説明

遮光性薄膜組成物

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
この発明は遮光用の薄膜を形成するための材料物質(以下「遮光性薄膜組成物」という。)に関する。
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイをカラー化させるカラーフィルタは、透明な基板上に赤・緑・青などの着色画素をモザイク状に並べたものであり、表示品位を向上させるために、着色画素の間隙を遮光用の黒色の薄膜でマスクして構成されている。
従来、このような遮光用薄膜は、遮光性薄膜組成物として樹脂に黒色顔料または占領(以下「黒色顔料等」という。)を混合したものを用いて、これをシルクスクリーン法もしくはオフセット法などにより印刷して形成するか、あるいは、遮光性薄膜組成物として感光性樹脂に黒色顔料等を混合したものを用いてフォトリソグラフィ法により形成している(特開昭62−247331号公報)。または、直接に金属Crを蒸着して形成している。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遮光用薄膜を印刷して形成する場合、約100μm程度の粗い精度のパターン加工しかできず、加工精度が良くないという問題がある。フォトリソグラフィ法により形成する場合は、印刷して形成する場合に比して加工精度は向上するけれども、露光の際に黒色の顔料等が感光性樹脂の光硬化を妨げるため、上記黒色顔料等の混合割合を多くすることができない。このため、遮光性の点で改良の余地がある。また、金属Crを蒸着して形成する場合は、パターン加工する場合に複雑な工程を要するという問題がある。
そこで、この発明の目的は、フォトリソグラフィ法により簡単な工程でもって、遮光性に優れた薄膜を加工精度良く形成できる遮光性薄膜組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の遮光性薄膜組成物は、加熱されたとき結晶水を喪失して変色する熱変色性化合物と、この熱変色性化合物が加熱されて変色したとき減色法により黒色を呈するように補色を与える着色剤と、感光性樹脂との混合物からなることを特徴としている。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤との混合割合は、フォトリソグラフィ法で加工する際に露光の波長に対して透過率が5%以上となるように調製されているのが望ましい。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤とを合わせた重量は、上記感光性樹脂に対して5〜50重量%に調製されているのが望ましい。
【作用】
この遮光性薄膜組成物は、含有している熱変色性化合物が結晶水を喪失して変色したとき着色剤の色との減法混色によって初めて全体として黒色を呈するものであり、加熱されていない状態では黒色となっていない。したがって、フォトリソグラフィ法による露光の際に、黒色顔料等を含む従来の遮光性薄膜組成物と異なり、十分に光硬化される。したがって、感光性樹脂に対しての上記熱変色性化合物と着色剤とを合わせた混合割合を従来の黒色顔料等の混合割合に比して多くできる。このようにした場合、この遮光性薄膜組成物から形成される薄膜の遮光性を向上させることができる。しかも、この薄膜は、フォトリソグラフィ法により、簡単な工程でもって、精度良く形成される。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤との混合割合は、フォトリソグラフィ法で加工する際に露光の波長に対して透過率が5%以上となるように調製されている場合、上記遮光性薄膜組成物は、フォトリソグラフ工程において露光の際に確実に光硬化される。したがって、上記薄膜の加工精度がさらに高まる。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤とを合わせた重量は、上記感光性樹脂に対して5〜50重量%に調製されている場合、5重量%以上に調製されていることにより、熱変色性化合物と着色剤とが確実に作用してこの遮光性薄膜組成物から形成される薄膜の遮光性が高まると共に、50重量%以下に調製されていることにより、この遮光性薄膜組成物が透明基板上に塗布されたときに上記感光性樹脂の密着力によって上記透明基板と確実に密着する。したがって、さらに加工精度が高まる。
【実施例】
以下、この発明の遮光性薄膜組成物を実施例により詳細に説明する。
この発明の遮光性薄膜組成物は、熱変色性化合物と、着色剤と、感光性樹脂と、その他の添加剤とを所定の割合で混合し攪拌をくり返して得られる。
上記熱変色性化合物は、加熱(例えば160℃,10分間程度)されたとき結晶水を喪失して変色する金属錯体化合物または硫酸金属塩素化合物が用いられる。金属錯体化合物としては、ニッケルヘキサメチレンテトラミン錯体塩化物の10水塩,コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体塩化物の10水塩,コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体硫酸塩の7水塩,コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体チオシアン酸塩の4水塩、コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体硝酸塩の10水塩,コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体ヨウ化物の8水塩,コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体臭化物の9水塩,ホウ酸コバルトの4水塩,リン酸コバルトカリウムの1水塩,リン酸コバルトアンモニウムの1水塩などが例示できる。また、硫酸金属塩素化合物としては、硫酸コバルトの7水塩が例示できる。
上記着色剤は、顔料または染料が用いられる。この顔料または染料の色は、上記熱変色性化合物が加熱されて変色したとき減色法による補色を与えて全体として黒色を呈するように選ばれる。顔料としては、アゾレーキ系,不溶性アゾ系,フタロシアニン系,キナクリドン系,ジオキサジン系,イソインドリノン系,ベリノン系,アントラキノン系,ペリレン系もしくはこれらの有機顔料の混合物、またはミロリンブルー,酸化鉄,コバルト系,マンガン紫,群青,紺青,コバルトブルー,セルリアンブルー,ピリジアン,エメラルドグリーン,コバルトグリーンもしくはこれらの無機顔料の混合物が用いられる。染料としては、油溶性あるいは、分散性の染料が適当である。
上記感光性樹脂は、大別して、感光基をもつ樹脂,感光性化合物に樹脂を加えたもの,光重合型樹脂の3種類が候補として挙げられる。感光基をもつ樹脂としては、例えば、特公昭32−1211号公報に記載されている重クロム酸系感光性樹脂組成物、米国特許(USP)2725372(1955)およびM.ムルスク(M.Mlnsk).,ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス.,302(1959)に記載されている光二量化型感光性樹脂などがある。感光性化合物に樹脂を加えたものとしては、例えばUSP2848328,2852379(1958),2940853(1960)に記載されているアジド系感光性樹脂、USP2063631(1936),2679498,特公昭43−23684,特公昭44−6413,特公昭47−1604,USP3050502,特公昭41−11221および特公昭42−14326号公報に記載されているジアゾ系感光性樹脂、USP3046119,3106465,特公昭38−18015,特公昭38−12083,USP3535157,特公昭45−9610及び特開昭49−48403号公報に記載されているO−キノンジアジド系感光性樹脂などがある。光重合型樹脂としては、例えば、特公昭39−1112,特公昭40−2204および特公昭40−12104号公報に記載されているジアクリレート系光重合性感光性樹脂、特公昭46−32714号公報に記載されているペンタエリトリエールトリアクリル酸エステルを含む光重合性感光性樹脂、特公昭46−42450号公報に記載されているメタアクリル酸エステル類を含む光重合性樹脂、特開昭51−58106号公報に記載されている側鎖にカルボキシル基を有し、さらに二重結合を有するポリマーを含む光重合性樹脂、特公昭46−4605号公報に記載されている側鎖に芳香族置換アミノ基をもつポリマーと多ハロゲン化メチル基をもつ化合物とを含む光重合性樹脂などがある。これ以外にも例えば角田隆弘著「感光性樹脂」(印刷学会出版部,1972年発行)、「フォトポリマーズ;プリンシプルズ,プロセスズ・アンド・マテリアルズ」(リージョナル・テクニカル・カンファレンス・オブ・ソサエティ・オブ・プラスチックス・エンジニアズ・インスティテュート.,エレンビレ,ニューヨーク州,1973年および1976年発行)、M.G.ハルペム(M.G.Halpem)著「プラスチックス・プリンティング・プレーツ・マニュファクチャ・テクノロジ」(ノイズ・デート・コーポレーション(Noyes Date Corporation)1971年発行,パークリッジ,ニュージャージ州)に記載されている感光性樹脂をあげることができる。この実施例では、形成すべき遮光用薄膜の耐溶剤性および膜強度などの観点から、感光性樹脂として光重合型感光性樹脂を用いるものとする。
上記その他の添加剤は、次に述べるように、上記感光性樹脂に作用するものとして反応性希釈モノマーと、増感剤と、光重合開始剤と、熱重合禁止剤とがある。
上記反応性希釈モノマーとしては、光重合性の水溶性多官能モノマーもしくは非水溶性多官能モノマーまたはこれらを1種もしくは2種以上組合せたものが用いられる。上記水溶性多官能モノマーとしては、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−ジメチルアクリルアミド、N,N′−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどがあげられる。上記非水溶性多官能モノマーとしては、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、さらにこれらのアクリレートに対応するメタクリレートなどがあげられる。この反応性希釈モノマーは感光性樹脂の総重量に対して、0.5〜10重量%の範囲で含有させるのが適している。0.5重量%未満では、粘度が高いため均一な薄膜を形成できない上、架橋密度が不充分なため耐溶剤性や耐薬品性に劣ることがある。一方、10重量%を超えるときでは、架橋密度は増加するが同時に脆くなる傾向が生じて好ましくない。
上記増感剤としては、脂肪族アミンや芳香族アミンが用いられる。脂肪族アミンは、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル・メタクリレートなどが挙げられる。芳香族アミンは、ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミノ・フェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(nブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。この増感剤は、上記感光性樹脂の重量に対して、1〜10重量%の範囲で含有することが適している。1重量%未満では、感度が上がらないため効果がなく、10重量%を超えるときは、膜成分中に残留して体積収縮などの問題を生じるため好ましくない。
上記光重合開始剤は、ベンゾインエーテル系のものとしてベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルなど、ケタール系のものとしてベンジルジアルキルケタール、アセトフェノン系のものとして2,2′−ジアルコキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノンなど、チオキサントン系のものとしてチオキサントン、2−クロロチオサントン、2−アルキルチオキサントン、2,4−ジアルキルチオキサントン、2−アルキルアントラキノンなどを挙げることができる。この光重合開始剤は上記感光性樹脂の総重量に対して3〜15重量%の範囲で包含することが適している。3重量%未満では、この遮光性薄膜組成物の硬化反応が不充分となる。一方、15重量%を超えるときは、硬化反応後に未反応物が残存して形成された遮光用薄膜の性能を低下させるため好ましくない。
上記熱重合禁止剤としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、ターシャリーブチルカテコール、ピロガロール、ナフチルアミン、β−ナフトール、フェナチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、o−トルキノン、アリールホスファイトを挙げることができる。
第2図は遮光性薄膜組成物として実際に調製した資料1,…,10のそれぞれの原料の混合割合(感光性樹脂の溶液重量を100としたときの重量)を示している。
熱変色性化合物としてコバルトヘキサメチレンテトラミン錯体塩化物(10水塩),コバルトヘキサメチレンテトラミン錯体硫酸塩(7水塩),リン酸コバルト(8水塩)を採用した。これらは焼成前はそれぞれ紅色,赤色,ピンクであり、160℃10分間の焼成後はそれぞれ青色,緑色,青色となる。着色剤は赤色顔料(ハイミクロン・レッド 御国色素(株)製)とした。試料1,…,8については、上記3種類の熱変色性化合物のうち焼成後に青色,緑色となるものおよび上記着色剤が含まれている。試料9,10は、純粋に比較のための試料であって、上記熱変色性化合物や着色剤を含まず、黒色のカーボンブラックを従来レベル以上に多く含んでいる。感光性樹脂は、固形分濃度15重量%で溶液状のRW−301(セキスイファインケミカル社製)を採用した。添加材は、反応性希釈モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、増感材としてトリエタノールアミン、光重合開始剤としてイルガキュア#907、熱重合禁止剤としてハイドロキノンをそれぞれ採用した。感光性樹脂およびこれらの添加材の重量比は、試料1,…,10のすべてについて100,1,0.01,20,1とした。
これらの遮光性薄膜組成物の試料1,…,10からフォトリソグラフィ法により次のようにして遮光用薄膜を形成する。第1図に示すように、まず透明基板(例えば、ガラス基板にITO(錫添加酸化インジウム)電極を設けたもの)12の全面に、試料1をスピンナもしくはロールコータを用いて約2μmの膜厚で均一に塗布する。そして、露光作業が円滑に進られるように、温度80℃10分間の予備焼成を行う。次に、第1図(b)に示すように、後述する所定のパターンのフォトマスク13を基板2上の所定の位置に固定し、このフォトマスク13の上から紫外光14を試料1へ60秒間だけ照射する(露光)。さらに、第1図(c)に示すように、この基板12を現像し、遮光性薄膜組成物1のうち露光されなかった部分を除去する。続いて、洗浄した後、この基板12を温度160℃で10分間程度以上焼成(加熱)して、試料1にふくまれている熱変色性化合物の結晶水を喪失させて、黒色を呈する遮光用薄膜15を基板12上に形成する。なお、試料2,…,10についても同様に処理する。
上記試料1,…,10のそれぞれについて、焼成前に可視光域および紫外光域の透過率を測定し、焼成後に可視光域の透過率,解像度,タック性およびコントラストの各特性を測定,評価したところ、第3図に示すような結果が得られた。ここで、透過率は、大塚電子(株)社製カラーマイクロアナライザーMAPD−1000にて測定した。また、解像度は上記フォトリソグラフィ工程において試料1,…,10をフォトマスク13を用いて露光した後にそれぞれパターンのエッジ部の切れ具合いで評価した。詳しくは、フォトマスク13として128,80,40,20,10,8,5μmの幅を有するストライプ及びモザイク配列のものを用いて、顕微鏡で観察して、切れの良いパターンが得られたストライプ幅のうち最も小さい幅を評価値とした。
次に、タック性は、光硬化後の塗膜を温度25℃で指触して、次に示す基準で5段階の評価を行った。
A…タックを全く感じない。
B…僅かにタックを感じるが、塗膜には全く指の跡が残らない。
C…塗膜に指の跡が僅かに残る。
D…塗膜にはっきり指の跡が残る。
E…指に塗膜組成物が付着する。
さらに、コントラストは、トプコン(株)社製BM−7輝度計を用いて液晶パネル部分で、電圧をON,OFFさせたときの輝度の比を測定した。
第3図からわかるように、試料1,…,6および8は、熱変色性化合物と着色剤との混合割合に応じて、焼成前における紫外光域の透過率が5%以上となっているので、上記露光の際に確実に光硬化されて、解像度5〜8μmと精度良く微細加工できた。一方、試料7,9および10は焼成前における紫外光域の透過率が5%以下となっているため、十分には露光できず、形成された薄膜15の全面または一部が剥離して、うまく加工することができなかった。さらに、試料1,…,5は、熱変色性化合物と着色剤とを合わせた重量が感光性樹脂に対して5重量%以上となっているので、焼成後における可視光域の透過率が1%以下となり、遮光性が優れたものとなった。一方、試料6および8は、熱変色性化合物と着色剤とを合わせた重量が5%以下と少なくなっているため、焼成後における可視光域の透過率が62%となり、遮光性が良くなかった。また、上記熱変色性化合物と着色剤とを合わせた重量が感光性樹脂に対して重量比50%を超えると、基板12との密着性が悪くなって剥離する原因となる。このことは、上記試料7が全面剥離した原因の一つともなっている。
このように、上記試料1,…,5は、フォトリソグラフィ法により、簡単な工程でもって遮光性の良い薄膜を加工精度良く形成することができた。しかも、タック性およびコントラストも申し分なく形成することができた。
なお、この遮光性薄膜組成物には、特性を損なわない限り、塗膜の平滑性をよくするレベリング剤や、攪拌時の泡の発生を抑える消泡剤を添加することができる。また、粘度、使用時及び貯蔵時の安定性、使用時の乾燥性を考慮して、必要な添加剤を配合することができる。
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の遮光性薄膜組成物は、加熱されたとき結晶水を喪失して変色する熱変色性化合物と、この熱変色性化合物が加熱されて変色したとき減色法により黒色を呈するように補色を与える着色剤と、感光性樹脂との混合物からなるので、フォトリソグラフィ法により、簡単な工程でもって遮光性に優れた薄膜を加工精度良く形成することができる。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤との混合割合は、フォトリソグラフィ法で加工する際に露光の波長に対して透過率が5%以上となるように調製されている場合、上記遮光性薄膜組成物を露光の際に確実に光硬化させることができ、上記薄膜の加工精度をさらに高めることができる。
また、上記熱変色性化合物と上記着色剤とを合わせた重量は、上記感光性樹脂に対して5〜50重量%に調製されている場合、上記薄膜の遮光性をさらに高めることができ、また加工精度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)乃至(c)はこの発明の一実施例の遮光性薄膜組成物の試料を用いてフォトリソグラフィ法により遮光用薄膜を形成する工程を示す図、第2図は上記遮光性薄膜組成物の各試料の原料の混合割合を示す図、第3図R>図は上記試料を用いて形成された各薄膜の特性を評価した結果を示す図である。
1,…,10……遮光性薄膜組成物の試料、12……透明基板、13……フォトマスク、14……紫外光、15……遮光用薄膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】加熱されたとき結晶水を喪失して変色する熱変色性化合物と、この熱変色性化合物が加熱されて変色したとき減色法により黒色を呈するように補色を与える着色剤と、感光性樹脂との混合物からなることを特徴とする遮光性薄膜組成物。
【請求項2】上記熱変色性化合物と上記着色剤との混合割合は、フォトリソグラフィ法で加工する際に露光の波長に対して透過率が5%以上となるように調製されていることを特徴とする請求項1に記載の遮光性薄膜組成物。
【請求項3】上記熱変色性化合物と上記着色剤とを合わせた重量は、上記感光性樹脂に対して5〜50重量%に調製されていることを特徴とする請求項1に記載の遮光性薄膜組成物。

【第1図】
image rotate


【第2図】
image rotate


【第3図】
image rotate


【特許番号】第2607732号
【登録日】平成9年(1997)2月13日
【発行日】平成9年(1997)5月7日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−132200
【出願日】平成2年(1990)5月22日
【公開番号】特開平4−26801
【公開日】平成4年(1992)1月30日
【出願人】(999999999)シャープ株式会社
【参考文献】
【文献】特開 平3−144569(JP,A)