選択可能キャパシタンス回路
【課題】選択可能キャパシタンス回路
【解決手段】
電圧によって制御されるキャパシタについて及び該キャパシタを形成するための方法について説明されている。該電圧によって制御されるキャパシタの機械的導体膜は、第1の位置及び第2の位置まで移動可能でありさらに第1の位置及び第2の位置から移動可能である。キャパシタンス量は、該機械的導体膜の移動に応じて変化することができる。微小電気機械(MEMS)電圧によって制御されるキャパシタは、様々な用途(例えば、RFスイッチ及びRF減衰器、等であるがこれらの用途に限定するものではない)において使用することができる。
【解決手段】
電圧によって制御されるキャパシタについて及び該キャパシタを形成するための方法について説明されている。該電圧によって制御されるキャパシタの機械的導体膜は、第1の位置及び第2の位置まで移動可能でありさらに第1の位置及び第2の位置から移動可能である。キャパシタンス量は、該機械的導体膜の移動に応じて変化することができる。微小電気機械(MEMS)電圧によって制御されるキャパシタは、様々な用途(例えば、RFスイッチ及びRF減衰器、等であるがこれらの用途に限定するものではない)において使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、微小電気機械システム(MEMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は蒸着した材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、蒸着、エッチング、及び/又はその他のマイクロ加工プロセスを用いて製作することができる。これらのMEMSデバイスは、様々な用途(例えば、光学上の用途、及び電気回路上の用途、等)において使用することができる。
【0003】
MEMSデバイスの1つの型は、インターフェロメトリックモジュレータ(interferometric modulator)と呼ばれている。本出願明細書において用いられているインターフェロメトリックモジュレータ又は干渉型光モジュレータという用語は、光干渉原理を用いて選択的に光を吸収する及び/又は反射させるデバイスを意味している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導性プレートを具備しており、これらのプレートの1方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をすることができる。1方のプレートは、基板上に蒸着された静止層を具備しており、他方のプレートは、エアギャップによって該静止層から分離された金属膜を具備している。本出願明細書においてさらに詳細に説明されているように、一方のプレートを基準にした他方のプレートの位置は、該インターフェロメトリックモジュレータに入射した光の光学的干渉を変えることができる。これらのデバイスは非常に広範な用途を有しており、当業においては、既存製品を改良する際に及びまだ開発されていない新製品を製造する際にこれらの型のデバイスの特長を活用できるようにするためにこれらの型のデバイスの特性を利用及び/又は変更することが有益になる。
【0004】
もう1つの型のMEMSデバイスは、多状態キャパシタとして使用される。例えば、該キャパシタは、適切な電気制御信号を加えられると相対運動をすることができる少なくとも1つのプレートを有する一対の伝導性プレートを具備することができる。該相対運動は、該キャパシタのキャパシタンスを変化させ、該キャパシタを様々な用途(例えば、フィルタリング回路、同調回路、移相回路、減衰器回路、等)において使用することを可能にする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長について概説する。
【0006】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンス量を有する装置であり、該装置は、少なくとも2つの電極と、該少なくとも2つの電極の間に配置された複数の柱と、を含み、該少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1方は、該少なくとも2つの電極の間における定められた間隙を調整可能にするために他方に関して制御可能な形で移動することができ、該電極のうちの少なくとも1方はRF信号を搬送し、該複数の柱は、該電極のうちの少なくとも1つに電圧を供給するように構成されている。
【0007】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンス量を有するキャパシタであり、該キャパシタは、RF信号を搬送するための手段と、該搬送するための手段の少なくとも一部に電圧を供給するための手段と、を含み、該搬送するための手段は、制御可能な形で調整可能な間隙を有する。
【0008】
1つの実施形態は、キャパシタンスを選択する方法であり、該方法は、少なくとも2つの電極の間の間隙を調整することと、該電極のうちの少なくとも1つに電圧を供給すること、とを含み、該電極のうちの少なくとも1つは、RF信号を搬送する。
【0009】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するキャパシタを製造する方法であり、該方法は、第1の電極を形成することと、第2の電極を形成することであって、該第1の電極と該第2の電極との間における定められた間隙を調整可能にするために該第2の電極が該第1の電極を基準して移動可能になるような形で該第2の電極を形成することと、少なくとも該第2の電極に電圧を供給するように構成された複数の柱を形成すること、とを含み、該柱は、該電極の間に配置される。
【0010】
1つの実施形態は、前記に従って製造されたキャパシタである。
【0011】
1つの実施形態は、RFデバイスであり、該RFデバイスは、RF信号を搬送するための第1の導体と、該第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜と、を含み、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する。
【0012】
1つの実施形態は、RF信号を搬送するための手段と、該RF信号をフィルタリングするための手段と、を含むRFデバイスであり、該フィルタリングするための手段は、該RF信号を選択的にフィルタリングするために3つの個別の作動可能位置のうちの少なくとも1つの位置にまで変形可能である。
【0013】
1つの実施形態は、RF信号をフィルタリング方法であり、該方法は、伝導ラインにおいて該RF信号を搬送することと、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜を用いて該RF信号を選択的にフィルタリングすること、とを含み、該変形可能膜は、該伝導ラインに隣接する。
【0014】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するRFデバイスを製造する方法であり、該方法は、RF信号を搬送するための第1の導体を形成することと、該第1の導体から所定の間隔をもたせて配置される変形可能膜を形成すること、とを含み、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する。
【0015】
1つの実施形態は、上述された方法に従って製造れたRFデバイスである。
【0016】
1つの実施形態は、電圧によって制御されるキャパシタであり、該電圧によって制御されるキャパシタは、入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、該基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインと、機械的導体膜(mechanical conductor membrane)であって、該基板アセンブリの上方に所定の間隔をもたせて配置されさらに該機械的導体膜の反対側の端部が該電圧基準ラインのうちの1つ以上に結合された機械的導体膜と、該基板アセンブリと該機械的導体膜との間に配置された1つ以上の柱と、該基板アセンブリ上に配置された信号導体と、該信号導体の最上面と該機械的導体膜との間に配置された誘電材料層と、第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタと、を含み、該電圧基準ラインのうちの少なくとも1つは、該電圧基準端子に結合されており、該1つ以上の柱は、該機械的導体膜を支持し、該制御端子における電圧は、該機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御し、該第1の端子は、該入力端子に結合されており、該第2の端子は、該信号導体に結合されている。
【0017】
以下の図面(一定の拡大率に従ったものではない)及び本出願明細書における関係する説明は、実施形態を例示することを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本出願明細書においては特定の実施形態が説明されているが、当業者にとっては、本出願明細書において詳述されている便益及び特長のうちのすべての便益及び特長を提供することにはならない実施形態を含むその他の実施形態も可能であることが明確になるであろう。
【0019】
選択可能キャパシタンス回路は、非常に様々な用途において使用することができる。例えば、選択可能キャパシタンス回路は、RF減衰器内又はRFスイッチ内において使用することができる。選択可能キャパシタンスは、RF減衰量を選択する、RFスイッチに関するインピーダンスミスマッチ量を選択する、等のために使用することができる。MEMSデバイスによって製作された減衰器又はスイッチは、有利なことに、ダイオードスイッチ及びFETスイッチと比較して、相対的に広範な帯域幅の動作を行い、損失が相対的に少なくさらにRF特性が優れている。さらに、MEMSデバイスは、一般的には、相対的に低い駆動電力を要求し、さらに、相対的に低い直列抵抗を示すことができる。
【0020】
ディスプレイ用MEMSデバイスの伝導性プレートのうちの1方又は両方の相対運動原理又はディスプレイ用MEMSデバイスの伝導膜のうちの1方又は両方の相対運動原理は、図1乃至図6Cを参照しつつインターフェロメトリックモジュレータディスプレイの観点から一般的に説明されている一方で、これらの相対運動原理は、MEMSキャパシタに対しても適用可能であるということを当業者は理解することになる。
【0021】
以下の詳細な説明は、本発明のいくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、数多くの異なった形で具体化することが可能である。本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字を付してある。以下の説明によって明確になるように、各実施形態は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置において実装することができる。さらに具体的には、各実施形態は、様々な電子機器、例えば、携帯電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)(但し、これらの電子機器に限定するものではない)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装できるようにすることが企図されている。さらに、本出願明細書において説明されているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0022】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つのインターフェロメトリックモジュレータディスプレイ実施形態が図1に例示されている。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、該表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、該表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんど反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0023】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素内の2個の隣接する画素を描いた等大図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを具備している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータのロー/コラムアレイ(横列/縦列)を具備している。各インターフェロメトリックモジュレータは、一対の反射層を含んでいる。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置されており、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。1つの実施形態においては、該反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置(本出願明細書では解放位置と呼ばれている)においては、該移動可能層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置されている。第2の位置においては、該移動可能層は、該部分的反射層のほうにより近づけて配置されている。これらの2つの層から反射された入射光は、該移動可能な反射層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0024】
図1において、画素アレイのうちの描かれた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14aが、固定された部分的反射層16aから予め決められた距離にある位置において解放状態になっている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14bが、固定された部分的反射層16bに隣接した作動位置にある。
【0025】
固定層16a及び16bは、電導性で、部分的に透明でさらに部分的反射性であり、例えば、各々がクロム及びインジウム−スズ酸化物から成る1つ以上の層を透明な基板20上に配置することによって製作される。後述するように、これらの層は、平行なストリップから成るパターンが付けられており、ディスプレイデバイス内においてロー電極を形成している。移動可能層14a及び14bは、柱18の頂部に蒸着させた(ロー電極16a及び16bと直交の)蒸着金属層の一連の平行ストリップとして及び柱18間に蒸着させた介在犠牲材料として形成することができる。該犠牲材料をエッチングによって取り除くと、変形可能な金属層14a及び14bが定められたエアギャップ19よって固定金属層から分離される。変形可能な層には伝導性が高い反射性材料(アルミニウム、等)を用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてコラム電極を形成する。
【0026】
図1において画素12aによって例示されているように、電圧が印加されていない状態では、空洞19は層14aと16aの間にとどまっており、変形可能層は、機械的に解放された状態になっている。しかしながら、選択したロー及びコラムに電位差を印加すると、対応する画素におけるロー電極及びコラム電極の交差部において形成されているキャパシタが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。図1内の右側の画素12bによって例示されているように、電圧が十分に高い場合は、移動可能層が変形されて固定層に押しつけられる(本図に示されていない誘電材料を固定層に蒸着することによって短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる)。この挙動は、印加した電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性画素の状態を制御することができるロー/コラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられている作動と多くの点で類似している。
【0027】
図2乃至5Bは、表示用途においてインターフェロメトリックモジュレータアレイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを例示した図である。
【0028】
図2は、本発明の諸側面を組み入れることができる電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、該電子デバイスはプロセッサ21を含んでおり、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等)、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等)にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウェアアプリケーション(例えば、ウェブブラウザー、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウェアアプリケーション)を実行するように構成することができる。
【0029】
1つの実施形態においては、プロセッサ21はアレイコントローラ22と通信するようにも構成されている。1つの実施形態においては、アレイコントローラ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供するロードライバ回路24及びコラムドライバ回路26を含む。図1において例示されている該アレイの横断面は、図2では線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリックモジュレータにおいては、ロー/コラム作動プロトコルは、図3において例示されているこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10Vの電位差が必要である。しかしながら、同値から電圧を減じたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10Vよりも低くなる間にその状態を維持する。図3において例示されている典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2Vよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図3において示されている例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧の窓が存在している。本出願明細書では、この窓を「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼んでいる。図3において例示されているヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10Vの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロVの電圧差にさらされることになるように、ロー/コラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5Vの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7Vの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図1において例示されている画素設計を、作動状態又は先在する解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリックモジュレータの各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層及び移動可能反射層によって形成されたキャパシタであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステリシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0030】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望する作動画素の組に従ってコラム電極の組を選択することによって表示フレームを製造する。次に、ローパルスをロー1電極に加え、選択されたコラムラインに対応する画素を作動させる。次に、選択されたコラム電極の組を変更し、第2ロー内の希望される作動画素の組に対応させる。次に、ロー2電極にパルスを加え、選択されたコラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。この際、ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスが一連のロー全体に関して逐次的に繰り返されることによって表示フレームが製造される。一般的には、これらの表示フレームは、希望する何らかの1秒当たりのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによってリフレッシュされるか及び/又は新しい表示データによって更新される。画素アレイのロー電極及びコラム電極を駆動して表示フレームを生成するためのプロトコルは非常に様々であることがよく知られており、これらのプロトコルを本発明ととともに使用することができる。
【0031】
図4、5A及び5Bは、図2に示されている3x3アレイ上において表示フレームを製作するために用いることが可能な1つの作動プロトコルを例示した図である。図4は、図3のヒステリシス曲線を示している画素に関して使用することができる一組のコラム/ロー電圧レベルを示した図である。図4の実施形態において、画素を作動させることは、該当するコラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5V及び+5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを+Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ+ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。同じく図4において、上記の電圧とは反対の極性の電圧を使用できること、例えば、画素を作動させることは、該当するコラムを+Vbiasに設定して該当するローを−ΔVに設定することを関わらせることができる、という点が理解されることになる。本実施形態においては、画素の解放は、該当するコラムを−Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ−ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。
【0032】
図5Bは、図2の3x3アレイに加えられた一連のロー信号及びコラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに例示されている表示配置になる(同図における作動画素は非反射性である)。図5Aに例示されているフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0ボルト、すべてのコラムが+5Vである。これらの電圧を印加した状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0033】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)を作動させる。該作動させるためには、ロー1に関する「ラインタイム」中に、コラム1及び2を−5Vに設定し、コラム3を+5Vに設定する。この場合、すべての画素が3V乃至7Vの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化しない。次に、パルスを用いてロー1をストローブし、0から最高5Vまで上昇させて0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、コラム2を−5Vに設定し、コラム1及び3を+5Vに設定する。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。同様に、コラム2及び3を−5Vに設定し、コラム1を+5Vに設定することによってロー3を設定する。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示したように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、コラム電位は、+5V又は−5Vのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aに示した配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとコラムのアレイさらには何百ものローとコラムのアレイに関しても採用できるという点が理解されることになる。さらに、ロー及びコラムの作動を実施するために用いるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述した一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、あらゆる作動電圧方法を本発明とともに用いることができる点も理解されることになる。
【0034】
図6A及び6Bは、ディスプレイデバイス40の1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば携帯電話であることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素又はわずかに変形させた構成要素は、テレビ及び携帯式メディアプレーヤー等の様々な型のディスプレイデバイスも可能であることを例示するものである。
【0035】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカー44、入力デバイス48、及びマイク46を含む。ハウジング41は、一般的には、当業者によく知られている様々な製造プロセス(例えば、射出成形、及び真空成形、等)のうちのいずれかの製造プロセスによって成形される。さらに、ハウジング41は、様々な材料(例えば、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むが、これらの材料に限定するものではない)によって製造することができる。1つの実施形態においては、ハウジング41は、異なった色を有するか又は異なったロゴ、絵、又は記号を有するその他の取り外し可能な部分と互換可能である取り外し可能な部分(図示されていない)を含む。
【0036】
典型的ディスプレイデバイス40のアレイ30は、本出願明細書において説明されているように、双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかのディスプレイであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ30は、当業者によく知られている上述のフラットパネルディスプレイ(例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、等)、又は非フラットパネルディスプレイ(例えば、CRT又はその他の管デバイス)を含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、アレイ30は、本出願明細書において説明されているインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0037】
典型的ディスプレイデバイス40の1つの実施形態の構成要素が図6Bにおいて概略的に例示されている。例示されている典型的ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、さらに、その中に少なくとも部分的に内蔵されているさらなる構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態においては、典型的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含んでいる。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続されており、プロセッサ21は、コンディショニングハードウェア52に接続されている。コンディショニングハードウェア52は、信号のコンディショニング(例えば、信号のフィルタリング、等)を行うように構成することができる。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー44及びマイク46に接続されている。プロセッサ21は、入力デバイス48及びドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されており、アレイドライバ22は、アレイ30に結合されている。電源50は、典型的ディスプレイデバイス40の特定の設計上の必要に応じて全構成要素に電力を供給する。
【0038】
ネットワークインタフェース27は、典型的ディスプレイデバイス40がネットワーク上の1つ以上のデバイスと通信できるようにするために、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に対する要求を緩和するためのいくつかの処理能力を有することもできる。アンテナ43は、当業者に知られているいずれかの信号送受信用アンテナである。1つの実施形態においては、該アンテナは、IEEE 802.11規格(IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含む)に準拠してRF信号を送受信する。もう1つの実施形態においては、該アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)規格に準拠してRF信号を送受信する。携帯電話の場合は、該アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために使用されるCDMA信号、GSM信号、AMPS信号、又はその他の既知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ47は、アンテナ43から受信した信号をプロセッサ21が受け取ってさらなる処理を行うことができるようにこれらの受信信号を前処理する。さらに、トランシーバ47は、プロセッサ2021から受け取った信号をアンテナ43を通じて典型的ディスプレイデバイス40から送信できるようにするための処理も行う。
【0039】
代替実施形態においては、トランシーバ47は、受信機に代えることができる。さらにもう1つの代替実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に伝送されるデータを保存又は生成することができるデータソースに代えることができる。例えば、該データソースは、デジタルビデオディスク(DVD)、画像データを内蔵するハードディスクドライブ、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールにすることができる。
【0040】
プロセッサ21は、一般的には、典型的ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御する。プロセッサ21は、データ(音声データ、画像データ(例えば、ネットワークインタフェース27又は画像ソースからの圧縮画像データ)、等)を受け取り、該データを処理して生データにするか、又は、簡単に処理して生データにすることができるフォーマットにする。次に、プロセッサ21は、処理したデータをドライバコントローラ29に送るか又はフレームバッファ28に送って保存する。生画像データとは、一般的には、1つの画像内の各記憶場所における画像の特徴を識別する情報である。例えば、画像に関するこれらの特徴は、色、飽和、及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0041】
1つの実施形態においては、プロセッサ21は、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的には、スピーカー44に信号を送信するための及びマイク46から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、典型的ディスプレイデバイス40内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ21又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0042】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生データを、プロセッサ21から直接受け取るか又はフレームバッファ28から受け取り、アレイドライバ22に高速伝送するのに適した再フォーマット化を該生データに対して行う。具体的には、ドライバコントローラ29は、生データを再フォーマット化し、ラスターに似たフォーマットを有するデータ流にする。このため、該データ流は、アレイ30全体を走査するのに適した時間的順序を有している。次に、ドライバコントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。ドライバコントローラ29(例えば、LCDコントローラ、等)は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関係していることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。例えば、これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ22とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。
【0043】
一般的には、アレイドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ29から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素行列から来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。
1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、及びアレイ30は、本出願明細書において説明されているあらゆる型のディスプレイに関して適している。例えば、1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(例えば、インターフェロメトリックモジュレータコントローラ、等)である。もう1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ、等)である。1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。該1つの実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の小型ディスプレイ等のような高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。さらに別の実施形態においては、アレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリックモジュレータアレイを含むディスプレイ、等)である。
【0044】
入力デバイス48は、ユーザーが典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にするデバイスである。1つの実施形態においては、入力デバイス48は、キーパッド(QWERTYキーボード又は電話のキーパッド、等)、ボタン、スイッチ、タッチ画面、感圧膜、感熱膜、等を含む。1つの実施形態においては、マイク46は、典型的ディスプレイデバイス40の入力デバイスである。データをデバイスに入力するためにマイク46を使用時には、ユーザーは、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドを使用することができる。
【0045】
電源50は、当業界においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態においては、電源50は、充電可能な電池(例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、等)である。もう1つの実施形態においては、電源50は、再生可能なエネルギー源、キャパシタ、又は太陽電池(例えば、プラスチック太陽電池、太陽電池塗料、等)である。別の実施形態においては、電源50は、コンセントから電力を受け取るように構成されている。
【0046】
いくつかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述されているように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるドライバコントローラ内に常駐する。いくつかの事例においては、制御プログラマビリティは、アレイドライバ22内に常駐する。当業者は、上述した最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウエアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識することになる。上記の原理に従って動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の詳細は、大きく変わることができる。例えば、図7A乃至図7Cは、移動可能鏡構造物の3つの異なった実施形態を例示した図である。図7Aは、図1の実施形態の横断面であり、細長い帯状の金属材料14が直交支持物18上に蒸着されている。図7Bにおいては、移動可能反射材料14は、支持物の角のみに(テザー32上に)取り付けられている。図7Cにおいて、移動可能反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられている。この実施形態においては、反射材料14に関して用いられる構造設計及び材料を光学的性質に関して最適化することができ、さらに、変形可能層34に関して用いられる構造設計及び材料を希望する機械的性質に関して最適化することができるため、いくつかの便益を有している。様々な出版物(例えば、U.S. Published Application 2004/0051929、等)において様々な型の干渉デバイスの製造に関する説明が行われている。さらに、材料蒸着、パターン形成、及びエッチングの一連の手順が関わる上記の構造物は、非常に様々なよく知られた技術を用いて製造することができる。
【0047】
微小電気機械システム(MEMS)電圧によって制御されるキャパシタについて及び該キャパシタを形成するための方法について説明されている。該電圧によって制御されるキャパシタの機械的導体膜は、第1の位置及び第2の位置まで移動することが可能であり、さらに、第1の位置及び第2の位置から移動することが可能である。キャパシタンス量は、該機械的導体膜の移動に応じて変化することができる。MEMS電圧によって制御されるキャパシタは、様々な用途(例えば、RFスイッチ及びRF減衰器、等であるが、これらの用途に限定するものではない)において使用することができる。
【0048】
MEMSデバイスによって製作された減衰器又はスイッチは、有利なことに、ダイオードスイッチ及びFETスイッチと比較して、相対的に広範な帯域幅の動作を行い、損失が相対的に少なくさらにRF特性が優れている。さらに、これらのMEMSデバイスは、共平面導波管内において使用時には、駆動電力が相対的に低いこと及び直列抵抗が相対的に小さいことも特長とすることができる。
【0049】
1つの実施形態は、機械的導体膜の固定点間に配置された柱を有するMEMSキャパシタを含む。これらの柱の間の間隔は、該膜の位置を変えるために用いられるプルイン電圧を決定することができる。キャパシタは、柱間の間隔が可変である1つ以上の膜とともに形成することができる。このことは、該プルイン電圧が膜の対応する部分に関して変化することを可能にし、それによって、膜又はその一部分を選択的に作動させることを可能にする。従って、キャパシタンス量は、制御電圧に少なくとも部分的に反応して変化することができる。
【0050】
1つの実施形態は、別々の制御バイアスに結合された多重膜を有するキャパシタを含む。このことは、該多重膜を独立して個別に制御することを可能にし、それによって相対的に広範なキャパシタンスを選択することを可能にする。例えば、該多重膜は、ほぼ線形なキャパシタンスの選択を行うために、2進重み(2のべき乗)で加重することができる。
【0051】
1つの実施形態は、電圧によって制御されるキャパシタであり、該電圧によって制御されるキャパシタは、入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、該基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインと、機械的導体膜(mechanical conductor membrane)であって、反対側の機械的導体膜が2つ以上の端部において固定されるようにするために、及び、該機械的導体膜が該1つ以上の電圧基準ラインにAC結合されるようにするために、該基板アセンブリの上方において間隔をあけて配置されさらに該機械的導体膜の反対側の端部において該電圧基準ラインのうちの1つ以上に直接的に又は間接的に結合された機械的伝導膜と、該基板アセンブリと該機械的導体膜との間に配置されさらに該機械的導体膜を固定する該2つ以上の端部の間に配置された1つ以上の柱と、該基板アセンブリ上に配置された信号導体と、該信号導体の最上面と該機械的伝導膜との間に配置された誘電材料層と、第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタと、を含み、該電圧基準ラインのうちの少なくとも1つは、該電圧基準端子に結合されており、該機械的導体膜のうちの少なくとも一部分は、該基板アセンブリの表面から第1の距離にある第1の位置まで及び該基板アセンブリの該表面から第2の距離にある第2の位置まで移動可能でありさらに該第1の位置から及び該第2の位置から移動可能であり、該1つ以上の柱は、該機械的導体膜を支持し、該信号導体は、該制御端子にDC結合されており、該制御端子における電圧は、該機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御し、該機械的導体膜が該第1の位置にあるときには(a)該機械的導体膜と該誘電材料層との間又は(b)該誘電材料層と該信号導体との間のうちの少なくとも1つの間において間隙が存在し、該機械的導体膜が該第2の位置にあるときには実質的に間隙が存在せず、該第1の端子は、該入力端子に結合されており、該第2の端子は、該信号導体に結合されている。
【0052】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するキャパシタであって、該キャパシタは、基板アセンブリと、該基板アセンブリ上の信号導体と、該信号導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層と、1つ以上の機械的導体膜であって、該基板アセンブリと該1つ以上の機械的導体膜の間に該信号導体を配置させるために該基板アセンブリの上方において間隔をあけて配置された1つ以上の機械的導体膜と、を含み、該信号導体は、該キャパシタに関する第1の電極を形成しており、該1つ以上の機械的導体膜は、該キャパシタに関する第2の電極を形成しており、該1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、低キャパシタンス位置及び高キャパシタンス位置から少なくとも部分的に独立して移動することができ、該達成可能な位置は、該機械的導体膜の少なくとも選択された2つの部分に関する個別の第1のキャパシタンス位置と、該機械的導体膜の該選択された2つの部分に関する個別の第2のキャパシタンス位置であって、該個別の第1のキャパシタンス位置よりも多量のキャパシタンスを有する個別の第2のキャパシタンス位置と、該個別の第1のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が多いが該個別の第2のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が少ない個別の第3のキャパシタンス構成と、を含み、該個別の第3のキャパシタンス構成において、該選択された2つの部分のうちの1方は、該個別の第2のキャパシタンス位置にあり、該他方は、該個別の第1のキャパシタンス位置にあり、該選択された部分は、少なくとも部分的には、該信号導体における電圧によって決定される。
【0053】
図7Dは、低キャパシタンス位置にある機械的導体膜702を有するMEMSキャパシタ700の側部横断面図を例示した図である。図7Eは、高キャパシタンス位置にある同じMEMSキャパシタ700を例示した図である。MEMSキャパシタ700を製作するための1つのプロセスは、図13A乃至図13Iを参照しつつ後述される。MEMSキャパシタ700は、基板アセンブリ704、電圧基準ライン706及び708、柱710、信号導体712、及び、信号導体712上に配置された誘電材料層714をさらに含む。
【0054】
該例示されている実施形態においては、電圧基準ライン706及び708、及び信号導体712は、共平面導波管構成で基板アセンブリ704上に形成される。さらに、バリヤ層等のその他の構造も存在可能であることが理解されることになる。当然のことであるが、バリヤ層に関する材料は、電圧基準ライン706及び708に関して使用される材料に依存する。例えば、電圧基準ライン706及び708が銅によって形成されている場合は、タンタルを拡散バリヤとして使用することができる。基板アセンブリ704は、様々な材料(例えば、ガラス、珪素、ガリウム砒素、ニオブ酸リチウム、燐化インジウム、等)によって形成させることができる。基板アセンブリ704、電圧基準ライン706及び708、及び信号導体712に関して用いられる材料は、表示を用途とするインターフェロメトリックモジュレータにおいて使用すべき材料とは異なり、人間の可視スペクトルにおける相対的に優れた透明性の確保を考慮して選択する必要がないということに注目すべきである。むしろ、これらの材料は、電気的性能上の特性、コスト、等に基づいて選択することができる。電圧基準ライン706及び708及び信号導体712に関して用いることができる材料例は、銀、銅、金、アルミニウム、又はこれらの材料の組合せを含む。1つの実施形態においては、電圧基準ライン706及び708に関して用いられる材料及び信号導体712に関して用いられる材料は、同じである。選択された材料は、好ましいことに、相対的に優れた導体であり、例えば、1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する材料、又は、さらに好ましいことに、0.1x10−6オーム−メートル(Ω−m)の未満の抵抗率を有する材料である。
【0055】
電圧基準ライン706及び708は、信号導体712によって搬送された信号に関する信号アース基準を提供する。該信号アースは、RF信号に関するアースに対して相対的に低いインピーダンスを提供すべきである。該信号アースは、DCアース電位にすることができる(但し、DCアース電位である必要はない)ことが理解されることになる。図7D及び図7Eにおいて例示されている実施形態においては、電圧基準ライン706及び708、及び機械的導体膜702は、同じDC電位である。図8を参照しつつ後述される実施形態においては、異なったDC電位を使用することができる。
【0056】
信号導体712は、選択可能キャパシタンスが提供される対象となる信号を搬送する。例えば、該選択可能キャパシタンスは、該信号に対して加えられる減衰量を選択するためにRF減衰器において使用することができ、該信号のための経路を選択するためにRFスイッチにおいて使用することができる、等である。また、結合キャパシタを使用すれば、同じく信号導体712によって搬送される制御電圧からRF信号を隔離することができる。図3を参照しつつ上述されているように、該制御電圧は、機械的導体膜702の位置を少なくとも部分的に制御することができる。
【0057】
該例示されている実施形態においては、誘電材料層714は、信号導体712において形成される。もう1つの実施形態においては、誘電材料層714は、機械的導体膜702の底側(信号導体712に面する側)に配置することができる。誘電材料層714に関しては様々な材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、等)を使用することができる。誘電材料層714は、図7Eにおいて例示されている低キャパシタンス位置にあるときに機械的導体膜702及び信号導体712が電気的に短絡するのを防止する。
【0058】
機械的導体膜702も伝導性材料によって形成させるべきである。この場合には、非常に様々な材料を使用することができる。例えば、電圧基準ライン706及び708及び信号導体712に関して使用されたと材料と同じ材料を使用することができる。さらに、機械的導体膜702は、相対的に優れた電気的性質及び機械的性質(例えば、応力、等)を提供するために選択された様々な材料から成る多重材料層を用いて形成することもできる。
【0059】
柱710は、様々な(伝導性又は誘電性)の材料(例えば、ポリマー、金属、ガラス、セラミックス、等)を用いて形成することができる。1つの実施形態においては、柱710は、製作を容易にするために感光ポリマーを用いて形成される。柱710は、低キャパシタンス位置においては機械的導体膜702が基板表面からhの高さにあるように機械的導体膜702を支持する。柱710の高さ(及びh)、柱710間の間隔、及び、機械的導体膜702上における引張応力は、機械的導体膜702に関する適切なプルイン電圧を選択するために使用することができる。
【0060】
特定のMEMSキャパシタ700に関して用いられる適切な材料及び寸法は、様々な考慮事項(例えば、コスト、電気的性能上の要求事項(周波数範囲、等)、利用可能な大きさ、希望されるプルイン電圧、等)に依存することが当業者によって理解されることになる。1つの実施形態においては、電圧基準ライン706及び708に関する導体及び信号導体712に関する導体の適切な厚さは、約0.5乃至5マイクロメートルの範囲内にある。信号導体712に関する適切な幅wは、約25マイクロメートル乃至約75マイクロメートルの範囲内にある。電圧基準ライン706及び708に関する適切な幅Lは、約50マイクロメートル乃至約250マイクロメートルの範囲内にある。電圧基準ライン706及び708のうちの1つと信号導体712との間の適切な距離gは、約10マイクロメートル乃至約50マイクロメートルの範囲内にある。1つの実施形態においては、誘電材料層714に関する適切な厚さは、約0.1乃至0.5マイクロメートルの範囲内にある。その他の適切な寸法は、当業者によって容易に決定されることになる。
【0061】
機械的導体膜702は、第1の位置及び第2の位置まで移動すること、及び第1の位置及び第2の位置から移動することができる。図7Dにおいて例示されているように、機械的導体膜702の底部と誘電材料層714との間には間隙が存在する。該間隙の存在は、図7Dにおいて例示されている位置では相対的に低いキャパシタンスをMEMSキャパシタ700に提供する。図7Eにおいて例示されているように、機械的導体膜702は、機械的導体膜702と信号導体712との間における適切なプルイン電圧によって作動されると、より高いキャパシタンス位置に移動する。
【0062】
図8は、誘電材料層802が機械的導体膜804を電圧基準から絶縁する実施形態に従ったMEMSキャパシタ800の側部横断面を例示した図である。誘電材料層802は、機械的導体膜804と電圧基準ライン706及び708との間に配置される。このことは、電圧基準ライン706及び708が機械的導体膜804とは異なったDC電位であることを可能にする。図8内の右側において示されているように、機械的導体膜804は、DCバイアス源に接触するように延長させることができる。電圧基準ライン706及び708のうちの1方又は両方は、依然として相対的に優れた信号アースに結合させるべきであるという点に注目すべきである。
【0063】
誘電材料層802に関しては非常に様々な材料を使用することができる。例えば、誘電材料層802は、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、等によって形成させることができる。1つの実施形態においては、機械的導体膜804の位置を作動させるために、電圧基準ライン708は、DCアースに結合され、機械的導体膜804は、信号導体712におけるバイアスを基準したDCバイアスに結合される。このことは、例えば、機械的導体膜のうちのDC隔離部分を選択的に起動又は移動させ、それによって相対的に広範な選択可能キャパシタンスを提供することを可能にする。このことは、RF減衰上の用途において役立つことができる。一例においては、図5A及び5Bを参照しつつ上述されているように、信号導体及び機械的導体膜は、ロー及びコラムの構成で配置されて起動される。
【0064】
図9Aは、柱間の間隔が相対的にほぼ同じであるMEMSキャパシタ900の実施形態を上からみた状態を例示した図である。例えば、上から見たMEMSキャパシタ900の図は、図8を参照しつつ上述されているMEMSキャパシタ800に対応させることができる。MEMSキャパシタ900の例示されている部分は、電圧基準ライン902及び904、信号導体906、及び柱908を含む。ダッシュ線によって描かれたボックス910は、機械的導体膜を上から見た図である。該例示されている実施形態においては、ダッシュ線によって描かれたボックス910は、結合用電圧基準ライン904を越えて、機械的導体膜にバイアスかけるためのDC電位源まで延長させることによって描かれる。
【0065】
共平面導波管構成のRF減衰器内又はRFスイッチ内においてキャパシタが具体化されている1つの実施形態においては、RF信号は、該キャパシタ内を流れることができ、このため、RF入力信号及びRF出力信号は、信号導体906の反対側の端部において端子に結合させることができる。該結合は、例えば、結合キャパシタを介して又は制御電圧源からのDCを通さないその他のカップリングを介して行うことができる。
【0066】
間隔が相対的に一貫しているか又はほぼ同じである場合には、機械的導体膜の移動可能部分全体が実質的に同時に1つの位置から別の位置に移動するのを期待することができる。
【0067】
図9B1は、機械的導体膜916の第1の部分912に関する柱間が相対的に広く、機械的導体膜916の第2の部分914に関する柱間が相対的に狭いMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。図9B2は、機械的導体膜916の該第1の部分912に関する柱間が相対的に広く、機械的導体膜916の該第2の部分914に関する柱間が相対的に狭いMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。ダッシュ線918は、これらの2つの部分のほぼ中間に描かれている。
【0068】
機械的導体膜916は一体であり、このため、第1の部分912及び第2の部分914は、同じ機械的導体膜の一部分であるが、第1の部分912及び第2の部分914は、互いに独立して移動できることに注目すべきである。高さ(図示されていない)及び/又は柱間の間隔を変えることによって、要求されるプルイン電圧は、これらの異なった部分の間で変化することができる。例えば、第1の部分912及び第2の部分914に関する高さが同じである場合には、第1の部分912は、第2の部分914より低い作動電圧でプルインする。図9B1の実施形態においては、該間隔は、該信号導体と平行な方向に変化する。図9B2において例示されている実施形態においては、第2の部分における各コラムの柱952と各々の信号導体956との間の間隔は、第1の部分912における各コラムの柱954と各々の信号導体956との間の間隔よりも狭い。
【0069】
図9B1及び9B2には2つの部分が示されているが、これよりも多い部分(例えば、3つ又は4つの部分)を使用可能であることが理解されることになる。1つの実施形態においては、機械的導体膜916の多重部分の下方の柱は、希望されるキャパシタンス選択性に従って配列される。
【0070】
図9C1は、2つの別個の膜922及び924を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。図9C2は、2つの別個の膜922及び924を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。例えば、別個の膜922及び924は、共通の電圧基準ラインによって提供される同じDCバイアスに結合させることができる一方で、膜922及び944は、異なったプルイン電圧で作動することができ、それによってキャパシタンス値の複数の選択を可能にすることができる。選択できるキャパシタンスを追加するためにさらなる別個の膜を提供することも可能であることが理解されることになる。図9C2において例示されている実施形態においては、第2の膜924に関する各コラムの柱962と各々の信号導体966との間の間隔は、第1の膜922の各コラムの柱964と各々の信号導体966との間の間隔よりも狭い。
【0071】
図9Dは、2つの別個の機械的導体膜932及び934を有しさらに例示されている機械的導体膜に関して同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。この構成は、図9B1、9B2、9C1、及び9C2を参照しつつ上述されている構成における制御に加えた制御を提供することができる。
【0072】
例示されている機械的導体膜932及び934の各々において別個の制御バイアスを用いることによって、膜932及び934の各々は、独立してプルインすることができる。これらの別個の制御バイアスは、信号導体における制御バイアスに追加される制御バイアスである。これらの別個の制御バイアスのうちの1つは、アースに対応させることができる点が理解されることになる。このことは、キャパシタによって提供される選択性を拡大させる。例えば、異なった機械的導体膜932及び934は、2進重みで、即ち、各部分別に2のべき乗で加重することができる。このことは、キャパシタンス量をほぼ線形で制御することを可能にすることができる。いくつかの状況においては、選択されたキャパシタンス値の間における低キャパシタンス位置に膜932及び934を戻すことが必要になる場合があることに注目すべきである。本出願明細書においては、2つの別個の膜932及び934の観点で例示されているが、当業者は、これ以上の数の膜を使用できることを理解することになる。
【0073】
別個の膜932及び934は、互いの制御電圧から隔離させることができる。例えば、図8を参照しつつ上述されている構成は、誘電材料層802を用いた該隔離技術を例示している。図9Dにおいて、誘電材料層936は、相対的に優れた信号アースを引き続き提供しつつ、基本的電圧基準ラインによって膜932及び934のうちの1つ以上を直流電流路から隔離することができる。
【0074】
該例示されている実施形態において示されている誘電材料層936は、基本的電圧基準ラインの各々の間に配置されている。
【0075】
膜932及び934は、各々の電源に結合され、該電源は、例えば、DCバイアス、アース基準、制御された信号又は切り換えられた信号を含むことができる。例えば、電源は、様々な相互接続技術(例えば、パッド、エアブリッジ、等を介した配線)を用いて対応する膜に結合させることができる。例えば、膜932及び934の選択された部分938及び940は、膜932及び934の形成と同時に形成することができる。1つの実施形態においては、機械的導体膜に関するDC制御及び様々な柱間を組み合わせたMEMSキャパシタも使用可能である。
【0076】
図10Aは、MEMSキャパシタを用いたRF減衰器に関する予想帰路損の例を示した図である。例えば、図9Aを参照しつつ上述されているように、RF信号は、該MEMSキャパシタ内を流れるように構成させることができる。この図において、横軸は周波数を示しており、右に進むに従って増大する。縦軸は、帰路損を示している。該帰路損は、反射された波の振幅と入射した波の振幅の比に相当し、さらに、図10Aにおいては、該比は、デシベルで表されている。図10Aにおいて例示されているように、トレース1002は、RF減衰器が「オフ」位置にあるとき(即ち、機械的導体膜702が、例えば図7Dにおいて例示されている低キャパシタンス位置にあるとき)の該減衰器の予想帰路損に対応している。トレース1002によって例示されているように、相対的に低い減衰を有するMEMSキャパシタを有するRF減衰器内をRF信号が通るようにするために、該予想帰路損は、減衰器が「オフ」のときには相対的に低い。
【0077】
その他のトレース1004、1006、及び1008は、MEMSキャパシタを有するRF減衰器の帰路損に対応しており、例えば図7Eにおいて例示されているように、機械的導体膜702は、相対的に高いキャパシタンス位置に「プルイン」される。該その他のトレース1004、1006、及び1008は、推定の際に用いられるキャパシタンス量に関して変化する。キャパシタンス量は、キャパシタの幾何形状に依存して変化することができる点、及び/又は、選択されたキャパシタンス量に関して少なくとも部分的に独立して作動させることができる多重部分又は多重の別個の膜を有するキャパシタに関して変化することができる点が理解されることになる。例えば、トレース1004に対応するキャパシタンスは、トレース1006に関して用いられるキャパシタンスよりも大きく、他方、トレース1006に関して用いられるキャパシタンスは、トレース1008に関して用いられるキャパシタンスよりも大きい。該例において示されているように、相対的に低い周波数における該減衰器の帰路損は、該減衰器によって示されるキャパシタンス量に応じて変化することができる。
【0078】
図10Bは、MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想挿入損の例を示した図である。該挿入損は、RF減衰器の出力端子において提供された信号電力とRF減衰器の入力端子への入力として提供された信号電力の比の逆数に相当する。例えば、該入力端子及び出力端子は、図Aを参照しつつ上述されているように、信号導体の反対側の端部に所在することができる。図10Bにおいて、横軸は、周波数を示しており、右側に進むに従って増大する。縦軸は、デシベルを単位とする挿入損を示している。
【0079】
トレース102は、例えば7Dにおいて例示されている相対的に低いキャパシタンス位置にある機械的導体膜702を有するMEMSキャパシタを有するRF減衰器に関する予想挿入損に対応している。その他のトレース1014、1016、及び1018は、機械的導体膜702が例えば7Eにおいて例示されている相対的に高いキャパシタンス位置にあるときのRF減衰器に関する予想挿入損に対応している。これらのその他の様々なトレース1014、1016、及び1018は、変化するキャパシタンス量に関する予想挿入損に対応している。トレース1014に関する対応キャパシタンスは、トレース1016に関する対応キャパシタンスよりも大きく、他方、トレース1016に関する対応キャパシタンスは、トレース1018に関する対応キャパシタンスよりも大きい。さらに、図3Bの例によって示されているように、RF減衰器のキャパシタンスが変化されるのに応じてRF減衰器の共振周波数f0も変化すべきであり、一般的には挿入損が影響を受けることになる。このことは、MEMSキャパシタを有するRF減衰器の挿入損を作動されたキャパシタンス量に従って選択することを可能にする。
【0080】
例えば、RF減衰器の共振周波数f0は、MEMSキャパシタのキャパシタンスに少なくとも部分的に基づいている。RF減衰器は、図11において例示されているように、RLC回路1102によってモデル化することができる。例えば、第1の端子1104は、RF減衰器に関する入力端子に対応させることができる。第2の端子1106は、出力端子に対応させることができる。第1の端子1104及び第2の端子1106は、信号導体の反対側の端部に所在することができる。抵抗Rは、該信号導体の抵抗をモデル化したものである。RLC回路1102は、MEMSキャパシタによって提供された信号アースに対する選択可能キャパシタンスをモデル化したものである。
【0081】
RF減衰器のキャパシタンスの変動は、同変動に相当する量だけRF減衰器の共振周波数f0を変動させる。従って、該可変減衰器の共振周波数は、RF減衰器に印加されたMEMSキャパシタ制御電圧に従って制御することができる。このことは、例えば、MEMSキャパシタを有するRF減衰器を同調可能なフィルタとして実装することを可能にし、該フィルタの共振周波数は、MEMSキャパシタの1つ以上の部分又は膜を作動させるために印加される1つ以上の電圧レベルを制御する制御回路によって変更又は選択することができる。さらに、異なった共振周波数を示す1つ以上のRF減衰器を、バンドパスフィルタ又はノッチフィルタとして実装することができる。
【0082】
図12A、12B、及び12Cは、MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である。MEMSキャパシタCMEMS1202の膜は、図12Aにおいて例示されているようにアースに結合させることができる。制御バイアスは、該膜を選択的にプルインすることによってMEMSキャパシタCMEMS1202のキャパシタンス量を選択的に制御する。また、結合キャパシタCC1204を介して1つ以上の信号をキャパシタンス的にMEMSキャパシタCMEMS1202に結合させることができる。この場合、入力信号及び出力信号は、別々にMEMSキャパシタCMEMS1202に結合できることが理解されることになる。
【0083】
図12Bは、MEMSキャパシタの少なくとも1つの膜がDCアースに直接結合されない場合を例示した図である。この方法は、複数の膜を有するMEMSキャパシタの膜を独立して制御することを可能にする。例えば、図8Aを参照しつつ上述されている構成は、制御バイアスを膜上にかけるために使用することができる。第1の膜は、信号導体上の制御バイアス(制御A)及び膜上の制御バイアス(制御B)によって少なくとも部分的に制御される選択可能キャパシタンスCMEMS11212を有する。キャパシタンスCS1216は、該第1の膜に関する信号アースを提供するために使用することができる。このため、キャパシタンスCS1216は、信号アースに対するキャパシタンスの直列の組合せに対して有意な影響を及ぼさないようにすべきであり、キャパシタンスCS1216の量は、選択可能キャパシタンスCMEMS11212から選択可能なキャパシタンス量と比較して相対的に高いべきであるということが理解されることになる。
【0084】
第2の膜は、選択可能キャパシタンスCMEMS21214を有する。例示されている回路においては、該第2の膜は、アースに結合されており、作動は、信号導体上の制御バイアス(制御A)によって制御される。この場合においても、制御バイアスを信号から隔離させるために1つ以上の結合キャパシタCC1218を使用することができる。1つの実施形態においては、信号は、選択可能キャパシタンスCMEMS11212及び選択可能キャパシタンスCMEMS21214によってモデル化された異なった膜に共通の信号導体内を流れる。さらに、図12Cにおいて例示されているように、該第2の膜は、独立してバイアスを印加し(制御C)、結合キャパシタCS1218を介して信号アースにAC結合させることもできる。さらに、独立した制御バイアスを有する追加膜が存在することも可能である。
【0085】
図13A乃至図13Iは、MEMSキャパシタ(例えば、図7D及び図7Eにおいて例示されているMEMSキャパシタ、等)を製作するプロセスを例示した図である。該例示されているプロセスは、様々な方法で修正可能であるということが当業者によって理解されることになる。有利なことに、MEMSキャパシタを製作するために半導体製造技術を使用することができる。例えば、もう1つの実施形態においては、該例示されているプロセスの様々な部分を組み合わせることが可能であり、代替の順序で再編させることが可能であり、削除することが可能であり、等である。
【0086】
図13A乃至図13Iは、様々な製作段階におけるMEMSキャパシタの横断面を例示した図である。図13Aは、信号導体1302に関する伝導ライン及び形成されている電圧基準ライン1304及び1306に関する伝導ラインを有する基板アセンブリ1300を例示した図である。例えば、該伝導ラインは、伝導制性材料(例えば、アルミニウム、等)のブランケット蒸着によって、及びフォトレジストパターン形成とエッチングによって形成することができる。さらに、別個の制御バイアスによって膜を独立して作動させることが望まれる場合は、電圧基準ライン1304及び1306のうちの少なくとも1つをさらにパターン化させて別個の伝導ラインにすることができる。
【0087】
図13Bは、基板アセンブリ1300上における絶縁層1308の形成を例示した図である。絶縁層1308は、様々な材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、等)によって形成させることができる。図13Cにおいて示されているように、希望される場合は、フォトリソグラフィー技術を用いて絶縁層1308をパターン化することによって該絶縁層の一部分1310を残すことができる。図13Cにおいては、該絶縁層は、信号導体1302上の左側に示されている。独立した膜作動が希望される場合は、該絶縁層は、電圧基準ラインの少なくとも一部の上にも残すことができる。
【0088】
犠牲材料1312のブランケット蒸着が図13Dにおいて例示されている。この犠牲材料1312は、最後に取り除かれる。使用に適した犠牲材料例は、珪素及びモリブデンを含む。その他の材料は、当業者によって容易に決定される。犠牲材料1312は、図13Eに示されている膜に関する柱1314に関して及び固定点1316に関してパターン化される。
【0089】
図13Fは、柱に関する材料1318のブランケット蒸着を例示した図である。例えば、これらの柱は、感光ポリマー材料(即ち、フォトレジスト)によって製造することができる。例えば、該感光ポリマー材料は、フォトマスクを通じての露光及び化学的現像によって柱を形成させるためにパターン化することができる。従って、柱材料1318は、選択された部分から除去されるか及び/又は厚さが薄くされる。例えば、図13Gは、膜に関する固定点1316からの該柱材料の除去を例示した図である。任意の選択項目として、柱1320及び犠牲材料(図示されていない)の上面を平面にするために化学機械的研磨を行うことができる。
【0090】
図13Hは、機械的導体膜を形成するための材料1322のブランケット蒸着を例示した図である。例えば、アルミニウムを基板アセンブリ上に蒸着させることができる。材料1322は、別個の膜、等を形成するためにパターン化することができる。さらに、材料1322には、相対的に小さい孔のパターンをあけることができる。これらの孔は、ガスエッチング液が犠牲材料1312のうちの残っている部分に到達して膜の下方から除去し、その結果図13Iにおいて例示されている構造を得ることを可能にする。
【0091】
上記においては様々な実施形態が説明されている。これらの説明では上記の具体的な実施形態が引用されているが、これらの説明は、例を示すことを意図するものであり、限定することを意図するものではない。当業者は、添付された請求項の範囲において定められている本発明の真の精神及び適用範囲から逸脱することなしに、様々な修正及び応用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等大図であり、第1のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が作動位置にある。
【図2】3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリックモジュレータの1つの典型的実施形態に関する移動可能な鏡の位置及び印加電圧の関係を示した概略図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用される一組のロー電圧及びコラム電圧を例示した図である。
【図5A】図2の3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ内における1つの典型的なフレームの表示データを例示した図である。
【図5B】図5Aのフレームを書くために使用することができるロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である。
【図6A】ディスプレイデバイス40の実施形態を例示したシステムブロック図である(その1)。
【図6B】ディスプレイデバイス40の実施形態を例示したシステムブロック図である(その2)。
【図7A】図1のデバイスの横断面図である。
【図7B】インターフェロメトリックモジュレータの代替実施形態の横断面図である。
【図7C】インターフェロメトリックモジュレータのもう1つの代替実施形態の横断面図である。
【図7D】低キャパシタンス位置にある機械的導体膜を有するMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図7E】高キャパシタンス位置にある機械的導体膜を有する図7DのMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図8】膜が電圧基準から隔離されている1つの実施形態に従ったMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図9A】膜に関して相対的にほぼ同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9B1】膜の第1の部分に関して相対的に広い柱間を有しさらに膜の第2の部分に関して相対的に狭い柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9B2】膜の第1の部分に関して相対的に広い柱間を有しさらに膜の第2の部分に関して相対的に狭い柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9C1】2つの別個の膜を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9C2】2つの別個の膜を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9D】2つの別個の膜を有しさらに例示されている膜の各々に関して同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図10A】MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想帰路損の例を示した図である。
【図10B】MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想挿入損の例を示した図である。
【図11】RF減衰器内におけるMEMSキャパシタの例を示した図である。
【図12A】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その1)。
【図12B】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その2)。
【図12C】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その3)。
【図13A】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その1)。
【図13B】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その2)。
【図13C】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その3)。
【図13D】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その4)。
【図13E】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その5)。
【図13F】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その6)。
【図13G】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その7)。
【図13H】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その8)。
【図13I】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その9)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、微小電気機械システム(MEMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は蒸着した材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、蒸着、エッチング、及び/又はその他のマイクロ加工プロセスを用いて製作することができる。これらのMEMSデバイスは、様々な用途(例えば、光学上の用途、及び電気回路上の用途、等)において使用することができる。
【0003】
MEMSデバイスの1つの型は、インターフェロメトリックモジュレータ(interferometric modulator)と呼ばれている。本出願明細書において用いられているインターフェロメトリックモジュレータ又は干渉型光モジュレータという用語は、光干渉原理を用いて選択的に光を吸収する及び/又は反射させるデバイスを意味している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導性プレートを具備しており、これらのプレートの1方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をすることができる。1方のプレートは、基板上に蒸着された静止層を具備しており、他方のプレートは、エアギャップによって該静止層から分離された金属膜を具備している。本出願明細書においてさらに詳細に説明されているように、一方のプレートを基準にした他方のプレートの位置は、該インターフェロメトリックモジュレータに入射した光の光学的干渉を変えることができる。これらのデバイスは非常に広範な用途を有しており、当業においては、既存製品を改良する際に及びまだ開発されていない新製品を製造する際にこれらの型のデバイスの特長を活用できるようにするためにこれらの型のデバイスの特性を利用及び/又は変更することが有益になる。
【0004】
もう1つの型のMEMSデバイスは、多状態キャパシタとして使用される。例えば、該キャパシタは、適切な電気制御信号を加えられると相対運動をすることができる少なくとも1つのプレートを有する一対の伝導性プレートを具備することができる。該相対運動は、該キャパシタのキャパシタンスを変化させ、該キャパシタを様々な用途(例えば、フィルタリング回路、同調回路、移相回路、減衰器回路、等)において使用することを可能にする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長について概説する。
【0006】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンス量を有する装置であり、該装置は、少なくとも2つの電極と、該少なくとも2つの電極の間に配置された複数の柱と、を含み、該少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1方は、該少なくとも2つの電極の間における定められた間隙を調整可能にするために他方に関して制御可能な形で移動することができ、該電極のうちの少なくとも1方はRF信号を搬送し、該複数の柱は、該電極のうちの少なくとも1つに電圧を供給するように構成されている。
【0007】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンス量を有するキャパシタであり、該キャパシタは、RF信号を搬送するための手段と、該搬送するための手段の少なくとも一部に電圧を供給するための手段と、を含み、該搬送するための手段は、制御可能な形で調整可能な間隙を有する。
【0008】
1つの実施形態は、キャパシタンスを選択する方法であり、該方法は、少なくとも2つの電極の間の間隙を調整することと、該電極のうちの少なくとも1つに電圧を供給すること、とを含み、該電極のうちの少なくとも1つは、RF信号を搬送する。
【0009】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するキャパシタを製造する方法であり、該方法は、第1の電極を形成することと、第2の電極を形成することであって、該第1の電極と該第2の電極との間における定められた間隙を調整可能にするために該第2の電極が該第1の電極を基準して移動可能になるような形で該第2の電極を形成することと、少なくとも該第2の電極に電圧を供給するように構成された複数の柱を形成すること、とを含み、該柱は、該電極の間に配置される。
【0010】
1つの実施形態は、前記に従って製造されたキャパシタである。
【0011】
1つの実施形態は、RFデバイスであり、該RFデバイスは、RF信号を搬送するための第1の導体と、該第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜と、を含み、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する。
【0012】
1つの実施形態は、RF信号を搬送するための手段と、該RF信号をフィルタリングするための手段と、を含むRFデバイスであり、該フィルタリングするための手段は、該RF信号を選択的にフィルタリングするために3つの個別の作動可能位置のうちの少なくとも1つの位置にまで変形可能である。
【0013】
1つの実施形態は、RF信号をフィルタリング方法であり、該方法は、伝導ラインにおいて該RF信号を搬送することと、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜を用いて該RF信号を選択的にフィルタリングすること、とを含み、該変形可能膜は、該伝導ラインに隣接する。
【0014】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するRFデバイスを製造する方法であり、該方法は、RF信号を搬送するための第1の導体を形成することと、該第1の導体から所定の間隔をもたせて配置される変形可能膜を形成すること、とを含み、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、該変形可能膜は、該RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する。
【0015】
1つの実施形態は、上述された方法に従って製造れたRFデバイスである。
【0016】
1つの実施形態は、電圧によって制御されるキャパシタであり、該電圧によって制御されるキャパシタは、入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、該基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインと、機械的導体膜(mechanical conductor membrane)であって、該基板アセンブリの上方に所定の間隔をもたせて配置されさらに該機械的導体膜の反対側の端部が該電圧基準ラインのうちの1つ以上に結合された機械的導体膜と、該基板アセンブリと該機械的導体膜との間に配置された1つ以上の柱と、該基板アセンブリ上に配置された信号導体と、該信号導体の最上面と該機械的導体膜との間に配置された誘電材料層と、第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタと、を含み、該電圧基準ラインのうちの少なくとも1つは、該電圧基準端子に結合されており、該1つ以上の柱は、該機械的導体膜を支持し、該制御端子における電圧は、該機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御し、該第1の端子は、該入力端子に結合されており、該第2の端子は、該信号導体に結合されている。
【0017】
以下の図面(一定の拡大率に従ったものではない)及び本出願明細書における関係する説明は、実施形態を例示することを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本出願明細書においては特定の実施形態が説明されているが、当業者にとっては、本出願明細書において詳述されている便益及び特長のうちのすべての便益及び特長を提供することにはならない実施形態を含むその他の実施形態も可能であることが明確になるであろう。
【0019】
選択可能キャパシタンス回路は、非常に様々な用途において使用することができる。例えば、選択可能キャパシタンス回路は、RF減衰器内又はRFスイッチ内において使用することができる。選択可能キャパシタンスは、RF減衰量を選択する、RFスイッチに関するインピーダンスミスマッチ量を選択する、等のために使用することができる。MEMSデバイスによって製作された減衰器又はスイッチは、有利なことに、ダイオードスイッチ及びFETスイッチと比較して、相対的に広範な帯域幅の動作を行い、損失が相対的に少なくさらにRF特性が優れている。さらに、MEMSデバイスは、一般的には、相対的に低い駆動電力を要求し、さらに、相対的に低い直列抵抗を示すことができる。
【0020】
ディスプレイ用MEMSデバイスの伝導性プレートのうちの1方又は両方の相対運動原理又はディスプレイ用MEMSデバイスの伝導膜のうちの1方又は両方の相対運動原理は、図1乃至図6Cを参照しつつインターフェロメトリックモジュレータディスプレイの観点から一般的に説明されている一方で、これらの相対運動原理は、MEMSキャパシタに対しても適用可能であるということを当業者は理解することになる。
【0021】
以下の詳細な説明は、本発明のいくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、数多くの異なった形で具体化することが可能である。本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字を付してある。以下の説明によって明確になるように、各実施形態は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置において実装することができる。さらに具体的には、各実施形態は、様々な電子機器、例えば、携帯電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)(但し、これらの電子機器に限定するものではない)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装できるようにすることが企図されている。さらに、本出願明細書において説明されているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0022】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つのインターフェロメトリックモジュレータディスプレイ実施形態が図1に例示されている。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、該表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、該表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんど反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0023】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素内の2個の隣接する画素を描いた等大図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを具備している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータのロー/コラムアレイ(横列/縦列)を具備している。各インターフェロメトリックモジュレータは、一対の反射層を含んでいる。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置されており、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。1つの実施形態においては、該反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置(本出願明細書では解放位置と呼ばれている)においては、該移動可能層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置されている。第2の位置においては、該移動可能層は、該部分的反射層のほうにより近づけて配置されている。これらの2つの層から反射された入射光は、該移動可能な反射層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0024】
図1において、画素アレイのうちの描かれた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14aが、固定された部分的反射層16aから予め決められた距離にある位置において解放状態になっている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14bが、固定された部分的反射層16bに隣接した作動位置にある。
【0025】
固定層16a及び16bは、電導性で、部分的に透明でさらに部分的反射性であり、例えば、各々がクロム及びインジウム−スズ酸化物から成る1つ以上の層を透明な基板20上に配置することによって製作される。後述するように、これらの層は、平行なストリップから成るパターンが付けられており、ディスプレイデバイス内においてロー電極を形成している。移動可能層14a及び14bは、柱18の頂部に蒸着させた(ロー電極16a及び16bと直交の)蒸着金属層の一連の平行ストリップとして及び柱18間に蒸着させた介在犠牲材料として形成することができる。該犠牲材料をエッチングによって取り除くと、変形可能な金属層14a及び14bが定められたエアギャップ19よって固定金属層から分離される。変形可能な層には伝導性が高い反射性材料(アルミニウム、等)を用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてコラム電極を形成する。
【0026】
図1において画素12aによって例示されているように、電圧が印加されていない状態では、空洞19は層14aと16aの間にとどまっており、変形可能層は、機械的に解放された状態になっている。しかしながら、選択したロー及びコラムに電位差を印加すると、対応する画素におけるロー電極及びコラム電極の交差部において形成されているキャパシタが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。図1内の右側の画素12bによって例示されているように、電圧が十分に高い場合は、移動可能層が変形されて固定層に押しつけられる(本図に示されていない誘電材料を固定層に蒸着することによって短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる)。この挙動は、印加した電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性画素の状態を制御することができるロー/コラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられている作動と多くの点で類似している。
【0027】
図2乃至5Bは、表示用途においてインターフェロメトリックモジュレータアレイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを例示した図である。
【0028】
図2は、本発明の諸側面を組み入れることができる電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、該電子デバイスはプロセッサ21を含んでおり、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等)、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等)にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウェアアプリケーション(例えば、ウェブブラウザー、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウェアアプリケーション)を実行するように構成することができる。
【0029】
1つの実施形態においては、プロセッサ21はアレイコントローラ22と通信するようにも構成されている。1つの実施形態においては、アレイコントローラ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供するロードライバ回路24及びコラムドライバ回路26を含む。図1において例示されている該アレイの横断面は、図2では線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリックモジュレータにおいては、ロー/コラム作動プロトコルは、図3において例示されているこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10Vの電位差が必要である。しかしながら、同値から電圧を減じたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10Vよりも低くなる間にその状態を維持する。図3において例示されている典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2Vよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図3において示されている例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧の窓が存在している。本出願明細書では、この窓を「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼んでいる。図3において例示されているヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10Vの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロVの電圧差にさらされることになるように、ロー/コラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5Vの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7Vの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図1において例示されている画素設計を、作動状態又は先在する解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリックモジュレータの各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層及び移動可能反射層によって形成されたキャパシタであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステリシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0030】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望する作動画素の組に従ってコラム電極の組を選択することによって表示フレームを製造する。次に、ローパルスをロー1電極に加え、選択されたコラムラインに対応する画素を作動させる。次に、選択されたコラム電極の組を変更し、第2ロー内の希望される作動画素の組に対応させる。次に、ロー2電極にパルスを加え、選択されたコラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。この際、ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスが一連のロー全体に関して逐次的に繰り返されることによって表示フレームが製造される。一般的には、これらの表示フレームは、希望する何らかの1秒当たりのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによってリフレッシュされるか及び/又は新しい表示データによって更新される。画素アレイのロー電極及びコラム電極を駆動して表示フレームを生成するためのプロトコルは非常に様々であることがよく知られており、これらのプロトコルを本発明ととともに使用することができる。
【0031】
図4、5A及び5Bは、図2に示されている3x3アレイ上において表示フレームを製作するために用いることが可能な1つの作動プロトコルを例示した図である。図4は、図3のヒステリシス曲線を示している画素に関して使用することができる一組のコラム/ロー電圧レベルを示した図である。図4の実施形態において、画素を作動させることは、該当するコラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5V及び+5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを+Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ+ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。同じく図4において、上記の電圧とは反対の極性の電圧を使用できること、例えば、画素を作動させることは、該当するコラムを+Vbiasに設定して該当するローを−ΔVに設定することを関わらせることができる、という点が理解されることになる。本実施形態においては、画素の解放は、該当するコラムを−Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ−ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。
【0032】
図5Bは、図2の3x3アレイに加えられた一連のロー信号及びコラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに例示されている表示配置になる(同図における作動画素は非反射性である)。図5Aに例示されているフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0ボルト、すべてのコラムが+5Vである。これらの電圧を印加した状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0033】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)を作動させる。該作動させるためには、ロー1に関する「ラインタイム」中に、コラム1及び2を−5Vに設定し、コラム3を+5Vに設定する。この場合、すべての画素が3V乃至7Vの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化しない。次に、パルスを用いてロー1をストローブし、0から最高5Vまで上昇させて0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、コラム2を−5Vに設定し、コラム1及び3を+5Vに設定する。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。同様に、コラム2及び3を−5Vに設定し、コラム1を+5Vに設定することによってロー3を設定する。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示したように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、コラム電位は、+5V又は−5Vのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aに示した配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとコラムのアレイさらには何百ものローとコラムのアレイに関しても採用できるという点が理解されることになる。さらに、ロー及びコラムの作動を実施するために用いるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述した一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、あらゆる作動電圧方法を本発明とともに用いることができる点も理解されることになる。
【0034】
図6A及び6Bは、ディスプレイデバイス40の1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば携帯電話であることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素又はわずかに変形させた構成要素は、テレビ及び携帯式メディアプレーヤー等の様々な型のディスプレイデバイスも可能であることを例示するものである。
【0035】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカー44、入力デバイス48、及びマイク46を含む。ハウジング41は、一般的には、当業者によく知られている様々な製造プロセス(例えば、射出成形、及び真空成形、等)のうちのいずれかの製造プロセスによって成形される。さらに、ハウジング41は、様々な材料(例えば、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むが、これらの材料に限定するものではない)によって製造することができる。1つの実施形態においては、ハウジング41は、異なった色を有するか又は異なったロゴ、絵、又は記号を有するその他の取り外し可能な部分と互換可能である取り外し可能な部分(図示されていない)を含む。
【0036】
典型的ディスプレイデバイス40のアレイ30は、本出願明細書において説明されているように、双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかのディスプレイであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ30は、当業者によく知られている上述のフラットパネルディスプレイ(例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、等)、又は非フラットパネルディスプレイ(例えば、CRT又はその他の管デバイス)を含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、アレイ30は、本出願明細書において説明されているインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0037】
典型的ディスプレイデバイス40の1つの実施形態の構成要素が図6Bにおいて概略的に例示されている。例示されている典型的ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、さらに、その中に少なくとも部分的に内蔵されているさらなる構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態においては、典型的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含んでいる。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続されており、プロセッサ21は、コンディショニングハードウェア52に接続されている。コンディショニングハードウェア52は、信号のコンディショニング(例えば、信号のフィルタリング、等)を行うように構成することができる。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー44及びマイク46に接続されている。プロセッサ21は、入力デバイス48及びドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されており、アレイドライバ22は、アレイ30に結合されている。電源50は、典型的ディスプレイデバイス40の特定の設計上の必要に応じて全構成要素に電力を供給する。
【0038】
ネットワークインタフェース27は、典型的ディスプレイデバイス40がネットワーク上の1つ以上のデバイスと通信できるようにするために、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に対する要求を緩和するためのいくつかの処理能力を有することもできる。アンテナ43は、当業者に知られているいずれかの信号送受信用アンテナである。1つの実施形態においては、該アンテナは、IEEE 802.11規格(IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含む)に準拠してRF信号を送受信する。もう1つの実施形態においては、該アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)規格に準拠してRF信号を送受信する。携帯電話の場合は、該アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために使用されるCDMA信号、GSM信号、AMPS信号、又はその他の既知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ47は、アンテナ43から受信した信号をプロセッサ21が受け取ってさらなる処理を行うことができるようにこれらの受信信号を前処理する。さらに、トランシーバ47は、プロセッサ2021から受け取った信号をアンテナ43を通じて典型的ディスプレイデバイス40から送信できるようにするための処理も行う。
【0039】
代替実施形態においては、トランシーバ47は、受信機に代えることができる。さらにもう1つの代替実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に伝送されるデータを保存又は生成することができるデータソースに代えることができる。例えば、該データソースは、デジタルビデオディスク(DVD)、画像データを内蔵するハードディスクドライブ、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールにすることができる。
【0040】
プロセッサ21は、一般的には、典型的ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御する。プロセッサ21は、データ(音声データ、画像データ(例えば、ネットワークインタフェース27又は画像ソースからの圧縮画像データ)、等)を受け取り、該データを処理して生データにするか、又は、簡単に処理して生データにすることができるフォーマットにする。次に、プロセッサ21は、処理したデータをドライバコントローラ29に送るか又はフレームバッファ28に送って保存する。生画像データとは、一般的には、1つの画像内の各記憶場所における画像の特徴を識別する情報である。例えば、画像に関するこれらの特徴は、色、飽和、及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0041】
1つの実施形態においては、プロセッサ21は、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的には、スピーカー44に信号を送信するための及びマイク46から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、典型的ディスプレイデバイス40内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ21又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0042】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生データを、プロセッサ21から直接受け取るか又はフレームバッファ28から受け取り、アレイドライバ22に高速伝送するのに適した再フォーマット化を該生データに対して行う。具体的には、ドライバコントローラ29は、生データを再フォーマット化し、ラスターに似たフォーマットを有するデータ流にする。このため、該データ流は、アレイ30全体を走査するのに適した時間的順序を有している。次に、ドライバコントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。ドライバコントローラ29(例えば、LCDコントローラ、等)は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関係していることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。例えば、これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ22とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。
【0043】
一般的には、アレイドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ29から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素行列から来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。
1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、及びアレイ30は、本出願明細書において説明されているあらゆる型のディスプレイに関して適している。例えば、1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(例えば、インターフェロメトリックモジュレータコントローラ、等)である。もう1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ、等)である。1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。該1つの実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の小型ディスプレイ等のような高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。さらに別の実施形態においては、アレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリックモジュレータアレイを含むディスプレイ、等)である。
【0044】
入力デバイス48は、ユーザーが典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にするデバイスである。1つの実施形態においては、入力デバイス48は、キーパッド(QWERTYキーボード又は電話のキーパッド、等)、ボタン、スイッチ、タッチ画面、感圧膜、感熱膜、等を含む。1つの実施形態においては、マイク46は、典型的ディスプレイデバイス40の入力デバイスである。データをデバイスに入力するためにマイク46を使用時には、ユーザーは、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドを使用することができる。
【0045】
電源50は、当業界においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態においては、電源50は、充電可能な電池(例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、等)である。もう1つの実施形態においては、電源50は、再生可能なエネルギー源、キャパシタ、又は太陽電池(例えば、プラスチック太陽電池、太陽電池塗料、等)である。別の実施形態においては、電源50は、コンセントから電力を受け取るように構成されている。
【0046】
いくつかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述されているように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるドライバコントローラ内に常駐する。いくつかの事例においては、制御プログラマビリティは、アレイドライバ22内に常駐する。当業者は、上述した最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウエアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識することになる。上記の原理に従って動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の詳細は、大きく変わることができる。例えば、図7A乃至図7Cは、移動可能鏡構造物の3つの異なった実施形態を例示した図である。図7Aは、図1の実施形態の横断面であり、細長い帯状の金属材料14が直交支持物18上に蒸着されている。図7Bにおいては、移動可能反射材料14は、支持物の角のみに(テザー32上に)取り付けられている。図7Cにおいて、移動可能反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられている。この実施形態においては、反射材料14に関して用いられる構造設計及び材料を光学的性質に関して最適化することができ、さらに、変形可能層34に関して用いられる構造設計及び材料を希望する機械的性質に関して最適化することができるため、いくつかの便益を有している。様々な出版物(例えば、U.S. Published Application 2004/0051929、等)において様々な型の干渉デバイスの製造に関する説明が行われている。さらに、材料蒸着、パターン形成、及びエッチングの一連の手順が関わる上記の構造物は、非常に様々なよく知られた技術を用いて製造することができる。
【0047】
微小電気機械システム(MEMS)電圧によって制御されるキャパシタについて及び該キャパシタを形成するための方法について説明されている。該電圧によって制御されるキャパシタの機械的導体膜は、第1の位置及び第2の位置まで移動することが可能であり、さらに、第1の位置及び第2の位置から移動することが可能である。キャパシタンス量は、該機械的導体膜の移動に応じて変化することができる。MEMS電圧によって制御されるキャパシタは、様々な用途(例えば、RFスイッチ及びRF減衰器、等であるが、これらの用途に限定するものではない)において使用することができる。
【0048】
MEMSデバイスによって製作された減衰器又はスイッチは、有利なことに、ダイオードスイッチ及びFETスイッチと比較して、相対的に広範な帯域幅の動作を行い、損失が相対的に少なくさらにRF特性が優れている。さらに、これらのMEMSデバイスは、共平面導波管内において使用時には、駆動電力が相対的に低いこと及び直列抵抗が相対的に小さいことも特長とすることができる。
【0049】
1つの実施形態は、機械的導体膜の固定点間に配置された柱を有するMEMSキャパシタを含む。これらの柱の間の間隔は、該膜の位置を変えるために用いられるプルイン電圧を決定することができる。キャパシタは、柱間の間隔が可変である1つ以上の膜とともに形成することができる。このことは、該プルイン電圧が膜の対応する部分に関して変化することを可能にし、それによって、膜又はその一部分を選択的に作動させることを可能にする。従って、キャパシタンス量は、制御電圧に少なくとも部分的に反応して変化することができる。
【0050】
1つの実施形態は、別々の制御バイアスに結合された多重膜を有するキャパシタを含む。このことは、該多重膜を独立して個別に制御することを可能にし、それによって相対的に広範なキャパシタンスを選択することを可能にする。例えば、該多重膜は、ほぼ線形なキャパシタンスの選択を行うために、2進重み(2のべき乗)で加重することができる。
【0051】
1つの実施形態は、電圧によって制御されるキャパシタであり、該電圧によって制御されるキャパシタは、入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、該基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインと、機械的導体膜(mechanical conductor membrane)であって、反対側の機械的導体膜が2つ以上の端部において固定されるようにするために、及び、該機械的導体膜が該1つ以上の電圧基準ラインにAC結合されるようにするために、該基板アセンブリの上方において間隔をあけて配置されさらに該機械的導体膜の反対側の端部において該電圧基準ラインのうちの1つ以上に直接的に又は間接的に結合された機械的伝導膜と、該基板アセンブリと該機械的導体膜との間に配置されさらに該機械的導体膜を固定する該2つ以上の端部の間に配置された1つ以上の柱と、該基板アセンブリ上に配置された信号導体と、該信号導体の最上面と該機械的伝導膜との間に配置された誘電材料層と、第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタと、を含み、該電圧基準ラインのうちの少なくとも1つは、該電圧基準端子に結合されており、該機械的導体膜のうちの少なくとも一部分は、該基板アセンブリの表面から第1の距離にある第1の位置まで及び該基板アセンブリの該表面から第2の距離にある第2の位置まで移動可能でありさらに該第1の位置から及び該第2の位置から移動可能であり、該1つ以上の柱は、該機械的導体膜を支持し、該信号導体は、該制御端子にDC結合されており、該制御端子における電圧は、該機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御し、該機械的導体膜が該第1の位置にあるときには(a)該機械的導体膜と該誘電材料層との間又は(b)該誘電材料層と該信号導体との間のうちの少なくとも1つの間において間隙が存在し、該機械的導体膜が該第2の位置にあるときには実質的に間隙が存在せず、該第1の端子は、該入力端子に結合されており、該第2の端子は、該信号導体に結合されている。
【0052】
1つの実施形態は、選択可能なキャパシタンスを有するキャパシタであって、該キャパシタは、基板アセンブリと、該基板アセンブリ上の信号導体と、該信号導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層と、1つ以上の機械的導体膜であって、該基板アセンブリと該1つ以上の機械的導体膜の間に該信号導体を配置させるために該基板アセンブリの上方において間隔をあけて配置された1つ以上の機械的導体膜と、を含み、該信号導体は、該キャパシタに関する第1の電極を形成しており、該1つ以上の機械的導体膜は、該キャパシタに関する第2の電極を形成しており、該1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、低キャパシタンス位置及び高キャパシタンス位置から少なくとも部分的に独立して移動することができ、該達成可能な位置は、該機械的導体膜の少なくとも選択された2つの部分に関する個別の第1のキャパシタンス位置と、該機械的導体膜の該選択された2つの部分に関する個別の第2のキャパシタンス位置であって、該個別の第1のキャパシタンス位置よりも多量のキャパシタンスを有する個別の第2のキャパシタンス位置と、該個別の第1のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が多いが該個別の第2のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が少ない個別の第3のキャパシタンス構成と、を含み、該個別の第3のキャパシタンス構成において、該選択された2つの部分のうちの1方は、該個別の第2のキャパシタンス位置にあり、該他方は、該個別の第1のキャパシタンス位置にあり、該選択された部分は、少なくとも部分的には、該信号導体における電圧によって決定される。
【0053】
図7Dは、低キャパシタンス位置にある機械的導体膜702を有するMEMSキャパシタ700の側部横断面図を例示した図である。図7Eは、高キャパシタンス位置にある同じMEMSキャパシタ700を例示した図である。MEMSキャパシタ700を製作するための1つのプロセスは、図13A乃至図13Iを参照しつつ後述される。MEMSキャパシタ700は、基板アセンブリ704、電圧基準ライン706及び708、柱710、信号導体712、及び、信号導体712上に配置された誘電材料層714をさらに含む。
【0054】
該例示されている実施形態においては、電圧基準ライン706及び708、及び信号導体712は、共平面導波管構成で基板アセンブリ704上に形成される。さらに、バリヤ層等のその他の構造も存在可能であることが理解されることになる。当然のことであるが、バリヤ層に関する材料は、電圧基準ライン706及び708に関して使用される材料に依存する。例えば、電圧基準ライン706及び708が銅によって形成されている場合は、タンタルを拡散バリヤとして使用することができる。基板アセンブリ704は、様々な材料(例えば、ガラス、珪素、ガリウム砒素、ニオブ酸リチウム、燐化インジウム、等)によって形成させることができる。基板アセンブリ704、電圧基準ライン706及び708、及び信号導体712に関して用いられる材料は、表示を用途とするインターフェロメトリックモジュレータにおいて使用すべき材料とは異なり、人間の可視スペクトルにおける相対的に優れた透明性の確保を考慮して選択する必要がないということに注目すべきである。むしろ、これらの材料は、電気的性能上の特性、コスト、等に基づいて選択することができる。電圧基準ライン706及び708及び信号導体712に関して用いることができる材料例は、銀、銅、金、アルミニウム、又はこれらの材料の組合せを含む。1つの実施形態においては、電圧基準ライン706及び708に関して用いられる材料及び信号導体712に関して用いられる材料は、同じである。選択された材料は、好ましいことに、相対的に優れた導体であり、例えば、1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する材料、又は、さらに好ましいことに、0.1x10−6オーム−メートル(Ω−m)の未満の抵抗率を有する材料である。
【0055】
電圧基準ライン706及び708は、信号導体712によって搬送された信号に関する信号アース基準を提供する。該信号アースは、RF信号に関するアースに対して相対的に低いインピーダンスを提供すべきである。該信号アースは、DCアース電位にすることができる(但し、DCアース電位である必要はない)ことが理解されることになる。図7D及び図7Eにおいて例示されている実施形態においては、電圧基準ライン706及び708、及び機械的導体膜702は、同じDC電位である。図8を参照しつつ後述される実施形態においては、異なったDC電位を使用することができる。
【0056】
信号導体712は、選択可能キャパシタンスが提供される対象となる信号を搬送する。例えば、該選択可能キャパシタンスは、該信号に対して加えられる減衰量を選択するためにRF減衰器において使用することができ、該信号のための経路を選択するためにRFスイッチにおいて使用することができる、等である。また、結合キャパシタを使用すれば、同じく信号導体712によって搬送される制御電圧からRF信号を隔離することができる。図3を参照しつつ上述されているように、該制御電圧は、機械的導体膜702の位置を少なくとも部分的に制御することができる。
【0057】
該例示されている実施形態においては、誘電材料層714は、信号導体712において形成される。もう1つの実施形態においては、誘電材料層714は、機械的導体膜702の底側(信号導体712に面する側)に配置することができる。誘電材料層714に関しては様々な材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、等)を使用することができる。誘電材料層714は、図7Eにおいて例示されている低キャパシタンス位置にあるときに機械的導体膜702及び信号導体712が電気的に短絡するのを防止する。
【0058】
機械的導体膜702も伝導性材料によって形成させるべきである。この場合には、非常に様々な材料を使用することができる。例えば、電圧基準ライン706及び708及び信号導体712に関して使用されたと材料と同じ材料を使用することができる。さらに、機械的導体膜702は、相対的に優れた電気的性質及び機械的性質(例えば、応力、等)を提供するために選択された様々な材料から成る多重材料層を用いて形成することもできる。
【0059】
柱710は、様々な(伝導性又は誘電性)の材料(例えば、ポリマー、金属、ガラス、セラミックス、等)を用いて形成することができる。1つの実施形態においては、柱710は、製作を容易にするために感光ポリマーを用いて形成される。柱710は、低キャパシタンス位置においては機械的導体膜702が基板表面からhの高さにあるように機械的導体膜702を支持する。柱710の高さ(及びh)、柱710間の間隔、及び、機械的導体膜702上における引張応力は、機械的導体膜702に関する適切なプルイン電圧を選択するために使用することができる。
【0060】
特定のMEMSキャパシタ700に関して用いられる適切な材料及び寸法は、様々な考慮事項(例えば、コスト、電気的性能上の要求事項(周波数範囲、等)、利用可能な大きさ、希望されるプルイン電圧、等)に依存することが当業者によって理解されることになる。1つの実施形態においては、電圧基準ライン706及び708に関する導体及び信号導体712に関する導体の適切な厚さは、約0.5乃至5マイクロメートルの範囲内にある。信号導体712に関する適切な幅wは、約25マイクロメートル乃至約75マイクロメートルの範囲内にある。電圧基準ライン706及び708に関する適切な幅Lは、約50マイクロメートル乃至約250マイクロメートルの範囲内にある。電圧基準ライン706及び708のうちの1つと信号導体712との間の適切な距離gは、約10マイクロメートル乃至約50マイクロメートルの範囲内にある。1つの実施形態においては、誘電材料層714に関する適切な厚さは、約0.1乃至0.5マイクロメートルの範囲内にある。その他の適切な寸法は、当業者によって容易に決定されることになる。
【0061】
機械的導体膜702は、第1の位置及び第2の位置まで移動すること、及び第1の位置及び第2の位置から移動することができる。図7Dにおいて例示されているように、機械的導体膜702の底部と誘電材料層714との間には間隙が存在する。該間隙の存在は、図7Dにおいて例示されている位置では相対的に低いキャパシタンスをMEMSキャパシタ700に提供する。図7Eにおいて例示されているように、機械的導体膜702は、機械的導体膜702と信号導体712との間における適切なプルイン電圧によって作動されると、より高いキャパシタンス位置に移動する。
【0062】
図8は、誘電材料層802が機械的導体膜804を電圧基準から絶縁する実施形態に従ったMEMSキャパシタ800の側部横断面を例示した図である。誘電材料層802は、機械的導体膜804と電圧基準ライン706及び708との間に配置される。このことは、電圧基準ライン706及び708が機械的導体膜804とは異なったDC電位であることを可能にする。図8内の右側において示されているように、機械的導体膜804は、DCバイアス源に接触するように延長させることができる。電圧基準ライン706及び708のうちの1方又は両方は、依然として相対的に優れた信号アースに結合させるべきであるという点に注目すべきである。
【0063】
誘電材料層802に関しては非常に様々な材料を使用することができる。例えば、誘電材料層802は、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、等によって形成させることができる。1つの実施形態においては、機械的導体膜804の位置を作動させるために、電圧基準ライン708は、DCアースに結合され、機械的導体膜804は、信号導体712におけるバイアスを基準したDCバイアスに結合される。このことは、例えば、機械的導体膜のうちのDC隔離部分を選択的に起動又は移動させ、それによって相対的に広範な選択可能キャパシタンスを提供することを可能にする。このことは、RF減衰上の用途において役立つことができる。一例においては、図5A及び5Bを参照しつつ上述されているように、信号導体及び機械的導体膜は、ロー及びコラムの構成で配置されて起動される。
【0064】
図9Aは、柱間の間隔が相対的にほぼ同じであるMEMSキャパシタ900の実施形態を上からみた状態を例示した図である。例えば、上から見たMEMSキャパシタ900の図は、図8を参照しつつ上述されているMEMSキャパシタ800に対応させることができる。MEMSキャパシタ900の例示されている部分は、電圧基準ライン902及び904、信号導体906、及び柱908を含む。ダッシュ線によって描かれたボックス910は、機械的導体膜を上から見た図である。該例示されている実施形態においては、ダッシュ線によって描かれたボックス910は、結合用電圧基準ライン904を越えて、機械的導体膜にバイアスかけるためのDC電位源まで延長させることによって描かれる。
【0065】
共平面導波管構成のRF減衰器内又はRFスイッチ内においてキャパシタが具体化されている1つの実施形態においては、RF信号は、該キャパシタ内を流れることができ、このため、RF入力信号及びRF出力信号は、信号導体906の反対側の端部において端子に結合させることができる。該結合は、例えば、結合キャパシタを介して又は制御電圧源からのDCを通さないその他のカップリングを介して行うことができる。
【0066】
間隔が相対的に一貫しているか又はほぼ同じである場合には、機械的導体膜の移動可能部分全体が実質的に同時に1つの位置から別の位置に移動するのを期待することができる。
【0067】
図9B1は、機械的導体膜916の第1の部分912に関する柱間が相対的に広く、機械的導体膜916の第2の部分914に関する柱間が相対的に狭いMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。図9B2は、機械的導体膜916の該第1の部分912に関する柱間が相対的に広く、機械的導体膜916の該第2の部分914に関する柱間が相対的に狭いMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。ダッシュ線918は、これらの2つの部分のほぼ中間に描かれている。
【0068】
機械的導体膜916は一体であり、このため、第1の部分912及び第2の部分914は、同じ機械的導体膜の一部分であるが、第1の部分912及び第2の部分914は、互いに独立して移動できることに注目すべきである。高さ(図示されていない)及び/又は柱間の間隔を変えることによって、要求されるプルイン電圧は、これらの異なった部分の間で変化することができる。例えば、第1の部分912及び第2の部分914に関する高さが同じである場合には、第1の部分912は、第2の部分914より低い作動電圧でプルインする。図9B1の実施形態においては、該間隔は、該信号導体と平行な方向に変化する。図9B2において例示されている実施形態においては、第2の部分における各コラムの柱952と各々の信号導体956との間の間隔は、第1の部分912における各コラムの柱954と各々の信号導体956との間の間隔よりも狭い。
【0069】
図9B1及び9B2には2つの部分が示されているが、これよりも多い部分(例えば、3つ又は4つの部分)を使用可能であることが理解されることになる。1つの実施形態においては、機械的導体膜916の多重部分の下方の柱は、希望されるキャパシタンス選択性に従って配列される。
【0070】
図9C1は、2つの別個の膜922及び924を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。図9C2は、2つの別個の膜922及び924を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。例えば、別個の膜922及び924は、共通の電圧基準ラインによって提供される同じDCバイアスに結合させることができる一方で、膜922及び944は、異なったプルイン電圧で作動することができ、それによってキャパシタンス値の複数の選択を可能にすることができる。選択できるキャパシタンスを追加するためにさらなる別個の膜を提供することも可能であることが理解されることになる。図9C2において例示されている実施形態においては、第2の膜924に関する各コラムの柱962と各々の信号導体966との間の間隔は、第1の膜922の各コラムの柱964と各々の信号導体966との間の間隔よりも狭い。
【0071】
図9Dは、2つの別個の機械的導体膜932及び934を有しさらに例示されている機械的導体膜に関して同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。この構成は、図9B1、9B2、9C1、及び9C2を参照しつつ上述されている構成における制御に加えた制御を提供することができる。
【0072】
例示されている機械的導体膜932及び934の各々において別個の制御バイアスを用いることによって、膜932及び934の各々は、独立してプルインすることができる。これらの別個の制御バイアスは、信号導体における制御バイアスに追加される制御バイアスである。これらの別個の制御バイアスのうちの1つは、アースに対応させることができる点が理解されることになる。このことは、キャパシタによって提供される選択性を拡大させる。例えば、異なった機械的導体膜932及び934は、2進重みで、即ち、各部分別に2のべき乗で加重することができる。このことは、キャパシタンス量をほぼ線形で制御することを可能にすることができる。いくつかの状況においては、選択されたキャパシタンス値の間における低キャパシタンス位置に膜932及び934を戻すことが必要になる場合があることに注目すべきである。本出願明細書においては、2つの別個の膜932及び934の観点で例示されているが、当業者は、これ以上の数の膜を使用できることを理解することになる。
【0073】
別個の膜932及び934は、互いの制御電圧から隔離させることができる。例えば、図8を参照しつつ上述されている構成は、誘電材料層802を用いた該隔離技術を例示している。図9Dにおいて、誘電材料層936は、相対的に優れた信号アースを引き続き提供しつつ、基本的電圧基準ラインによって膜932及び934のうちの1つ以上を直流電流路から隔離することができる。
【0074】
該例示されている実施形態において示されている誘電材料層936は、基本的電圧基準ラインの各々の間に配置されている。
【0075】
膜932及び934は、各々の電源に結合され、該電源は、例えば、DCバイアス、アース基準、制御された信号又は切り換えられた信号を含むことができる。例えば、電源は、様々な相互接続技術(例えば、パッド、エアブリッジ、等を介した配線)を用いて対応する膜に結合させることができる。例えば、膜932及び934の選択された部分938及び940は、膜932及び934の形成と同時に形成することができる。1つの実施形態においては、機械的導体膜に関するDC制御及び様々な柱間を組み合わせたMEMSキャパシタも使用可能である。
【0076】
図10Aは、MEMSキャパシタを用いたRF減衰器に関する予想帰路損の例を示した図である。例えば、図9Aを参照しつつ上述されているように、RF信号は、該MEMSキャパシタ内を流れるように構成させることができる。この図において、横軸は周波数を示しており、右に進むに従って増大する。縦軸は、帰路損を示している。該帰路損は、反射された波の振幅と入射した波の振幅の比に相当し、さらに、図10Aにおいては、該比は、デシベルで表されている。図10Aにおいて例示されているように、トレース1002は、RF減衰器が「オフ」位置にあるとき(即ち、機械的導体膜702が、例えば図7Dにおいて例示されている低キャパシタンス位置にあるとき)の該減衰器の予想帰路損に対応している。トレース1002によって例示されているように、相対的に低い減衰を有するMEMSキャパシタを有するRF減衰器内をRF信号が通るようにするために、該予想帰路損は、減衰器が「オフ」のときには相対的に低い。
【0077】
その他のトレース1004、1006、及び1008は、MEMSキャパシタを有するRF減衰器の帰路損に対応しており、例えば図7Eにおいて例示されているように、機械的導体膜702は、相対的に高いキャパシタンス位置に「プルイン」される。該その他のトレース1004、1006、及び1008は、推定の際に用いられるキャパシタンス量に関して変化する。キャパシタンス量は、キャパシタの幾何形状に依存して変化することができる点、及び/又は、選択されたキャパシタンス量に関して少なくとも部分的に独立して作動させることができる多重部分又は多重の別個の膜を有するキャパシタに関して変化することができる点が理解されることになる。例えば、トレース1004に対応するキャパシタンスは、トレース1006に関して用いられるキャパシタンスよりも大きく、他方、トレース1006に関して用いられるキャパシタンスは、トレース1008に関して用いられるキャパシタンスよりも大きい。該例において示されているように、相対的に低い周波数における該減衰器の帰路損は、該減衰器によって示されるキャパシタンス量に応じて変化することができる。
【0078】
図10Bは、MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想挿入損の例を示した図である。該挿入損は、RF減衰器の出力端子において提供された信号電力とRF減衰器の入力端子への入力として提供された信号電力の比の逆数に相当する。例えば、該入力端子及び出力端子は、図Aを参照しつつ上述されているように、信号導体の反対側の端部に所在することができる。図10Bにおいて、横軸は、周波数を示しており、右側に進むに従って増大する。縦軸は、デシベルを単位とする挿入損を示している。
【0079】
トレース102は、例えば7Dにおいて例示されている相対的に低いキャパシタンス位置にある機械的導体膜702を有するMEMSキャパシタを有するRF減衰器に関する予想挿入損に対応している。その他のトレース1014、1016、及び1018は、機械的導体膜702が例えば7Eにおいて例示されている相対的に高いキャパシタンス位置にあるときのRF減衰器に関する予想挿入損に対応している。これらのその他の様々なトレース1014、1016、及び1018は、変化するキャパシタンス量に関する予想挿入損に対応している。トレース1014に関する対応キャパシタンスは、トレース1016に関する対応キャパシタンスよりも大きく、他方、トレース1016に関する対応キャパシタンスは、トレース1018に関する対応キャパシタンスよりも大きい。さらに、図3Bの例によって示されているように、RF減衰器のキャパシタンスが変化されるのに応じてRF減衰器の共振周波数f0も変化すべきであり、一般的には挿入損が影響を受けることになる。このことは、MEMSキャパシタを有するRF減衰器の挿入損を作動されたキャパシタンス量に従って選択することを可能にする。
【0080】
例えば、RF減衰器の共振周波数f0は、MEMSキャパシタのキャパシタンスに少なくとも部分的に基づいている。RF減衰器は、図11において例示されているように、RLC回路1102によってモデル化することができる。例えば、第1の端子1104は、RF減衰器に関する入力端子に対応させることができる。第2の端子1106は、出力端子に対応させることができる。第1の端子1104及び第2の端子1106は、信号導体の反対側の端部に所在することができる。抵抗Rは、該信号導体の抵抗をモデル化したものである。RLC回路1102は、MEMSキャパシタによって提供された信号アースに対する選択可能キャパシタンスをモデル化したものである。
【0081】
RF減衰器のキャパシタンスの変動は、同変動に相当する量だけRF減衰器の共振周波数f0を変動させる。従って、該可変減衰器の共振周波数は、RF減衰器に印加されたMEMSキャパシタ制御電圧に従って制御することができる。このことは、例えば、MEMSキャパシタを有するRF減衰器を同調可能なフィルタとして実装することを可能にし、該フィルタの共振周波数は、MEMSキャパシタの1つ以上の部分又は膜を作動させるために印加される1つ以上の電圧レベルを制御する制御回路によって変更又は選択することができる。さらに、異なった共振周波数を示す1つ以上のRF減衰器を、バンドパスフィルタ又はノッチフィルタとして実装することができる。
【0082】
図12A、12B、及び12Cは、MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である。MEMSキャパシタCMEMS1202の膜は、図12Aにおいて例示されているようにアースに結合させることができる。制御バイアスは、該膜を選択的にプルインすることによってMEMSキャパシタCMEMS1202のキャパシタンス量を選択的に制御する。また、結合キャパシタCC1204を介して1つ以上の信号をキャパシタンス的にMEMSキャパシタCMEMS1202に結合させることができる。この場合、入力信号及び出力信号は、別々にMEMSキャパシタCMEMS1202に結合できることが理解されることになる。
【0083】
図12Bは、MEMSキャパシタの少なくとも1つの膜がDCアースに直接結合されない場合を例示した図である。この方法は、複数の膜を有するMEMSキャパシタの膜を独立して制御することを可能にする。例えば、図8Aを参照しつつ上述されている構成は、制御バイアスを膜上にかけるために使用することができる。第1の膜は、信号導体上の制御バイアス(制御A)及び膜上の制御バイアス(制御B)によって少なくとも部分的に制御される選択可能キャパシタンスCMEMS11212を有する。キャパシタンスCS1216は、該第1の膜に関する信号アースを提供するために使用することができる。このため、キャパシタンスCS1216は、信号アースに対するキャパシタンスの直列の組合せに対して有意な影響を及ぼさないようにすべきであり、キャパシタンスCS1216の量は、選択可能キャパシタンスCMEMS11212から選択可能なキャパシタンス量と比較して相対的に高いべきであるということが理解されることになる。
【0084】
第2の膜は、選択可能キャパシタンスCMEMS21214を有する。例示されている回路においては、該第2の膜は、アースに結合されており、作動は、信号導体上の制御バイアス(制御A)によって制御される。この場合においても、制御バイアスを信号から隔離させるために1つ以上の結合キャパシタCC1218を使用することができる。1つの実施形態においては、信号は、選択可能キャパシタンスCMEMS11212及び選択可能キャパシタンスCMEMS21214によってモデル化された異なった膜に共通の信号導体内を流れる。さらに、図12Cにおいて例示されているように、該第2の膜は、独立してバイアスを印加し(制御C)、結合キャパシタCS1218を介して信号アースにAC結合させることもできる。さらに、独立した制御バイアスを有する追加膜が存在することも可能である。
【0085】
図13A乃至図13Iは、MEMSキャパシタ(例えば、図7D及び図7Eにおいて例示されているMEMSキャパシタ、等)を製作するプロセスを例示した図である。該例示されているプロセスは、様々な方法で修正可能であるということが当業者によって理解されることになる。有利なことに、MEMSキャパシタを製作するために半導体製造技術を使用することができる。例えば、もう1つの実施形態においては、該例示されているプロセスの様々な部分を組み合わせることが可能であり、代替の順序で再編させることが可能であり、削除することが可能であり、等である。
【0086】
図13A乃至図13Iは、様々な製作段階におけるMEMSキャパシタの横断面を例示した図である。図13Aは、信号導体1302に関する伝導ライン及び形成されている電圧基準ライン1304及び1306に関する伝導ラインを有する基板アセンブリ1300を例示した図である。例えば、該伝導ラインは、伝導制性材料(例えば、アルミニウム、等)のブランケット蒸着によって、及びフォトレジストパターン形成とエッチングによって形成することができる。さらに、別個の制御バイアスによって膜を独立して作動させることが望まれる場合は、電圧基準ライン1304及び1306のうちの少なくとも1つをさらにパターン化させて別個の伝導ラインにすることができる。
【0087】
図13Bは、基板アセンブリ1300上における絶縁層1308の形成を例示した図である。絶縁層1308は、様々な材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、等)によって形成させることができる。図13Cにおいて示されているように、希望される場合は、フォトリソグラフィー技術を用いて絶縁層1308をパターン化することによって該絶縁層の一部分1310を残すことができる。図13Cにおいては、該絶縁層は、信号導体1302上の左側に示されている。独立した膜作動が希望される場合は、該絶縁層は、電圧基準ラインの少なくとも一部の上にも残すことができる。
【0088】
犠牲材料1312のブランケット蒸着が図13Dにおいて例示されている。この犠牲材料1312は、最後に取り除かれる。使用に適した犠牲材料例は、珪素及びモリブデンを含む。その他の材料は、当業者によって容易に決定される。犠牲材料1312は、図13Eに示されている膜に関する柱1314に関して及び固定点1316に関してパターン化される。
【0089】
図13Fは、柱に関する材料1318のブランケット蒸着を例示した図である。例えば、これらの柱は、感光ポリマー材料(即ち、フォトレジスト)によって製造することができる。例えば、該感光ポリマー材料は、フォトマスクを通じての露光及び化学的現像によって柱を形成させるためにパターン化することができる。従って、柱材料1318は、選択された部分から除去されるか及び/又は厚さが薄くされる。例えば、図13Gは、膜に関する固定点1316からの該柱材料の除去を例示した図である。任意の選択項目として、柱1320及び犠牲材料(図示されていない)の上面を平面にするために化学機械的研磨を行うことができる。
【0090】
図13Hは、機械的導体膜を形成するための材料1322のブランケット蒸着を例示した図である。例えば、アルミニウムを基板アセンブリ上に蒸着させることができる。材料1322は、別個の膜、等を形成するためにパターン化することができる。さらに、材料1322には、相対的に小さい孔のパターンをあけることができる。これらの孔は、ガスエッチング液が犠牲材料1312のうちの残っている部分に到達して膜の下方から除去し、その結果図13Iにおいて例示されている構造を得ることを可能にする。
【0091】
上記においては様々な実施形態が説明されている。これらの説明では上記の具体的な実施形態が引用されているが、これらの説明は、例を示すことを意図するものであり、限定することを意図するものではない。当業者は、添付された請求項の範囲において定められている本発明の真の精神及び適用範囲から逸脱することなしに、様々な修正及び応用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等大図であり、第1のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が作動位置にある。
【図2】3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリックモジュレータの1つの典型的実施形態に関する移動可能な鏡の位置及び印加電圧の関係を示した概略図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用される一組のロー電圧及びコラム電圧を例示した図である。
【図5A】図2の3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ内における1つの典型的なフレームの表示データを例示した図である。
【図5B】図5Aのフレームを書くために使用することができるロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である。
【図6A】ディスプレイデバイス40の実施形態を例示したシステムブロック図である(その1)。
【図6B】ディスプレイデバイス40の実施形態を例示したシステムブロック図である(その2)。
【図7A】図1のデバイスの横断面図である。
【図7B】インターフェロメトリックモジュレータの代替実施形態の横断面図である。
【図7C】インターフェロメトリックモジュレータのもう1つの代替実施形態の横断面図である。
【図7D】低キャパシタンス位置にある機械的導体膜を有するMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図7E】高キャパシタンス位置にある機械的導体膜を有する図7DのMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図8】膜が電圧基準から隔離されている1つの実施形態に従ったMEMSキャパシタの側部横断面を例示した図である。
【図9A】膜に関して相対的にほぼ同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9B1】膜の第1の部分に関して相対的に広い柱間を有しさらに膜の第2の部分に関して相対的に狭い柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9B2】膜の第1の部分に関して相対的に広い柱間を有しさらに膜の第2の部分に関して相対的に狭い柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9C1】2つの別個の膜を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9C2】2つの別個の膜を有しさらに各膜に関して異なった柱間を有するMEMSキャパシタのもう1つの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図9D】2つの別個の膜を有しさらに例示されている膜の各々に関して同じ柱間を有するMEMSキャパシタの実施形態を上から見た状態を例示した図である。
【図10A】MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想帰路損の例を示した図である。
【図10B】MEMSキャパシタを用いるRF減衰器に関する予想挿入損の例を示した図である。
【図11】RF減衰器内におけるMEMSキャパシタの例を示した図である。
【図12A】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その1)。
【図12B】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その2)。
【図12C】MEMSキャパシタに関する単純化された等価回路の例を示した図である(その3)。
【図13A】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その1)。
【図13B】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その2)。
【図13C】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その3)。
【図13D】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その4)。
【図13E】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その5)。
【図13F】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その6)。
【図13G】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その7)。
【図13H】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その8)。
【図13I】MEMSキャパシタの製作プロセスを例示した図である(その9)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択可能なキャパシタンス量を有する装置であって、
少なくとも2つの電極であって、前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1方は、前記少なくとも2つの電極の間に規定された間隙を調整可能にするために他方の電極に関して制御可能な形で移動可能であり、前記電極のうちの少なくとも1方は、RF信号を搬送する少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極の間に配置されるとともに、前記電極のうちの少なくとも1方に電圧を供給するように構成されている、装置。
【請求項2】
2つの電極の間に選択的にDCバイアスを印加するように構成された回路をさらに具備し、前記回路が前記2つの電極の間における前記間隙の大きさを調整するようにするために、前記2つの電極のうちの少なくとも一方は、移動可能な電極である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの電極と電気的に通じているプロセッサであって、データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通じているメモリデバイスと、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの信号を前記少なくとも2つの電極に送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に伝送するように構成されたコントローラをさらに具備する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記データを前記プロセッサに伝送するように構成されたデータソースモジュールをさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記データソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
入力データを受け取りさらに前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力デバイスをさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
選択可能なキャパシタンス量を有するキャパシタであって、
RF信号を搬送するための手段であって、制御可能な形で調整可能な間隙を有する搬送手段と、
前記搬送するための手段の少なくとも一部分に電圧を供給するための手段と、を具備するキャパシタ。
【請求項10】
前記搬送するための手段は、少なくとも2つの電極を具備し、前記少なくとも2つの電極のうちの一方は、他方に関して移動可能である、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記電圧を供給するための手段は、前記搬送するための手段の移動可能な部分に隣接して配置された1つ以上の柱を具備する、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記搬送するための手段は、変形可能な膜を具備する、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記搬送するための手段は、DCバイアスを選択的に印加するように構成された回路をさらに具備する、請求項12に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記搬送するための手段は、RF信号を搬送するように構成された伝導ラインと伝導膜との間に複数の間隙を具備する、請求項13に記載のキャパシタ。
【請求項15】
前記搬送するための手段は、DCバイアスを選択するための手段と、前記DCバイアスを前記少なくとも2つの電極に印加するための手段と、をさらに具備する、請求項13に記載のキャパシタ。
【請求項16】
前記選択するための手段は、プロセッサ又は論理回路を具備する、請求項15に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記印加するための手段は、スイッチを具備する、請求項16に記載のキャパシタ。
【請求項18】
キャパシタンスを選択する方法であって、
少なくとも2つの電極の間の間隙を調整することであって、前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも一方はRF信号を搬送することと、
前記少なくとも一方の電極に電圧を印加すること、とを具備する方法。
【請求項19】
前記間隙を調整することは、DCバイアスを選択することと、前記DCバイアスを前記少なくとも2つの電極に印加すること、とをさらに具備する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記間隙を調整することは、前記RF信号を搬送するように構成された伝導ラインと複数の電極との間における複数の間隙を調整することを具備する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
選択可能キャパシタンスを有するキャパシタを製造する方法であって、
第1の電極を形成することと、
第2の電極を形成することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間における定められた間隙を調整可能にするために前記第1の電極に関して移動可能にすることと、
少なくとも前記第2の電極に電圧を供給するように構成された複数の柱を形成することであって、前記柱は前記電極の間に配置されていること、とを具備する方法。
【請求項22】
透明でない材料から前記第1の電極を形成することをさらに具備する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法に従って製造されたキャパシタ。
【請求項24】
RFデバイスであって、
RF信号を搬送するための第1の導体と、
前記第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜であって、前記RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されておりさらに前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜と、を具備するRFデバイス。
【請求項25】
前記変形可能膜は、単一の膜を具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項26】
前記変形可能膜は、2つ以上の別個の膜を具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項27】
選択可能キャパシタンスを有するキャパシタであって、
基板アセンブリと、
前記基板アセンブリ上の信号導体であって、前記キャパシタに関する第1の電極を形成する信号導体と、
前記信号導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層と、
1つ以上の機械的導体膜であって、前記基板アセンブリと前記1つ以上の機械的導体膜との間に前記信号導体を配置するために該基板アセンブリの上方において所定の間隔をもたせて配置された1つ以上の機械的導体膜と、を含み、前記1つ以上の機械的導体膜は、前記キャパシタに関する第2の電極を形成しており、前記1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、低キャパシタンス位置及び高キャパシタンス位置から少なくとも部分的に独立して移動することが可能であり、該達成可能な位置は、該機械的導体膜の少なくとも選択された2つの部分に関する個別の第1のキャパシタンス位置と、前記機械的導体膜の前記選択された2つの部分に関する個別の第2のキャパシタンス位置であって、前記個別の第1のキャパシタンス位置よりも多量のキャパシタンスを有する個別の第2のキャパシタンス位置と、前記個別の第1のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が多いが前記個別の第2のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が少ない個別の第3のキャパシタンス構成と、を含み、前記個別の第3のキャパシタンス構成において、前記選択された2つの部分のうちの1方は、前記個別の第2のキャパシタンス位置にあり、他方は、前記個別の第1のキャパシタンス位置にあり、前記選択された位置は、少なくとも部分的には前記信号導体における電圧によって決定される、キャパシタをさらに具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項28】
少なくとも2つ以上の部分は、前記機械的導体膜の単一の連続的セグメントに対応しており、前記2つ以上の部分は、(a)前記基板アセンブリと前記機械的導体膜の前記セグメントとの間に配置された柱が存在するか又は存在していない、(b)柱の高さが異なる、(c)柱間の間隔が異なる、又は(d)これらの項目の組合せ、のうちの少なくとも1つに基づいて異なっている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項29】
前記1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、前記機械的導体膜のうちで信号アースに結合された共通の電極を形成する別個のセグメントに対応しており、前記別個のセグメントは、互いにDC隔離されておりさらに前記別個のセグメントを独立して制御するための別個のバイアスに結合されている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項30】
複数の信号導体及び前記機械的導体膜の複数の多重セグメントは、ロー及びコラムの形で配列されている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項31】
前記第1の導体及び前記変形可能膜のうちの少なくとも1つと電気的に通じているプロセッサであって、データを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通じているメモリデバイスと、をさらに具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項32】
前記第1の導体及び前記変形可能膜のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項33】
前記データのうちの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に伝送するように構成されたコントローラをさらに具備する、請求項32に記載のRFデバイス。
【請求項34】
前記データを前記プロセッサに伝送するように構成されたデータソースモジュールをさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項35】
前記データソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する、請求項34に記載のRFデバイス。
【請求項36】
入力データを受け取りさらに前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力デバイスをさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項37】
RF信号を搬送するための手段と、
前記RF信号をフィルタリングするための手段であって、前記RF信号を選択的にフィルタリングするために3つの個別の作動可能な位置のうちの少なくとも1つの位置まで変形可能であるフィルタリングするための手段と、をさらに具備する、RFデバイス。
【請求項38】
前記搬送するための手段は、伝導ラインを具備する、請求項37に記載のRFデバイス。
【請求項39】
前記フィルタリングするための手段は、1つ以上の変形可能膜のうちで2つ以上の少なくとも部分的に独立して作動させることが可能な部分を具備する、請求項38に記載のRFデバイス。
【請求項40】
前記フィルタリングするための手段は、前記少なくとも2つの作動可能な部分が独立して作動されるように構成されている、請求項39に記載のRFデバイス。
【請求項41】
RF信号をフィルタリングする方法であって、
前記RF信号を伝導ラインで搬送することと、
前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜を用いて前記RF信号を選択的にフィルタリングすることであって、前記変形可能膜は、前記伝導ラインに隣接すること、とを具備する方法。
【請求項42】
選択的にフィルタリングすることは、1つ以上の変形可能膜のうちの2つ以上の少なくとも部分的に独立して作動される部分を作動させることを具備する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
選択可能キャパシタンスを有するRFデバイスを製造する方法であって、
RF信号を搬送するための第1の導体を形成することと、
前記第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜を形成することであって、前記変形可能膜は、前記RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、前記変形可能膜は、前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有すること、とを具備する方法。
【請求項44】
基板アセンブリを形成することと、
前記第1の導体を前記基板アセンブリ上に形成することと、
前記第1の導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層を形成することと、
変形可能膜を形成することであって、前記変形可能膜は、前記第1の導体が前記基板アセンブリと前記変形可能膜との間に配置されるように前記基板アセンブリの上方に配置されること、とをさらに具備する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記変形可能膜は、機械的導体膜の単一の連続セグメントに対応する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記変形可能膜のうちの少なくとも2つ以上のセグメントを形成することをさらに具備し、前記別個のセグメントは、互いにDC隔離されておりさらに前記別個のセグメントを独立して制御するために別個のバイアスに結合されている、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
請求項43に記載の方法に従って製造されたRFデバイス。
【請求項48】
電圧によって制御されるキャパシタであって、
入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、
前記基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインであって、前記電圧基準ラインのうちの1つ以上が前記電圧基準端子に結合されている電圧基準ラインと、
前記基板アセンブリの上方に所定の間隔で配置されておりさらに反対側の端部が前記電圧基準ラインのうちの1つ以上に結合されている機械的導体膜と、
前記基板アセンブリと前記機械的導体膜との間に配置された1つ以上の柱であって、前記機械的導体膜を支える1つ以上の柱と、
前記基板アセンブリ上に配置された信号導体であって、前記制御端子における電圧は、前記機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御する信号導体と、
前記信号導体の最上面と前記機械的導体膜との間に配置された誘電材料層と、
第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタであって、前記第1の端子は、前記入力端子に結合されており、前記第2の端子は、前記信号導体に結合されている結合キャパシタと、を具備するキャパシタ。
【請求項49】
前記信号導体は、透明でない材料を具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項50】
前記信号導体に関する材料は、銀、銅、金、アルミニウム、またはこれらの材料の組合せのうちの少なくとも1つを具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項51】
前記信号導体に関する材料は、1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項52】
前記信号導体に関する材料は、0.1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項53】
前記誘電材料層は、前記信号層の最上面に直接配置されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項54】
前記機械的導体膜の少なくとも1つの端部と対応する電圧基準ラインとの間に配置された絶縁体をさらに具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項55】
前記電圧基準ラインは、信号アースに対応するが、DCバイアスを有するように構成されている、請求項54に記載のキャパシタ。
【請求項56】
前記電圧基準端子は、信号アース基準に結合させるように構成されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項57】
前記信号導体のうちの前記入力端子と反対側の端部に結合された出力端子をさらに具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項58】
前記キャパシタは、RF減衰器内において具体化されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項59】
前記信号導体の前記最上面と前記機械的導体膜との間に配置された前記誘電材料層は、0.1乃至0.5マイクロメートルの範囲内の厚さを有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項60】
前記信号導体は、0.5乃至5マイクロメートルの範囲内の厚さを有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項1】
選択可能なキャパシタンス量を有する装置であって、
少なくとも2つの電極であって、前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも1方は、前記少なくとも2つの電極の間に規定された間隙を調整可能にするために他方の電極に関して制御可能な形で移動可能であり、前記電極のうちの少なくとも1方は、RF信号を搬送する少なくとも2つの電極と、
前記少なくとも2つの電極の間に配置されるとともに、前記電極のうちの少なくとも1方に電圧を供給するように構成されている、装置。
【請求項2】
2つの電極の間に選択的にDCバイアスを印加するように構成された回路をさらに具備し、前記回路が前記2つの電極の間における前記間隙の大きさを調整するようにするために、前記2つの電極のうちの少なくとも一方は、移動可能な電極である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの電極と電気的に通じているプロセッサであって、データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通じているメモリデバイスと、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの信号を前記少なくとも2つの電極に送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に伝送するように構成されたコントローラをさらに具備する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記データを前記プロセッサに伝送するように構成されたデータソースモジュールをさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記データソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
入力データを受け取りさらに前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力デバイスをさらに具備する、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
選択可能なキャパシタンス量を有するキャパシタであって、
RF信号を搬送するための手段であって、制御可能な形で調整可能な間隙を有する搬送手段と、
前記搬送するための手段の少なくとも一部分に電圧を供給するための手段と、を具備するキャパシタ。
【請求項10】
前記搬送するための手段は、少なくとも2つの電極を具備し、前記少なくとも2つの電極のうちの一方は、他方に関して移動可能である、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記電圧を供給するための手段は、前記搬送するための手段の移動可能な部分に隣接して配置された1つ以上の柱を具備する、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記搬送するための手段は、変形可能な膜を具備する、請求項9に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記搬送するための手段は、DCバイアスを選択的に印加するように構成された回路をさらに具備する、請求項12に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記搬送するための手段は、RF信号を搬送するように構成された伝導ラインと伝導膜との間に複数の間隙を具備する、請求項13に記載のキャパシタ。
【請求項15】
前記搬送するための手段は、DCバイアスを選択するための手段と、前記DCバイアスを前記少なくとも2つの電極に印加するための手段と、をさらに具備する、請求項13に記載のキャパシタ。
【請求項16】
前記選択するための手段は、プロセッサ又は論理回路を具備する、請求項15に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記印加するための手段は、スイッチを具備する、請求項16に記載のキャパシタ。
【請求項18】
キャパシタンスを選択する方法であって、
少なくとも2つの電極の間の間隙を調整することであって、前記少なくとも2つの電極のうちの少なくとも一方はRF信号を搬送することと、
前記少なくとも一方の電極に電圧を印加すること、とを具備する方法。
【請求項19】
前記間隙を調整することは、DCバイアスを選択することと、前記DCバイアスを前記少なくとも2つの電極に印加すること、とをさらに具備する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記間隙を調整することは、前記RF信号を搬送するように構成された伝導ラインと複数の電極との間における複数の間隙を調整することを具備する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
選択可能キャパシタンスを有するキャパシタを製造する方法であって、
第1の電極を形成することと、
第2の電極を形成することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間における定められた間隙を調整可能にするために前記第1の電極に関して移動可能にすることと、
少なくとも前記第2の電極に電圧を供給するように構成された複数の柱を形成することであって、前記柱は前記電極の間に配置されていること、とを具備する方法。
【請求項22】
透明でない材料から前記第1の電極を形成することをさらに具備する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法に従って製造されたキャパシタ。
【請求項24】
RFデバイスであって、
RF信号を搬送するための第1の導体と、
前記第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜であって、前記RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されておりさらに前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜と、を具備するRFデバイス。
【請求項25】
前記変形可能膜は、単一の膜を具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項26】
前記変形可能膜は、2つ以上の別個の膜を具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項27】
選択可能キャパシタンスを有するキャパシタであって、
基板アセンブリと、
前記基板アセンブリ上の信号導体であって、前記キャパシタに関する第1の電極を形成する信号導体と、
前記信号導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層と、
1つ以上の機械的導体膜であって、前記基板アセンブリと前記1つ以上の機械的導体膜との間に前記信号導体を配置するために該基板アセンブリの上方において所定の間隔をもたせて配置された1つ以上の機械的導体膜と、を含み、前記1つ以上の機械的導体膜は、前記キャパシタに関する第2の電極を形成しており、前記1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、低キャパシタンス位置及び高キャパシタンス位置から少なくとも部分的に独立して移動することが可能であり、該達成可能な位置は、該機械的導体膜の少なくとも選択された2つの部分に関する個別の第1のキャパシタンス位置と、前記機械的導体膜の前記選択された2つの部分に関する個別の第2のキャパシタンス位置であって、前記個別の第1のキャパシタンス位置よりも多量のキャパシタンスを有する個別の第2のキャパシタンス位置と、前記個別の第1のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が多いが前記個別の第2のキャパシタンス位置よりもキャパシタンス量が少ない個別の第3のキャパシタンス構成と、を含み、前記個別の第3のキャパシタンス構成において、前記選択された2つの部分のうちの1方は、前記個別の第2のキャパシタンス位置にあり、他方は、前記個別の第1のキャパシタンス位置にあり、前記選択された位置は、少なくとも部分的には前記信号導体における電圧によって決定される、キャパシタをさらに具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項28】
少なくとも2つ以上の部分は、前記機械的導体膜の単一の連続的セグメントに対応しており、前記2つ以上の部分は、(a)前記基板アセンブリと前記機械的導体膜の前記セグメントとの間に配置された柱が存在するか又は存在していない、(b)柱の高さが異なる、(c)柱間の間隔が異なる、又は(d)これらの項目の組合せ、のうちの少なくとも1つに基づいて異なっている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項29】
前記1つ以上の機械的導体膜の少なくとも2つ以上の部分は、前記機械的導体膜のうちで信号アースに結合された共通の電極を形成する別個のセグメントに対応しており、前記別個のセグメントは、互いにDC隔離されておりさらに前記別個のセグメントを独立して制御するための別個のバイアスに結合されている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項30】
複数の信号導体及び前記機械的導体膜の複数の多重セグメントは、ロー及びコラムの形で配列されている、請求項27に記載のRFデバイス。
【請求項31】
前記第1の導体及び前記変形可能膜のうちの少なくとも1つと電気的に通じているプロセッサであって、データを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通じているメモリデバイスと、をさらに具備する、請求項24に記載のRFデバイス。
【請求項32】
前記第1の導体及び前記変形可能膜のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項33】
前記データのうちの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に伝送するように構成されたコントローラをさらに具備する、請求項32に記載のRFデバイス。
【請求項34】
前記データを前記プロセッサに伝送するように構成されたデータソースモジュールをさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項35】
前記データソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する、請求項34に記載のRFデバイス。
【請求項36】
入力データを受け取りさらに前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力デバイスをさらに具備する、請求項31に記載のRFデバイス。
【請求項37】
RF信号を搬送するための手段と、
前記RF信号をフィルタリングするための手段であって、前記RF信号を選択的にフィルタリングするために3つの個別の作動可能な位置のうちの少なくとも1つの位置まで変形可能であるフィルタリングするための手段と、をさらに具備する、RFデバイス。
【請求項38】
前記搬送するための手段は、伝導ラインを具備する、請求項37に記載のRFデバイス。
【請求項39】
前記フィルタリングするための手段は、1つ以上の変形可能膜のうちで2つ以上の少なくとも部分的に独立して作動させることが可能な部分を具備する、請求項38に記載のRFデバイス。
【請求項40】
前記フィルタリングするための手段は、前記少なくとも2つの作動可能な部分が独立して作動されるように構成されている、請求項39に記載のRFデバイス。
【請求項41】
RF信号をフィルタリングする方法であって、
前記RF信号を伝導ラインで搬送することと、
前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有する変形可能膜を用いて前記RF信号を選択的にフィルタリングすることであって、前記変形可能膜は、前記伝導ラインに隣接すること、とを具備する方法。
【請求項42】
選択的にフィルタリングすることは、1つ以上の変形可能膜のうちの2つ以上の少なくとも部分的に独立して作動される部分を作動させることを具備する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
選択可能キャパシタンスを有するRFデバイスを製造する方法であって、
RF信号を搬送するための第1の導体を形成することと、
前記第1の導体から所定の間隔をもたせて配置された変形可能膜を形成することであって、前記変形可能膜は、前記RF信号を選択的にフィルタリングするように構成されており、さらに、前記変形可能膜は、前記RF信号を選択的にフィルタリングするための少なくとも3つの個別の作動可能な位置を有すること、とを具備する方法。
【請求項44】
基板アセンブリを形成することと、
前記第1の導体を前記基板アセンブリ上に形成することと、
前記第1の導体の少なくとも上面を被覆する誘電材料層を形成することと、
変形可能膜を形成することであって、前記変形可能膜は、前記第1の導体が前記基板アセンブリと前記変形可能膜との間に配置されるように前記基板アセンブリの上方に配置されること、とをさらに具備する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記変形可能膜は、機械的導体膜の単一の連続セグメントに対応する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記変形可能膜のうちの少なくとも2つ以上のセグメントを形成することをさらに具備し、前記別個のセグメントは、互いにDC隔離されておりさらに前記別個のセグメントを独立して制御するために別個のバイアスに結合されている、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
請求項43に記載の方法に従って製造されたRFデバイス。
【請求項48】
電圧によって制御されるキャパシタであって、
入力端子、制御端子、及び電圧基準端子を有する基板アセンブリと、
前記基板アセンブリ上に配置された電圧基準ラインであって、前記電圧基準ラインのうちの1つ以上が前記電圧基準端子に結合されている電圧基準ラインと、
前記基板アセンブリの上方に所定の間隔で配置されておりさらに反対側の端部が前記電圧基準ラインのうちの1つ以上に結合されている機械的導体膜と、
前記基板アセンブリと前記機械的導体膜との間に配置された1つ以上の柱であって、前記機械的導体膜を支える1つ以上の柱と、
前記基板アセンブリ上に配置された信号導体であって、前記制御端子における電圧は、前記機械的導体膜の位置を少なくとも部分的に制御する信号導体と、
前記信号導体の最上面と前記機械的導体膜との間に配置された誘電材料層と、
第1の端子及び第2の端子を有する結合キャパシタであって、前記第1の端子は、前記入力端子に結合されており、前記第2の端子は、前記信号導体に結合されている結合キャパシタと、を具備するキャパシタ。
【請求項49】
前記信号導体は、透明でない材料を具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項50】
前記信号導体に関する材料は、銀、銅、金、アルミニウム、またはこれらの材料の組合せのうちの少なくとも1つを具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項51】
前記信号導体に関する材料は、1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項52】
前記信号導体に関する材料は、0.1x10−6オーム−メートル(Ω−m)未満の抵抗率を有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項53】
前記誘電材料層は、前記信号層の最上面に直接配置されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項54】
前記機械的導体膜の少なくとも1つの端部と対応する電圧基準ラインとの間に配置された絶縁体をさらに具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項55】
前記電圧基準ラインは、信号アースに対応するが、DCバイアスを有するように構成されている、請求項54に記載のキャパシタ。
【請求項56】
前記電圧基準端子は、信号アース基準に結合させるように構成されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項57】
前記信号導体のうちの前記入力端子と反対側の端部に結合された出力端子をさらに具備する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項58】
前記キャパシタは、RF減衰器内において具体化されている、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項59】
前記信号導体の前記最上面と前記機械的導体膜との間に配置された前記誘電材料層は、0.1乃至0.5マイクロメートルの範囲内の厚さを有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【請求項60】
前記信号導体は、0.5乃至5マイクロメートルの範囲内の厚さを有する、請求項48に記載のキャパシタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9A】
【図9B1】
【図9B2】
【図9C1】
【図9C2】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9A】
【図9B1】
【図9B2】
【図9C1】
【図9C2】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【公開番号】特開2006−100821(P2006−100821A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−275828(P2005−275828)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275828(P2005−275828)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
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