説明

遮蔽材

放射線または電磁波に対して高遮蔽能を有し、曲げ加工性と取扱性に優れ、且つ、難燃性である鉛を含有しない遮蔽材を提供する。放射線または電磁波に対して遮蔽能を有する金属および金属化合物と有機物との複合物を板状等に成形し、この成形体をガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる布状シートで包み込んだ遮蔽材である。また、重金属、フェライトのような高遮蔽能を有する粒子と弾性を有する高分子有機化合物とからなる遮蔽材の表面、内部、または、表面近傍にポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、金属などのフィルム、ナイロン繊維、金属繊維などのワイヤーメッシュ、あるいは、表面に突起を有する板状または棒状材を圧着した遮蔽材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、放射線あるいは電磁波を遮蔽するための遮蔽材に関する。
【背景技術】
従来から、放射線の遮蔽材としては、密度が高く遮蔽能力に優れていることから鉛および鉛合金が多く用いられてきた。ところが、この鉛および鉛合金は厚みが増すと変形加工が困難であることから、塑性加工を要する箇所のための遮蔽材として使用し難いという問題があった。近年、変形加工が可能な鉛遮蔽材として、細い繊維状のいわゆる鉛毛の集合体が使用されるようになった。しかしながら、この鉛毛を使用することにより、変形は容易になるが、加工の程度が大きくなるにつれて密度が下がり、そのため、遮蔽性能は低下するという問題が生じた。また、鉛そのものが人体に対して有害であることからも、その使用は制限されるようになってきている。そのため、遮蔽材として鉛を使用しない材料が求められるようになった。
また、電磁波の遮蔽には重金属板や酸化鉄のようなそれ自体が遮蔽能を有する遮蔽粉末を練り込んだ樹脂が用いられている。しかしながら、これは、変形加工が困難であり、また、遮蔽粉末を練り込んだ樹脂は破れやすく取り扱いに特別の注意を要する欠点がある。
これら従来の鉛に代わる遮蔽材の欠点を解消するために、環境衛生上と柔軟性についての要求を満たすべく金属と有機物の複合物からなる遮蔽材が、特開平08−122492号公報に開示されている。
しかしながら、金属と有機物の複合物は、実際には、取り扱いに際して破損したり亀裂が入ったりするために、従前と同様に、取り扱いに際して特別の注意を払う必要がある。その対策として、高強度の有機物を選択したり、その含有量を増やすこともできるが、その反面柔軟性が失われ、また、密度が下がり遮蔽性能の低下を招く。さらに、金属と有機物の複合物は、火災や異常過熱の際に燃えやすいという欠点もある。
【発明の開示】
本発明の概念的な目的は、係る従来の遮蔽材の欠点を解消することにある。具体的には、本発明の第1の目的は、鉛を使用せずに、放射線遮蔽能力または電磁波遮蔽能力の高い遮蔽材を得ることにある。
本発明の他の目的は、高密度で嵩張ることのない遮蔽材を得ることにある。
また、本発明の他の目的は、強度を向上させ、引き裂きや衝撃に容易に破壊しなくなり、取り扱いが簡単になる遮蔽物と有機物との複合物からなる遮蔽材を得ることにある。
さらに、本発明の他の目的は、曲げ加工中、あるいは、折り曲げに際して割れ難い鉛を使用しない遮蔽材を得ることにある。
本発明に係る遮蔽材は、放射線、電磁波を遮蔽する機能を有する分散用粉末と分散基材としての有機物との複合物からなる柔軟性を有する板状体のような成形体を難燃性繊維シートによって包み込むことにより、難燃性と取り扱い時の強度を向上させたものである。また、本発明の遮蔽材は、柔軟性に富むために変形加工が容易であり、複雑な形状を有する遮蔽対象物を隙間なく遮蔽することができ、複雑な表面形状を有する対象物からの各種放射線あるいは電磁波を遮蔽することができる。
また、本発明に係る遮蔽材は、放射線あるいは電磁波に対して遮蔽機能を有する粒子と弾性を有する高分子有機化合物粒子との複合体の表面あるいは内部に補強材を配して一体化したことによって、曲げあるいは折り曲げ加工に対する強度を向上させたものである。
有機物基材に分散混合すべき遮蔽物質と、有機物は、要求される遮蔽能力や使用温度などの適用環境から適宜選択することができる。とくに、放射線の遮蔽に関しては、放射線の遮蔽能力は主に遮蔽部材の密度に比例する。例えば、タングステンまたはモリブデンは密度が大きく、遮蔽能力が非常に高く、同じ体積の鉛の1.4倍程度の遮蔽能を有す。また、同じく炭化タングステンやその他のタングステン合金やタングステン化合物、その他の重金属化合物もタングステンやモリブデンなどのその他の高密度の粉末と混合しても同等の効果を得ることができる。
また、電磁波を遮蔽するためには、有機物に混合する遮蔽用分散材としては、鉄材、酸化鉄、酸化チタン、チタン酸バリウムのような金属化合物の磁性体の粉末が適している。電磁波を遮蔽するためには、その表面で反射させるか、あるいは、遮蔽材に吸収させるかの何れかの作用を利用するものであるが、とくに、電磁波測定器への適用に際しては、反射による遮蔽では、反射した電磁波が他の機器に影響を与える可能性があるために、できるだけ吸収による遮蔽が望ましい。そのため、磁性体の金属化合物を使用した場合は、電磁波を熱に変換して遮蔽材に取り込む働きがあるので好適である。
また、本発明で使用する有機物は、柔軟性を有し、前記金属および金属の酸化物と馴染みやすい材料が適しており、エラストマー樹脂、加硫ゴム、軟質プラスチックなどを用いるのがよい。
上記遮蔽能を有する複合物の成形体を包み込む難燃性布状シートとしては、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維、あるいは、セラミックス繊維など難燃性繊維を布状に編んだもののような、引き裂きに強く、柔軟性を持ち、難燃性を有する繊維部材が使用できる。この繊維部材を前記の遮蔽機能を有する複合物の成形体を密封状態で包み込むことにより、前記複合物を構成する有機物への酸素の供給を遮断し、さらに難燃性を高める。この際、上記繊維からなる布状のシートは、塩化ビニールのような非通気性のコーティング材でコートするのが良い。
本発明の遮蔽材の製造に際しての難燃性を有する布状物への成形遮蔽材の包み込みは、任意の種々の方法を採用できる。例えば、難燃性布材を袋状に整形加工を行い、混合物の成形体を袋内に封入する方法、あらかじめ混合材を布材で包み、最終形状に一体成形する方法、2枚以上の布材の間に混合物の成形体を挿入しておき、外周部をとじ合わせ一体にする方法などを採用できる。布材を綴じ合わせるには、外周部を高強度のナイロン、ガラス繊維、金属繊維などの糸で縫合する方法や、ウェルダーによって加熱、加圧圧着する方法、さらには、接着剤を使用して張り合わせる方法も採用できる。
さらに、補強材としては、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、金属などのラミネートフィルム、ナイロン繊維、金属繊維などのワイヤーメッシュ、あるいは、表面に突起を有する板状または棒状材を適用できる。これらの補強材を適用することによって、曲げやせん断に強く、少ない体積で補強された遮蔽材とすることができる。したがって、補強材の適用によっても遮蔽材としての密度の低下はごく少なく、その放射線あるいは電磁波に対する遮蔽能の低下はほとんどない。補強材は、遮蔽材の形状に合わせて切断して使用する。
遮蔽材と補強材を一体化する手段としては、遮蔽材に補強材を接触させた状態で熱を加えて部分的に溶融して一体化する方法、両者を接着剤にて接着して一体化する方法、遮蔽材に補強材を貼り付ける方法、2つ以上の遮蔽材の間に補強材を挟み熱および圧力を掛け一体化させる方法など、さまざまな方法を採ることができる。
また、補強材と一体化した遮蔽材を、前記の布状シートに包み込んだ構造のものに適用することによって、折り畳んでの搬送や保管に際しての破れや割れに対する対抗性を増大できる。
【図面の簡単な説明】
図1は遮蔽材の片側表面に補強材を施した例を、図2は遮蔽材の内部に補強材を施した例を、図3は、遮蔽材の表面近傍に補強材を埋め込んだ例を、図4は一定以上曲がらない機能を有する補強材を片面に施した遮蔽材の例を、(a)においては通常時、また、(b)は折り畳んだ状態を、さらに、図5は、図4に示す補強材を遮蔽材の両面に施した例をそれぞれ示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
表1は、本発明の遮蔽材を放射線用遮蔽材に適用した例を示す。
同表において、No.1〜8は本発明の実施例を示し、No.9〜13は比較例を示し、それぞれを柔軟性、遮蔽能力、難燃性、取扱性それに総合評価によって評価したものである。
遮蔽能を付与するための分散粒子として、0.5〜100μm程度の粒子径を有するタングステン粉末、モリブデン粉末、酸化ハフニウムを使用し、有機物として、オレフィン系エラストマー、加硫ゴム、スチレン系エラストマー、イソプレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーを約40体積%の割合で混練して得た複合物を、140〜180℃の温間プレス方法にて成形し、3mm×300mm×1000mmの板状材とした。次に、布材として表に示すように、塩化ビニルでコーティングしたガラスクロスシート、シリコンコーティングしたガラスクロスシート、シリコンコーティングしたカーボン繊維シート、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングしたタングステンワイヤシート、PTFEでコーティングしたスチールワイヤシート、シリコンコーティングした炭化珪素粉末含有ナイロンシートを内部に厚さ3mm×300mm×1000mmの空洞を有する袋に整形した。この空洞に前記板状体を挿入し、袋の空いた口をポリエステル糸で縫合して遮蔽材を得た。この遮蔽材を遮蔽部材を固定したまま長期間使用するのではなく、遮蔽場所を変えながら、その遮蔽を要する場所の形状に応じて変形成形し、放射線遮蔽部材として原子力発電施設内点検作業に使用した。
本発明の実施例であるNo.1〜8は柔軟性、遮蔽能力、難燃性、環境への影響、取り扱い性の全てにおいて適しており、放射線遮蔽部材として良好な性質を示した。
本発明の遮蔽材は高密度のタングステン粉末を含むために放射線遮蔽性に優れており、同じ厚さの含鉛材料試料No.9とNo.10よりもX線遮蔽能力に優れていた。
また、試料No.11は、鉄粉を塩化ビニル(以下「塩ビ」と略記する)コーティングガラスクロスシートに詰めたものであるが、内部で粉末が片寄り遮蔽能力もムラがあり実用できなかった。
試料No.12の試料はタングステンーエラストマー樹脂複合物であるが、折り畳みや引き裂きに極めて弱いために取り扱いが難しく、容易に破損した。
試料No.13の試料は布状の材料としてポリエチレンを用いたが、短時間の火炎との接触により容易に着火した。
【表1】

【実施例2】
表2は、本発明を電磁波遮蔽材に適用した例を示す。
同表に示す実施例であるNo.21〜23は、電磁波遮蔽用分散材として酸化鉄粉と鉄粉を選択し、有機物として加硫ゴム、オレフィン系エラストマーを選択し、これらを約40体積%の割合で混合した複合物を実施例1と同様の条件で処理して、1mm×1000mm×1000mmの板状材を用意した。
布材として塩ビでコーティングしたガラスクロスシートを選択し、2枚用意し、その2枚の間に複合物板状部材を挟んだ状態でガラスクロスシートの外周部をウェルダーにより加熱、圧着して板状複合物を挟んだ状態で一体とし、遮蔽材を得た。
この遮蔽材を複数作製し簡易的な電磁波暗室の外壁に貼り付けることによって電磁波遮蔽部材として使用した。
電磁波暗室の外壁は凹凸があるために、柔軟な材料にて隙間なく覆う必要があり、また、設備を移設させたり、他の設備の遮蔽などに使うために、取り扱いに特別の注意が要らないよう引き裂きなどに対して強い材料である必要がある。また、遮蔽能力が小さいと充分な遮蔽効果を得るために厚い部材を使用する必要があり、持ち運びや設備への設置、保管などの際に不利となるために、なるべく単位体積あたりの遮蔽能が高いものが望ましい。本発明に係る試料No.21〜23は係る用途に適切な電磁波遮蔽材であった。さらには、柔軟性がありながら、破れにくさ、難燃性なども同時に有していた。
表2に示すNo.24〜27は比較例を示す。上記本発明の実施例であるNo.21〜23は、これらの比較例に対して、柔軟性、遮蔽能力、難燃性、環境への影響、取り扱い性の全ての点において、電磁波遮蔽部材として優れたものであった。
比較例のNo.24は複合物板状部材でなく鉄粉を塩ビコーティングガラスクロスシートに詰めたものであるが、内部で粉末が偏在し、遮蔽能力もムラがあり使用できなかった。No.25は酸化鉄−エラストマー樹脂複合物であるが、取り扱いが難しく、容易に破損した。また、No.26は布状の材料としてポリエチレンを用いたが、短時間の火炎との接触により容易に着火した。また、鉄板であるNo.27は設備に対して形状がなじまず、限られた設備形状にしか使用できなかった。
【表2】

【実施例3】
添付各図は、本発明の遮蔽材への補強材の適用例を示す。
遮蔽機能を有する粒子と弾性を有する高分子化合物との混合物からなる遮蔽材1には、補強材2が一体的に取り付けられているが、その形態は図1に示すように補強材2がフィルム状、メッシュ状の場合、遮蔽材1の表面に貼り付ける形態と、図2に示すように遮蔽材1の内部に補強材2を埋め込む形態がある。
また、図3に示すように、表面に突起21を有する補強材20の場合には、突起21を下側にして遮蔽材1の表面近傍に埋め込み一体化することができる。
さらに、図4(a)に示す表面に突起21を有する補強材20は、図4(b)に示すように、突起21が遮蔽材1の湾曲を制限し、遮蔽材1を特定方向に一定以上曲がらないようにする。例えば、この補強材20を一方向に長い遮蔽部材マット中央部に取り付けることにより、折り畳んでの搬送や保管する際も、折り曲げ部の曲率を一定以上に確保できるためにそこから破れや割れを生じることがない。
本実施例では、金属として放射線遮蔽能力の高いタングステン粉末と、有機物として熱可塑性エラストマーであるオレフィン系エラストマー粉末を混合、加熱、加圧し、タングステン粉末60(体積%)、オレフィン系エラストマー40(体積%)の板状の複合物を得た。また、補強材として樹脂成分を主とする粘着性ラミネートシートを選択し、複合物の形状に合わせて切断した。つぎに、板状の複合物の両面にラミネートシートを貼り、一体として柔軟性を持つ板状の遮蔽部材を得た。
得られたこの遮蔽部材を、従来含鉛材料が使用されている手荷物検査用のX線透過装置のカーテンとして使用した。
この遮蔽部材は高密度のタングステン粉末を含むために放射線遮蔽性に優れており、同じ厚さの含鉛材料よりもX線遮蔽能力に優れていた。また、柔軟性が高く、折り曲げて変形させることが可能であった。荷物が食品などの場合でも鉛など有害な材料を使用していないために食物への鉛汚染の問題もなく使用することができた。さらに引き裂きに対する強度が従来の遮蔽部材より高く、取り付けが極めて容易であり、含鉛材料のカーテンと比較して同等以上の寿命を得ることができた。
【実施例4】
遮蔽材として実施例3と同様にして板状材を選択した。補強材20として図4に示すような表面に突起21を有する樹脂製の板材を選択し、板状材の大きさに2枚切断した。つぎに、複合物と補強部材の両者を接着剤にて貼り合わせ、図5に示すように両面に溝状の凹凸を有する遮蔽材1が得られた。得られた遮蔽材を、放射線遮蔽部材として原子力発電所施設内点検作業時に用いた。この用途は遮蔽部材を固定したまま長時間使用するのではなく、作業箇所に応じて遮蔽場所を変えながら使用した。
この遮蔽材は、充分な柔軟性を持っているためにさまざまな形状に対応して遮蔽を行うことができた。また、搬送の際に折り畳むことがあったが、補強材によって湾曲部が一定以上の曲率を確保することができ、複合物は割れを生じなかった。また、遮蔽性は同じ厚さの鉛毛マットに対して2倍程度の能力があった。
比較例として、同様の遮蔽材をそのまま放射線遮蔽部材として原子力発電所施設内点検作業時に用いたところ、搬送時に複合物に割れが生じ、使用に耐えなかった。
【実施例5】
金属として電磁波吸収能の高いフェライト粉末を選択し、有機物として加硫ゴム粉末を選択し、実施例1と同様の方法にてフェライト60(体積%)、加硫ゴム40(体積%)からなる板状の遮蔽材を得た。この複合物を厚さ1mm、500mm四方の板状に成形した。つぎに、この遮蔽材2枚で太さ0.05mmでピッチが1mmで格子状の銅製の網を1枚はさみ、加熱しながら両面からプレスを行い3者を一体化させ、遮蔽材を得た。銅製の網は一体となった複合物中央部に埋没し、強固に接合されていた。
得られた電波遮蔽部材を簡易電磁波測定室の壁および天井に隙間なく設置したところ、外部からの周波数2MHz以上の電波は全く入らずに、ノイズのない正確な測定ができた。また、設置の際に折り曲げてそのまま使用したが、破れなどは全く入らずに、また、測定室の形に添う柔軟性を有していた。
【産業上の利用可能性】
本発明の遮蔽材は、電磁波や核設備からの放射線を遮蔽する任意の箇所と部材に簡便に適用できる。
また、本発明の遮蔽材は、毒性がないことから食品へ残留した金属の探知装置や、空港のX線による荷物検査機カーテンのような用途に適用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線または電磁波を遮蔽する能力を有する分散材と有機物の複合物からなる柔軟性を有する成形体が、難燃性繊維からなる布状シートによって包み込まれている遮蔽材。
【請求項2】
分散材が重金属の粉末である放射線遮蔽用の請求の範囲第1項に記載の遮蔽材。
【請求項3】
分散材が電磁波を吸収する金属鉄、酸化鉄または誘電体である電磁波遮蔽用の請求の範囲第1項に記載の遮蔽材。
【請求項4】
難燃性繊維が、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維、セラミックス繊維の中の何れかである請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の遮蔽材。
【請求項5】
難燃性繊維からなる布状シートが非通気性のコーティング材によってコートされている請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の遮蔽材。
【請求項6】
放射線または電磁波を遮蔽する能力を有する分散材を分散した弾性を有する高分子有機化合物からなる遮蔽材に、曲げに対する補強能力を有する補強材を取り付けた遮蔽材。
【請求項7】
分散材が重金属または磁性体であり、弾性を有する高分子有機化合物がエラストマー樹脂または加硫ゴムである請求の範囲第6項に記載の遮蔽材。
【請求項8】
補強材がポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、金属などのフィルム、ナイロン繊維、金属繊維などのワイヤーメッシュ、あるいは、表面に突起を有する板状または棒状材のいずれか1種または2種以上である請求の範囲第6項または第7項に記載の遮蔽材。
【請求項9】
補強材の遮蔽材への取り付け箇所が遮蔽材の表面、内部、または、表面近傍である請求の範囲第6項から第8項のいずれかに記載の遮蔽材。
【請求項10】
補強材の遮蔽材への取り付け状態が圧着状態で取り付けられている請求の範囲第6項から第8項のいずれかに記載の遮蔽材。
【請求項11】
補強材が二分された遮蔽材の間に圧着状態で取り付けられている請求の範囲第6項から第8項のいずれかに記載の遮蔽材。
【請求項12】
遮蔽材が、ガラス繊維、金属繊維、ナイロン繊維などの高強度の繊維を織り込んだ布状シートに包み込んだ構造を有するものである請求の範囲第6項から第11項のいずれかに記載の遮蔽材。

【国際公開番号】WO2004/084234
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【発行日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569570(P2004−569570)
【国際出願番号】PCT/JP2003/003288
【国際出願日】平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願人】(000229173)日本タングステン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】