説明

遮光幕及び光照射装置

【課題】本発明は、被照射体の照射部位を装置本体に挿入し、非照射部位が挿入口に跨って装置本体の外部に出ている状態で照射部位に光を照射する場合であっても、挿入口から装置本体の外部に漏れ出る光を抑制することができる遮光幕及び光照射装置を得る。
【解決手段】本発明の遮光幕16は、挿入口8を閉塞するように設けられる遮光幕本体21を備え、該遮光幕本体21は、照射部位Aが挿入口8から装置本体7の内部に挿入されることを許容する挿入部23と、照射部位Aが装置本体7の内部に挿入されて照射される光を装置本体7の外部に漏れないように遮る遮光部24と、を備え、遮光部24は、複数に分割されており、挿入部23から挿入される非照射部位Bの上部B1に接触する第1の遮光部25と、当該非照射部位Bの側部B2に接触する第2の遮光部26と、を有するという構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射治療・予防装置などの光照射装置の挿入口に設けられる遮光幕及び該遮光幕を備えた光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光照射装置は、光を照射して疾患の罹患を予防し又は罹患時の当該疾患の症状を軽減する光照射治療・予防装置などとして利用されている。光照射装置は、使用者の手先部位(手のひらや手の甲など)などの被照射体の照射部位に光を放射する光源と、照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、を備えている(特許文献1又は2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3151698号公報
【特許文献2】登録実用新案第3043166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この光照射装置は、照射部位のみに光を照射する。つまり、被照射体は、照射部位を装置本体に挿入し、照射部位が挿入口から装置本体の内部に挿入されているときに挿入口に位置する被照射体の非照射部位が挿入口に跨って装置本体の外部に出ている状態で当該照射部位への光の照射を受ける。挿入口は、非照射部位の形状に合わせて構成されていない。特に、非照射部位の形状は、その光照射装置を使用する被照射体によって異なる。よって、挿入口と非照射部位との間には、隙間が形成される。光照射部の内部で照射部位に向けて照射された光の一部は、当該照射部位から反射して、この隙間から装置本体の外部に漏れ出ることがある。この光は、使用者の目をくらまし、時に不快感をも与えてしまうことがある。
【0005】
従って、本発明は、かかる事情に鑑み、被照射体の照射部位を装置本体に挿入し、被照射体の非照射部位が挿入口に跨って装置本体の外部に出ている状態で当該照射部位に光を照射する場合であっても、挿入口から装置本体の外部に漏れ出る光を抑制することができる遮光幕及び光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遮光幕は、光源と、被照射体の照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、を備える光照射装置から照射される光を挿入口から装置本体の外部に漏れないように遮光する遮光幕であって、挿入口を閉塞するように設けられる遮光幕本体を備え、該遮光幕本体は、照射部位が挿入口から装置本体の内部に挿入されることを許容する挿入部と、照射部位が挿入部を介して装置本体の内部に挿入されて照射される光を装置本体の外部に漏れないように遮る遮光部と、を備え、遮光部は、複数に分割されており、照射部位が挿入部から装置本体の内部に挿入されたときに挿入部に位置する被照射体の非照射部位の上部に接触する第1の遮光部と、当該非照射部位の側部に接触する第2の遮光部と、を有するという構成を有している。
【0007】
かかる構成によれば、挿入口から装置本体の内部に照射部位が挿入されるとき、照射部位は、遮光幕本体の挿入部から装置本体の内部に挿入される。そして、挿入口では、非照射部位が遮光幕本体の挿入部に跨った状態にある。遮光幕本体の挿入部と非照射部位の上部との間は、第1の遮光部が非照射部位の上部と接触することにより塞がれている。遮光幕本体の挿入部と非照射部位の側部との間は、第2の遮光部が非照射部位の側部と接触することにより塞がれている。すなわち、挿入口は、非照射部位と遮光幕とによって塞がれており、装置本体の内部で照射された光が装置本体の外部に漏れ出るのを抑制することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明において、挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、第2の遮光部は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第1の縁部を備えることが好ましい。
【0009】
かかる構成によれば、遮光幕は、第2の遮光部の第1の縁部が非照射部位の上面と側面との間の形状に沿って接触することにより、挿入口と非照射部位の上面及び側面との間に形成される隙間もより確実に塞ぐことができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明において、第2の遮光部は、前記切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第2の縁部を備えることが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、遮光幕は、第2の遮光部の第2の縁部が非照射部位の下面と側面との間の形状に沿って接触することにより、挿入口と非照射部位の下面及び側面との間に形成される隙間もより確実に塞ぐことができる。
【0012】
また、請求項4記載の発明において、遮光部は、遮光幕本体の水平方向に第2の遮光部と隣接するようにして配設される第3の遮光部を有することが好ましい。
【0013】
かかる構成によれば、遮光幕は、遮光幕本体の水平方向における被照射体の非照射部位の長さに応じて、第2の遮光部及び第3の遮光部のいずれか一方を非照射部位の側部に接触させることができる。すなわち、遮光幕は、遮光幕本体の水平方向における被照射体の非照射部位の長さに関係なく、挿入口と非照射部位との隙間を塞ぐことができる。
【0014】
また、請求項5記載の発明において、挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、第2の遮光部は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように第1の切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第1の縁部と、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第2の縁部と、を備え、且つ、第2の遮光部が遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第1の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように第2の切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第3の縁部と、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第4の縁部と、を備え、第1の縁部と第2の縁部との長さの和と、第3の縁部と第4の縁部との長さの和と、が異なるように形成されることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、遮光幕は、遮光幕本体の鉛直方向における被照射体の非照射部位の長さに応じて、「第1の縁部及び第2の縁部」、又は、「第3の縁部と第4の縁部」を非照射部位の側部に接触させることができる。すなわち、遮光幕は、遮光幕本体の鉛直方向における被照射体の非照射部位の長さに関係なく、挿入口と非照射部位との隙間を塞ぐことができる。
【0016】
また、請求項6記載の発明において、遮光部は、遮光幕本体の水平方向に第2の遮光部と隣接するようにして配設される第3の遮光部を有し、挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、遮光幕本体は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第1の切り込みと、第2の遮光部を遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第1の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第2の切り込みと、第3の遮光部を遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第2の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第3の切り込みと、を備え、第2の遮光部の水平方向における幅と、第3の遮光部の水平方向における幅と、が異なることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、遮光幕は、遮光幕本体の水平方向における被照射体の非照射部位の長さに応じて、第2の遮光部及び第3の遮光部のいずれか一方を非照射部位の側部に接触させることができる。すなわち、遮光幕は、遮光幕本体の水平方向における被照射体の非照射部位の長さに関係なく、挿入口と非照射部位との隙間を塞ぐことができる。
【0018】
また、請求項7記載の発明において、遮光幕本体は、水平方向における遮光幕本体の端部から水平方向における遮光幕本体の中心に向かうにつれて、鉛直方向における遮光幕本体の長さが短くなるように形成されることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、遮光幕は、第1の遮光部が装置本体の内部に巻き込まれることにより装置本体の外側から内側に向かって被照射体の非照射部位の上面と接触する長さを短くすることができる。よって、第1の遮光部は、装置本体の内部に巻き込まれて、照射部位を覆い、照射部位に照射される光を遮りにくくすることができる。
【0020】
本発明の光照射装置は、光源と、被照射体の照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、前記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の遮光幕と、を備えるという構成を有している。
【発明の効果】
【0021】
本発明の遮光幕及び光照射装置は、被照射体の照射部位を装置本体に挿入し、被照射体の非照射部位が挿入口に跨って装置本体の外部に出ている状態で当該照射部位に光を照射する場合であっても、挿入口から装置本体の外部に漏れ出る光を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る光照射治療・予防装置の制御回路図
【図2】同実施形態に係る光照射治療・予防装置の外観図
【図3】同実施形態に係る光照射治療・予防装置の正面図
【図4】同実施形態に係る光照射治療・予防装置の断面図
【図5】(a)〜(c)は、他の実施形態に係る光照射治療・予防装置の遮光幕の正面図
【図6】(a)〜(c)は、他の実施形態に係る光照射治療・予防装置の遮光幕の正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る光照射装置について、光照射治療・予防装置を例に、図面を参酌しつつ、説明する。まず、同実施形態に係る光照射治療・予防装置について、図1〜図4を参酌しつつ説明する。同実施形態に係る光照射治療・予防装置1は、主に、炎症性疾患の罹患を予防し又は罹患時の当該疾患の症状を軽減する予防治療を受ける被治療者や、炎症性疾患を抑制することにより炎症性疾患の治療を受ける被治療者(患者)などの治療を受けるために当該装置を使用する使用者に光を照射する光照射装置の一例である。すなわち、この光照射装置は、被照射体として当該装置を使用する人を対象とし、当該装置が光を照射する照射部位を当該使用者の手先部位A(図4参照、以下同様)とする例である。なお、使用者の「手先部位A」とは、光照射治療・予防装置1が光を照射する使用者の部位を指す。手先部位Aは、具体的には、指、爪、手の甲若しくは手のひら又はこれらの組み合わせをいう。
【0024】
同実施形態に係る光照射治療・予防装置1は、図1に図示する光照射治療・予防装置の制御回路図に示されているように、使用者の手先部位Aに対して光を照射する光源2と、手先部位Aに光源2からの光を案内して照射する光照射部3と、光源2から放射される放射光のうち波長が特定の範囲内の放射光を透過させる波長透過手段4と、光源2の発光を制御する発光制御手段5と、光源2及び発光制御手段5に電気を供給する電源供給手段6と、光源2、光照射部3、波長透過手段4、発光制御手段5及び電源供給手段6を内部に収納するとともに手先部位Aが内部に挿入される装置本体7(図2及び図4参照)と、該装置本体7の内部に手先部位Aを挿入可能な挿入口8(図2〜図4参照)と、を備える。
【0025】
光源2は、炎症性サイトカインの産生を抑制するために使用者の生体の予防したい手先部位A又は罹患した手先部位Aに照射する。光源2は、例えば、キセノン放電管やハロゲン放電管などの(閃光)放電管である。本実施形態では、この光源2をキセノン放電管とする例を説明する。
【0026】
光照射部3は、図4に示すように、光源2から放射される放射光を手先部位Aに向けて反射する反射部材9と、該反射部材9を反射した反射光を手先部位Aに向けて案内する案内路10と、該案内路10によって案内された光を手先部位Aに照射する照射面11,11と、を有する。
【0027】
波長透過手段4は、光源2から放射された放射光の、1以上の特定の波長、又は、1以上の特定範囲の波長の放射光のみを透過する光学フィルタである。本実施形態に係る光学フィルタは、特定範囲の波長(帯)の放射光のみを選択的に透過するバンドパスフィルタ(干渉フィルタ)である。
【0028】
発光制御手段5は、光源2の発光条件の設定を受け付けるとともに自己診断及びその自己診断結果に対応する機能を有する発光制御部と、その動作状態を表示する動作表示手段と、を備える。
【0029】
発光制御部は、具体的には、光源2を1回又は複数回に分けて閃光発光させたり、所定の発光間隔で発光制御させたり、複数回に分けて閃光発光させる場合は、更に、光源2が放射する放射エネルギーを所定の放射エネルギー以下に抑えて閃光発光させるなどの様々な発光パターンで光源2を発光制御する。
【0030】
動作表示手段は、照射可能状態を表示する照射状態表示用LEDや、故障が発生していることを報知して使用者に警告する警告用LED、次の照射可能状態になるまでの待ち時間を表示する待ち時間表示用ディスプレイ(7セグメントディスプレイ)などを備える。
【0031】
電源供給手段6は、図1に示すように、光源2の発光エネルギーを蓄える蓄電手段12と、該蓄電手段12を充電する充電回路13と、蓄電手段12に電気を供給する電源部14と、該電源部14のオン・オフを切り替える電源スイッチ15(図2も参照)と、を備える。
【0032】
装置本体7は、図2及び図4に示すように、略直方体形状に形成されている。装置本体7は、光源2、光照射部3、波長透過手段4、発光制御手段5、電源供給手段6などを内蔵させるケーシングである。この装置本体7は、手先部位Aを挿入口8に挿入可能に許容するとともに挿入口8から当該装置本体7の外部に光が漏れないように遮光する遮光幕16と、挿入口8から手先部位Aを挿入して、手先部位Aに特定範囲の波長の光を照射するための台である載置部17と、光源2等で高温となる内部を冷却するための冷却手段18と、持ち運ぶために把持する取手19と、を備える。
【0033】
遮光幕16は、図3に示すように、挿入口8を閉塞するように設けられる遮光幕本体20と、該遮光幕本体20の上端部を挿入口8に取り付ける取付部21と、を備える。
【0034】
遮光幕本体20は、鉛直方向L1に所定の長さを有するとともに水平方向L2に所定の長さを有する挿入口8の面積以上の四角形状に形成される。また、遮光幕本体20は、光の透過を遮断する布やビニール、ゴムなどの容易に変形する材料で製造されている。遮光幕本体20は、手先部位Aが挿入口8から装置本体7の内部に挿入されることを許容する挿入部22と、手先部位Aが装置本体7の内部に挿入されて照射される光を装置本体7の外部に漏れないように遮る遮光部23と、を備える。
【0035】
挿入部22は、手先部位A及び手首周辺部位Bを挿入可能な開口である。ここで、使用者の「手首周辺部位B」とは、挿入口8から光照射部3の内部に手先部位Aを挿入した際に、挿入口8の内側と外側とに跨って位置する使用者の部位を指す。手首周辺部位Bは、具体的には、手の甲、手のひら、手首又は腕首、上椀又はこれらの組み合わせをいう。挿入部22は、その開口の鉛直方向L1の上辺に遮光部23の鉛直方向L1の上端部を連結させている。よって、挿入部22は、遮光部23の姿勢により、その開口を開閉自在に構成されている。
【0036】
遮光部23は、複数に分割されており、挿入部22から挿入される手首周辺部位Bの上部B1に接触する第1の遮光部24と、当該手首周辺部位Bの側部B2に接触する第2の遮光部25,25と、遮光幕本体20の水平方向L2に第2の遮光部25,25と隣接するようにして配設される第3の遮光部26,26と、挿入部22より外側の部分であり、挿入口8から手先部分Aを装置本体7の内部に挿入する際に可動しない部分である第4の遮光部27と、を有する。
【0037】
遮光部23は、複数に分割するために、切り込みが形成されている。この切り込みは、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部から遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端に達するように形成されている。更に、この切り込みは、遮光部23に複数設けられている。本実施形態では、この切り込みは、6箇所設けられており、遮光幕本体20の水平方向L2の中心部に対して対称となるように配置されている。
【0038】
具体的には、遮光部23は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1,P1から遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P2,P2に達するように形成される第1の切り込み28,28と、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P3,P3から遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P4,P4に達するように形成される第2の切り込み29,29と、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P5,P5から遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P6,P6に達するように形成される第3の切り込み30,30と、を備える。
【0039】
第1の切り込み28,28は、第1の遮光部24及び第2の遮光部25を分割するために設けられる。第2の切り込み29,29は、第2の遮光部25及び第3の遮光部26を分割するために設けられる。また、第2の切り込み29,29は、第2の遮光部25が遮光幕本体20の水平方向L2において所定の幅を有するように、第1の切り込み28,28から所定の距離を空けて形成される。第3の切り込み30,30は、第3の遮光部26及び第4の遮光部27を分割するために設けられる。また、第3の切り込み30,30は、第3の遮光部26,26が遮光幕本体20の水平方向L2において所定の幅を有するように、第2の切り込み29,29から所定の距離を空けて形成される。本実施形態に係る切り込み28,28,29,29,30,30は、同一の間隔で形成される。そして、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1,P1,P3,P3,P5,P5の鉛直方向L1の位置は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の長さが同一となる位置に形成されている。
【0040】
第1の遮光部24は、第1の切り込み28が形成されることにより、第1の縁部31と第2の縁部32とが形成される。第1の縁部31は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部から離れるように形成される。つまり、第1の縁部31は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2の中心から遠ざかる外側方向L3に連続して形成されている。第2の縁部32は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P2から第1の縁部31の遮光幕本体20の鉛直方向L1の端部P7に繋がるように形成されるとともに、第1の縁部31の当該端部P7から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部に近づくように形成される。つまり、第2の縁部32は、第1の縁部31の端部P7から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2の中心に近づく内側方向L4に連続して形成されている。更に、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端には、第3の縁部33が形成される。
【0041】
第1の縁部31,31及び第2の縁部32,32は、略円弧状に形成されている。特に、第1の縁部31,31及び第2の縁部32,32の形状は、手首周辺部位Bの外形に沿う形状であることが好ましい。第3の縁部33は、挿入口8の下方の縁と接触するような位置に位置する。
【0042】
第2の遮光部25は、第1の切り込み28が形成されることにより、第1の縁部34と第2の縁部35とが形成される。第1の縁部34は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部から離れるように形成される。第2の縁部35は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P2から第1の縁部34の遮光幕本体20の鉛直方向L1の端部P7に繋がるように形成されるとともに、第1の縁部34の当該端部P7から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部に近づくように形成される。
【0043】
また、第2の遮光部25は、第2の切り込み29が形成されることにより、第3の縁部36と第4の縁部37とが形成される。第3の縁部36は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P3から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部から離れるように形成される。第4の縁部37は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P4から第3の縁部36の遮光幕本体20の鉛直方向L1の端部P8に繋がるように形成されるとともに、第3の縁部36の当該端部P8から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部に近づくように形成される。
【0044】
更に、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端には、第5の縁部38が形成される。第5の縁部38は、挿入口8の下方の縁と接触するような位置に位置する。
【0045】
第3の遮光部26は、第2の切り込み29が形成されることにより、第1の縁部39と、第2の縁部40とが形成される。第1の縁部39は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P3から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部から離れるように形成される。第2の縁部40は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P4から第1の縁部39の遮光幕本体20の鉛直方向L1の端部P8に繋がるように形成されるとともに、第1の縁部39の当該端部P8から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部に近づくように形成される。
【0046】
また、第3の遮光部26は、第3の切り込み30が形成されることにより、第3の縁部41と、第4の縁部42とが形成される。第3の縁部41は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P5から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部から離れるように形成される。第4の縁部42は、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端P6から第3の縁部41の遮光幕本体20の鉛直方向L1の端部P9に繋がるように形成されるとともに、第3の縁部41の当該端部P9から下方に向かうにつれて第1の遮光部24の水平方向L2における中心部に近づくように形成される。
【0047】
更に、遮光幕本体20の鉛直方向L1の下端には、第5の縁部43が形成される。第5の縁部43は、挿入口8の下方の縁と接触するような位置に位置する。
【0048】
取付部21は、遮光幕本体20の上端部に設けられ、挿入口8の上側の端部に固定するために設けられる。本実施形態に係る取付部21は、装置本体の内側であって、挿入口8の上側直近に取り付けられている。よって、遮光幕本体20は、挿入口8の上端に吊り下げられた状態で取り付けられる。挿入口8の下端及び左右の側端と遮光幕本体20とは、固定されておらず、離間可能に構成されている。
【0049】
なお、遮光部24,25,25,26,26は、切り込み28,28,29,29,30,30の遮光幕本体20の鉛直方向L1の中途部P1,P1,P3,P3,P5,P5の鉛直方向L1の位置が同一となっているため、遮光幕本体20の鉛直方向L1の長さが同じに形成されている。
【0050】
載置部17は、挿入口8から挿入された使用者の手の位置を位置決めするためのガイド44と、使用者の手先部位Aが所定の位置に配置され、照射可能な状態になっていることを検出する自動開始用センサ45と、を備える。
【0051】
ガイド44は、各指を挿入可能な間隔を空けて並列に複数配置される。自動開始用センサ45は、具体的には赤外線LEDと赤外フォトトランジスタとを有し、赤外線LEDから発光された光を赤外線フォトトランジスタで受光し、所定時間(例えば、2秒以上)その受光を遮ることにより感知する。すなわち、自動開始用センサ45は、使用者が挿入した手によって赤外線LEDと赤外線フォトトランジスタとの間の光が遮断されることにより、手が挿入されたことを検出する。発光を終了して、再び、赤外線LEDから照射された光を赤外線フォトトランジスタが検出するまで、発光が開始されない。
【0052】
冷却手段18は、冷却ファン(図示せず)で熱源を冷却し、装置本体7の後部(上面後端)に設けられた排気口から高温の空気を排気する。なお、冷却手段18は、空冷方式に限定されるものではなく、その用途又は冷却容量などによって水冷方式としてもよい。
【0053】
挿入口8は、光照射部12に手先部位Aを挿入することができる大きさを有する。挿入口8は、実施形態では、鉛直方向L1に所定長さを有し且つ水平方向に所定の長さを有する長方形状に形成されている。使用者は、手先部位Aである、手の甲を上方に向け、手のひらを下方に向けた状態で挿入口8から挿入する。よって、挿入部8の鉛直方向L1の長さは、一般的な使用者の手又は腕の厚さ以上有している。挿入部8の水平方向の長さは、一般的な使用者の手の幅(親指から小指までの長さ)以上有している。
【0054】
次に、本発明の実施形態に係る光照射治療・予防装置1において、挿入口8から手先部位Aを挿入するときの遮光幕16の動作について説明する。
【0055】
まず、図3及び図4に示すように、挿入口8から装置本体7の内部に手先部位Aが挿入されるとき、手先部位Aは、遮光幕本体20の挿入部22から装置本体7の内部に挿入される。そして、挿入口8では、手首周辺部位Bが遮光幕本体20の挿入部22に跨った状態にある。遮光幕本体20の挿入部22と手首周辺部位Bの上部B1との間は、第1の遮光部24が手首周辺部位Bの上部B1と接触することにより塞がれている。遮光幕本体20の挿入部22と手首周辺部位Bの側部B2との間は、第2の遮光部25が手首周辺部位Bの側部B2と接触することにより塞がれている。すなわち、挿入口8は、手首周辺部位Bと遮光幕16とによって塞がれており、装置本体7の内部で照射された光が装置本体7の外部に漏れ出るのを抑制することができる。
【0056】
また、遮光幕16は、第2の遮光部25の第1の縁部34が手首周辺部位Bの上面B1と側面B2との間の形状に沿って接触することにより、挿入口8と手首周辺部位Bの上面B1及び側面B2との間に形成される隙間もより確実に塞ぐことができる。
【0057】
また、遮光幕16は、第2の遮光部25の第2の縁部35が手首周辺部位Bの下面B3と側面B2との間の形状に沿って接触することにより、挿入口8と手首周辺部位Bの下面B3及び側面B2との間に形成される隙間もより確実に塞ぐことができる。
【0058】
また、遮光幕16は、遮光幕本体20の水平方向L2における使用者の手首周辺部位Bの長さに応じて、第2の遮光部25及び第3の遮光部26のいずれか一方を手首周辺部位Bの側部B2に接触させることができる。例えば、手首周辺部位Bの幅が狭い使用者が挿入口8に挿入する場合は、手首周辺部位Bの側面B2は、第2の遮光部25の第1の縁部34及び第2の縁部35とに接触することにより、第2の遮光部25との隙間が塞がれる。このとき、手首周辺部位Bの上面B1は、当該手首周辺部位Bに引きずられて装置本体7の内部に巻き込まれた第1の遮光部24と接触していることにより、第1の遮光部24との隙間が塞がれる。手首周辺部位Bの幅が広い使用者が挿入口8に挿入する場合は、手首周辺部位Bの側面B2は、第3の遮光部26の第1の縁部39及び第2の縁部40とに接触することにより、手首周辺部位Bの側面B2と第3の遮光部26との間が塞がれる。このとき、手首周辺部位Bの上面B1は、当該手首周辺部位Bに引きずられて装置本体7の内部に巻き込まれた第1の遮光部24及び第2の遮光部25と接触していることにより、第1の遮光部24及び第2の遮光部25との隙間が塞がれる。すなわち、遮光幕16は、遮光幕本体20の水平方向L2における使用者の手首周辺部位Bの長さに関係なく、挿入口8と手首周辺部位Bとの隙間を塞ぐことができる。
【0059】
なお、本発明に係る遮光幕及び光照射装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0060】
本実施形態に係る遮光幕16は、切り込み28,28,29,29,30,30が円弧状に形成される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、切り込みは、図5(a)に示すように、直線状に形成された切り込み46,…であってもよい。
【0061】
本実施形態に係る遮光幕16は、切り込み28,28,29,29,30,30が形成されることにより、遮光部24,25,25,26,26に「第1の縁部31」と「第2の縁部32,32」、又は、「第1の縁部34,39及び第3の縁部36,41」と「第2の縁部35,40及び第4の縁部37,42」とを備える例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の縁部は、遮光幕本体の鉛直方向L1の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように、遮光幕本体の鉛直方向L1の中途部から下端まで形成されていてもよい。また、第2の縁部は、遮光幕本体の鉛直方向L1の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向L1の端部に繋がるように形成されるとともに、第1の縁部の鉛直方向L1の当該端部から鉛直方向L1の下方に直線状に形成されていてもよい。
【0062】
本実施形態に係る遮光幕16は、第2の遮光部25の第1の縁部34と第2の縁部35との長さの和と、第3の縁部36と第4の縁部37との長さの和と、が同じとなるように形成される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2の遮光部は、第1の縁部と第2の縁部との長さの和と、第3の縁部と第4の縁部との長さの和と、が異なるように形成されることが好ましい。具体的には、図5(b)に示すように、第2の遮光部47(又は第3の遮光部48)は、第1の縁部49と第2の縁部50との長さの和より、第3の縁部51と第4の縁部52との長さの和の方が長くなるように形成されていてもよい。また、図5(c)に示すように、第2の遮光部53(又は第3の遮光部54)は、第1の縁部55と第2の縁部56との長さの和より、第3の縁部57と第4の縁部58との長さの和の方が短くなるように形成されていてもよい。このように構成することにより、遮光幕は、遮光幕本体の鉛直方向における使用者の手首周辺部位の長さに応じて、「第1の縁部及び第2の縁部」、又は、「第3の縁部と第4の縁部」を手首周辺部位の側部に接触させることができる。すなわち、遮光幕は、遮光幕本体の鉛直方向における使用者の手首周辺部位の長さに関係なく、挿入口と手首周辺部位との隙間を塞ぐことができる。
【0063】
本実施形態に係る遮光幕16は、第2の遮光部25,25の水平方向L2における幅と、第3の遮光部26,26の水平方向L2における幅と、が同じである例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2の遮光部の水平方向における幅と、第3の遮光部の水平方向における幅と、が異なるように構成してもよい。具体的には、図6(a)に示すように、第2の遮光部59の水平方向L2における幅は、第3の遮光部60の水平方向L2における幅より狭く形成されていてもよいし、図6(b)に示すように、第2の遮光部61の水平方向L2における幅は、第3の遮光部62の水平方向L2における幅より広く形成されていてもよい。
【0064】
本実施形態に係る遮光幕16は、遮光幕本体20の形状が長方形状である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図6(c)に示すように、遮光幕本体63は、水平方向L2における遮光幕本体63の端部64から水平方向L2における遮光幕本体63の中心に向かうにつれて、鉛直方向L1における遮光幕本体63の長さが短くなるように形成されていてもよい。このように構成されることにより、遮光幕は、第1の遮光部が装置本体の内部に巻き込まれることにより装置本体の外側から内側に向かって使用者の手首周辺部位の上面と接触する長さを短くすることができる。よって、第1の遮光部は、装置本体の内部に巻き込まれて、手先部位を覆い、手先部位に照射される光を遮りにくくすることができる。
【0065】
本実施形態に係る遮光幕16は、遮光幕本体20の全体が遮光性を有する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遮光幕は、第1の遮光部の下端部にフィルムなどの光透過性を有する材質の部分を有していてもよい。この遮光幕は、挿入口から使用者の手先部位Aを装置本体の内部に挿入した際に、第1の遮光部が装置本体の内部に巻き込まれてその第1の遮光部の下端側が手先部位Aを覆うことがあっても、手先部位Aへの照射の妨げとならないようにすることができる。
【0066】
本実施形態に係る遮光幕16は、1枚の遮光幕本体20が挿入口8全体を覆う例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遮光幕は、2枚の遮光幕本体を二重にしたものであってもよい。この場合、遮光幕本体は、複数の遮光部に分割すべく形成される切り込みの遮光幕本体の水平方向の位置が異なるように形成してもよい。すなわち、装置本体の表側に位置する遮光幕本体の切り込みと、装置本体の裏側に位置する遮光幕本体の切り込みとがずれて形成され、表側の遮光幕本体の遮光部と裏側の遮光幕本体の遮光部とが互い違いとなるように形成してもよい。この遮光幕は、一方の遮光幕本体の遮光部間に隙間が空いた場合であっても、他方の遮光幕本体の遮光部でその隙間を塞ぐことができ、装置本体の内部で照射される光が漏れにくくすることができる。
【0067】
本実施形態に係る遮光幕16は、挿入口8の上端部の装置本体7に取付部21で装着される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、取付部は、装置本体に対して着脱自在に取り付けられるものであってもよい。すなわち、取付部は、装置本体にフック面が設けられ、遮光幕本体の上端部にループ面が設けられる面ファスナーであってもよいし、装置本体に遮光幕本体を吊るためのフックなどの吊具が複数箇所に設けられ、遮光幕本体の上端(部)に該吊具を挿通可能な係止孔が設けられる係止手段であってもよい。このように構成される遮光幕は、必要に応じて挿入口から取り外すことができ、光照射装置を使用する使用者に合わせて選択することができる。
【0068】
本実施形態に係る遮光幕16は、遮光部23が5つに分割される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遮光部は、3つに分割されてもよいし、5つ以上に分割されてもよい。
【0069】
本実施形態に係る遮光幕16は、使用者の手先部位Aを装置本体7に挿入し、手首周辺部位Bが挿入口8に跨って装置本体7の外部に出ている状態で当該手先部位Aに光を照射する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、照射部位は、手先部位Aに限らず、足、頭部などであってもよく、照射部位を装置本体に挿入し、挿入口に跨って位置する非照射部位は、足首や首などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る放電管及び光照射装置は、光源と、被照射体の照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、を備える光照射装置から照射される光を挿入口から装置本体の外部に漏れるのを遮るための遮光幕であって、照射部位が挿入口から装置本体の内部に挿入されることを許容する挿入部と、照射部位が装置本体の内部に挿入されて照射される光を装置本体の外部に漏れないように遮る遮光部と、を有する遮光幕本体を備え、遮光部は、複数に分割されており、照射部位が挿入部から装置本体の内部に挿入されたときに挿入部に位置する被照射体の非照射部位の上部に接触する第1の遮光部と、当該非照射部位の側部に接触する第2の遮光部と、を有することによって、被照射体の照射部位を装置本体に挿入し、非照射部位が挿入口に跨って装置本体の外部に出ている状態で当該照射部位に光を照射する場合であっても、挿入口から装置本体の外部に漏れ出る光を抑制することが必要な用途にも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
16 遮光幕
20 遮光幕本体
21 取付部
22 挿入部
23 遮光部
24 第1の遮光部
25 第2の遮光部
26 第3の遮光部
27 第4の遮光部
28 第1の切り込み
29 第2の切り込み
30 第3の切り込み
31 第1の縁部
32 第2の縁部
33 第3の縁部
34 第1の縁部
35 第2の縁部
36 第3の縁部
37 第4の縁部
38 第5の縁部
39 第1の縁部
40 第2の縁部
41 第3の縁部
42 第4の縁部
43 第5の縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、被照射体の照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、を備える光照射装置から照射される光を挿入口から装置本体の外部に漏れないように遮光する遮光幕であって、挿入口を閉塞するように設けられる遮光幕本体を備え、該遮光幕本体は、照射部位が挿入口から装置本体の内部に挿入されることを許容する挿入部と、照射部位が挿入部を介して装置本体の内部に挿入されて照射される光を装置本体の外部に漏れないように遮る遮光部と、を備え、遮光部は、複数に分割されており、照射部位が挿入部から装置本体の内部に挿入されたときに挿入部に位置する被照射体の非照射部位の上部に接触する第1の遮光部と、当該非照射部位の側部に接触する第2の遮光部と、を有することを特徴とする遮光幕。
【請求項2】
挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、第2の遮光部は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第1の縁部を備える請求項1に記載の遮光幕。
【請求項3】
第2の遮光部は、前記切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第2の縁部を備える請求項2に記載の遮光幕。
【請求項4】
遮光部は、遮光幕本体の水平方向に第2の遮光部と隣接するようにして配設される第3の遮光部を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の遮光幕。
【請求項5】
挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、第2の遮光部は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように第1の切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第1の縁部と、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第2の縁部と、を備え、且つ、第2の遮光部が遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第1の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように第2の切り込みが形成されることにより、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部から離れるように形成される第3の縁部と、遮光幕本体の鉛直方向の下端から第1の縁部の遮光幕本体の鉛直方向の端部に繋がるように形成されるとともに、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から下方に向かうにつれて第1の遮光部の水平方向における中心部に近づくように形成される第4の縁部と、を備え、第1の縁部と第2の縁部との長さの和と、第3の縁部と第4の縁部との長さの和と、が異なるように形成される請求項1に記載の遮光幕。
【請求項6】
遮光部は、遮光幕本体の水平方向に第2の遮光部と隣接するようにして配設される第3の遮光部を有し、挿入口は、鉛直方向に所定の長さを有するとともに水平方向に所定の長さを有し、遮光幕本体は、第1の遮光部及び第2の遮光部を分割可能にすべく、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第1の切り込みと、第2の遮光部を遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第1の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第2の切り込みと、第3の遮光部を遮光幕本体の水平方向において所定の幅を有するように、第2の遮光部から所定距離の位置に、遮光幕本体の鉛直方向の中途部から遮光幕本体の鉛直方向の下端に達するように形成される第3の切り込みと、を備え、第2の遮光部の水平方向における幅と、第3の遮光部の水平方向における幅と、が異なる請求項1に記載の遮光幕。
【請求項7】
遮光幕本体は、水平方向における遮光幕本体の端部から水平方向における遮光幕本体の中心部に向かうにつれて、鉛直方向における遮光幕本体の長さが短くなるように形成される請求項2又は請求項3に記載の遮光幕。
【請求項8】
光源と、被照射体の照射部位に該光源からの光を案内して照射する光照射部と、光源と光照射部とを内部に収納するとともに照射部位が内部に挿入される装置本体と、該装置本体の内部に照射部位を挿入可能な挿入口と、前記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の遮光幕と、を備えることを特徴とする光照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−34752(P2013−34752A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174741(P2011−174741)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】