説明

遺伝子発現技術

本発明は、下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法に関する: (a) 第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1 組換え遺伝子、第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第3遺伝子、例えば、組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、ここで第1 シャペロンおよび第2 シャペロンは異なり、そして (b) 宿主細胞を培地中で培養して第1 、第2 および第3遺伝子を発現させる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法:
(a) 第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1 組換え遺伝子、第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第3遺伝子、例えば、組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、ここで第1 シャペロンおよび第2 シャペロンは異なり、そして
(b) 宿主細胞を培地中で培養して第1 、第2 および第3遺伝子を発現させる。
【請求項2】
こうして発現された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を培養した宿主細胞または培地から精製する工程をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
こうして精製されたタンパク質を凍結乾燥する工程をさらに含んでなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
精製された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を担体または希釈剤と配合し、必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する工程をさらに含んでなる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
第1 または第2 シャペロンタンパク質の1つまたは両方が真菌シャペロン (必要に応じて酵母シャペロン) または哺乳動物シャペロン (必要に応じてヒトシャペロン) の配列を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1 または第2 シャペロンタンパク質の1つまたは両方が各々個々に下記の任意の1つによりコードされるタンパク質またはこれらの任意の1つの変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法: AHA1、CCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、CPR3、CPR6、EPS1、ERO1、EUG1、FMO1、HCH1、HSP10、HSP12、HSP104、HSP26、HSP30、HSP42、HSP60、HSP78、HSP82、JEM1、MDJ1、MDJ2、MPD1、MPD2、PDI1、PFD1、ABC1、APJ1、ATP11、ATP12、BTT1、CDC37、CPR7、HSC82、KAR2、LHS1、MGE1、MRS11、NOB1、ECM10、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSC1、SSE2、SIL1、SLS1、UBI4、ORM1、ORM2、PER1、PTC2、PSE1、HAC1またはトランケーテッド無イントロンHAC1、TIM9、PAM18またはTCP1。
【請求項7】
第1 シャペロンがタンパク質ジサルファイドイソメラーゼである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第2 シャペロンがOrm2pまたはその変異型またはフラグメントである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1 または第2 シャペロンの少なくとも1つの、好ましくは両方が染色体的に組込まれた組換え遺伝子によりコードされる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1 または第2 シャペロンの少なくとも1つの、好ましくは両方がプラスミド上の遺伝子によりコードされる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第3遺伝子が宿主細胞の染色体中に組込まれているか、あるいは宿主細胞内のプラスミド上に装備されている、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
プラスミドが2μmファミリープラスミドであるか、あるいはそうではない、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
プラスミドが第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする遺伝子および/または第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする遺伝子、および所望の異種タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プラスミドが壊変ベクターである、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) が宿主細胞、例えば、酵母からの分泌を引き起こすために有効なリーダー配列を含んでなる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) が真核生物タンパク質、そのフラグメントまたは変異型、必要に応じて脊椎動物または真菌 (例えば、酵母) タンパク質である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) が商業的に有用なタンパク質、例えば、治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有用なタンパク質である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) が下記の配列から成る群から選択される前記請求項のいずれか一項に記載の方法: アルブミン、モノクローナル抗体、エトポシド、血清タンパク質 (例えば、血液凝固因子、例えば、因子VII、因子VIII、因子IX、因子Xおよび因子XIII) 、アンチスタシン、ダニ抗凝固ペプチド、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリン、または免疫グロブリンに基づく哺乳動物分子またはいずれかのフラグメント (例えば、dAb、Fab’フラグメント、F(ab’)2、scAb、scFvまたはscFvフラグメント) 、クニッツ型ドメインタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、IL10、IL11、IL12、インターフェロンα種および亜種、インターフェロンβ種および亜種、インターフェロンγ種および亜種、レプチン、CNTF、CNTFAX15 (AxokineTM) 、IL1-レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、プロサプチド、シノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、副甲状腺ホルモン、プロインスリン、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、前形態および活性形態の両方の凝固因子、下記のものを包含するが、これらに限定されない: プラスミノーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF) 、グルコースオキシダーゼ、血清コリンエステラーゼ、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、インターαトリプシンインヒビター、アンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、代謝物、抗生物質、または上記のいずれかの変異型またはフラグメント。
【請求項19】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) がアルブミンまたはその変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) がトランスフェリンファミリーのメンバー、必要に応じてトランスフェリンまたはラクトフェリンまたはそれらの変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
所望のタンパク質が他のタンパク質の配列に直接的または間接的に融合した、融合タンパク質、例えば、アルブミンまたはトランスフェリンファミリーのメンバーの融合タンパク質、いずれかの変異型またはフラグメントを含んでなる、所望の異種タンパク質である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1 組換え遺伝子と、第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2 組換え遺伝子とを含んでなるプラスミド。
【請求項23】
第1 シャペロンおよび第2 シャペロンの少なくとも1つの、必要に応じて両方が請求項5〜8のいずれかに記載のシャペロンである、請求項22に記載のプラスミド。
【請求項24】
第3組換え遺伝子をさらに含んでなり、前記第3組換え遺伝子が所望の異種タンパク質、必要に応じて請求項15〜21のいずれかに記載の所望の異種タンパク質をコードする、請求項22または23に記載のプラスミド。
【請求項25】
プラスミドが請求項12〜14のいずれかに記載のプラスミドである、請求項22〜24のいずれかに記載のプラスミド。
【請求項26】
第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1 組換え遺伝子、第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2 組換え遺伝子、および第3遺伝子、例えば、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする組換え遺伝子を含んでなり、第1 シャペロンおよび第2 シャペロンは異なる、宿主細胞。
【請求項27】
宿主細胞が請求項5〜21のいずれかに記載の宿主細胞である、請求項26に記載の宿主細胞。
【請求項28】
請求項22〜25のいずれかに記載のプラスミドを含んでなる宿主細胞。
【請求項29】
宿主細胞が細菌または酵母である、請求項1〜21のいずれかに記載の方法または請求項26〜28のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項30】
宿主細胞が酵母細胞、必要に応じて下記のメンバーである請求項29に記載の方法または宿主細胞: サッカロマイセス (Saccharomyces) 、クライベロマイセス (Kluyveromayces) 、アルクスラ (Arxula) 、ヤロウィア (Yarrowia) 、カンジダ (Candida) 、シゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) 、デバリオマイセス (Debaryomyces) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) 、ゲオトリクム (Geotrichum) 、アシュブヤ (Ashbya) 、ホルテア (Hortaea) 、シュワンニオマイセス (Schwanniomyces) 、トリコスポロン (Trichosporon) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) 、またはピキア (Pichia) 属、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 、 クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) 、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) 、ピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) 、ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) 、ジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) 、ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) 、クライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) 、ピキア・メタノリカ (Pichia methanolica) 、ハンゼヌラ・ポリモルファ (Hansenula polymorpha) (また、ピキア・アウグスタ (Pichia augusta) として知られている) 、アルクスラ・アデニニボランス (Arxula adeninivorans) 、ヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 、カンジダ・ボイディニイ (Candida boidinii) 、カンジダ・ウチリス (Candida utilis) またはシゾサッカロマイセス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 。
【請求項31】
プラスミドが2μmファミリープラスミドであり、そして下記の条件を満足する、請求項27に記載、または請求項10または11に記載の宿主細胞:
(a) プラスミドはpSR1、pSB3またはpSB4に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) であり、
(b) プラスミドはpSB1またはpSB2に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) であり、
(c) プラスミドがpSM1に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) であり、
(d) プラスミドがpKD1であり、そして宿主細胞はクライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) であり、
(e) プラスミドがpPM1に基づき、そして宿主細胞はピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) であるか、あるいは
(f) プラスミドが2μmファミリープラスミドに基づき、そして宿主細胞はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはストレプトマイセス・カールスバーゲンシス (Streptomyces carlsbergensis) である。
【請求項32】
プラスミドが2μmのプラスミドに基づき、そして宿主細胞がサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはストレプトマイセス・カールスバーゲンシス (Streptomyces carlsbergensis) である、請求項31に記載の宿主細胞。
【請求項33】
下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法:
(a) Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする第1 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第2遺伝子、例えば、第2 組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、ただし第1 遺伝子および第2遺伝子は宿主細胞内において同一2μmファミリープラスミド上に存在せず、そして
(b) 培地中で宿主細胞を培養して、第1 遺伝子および第2遺伝子を発現させる。
【請求項34】
第1 遺伝子および第2遺伝子のいずれかまたは両方がプラスミドから、必要に応じて同一プラスミドから発現される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする第1 組換え遺伝子がプラスミド上に位置する、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
第1 遺伝子および第2遺伝子のいずれかまたは両方が宿主細胞の染色体中に組込まれている、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする第1 組換え遺伝子が宿主細胞の染色体中に組込まれている、請求項33または36に記載の方法。
【請求項38】
こうして発現された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を培養した宿主細胞または培地から精製する工程をさらに含んでなる、請求項33〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
精製された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を担体または希釈剤と配合し、必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する工程をさらに含んでなる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする第1 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第2遺伝子、例えば、第2 組換え遺伝子を含んでなり、ただし第1 組換え遺伝子および第2 組換え遺伝子は宿主細胞内において同一2μmファミリープラスミド上に存在しない、宿主細胞。
【請求項41】
宿主細胞中の所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) の発現を増加させるためのOrm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする組換え遺伝子の使用、ただしOrm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子は宿主細胞内において同一2μmファミリープラスミド上で共発現されない、前記使用。
【請求項42】
Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型またはフラグメントをコードする第1 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第2遺伝子、例えば、組換え遺伝子を含んでなり、ただし2μmファミリープラスミドではない、プラスミド。
【請求項43】
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) が請求項15〜21のいずれかに記載されている、請求項33〜42のいずれかに記載の方法、使用、宿主細胞またはプラスミド。
【請求項44】
プラスミドを含んでなる宿主細胞であって、前記プラスミドは必須シャペロンをコードする遺伝子を含んでなり、ここで前記プラスミドの非存在下に、宿主細胞はシャペロンを発現することができず、前記プラスミドは所望の異種タンパク質、例えば、請求項15〜21のいずれかに記載の所望の異種タンパク質をコードする組換え遺伝子をさらに含んでなる、宿主細胞。
【請求項45】
必須シャペロンが真核生物シャペロンである、請求項44に記載の宿主細胞。
【請求項46】
必須シャペロンが酵母シャペロンである、請求項44に記載の宿主細胞。
【請求項47】
必須シャペロンが酵母シャペロンであり、前記酵母シャペロンがCCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、ERO1、HSP10、HSP60、PDI1、CDC37、KAR2、MGE1、MRS11、NOB1、SSC1、PSE1、TIM9、PAM18またはTCP1から選択される遺伝子によりコードされるタンパク質、またはこれらの任意の1つの変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、請求項44に記載の宿主細胞。
【請求項48】
必須シャペロンがタンパク質ジサルファイドイソメラーゼである、請求項44に記載の宿主細胞。
【請求項49】
プラスミドの非存在下に、宿主細胞が生存不能である、請求項44〜48のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項50】
プラスミドの非存在下に、宿主細胞が生存不能であり、成長培地中で宿主細胞を増殖させ、前記成長培地に栄養を添加するか、あるいは前記培地を変性することによって生存可能することができず、好ましくは成長培地中で宿主細胞を増殖させ、前記成長培地に栄養を添加するか、あるいは前記培地を変性することによって生存可能することができない、請求項49に記載の宿主細胞。
【請求項51】
必須シャペロンをコードする1または2以上の遺伝子を欠失するか、あるいは酵母宿主細胞中で不活性化するとき、宿主細胞が培養において生存不能であり、そして培地への添加または変性により欠陥が補足することができないという意味において、酵母宿主細胞の生存可能性に対して必須であるシャペロンをコードする遺伝子を、唯一の酵母選択可能なマーカーとして、含んでなる、プラスミド。
【請求項52】
必須シャペロンをコードする遺伝子がプラスミドによりコードされる唯一の選択可能なマーカーである、請求項51に記載のプラスミド。
【請求項53】
必須シャペロンが真核生物シャペロンである、請求項52に記載のプラスミド。
【請求項54】
必須シャペロンが酵母シャペロンであり、請求項52に記載のプラスミド。
【請求項55】
必須シャペロンが酵母シャペロンであり、前記酵母シャペロンがCCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、ERO1、HSP10、HSP60、PDI1、CDC37、KAR2、MGE1、MRS11、NOB1、SSC1、PSE1、TIM9、PAM18またはTCP1から選択される遺伝子によりコードされるタンパク質の配列またはこれらの任意の1つの変異型またはフラグメントを含んでなる、請求項52に記載のプラスミド。
【請求項56】
必須シャペロンがタンパク質ジサルファイドイソメラーゼまたはPse1pである、請求項52に記載のプラスミド。
【請求項57】
所望の異種タンパク質、例えば、請求項15〜21のいずれかに記載の所望の異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなる、請求項51〜56のいずれかに記載のプラスミド。
【請求項58】
2μmファミリープラスミドである、請求項51〜57のいずれかに記載のプラスミド。
【請求項59】
請求項22〜25のいずれかに記載のプラスミドである、請求項51〜58のいずれかに記載のプラスミド。
【請求項60】
プラスミドが請求項51〜59のいずれかに記載のプラスミドである、請求項44〜50のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項61】
プラスミドによりコードされるシャペロンが必須遺伝子である、請求項28に記載の宿主細胞。
【請求項62】
プラスミドの非存在下に、宿主細胞がシャペロンを産生しない、請求項60に記載の宿主細胞。
【請求項63】
宿主細胞が請求項61または62に記載の宿主細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項64】
請求項1に記載の工程 (b) が宿主細胞を非選択培地、例えば、濃縮培地または複合培地中で培養することを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
下記の工程を含んでなる、必要な組換えタンパク質を製造する方法: プラスミドを含んでなる宿主細胞を準備し、前記プラスミドは宿主細胞の生存可能性に対して必須であるシャペロン ( 「必須シャペロン」 ) をコードする第1 組換え遺伝子を含んでなりそしてここで、前記プラスミドの非存在下に、宿主細胞は必須シャペロンを産生することができず、前記宿主細胞は必要に応じて請求項44〜50または60〜62のいずれかに記載の宿主細胞であり、そしてさらに宿主細胞は所望のタンパク質をコードする遺伝子を含んでなり; 必須シャペロンおよび所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養し; そして必要に応じてこうして発現された所望のタンパク質を培養した宿主細胞または培地から単離し; そして必要に応じてこうして単離された所望のタンパク質を商業的に許容される純度に精製し; そしてさらに必要に応じて、こうして精製されたタンパク質を凍結乾燥するか、あるいは精製された所望のタンパク質を担体または希釈剤 (例えば、薬学上許容される担体または希釈剤) と配合し; そして必要に応じてこうして配合された所望のタンパク質を単位投与形態で提供する。
【請求項66】
宿主細胞を培養する工程が非選択培地、例えば、複合培地または濃縮培地中で宿主細胞を培養することを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法:
(a) 請求項44〜50のいずれかに記載の宿主細胞を準備し、そして
(b) 必須シャペロンおよび所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養する。
【請求項68】
宿主細胞が請求項51〜59のいずれかに記載のプラスミドを含んでなる、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
請求項67に記載の工程 (b) が宿主細胞を非選択培地、例えば、濃縮培地または複合培地中で培養することを含む、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
ポリヌクレオチドをプラスミド中に組込んで修飾されたプラスミドを産生することによって宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させるために、宿主細胞の生存可能性に対して必須であるシャペロン (「必須シャペロン」) をコードする配列を含んでなるポリヌクレオチドの使用であって、ここで宿主細胞はプラスミドの非存在下に必須シャペロンを産生することができない、前記使用。
【請求項71】
宿主細胞を非選択的条件下に、例えば、濃縮培地または複合培地中で培養するとき、宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させるための、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
プラスミドが2μmファミリープラスミドである、請求項70または71に記載の使用。
【請求項73】
プラスミドが所望の異種タンパク質、例えば、請求項15〜21のいずれかに記載の所望の異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなる、請求項70〜72のいずれかに記載の使用。
【請求項74】
必須シャペロンが真核生物シャペロンである、請求項70〜73のいずれかに記載の使用。
【請求項75】
必須シャペロンが酵母シャペロンである、請求項70〜73のいずれかに記載の使用。
【請求項76】
必須シャペロンが酵母シャペロンであり、前記酵母シャペロンがCCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、ERO1、HSP10、HSP60、PDI1、CDC37、KAR2、MGE1、MRS11、NOB1、SSC1、PSE1、TIM9、PAM18またはTCP1から選択される遺伝子によりコードされるタンパク質の配列またはこれらの任意の1つの変異型またはフラグメントを含んでなる、請求項70〜73のいずれかに記載の使用。
【請求項77】
必須タンパク質がシャペロン、例えば、タンパク質ジサルファイドイソメラーゼまたはPse1pである、請求項70〜73のいずれかに記載の使用。
【請求項78】
同時に宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させかつタンパク質産物を産生する宿主細胞の能力を増加させるための、請求項70〜77のいずれかに記載の使用。
【請求項79】
タンパク産物が内因的にコード化されたタンパク質または異種タンパク質、例えば、請求項15〜21のいずれかに記載の異種タンパク質である、請求項78に記載の使用。
【請求項80】
タンパク産物が宿主細胞の染色体中に組込まれた組換え遺伝子によりコードされる異種タンパク質である、請求項79に記載の使用。
【請求項81】
タンパク産物が宿主細胞中のプラスミド上に存在する組換え遺伝子によりコードされる異種タンパク質である、請求項79に記載の使用。
【請求項82】
異種タンパク質をコードする組換え遺伝子を含んでなるプラスミドが必須シャペロンをコードするポリヌクレオチドを含んでなる修飾されたプラスミドと同一である、請求項81に記載の使用。
【請求項83】
宿主細胞が細菌または酵母の宿主細胞である、請求項44〜82のいずれかに記載の宿主細胞、プラスミドまたは方法または使用。
【請求項84】
宿主細胞が酵母細胞、必要に応じて下記のメンバーである請求項83に記載の宿主細胞、プラスミドまたは方法または使用: サッカロマイセス (Saccharomyces) 、クライベロマイセス (Kluyveromayces) 、アルクスラ (Arxula) 、ヤロウィア (Yarrowia) 、カンジダ (Candida) 、シゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) 、デバリオマイセス (Debaryomyces) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) 、ゲオトリクム (Geotrichum) 、アシュブヤ (Ashbya) 、ホルテア (Hortaea) 、シュワンニオマイセス (Schwanniomyces) 、トリコスポロン (Trichosporon) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) 、またはピキア (Pichia) 属、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 、 クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) 、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) 、ピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) 、ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) 、ジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) 、ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) 、クライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) 、ピキア・メタノリカ (Pichia methanolica) 、ハンゼヌラ・ポリモルファ (Hansenula polymorpha) (また、ピキア・アウグスタ (Pichia augusta) として知られている) 、アルクスラ・アデニニボランス (Arxula adeninivorans) 、ヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 、カンジダ・ボイディニイ (Candida boidinii) 、カンジダ・ウチリス (Candida utilis) またはシゾサッカロマイセス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 。
【請求項85】
プラスミドが2μmファミリープラスミドであり、そして下記の条件を満足する、請求項84に記載の宿主細胞、プラスミド、方法または使用:
(a) プラスミドはpSR1、pSB3またはpSB4に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) であり、
(b) プラスミドはpSB1またはpSB2に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) であり、
(c) プラスミドがpSM1に基づき、そして宿主細胞はジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) であり、
(d) プラスミドがpKD1であり、そして宿主細胞はクライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) であり、
(e) プラスミドがpPM1に基づき、そして宿主細胞はピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) であるか、あるいは
(f) プラスミドが2μmファミリープラスミドに基づき、そして宿主細胞はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはストレプトマイセス・カールスバーゲンシス (Streptomyces carlsbergensis) である。
【請求項86】
プラスミドが2μmのプラスミドに基づき、そして宿主細胞がサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはストレプトマイセス・カールスバーゲンシス (Streptomyces carlsbergensis) である、請求項85に記載の宿主細胞、プラスミド、方法または使用。
【請求項87】
宿主細胞内のポリヌクレオチド配列の発現により宿主細胞中の所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) の発現を増加させるために、シャペロンをコードするコーディング配列に作用可能に接続されているプロモーター配列を含んでなるポリヌクレオチドの使用であって、ここでプロモーターはコーディング配列がその天然に存在するプロモーターに作用可能に接続されている場合に達成されるよりも低いレベルのシャペロンの発現を達成することを特徴とし、必要に応じてここで前記使用は請求項70〜82のいずれかに記載の使用である、前記使用。
【請求項88】
下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法:
(a) シャペロンをコードするコーディング配列に作用可能に接続されているプロモーター配列を含んでなる組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、ここでプロモーターはコーディング配列がその天然に存在するプロモーターに作用可能に接続されている場合に達成されるよりも低いレベルのシャペロンの発現を達成することを特徴とし、そして宿主細胞は所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子、例えば、組換え遺伝子をさらに含んでなり、そして
(b) シャペロンおよび所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培養し、
必要に応じて前記方法は前記請求項のいずれか一つに記載の方法である。
【請求項89】
工程 (b) において産生された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を精製し、そして必要に応じてこうして精製されたタンパク質を凍結乾燥する工程をさらに含んでなる、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
精製されたまたは凍結乾燥された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を担体または希釈剤と配合する工程をさらに含んでなる、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
こうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する工程をさらに含んでなる、請求項90に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2008−525007(P2008−525007A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547668(P2007−547668)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2005/005085
【国際公開番号】WO2006/067511
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507205416)ノボザイムス デルタ リミティド (3)
【Fターム(参考)】