端末から自動的に切替コマンドが予備スイッチングハブ44を介して予備リモートI/O48へ入力されることによって行われてもよい。
【0113】
また、上記実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 風力発電システム
12 風力発電装置
14 SCADA
16 中央操作室
36D 保守端末
42 本設スイッチングハブ
44 予備スイッチングハブ
46 ネットワーク切替器
48 予備リモートI/O
50 本設リモートI/O
68 HOT
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する遠隔監視装置であって、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブと、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブと、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段と、
前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する第1制御手段と、
を備えた遠隔監視装置。
【請求項2】
前記第1制御手段は、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項3】
前記第1制御手段は、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記風力発電装置を制御する風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項4】
前記本設スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、前記本設スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行する第2制御手段を備えた請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項5】
風力発電装置を制御する風車制御装置から受信した前記風力発電装置の運転状態を示す運転データを、通信回線を介して遠隔地に設置された情報処理装置へ送信する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項6】
前記本設スイッチングハブ及び前記予備スイッチングハブは、前記風力発電装置を操作するための可搬型の情報処理端末から送信された制御信号を前記風力発電装置へ送信するためのポートが設けられている請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項7】
風力発電装置、及び請求項1記載の遠隔監視装置が洋上に設置され、
前記第1制御手段は、陸上に設置された情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する風力発電システム。
【請求項8】
風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信するために、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブ、及び前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える遠隔監視装置の制御方法であって、
前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する遠隔監視装置の制御方法。
【請求項1】
風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信する遠隔監視装置であって、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブと、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブと、
前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段と、
前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する第1制御手段と、
を備えた遠隔監視装置。
【請求項2】
前記第1制御手段は、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記本設スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを実行する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項3】
前記第1制御手段は、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて、前記風力発電装置を制御する風車制御装置に対する電源のオン及びオフを実行する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項4】
前記本設スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブに対する電源のオン及びオフを、前記本設スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からのリセット信号に基づいて実行する第2制御手段を備えた請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項5】
風力発電装置を制御する風車制御装置から受信した前記風力発電装置の運転状態を示す運転データを、通信回線を介して遠隔地に設置された情報処理装置へ送信する請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項6】
前記本設スイッチングハブ及び前記予備スイッチングハブは、前記風力発電装置を操作するための可搬型の情報処理端末から送信された制御信号を前記風力発電装置へ送信するためのポートが設けられている請求項1記載の遠隔監視装置。
【請求項7】
風力発電装置、及び請求項1記載の遠隔監視装置が洋上に設置され、
前記第1制御手段は、陸上に設置された情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する風力発電システム。
【請求項8】
風力発電装置と情報処理装置との間でデータを送受信するために、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う本設スイッチングハブ、前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を行う予備スイッチングハブ、及び前記風力発電装置と情報処理装置との間におけるデータ伝送の中継を、前記本設スイッチングハブ又は前記予備スイッチングハブに切り替える切替手段を備える遠隔監視装置の制御方法であって、
前記予備スイッチングハブに接続されると共に、前記予備スイッチングハブを介して入力される情報処理装置からの切替信号に基づいて、前記切替手段による切り替えを実行する遠隔監視装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−5417(P2013−5417A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138031(P2011−138031)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 風力等自然エネルギー技術研究開発、洋上風力発電等技術研究開発、洋上風力発電システム実証研究の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 風力等自然エネルギー技術研究開発、洋上風力発電等技術研究開発、洋上風力発電システム実証研究の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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