説明

遺伝子発現技術

本発明は、DnaJ様タンパク質 (例えば、JEM1)、Hsp70ファミリーのタンパク質 (例えば、LHS1) およびSIL1から選択される2種またはそれ以上のヘルパータンパク質を過剰発現するように宿主細胞は遺伝的に修飾されており、ここで過剰発現された2種またはそれ以上のヘルパータンパク質の少なくとも1種はJEM1、LHS1およびSIL1から選択され、そしてDnaJ様タンパク質はSCJ1ではないことを特徴とする、選択したタンパク質生成物の産生の増強に適当な宿主細胞を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
DnaJ様タンパク質 (例えば、JEM1)、Hsp70ファミリーのタンパク質 (例えば、LHS1) およびSIL1から選択される2種またはそれ以上のヘルパータンパク質を過剰発現するように宿主細胞が遺伝的に修飾されており、ここで過剰発現される2種またはそれ以上のヘルパータンパク質の少なくとも1種はJEM1、LHS1およびSIL1から選択され、そしてDnaJ様タンパク質はSCJ1ではないことを特徴とする、選択されたタンパク質生成物の産生の増強に適当な宿主細胞。
【請求項2】
下記を過剰発現するように、宿主細胞を遺伝的に修飾されている、請求項1に記載の宿主細胞:
(a) DnaJ様タンパク質およびHsp70ファミリーのタンパク質; または
(b) DnaJ様タンパク質およびSIL1; または
(c) Hsp70ファミリーのタンパク質およびSIL1。
【請求項3】
3種またはそれ以上のヘルパータンパク質を過剰発現するように宿主細胞は遺伝的に修飾されており、ここで3種またはそれ以上のヘルパータンパク質はDnaJ様タンパク質、Hsp70ファミリーのタンパク質およびSIL1を含んでなり、そしてDnaJ様タンパク質はSCJ1ではないことを特徴とする、選択されたタンパク質生成物の産生の増強に適当な宿主細胞。
【請求項4】
Hsp70ファミリーのタンパク質がER内腔に局在化するタンパク質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項5】
Hsp70ファミリーのタンパク質が原核生物のHsp70ファミリーのタンパク質ではなく、そして好ましくは真核生物 (例えば、酵母) のHsp70ファミリーのタンパク質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項6】
Hsp70ファミリーのタンパク質がLHS1、KAR2、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSE1、SSE2、SSB1、SSB2またはECM10、好ましくはLHS1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項7】
DnaJ様タンパク質がER膜に局在化するタンパク質である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項8】
DnaJ様タンパク質が原核生物のDnaJ様タンパク質ではなく、そして好ましくは真核生物 (例えば、酵母) のHsp70ファミリーのタンパク質である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項9】
DnaJ様タンパク質がJEM1、MDJ1、MDJ2、SEC63、YDJ1、XDJ1、APJ1、SIS1、DJP1、ZUO1、SWA2、JJJ1、JJJ2、JJJ3、CAJ1、CWC23、PAM18、JAC1、JID1、SCJ1、HLJ1およびERJ5、好ましくはJEM1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項10】
ERO1、ERV2、EUG1、MPD1、MPD2、EPS1およびPDI1から成る群から選択される他のタンパク質中のジスルフィド結合形成に関係する少なくとも1、2、3、4、5、6または7つのタンパク質を過剰発現するように宿主細胞がさらに遺伝的に修飾されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項11】
宿主細胞がJEM1、LHS1またはSIL1から選択される第1ヘルパータンパク質をコードする第1遺伝子またはその変異型と、選択された必要なタンパク質生成物をコードする第2遺伝子とを含んでなり、そして宿主細胞が第1ヘルパータンパク質を過剰発現するように遺伝的に修飾されており、そして下記の条件を満足することを特徴とする、選択されたタンパク質生成物の産生の増強に適当な宿主細胞:
(a) 第1遺伝子および第2 遺伝子の両方は宿主細胞内の同一2μm-ファミリープラスミド上に存在しない; および
(b) 宿主細胞は第1ヘルパータンパク質と異なるそれ以上のヘルパータンパク質を過剰発現するように遺伝的に修飾されていず、そしてそれ以上のヘルパータンパク質がAHA1、CCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、CPR3、CPR6、ERO1、EUG1、FMO1、HCH1、HSP10、HSP12、HSP104、HSP26、HSP30、HSP42、HSP60、HSP78、HSP82、JEM1、MDJ1、MDJ2、MPD1、MPD2、PDI1、PFD1、ABC1、APJ1、ATP11、ATP12、BTT1、CDC37、CPR7、HSC82、KAR2、LHS1、MGE1、MRS11、NOB1、ECM10、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSC1、SSE2、SIL1、SLS1、ORM1、ORM2、PER1、PTC2、PSE1、UBI4およびHAC1; またはトランケート無イントロンHAC1から成る群から選択される。
【請求項12】
宿主細胞がそれ以上のヘルパータンパク質をコードする遺伝子の組換えコピー、例えば、プラスミドコード化コピー、または染色体的に組込まれた組換えコピーを含まない、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
第1ヘルパータンパク質が宿主細胞により過剰発現される唯一のヘルパータンパク質である、請求項11または12に記載の宿主細胞。
【請求項14】
選択されたタンパク質生成物が異種タンパク質でありそして/または、好ましくは酵母において、分泌を引き起こすために有効であるリーダー配列を含んでなる、先行する請求項のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項15】
選択されたタンパク質生成物が真核生物のタンパク質、またはそのフラグメントまたは変異型、好ましくは脊椎動物または真菌 (例えば、酵母) のタンパク質である、請求項1〜14のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項16】
選択されたタンパク質生成物が商業的に有用なタンパク質である、請求項1〜15のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項17】
選択されたタンパク質生成物が下記を含んでなる、請求項1〜16のいずれかに記載の宿主細胞: アルブミン、モノクローナル抗体、エトポシド、血清タンパク質 (例えば、血液凝固因子)、アンチスタシン、ダニ抗凝固タンパク質、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリン、または免疫グロブリンに基づく分子またはいずれかのフラグメント (例えば、dAb、Fab'フラグメント、F(ab’)2、scAb、scFvまたはscFvフラグメント)、クニッツドメインタンパク質 (例えば、アプロチニンおよびアミロイド前駆体タンパク質)、インターフェロン (例えば、インターフェロンα種および亜種、インターフェロンβ種および亜種、インターフェロンγ種および亜種)、インターロイキン (例えば、IL10、IL11およびIL12)、レプチン、CNTFおよびそのフラグメント (例えば、CNTFAX15` (AxokineTM))、IL1レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、プロサプチド、シアノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、副甲状腺ホルモン、プロインスリン、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、下記を包含するが、これらに限定されないプレ形態および活性形態の両方の凝固因子: プラスミノゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、因子VII、因子VIII、因子IX、因子Xおよび因子XIII、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF)、グルコースオキシダーゼ、血清コリンエステラーゼ、インターαトリプシンインヒビター、アンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、または上記のいずれかの変異型またはフラグメント、またはアルブミンと上記のいずれかとの融合物。
【請求項18】
選択されたタンパク質生成物がアルブミンまたはその変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、請求項1〜16のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項19】
選択されたタンパク質生成物がトランスフェリンファミリーのメンバー、好ましくはトランスフェリンまたはラクトフェリン、またはそれらの変異型またはフラグメントの配列を含んでなる、請求項1〜16のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項20】
選択されたタンパク質生成物が他のタンパク質の配列に直接的または間接的に融合した、融合タンパク質、例えば、アルブミンまたはトランスフェリンファミリーのメンバーまたはいずれかの変異型またはフラグメントを含んでなる、請求項1〜16のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項21】
選択されたタンパク質生成物をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1〜22のいずれかに記載の宿主細胞。
【請求項22】
選択されたタンパク質生成物をコードするポリヌクレオチド配列が外因的ポリヌクレオチドである、請求項21に記載の宿主細胞。
【請求項23】
外因的ポリヌクレオチドが宿主細胞の染色体中に組込まれている、請求項22に記載の宿主細胞。
【請求項24】
外因的ポリヌクレオチドが宿主細胞中に複製可能なベクター、例えば、プラスミドの一部分として存在する、請求項22に記載の宿主細胞。
【請求項25】
下記工程を含んでなる、選択されたタンパク質生成物を製造する方法:
(a) 請求項21〜24のいずれかに記載の宿主細胞を準備し、そして
(b) 宿主細胞を増殖させ、
これにより、同一条件下に、1種または2種以上のヘルパータンパク質を過剰発現させるように遺伝的に修飾されていない同一宿主細胞を増殖することによって達成される選択したタンパク質生成物の産生レベルに比較して、増加したレベルで選択したタンパク質生成物を含んでなる細胞培養物または組換え生物を産生する。
【請求項26】
宿主細胞を増殖させる工程が培地中で宿主細胞を培養することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
こうして発現された選択したタンパク質生成物を培養した宿主細胞、組換え生物または培地から精製する工程をさらに含んでなる、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
精製された選択したタンパク質生成物を担体または希釈剤と配合し、必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する工程をさらに含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
こうして精製された選択したタンパク質生成物を凍結乾燥する工程をさらに含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
ポリヌクレオチドが下記を含んでなるリストから選択されるヘルパータンパク質をコードする配列を含んでなる、前記ポリヌクレオチドで宿主細胞を形質転換することによる、請求項1~24のいずれかに記載の宿主細胞の調製におけるポリヌクレオチドの使用:
(a) DnaJ様タンパク質 (例えば、請求項7~9のいずれかに記載のDnaJ様タンパク質)、Hsp70ファミリーのタンパク質 (例えば、請求項4~6のいずれかに記載のHsp70ファミリーのタンパク質) およびSIL1から選択されるシャペロン、そしてここでDnaJ様タンパク質はSCJ1ではない; および
(b) ERO1、ERV2、EUG1、MPD1、MPD2、EPS1およびPDI1から成る群から選択されるジスルフィド結合形成に関係するタンパク質。
【請求項31】
ポリヌクレオチドが請求項14~20のいずれかに記載の選択したタンパク質生成物をコードする配列を含んでなる、前記ポリヌクレオチドで請求項1~20のいずれかに記載の宿主細胞を形質転換することよる、請求項1~24のいずれかに記載の宿主細胞の調製におけるポリヌクレオチドの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2008−543323(P2008−543323A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517592(P2008−517592)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002289
【国際公開番号】WO2006/136831
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507205416)ノボザイムス デルタ リミティド (3)
【出願人】(501038322)ユニバーシティ オブ ノッティンガム (10)
【Fターム(参考)】