説明

選別装置及びゲーム装置

【課題】サイズの異なる遊技媒体を混在させてゲームを実行させるゲーム装置において、サイズの異なる遊技媒体がゴールなどに収容された場合に的確に選別することができる選別装置及びそれを備えるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】
パック選別ユニット250は、ゴールポケット220の下部に形成され、ゴールにより混在して収容された第1パック10及び第2パック20を、パックの種別毎に選別するため、回転板260、背面部材270及び駆動機構280を有する。回転板260は、背面部材270の前面273に回転自在に取り付けられており、所定の角度に傾斜された回転軸266を基準に回転駆動されるとともに、複数の開口領域261と、各開口領域261毎に設けられた移動路262、導入端部263及び排出端部264を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を選別する選別装置及びこれを用いたゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速でフィールド面を滑動するパックのスピード感と、当該パックを打撃して相手ゴールに打ち込む爽快感とを兼ね備え、それに基づく興奮と迫力を体感することが可能な対戦型アーケードのゲーム装置の一つとして、エアホッケー用のゲーム装置(いわゆる、エアホッケーゲーム(以下、「エアホッケーゲーム装置」という。))が知られている。このエアホッケーゲーム装置は、複数の空気の吹出孔を有し、円板形状のパックを浮遊させて滑動させるためのフィールド盤と、各吹出孔に空気を送る送風手段と、パックの滑動方向を変化させ、フィールド面の周囲に設けられた壁として機能する反射部材と、フィールド盤に設けられた標的となるゴールポケットと、を有している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−299584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエアホッケーゲーム装置などのゲーム装置にあっては、プレーヤの実力差がある場合には、実力通りの結果になることが多い。特に、このようなエアホッケーゲーム装置において、一度に複数の遊技媒体を同時に供給してゲームを実行させたとしても、遊技媒体が複数あるというゲーム的な難易度を高くしているだけであり、この場合であっても、プレーヤの実力差がある場合には、実力通りの結果になることが多い。また、複数の遊技媒体を用いたゲーム装置は、ゲームとしての新たな興趣性を持たせているとは言い難く、プレーヤの実力差がある場合には、双方のプレーヤに対してゲームに対する興趣性を維持させることは困難である。
【0005】
本発明の目的は、サイズの異なる遊技媒体を混在させてゲームを実行させることによって、新たな興趣性を提供し、かつ、実力差のあるプレーヤの対戦であっても双方のプレーヤにゲームの興趣性を維持させることができる新規なゲーム装置において、サイズの異なる遊技媒体がゴールなどに収容された場合に的確に選別することができる選別装置及びそれを備えるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するため、本発明の選別装置は、
サイズの異なる複数の円板形状の遊技媒体を用いてゲームを実行するゲーム装置において、ゲーム中またはゲームの終了後に混在して収容された第1遊技媒体と当該第1遊技媒体より円板サイズが小さい第2遊技媒体の少なくとも2種類の遊技媒体を選別する選別装置であって、
所定の角度に傾斜された回転軸を基準に回転駆動される回転板であって、(a)前記第1遊技媒体及び第2遊技媒体の双方を収容可能であり、第1遊技媒体の円板サイズ以上の開口領域と、(b)開口領域から所定方向に延在して形成され、回転に伴って前記開口領域に収容された前記第2遊技媒体を当該開口領域から移動させる移動路と、を有する回転板と、
前記回転板の背面に前記回転板に対向して設けられるとともに、前記回転板の開口領域に収容された各遊技媒体を前記回転板の回転中に支持するための部材であって、(i)第1遊技媒体の円板サイズ以上の大きさを有し、前記回転板の回転中に前記開口領域に重畳されて前記第1遊技媒体を排出する第1孔部と(ii)当該第2遊技媒体の円板サイズ以上の大きさを有し、前記移動路に移動された第2遊技媒体を排出する第2孔部と、を有する背面部材と、
を備え、
前記移動路には、
前記第1遊技媒体の直径より小さくかつ前記第2遊技媒体の直径以上の幅を有し、前記開口領域の周縁に当該開口領域に向けて開放された導入端部と、
前記導入端部とは異なる端部であって、第2遊技媒体を排出するための排出端部と、
が含まれ、
前記排出端部には、前記第2遊技媒体の円板サイズ以上の大きさによって背面方向に開放された開放領域が形成されており、前記開放領域が前記回転板の回転中に前記第2孔部に重畳されるとともに、
前記第1孔部が、前記回転板の回転に伴って前記第2遊技媒体が前記移動路に移動する際の回転角度によって定められる前記開口領域の位置に対応する背面部材の位置より、当該回転板の回転方向に対して下流に形成されている、構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明の選別装置は、回転板の開口領域に第1遊技媒体または第2遊技媒体の何れか一方が収容されると、第1遊技媒体及び第2遊技媒体の少なくとも2つの遊技媒体を的確に選別することができる。すなわち、第1遊技媒体が収容された場合には、当該第1遊技媒体は、第1孔部から排出されるとともに、第2遊技媒体が回転板に収容された場合には、当該第2遊技媒体は、回転板の回転に伴って導入端部から移動路に移動するとともに最終的には排出端部まで移動し、第1孔部からの排出を回避して第2孔部から排出される。したがって、本発明の選別装置は、回転板を回転させる一つの動力のみによって、第1遊技媒体及び第2遊技媒体の少なくとも2つの遊技媒体を的確に選別することができる。
【0008】
(2)また、本発明において、
前記移動路の導入端部が、前記回転板の回転中に前記遊技媒体を保持するために当該遊技媒体に当接される周縁に沿って形成されている、構成を有してもよい。
【0009】
この構成により、本発明の選別装置は、第2遊技媒体をよりスムーズに移動路に移動させることができ、第2遊技媒体が第1孔部から排出されることを防止することができる。
【0010】
(3)また、本発明において、
前記移動路の排出端部における幅の中点が、前記導入端部の幅に対する中点と回転中心との結線上又は当該結線より下流に位置するように、当該排出端部が形成されている、構成を有してもよい。
【0011】
この構成により、本発明の選別装置は、回転板に第2遊技媒体が収容された場合に、所定の傾きの回転位置を基点として当該第2遊技媒体をよりスムーズに移動路に移動させることができ、当該第2遊技媒体が第1孔部から排出されることを防止することができる。
【0012】
(4)また、本発明において、
前記移動路が、前記開口領域の周縁から前記回転中心に向かって延在している、構成を有してもよい。
【0013】
この構成により、本発明の選別装置は、回転板に対する移動路を効率よく形成させることができるので、開口領域及び移動路の組を回転板に多く形成させることができる。
【0014】
(5)また、本発明において、
前記回転板の下部に前記第1遊技媒体及び前記第2遊技媒体が混在して貯留される貯留部を更に備える、構成を有してもよい。
【0015】
この構成により、本発明の選別装置は、回転板を回転させる一つの動力のみによって、混在して収容された第1遊技媒体及び第2遊技媒体の少なくとも2つの遊技媒体を的確に選別することができる。
【0016】
(6)また、本発明において、
前記貯留部には、当該貯留部に収容される第1遊技媒体及び第2遊技媒体を、前記開口領域にガイドするためのガイド部材が形成されている、構成を有してもよい。
【0017】
この構成により、本発明の選別装置は、貯留部に混在して収容された第1遊技媒体及び第2遊技媒体が当該貯留部内に堆積させずに開口領域に的確に収容させることができる。
【0018】
(7)また、本発明において、
前記回転板の前面と水平面とによって形成される角度が、90度より大きく180度より小さくなるように、前記回転板の回転軸が傾斜されている、構成を有してもよい。
【0019】
この構成により、本発明の選別装置は、開口領域に第1遊技媒体または第2遊技媒体が収容されれば、回転板の回転に伴って第2遊技媒体のみ移動路に的確に移動させることができるので、第2遊技媒体における1孔部からの排出を回避して第2孔部から排出させることができる。
【0020】
(8)また、本発明のゲーム装置は、(1)〜(7)の選別装置を有する構成を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るエアホッケーゲーム装置の一実施形態における外観を示す外観斜視図である。
【図2】一実施形態における第1パック及び第2パックの上面図である。
【図3】一実施形態のゴールポケットの後方斜め上方からの外観を示す外観斜視図である。
【図4】一実施形態のパック選別ユニットの外観を示す外観斜視図である。
【図5】一実施形態のパック選別ユニットの外観を示す正面図、側面図及び背面図である。
【図6】一実施形態のパック選別ユニットにおける回転板の正面図及び背面図である。
【図7】一実施形態のパック選別ユニットにおける背面部材の外観斜視図である。
【図8】一実施形態の回転板における第1パックの収容から排出までを説明するための図である。
【図9】一実施形態の回転板における第2パックの収容から排出までを説明するための図である。
【図10】一実施形態の供給ユニットの外観を示す外観斜視図である。
【図11】一実施形態の装填ユニットにおける背面の一部であって、斜め後方からの外観を示す背面斜視図である。
【図12】一実施形態の装填ユニットにおける背面の一部の外観を示す背面図である。
【図13】一実施形態の駆動制御ユニットのブロック構成を示す構成図である。
【図14】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その1)である。
【図15】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その2)である。
【図16】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その3)である。
【図17】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その4)である。
【図18】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その5)である。
【図19】一実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置における動作を示すフローチャート(その6)である。
【図20】一実施形態のエアホッケーゲーム装置における得点制御処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明のゲーム装置について、図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明のゲーム装置として、フィールド面において空気を利用してパックと呼ばれる円形状の遊技媒体を滑動させつつ、マレットと呼ばれる打撃手段によってパックを打撃して相手プレーヤのゴールに当該遊技媒体を入れる対戦型のアーケード用ゲーム装置(以下、「エアホッケーゲーム装置」という。)を用いて説明する。
【0023】
[エアホッケーゲーム装置の概略構成]
まず、図1及び図2を用いて本実施形態のエアホッケーゲーム装置100の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100の外観を示す外観斜視図であり、図2は、本実施形態の第1パック10及び第2パック20の上面図である。
【0024】
エアホッケーゲーム装置100は、図1及び図2に示すように、円板形状の第1のパック(以下、「第1パック」という。)10と当該第1パック10よりサイズ(円板サイズ)が小さい円板形状の第2のパック(以下、「第2パック」という。)20を用いることによって複数のプレーヤに対戦形式のゲームを実行させるゲーム装置である。特に、エアホッケーゲーム装置100は、相手側のゴールに第1パック10及び第2パック20を入れて得点を競い合わせるゲーム装置である。そして、エアホッケーゲーム装置100は、第1パック10及び第2パック20の回収及び供給、得点の集計及び表示、それに伴う演出など、パックの種別によって異なるゲーム上の役割に基づいて、ゲームの進行を制御するように構成されている。
【0025】
構造的には、エアホッケーゲーム装置100は、図1に示すように、筐体200、フィールド盤210、ゴールポケット220、空気送出ユニット330、供給ユニット400、装填ユニット600及び告知ユニット700を備えているとともに、筐体200内部に駆動制御ユニット800(後述する図13を参照)を備えている。
【0026】
筐体200は、所定の高さを有し、平面視でほぼ長方形の形状に形成され、上部に形成されたフィールド盤210を支持する。特に、筐体200は、各プレーヤによってフィールド盤210上においてエアホッケーゲームが実行可能なように、安定的な土台を構成する。すなわち、筐体200は、各プレーヤがマレット50を使用してフィールド盤210を滑動する第1パック10及び第2パック20に対して打撃することが可能であって、かつ、自己のゴールポケット220(プレーヤが立っている短辺側のゴールポケット220)への第1パック10及び第2パック20におけるゴールを防御することが可能なように形成されている。また、筐体200の内部には、空気送出ユニット330及び駆動制御ユニット800が設けられている。さらに、筐体200の一方の中央側面には、装填ユニット600及び当該装填ユニット600と連結された供給ユニット400が形成されている。
【0027】
フィールド盤210は、空気を吹き出して第1パック10及び第2パック20を浮遊させつつ滑動させるフィールドとして機能し、エアホッケーゲームのゲームエリアとなる部分である。また、フィールド盤210は、筐体200と同様に平面視でほぼ長方形の形状を有するとともに、盤面(以下、「フィールド盤面」または「滑動面」ともいう。)上に設けられ、第1パック10及び第2パック20を浮遊させるために空気を吹き出す複数の吹出孔211を有している。各吹出孔211は、微小な貫通孔から形成され、フィールド盤210の全面に渡って所定の間隔でほぼ均等に分散して形成されている。特に、各吹出孔211は、第1パック10及び第2パック20を浮遊させて滑動させるため、筐体200の内部に設けられた空気送出ユニット330から送出された空気を、フィールド盤210に対して垂直となる上方に向かって出力する。
【0028】
また、フィールド盤210は、長方形のゲームエリアの周囲にフィールド盤面から所定の高さを有し、第1パック10及び第2パック20を反射させるとともにフィールド外に飛び出すことを防止するために立設された防壁(以下、「壁面」ともいう。)230を有している。
【0029】
各ゴールポケット220は、ゴールエリアとして用いられ、プレーヤの標的となるエリアである。また、各ゴールポケット220は、フィールド盤210の各短辺中央部に設けられ、プレーヤ毎に(複数のプレーヤがチームとなって対戦する場合にはチーム毎に)設けられている。各ゴールポケット220は、ゴールされた第1パック10及び第2パック20を収容し、収容された第1パック10及び第2パック20を一つずつ選別して所定の搬送手段に排出する。特に、各ゴールポケット220には、第1パック10及び第2パック20が同一のタイミングでフィールド盤210に供給された場合であっても、第1パック10及び第2パック20等の異なるパックが混在して収容される。そして、各ゴールポケット220は、このように第1パック10及び第2パック20が混在して収容された場合であっても、収容された第1パック10及び第2パック20を選別し、種別毎に排出することができるように構成されている。なお、本実施形態のゴールポケット220における構成の詳細について後述する。また、図1において左側のゴールポケット220を第1ゴールポケット220aといい、右側のゴールポケット220を第2ゴールポケット220bという。
【0030】
空気送出ユニット330は、第1パック10及び第2パック20を浮遊させるため、フィールド盤210に空気を送出するために用いられる。また、空気送出ユニット330は、例えば、空気を圧縮するためのコンプレッサを有し、駆動制御ユニット800の制御の下、ゲームの実行中に当該コンプレッサによって圧縮された空気をフィールド盤面に形成された吹出孔211に送出する。
【0031】
供給ユニット400は、第1パック10及び第2パック20の異なる種別のパックをフィールド盤210に供給するために用いられる。この供給ユニット400は、筐体200の一方の中央側面側に立設され、その上端部側が装填ユニット600の上端部側と連結され、装填ユニット600から、第1パック10及び第2パック20が装填される構成となっている。
【0032】
供給ユニット400には、駆動制御ユニット800の制御の下、装填ユニット600によって所定のタイミングで第1パック10が装填される。そして、供給ユニット400は、装填された第1パック10を、当該第1パック10がスライド移動する経路441a、441b(図10参照)を切り替えつつ、各ゴールポケット220毎(すなわち、プレーヤ毎またはチーム毎)に設けられた前記経路441a、441b(図10参照)に沿ってフィールド盤210に選択的に供給する。さらに、供給ユニット400は、複数の第2パック20を貯留しつつ、所定の条件が具備した際に当該貯留された複数の第2パック20を同時にフィールド盤210に供給する。なお、本実施形態の供給ユニット400における構成の詳細について後述する。
【0033】
装填ユニット600は、ゴールポケット220によって選別された第1パック10及び第2パック20を供給ユニット400に装填するためのユニットである。装填ユニット600は、筐体200の一方の中央側面側において筐体200の下部からフィールド盤面を通って筐体200の上部に渡って立設されており、当該筐体200上部において供給ユニット400の上端側と連結し、第1パック10及び第2パック20を供給ユニット400に装填する構成となっている。まず、装填ユニット600は、駆動制御ユニット800の制御の下、選別された第1パック10及び第2パック20を分類する。そして、装填ユニット600は、分類された第1パック10を貯留しつつ、当該第1パック10を直接に供給ユニット400に装填する。また、装填ユニット600は、複数の第2パック20を一時的に貯留する。そして、複数の第2パック20を、第1パック10の経路と異なる経路によって供給ユニット400に装填する。なお、本実施形態の装填ユニット600における構成の詳細について後述する。
【0034】
告知ユニット700は、ゲームの進行上において必要な情報を告知するためのユニットである。告知ユニット700は、筐体中央側面で装填ユニット600及び供給ユニット400が形成されている側面と同一の側面に並設されている。また、告知ユニット700は、駆動制御ユニット800の制御の下、第1パック10または第2パック20がゴールポケット220に収容されたときなどの予め定められたタイミングに基づいて所定の告知及び演出を行うためのユニットである。具体的には、告知ユニット700は、駆動制御ユニット800の制御の下、得点の表示、ゲーム時間の表示及びその他のゲームの演出を行う液晶表示装置710と、得点やゲーム時間の告知またはゲームの演出に伴って所定の効果音及び音楽を出力するスピーカ720と、から構成されている。なお、告知ユニット700は、例えば筐体中央側面で装填ユニット600及び供給ユニット400が形成されている側面と反対の側面に設けられていてもよく、供給ユニット400の上部に設けてもよい。また、告知ユニット700は、ゲーム演出に伴って点滅、点灯及び消灯などの照明効果を発揮するための図示しない照明ユニットを有している。
【0035】
前記スピーカ720としては、それぞれのプレーヤに向いた複数のスピーカが独立して設置されている。そして、それぞれのプレーヤに向いた各スピーカは、それぞれのプレーヤに向け音の指向性をもつスピーカとして形成されている。また、告知ユニット700による各スピーカの効果音は、例えば次のように生成される。まず、それぞれのプレーヤに向いた各スピーカから出力されるゴールした時の効果音は、夫々のプレーヤサイドによって違う音色となるように生成される。また、第2パック20のゴール時の効果音は、1枚入るごとに音程が上がっていき、一定音程まで上がったらまた最初の音に戻るように生成される。これにより、大量に第2パック20がフィールド盤210上に供給された場合、プレーヤがどれぐらいゴールし、ゴールされているのか視覚的に判りづらい状況でも、その状況を音により把握することができる。
【0036】
駆動制御ユニット800は、各ユニットを駆動制御するための制御ユニットである。駆動制御ユニット800は、メダルその他のコインの投入に基づいて上記の各ユニットの制御を開始し、第1パック10及び第2パック20の種別によって異なるゲーム上の役割に基づいて、エアホッケーゲームの進行を制御する。特に、駆動制御ユニット800は、空気送出ユニット330における空気の送出の制御、供給ユニット400における第1パック10及び第2パック20の供給制御、告知ユニット700への表示制御及び音声の出力制御、並びに、装填ユニット600における駆動制御を行う。なお、本実施形態の駆動制御ユニット800における構成の詳細について後述する。
【0037】
[パック]
次に、図2を用いて本実施形態の第1パック10及び第2パック20について説明する。
【0038】
第1パック10は、図2(a)に示すように、円板形状を有し、フィールド盤210を浮遊しつつ、滑動する遊技媒体である。また、第1パック10は、円板面の周囲よりも中心部分の厚さが薄くなるように形成されており、滑動中または滑動停止中にフィールド盤面と真空状態になることを防止する形状を有している。すなわち、第1パックの円板面が均等な厚さとなっていると、滑動中または滑動停止中にフィールド盤210との隙間が消失し、吹出孔211からの空気を受けることができずに吸着することがある。そこで、第1パック10は、円板面の中心部分に凹みを形成することによって、常に吹出孔211から吹き出された空気を受け、フィールド盤面と真空状態になることを防止することができるようになっている。
【0039】
第2パック20は、図2(b)に示すように、第1パック10と同様に、円板形状を有し、フィールド盤210を浮遊しつつ、滑動する遊技媒体である。また、第2パック20は、第1パック10と同様に、円板面の周囲よりも中心部分の厚さが薄くなるように形成されており、滑動中にフィールド盤面と真空状態になることを防止する形状を有している。
【0040】
一方、第2パック20は、第1パック10と滑動中のスピード及び打撃感を変化させるために、第1パック10より円板のサイズが小さく(例えば直径が1/2)、かつ、円板面の厚さが薄く形成されている。このように、第2パック20の円板サイズが第1パック10より小さく形成されていると、同一サイズのマレット50によって同一の力で第1パック10及び第2パック20を打撃したとしても、それぞれのパックの滑動スピードは異なる。すなわち、同一サイズのマレット50によって同一の力で第1パック10及び第2パック20を打撃したとしても、第2パック20は、フィールド盤面を第1パック10より速く滑動し、第1パック10は、当該フィールド盤面を遅く滑動し、打撃されたパックのスピードが異なることになる。本実施形態では、このような異なるパックを同一のゲームエリアであるフィールド盤210に同時に供給することによって、ゲーム性を変化させてエキサイティングなゲームを演出することができるようになっている。なお、第1パック10及び第2パック20の厚さは、必要に応じ、上記のように異なる厚さに形成してもよく、同一の厚さに形成してもよい。
【0041】
なお、本実施形態の第2パック20は、第1パック10と円板サイズを小さく及び薄くするように形成されているが、第1パック10より重く、または、第1パック10より高速に滑動する材質によって形成されていてもよく、さらに、第2パックの円板面が第1パック10より高速に滑動するコーティング剤によってコーティングされていてもよい。
【0042】
[ゴールポケット]
次に、図3〜図9を用いて本実施形態の各ゴールポケット220の構造について説明する。
【0043】
なお、図3は、本実施形態のゴールポケット220の後方斜め上方からの外観を示す外観斜視図であり、図4は、本実施形態のパック選別ユニット250の外観を示す外観斜視図である。また、図5は、本実施形態のパック選別ユニット250の外観を示す正面図、側面図及び背面図、図6は、本実施形態のパック選別ユニット250における回転板の(a)正面図及び(b)背面図、及び、図7は、本実施形態のパック選別ユニット250における背面部材の外観斜視図である。さらに、図8は、本実施形態の回転板260における第1パック10の収容から排出までを説明するための図であり、図9は、本実施形態の回転板260における第2パック20の収容から排出までを説明するための図である。
【0044】
各ゴールポケット220は、図3に示すように、開口部221、収容部222、排出口223及びパック選別ユニット250を備えている。
【0045】
開口部221は、フィールド盤210の短辺中央部に形成されており、フィールド盤面と同一レベルに形成されている。また、開口部221は、第1パック10及び第2パック20のゴールとして機能する。すなわち、開口部221は、所定の幅とフィールド盤面から所定の高さとを有しており、フィールド盤210上を滑動している第1パック10及び第2パック20を受け入れ可能に形成されている。
【0046】
収容部222は、開口部221と一体的に形成されており、開口部221から入った(すなわち、ゴールされた)第1パック10及び第2パック20を収容する。また、収容部222は、収容した第1パック10及び第2パック20を、下方に設けられた排出口223から排出する構造を有している。具体的には、収容部222は、開口部221が上方前面に形成された上部ボックス222aと、上部ボックス222aの底部に一体的に形成され下方が絞り込まれた幅狭の下部ボックス222bと、を含み、開口部221から入った第1パック10及び第2パック20を、上部ボックス222aから下部ボックス222bの下方に位置する幅狭の長方形状をした排出口223へと導く。
【0047】
下部ボックス222bには、フィールド盤210の短辺の端部に沿って垂直方向に形成される第1側面223aと、当該第1側面223aに対向する第2側面223bとが設けられている。この第2側面223bは、第1側面223aに向かって下り傾斜している。また、下部ボックス222bの底面は、第1パック10及び第2パック20がパック選別ユニット250に収容されるように、パック選別ユニット250に向かって前記排出口223が開放形成されている。
【0048】
パック選別ユニット250は、収容部222の下部に接合された状態で、筐体200の底面に載置されている。パック選別ユニット250は、収容部222を介して混在して収容された第1パック10及び第2パック20を、パックの種別毎に選別するための構成を有している。なお、選別された第1パック10及び第2パック20は、それぞれ所定の経路を通って装填ユニット600に搬送される。
【0049】
図4〜図7に示すように、パック選別ユニット250は、主に、ベース251と、第1パック10及び第2パック20を収容する収容部252と、回転板260と、回転板260を支持する背面部材270と、回転板260を回転させる駆動機構280と、を含む。
【0050】
回転板260の前面下部には、収容部222から落下してきた第1パック10及び第2パック20を収容する収容部252が設けられている。そして、収容部252の上部には、落下してきた第1パック10及び第2パック20を収容部252にガイドするガイド口253が形成されている。
【0051】
パック選別ユニット250においては、ベース251上には、前面273に回転板260が配置され、背面に駆動機構280が設けられた背面部材270が取り付けられている。特に、背面部材270の前面273は、所定の角度の傾斜を有している。そして、背面部材270の前面273には、略同一の角度に傾斜した状態で回転板260が回動可能に対向して配置されている。回転板260は、背面部材270を介して駆動機構280と連結され、後述する駆動制御ユニット800の制御の下、回転駆動するようになっている。
【0052】
前述したように、図6(a)は、本実施形態のパック選別ユニット250における回転板の正面図であり、同図(b)はその背面図である。同図に示すように、回転板260には、円形状をした複数の開口領域261が回転軸266を中心に点対称にリング状に形成され、同図(b)に示すように、回転板260の裏面側には、各開口領域261から回転軸266方向に延びる複数の移動路262が溝状に形成されている。
【0053】
図7に示すように、背面部材270には、前記回転板260の複数の開口領域261及びこれに対応する複数の移動路262と協働して、収容部252に収容された第1パック10及び第2パック20を選別して排出する第1孔部271及び第2孔部272が形成され、背面部材270の裏面側には、第1孔部271及び第2孔部272を介して選別排出された第1パック10及び第2パック20をそれぞれ個別に回収する第1パック用回収ボックス277及び第2パック用回収ボックス278が設けられている。
【0054】
以下、具体的に各部の構成を説明する。
【0055】
ベース251は、所定の厚さを有し、筐体200の底面に載置された状態で固定され、パック選別ユニット250の全体を支持する。また、ベース251の上面には、所定の角度傾斜している前面273を有する背面部材270が取り付け固定されている。
【0056】
回転板260は、図5及び図6に示すように、背面部材270の前面273に回転自在に取り付けられており、斜め上方に向け所定の角度に傾斜した回転軸266を基準に回転駆動される。特に、回転軸266は、図5(b)に示すように回転板260の前面と水平面とによって形成される角度θが、90度より大きく180度より小さくなるように、傾斜されている。また、回転板260は、第1パック10または第2パック20のいずれか一方を収容する複数の開口領域261と、開口領域261毎に設けられ、開口領域261に第2パック20が収容された場合に、当該収容された第2パックを開口領域261から移動させるための移動路262と、を有している。
【0057】
各開口領域261は、図6に示すように、円板面の外側よりに円周方向に対して一定間隔毎に形成されている。各開口領域261は、第1パック10の円板サイズ以上の直径であって、第2パック20の直径の2倍よりも短い直径を有する円形形状に形成されている。さらに、各開口領域261は、第1パック10及び第2パック20の一のパックのみ収容可能な厚さによって形成されている。このような構成を有することによって、各開口領域261は、第1パック10及び第2パック20の双方が収容可能な形状であるとともに、一度にいずれか一方のみを収容する形状となる。そして、前記回転板260の回転中には、開口領域261に収容された第1パック10又は第2パック20は、開口領域261の内周の周縁265と当接し、回転板260の回転方向に搬送される。
【0058】
各移動路262は、回転に伴って対応する開口領域261に収容された第2パック20を、当該開口領域261から移動させて第2孔部272から排出するための経路である。そして、各移動路262は、開口領域261の周縁265の一部から回転中心(すなわち、回転軸266)に向かって延在して形成されている。特に、各移動路262は、開口領域261の回転軸266側の周縁265であって、回転方向の上流の周縁265(すなわち、回転中に第1パック10または第2パック20が当接される周縁)に沿って回転軸方向に形成されている。
【0059】
また、各移動路262は、第1パック10の直径より小さくかつ第2パック20の直径以上の幅を有し、背面部材270に向かって開放された溝形状によって形成されている。そして、各移動路262は、回転板260の回転に伴って、収容された第2パック20を、背面部材270の前面273とともに保持しつつ、開口領域261から排出端部264へ向けて移動させる。なお、移動路262の幅は、第1パック10の直径より小さく、かつ、第2パック20が移動可能であればよい。
【0060】
各移動路262には、図6(a)及び(b)に示すように、開口領域261の周縁265に当該開口領域261に向けて開放された導入端部263と、導入端部263とは異なる端部である排出端部264と、が形成されている。導入端部263は、回転板260の回転中に第1パック10及び第2パック20を保持するために当該各パックに当接される周縁(すなわち、回転中に上流になる周縁)265に沿って形成されており、開口領域261の位置が高くなると、当該部分から第2パックが自重を利用して移動することができるように形成されている。
【0061】
また、前述したように、各移動路262は、背面部材270に向かって開放された溝形状に形成されている。すなわち、各移動路262は、背面方向に開放された開放領域として形成されている。
【0062】
そして、その排出端部264は、回転軸266の近傍に形成されており、当該排出端部264が回転板260の回転中に後述する第2孔部272に重畳されるようになっている。特に、排出端部264は、図6に示すように、排出端部264側の経路幅Wの中点Pが導入端部263の幅に対する中点Qと回転中心(すなわち、回転軸266)との結線上より下流に位置するように、形成されている。移動路262における導入端部263及び排出端部264は、上記のような関係を有することによって、第2パック20が収容された開口領域261が最下部から水平位置を超えた場合に、当該収容された第2パック20が移動路262に移動することができるようになっている。すなわち、回転板260の円板面に多くの開口領域261及び移動路262を形成させることができるとともに、回転板260の開口領域261がなるべく低い位置であっても第2パック20が移動路262に移動することができるような構造を有している。
【0063】
また、排出端部264には、回転板260の前面に向けて開口されたメンテナンス孔267が形成されており、第2パック20の移動路262からの排出時における「詰まり」を解消することができるようになっている。
【0064】
背面部材270は、図5及び図7に示すように、ベース251上に形成され、回転板260の背面に当該回転板260に対向して設けられている。背面部材270は、回転板260の開口領域261に収容された第1パック10及び第2パック20を回転板260の回転中に支持するための部材である。特に、背面部材270の前面(すなわち、回転板260の背面との対向面)273は、図7に示すように、回転板260とともに所定の傾斜角度によって傾斜される。そして、前面273には、回転板260を回転自在に固定し、当該背面部材270の背面に形成された駆動機構280と連結された取付金具274が形成されている。
【0065】
また、背面部材270には、第1孔部271と第2孔部272が形成されている。
【0066】
第1孔部271は、回転板260の回転中に開口領域261に重畳されて第1パック10を排出するための孔部である。特に。第1孔部271は、第1パック10の円板サイズ以上の大きさを有し、円周に沿って形成される孔部である。また、第1孔部271は、図7に示すように、回転板260の回転に伴って第2パック20が移動路262に移動する際の回転角度αによって定められる背面部材270の前面273における位置より、当該回転板260の回転方向に対して下流に形成されている。すなわち、上述のように、本実施形態の場合には、開口領域261が水平位置を超えたときに第2パック20が移動路262に移動する。したがって、第1孔部271は、この位置(第2パック20が移動路262に移動する際の回転角度によって定められる背面部材270の対向面の位置)よりも回転方向の下流に形成されている。
【0067】
第2孔部272は、移動路262に移動された第2パック20を排出するための孔部であって、当該第2パック20の円板サイズ以上の大きさを有している。また、第2孔部272は、移動路262の排出端部264が重畳する位置に形成されている。
【0068】
背面部材270の背面には、図5(c)に示すように、ガイド板276、第1パック用回収ボックス277、第2パック用回収ボックス278及び駆動機構280が形成されている。
【0069】
ガイド板276は、第1孔部271及び第2孔部272から落下した第1パック10または第2パック20を受ける。そして、ガイド板276は、第1パック10を第1パック用回収ボックス277に、第2パック20を第2パック用回収ボックス278にガイドする。
【0070】
第1パック用回収ボックス277は、背面部材270における背面の所定の位置であって、ガイド板276から落下してくる第1パック10を回収するボックスである。特に、第1パック用回収ボックス277には、落下してきた第1パック10の検出を行うための図示しない第1種別センサ511(図13参照)が形成されている。そして、第1パック用回収ボックス277は、装填ユニット600に搬送するために、回収した第1パック10を図示しない所定の搬送手段にセットする。
【0071】
第2パック用回収ボックス278は、背面部材270における背面の所定の位置であって、ガイド板276から落下してくる第2パック20を回収するボックスである。特に、第2パック用回収ボックス278には、落下してきた第2パック20の検出を行うための図示しない第2種別センサ522(図13参照)が形成されている。そして、第2パック用回収ボックス278は、装填ユニット600に搬送するために、回収した第2パック20を図示しない所定の搬送手段(第1パック10を搬送する搬送手段とは異なる)にセットする。
【0072】
なお、パック選別ユニット250は、各ゴールポケット220a、220bに対応して2個設けられている。従って、図13に示すように、本実施の形態において、第1ゴールポケット220aに対応したパック選別ユニット250には、第1種別センサ511a及び第2種別センサ522aが設けられ、第1種別センサ511a及び第2種別センサ522aは、第1ゴールポケット220aにゴールした第1パック10及び第2パック20を検出するゴール検出手段として機能する。また、第2ゴールポケット220bに対応したパック選別ユニット250には、第1種別センサ511b及び第2種別センサ522bが設けられ、第1種別センサ511b及び第2種別センサ522bは、第2ゴールポケット220bにゴールした第1パック10及び第2パック20を検出するゴール検出手段として機能する。
【0073】
収容部252は、上部及び回転板260側の側面が開口された長方形で、かつ、コの字状の形状を有している。そして、収容部252は、パック選別ユニット250の下側に接続された下部ボックス222bから重力により落下してきた第1パック10及び第2パック20を内部に収容する。特に、収容部252は、図5(b)に示すように、回転板260の傾斜に沿って所定の角度に傾斜されており、収容された第1パック10及び第2パック20を回転板260の開口領域261に収容可能に堆積させることができるようになっている。
【0074】
また、収容部252の下部ボックス222bと接合される部分には、ガイド口253が形成されており、収容部252の内部に第1パック10及び第2パック20を導きやすい構造を有している。さらに、収容部252の内部には、回転板260と対向する面に、ガイド部材254が形成されており、当該ガイド部材254は、回転板260の一部と同一の形状(円の一部の円弧を含む端部と同一の形状)を有している。また、ガイド部材254は、上部が蝶番などの可動部材(図示せず)によって可動自在に収容部252の内部に取り付けられ、収容部252に落下してきた第1パック10及び第2パック20を回転板260側にガイドするようになっている。
【0075】
このような構成を有することによって、ゴールポケット220にゴールされた第1パック10及び第2パック20は、収容部222、ガイド口253を介して収容部252に収容される。
【0076】
そして、収容部252に収容された第1パック10及び第2パック20は、図8(a)〜(c)及び図9(a)、(b)に示されるように、一つずつ、ガイド部材254にガイドされることによって収容部252の下部で回転板260の開口領域261に収容される。
【0077】
開口領域261に収容されたパックが、例えば第1パック10―1の場合には、図8(a)〜(c)に示すように回転板260が回転すると、第1パック10は、開口領域261の周縁265に保持された状態で回転し、当該開口領域261が第1孔部271に重畳されたときに、当該第1孔部271から背面部材270の背面に排出される。そして、排出された第1パック10は、図5(c)に示すように、ガイド板276を介して第1パック用回収ボックス277に回収され、最終的には所定の搬送手段によって装填ユニット600まで搬送される。
【0078】
また、開口領域261に収容されたパックが第2パック20の場合には、図9(a)、(b)に示すように回転板260が回転すると、第2パック20−1は、開口領域261の周縁265に保持された状態で回転し、当該開口領域261が水平の高さを超えたときに、導入端部263から移動路262に移動を開始し、回転板260の回転に伴って排出端部264に到達する。そして、第2パック20は、排出端部264が第2孔部272に重畳されたときに、当該第2孔部272から背面部材270の背面に排出される。そして、排出された第2パック20は、図5(c)に示すように、ガイド板276を介して第2パック用回収ボックス278に回収されて所定の搬送手段(第1パック10とは異なる経路)によって装填ユニット600まで搬送される。
【0079】
[供給ユニット]
次に、図10及び図12を用いて本実施形態の供給ユニット400の構造について説明する。なお、図10は、本実施形態の供給ユニット400の外観を示す外観斜視図であり、図12は、本実施形態の供給ユニット400、装填ユニット600を背面側から見た一部省略の背面図である。
【0080】
供給ユニット400は、図4に示すように、傾斜部材410、投入ガイド部材420及び透明カバー430から形成されている。傾斜部材410は、フィールド盤210の盤面に対して所定の傾斜角度で設けられた傾斜面を有している。投入ガイド部材420は、傾斜部材410と一体的に形成され、傾斜部材410に装填され、自重によりスライドした第1パック10及び第2パック20をそれぞれフィールド盤210に向けて滑動可能に投入する。特に、投入ガイド部材420は、フィールド盤210の斜め上方に向かって湾曲したカーブ形状を有し、傾斜部材410からスライドしてきた第1パック10または第2パック20をフィールド盤210に対してほぼ水平方向に投入するように形成されている。そして、投入ガイド部材420の下端は、フィールド盤210の周囲に形成された防壁230の上端に当接または当該上端に近接されて形成されている。投入ガイド部材420は、このような構成を有することにより、第1パック10及び第2パック20をフィールド盤210に滑動可能にそれぞれ供給することができるようになっている。透明カバー430は、傾斜部材410に対向して設けられ、装填された第1パック10及び第2パック20の装填時及び供給時の外部への飛び出しを防止し、かつ、第2パック20における装填の確認を行うことが可能に形成されている。
【0081】
また、供給ユニット400は、第1パック10をフィールド盤210内に滑動可能に供給する供給部分(以下、「第1供給部」という。)440と、第2パック20を当該フィールド盤210内に滑動可能に供給する供給部分(以下、「第2供給部」という。)450と、を備える。そして、第1供給部440及び第2供給部450は、傾斜部材410、投入ガイド部材420及び透明カバー430によって形成される。
【0082】
具体的には、第1供給部440は、装填ユニット600によって装填された第1パック10を、その円板面を斜め上方に向けた状態を維持させつつ、傾斜部材410の傾斜面をスライドさせてフィールド盤210に供給する。具体的には、第1供給部440は、当該第1パック10がスライドする経路を切り替えつつ、ゴールされたプレーヤに対して、すなわち、ゴールされたゴールポケット220に向けて第1パック10を供給する。
【0083】
例えば、第1供給部440は、左右一対の個別経路441a、441b及び切替経路442を有している。一対の個別経路441a、441bは、傾斜部材410の両端に、すなわち、当該傾斜部材410の傾斜方向(以下、単に「傾斜方向」という。)に垂直な方向(交差する方向)である幅方向(以下、単に「幅方向」という。)の両端に形成されている。また、一対の個別経路441a、441bは、当該傾斜部材410の中央に設けられた第2供給部450をサンドイッチし、当該第2供給部450と区切られてそれぞれ形成されている。そして、各個別経路441a、441bは、第1パック10の直径より若干大きい幅を有している。特に、各個別経路441a、441bの上流部分は、透明カバー430と対向する傾斜部材410の表面に第2供給部450を挟むように隣接して設けられているとともに、当該各個別経路441a、441bの下流部分は、投入ガイド部材420によって形成されている。そして、投入ガイド部材420によって形成された下流部分は、それぞれ、幅方向に所定の角度を付けて第1パック10が供給されるように、すなわち、近接するゴールポケット220に向けて第1パック10が供給されるように、当該ゴールポケット220に向けて投入方向を規制する規制部材444が設けられている。
【0084】
切替経路442は、各個別経路441a、441bと同様に、第1パック10の直径より若干大きい幅を有し、傾斜部材410の傾斜面に沿って逆さY字の形状を有する経路である。また、切替経路442は、第2供給部450の上部背面に重畳されて形成されるとともに、装填ユニット600によって装填された第1パック10を自重によりスライドさせつつ、何れか一方の個別経路441a、441bに第1パック10をガイドする構造を有している。切替経路442の上端は、幅方向の傾斜部材410におけるほぼ中央部分で装填ユニット600の第1パック10を出力する第1スライダ610と接合されている。また、切替経路442の2つの各下端は、それぞれ各個別経路441a、441bと接続されている。そして、切替経路442の分岐点には、駆動制御ユニット800の制御によって可動する経路切替用可動部材443が設けられており、ゴールされたプレーヤ側の個別経路441a、441bに第1パック10がスライドするように制御される。例えば、経路切替用可動部材443は、経路面に形成された2つの孔から、前面(透明カバー430)に向かって突き出す突起部を有し、駆動制御ユニット800によって当該突起部を、択一的に経路面に形成された2つの孔から突き出すか否かが制御される。
【0085】
このような構成を有することにより、第1供給部440は、経路切替用可動部材443によって個別経路441a、441bが選択されれば、何れか一方の個別経路441への進入を禁止することができるとともに、指定された個別経路441に装填された第1パック10をスライドさせることができるようになっている。したがって、第1供給部440は、ゴールされたゴールポケット220に近接する個別経路441a、441bから第1パック10を供給する制御を行うことによって、ゴールされたプレーヤに対して第1パック10を供給することができるようになっている。
【0086】
第2供給部450は、装填ユニット600によって装填された第2パック20を、円板面を斜め上方に向けた状態で、傾斜部材410の傾斜方向に対して直交する方向(交差する方向)である幅方向に並列させつつ、傾斜方向に複数配列させるための形状を備えている。また、第2供給部450は、複数に配列された第2パック20をそのままの状態を維持させつつ貯留する。そして、第2供給部450は、所定の条件を具備した場合に、複数の列毎に貯留及び配列された各第2パック20をフィールド盤210内に滑動可能に同時に供給する。
【0087】
具体的には、第2供給部450は、幅方向の中央部に第1供給部440の各個別経路441とは独立的に区切られつつ、当該各個別経路441に挟まれた部分に形成されており、複数の第2パック20が幅方向に配列可能な幅(例えば、第2パック20が6枚横列可能な幅)を有している。また、第2供給部450の上端部は、装填ユニット600の第1スライダ610と重ならない部分に、当該装填ユニット600の第2パック20を装填する第2スライダ620と接合する。また、当該接合部分には、第2パック20の通過を検出するセンサ(以下、「第2パック装填センサ」という。)451(図8参照)が設けられており、後述するカウンタ回路830とともに第2パック20の装填数を計数する際に用いられる。
【0088】
一方、第2供給部450は、幅方向に延在するとともに第2パック20の厚さ以上の高さを有する凸部材であって、第2パック20のスライドを防止して保持するための複数のストッパ452を有し、各ストッパ452毎に一定数の第2パック20(以下、「1セットの第2パック」ともいう。)を貯留することができるように形成されている。また、最下部のストッパ452は、駆動制御ユニット800の制御の下、予め定められた条件が具備された際に開状態に移行し、当該ストッパ452によって貯留された第2パック20をフィールド盤210に滑動可能に供給する。具体的には、最下部のストッパ452は、第2パック20がスライド可能に、下部側に向かって傾倒し、または、凸部分が傾斜部材410に向かって低くなって当該傾斜部材410との段差を解消する。また、最下部のストッパ452以外のストッパ452は、下部のストッパ452が開状態から閉状態に遷移したときに、順次、閉状態から開状態に遷移して一段低いストッパ452によって1セットの第2パック20を貯留させるように制御される。ただし、所定の条件下においては、最下部のストッパ452以外のストッパ452は、最下部のストッパ452と同一のタイミングで閉状態から開状態に移行して最下部のストッパ452によって保持された1セットの第2パックとともにフィールド盤210に、保持する1セットの第2パックを滑動可能に供給する。
【0089】
他方、第2供給部450の装填ユニット600に接合された端部とは異なる端部、すなわち、傾斜部材410の下部に形成された第2供給部450は、投入ガイド部材420によって形成されている。ただし、最下部のストッパ452は、傾斜部材410上に形成されており、投入ガイド部材420上には形成されていない。
【0090】
なお、ストッパ452は、透明カバー430に当接されていなくても、第2パック20がスライドしない程度の高さを有していればよい。
【0091】
このような構成を有することにより、第2供給部450は、駆動制御ユニット800の制御の下、フィールド盤210に複数の第2パック20を同時に供給することができるようになっている。
【0092】
[装填ユニット]
次に、図11及び図12を用いて本実施形態の装填ユニット600の構造について説明する。なお、図11は、本実施形態の装填ユニット600における背面の一部であって、斜め後方からの外観を示す背面斜視図である。
【0093】
装填ユニット600は、図6及び図7に示すように、第1スライダ610、第2スライダ620、第1パック用レール630、貯留ボックス640、第1エレベータ650及び第2エレベータ660を有している。
【0094】
第1パック用レール630は、パック選別ユニット250によって選別された第1パック10を自転させつつ搬送するためのガイドレールである。第1パック用レール630は、第1パック10の円板の厚さより若干広く形成されたレールと、当該レールの両サイドに第1パック10の直径以上の高さを有するガイドと、を備えている。第1パック用レール630には、パック選別ユニット250によって選別された第1パック10が、所定の経路を経由して自転可能に装填される。また、第1パック用レール630は、始点位置から第1エレベータ650の入り口まで所定の高低差を有している。すなわち、始点から当該始点よりも低い位置に形成された第1エレベータ650の入り口まで第1パック10を自転させて搬送する。
【0095】
貯留ボックス640は、パック選別ユニット250によって選別された第2パック20を貯留するボックスである。貯留ボックス640は、所定の経路を経由して搬送された第2パック20を回収し、かつ、当該回収した第2パック20を相当数貯留しつつ、第2エレベータ660に第2パック20を装填する。特に、貯留ボックス640は、駆動制御ユニット800の制御の下、回収した第2パック20を装填容易にかつ噛み込みの防止を行うために攪拌するための攪拌機構を有している。
【0096】
第1エレベータ650は、第1パック用レール63の終点から上方に向けて形成されており、第1パック10を筐体200の下部より筐体200の上部に形成された供給ユニット400まで運搬する手段である。特に、第1エレベータ650は、駆動制御ユニット800の制御の下、貯留機能を有しつつ、第1スライダ610を介して供給ユニット400に第1パック10を装填する。具体的には、第1エレベータ650は、所定の間隔毎にかつ第1パック10毎に当該第1パック10を一つずつ運搬する運搬ユニットを有している。各運搬ユニットは、第1パック10を、パック分類レールによって搬送されてきた状態を維持しつつ装填及び運搬するものである。また、第1エレベータ650は、駆動制御ユニット800の制御の下、停止及び駆動を繰り返し、所定のタイミングで、すなわち、第1パック10がゴールされた際に、そのときに最上部の運搬ユニットが保持している第1パック10を第1スライダ610に円板面を斜め上方に向けつつ投入するように構成されている。
【0097】
第2エレベータ660は、貯留ボックス640から第2パック20を筐体200の上部に形成された供給ユニット400まで運搬する手段である。特に、第2エレベータ660は、第1エレベータ650とは異なるエレベータ機構であり、駆動制御ユニット800の制御の下、第2スライダ620を介して供給ユニット400に第2パック20を装填する。具体的には、第2エレベータ660(図6では図示省略)は、所定枚数の第2パック20を一セットとして、所定の間隔毎に一セットずつ第2パック20を運搬する運搬ユニットを有している。また、第2エレベータ660は、駆動制御ユニット800の制御の下、停止及び駆動を繰り返し、所定のタイミングで、すなわち、第2パック20が供給ユニット400から供給された後に、駆動して貯留ボックス640に貯留された第2パック20を第2スライダ620に円板面を斜め上方に向けつつ投入するようになっている。なお、第2エレベータ660は、駆動制御ユニット800の制御の下、供給ユニット400に必要数の第2パック20が装填された場合には、その動作を停止するようになっている。
【0098】
第1スライダ610は、第1エレベータ650によって運搬された第1パック10をスライドさせて供給ユニット400に装填する手段である。第1スライダ610は、第1エレベータ650の終点から形成されており、供給ユニット400に接合されるように形成されている。第1スライダ610は、第1エレベータ650から排出された第1パック10を円板面を斜め上方に向けつつ供給ユニット400に装填するようになっている。
【0099】
第2スライダ620は、第2エレベータ660によって運搬された一セットの第2パック20をスライドさせて供給ユニット400に装填する手段である。第2スライダ620は、第2エレベータ660の終点から形成されており、供給ユニット400に接合されるように形成されている。第2スライダ620は、第2エレベータ660から排出された第2パック20を円板面を斜め上方に向けつつ供給ユニット400に装填するようになっている。
【0100】
[駆動制御ユニット]
次に、図13を用いて本実施形態の駆動制御ユニット800の構成について説明する。なお、図13は、本実施形態の駆動制御ユニット800のブロック構成を示す構成図である。
【0101】
駆動制御ユニット800は、図13に示すように、制御部として、主制御回路810、計測するタイマー回路820、所定のカウントを実行するカウンタ回路830及び副制御回路840を備えている。また、駆動制御ユニット800は、駆動部として、パック選別ユニット250、供給ユニット400、空気送出ユニット330及び経路切替用可動部材443を駆動させるため、パック選別ユニット駆動回路859、空気送出駆動回路852、ストッパ駆動回路853、貯留ボックス駆動回路855、第1エレベータ駆動回路856及び第2エレベータ駆動回路857と、経路切替用可動部材443の切替制御を実行する切替制御回路858と、を備えている。
【0102】
特に、主制御回路810は、主に、CPU、ROM、RAM及びハードディスクによって構成され、エアホッケーゲームを実行する際にゲーム進行その他の統括的な制御を行う。具体的には、主制御回路810の入力ポートには、プレーヤのコイン投入を検出するコイン投入センサ860と、パック選別ユニット250毎に設けられた第1種別センサ511及び第2種別センサ522と、供給ユニット400に設けられた第2パック装填センサ451と、が接続されている。主制御回路810は、接続された各センサからの信号に基づいて、
(1)ゲームの開始制御及び終了制御と、それらに基づくパック選別ユニット駆動回路859、空気送出駆動回路852及び貯留ボックス駆動回路855の駆動制御
(2)タイマー回路820と連動して第1パック10が投入されてからの経過時間の検出
(3)タイマー回路820と連動して10秒または20秒など予め定められた時間の計測
(4)カウンタ回路830と連動して各第1種別センサ511及び各第2種別センサ522からの出力信号に基づく第1パック10及び第2パック20のゴールの検出とそのカウント
(5)カウンタ回路830と連動して各第1種別センサ511及び各第2種別センサ522からの出力信号に基づいて、ゴールされた第1パック10及び第2パック20による得点の集計
(6)カウンタ回路830と連動して予め定められている所定の処理の実行数のカウント
(7)第1パック10を装填するための第1エレベータ駆動回路856の制御と第1パック10の経路を制御するための切替制御、
(8)カウンタ回路830と連動してゲーム開始からの第1パック10の装填数のカウント
(9)カウンタ回路830と連動して第2パック20の装填数のカウント及び当該第2パックを装填するための第2エレベータ駆動回路857の制御とストッパ駆動回路853の制御の各処理及び各制御を実行する。
【0103】
また、主制御回路810は、ゴールポケット220の種別の判別とゴールされたパックのパック毎のカウントについては、第1種別センサ511及び第2種別センサ522からの信号をほぼ同時に検出した場合には、信号を出力した側のゴールポケット220に、第1パック10がゴールされたと判定し、第2種別センサ522からの信号のみを検出した場合には、第2パック20がゴールされたと判定し、判定する毎に、ゴールポケット220毎にかつパック毎にカウントを実行する。
【0104】
副制御回路840は、サブCPUと、音源ICと、パワーアンプと、表示制御回路とを有し、告知ユニット700における液晶表示装置710及びスピーカ720を制御する。特に、副制御回路840は、主制御回路810によってゴールポケット220にパックがゴールされる毎に算出された得点に基づいて、音源IC及び表示制御回路を制御し、スピーカを介して予め定められた音を出力するとともに、得点の画像または所定の画像など予めプログラムによって定められた画像を表示処理に表示する。
【0105】
また、タイマー回路820は、第1及び第2の各計測を行うとともに、カウンタ回路830は、第1パックの装填数、各ゴールポケット220における第1パックのゴール数、各ゴールポケット220における第2パックのゴール数、第1パックの早期ゴール数(例えば第1パックの装填から10秒以内のゴール数)及び所定の処理の実行回数をカウントする。
【0106】
[エアホッケーゲーム]
次に、図14〜図19を用いて本実施形態のエアホッケーゲームについて説明する。なお、図14〜図19を用いて本実施形態のエアホッケーゲームを実行するためのエアホッケーゲーム装置100の動作を示すフローチャートである。
【0107】
<ゲームの概要>
本実施形態のエアホッケーゲームは、
(1)ゲーム開始直後に1枚の第1パック10によって通常のゲームを行う通常ゲーム(ステップS103〜ステップS110)、
(2)2枚以上の第1パック10を用いてゲームを行う特別ゲーム(ステップS110(No)〜ステップS112(No)〜ステップS118(No)〜ステップS155)、
(3)1枚または2枚以上の第1パック10と複数枚の第2パック20を混在させてゲームを行うパニックゲーム(ステップS112(Yes)〜ステップS114、ステップS118(Yes)〜ステップS121、ステップS110(Yes)〜〜ステップS254またはステップS209)、及び
(4)第1パック10とともに大量の第2パック20を供給することによって興奮度の高いゲームを行うエンディングゲーム(ステップS300〜ステップS305またはステップS308)の各種のゲームを実行する。なお、特別ゲームにおいては、第1パック10が追加される毎に所定の時間内に何れかの第1パック10がゴールされないと、更に、1枚の第1パック10が追加されるようになっている。
【0108】
駆動制御ユニット800は、予め定められた条件を具備した際にまたは予め定められたタイミングに、第1パック10の装填または第2パック20の供給を適宜行うことよって上記の各ゲームを提供する。例えば、駆動制御ユニット800は、プレーヤの実力差がある場合には、第1パックが装填直後にゴールされる展開が続くと想定し、このような場合には、ゲーム性を変化させるためにパニックゲームにゲーム状態を遷移させる。また、駆動制御ユニット800は、長期間ゴールがされないなどの単調なゲーム状況が維持されている場合にも、ゲーム性を変化させるためにパニックゲームにゲーム状態を遷移させる。そして、駆動制御ユニット800は、パニックゲームの終了タイミング及びエンディングゲームの開始タイミングを検出する。特に、駆動制御ユニット800は、
(1)第1パック10のゴール
(2)ゴールされた第2パック20のパック数、
(3)第1パック10の装填から10秒以内または20秒以内にゴールされたか否かと当該第1パック10のゴールの連続性
(4)最初の第1パック10の装填から140秒経過したか否か、
(5)ゴールポケット220にゴールされた第1パック10のゴール履歴(第1パック10の装填からゴールまでの時間とゴールポケット220の種別)に基づいて適宜ゲーム状態を遷移させる。
【0109】
具体的には、駆動制御ユニット800は、タイマー回路820と連動し、140秒を計測する第1計測(ステップS102〜ステップS105、ステップS109〜ステップS117またはステップS120)、10秒または20秒を計測する第2計測(ステップS104〜ステップS106、ステップS108〜ステップS110、ステップS116〜ステップS118、ステップS154〜ステップS155(以上10秒計測)、ステップS151〜ステップS152、ステップS301〜ステップS302(以上20秒計測))を行う。
【0110】
特に、タイマー回路820は、第2計測中に新たな第2計測が実行された場合には、計測中の時間とゴールポケット220の種別を主制御回路810の内部に記憶しつつ、当該計測した時間をリセットして0秒から再計測を行う。なお、当該記憶された時間とゴールポケット220の種別は、ゴール履歴として、プレーヤの実力差を判別してパニックゲームにゲーム状態を遷移させる基準として用いる。また、カウンタ回路830は、ゴールポケット220毎の第1パック10のゴール数、当該第1パック10の早期ゴール数(ステップS201)、所定の処理の実行回数(ステップS111〜ステップS112、ステップS205〜ステップS206、ステップS212〜ステップS213)、ゴールポケット220毎の第2パックのパック数(ステップS114、ステップS208、ステップS211、ステップS253、ステップS256)をカウントする。
【0111】
<エアホッケーゲームの初期設定>
ゲームの開始に先立って、第1エレベータ650の搬送ユニットの全てには、第1パック10が既に装填されており、第2供給部450には、装填可能な最大数の第2パック20が装填されている。また、前ゲームで最終的に切り替えられた経路になっているなど、経路切替用可動部材443によって一方の個別経路441が選択されている。
【0112】
<エアホッケーゲーム装置によるエアホッケーゲーム>
(1)ゲーム開始及び通常ゲーム
(1−1)ゲーム開始処理(ステップS101〜ステップS102)
【0113】
まず、主制御回路810にコイン投入センサ860からコインが投入された旨の信号が入力されると(ステップS101)、当該主制御回路810は、空気送出駆動回路852、ベルトコンベア駆動回路854及び貯留ボックス駆動回路855における駆動制御を開始し、第1計測の開始及びカウンタのリセットを実行してゲームを開始する。(ステップS102)。このとき、主制御回路810は、空気送出ユニット330を駆動させてフィールド盤210に形成された吹出孔211から空気を出力するとともに、ベルトコンベア530及び貯留ボックス640の駆動を開始する。また、主制御回路810は、ゲームを開始させるタイマー回路820に第1計測を開始させつつ、カウンタ回路830の各カウンタをリセットする。
【0114】
(1−2)通常ゲーム(ステップS103〜ステップS110)
次いで、主制御回路810は、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させる(ステップS103)。第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該第1パック10は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。また、第1エレベータ650は、搬送ユニットを一段上部に移動させる。すなわち、最上部から2番目の搬送ユニットを最上部に移動させて駆動を停止し、供給ユニット400への次の第1パック10における装填を待機する。なお、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0115】
次いで、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させて10秒間待機し(ステップS104)、タイマー回路820における第1計測が「140」秒になっているか否かを判断する(ステップS105)。この処理において、第1計測が140秒でないと判断した場合には、ステップS106の処理に移行する。なお、主制御回路810は、第1計測が140秒であると判断した場合には、図19に示すステップS300の処理に移行し、エンディングゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0116】
次いで、主制御回路810は、第2計測において10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS106)。この処理において、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、ステップS108の処理に移行する。
【0117】
また、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させ(ステップS107)、ステップS108の処理に移行する。
【0118】
ステップS107の処理において、主制御回路810は、切替制御回路858を制御してゴールされたプレーヤ側に第1パック10が供給されるように経路切替用可動部材443によって経路の切り替えの実行またはその状態を維持する。また、第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該第1パック10は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。さらに、第1エレベータ650は、搬送ユニットを一段上部に移動させる。すなわち、最上部から2番目の搬送ユニットを最上部に移動させて駆動を停止し、供給ユニット400への次の第1パック10における装填を待機する。そして、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0119】
なお、ステップS107の処理は、図17に示す後述するステップS202の処理によって早期ゴール用のカウンタが「3」未満であると判断して通常ゲームが維持された場合にも実行される。
【0120】
次いで、ステップS108の処理では、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させて10秒間待機し、次のステップS109の処理によってタイマー回路820における第1計測が「140」秒になっているか否かを判断する。このステップS109の処理において、主制御回路810は、第1計測が140秒でないと判断した場合には、図15に示すステップS110の処理に移行する。なお、主制御回路810は、第1計測が140秒であると判断した場合には、図19に示すステップS300の処理に移行し、エンディングゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0121】
次いで、主制御回路810は、図15に示すように、第2計測において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS110)。この処理において、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、特別ゲームにゲーム状態を遷移させるために、ステップS111の処理に移行する。なお、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、プレーヤに実力差があるか否かを判断するためにステップS201の処理に移行し、ゴール履歴によってプレーヤの実力差があると判断した場合には、図17に示すように、パニックゲームにゲーム状態を遷移させる(ステップS201〜ステップS254またはステップS209)。
【0122】
(2)特別ゲーム(ステップS110(No)〜ステップS155)
まず、主制御回路810は、ステップS110の処理において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、本処理における実行回数用のカウンタ(以下、「実行回数用のカウンタ」ともいう。)に「1」を追加する(ステップS111)。
【0123】
主制御回路810は、ステップS111の処理における実行回数用のカウンタが偶数か否かを判断する(ステップS112)。この処理において、主制御回路810は、実行回数用のカウンタが偶数でないと判断された場合には、ステップS115の処理に移行し、特別ゲームにゲーム状態を遷移させる。なお、主制御回路810は、実行回数用のカウンタが偶数であると判断された場合には、ステップS113の処理に移行し、パニックゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0124】
主制御回路810は、ステップS112の処理において、実行回数用のカウンタが偶数でないと判断された場合には、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させる(ステップS115)。このとき、主制御回路810は、切替制御回路858を制御してゴールされたプレーヤ側に第1パック10が供給されるように経路切替用可動部材443によって経路の切り替えの実行またはその状態を維持する。また、第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該供給ユニット400は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。なお、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0125】
次いで、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させて10秒間待機し(ステップS116)、タイマー回路820における第1計測が「140」秒になっているか否かを判断する(ステップS117)。この処理において、第1計測が140秒でないと判断した場合には、ステップS118の処理に移行する。なお、主制御回路810は、第1計測が140秒であると判断した場合には、図19に示すステップS300の処理に移行し、エンディングゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0126】
次いで、主制御回路810は、第2計測において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS118)。この処理において、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、図16に示すステップS151の処理に移行する。なお、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、ステップS119の処理に移行し、パニックゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0127】
主制御回路810は、ステップS118の処理において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、図16に示すように、タイマー回路820に第2計測を開始させて20秒間待機し(ステップS151)、20秒以内に何れかの第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS152)。具体的には、主制御回路810は、ステップS118の処理以降に各ゴールポケット220の第1パック10のカウンタ数が「1」追加されているか否かを判断する。この処理において、主制御回路810は、20秒以内に第1パック10の何れかが何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、ステップS153の処理に移行する。また、主制御回路810は、20秒以内に何れの第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、ステップS154の処理に移行する。
【0128】
次いで、主制御回路810は、ステップS152において、20秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させ(ステップS153)、ステップS151の処理に戻る。このとき、主制御回路810は、切替制御回路858を制御してゴールされたプレーヤ側に第1パック10が供給されるように経路切替用可動部材443によって経路の切り替えの実行またはその状態を維持する。また、第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該供給ユニット400は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。なお、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0129】
また、主制御回路810は、ステップS152において、20秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、タイマー回路820に第2計測を開始させて10秒間待機し(ステップS154)、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS155)。このステップS155の処理において、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、図14に示すステップS104の処理に戻る。また、主制御回路810は、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、図15に示すステップS119の処理に移行し、パニックゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0130】
なお、上記の特別ゲームにおいて、ステップS155の処理においてステップS104の処理に移行した場合には、通常ゲームに移行せずに、特別ゲームでステップS104からステップS112の処理が実行される。
【0131】
(3)パニックゲーム
(3−1)パニックゲームその1(ステップS113〜ステップS114)
主制御回路810は、ステップS112の処理によって実行回数用のカウンタが偶数であると判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた1セットの第2パック20(例えば、15枚)をフィールド盤210に供給し、パニックゲームに移行する(ステップS113)。このとき、最下部のストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御しつつ、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0132】
次いで、主制御回路810は、第2パック20のゴール用におけるそれぞれのカウンタに基づいて、ステップS113の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パック20のゴール数の合計が7枚以上になったか否かを判断し(ステップS114)、7枚以上になった場合には、通常ゲームまたは特別ゲームにゲーム状態を遷移させるためにステップS104の処理に移行する。なお、ステップS114の処理においては、第2パック20を供給後に10秒経過したか否かを判断してもよい。
【0133】
(3−2)パニックゲームその2(ステップS119〜ステップS121)
主制御回路810は、ステップS118の処理において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、または、ステップS155の処理において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされていないと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた1セットの第2パック20(例えば、15枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS119)。このとき、最下部のストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0134】
次いで、主制御回路810は、タイマー回路820における第1計測が「140」秒になっているか否かを判断する(ステップS120)。この処理において、第1計測が140秒でないと判断した場合には、ステップS121の処理に移行する。なお、主制御回路810は、第1計測が140秒であると判断した場合には、図19に示すステップS300の処理に移行し、エンディングゲームにゲーム状態を遷移させる。
【0135】
次いで、主制御回路810は、各第1種別センサ511の出力信号に基づいて、フィールド盤210上に存在している2枚の第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたか否かを判断する(ステップS121)。具体的には、主制御回路810は、ステップS120の処理以降に各ゴールポケット220の第1パック10のカウンタ数が「1」追加されているか否かを判断する。この処理において、主制御回路810は、2枚の第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、ステップS104の処理に移行し、2枚の第1パック10が何れのゴールポケット220にもゴールされていないと判断した場合には、ステップS120の処理に戻る。なお、主制御回路810は、通常ゲームまたは特別ゲームのゲーム状態でステップS104の処理に移行する。
【0136】
(3−3)パニックゲームその3(ステップS201〜ステップS209)
主制御回路810は、ステップS110の処理において、10秒以内に第1パック10が何れかのゴールポケット220にゴールされたと判断した場合には、ゴールポケット220の種別に対応付けつつ早期ゴール用のカウンタに「1」を追加する(ステップS201)。
【0137】
次いで、主制御回路810は、図17に示すように、早期ゴール用のカウンタが「3」未満であるか否かを判断し(ステップS202)、「3」未満であると判断した場合には、ステップS107の処理に移行する。なお、主制御回路810は、通常ゲームまたは特別ゲームのゲーム状態でステップS107の処理に移行する。
【0138】
一方、主制御回路810は、早期ゴール用のカウンタが「3」以上であると判断した場合には、過去の3回の第1パック10がゴールされたゴールポケット220が同一であるか否かを判断する(ステップS203)。この処理において、主制御回路810は、過去3回の第1パック10がゴールされたゴールポケット220が同一であると判断した場合には、図18に示すステップS251の処理に移行し、過去3回の第1パック10がゴールされたゴールポケット220が同一でないと判断した場合には、ステップS204の処理に移行する。
【0139】
次いで、主制御回路810は、過去3回の第1パック10のゴールにおいて第2計測における秒数が何れも5秒未満であるか否かを判断し(ステップS204)、過去3回のゴール履歴に基づいて、過去3回の第1パック10のゴールにおいて第2計測における秒数が何れも5秒未満であると判断された場合には、ステップS205の処理に移行し、第2計測における秒数が何れも5秒未満でないと判断された場合には、ステップS212の処理に移行する。
【0140】
次いで、主制御回路810は、ステップS204の処理において、過去3回の第1パック10のゴールにおいて第2計測における秒数が何れも5秒未満であると判断された場合には、本処理における実行回数用のカウンタ(ステップS111のカウンタとは異なるカウンタ)に「1」を追加し(ステップS205)、当該実行回数用のカウンタが偶数か否かを判断する(ステップS206)。この処理において、主制御回路810は、実行回数用のカウンタが偶数であると判断された場合には、ステップS207の処理に移行し、実行回数用のカウンタが偶数でないと判断された場合には、ステップS210の処理に移行する。
【0141】
次いで、主制御回路810は、ステップS206の処理において、実行回数用のカウンタが偶数であると判断された場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた1セットの第2パック20(例えば、15枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS207)。このとき、最下部のストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0142】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS207の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が12枚以上になったか否かを判断し(ステップS208)、12枚以上になったと判断した場合には、ステップS209の処理に移行する。なお、ステップS208の処理においては、第2パック20を供給後に15秒経過したか否かを判断してもよい。
【0143】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS207の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が12枚以上になったと判断した場合には、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させ(ステップS209)、通常ゲームまたは特別ゲームにゲーム状態を遷移させるためにステップS104の処理に移行する。このとき、主制御回路810は、切替制御回路858を制御してゴールされたプレーヤ側に第1パック10が供給されるように経路切替用可動部材443によって経路の切り替えの実行またはその状態を維持する。また、第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該供給ユニット400は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。なお、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0144】
また、主制御回路810は、ステップS206の処理において、実行回数用のカウンタが偶数でないと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452を開状態にし、貯留されていた2セットの第2パック20(例えば、各ストッパ452毎に15枚で計30枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS210)。このとき、最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0145】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS210の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が20枚以上になったか否かを判断し(ステップS211)、20枚以上になったと判断した場合には、ステップS209の処理に移行する。なお、ステップS211の処理においては、第2パック20の供給後に20秒経過したか否かを判断してもよい。
【0146】
上述のステップS204の処理において、主制御回路810は、過去3回の第1パック10のゴールにおいて第2計測における秒数が何れも5秒未満でないと判断した場合には、本処理における実行回数用のカウンタ(ステップS111及びステップS205のカウンタとは異なるカウンタ)に「1」を追加し(ステップS212)、当該実行回数用のカウンタが偶数か否かを判断する(ステップS213)。この処理において、主制御回路810は、実行回数用のカウンタが偶数であると判断された場合には、ステップS207の処理に移行し、実行回数用のカウンタが偶数でないと判断された場合には、ステップS210の処理に移行する。
【0147】
また、上述のステップS203の処理において、主制御回路810は、過去3回の第1パック10がゴールされたゴールポケット220が同一であると判断した場合には、図18に示すように、前回本処理を実行したゴールポケット220と同一のゴールポケット220であるか判断する(ステップS251)。この処理において、主制御回路810は、前回本処理を実行したゴールポケット220と同一のゴールポケット220であると判断した場合には、ステップS252の処理に移行し、前回本処理を実行したゴールポケット220と同一のゴールポケット220でないと判断した場合には、ステップS255の処理に移行する。
【0148】
主制御回路810は、ステップS251の処理において、前回本処理を実行したゴールポケット220と同一のゴールポケット220であると判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた1セットの第2パック20(例えば、15枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS252)。このとき、最下部のストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0149】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS252の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が12枚以上になったか否かを判断し(ステップS253)、12枚以上になったと判断した場合には、ステップS254の処理に移行する。なお、ステップS253の処理においては、第2パック20を供給後に15秒経過したか否かを判断してもよい。
【0150】
また、主制御回路810は、ステップS253の処理において、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS207の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が12枚以上になったと判断した場合には、第1エレベータ駆動回路856を制御して第1エレベータ650から最上部にある第1パック10を供給ユニット400に装填させ(ステップS254)、通常ゲームまたは特別ゲームにゲーム状態を遷移させるために、ステップS104の処理に移行する。このとき、主制御回路810は、切替制御回路858を制御してゴールされたプレーヤ側に第1パック10が供給されるように経路切替用可動部材443によって経路の切り替えの実行またはその状態を維持する。そして、第1パック10が供給ユニット400に装填されると、当該供給ユニット400は、予め選択されている個別経路441をスライドし、一方のプレーヤ側に向かってフィールド盤210に供給される。なお、主制御回路810は、第1パック装填数用のカウンタに「1」追加する。
【0151】
上記のステップS251の処理において、主制御回路810は、前回本処理を実行したゴールポケット220と同一のゴールポケット220でないと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452を開状態にし、貯留されていた2セットの第2パック20(例えば、各ストッパ452毎に15枚で計30枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS255)。このとき、最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。
【0152】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、ステップS255の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が20枚以上になったか否かを判断し(ステップS256)、20枚以上になったと判断した場合には、ステップS254の処理に移行し、第1パック10を装填させる。なお、ステップS256の処理においては、第2パック20を供給後に20秒経過したか否かを判断してもよい。
【0153】
(4)エンディングゲーム及びゲーム終了(ステップS300〜ステップS310)
主制御回路810は、ステップS105、ステップS109、ステップS117、ステップS120の各処理において、第1計測が140秒を経過したと判断した場合には、図19に示すように、全てのイベントの受付を無効に設定し(ステップS300)、以後に発生する全てのイベントをキャンセルするための設定を行う(ステップS301)。なお、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させる。
【0154】
次いで、主制御回路810は、各第1種別センサ511及び装填された第1パック装填数用のカウンタに基づいて、フィールド盤210に既に供給され、未だゴールされていない第1パック10の数を認識するとともに、各第1種別センサ511に基づいて、第2計測において計測開始から20秒以内に、認識された全ての第1パック10がゴールされたか否かを判断する(ステップS302)。この処理において、主制御回路810は、第2計測において計測開始から20秒以内に、認識された全ての第1パック10がゴールされたと判断した場合には、ステップS303の処理に移行し、第2計測において計測開始から20秒以内に、認識された全ての第1パック10がゴールされていないと判断した場合には、ステップS306の処理に移行する。
【0155】
主制御回路810は、ステップS302の処理において、第2計測において計測開始から20秒以内に、認識された全ての第1パック10がゴールされたと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452を開状態にし、貯留されていた2セットの第2パック20(例えば、各ストッパ452毎に15枚で計30枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS303)。このとき、最下部及び最下部から2段目の各ストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。なお、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させる。
【0156】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、第2計測の開始から10秒以内にステップS302の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が20枚以上になったか否かを判断し(ステップS304)、20枚以上になったと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた第2パック20(例えば、15枚)を再度フィールド盤210に供給し(ステップS305)、ステップS310の処理に移行する。
【0157】
また、主制御回路810は、ステップS304の処理において、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、第2計測の開始から10秒以内にステップS302の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が20枚以上にならなかったと判断した場合には、直接ステップS310の処理に移行する。
【0158】
上記のステップS302の処理において、主制御回路810は、第2計測において計測開始から20秒以内に、認識された全ての第1パック10がゴールされなかったと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた第2パック20(例えば、15枚)をフィールド盤210に供給する(ステップS306)。このとき、最下部のストッパ452によって貯留されていた全ての第2パック20がフィールドに供給されると、主制御回路810は、最下部のストッパ452を閉状態にするとともに、第2エレベータ駆動回路857を制御し、その他のストッパ452の開状態及び閉状態を制御して最下部のストッパ452及びその他のストッパ452に対して第2パック20を順次装填させる。なお、主制御回路810は、タイマー回路820に第2計測を開始させる。
【0159】
次いで、主制御回路810は、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、第2計測の開始から10秒以内にステップS302の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が10枚以上になったか否かを判断し(ステップS307)、10枚以上になったと判断した場合には、ストッパ駆動回路853を制御して最下部のストッパ452を開状態にし、貯留されていた第2パック20(例えば、15枚)を再度フィールド盤210に供給し(ステップS308)、ステップS310の処理に移行する。
【0160】
また、主制御回路810は、ステップS307の処理において、第2パック用のそれぞれのゴール数のカウンタに基づいて、第2計測の開始から10秒以内にステップS302の処理後における各ゴールポケット220にゴールされた第2パックのゴール数の合計が10枚以上にならなかったと判断した場合には、直接ステップS310の処理に移行する。
【0161】
最後に、主制御回路810は、ベルトコンベア駆動回路854及び貯留ボックス駆動回路855を制御してベルトコンベア530及び貯留ボックス640を駆動停止させる(ステップS310)。このとき、主制御回路810は、一定時間後に、排出ローラ駆動回路851及び空気送出駆動回路852を制御して各駆動を停止させる。また、副制御回路840は、全停止したときに最終得点を表示しつつ、所定の演出を実行する。
【0162】
[得点制御処理]
次に、図20を用いて本実施形態の得点制御処理の詳細について説明する。なお、図20は、本実施形態の得点制御処理の動作を示すフローチャートである。また、本動作は、ゴールポケット220毎に実行される。
【0163】
まず、主制御回路810は、第2種別センサ522のセンサからの検出信号を検出すると(ステップS501)、所定の時間内に同一の搬送レール510に設けられている第1種別センサ511からの検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS502)。
【0164】
次いで、主制御回路810は、ステップS502の処理において、第1種別センサ511からの検出信号がないと判断した場合には、第2パック20が通過(ゴール)したと判断して、第2パック20に基づく得点を前回の得点に加算し、算出された得点に基づいて副制御回路840を制御し(ステップS503)、本動作を終了させる。
【0165】
また、主制御回路810は、ステップS502の処理において、第1種別センサ511からの検出信号があると判断した場合には、第1パック10が通過(ゴール)したと判断して、第1パック10に基づく得点を前回の得点に加算し、算出された得点に基づいて副制御回路840を制御し(ステップS504)、本動作を終了させる。
【0166】
なお、本実施の形態では、第1ゴールポケット220aに対応付けて、ゴール検出手段として機能する第1種別センサ511a及び第2種別センサ522aが設けられ、第2ゴールポケット220bに対応付けて、ゴール検出手段として機能する第1種別センサ511b及び第2種別センサ522bが設けられている。このように各ゴールポケット220a、bに対応付けて、ゴール検出手段として機能する第1種別センサ511a、511b及び第2種別センサ522a、522bを設けることにより、各ゴールポケット220a、bに対応付けられた各プレーヤ毎に、第1パック10及び第2パック20のゴールを検出し、得点を加算する前記図20に示す処理及び前述した各種のゲーム演出処理を行なうことができる。
【0167】
以上、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、ゴールに第1パック10及び第2パック20を入れるゲームを実行することができるので、異なる速度で滑動するパックが同一フィールド盤210に存在することによって、新たなゲームとしての興趣性を与えることができる。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、例えば、パックの種類に基づいて得点を変化させること、及び、第1パックを用いた通常ゲーム中にゲーム性を変化させるために第2パックを供給すること、及び、プレーヤをパニックにさせてエキサイティングなゲームを演出することができる。特に、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、パックの種別によって異なるゲーム上の役割に基づいてゲームの進行を制御することができるので、単一のパックをコントロールするためのマレット50の操作技術よりも、複数の異なるパックがフィールド盤210上に存在することによってゲーム戦略に重要性を持たせることができる。この結果、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、プレーヤの習熟度に依存せずに技術レベルの異なるプレーヤ同士のゲームであっても、双方のプレーヤに興趣性を与えることができる。
【0168】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第2パック20が一つずつ傾斜面に配列されて装填されているので、スライドしてフィールド盤面に到達した際に各第2パック20が他の第2パック20と重なることなく滑動可能にフィールド盤210に供給することができるとともに、フィールド盤210上に複数の第2パック20を滑動した状態で出現させることができる。特に、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第2パック20の投入角度を傾斜面の傾斜角度より小さくしてフィールド盤面に対して水平方向における角度差を小さくすることができるので、各第2パック20をスムーズにフィールド盤210に投入することができる。
【0169】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、所定の条件を具備した場合に、ストッパ452を閉状態から開状態に制御することができるので、上述のように、一方のプレーヤが負けている状況が継続しているとき、予め定められた点数差になったとき、または、所定の時間を経過したときなど、ゲームの進行に合わせてストッパ452を制御することによって一度に複数の第2パック20をフィールド盤面に供給することができる。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、供給ユニット400の構造を簡単にすることができるとともに、ゲームの進行中にそのゲーム性を変化させてエキサイティングなゲーム演出を行うことができる。
【0170】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、回収した第1パック10及び第2パック20を種別毎に的確に供給ユニット400に装填することができる。そして、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、同一タイミングで用いられる数が少ない第1パック10においては、第1エレベータ650におけるフィールド盤下から供給ユニット400へ装填する移動タイミングを調整することによって、装填ユニット600そのものを、第1パック10を貯留するための機構として用いることができるとともに、同一タイミングで用いられる数が多い第2パック20においては、貯留ボックス640によって貯留制御をも可能となる。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第2パック20の流通数を増加させたとしてもスムーズに各パックの回収及び装填を行うことができるとともに、供給ユニット400への供給不足を防止して十分な数の第2パック20をフィールド盤210に供給することができる。特に、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、的確に第2パック20を装填し、予め定めた数の当該第2パック20を同時にかつ的確にフィールド盤210に提供することができる。
【0171】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第1パック10を自動的にフィールド盤210に供給することができるとともに、ゴールされたプレーヤに第1パック10を供給することによってゲームのバランスを取ることができるので、白熱したゲームを提供することができる。
【0172】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、各パックが円板形状を有しており、パックの如何なる部分が打撃され、また、フィールド盤210の壁面に衝突しても、その力の伝達が容易な形状を有しているので、高速でフィールド盤210上を滑動すること及びその爽快感をプレーヤに提供することができる。
【0173】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第2パック20が第1パック10よりパックサイズが小さいので、パックの種類に基づくプレーヤに視覚的な差を与えることができるとともに、同一の力によって打撃したとしても、異なるスピードによって滑動させ、プレーヤの視覚を興趣させつつ、異なるパックによってゲーム性を変化させることができる。
【0174】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第1パック10と第2パック20によって異なる得点を付与し、及び、第1パック10と第2パック20のゴールポケット220に収容されたタイミングに基づいて得点を調整するなど遊技媒体の種別によって異なるゲーム上の役割に基づいてゲームの進行を制御することができる。
【0175】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、回転板260の回転に伴って、第1パック10を第1孔部271から排出することができるとともに、第2パック20を第1孔部271からの排出を回避して第2孔部272から排出することができる。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、回転板260を回転させる一つの動力のみによって、第1パック10及び第2パック20の少なくとも2つのパックを的確に選別することができる。
【0176】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、移動路262の導入端部263が、回転板260の回転中に各パックを保持するために当該パックに当接される周縁265に沿って形成されているので、第2パック20をよりスムーズに移動路262に移動させることができる。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、第2パック20が第1孔部271から排出されることを防止することができる。
【0177】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、移動路262の排出端部264における幅Wの中点Pが導入端部263の幅Wに対する中点Qと回転軸266との結線より下流に位置するように、当該排出端部264が形成されている構成を有している。したがって、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、回転板260に第2パック20が収容された場合に、所定の傾きの回転位置(水平)を基点に当該第2パック20をスムーズに移動路262に移動させることができるので、当該第2パック20が第1孔部271から排出されることを防止することができる。
【0178】
また、本実施形態のエアホッケーゲーム装置100は、移動路262が、開口領域261の周縁265から回転中心(回転軸266)に向かって延在しているので、回転板260に対する移動路262を効率よく形成させることができるとともに、開口領域261及び移動路262の組を回転板260に多く形成させることができる。
【0179】
[変形例]
次に、上記実施形態における変形例について説明する。
【0180】
上記の実施形態においては、回転板260の複数の開口領域261が円板面の円周方向に形成されているが、最低限1つの開口領域261及び当該開口領域261に該当する移動路262が設けられていればよい。なお、移動路262の延在方向は、回転軸266に代えて、回転方向上流側でもよい。
【0181】
また、上記の実施形態においては、移動路262の排出端部264における幅の中点Qが導入端部263の幅に対する中点Pと回転中心との結線より下流に位置するように当該排出端部264が形成されているが、当該結線上に形成されていてもよい。
【0182】
また、上記の実施形態においては、移動路262は、背面部材270に向けて開放された溝形状であるが、排出端部264の領域のみが第2パック20の円板サイズ以上に開放され、それ以外の移動路262には、背面部材270側に壁部材が設けられていてもよい。
【0183】
また、上記の実施形態においては、移動路262は、導入端部263から排出端部264まで同一の幅によって形成されているが、導入端部263及びその近傍においては、第1パック10の直径より小さくかつ第2パック20の直径以上の幅を有し、第2パック20が排出端部264まで移動可能な幅であればこれに限定されない。
【0184】
また、上記の実施形態においては、回転板260には、開口領域261とそれに対応する移動路262が設けられており、背面部材270には、2つの孔部を有しているが、3種類以上のパックを用いる場合には、さらに、第3パックを排出するための構造を有していてもよい。
【0185】
例えば、第3パックが第2パックよりさらに小さい円板サイズの場合には、回転板260には、移動路262の排出端部264に更に移動路(以下、「第2移動路」という。)が設けられる。そして、第2移動路は、排出端部264に当該移動路262に向けて開放された第2の導入端部と、第2導入端部とは異なる端部であって、背面部材270側に開放された開放領域を有する第2排出端部と、が形成される。そして、背面部材270には、第3パックの円板サイズ以上の第3孔部が形成されている。特に、第2孔部272は、回転板260の回転に伴って第3パックが第2移動路に移動する際の回転角度によって定められる排出端部264の開放領域に対応する背面部材270の位置より、当該回転板の回転方向に対して下流に形成されている。そして、第2の排出端部の開放領域が第3孔部に重畳される。このような構成を有することによって、開口領域261に収容された第2パック20または第3パックは、回転板260の回転に伴って移動路262に移動する一方で、第3パックのみ第2孔部272から排出される前にさらに回転板260の回転に伴って第2移動路に移動する。そして、第3パックは、最終的には、第2排出端部から第3孔部に排出される。
【0186】
上記の実施形態においては、透明カバー430に代えて、第2供給部450の最下部に貯留されている複数の第2パック20の一部のみ視認することができるように、不透明カバーの一部に透明部分が設けられたものが傾斜部材410に対向して形成されていてもよい。この場合には、第2パックの供給枚数をプレーヤに想像させることができないので、第2パック20の供給時にプレーヤに対してパニック感を与えることができるとともに、ゲームに対してプレーヤの興趣性を維持させることができる。
【0187】
また、上記の実施形態の供給ユニット400において、第1供給部440及び第2供給部450がそれぞれ独立的に設けられた傾斜部材上に形成されていてもよい。
【0188】
また、上記の実施形態においては、一度に複数の第2パック20がフィールド盤210上に供給されるようになっているが、第2パックを傾斜方向に一列に配列させるとともに、所定の条件を具備した際に、一つずつ連続的に複数枚の第2パック20を供給するようにしてもよい。なお、このときに、所定の条件に基づいて投入方向を切り替え、第1パック10を供給する第1供給部440と同様に、何れかのゴールポケット220に向けて複数の第2パック20を供給するようにしてもよい。
【0189】
また、上記の実施形態においては、一度に1セットまたは2セットなど予め定められた数の第2パック20が駆動制御ユニット800の制御の下にフィールド盤210上に供給されるようになっているが、ランダムに第2パック20の供給数を変えてもよい。また、第2パック20は、ゲーム状況に応じて駆動制御ユニット800の制御下フィールド盤210に供給されるが、駆動制御ユニット800の制御とは独立し、エアホッケーゲームの開始後には、予め定められたタイミングで第2パック20を供給するようにしてもよい。
【0190】
本発明に係るエアホッケーゲーム装置は、ゲームセンターをはじめとする遊戯施設に設置されるアーケードゲームまたは家庭用ゲームに適用することができる。
【符号の説明】
【0191】
10 第1パック
20 第2パック
100 エアホッケーゲーム装置
200 筐体
210 フィールド盤
211 吹出孔
220 ゴールポケット
221 開口部
222 収容部
230 防壁
250 パック選別ユニット
260 回転板
261 開口領域
262 移動路
263 導入端部
264 排出端部
265 (開口領域の)周縁
266 回転軸
270 背面部材
273 (背面部材の)前面
280 駆動機構
300 空気送出ユニット
400 供給ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイズの異なる複数の円板形状の遊技媒体を用いてゲームを実行するゲーム装置において、ゲーム中またはゲームの終了後に混在して収容された第1遊技媒体と当該第1遊技媒体より円板サイズが小さい第2遊技媒体の少なくとも2種類の遊技媒体を選別する選別装置であって、
所定の角度に傾斜された回転軸を基準に回転駆動される回転板であって、(a)前記第1遊技媒体及び第2遊技媒体の双方を収容可能であり、第1遊技媒体の円板サイズ以上の開口領域と、(b)開口領域から所定方向に延在して形成され、回転に伴って前記開口領域に収容された前記第2遊技媒体を当該開口領域から移動させる移動路と、を有する回転板と、
前記回転板の背面に前記回転板に対向して設けられるとともに、前記回転板の開口領域に収容された各遊技媒体を前記回転板の回転中に支持するための部材であって、(i)第1遊技媒体の円板サイズ以上の大きさを有し、前記回転板の回転中に前記開口領域に重畳されて前記第1遊技媒体を排出する第1孔部と(ii)当該第2遊技媒体の円板サイズ以上の大きさを有し、前記移動路に移動された第2遊技媒体を排出する第2孔部と、を有する背面部材と、
を備え、
前記移動路には、
前記第1遊技媒体の直径より小さくかつ前記第2遊技媒体の直径以上の幅を有し、前記開口領域の周縁に当該開口領域に向けて開放された導入端部と、
前記導入端部とは異なる端部であって、第2遊技媒体を排出するための排出端部と、
が含まれ、
前記排出端部には、前記第2遊技媒体の円板サイズ以上の大きさによって背面方向に開放された開放領域が形成されており、前記開放領域が前記回転板の回転中に前記第2孔部に重畳されるとともに、
前記第1孔部が、前記回転板の回転に伴って前記第2遊技媒体が前記移動路に移動する際の回転角度によって定められる前記開口領域の位置に対応する背面部材の位置より、当該回転板の回転方向に対して下流に形成されていることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選別装置において、
前記移動路の導入端部が、前記回転板の回転中に前記遊技媒体を保持するために当該遊技媒体に当接される周縁に沿って形成されている、選別装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の選別装置において、
前記移動路の排出端部における幅の中点が、前記導入端部の幅に対する中点と回転中心との結線上または当該結線より下流に位置するように、当該排出端部が形成されている、選別装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の選別装置において、
前記移動路が、前記開口領域の周縁から前記回転中心に向かって延在している、選別装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の選別装置において、
前記回転板の下部に前記第1遊技媒体及び前記第2遊技媒体が混在して貯留される貯留部を更に備える、選別装置。
【請求項6】
請求項5に記載の選別装置において、
前記貯留部には、当該貯留部に収容される第1遊技媒体及び第2遊技媒体を、前記開口領域にガイドするためのガイド部材が形成されている、選別装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の選別装置を有するゲーム装置において、
前記回転板の前面と水平面とによって形成される角度が、90度より大きく180度より小さくなるように、前記回転板の回転軸が傾斜されている、選別装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の選別装置を有するゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−55479(P2012−55479A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201176(P2010−201176)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)