選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータ
【課題】コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できること。
【解決手段】1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理(S202)と、前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理(S204)と、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理(S207)と、を実行させる。
【解決手段】1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理(S202)と、前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理(S204)と、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理(S207)と、を実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプリンタの中から目的のプリンタをユーザに選択させる場合に、プリンタを絞り込むための絞り込み条件の指定を受け付け、指定された絞り込み条件に適合するプリンタのプリンタ情報(IPアドレスやモデル名)を一覧表示し、一覧表示したプリンタ情報の中から目的のプリンタのプリンタ情報を選択させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−020403号公報(図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、プリンタ情報としてIPアドレスやモデル名を表示するので、例えば、ユーザが目的のプリンタのIPアドレスやモデル名を把握していない場合には、プリンタが絞り込まれても目的のプリンタを選択できないという問題がある。
また、例えば、プリンタに偽装した装置からIPアドレス等を送信された場合は、その偽装した装置を選択してしまう可能性があり、目的のプリンタを選択できないという問題がある。
【0005】
本明細書では、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される選択プログラムは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理と、前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理と、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理と、を実行させる。
【0007】
また、前記選択処理は、1以上の前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示してユーザによる前記識別子の選択を受け付けるものであり、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置の前記識別子を識別可能に表示してもよい。
【0008】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置に画像データを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させ、前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づいて、前記画像処理装置と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値であってもよい。
【0009】
また、前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であり、前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報と、前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信した前記画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であってもよい。
【0010】
また、上記選択プログラムは、前記受付処理によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶処理であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、前記受信処理において、一つの前記画像処理装置から1以上の前記第1の認証情報を受信し、前記判定処理において、前記受信処理によって受信された1以上の前記第1の認証情報のうちいずれかの前記第1の認証情報と、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第2の認証情報のうちいずれかの前記第2の認証情報とが前記一致条件を満たしていると、前記一致条件を満たしていると判定してもよい。
【0011】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置から公開鍵を受信する公開鍵受信処理と、前記公開鍵に基づく暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化する暗号化処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを送信してもよい。
【0012】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置の前記暗号化鍵を当該画像処理装置に対応付けて記憶部に記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、前記暗号化処理において、ユーザによって指定された前記画像処理装置に対応する前記暗号化鍵が前記記憶部に記憶されている場合は、その記憶されている前記暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化し、前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを前記指定された画像処理装置に送信してもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続される画像処理装置であって、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する送信部と、を備える。
【0014】
また、前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であってもよい。
【0015】
また、前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であってもよい。
【0016】
また、上記画像処理装置は、前記受付部によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶制御部であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶制御部を備え、前記送信部は、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信してもよい。
【0017】
本明細書によって開示されるコンピュータは、通信部と、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を送信する画像処理装置から前記通信部を介して前記第1の認証情報を受信する受信部と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、前記受信部によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択部と、を備える。
【0018】
なお、本発明は、選択方法、選択システム、選択プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0019】
上記の選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータによると、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】プリンタの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れを示す模式図。
【図5】文字情報入力処理の流れを示すフローチャート。
【図6】識別子選択処理の流れを示すフローチャート。
【図7】プリンタ選択画面の模式図。
【図8】実施形態2に係る識別子選択処理の流れを示すフローチャート。
【図9】共通鍵生成処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図10】印刷処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図11】実施形態3に係る公開鍵取得処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図12】印刷処理の流れを示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
(1)印刷システムの全体構成
図1は、実施形態1に係る印刷システム1を示す模式図である。
印刷システム1は、実施形態1に係る選択プログラムとしてのユニバーサルプリンタドライバ30(図2参照)がインストールされているコンピュータ(PC)2と、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3とで構成されており、これらは通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク4は、サブネットN1、サブネットN2、サブネットN3、及び、これらのサブネットが接続される基幹ネットワークN4によって構成されている。
【0022】
PC2は携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などであり、ユーザはPC2を持って移動することができる。PC2にインストールされているユニバーサルプリンタドライバ30は複数機種のプリンタを制御可能なプリンタドライバである。ユーザは移動先のサブネットにPC2を接続し、その移動先のサブネットに接続されているプリンタ3をユニバーサルプリンタドライバ30によって制御することにより、移動先のサブネットに接続されているプリンタ3に印刷を実行させることができる。
【0023】
1以上のプリンタ3は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。また、複数のプリンタ3の中にはユニバーサルプリンタドライバ30が制御不能な機種が含まれていてもよい。以降の説明において単にプリンタ3というときはプリンタ3a〜3iのいずれか一つのことをいう。
【0024】
(2)コンピュータの構成
図2は、PC2の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)26、及び、記憶部27を備えて構成されている。
【0025】
CPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路等を備えて構成されている。
【0026】
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置を備えて構成されている。
ネットワークインタフェース26は、通信ネットワーク4を介してプリンタ3などの外部の装置と通信可能に接続されている。
記憶部27は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部27には、オペレーティングシステム(OS)28、ワードプロセッサ、表計算ソフト、画像編集ソフトなどのアプリケーションプログラム(アプリケーション)29、ユニバーサルプリンタドライバ30、各種のデータなどが記憶される。
【0027】
(3)プリンタの構成
図3は、ユニバーサルプリンタドライバ30が制御可能な機種のプリンタ3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
プリンタ3は、制御部31、印刷部32、操作部33、記憶部34、及び、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)35を備えて構成されている。
【0028】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等を備えて構成されている。CPU31aは、ROM31bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM31bにはCPU31aによって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0029】
印刷部32は、紙などの被記録媒体が収容される用紙トレイ、用紙トレイに収容されている被記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送部、搬送部によって搬送されている被記録媒体に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する画像形成部などを備えて構成されている。
操作部33は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種の操作ボタンを備えて構成されている。ユーザは操作ボタンを操作することにより、各種の設定や、後述する文字情報の入力などを行うことができる。
【0030】
記憶部34は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。
ネットワークインタフェース35は、通信ネットワーク4を介してPC2などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0031】
制御部31と操作部33とは受付部の一例である。制御部31とネットワークインタフェース35とは送信部の一例である。制御部31は記憶制御部の一例である。
【0032】
(4)ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れ
図4は、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いた印刷の流れを示す模式図である。印刷画面41はアプリケーション29を実行しているCPU21(以下、単に「アプリケーション29」という)によって表示される画面である。なお、図4に示す印刷画面41は一例であり、表示内容やレイアウトはアプリケーション29によって異なる。
【0033】
印刷画面41では、ユーザは印刷を実行させるプリンタ3を指定することができる。ユニバーサルプリンタドライバ30は特定の1機種のプリンタ3に対応するものではないので、ユーザはユニバーサルプリンタドライバ30を用いて印刷を実行する場合は、プリンタ3ではなくユニバーサルプリンタドライバ30を直接指定する。
【0034】
ユニバーサルプリンタドライバ30が指定されている状態でユーザが[プロパティ]ボタン41aをクリックすると、アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出される。
アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出されると、CPU21はユニバーサルプリンタドライバ30を実行し、プリンタ選択画面42を表示する。以降の説明ではユニバーサルプリンタドライバ30を実行しているCPU21のことを単にユニバーサルプリンタドライバ30という。
【0035】
図示するようにプリンタ選択画面42は「お気に入り」タブ42aと「利用可能プリンタ一覧」タブ42bとで構成されている。なお、プリンタ選択画面42が表示された直後は「お気に入り」タブ42aが初期表示される。
【0036】
「お気に入り」タブ42aは、過去に「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで選択されたことのあるプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「お気に入り」タブ42aでユーザが目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすると、選択した識別子の背景色が変化することにより、その識別子が選択状態になる。
図中のプリンタ名及びIPアドレスは識別子の一例である。なお、識別子はプリンタ名及びIPアドレスのいずれか一方のみであってもよい。また、識別子はプリンタ3を識別できる情報であればプリンタ名やIPアドレスに限られず、例えばプリンタ3のホスト名であってもよい。
【0037】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bは、過去に選択されたことのあるプリンタ3であるか否かによらず、PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3のうち利用可能なプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bがユーザによりクリックされると、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されている各プリンタ3にIPアドレスやプリンタ名などのプリンタ情報を要求するデータをブロードキャストによって送信する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30はその返答として得られたプリンタ情報に基づいて制御可能なプリンタ3であるか否かを判別し、制御可能なプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。
【0038】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザは目的のプリンタの識別子をマウスでクリックすることにより、その識別子を選択状態にすることができる。識別子が選択状態にされている状態でユーザが[OK]ボタン42cをクリックすると、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3がユニバーサルプリンタドライバ30の制御対象のプリンタ3として設定される。
プリンタ選択画面42で[OK]ボタン42cをクリックすると、プリンタ選択画面42が閉じ、印刷条件を設定するための印刷条件設定画面43が表示される。印刷条件設定画面43でユーザが[OK]ボタン43aをクリックすると、印刷条件設定画面43が閉じて印刷画面41に戻る。
【0039】
印刷画面41でユーザが[OK]ボタン41bをクリックすると、アプリケーション29からOS28を介してユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、出力された印刷命令と印刷条件設定画面43で設定された印刷条件とに基づいて印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを、制御対象として設定されているプリンタ3、すなわちプリンタ選択画面42で選択された識別子に対応するプリンタ3に送信して印刷を実行させる。
【0040】
印刷データは画像データの一例である。プリンタ3に印刷データを送信する処理は送信処理の一例である。
【0041】
(4−1)目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法
前述したようにユーザは「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすることによって目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができるが、本実施形態では「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックする方法以外にも、目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができる。
【0042】
ユーザは、まず目的のプリンタ3が設置されている場所まで行き、プリンタ3の操作部33を介して、任意の文字情報を入力する。ユーザがプリンタ3に文字情報を入力すると、プリンタ3はその文字情報に基づくハッシュ値を生成する。
【0043】
次に、ユーザはPC2に戻り、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させる。このとき、PC2から送信されるプリンタ情報の要求に応じて、プリンタ3はプリンタ情報と生成したハッシュ値とをPC2に送信する。
そして、ユーザはプリンタ3に入力した文字情報と同じ文字情報を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bの入力フィールド42dに入力し、「検索」ボタン42eをクリックする。
プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致すると、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザが文字情報を入力したプリンタ3の識別子が選択状態となる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができる。
【0044】
PC2がプリンタ3からハッシュ値とIPアドレスとを受信する処理は受信処理の一例である。「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示して文字情報の入力を受け付ける処理は受付処理の一例である。プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致するか否かを判定する処理は判定処理の一例である。「プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致すること」は、一致条件の一例である。ユーザが文字情報を入力したプリンタ3の識別子を選択状態にする処理は選択処理の一例である。プリンタ3から受信したハッシュ値は第1の認証情報の一例である。入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値は第2の認証情報の一例である。
【0045】
(4−2)文字情報入力処理
図5は、上述した「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」においてプリンタ3で実行される文字情報入力処理の流れを示すフローチャートである。本処理はユーザがプリンタ3の操作部33を操作して文字情報の入力を選択すると開始される。
【0046】
S101では、CPU31aは、新たな文字情報を入力するか又は記憶部34に記憶されている文字情報を用いるかの選択を受け付けるための画面を操作部33の表示装置に表示する。CPU31aは、ユーザにより新たな文字情報を入力する選択がされた場合はS102に進み、記憶部34に記憶されている文字情報を用いる選択がされた場合はS106に進む。
【0047】
S102では、CPU31aはユーザによる文字情報の入力を受け付ける。
S103では、CPU31aはS102で入力された文字情報を記憶部34に記憶する。このとき、CPU31aは、記憶部34に他の文字情報が記憶されている場合はその文字情報に上書きせずに別の文字情報として記憶させる。
【0048】
S104では、CPU31aはS102で入力された文字情報とプリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出し、記憶部34に記憶する。
プリンタ3のIPアドレスは「画像処理装置に固有の情報」の一例である。なお、ここでは「画像処理装置に固有の情報」としてIPアドレスを例に説明するが、「画像処理装置に固有の情報」はサブネット内でプリンタ3を一意に識別可能な情報であればこれに限られるものではなく、例えばホスト名であってもよい。
【0049】
S105では、CPU31aは記憶部34に記憶されている文字情報毎に、当該文字情報とプリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出することにより、ハッシュ値の集合を得る。ハッシュ値の集合は記憶部34に記憶される。ハッシュ値の集合は「1以上の情報に基づく1以上の第1の認証情報」の一例である。
【0050】
(4−3)識別子選択処理
図6は、上述した「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」においてPC2で実行される識別子選択処理の流れを示すフローチャートである。
本処理はプリンタ3からPC2に戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させ、[検索]ボタン42eをクリックすると開始される。
PC2においてもユーザは新たな文字情報を入力するか又は記憶部27に記憶されている文字情報を用いるかを選択することができる。ユーザは新たな文字情報を入力する場合は入力フィールド42dに文字情報を入力してから[検索]ボタン42eをクリックするものとし、記憶部27に記憶されている文字情報を用いる場合は入力フィールド42dに文字情報を入力せずに[検索]ボタン42eをクリックするものとする。
【0051】
S201では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、入力フィールド42dに文字情報が入力されているか否かを判断し、入力されている場合はS202に進み、入力されていない場合はS205に進む。
S202では、ユニバーサルプリンタドライバ30は入力フィールド42dに入力されている文字情報を記憶部27に記憶させる。このとき、ユニバーサルプリンタドライバ30は、記憶部27に他の文字情報が記憶されている場合はその文字情報に上書きせずに別の文字情報として記憶させる。
入力フィールド42dに入力されている文字情報を記憶部27に記憶する処理は記憶処理の一例である。
【0052】
S203では、ユニバーサルプリンタドライバ30は入力フィールド42dに入力されている文字情報と、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3のIPアドレスとから、プリンタ3がハッシュ値の算出に用いたハッシュ関数と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を算出する。ここで、同じ文字情報と同じIPアドレスとを用いて同じハッシュ関数によってハッシュ値を算出した場合には、同じハッシュ値が算出されるものとする。
S204では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS203で算出したハッシュ値がプリンタ3から受信した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値と一致するか否かを判定し、一致する場合はS207に進み、一致しない場合は処理を終了する。
【0053】
S205では、ユニバーサルプリンタドライバ30は記憶部27に記憶されている文字情報毎に、その文字情報とPC2にハッシュ値を送信したプリンタ3のIPアドレスとから、プリンタ3がハッシュ値の算出に用いたハッシュ関数と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を算出することにより、ハッシュ値の集合を得る。ハッシュ値の集合は「1以上の情報に基づく1以上の第2の認証情報」の一例である。
【0054】
S206では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS205で算出した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値が、プリンタ3から受信した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値と一致するか否かを判定し、一致する場合はS207に進み、いずれも一致しない場合は処理を終了する。
S207では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、図7に示すように、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42b上で非表示にし、当該プリンタ3の識別子を選択状態にする。
【0055】
選択状態にされている識別子によって識別されるプリンタ3は、「第2の認証情報と一致すると判定された第1の認証情報の送信元の画像処理装置」の一例である。
【0056】
(6)実施形態の効果
例えば、普段図1に示すサブネットN1にPC2を接続して作業しているユーザが、サブネットN2が敷設されている場所にPC2を持って移動し、移動先でPC2をサブネットN2に接続したとする。そして、ユーザはサブネットN2に接続されているプリンタ3fに印刷を行わせたいとする。
この場合、ユーザは普段サブネットN1に接続されているプリンタ3を利用していることから、サブネットN2に接続されているプリンタ3のプリンタ名やIPアドレスが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されても、どれがプリンタ3fのプリンタ名やIPアドレスであるか判らないこともある。
【0057】
このような場合、実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、ユーザは目的のプリンタ3とPC2とを操作してそれぞれに同じ文字情報を入力することにより、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて目的のプリンタ3の識別子を選択状態にさせることができる。
【0058】
このように、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、目的のプリンタ3をより確実に選択できる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を自身で調べる必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、各プリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示するものであり、入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値と一致すると判定されたハッシュ値の送信元のプリンタ3の識別子を識別可能に表示する。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子が選択されたことを画面上で確認できる。
【0060】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、第1の認証情報はプリンタ3に入力された文字情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、第2の認証情報は入力フィールド42dに入力された文字情報に基づいて、プリンタ3と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値である。
ここで、あるユーザが目的のプリンタ3に入力した文字情報を他のユーザが不正に取得し、プリンタ3を模倣した別の装置にその文字情報を入力し、その別の装置からPC2に第1の認証情報を送信させる場合を考える。この場合、PC2が別の装置を目的のプリンタ3として認証してしまい、本来のプリンタ3に送信されるべき印刷データが別のプリンタ3に送信されてしまう虞がある。つまり、別の装置が本来のプリンタ3になり済まして不正に印刷データを取得してしまう虞がある。
暗号化されたデータとは異なり、ハッシュ値は元のデータに復号化されることが考慮されたデータではないので、本来のプリンタ3を模倣する装置がハッシュ値を取得したとしても、プリンタ3に入力された文字情報をそのハッシュ値から解読することは困難である。このため、第1の認証情報をハッシュ値として送信するようにすると、ユーザが本来のプリンタ3に入力した文字情報が他のユーザに容易に知られてしまうことを防ぐことができる。
【0061】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、第1の認証情報は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとから算出されたハッシュ値であり、第2の認証情報は、PC2で実行される受付処理によって受け付けられた文字情報と、第1の認証情報をPC2に送信したプリンタ3のIPアドレスとから算出されたハッシュ値である。
文字情報のみからハッシュ値を生成した場合は、そのハッシュ値が不正に取得され、本来のプリンタ3を模倣する装置からPC2にそのハッシュ値が送信されると、本来のプリンタ3を模倣する装置から送信されてきたハッシュ値と、ユーザがPC2に入力した文字情報から算出されるハッシュとが一致してしまう。このため、別の装置が本来のプリンタ3になり済まして不正に印刷データを取得してしまう虞がある。
プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出した場合には、そのハッシュ値が不正に取得され、本来のプリンタ3を模倣する装置からPC2にそのハッシュ値が送信されたとしても、そのハッシュ値は、PC2においてユーザが入力する文字情報と、本来のプリンタ3を模倣する装置のIPアドレスとに基づいて生成されるハッシュ値と一致しない。なぜなら、PC2に送信されたハッシュ値は本来のプリンタ3のIPアドレスに基づいて生成されたものであるからである。
このように、ユーザが入力した文字情報とプリンタ3のIPアドレスとに基づいてハッシュ値を生成すると、ハッシュ値が不正に取得されても、別の装置に不正に印刷データが取得されてしまう虞を低減できる。
【0062】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、入力フィールド42dに入力された文字情報を記憶部27に記憶させるので、ユーザが同じ文字情報を入力する手間を低減できる。また、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、複数の文字情報を記憶できるので、PC2が複数のユーザによって共有されている場合に、異なるユーザが異なる情報を入力したとしても、いずれのユーザも文字情報を入力する手間を低減できる。
【0063】
また、実施形態1に係るプリンタ3によると、ユーザはプリンタ3で文字情報を入力することにより、PC2に第1の認証情報を送信できる。これにより、PC2において1以上のプリンタ3の中からそのプリンタ3を選択できる。
【0064】
更に、プリンタ3によると、第1の認証情報としてハッシュ値を送信するので、第1の認証情報を他のユーザに容易に知られてしまうことを防ぐことができる。
【0065】
更に、プリンタ3によると、第1の認証情報は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとに基づく情報であるので、印刷データが不正に取得されてしまう可能性を低減できる。
【0066】
更に、プリンタ3によると、ユーザによって入力された文字情報が記憶されるので、ユーザが同じ文字情報を入力する手間を低減できる。また、プリンタ3によると、複数の文字情報を記憶できるので、1台のプリンタ3が複数のユーザによって共有される場合に、異なるユーザが異なる情報を入力したとしても、いずれのユーザも情報を入力する手間を低減できる。
【0067】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図10によって説明する。
実施形態2は実施形態1の変形例である。実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30は印刷データを暗号化せずにプリンタ3に送信するが、暗号化せずに送信すると通信ネットワーク4上でその印刷データが盗聴される虞もある。
このため、実施形態2では、共通鍵暗号化方式によって印刷データを暗号化する。共通鍵暗号化方式の詳細については後述するが、概略を説明すると、プリンタ3とPC2とでお互いの公開鍵を交換して双方で同じ共通鍵を生成し、生成した共通鍵を用いてデータを暗号化及び復号化するものである。
【0068】
ただし、共通鍵暗号化方式を用いる場合は、公開鍵の取得元のプリンタ3が本来のプリンタ3であることが重要である。なぜなら、本来のプリンタ3になり済ましている別のプリンタ3から公開鍵を取得してしまうと、暗号化した印刷データが別のプリンタ3で復号化されてしまうからである。
【0069】
例えば電子メールなどで共通鍵暗号化方式を用いる場合は公開鍵の信頼性を保証する認証局から送信相手の公開鍵を取得することが行われている。しかしながら、プリンタのレベルではこのような公開鍵の信頼性を保証する認証局は一般に存在しない。
そこで、実施形態2では、実施形態1で説明した構成、すなわち、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出構成によって別の装置が目的のプリンタ3になり済ましている可能性を低減した上で、共通鍵暗号化方式によって印刷データを暗号化する。逆に言うと、実施形態2において共通鍵暗号化方式を採用できる理由は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出することにより、別の装置が目的のプリンタ3になり済ましている可能性を低減できるからである。
【0070】
また、実施形態2では、処理効率の低下を抑制するために、生成した共通鍵をプリンタ3及びユニバーサルプリンタドライバ30の双方において記憶しておき、共通鍵が記憶されている場合はその記憶されている共通鍵を用いて暗号化及び復号化する場合を例に説明する。
【0071】
(1)識別子選択処理
図8は、実施形態2に係る識別子選択処理の流れを示すフローチャートである。本処理はプリンタ3からPC2に戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bの[検索]ボタン42eをクリックすると開始される。
実施形態2に係る識別子選択処理においてS201〜S207までの処理は実施形態1に係る識別子選択処理と実質的に同一であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
S301では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、選択状態にされている識別子によって識別されるプリンタ3との間で以下に説明する共通鍵生成処理を実行する。
【0073】
図9は、共通鍵生成処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S401では、ユニバーサルプリンタドライバ30とプリンタ3との間で通信ネットワーク4を介してお互いの公開鍵を交換する。ユニバーサルプリンタドライバ30がプリンタ3から公開鍵を受信する処理は公開鍵受信処理の一例である。
S402では、ユニバーサルプリンタドライバ30は乱数を生成し、生成した乱数をプリンタ3の公開鍵で暗号化する。
【0074】
S403では、プリンタ3は乱数を生成し、生成した乱数をユニバーサルプリンタドライバ30の公開鍵で暗号化する。
S404では、ユニバーサルプリンタドライバ30とプリンタ3との間で、通信ネットワーク4を介して、暗号化した乱数を交換する。
S405では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ3から受信した乱数をPC2の秘密鍵で復号化する。
【0075】
S406では、ユニバーサルプリンタドライバ30は復号化した乱数と、S402でユニバーサルプリンタドライバ30自身が生成した乱数とに基づいて共通鍵を生成する。
S407では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS406で生成した共通鍵を一意に識別するための鍵IDを生成する。
【0076】
S408では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS406で生成した共通鍵と、S407で生成した鍵IDと、プリンタ3のIPアドレスとを対応付けて記憶部27に記憶させる。
共通鍵、鍵ID、及び、プリンタ3のIPアドレスを対応付けて記憶部27に記憶する処理は、記憶処理の一例である。
【0077】
S409では、プリンタ3はユニバーサルプリンタドライバ30から受信した乱数をプリンタ3の秘密鍵で復号化する。
S410では、プリンタ3は復号化した乱数と、S403でプリンタ3自身が生成した乱数とに基づいて共通鍵を生成する。
【0078】
S411では、プリンタ3はS410で生成した共通鍵を一意に識別するための鍵IDを生成する。S411で生成される鍵IDは、前述したS407で生成される鍵IDと同じものであるとする。
なお、プリンタ3側では鍵IDを生成せず、前述したS407で生成された鍵IDをユニバーサルプリンタドライバ30から取得してもよい。
S412では、プリンタ3はS410で生成した共通鍵とS411で生成した鍵IDとを対応付けて記憶部34に記憶する。
【0079】
(2)印刷処理
図10は、実施形態2に係る印刷処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されると開始される。
ここで、「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」の場合はユーザが[検索]ボタン42eをクリックするのでS301において共通鍵が生成されるが、マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合は[検索]ボタン42eはクリックされないので共通鍵は生成されない。マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合には共通鍵を生成しない理由は、マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合は文字情報が入力されないので、公開鍵を受信するプリンタ3が目的のプリンタ3であるか又は目的のプリンタ3になり済ました別の装置であるかを判断できず、目的のプリンタ3になり済ました別の装置から公開鍵を受信してしまう虞があるからである。
【0080】
このため、アプリケーション29によって表示される印刷画面41で[OK]ボタン41bがクリックされてユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されたとき、制御対象として設定されているプリンタ3との間で共通鍵が生成されている場合もあれば、生成されていない場合もあることになる。
そこで、ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、制御対象として設定されているプリンタ3との間で共通鍵が生成されているか否かを判定し、共通鍵が生成されている場合はその共通鍵を用いて印刷データを暗号化し、共通鍵が生成されていない場合は印刷データを暗号化せずに送信する。
【0081】
S501では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する共通鍵が記憶部27に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS502に進み、記憶されていない場合はS503に進む。
【0082】
S502では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3に対応する共通鍵を用いて印刷データを暗号化する。印刷データを暗号化する処理は暗号化処理の一例である。また、制御対象として設定されているプリンタ3は「ユーザによって指定された画像処理装置」の一例である。
【0083】
S503では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S501で共通鍵が記憶されていると判定した場合はS502で暗号化した印刷データとその印刷データの暗号化に用いた共通鍵の鍵IDとをプリンタ3に送信し、一方、S501で共通鍵が記憶されていないと判定した場合は暗号化されていない印刷データをプリンタ3に送信する。
【0084】
S504では、プリンタ3は印刷データが暗号化されているか否かを判定し、暗号化されている場合はS505に進み、暗号化されていない場合はS507に進む。
S505では、プリンタ3はS503で受信した鍵IDに対応する共通鍵が記憶部34に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS506に進み、記憶されていない場合は処理を終了する。
【0085】
S506では、プリンタ3はS506で受信した鍵IDに対応する共通鍵を用いて印刷データを復号化する。
S507では、プリンタ3はS503で受信した暗号化されていない印刷データ、又は、S506で復号化された印刷データが表す画像を印刷する。
【0086】
(3)実施形態の効果
以上説明した実施形態2に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データを暗号化して送信するので、印刷データの盗聴を抑制できる。
また、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとに基づくハッシュ値を第1の認証情報として用いるので、プリンタ3を模倣する別の装置が本来のプリンタ3から不正に取得した第1の認証情報をPC2に送信して本来のプリンタ3になり済まそうとしても、プリンタ3を模倣する別の装置から送信された第1の認証情報は第2の認証情報と一致せず、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいてその別の装置の識別子は選択状態にならなくなる。
つまり、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、本来のプリンタ3になり済ました別の装置から公開鍵を取得してしまう可能性を低減できる。
よってユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データが別のプリンタ3で復号化されてしまう可能性を低減しつつ、印刷データの盗聴を抑制できる。
【0087】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、共通鍵をプリンタ3と対応付けて記憶しておくので、プリンタ3にも同様に共通鍵を記憶しておけば、共通鍵が記憶されているプリンタ3が指定された場合にはそのプリンタ3から公開鍵を取得して共通鍵を生成しなくてよく、共通鍵を生成することによる処理効率の低下を抑制できる。
【0088】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図11ないし図12によって説明する。
実施形態2では公開鍵に基づく暗号化鍵として共通鍵を用いる場合を例に説明したが、公開鍵に基づく暗号化鍵は公開鍵そのものであってもよい。
【0089】
図11は、PC2がプリンタ3から公開鍵を取得して記憶する公開鍵取得処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S601では、プリンタ3はプリンタ3の公開鍵をユニバーサルプリンタドライバ30に送信する。
S602では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ3の公開鍵とプリンタ3のIPアドレスとを対応付けて記憶部27に記憶する。
【0090】
図12は、実施形態3に係る印刷処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されると開始される。
S701では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する公開鍵が記憶部27に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS702に進み、記憶されていない場合はS703に進む。
【0091】
S702では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する公開鍵を用いて印刷データを暗号化する。
S703では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S701で公開鍵が記憶されていると判定した場合はS702で暗号化した印刷データをプリンタ3に送信し、一方、S701で公開鍵が記憶されていないと判定した場合は暗号化されていない印刷データをプリンタ3に送信する。
【0092】
S704では、プリンタ3は印刷データが暗号化されているか否かを判定し、暗号化されている場合はS705に進み、暗号化されていない場合はS706に進む。
S705では、プリンタ3は自身の秘密鍵を用いて印刷データを復号化する。
S706では、プリンタ3はS703で受信した暗号化されていない印刷データ、又は、S705で復号化された印刷データが表す画像を印刷する。
【0093】
以上説明した実施形態3に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、共通鍵を生成しないので、共通鍵を生成する場合に比べて処理を簡素にできる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
(1)上記実施形態ではプリンタ3から受信したハッシュ値とPC2に入力された文字情報に基づいて生成されたハッシュ値とが一致するか否かを判定したが、例えば第1の認証情報として文字情報を送信し、PC2に入力された文字情報と完全に一致すると、それらが一致すると判定してもよい。あるいは、文字情報の先頭から所定数の文字、あるいは後ろから所定数の文字が一致すれば、それらが一致すると判断してもよい。
【0096】
(2)上記実施形態では、選択処理として、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42b上で非表示にし、当該プリンタ3の識別子を選択状態にする場合を例に説明したが、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子も「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに表示したままにし、当該プリンタ3の識別子のみを選択状態にしてもよい。
あるいは、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子も「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに表示したままにし、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子を他の識別子と識別可能に表示し、ユーザがその識別可能に表示されている識別子をマウスでクリックすることによって選択状態にする構成であってもよい。
あるいは、第2の認証情報と一致すると判定された第1の認証情報の送信元のプリンタ3が1台だけである場合は、自動的にその1台のプリンタ3を選択して印刷条件設定画面43に進む構成であってもよい。この場合は[検索]ボタン42eをクリックした後の選択処理にユーザが介在しないことになる。
つまり、上記実施形態に係る選択処理は、ユーザが介在してもよいし、ユーザが介在しなくてもよい。
【0097】
(3)上記実施形態では第1の認証情報、及び、第2の認証情報として、ユーザが入力した文字情報とプリンタ3のIPアドレスとから算出したハッシュ値を例に説明したが、第1の認証情報、及び、第2の認証情報はユーザが入力した文字情報そのものであってもよいし、IPアドレスは用いず文字情報から算出したハッシュ値であってもよい。
【0098】
(4)上記実施形態ではユニバーサルプリンタドライバ30及びプリンタ3の双方において、ユーザによって入力された文字情報を記憶しておく場合を例に説明したが、入力された文字情報を記憶せずユーザに毎回入力させる構成であってもよいし、ユニバーサルプリンタドライバ30及びプリンタ3の一方においてのみ文字情報を記憶する構成であってもよい。
【0099】
(5)上記実施形態2では、ユニバーサルプリンタドライバ30は生成した共通鍵をプリンタ3のIPアドレスと対応付けて記憶部27に登録する場合を例に説明したが、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3を表す論理プリンタをOSに登録するための[登録]ボタンを「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに設けてもよい。
【0100】
そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、[検索]ボタン42eがクリックされた後に[登録]ボタンがクリックされた場合は、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3の論理プリンタをOSに登録するとともに、そのプリンタ3との間で生成されている共通鍵とその共通鍵の鍵IDとをその論理プリンタに対応付けて記憶部27に記憶させてもよい。ここで、登録される論理プリンタには、使用するプリンタドライバとしてユニバーサルプリンタドライバ30が設定されるものとする。
【0101】
論理プリンタを登録した場合には、アプリケーション29によって表示される印刷画面41でその論理プリンタを指定することができる。ユニバーサルプリンタドライバ30が設定されている論理プリンタが指定されて[OK]ボタン41bがクリックされた場合は、ユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
なお、ここでは共通鍵を例に説明したが、実施形態3で説明した公開鍵の場合も同様である。
【0102】
(6)上記実施形態では印刷データの暗号化方式として共通鍵暗号化方式や公開鍵暗号化方式を例に説明したが、暗号化方式はこれらに限定されるものではない。どのような暗号化方式を用いるかは適宜に選択可能である。
【0103】
(7)上記実施形態ではプリンタ3から戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させるとプリンタ3にプリンタ情報とハッシュ値とを要求する場合を例に説明したが、予め「利用可能プリンタ一覧」タブ42bが表示されている状態でプリンタ3に文字情報を入力し、ユーザが「検索」ボタン42eをクリックするとプリンタ3にハッシュ値を要求する構成であってもよい。
【0104】
(8)上記実施形態では画像処理装置としてプリンタを例に説明したが、画像処理装置は、例えば原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをPC2に送信するスキャナであってもよいし、PC2から送信された画像データを外部のファクシミリ装置にファクシミリ送信するファクシミリ装置であってもよい。
【0105】
スキャナの場合はPC2からスキャナに画像データは送信されないが、1以上のスキャナの中から目的のスキャナを選択するために、実施形態1で説明した構成を適用することができる。ファクシミリ装置の場合はPC2からファクシミリ装置に画像データが送信されるので、盗聴を低減するために、実施形態2や実施形態3で説明した暗号化の構成を適用することもできる。
【符号の説明】
【0106】
1・・・印刷システム、2・・・コンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・通信ネットワーク、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・ネットワークインタフェース、27・・・記憶部、30・・・ユニバーサルプリンタドライバ、31・・・制御部、32・・・印刷部、33・・・操作部、34・・・記憶部、35・・・ネットワークインタフェース、41・・・印刷画面、42・・・プリンタ選択画面、42a・・・「お気に入り」タブ、42b・・・「利用可能プリンタ一覧」タブ、42d・・・入力フィールド
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプリンタの中から目的のプリンタをユーザに選択させる場合に、プリンタを絞り込むための絞り込み条件の指定を受け付け、指定された絞り込み条件に適合するプリンタのプリンタ情報(IPアドレスやモデル名)を一覧表示し、一覧表示したプリンタ情報の中から目的のプリンタのプリンタ情報を選択させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−020403号公報(図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、プリンタ情報としてIPアドレスやモデル名を表示するので、例えば、ユーザが目的のプリンタのIPアドレスやモデル名を把握していない場合には、プリンタが絞り込まれても目的のプリンタを選択できないという問題がある。
また、例えば、プリンタに偽装した装置からIPアドレス等を送信された場合は、その偽装した装置を選択してしまう可能性があり、目的のプリンタを選択できないという問題がある。
【0005】
本明細書では、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される選択プログラムは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理と、前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理と、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理と、を実行させる。
【0007】
また、前記選択処理は、1以上の前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示してユーザによる前記識別子の選択を受け付けるものであり、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置の前記識別子を識別可能に表示してもよい。
【0008】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置に画像データを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させ、前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づいて、前記画像処理装置と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値であってもよい。
【0009】
また、前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であり、前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報と、前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信した前記画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であってもよい。
【0010】
また、上記選択プログラムは、前記受付処理によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶処理であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、前記受信処理において、一つの前記画像処理装置から1以上の前記第1の認証情報を受信し、前記判定処理において、前記受信処理によって受信された1以上の前記第1の認証情報のうちいずれかの前記第1の認証情報と、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第2の認証情報のうちいずれかの前記第2の認証情報とが前記一致条件を満たしていると、前記一致条件を満たしていると判定してもよい。
【0011】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置から公開鍵を受信する公開鍵受信処理と、前記公開鍵に基づく暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化する暗号化処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを送信してもよい。
【0012】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理によって選択された前記画像処理装置の前記暗号化鍵を当該画像処理装置に対応付けて記憶部に記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、前記暗号化処理において、ユーザによって指定された前記画像処理装置に対応する前記暗号化鍵が前記記憶部に記憶されている場合は、その記憶されている前記暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化し、前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを前記指定された画像処理装置に送信してもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続される画像処理装置であって、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する送信部と、を備える。
【0014】
また、前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であってもよい。
【0015】
また、前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であってもよい。
【0016】
また、上記画像処理装置は、前記受付部によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶制御部であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶制御部を備え、前記送信部は、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信してもよい。
【0017】
本明細書によって開示されるコンピュータは、通信部と、ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を送信する画像処理装置から前記通信部を介して前記第1の認証情報を受信する受信部と、ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、前記受信部によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択部と、を備える。
【0018】
なお、本発明は、選択方法、選択システム、選択プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0019】
上記の選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータによると、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】プリンタの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れを示す模式図。
【図5】文字情報入力処理の流れを示すフローチャート。
【図6】識別子選択処理の流れを示すフローチャート。
【図7】プリンタ選択画面の模式図。
【図8】実施形態2に係る識別子選択処理の流れを示すフローチャート。
【図9】共通鍵生成処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図10】印刷処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図11】実施形態3に係る公開鍵取得処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図12】印刷処理の流れを示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
(1)印刷システムの全体構成
図1は、実施形態1に係る印刷システム1を示す模式図である。
印刷システム1は、実施形態1に係る選択プログラムとしてのユニバーサルプリンタドライバ30(図2参照)がインストールされているコンピュータ(PC)2と、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3とで構成されており、これらは通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク4は、サブネットN1、サブネットN2、サブネットN3、及び、これらのサブネットが接続される基幹ネットワークN4によって構成されている。
【0022】
PC2は携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などであり、ユーザはPC2を持って移動することができる。PC2にインストールされているユニバーサルプリンタドライバ30は複数機種のプリンタを制御可能なプリンタドライバである。ユーザは移動先のサブネットにPC2を接続し、その移動先のサブネットに接続されているプリンタ3をユニバーサルプリンタドライバ30によって制御することにより、移動先のサブネットに接続されているプリンタ3に印刷を実行させることができる。
【0023】
1以上のプリンタ3は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。また、複数のプリンタ3の中にはユニバーサルプリンタドライバ30が制御不能な機種が含まれていてもよい。以降の説明において単にプリンタ3というときはプリンタ3a〜3iのいずれか一つのことをいう。
【0024】
(2)コンピュータの構成
図2は、PC2の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)26、及び、記憶部27を備えて構成されている。
【0025】
CPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路等を備えて構成されている。
【0026】
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置を備えて構成されている。
ネットワークインタフェース26は、通信ネットワーク4を介してプリンタ3などの外部の装置と通信可能に接続されている。
記憶部27は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部27には、オペレーティングシステム(OS)28、ワードプロセッサ、表計算ソフト、画像編集ソフトなどのアプリケーションプログラム(アプリケーション)29、ユニバーサルプリンタドライバ30、各種のデータなどが記憶される。
【0027】
(3)プリンタの構成
図3は、ユニバーサルプリンタドライバ30が制御可能な機種のプリンタ3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
プリンタ3は、制御部31、印刷部32、操作部33、記憶部34、及び、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)35を備えて構成されている。
【0028】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等を備えて構成されている。CPU31aは、ROM31bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM31bにはCPU31aによって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0029】
印刷部32は、紙などの被記録媒体が収容される用紙トレイ、用紙トレイに収容されている被記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送部、搬送部によって搬送されている被記録媒体に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する画像形成部などを備えて構成されている。
操作部33は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種の操作ボタンを備えて構成されている。ユーザは操作ボタンを操作することにより、各種の設定や、後述する文字情報の入力などを行うことができる。
【0030】
記憶部34は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。
ネットワークインタフェース35は、通信ネットワーク4を介してPC2などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0031】
制御部31と操作部33とは受付部の一例である。制御部31とネットワークインタフェース35とは送信部の一例である。制御部31は記憶制御部の一例である。
【0032】
(4)ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れ
図4は、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いた印刷の流れを示す模式図である。印刷画面41はアプリケーション29を実行しているCPU21(以下、単に「アプリケーション29」という)によって表示される画面である。なお、図4に示す印刷画面41は一例であり、表示内容やレイアウトはアプリケーション29によって異なる。
【0033】
印刷画面41では、ユーザは印刷を実行させるプリンタ3を指定することができる。ユニバーサルプリンタドライバ30は特定の1機種のプリンタ3に対応するものではないので、ユーザはユニバーサルプリンタドライバ30を用いて印刷を実行する場合は、プリンタ3ではなくユニバーサルプリンタドライバ30を直接指定する。
【0034】
ユニバーサルプリンタドライバ30が指定されている状態でユーザが[プロパティ]ボタン41aをクリックすると、アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出される。
アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出されると、CPU21はユニバーサルプリンタドライバ30を実行し、プリンタ選択画面42を表示する。以降の説明ではユニバーサルプリンタドライバ30を実行しているCPU21のことを単にユニバーサルプリンタドライバ30という。
【0035】
図示するようにプリンタ選択画面42は「お気に入り」タブ42aと「利用可能プリンタ一覧」タブ42bとで構成されている。なお、プリンタ選択画面42が表示された直後は「お気に入り」タブ42aが初期表示される。
【0036】
「お気に入り」タブ42aは、過去に「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで選択されたことのあるプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「お気に入り」タブ42aでユーザが目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすると、選択した識別子の背景色が変化することにより、その識別子が選択状態になる。
図中のプリンタ名及びIPアドレスは識別子の一例である。なお、識別子はプリンタ名及びIPアドレスのいずれか一方のみであってもよい。また、識別子はプリンタ3を識別できる情報であればプリンタ名やIPアドレスに限られず、例えばプリンタ3のホスト名であってもよい。
【0037】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bは、過去に選択されたことのあるプリンタ3であるか否かによらず、PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3のうち利用可能なプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bがユーザによりクリックされると、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されている各プリンタ3にIPアドレスやプリンタ名などのプリンタ情報を要求するデータをブロードキャストによって送信する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30はその返答として得られたプリンタ情報に基づいて制御可能なプリンタ3であるか否かを判別し、制御可能なプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。
【0038】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザは目的のプリンタの識別子をマウスでクリックすることにより、その識別子を選択状態にすることができる。識別子が選択状態にされている状態でユーザが[OK]ボタン42cをクリックすると、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3がユニバーサルプリンタドライバ30の制御対象のプリンタ3として設定される。
プリンタ選択画面42で[OK]ボタン42cをクリックすると、プリンタ選択画面42が閉じ、印刷条件を設定するための印刷条件設定画面43が表示される。印刷条件設定画面43でユーザが[OK]ボタン43aをクリックすると、印刷条件設定画面43が閉じて印刷画面41に戻る。
【0039】
印刷画面41でユーザが[OK]ボタン41bをクリックすると、アプリケーション29からOS28を介してユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、出力された印刷命令と印刷条件設定画面43で設定された印刷条件とに基づいて印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを、制御対象として設定されているプリンタ3、すなわちプリンタ選択画面42で選択された識別子に対応するプリンタ3に送信して印刷を実行させる。
【0040】
印刷データは画像データの一例である。プリンタ3に印刷データを送信する処理は送信処理の一例である。
【0041】
(4−1)目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法
前述したようにユーザは「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすることによって目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができるが、本実施形態では「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックする方法以外にも、目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができる。
【0042】
ユーザは、まず目的のプリンタ3が設置されている場所まで行き、プリンタ3の操作部33を介して、任意の文字情報を入力する。ユーザがプリンタ3に文字情報を入力すると、プリンタ3はその文字情報に基づくハッシュ値を生成する。
【0043】
次に、ユーザはPC2に戻り、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させる。このとき、PC2から送信されるプリンタ情報の要求に応じて、プリンタ3はプリンタ情報と生成したハッシュ値とをPC2に送信する。
そして、ユーザはプリンタ3に入力した文字情報と同じ文字情報を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bの入力フィールド42dに入力し、「検索」ボタン42eをクリックする。
プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致すると、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザが文字情報を入力したプリンタ3の識別子が選択状態となる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、目的のプリンタ3の識別子を選択状態にすることができる。
【0044】
PC2がプリンタ3からハッシュ値とIPアドレスとを受信する処理は受信処理の一例である。「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示して文字情報の入力を受け付ける処理は受付処理の一例である。プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致するか否かを判定する処理は判定処理の一例である。「プリンタ3から受信したハッシュ値と入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値とが一致すること」は、一致条件の一例である。ユーザが文字情報を入力したプリンタ3の識別子を選択状態にする処理は選択処理の一例である。プリンタ3から受信したハッシュ値は第1の認証情報の一例である。入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値は第2の認証情報の一例である。
【0045】
(4−2)文字情報入力処理
図5は、上述した「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」においてプリンタ3で実行される文字情報入力処理の流れを示すフローチャートである。本処理はユーザがプリンタ3の操作部33を操作して文字情報の入力を選択すると開始される。
【0046】
S101では、CPU31aは、新たな文字情報を入力するか又は記憶部34に記憶されている文字情報を用いるかの選択を受け付けるための画面を操作部33の表示装置に表示する。CPU31aは、ユーザにより新たな文字情報を入力する選択がされた場合はS102に進み、記憶部34に記憶されている文字情報を用いる選択がされた場合はS106に進む。
【0047】
S102では、CPU31aはユーザによる文字情報の入力を受け付ける。
S103では、CPU31aはS102で入力された文字情報を記憶部34に記憶する。このとき、CPU31aは、記憶部34に他の文字情報が記憶されている場合はその文字情報に上書きせずに別の文字情報として記憶させる。
【0048】
S104では、CPU31aはS102で入力された文字情報とプリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出し、記憶部34に記憶する。
プリンタ3のIPアドレスは「画像処理装置に固有の情報」の一例である。なお、ここでは「画像処理装置に固有の情報」としてIPアドレスを例に説明するが、「画像処理装置に固有の情報」はサブネット内でプリンタ3を一意に識別可能な情報であればこれに限られるものではなく、例えばホスト名であってもよい。
【0049】
S105では、CPU31aは記憶部34に記憶されている文字情報毎に、当該文字情報とプリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出することにより、ハッシュ値の集合を得る。ハッシュ値の集合は記憶部34に記憶される。ハッシュ値の集合は「1以上の情報に基づく1以上の第1の認証情報」の一例である。
【0050】
(4−3)識別子選択処理
図6は、上述した「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」においてPC2で実行される識別子選択処理の流れを示すフローチャートである。
本処理はプリンタ3からPC2に戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させ、[検索]ボタン42eをクリックすると開始される。
PC2においてもユーザは新たな文字情報を入力するか又は記憶部27に記憶されている文字情報を用いるかを選択することができる。ユーザは新たな文字情報を入力する場合は入力フィールド42dに文字情報を入力してから[検索]ボタン42eをクリックするものとし、記憶部27に記憶されている文字情報を用いる場合は入力フィールド42dに文字情報を入力せずに[検索]ボタン42eをクリックするものとする。
【0051】
S201では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、入力フィールド42dに文字情報が入力されているか否かを判断し、入力されている場合はS202に進み、入力されていない場合はS205に進む。
S202では、ユニバーサルプリンタドライバ30は入力フィールド42dに入力されている文字情報を記憶部27に記憶させる。このとき、ユニバーサルプリンタドライバ30は、記憶部27に他の文字情報が記憶されている場合はその文字情報に上書きせずに別の文字情報として記憶させる。
入力フィールド42dに入力されている文字情報を記憶部27に記憶する処理は記憶処理の一例である。
【0052】
S203では、ユニバーサルプリンタドライバ30は入力フィールド42dに入力されている文字情報と、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3のIPアドレスとから、プリンタ3がハッシュ値の算出に用いたハッシュ関数と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を算出する。ここで、同じ文字情報と同じIPアドレスとを用いて同じハッシュ関数によってハッシュ値を算出した場合には、同じハッシュ値が算出されるものとする。
S204では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS203で算出したハッシュ値がプリンタ3から受信した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値と一致するか否かを判定し、一致する場合はS207に進み、一致しない場合は処理を終了する。
【0053】
S205では、ユニバーサルプリンタドライバ30は記憶部27に記憶されている文字情報毎に、その文字情報とPC2にハッシュ値を送信したプリンタ3のIPアドレスとから、プリンタ3がハッシュ値の算出に用いたハッシュ関数と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を算出することにより、ハッシュ値の集合を得る。ハッシュ値の集合は「1以上の情報に基づく1以上の第2の認証情報」の一例である。
【0054】
S206では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS205で算出した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値が、プリンタ3から受信した1以上のハッシュ値のうち何れかのハッシュ値と一致するか否かを判定し、一致する場合はS207に進み、いずれも一致しない場合は処理を終了する。
S207では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、図7に示すように、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42b上で非表示にし、当該プリンタ3の識別子を選択状態にする。
【0055】
選択状態にされている識別子によって識別されるプリンタ3は、「第2の認証情報と一致すると判定された第1の認証情報の送信元の画像処理装置」の一例である。
【0056】
(6)実施形態の効果
例えば、普段図1に示すサブネットN1にPC2を接続して作業しているユーザが、サブネットN2が敷設されている場所にPC2を持って移動し、移動先でPC2をサブネットN2に接続したとする。そして、ユーザはサブネットN2に接続されているプリンタ3fに印刷を行わせたいとする。
この場合、ユーザは普段サブネットN1に接続されているプリンタ3を利用していることから、サブネットN2に接続されているプリンタ3のプリンタ名やIPアドレスが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されても、どれがプリンタ3fのプリンタ名やIPアドレスであるか判らないこともある。
【0057】
このような場合、実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、ユーザは目的のプリンタ3とPC2とを操作してそれぞれに同じ文字情報を入力することにより、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて目的のプリンタ3の識別子を選択状態にさせることができる。
【0058】
このように、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、目的のプリンタ3をより確実に選択できる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を自身で調べる必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、各プリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示するものであり、入力フィールド42dに入力された文字情報に基づくハッシュ値と一致すると判定されたハッシュ値の送信元のプリンタ3の識別子を識別可能に表示する。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子が選択されたことを画面上で確認できる。
【0060】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、第1の認証情報はプリンタ3に入力された文字情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、第2の認証情報は入力フィールド42dに入力された文字情報に基づいて、プリンタ3と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値である。
ここで、あるユーザが目的のプリンタ3に入力した文字情報を他のユーザが不正に取得し、プリンタ3を模倣した別の装置にその文字情報を入力し、その別の装置からPC2に第1の認証情報を送信させる場合を考える。この場合、PC2が別の装置を目的のプリンタ3として認証してしまい、本来のプリンタ3に送信されるべき印刷データが別のプリンタ3に送信されてしまう虞がある。つまり、別の装置が本来のプリンタ3になり済まして不正に印刷データを取得してしまう虞がある。
暗号化されたデータとは異なり、ハッシュ値は元のデータに復号化されることが考慮されたデータではないので、本来のプリンタ3を模倣する装置がハッシュ値を取得したとしても、プリンタ3に入力された文字情報をそのハッシュ値から解読することは困難である。このため、第1の認証情報をハッシュ値として送信するようにすると、ユーザが本来のプリンタ3に入力した文字情報が他のユーザに容易に知られてしまうことを防ぐことができる。
【0061】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、第1の認証情報は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとから算出されたハッシュ値であり、第2の認証情報は、PC2で実行される受付処理によって受け付けられた文字情報と、第1の認証情報をPC2に送信したプリンタ3のIPアドレスとから算出されたハッシュ値である。
文字情報のみからハッシュ値を生成した場合は、そのハッシュ値が不正に取得され、本来のプリンタ3を模倣する装置からPC2にそのハッシュ値が送信されると、本来のプリンタ3を模倣する装置から送信されてきたハッシュ値と、ユーザがPC2に入力した文字情報から算出されるハッシュとが一致してしまう。このため、別の装置が本来のプリンタ3になり済まして不正に印刷データを取得してしまう虞がある。
プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出した場合には、そのハッシュ値が不正に取得され、本来のプリンタ3を模倣する装置からPC2にそのハッシュ値が送信されたとしても、そのハッシュ値は、PC2においてユーザが入力する文字情報と、本来のプリンタ3を模倣する装置のIPアドレスとに基づいて生成されるハッシュ値と一致しない。なぜなら、PC2に送信されたハッシュ値は本来のプリンタ3のIPアドレスに基づいて生成されたものであるからである。
このように、ユーザが入力した文字情報とプリンタ3のIPアドレスとに基づいてハッシュ値を生成すると、ハッシュ値が不正に取得されても、別の装置に不正に印刷データが取得されてしまう虞を低減できる。
【0062】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、入力フィールド42dに入力された文字情報を記憶部27に記憶させるので、ユーザが同じ文字情報を入力する手間を低減できる。また、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、複数の文字情報を記憶できるので、PC2が複数のユーザによって共有されている場合に、異なるユーザが異なる情報を入力したとしても、いずれのユーザも文字情報を入力する手間を低減できる。
【0063】
また、実施形態1に係るプリンタ3によると、ユーザはプリンタ3で文字情報を入力することにより、PC2に第1の認証情報を送信できる。これにより、PC2において1以上のプリンタ3の中からそのプリンタ3を選択できる。
【0064】
更に、プリンタ3によると、第1の認証情報としてハッシュ値を送信するので、第1の認証情報を他のユーザに容易に知られてしまうことを防ぐことができる。
【0065】
更に、プリンタ3によると、第1の認証情報は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとに基づく情報であるので、印刷データが不正に取得されてしまう可能性を低減できる。
【0066】
更に、プリンタ3によると、ユーザによって入力された文字情報が記憶されるので、ユーザが同じ文字情報を入力する手間を低減できる。また、プリンタ3によると、複数の文字情報を記憶できるので、1台のプリンタ3が複数のユーザによって共有される場合に、異なるユーザが異なる情報を入力したとしても、いずれのユーザも情報を入力する手間を低減できる。
【0067】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図10によって説明する。
実施形態2は実施形態1の変形例である。実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30は印刷データを暗号化せずにプリンタ3に送信するが、暗号化せずに送信すると通信ネットワーク4上でその印刷データが盗聴される虞もある。
このため、実施形態2では、共通鍵暗号化方式によって印刷データを暗号化する。共通鍵暗号化方式の詳細については後述するが、概略を説明すると、プリンタ3とPC2とでお互いの公開鍵を交換して双方で同じ共通鍵を生成し、生成した共通鍵を用いてデータを暗号化及び復号化するものである。
【0068】
ただし、共通鍵暗号化方式を用いる場合は、公開鍵の取得元のプリンタ3が本来のプリンタ3であることが重要である。なぜなら、本来のプリンタ3になり済ましている別のプリンタ3から公開鍵を取得してしまうと、暗号化した印刷データが別のプリンタ3で復号化されてしまうからである。
【0069】
例えば電子メールなどで共通鍵暗号化方式を用いる場合は公開鍵の信頼性を保証する認証局から送信相手の公開鍵を取得することが行われている。しかしながら、プリンタのレベルではこのような公開鍵の信頼性を保証する認証局は一般に存在しない。
そこで、実施形態2では、実施形態1で説明した構成、すなわち、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出構成によって別の装置が目的のプリンタ3になり済ましている可能性を低減した上で、共通鍵暗号化方式によって印刷データを暗号化する。逆に言うと、実施形態2において共通鍵暗号化方式を採用できる理由は、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとからハッシュ値を算出することにより、別の装置が目的のプリンタ3になり済ましている可能性を低減できるからである。
【0070】
また、実施形態2では、処理効率の低下を抑制するために、生成した共通鍵をプリンタ3及びユニバーサルプリンタドライバ30の双方において記憶しておき、共通鍵が記憶されている場合はその記憶されている共通鍵を用いて暗号化及び復号化する場合を例に説明する。
【0071】
(1)識別子選択処理
図8は、実施形態2に係る識別子選択処理の流れを示すフローチャートである。本処理はプリンタ3からPC2に戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bの[検索]ボタン42eをクリックすると開始される。
実施形態2に係る識別子選択処理においてS201〜S207までの処理は実施形態1に係る識別子選択処理と実質的に同一であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
S301では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、選択状態にされている識別子によって識別されるプリンタ3との間で以下に説明する共通鍵生成処理を実行する。
【0073】
図9は、共通鍵生成処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S401では、ユニバーサルプリンタドライバ30とプリンタ3との間で通信ネットワーク4を介してお互いの公開鍵を交換する。ユニバーサルプリンタドライバ30がプリンタ3から公開鍵を受信する処理は公開鍵受信処理の一例である。
S402では、ユニバーサルプリンタドライバ30は乱数を生成し、生成した乱数をプリンタ3の公開鍵で暗号化する。
【0074】
S403では、プリンタ3は乱数を生成し、生成した乱数をユニバーサルプリンタドライバ30の公開鍵で暗号化する。
S404では、ユニバーサルプリンタドライバ30とプリンタ3との間で、通信ネットワーク4を介して、暗号化した乱数を交換する。
S405では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ3から受信した乱数をPC2の秘密鍵で復号化する。
【0075】
S406では、ユニバーサルプリンタドライバ30は復号化した乱数と、S402でユニバーサルプリンタドライバ30自身が生成した乱数とに基づいて共通鍵を生成する。
S407では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS406で生成した共通鍵を一意に識別するための鍵IDを生成する。
【0076】
S408では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS406で生成した共通鍵と、S407で生成した鍵IDと、プリンタ3のIPアドレスとを対応付けて記憶部27に記憶させる。
共通鍵、鍵ID、及び、プリンタ3のIPアドレスを対応付けて記憶部27に記憶する処理は、記憶処理の一例である。
【0077】
S409では、プリンタ3はユニバーサルプリンタドライバ30から受信した乱数をプリンタ3の秘密鍵で復号化する。
S410では、プリンタ3は復号化した乱数と、S403でプリンタ3自身が生成した乱数とに基づいて共通鍵を生成する。
【0078】
S411では、プリンタ3はS410で生成した共通鍵を一意に識別するための鍵IDを生成する。S411で生成される鍵IDは、前述したS407で生成される鍵IDと同じものであるとする。
なお、プリンタ3側では鍵IDを生成せず、前述したS407で生成された鍵IDをユニバーサルプリンタドライバ30から取得してもよい。
S412では、プリンタ3はS410で生成した共通鍵とS411で生成した鍵IDとを対応付けて記憶部34に記憶する。
【0079】
(2)印刷処理
図10は、実施形態2に係る印刷処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されると開始される。
ここで、「目的のプリンタとPCとに同じ文字情報を入力することによって選択する方法」の場合はユーザが[検索]ボタン42eをクリックするのでS301において共通鍵が生成されるが、マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合は[検索]ボタン42eはクリックされないので共通鍵は生成されない。マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合には共通鍵を生成しない理由は、マウスで識別子をクリックすることによって選択した場合は文字情報が入力されないので、公開鍵を受信するプリンタ3が目的のプリンタ3であるか又は目的のプリンタ3になり済ました別の装置であるかを判断できず、目的のプリンタ3になり済ました別の装置から公開鍵を受信してしまう虞があるからである。
【0080】
このため、アプリケーション29によって表示される印刷画面41で[OK]ボタン41bがクリックされてユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されたとき、制御対象として設定されているプリンタ3との間で共通鍵が生成されている場合もあれば、生成されていない場合もあることになる。
そこで、ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、制御対象として設定されているプリンタ3との間で共通鍵が生成されているか否かを判定し、共通鍵が生成されている場合はその共通鍵を用いて印刷データを暗号化し、共通鍵が生成されていない場合は印刷データを暗号化せずに送信する。
【0081】
S501では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する共通鍵が記憶部27に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS502に進み、記憶されていない場合はS503に進む。
【0082】
S502では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3に対応する共通鍵を用いて印刷データを暗号化する。印刷データを暗号化する処理は暗号化処理の一例である。また、制御対象として設定されているプリンタ3は「ユーザによって指定された画像処理装置」の一例である。
【0083】
S503では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S501で共通鍵が記憶されていると判定した場合はS502で暗号化した印刷データとその印刷データの暗号化に用いた共通鍵の鍵IDとをプリンタ3に送信し、一方、S501で共通鍵が記憶されていないと判定した場合は暗号化されていない印刷データをプリンタ3に送信する。
【0084】
S504では、プリンタ3は印刷データが暗号化されているか否かを判定し、暗号化されている場合はS505に進み、暗号化されていない場合はS507に進む。
S505では、プリンタ3はS503で受信した鍵IDに対応する共通鍵が記憶部34に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS506に進み、記憶されていない場合は処理を終了する。
【0085】
S506では、プリンタ3はS506で受信した鍵IDに対応する共通鍵を用いて印刷データを復号化する。
S507では、プリンタ3はS503で受信した暗号化されていない印刷データ、又は、S506で復号化された印刷データが表す画像を印刷する。
【0086】
(3)実施形態の効果
以上説明した実施形態2に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データを暗号化して送信するので、印刷データの盗聴を抑制できる。
また、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、プリンタ3に入力された文字情報と当該プリンタ3のIPアドレスとに基づくハッシュ値を第1の認証情報として用いるので、プリンタ3を模倣する別の装置が本来のプリンタ3から不正に取得した第1の認証情報をPC2に送信して本来のプリンタ3になり済まそうとしても、プリンタ3を模倣する別の装置から送信された第1の認証情報は第2の認証情報と一致せず、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいてその別の装置の識別子は選択状態にならなくなる。
つまり、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、本来のプリンタ3になり済ました別の装置から公開鍵を取得してしまう可能性を低減できる。
よってユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データが別のプリンタ3で復号化されてしまう可能性を低減しつつ、印刷データの盗聴を抑制できる。
【0087】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、共通鍵をプリンタ3と対応付けて記憶しておくので、プリンタ3にも同様に共通鍵を記憶しておけば、共通鍵が記憶されているプリンタ3が指定された場合にはそのプリンタ3から公開鍵を取得して共通鍵を生成しなくてよく、共通鍵を生成することによる処理効率の低下を抑制できる。
【0088】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図11ないし図12によって説明する。
実施形態2では公開鍵に基づく暗号化鍵として共通鍵を用いる場合を例に説明したが、公開鍵に基づく暗号化鍵は公開鍵そのものであってもよい。
【0089】
図11は、PC2がプリンタ3から公開鍵を取得して記憶する公開鍵取得処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S601では、プリンタ3はプリンタ3の公開鍵をユニバーサルプリンタドライバ30に送信する。
S602では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ3の公開鍵とプリンタ3のIPアドレスとを対応付けて記憶部27に記憶する。
【0090】
図12は、実施形態3に係る印刷処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力されると開始される。
S701では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する公開鍵が記憶部27に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合はS702に進み、記憶されていない場合はS703に進む。
【0091】
S702では、ユニバーサルプリンタドライバ30は制御対象として設定されているプリンタ3のIPアドレスに対応する公開鍵を用いて印刷データを暗号化する。
S703では、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S701で公開鍵が記憶されていると判定した場合はS702で暗号化した印刷データをプリンタ3に送信し、一方、S701で公開鍵が記憶されていないと判定した場合は暗号化されていない印刷データをプリンタ3に送信する。
【0092】
S704では、プリンタ3は印刷データが暗号化されているか否かを判定し、暗号化されている場合はS705に進み、暗号化されていない場合はS706に進む。
S705では、プリンタ3は自身の秘密鍵を用いて印刷データを復号化する。
S706では、プリンタ3はS703で受信した暗号化されていない印刷データ、又は、S705で復号化された印刷データが表す画像を印刷する。
【0093】
以上説明した実施形態3に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、共通鍵を生成しないので、共通鍵を生成する場合に比べて処理を簡素にできる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
(1)上記実施形態ではプリンタ3から受信したハッシュ値とPC2に入力された文字情報に基づいて生成されたハッシュ値とが一致するか否かを判定したが、例えば第1の認証情報として文字情報を送信し、PC2に入力された文字情報と完全に一致すると、それらが一致すると判定してもよい。あるいは、文字情報の先頭から所定数の文字、あるいは後ろから所定数の文字が一致すれば、それらが一致すると判断してもよい。
【0096】
(2)上記実施形態では、選択処理として、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42b上で非表示にし、当該プリンタ3の識別子を選択状態にする場合を例に説明したが、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子も「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに表示したままにし、当該プリンタ3の識別子のみを選択状態にしてもよい。
あるいは、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子以外の識別子も「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに表示したままにし、PC2にハッシュ値を送信したプリンタ3の識別子を他の識別子と識別可能に表示し、ユーザがその識別可能に表示されている識別子をマウスでクリックすることによって選択状態にする構成であってもよい。
あるいは、第2の認証情報と一致すると判定された第1の認証情報の送信元のプリンタ3が1台だけである場合は、自動的にその1台のプリンタ3を選択して印刷条件設定画面43に進む構成であってもよい。この場合は[検索]ボタン42eをクリックした後の選択処理にユーザが介在しないことになる。
つまり、上記実施形態に係る選択処理は、ユーザが介在してもよいし、ユーザが介在しなくてもよい。
【0097】
(3)上記実施形態では第1の認証情報、及び、第2の認証情報として、ユーザが入力した文字情報とプリンタ3のIPアドレスとから算出したハッシュ値を例に説明したが、第1の認証情報、及び、第2の認証情報はユーザが入力した文字情報そのものであってもよいし、IPアドレスは用いず文字情報から算出したハッシュ値であってもよい。
【0098】
(4)上記実施形態ではユニバーサルプリンタドライバ30及びプリンタ3の双方において、ユーザによって入力された文字情報を記憶しておく場合を例に説明したが、入力された文字情報を記憶せずユーザに毎回入力させる構成であってもよいし、ユニバーサルプリンタドライバ30及びプリンタ3の一方においてのみ文字情報を記憶する構成であってもよい。
【0099】
(5)上記実施形態2では、ユニバーサルプリンタドライバ30は生成した共通鍵をプリンタ3のIPアドレスと対応付けて記憶部27に登録する場合を例に説明したが、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3を表す論理プリンタをOSに登録するための[登録]ボタンを「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに設けてもよい。
【0100】
そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、[検索]ボタン42eがクリックされた後に[登録]ボタンがクリックされた場合は、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3の論理プリンタをOSに登録するとともに、そのプリンタ3との間で生成されている共通鍵とその共通鍵の鍵IDとをその論理プリンタに対応付けて記憶部27に記憶させてもよい。ここで、登録される論理プリンタには、使用するプリンタドライバとしてユニバーサルプリンタドライバ30が設定されるものとする。
【0101】
論理プリンタを登録した場合には、アプリケーション29によって表示される印刷画面41でその論理プリンタを指定することができる。ユニバーサルプリンタドライバ30が設定されている論理プリンタが指定されて[OK]ボタン41bがクリックされた場合は、ユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
なお、ここでは共通鍵を例に説明したが、実施形態3で説明した公開鍵の場合も同様である。
【0102】
(6)上記実施形態では印刷データの暗号化方式として共通鍵暗号化方式や公開鍵暗号化方式を例に説明したが、暗号化方式はこれらに限定されるものではない。どのような暗号化方式を用いるかは適宜に選択可能である。
【0103】
(7)上記実施形態ではプリンタ3から戻ったユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bを表示させるとプリンタ3にプリンタ情報とハッシュ値とを要求する場合を例に説明したが、予め「利用可能プリンタ一覧」タブ42bが表示されている状態でプリンタ3に文字情報を入力し、ユーザが「検索」ボタン42eをクリックするとプリンタ3にハッシュ値を要求する構成であってもよい。
【0104】
(8)上記実施形態では画像処理装置としてプリンタを例に説明したが、画像処理装置は、例えば原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをPC2に送信するスキャナであってもよいし、PC2から送信された画像データを外部のファクシミリ装置にファクシミリ送信するファクシミリ装置であってもよい。
【0105】
スキャナの場合はPC2からスキャナに画像データは送信されないが、1以上のスキャナの中から目的のスキャナを選択するために、実施形態1で説明した構成を適用することができる。ファクシミリ装置の場合はPC2からファクシミリ装置に画像データが送信されるので、盗聴を低減するために、実施形態2や実施形態3で説明した暗号化の構成を適用することもできる。
【符号の説明】
【0106】
1・・・印刷システム、2・・・コンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・通信ネットワーク、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・ネットワークインタフェース、27・・・記憶部、30・・・ユニバーサルプリンタドライバ、31・・・制御部、32・・・印刷部、33・・・操作部、34・・・記憶部、35・・・ネットワークインタフェース、41・・・印刷画面、42・・・プリンタ選択画面、42a・・・「お気に入り」タブ、42b・・・「利用可能プリンタ一覧」タブ、42d・・・入力フィールド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、
ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理と、
を実行させる選択プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理は、1以上の前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示してユーザによる前記識別子の選択を受け付けるものであり、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置の前記識別子を識別可能に表示する、選択プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置に画像データを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、
前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づいて、前記画像処理装置と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値である、選択プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であり、
前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報と、前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信した前記画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値である、選択プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記受付処理によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶処理であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、
前記受信処理において、一つの前記画像処理装置から1以上の前記第1の認証情報を受信し、
前記判定処理において、前記受信処理によって受信された1以上の前記第1の認証情報のうちいずれかの前記第1の認証情報と、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第2の認証情報のうちいずれかの前記第2の認証情報とが前記一致条件を満たしていると、前記一致条件を満たしていると判定する、選択プログラム。
【請求項6】
請求項4に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置から公開鍵を受信する公開鍵受信処理と、
前記公開鍵に基づく暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化する暗号化処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを送信する、選択プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置の前記暗号化鍵を当該画像処理装置に対応付けて記憶部に記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、
前記暗号化処理において、ユーザによって指定された前記画像処理装置に対応する前記暗号化鍵が前記記憶部に記憶されている場合は、その記憶されている前記暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化し、
前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを前記指定された画像処理装置に送信する、選択プログラム。
【請求項8】
コンピュータと通信可能に接続される画像処理装置であって、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する送信部と、
を備える画像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理装置であって、
前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づいて算出されたハッシュ値である、画像処理装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の画像処理装置であって、
前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値である、画像処理装置。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記受付部によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶制御部であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶制御部を備え、
前記送信部は、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信する、画像処理装置。
【請求項12】
通信部と、
ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を送信する画像処理装置から前記通信部を介して前記第1の認証情報を受信する受信部と、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受信部によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択部と、
を備えるコンピュータ。
【請求項1】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、
ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する前記画像処理装置から前記第1の認証情報を受信する受信処理と、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記受信処理によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択処理と、
を実行させる選択プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理は、1以上の前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示してユーザによる前記識別子の選択を受け付けるものであり、前記判定処理によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置の前記識別子を識別可能に表示する、選択プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置に画像データを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報に基づいて算出されたハッシュ値であり、
前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報に基づいて、前記画像処理装置と同じハッシュ関数を用いて算出されたハッシュ値である、選択プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第1の認証情報は、前記画像処理装置に入力された前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値であり、
前記第2の認証情報は、前記受付処理によって受け付けられた前記情報と、前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信した前記画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値である、選択プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記受付処理によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶処理であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、
前記受信処理において、一つの前記画像処理装置から1以上の前記第1の認証情報を受信し、
前記判定処理において、前記受信処理によって受信された1以上の前記第1の認証情報のうちいずれかの前記第1の認証情報と、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第2の認証情報のうちいずれかの前記第2の認証情報とが前記一致条件を満たしていると、前記一致条件を満たしていると判定する、選択プログラム。
【請求項6】
請求項4に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置から公開鍵を受信する公開鍵受信処理と、
前記公開鍵に基づく暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化する暗号化処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを送信する、選択プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理によって選択された前記画像処理装置の前記暗号化鍵を当該画像処理装置に対応付けて記憶部に記憶させる記憶処理を前記コンピュータに実行させ、
前記暗号化処理において、ユーザによって指定された前記画像処理装置に対応する前記暗号化鍵が前記記憶部に記憶されている場合は、その記憶されている前記暗号化鍵を用いて前記画像データを暗号化し、
前記送信処理において、前記暗号化処理によって暗号化された前記画像データを前記指定された画像処理装置に送信する、選択プログラム。
【請求項8】
コンピュータと通信可能に接続される画像処理装置であって、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた情報に基づく第1の認証情報を前記コンピュータに送信する送信部と、
を備える画像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理装置であって、
前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づいて算出されたハッシュ値である、画像処理装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の画像処理装置であって、
前記第1の認証情報は、前記受付部によって受け付けられた前記情報と当該画像処理装置に固有の情報とに基づくハッシュ値である、画像処理装置。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記受付部によって受け付けられた前記情報を記憶部に記憶させる記憶制御部であって、前記記憶部に他の前記情報が記憶されている場合はその情報に上書きせずに別の情報として記憶させる記憶制御部を備え、
前記送信部は、前記記憶部に記憶されている1以上の前記情報に基づく1以上の前記第1の認証情報を前記コンピュータに送信する、画像処理装置。
【請求項12】
通信部と、
ユーザによって入力された情報に基づく第1の認証情報を送信する画像処理装置から前記通信部を介して前記第1の認証情報を受信する受信部と、
ユーザによる情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受信部によって受信された前記第1の認証情報と、前記受付部によって受け付けられた前記情報に基づく第2の認証情報とが、それらが一致すると判断される一致条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記一致条件を満たしていると判定された前記第1の認証情報の送信元の前記画像処理装置を選択する選択部と、
を備えるコンピュータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−248083(P2012−248083A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120622(P2011−120622)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]