説明

遺体の体腔封止部材、及び遺体処理装置

【課題】 本発明は、従来より簡便、かつ効果的に遺体の直腸を封じられる遺体の体腔封止部材を提供するとともに、同体腔封止部材を使用した遺体処理装置の提供を課題とする。
【解決手段】 壁面に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に、水分を吸収して膨張しゲル化する吸水膨潤性物質を封入してなる遺体の体腔封止部材と、両端に開口部を有する筒状に形成され、前記遺体の体腔封止部材を収容するとともに、前記遺体の体腔封止部材を遺体の肛門から直腸内に案内する案内部材と、上記案内部材の一方端開口部から挿入され、該案内部材に収容された上記遺体の体腔封止部材を他端開口部から押し出す棒状の押出部材とで構成された遺体処理装置による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺体を処理する際に使用される遺体処理装置に係り、特に遺体の体腔から体内物が漏出するのを抑制する遺体の体腔封止部材、及び同部材を使用した遺体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は死後、体腔各部の筋肉が弛緩し、体腔から体内物が漏出することが多く、この体内物の漏出は衛生的に好ましくなく、また、遺体の搬送作業等に悪影響を与えることになる。したがって、従来から体腔封止部材によって遺体の体腔を封止し、体内物の漏出を抑制することが行われている。そして前記体腔封止部材を遺体の体腔各部に挿入する様々な遺体処理装置が提案されている。
例えば、特開2007−19148号公報には、
「遺体の体内物が肛門から漏出するのを抑制するように構成された遺体の処理装置であって、繊維を柱状に形成してなり、吸水して膨張する柱状体と、吸水してゲル化する吸水性粉末と、両端に開口部を有する筒状に形成され、上記柱状体及び吸水性粉末を収容するとともに、該柱状体及び吸水性粉末を遺体の肛門から直腸内に案内する案内部材と、上記案内部材の一端部に離脱可能に設けられた一端開口部の閉塞部材と、上記案内部材の他端開口部から挿入され、該案内部材に収容された上記柱状体及び吸水性粉末を一端開口部から押し出す棒状の押出部材とを備え、上記吸水性粉末は、上記案内部材内において上記柱状体よりも一端開口部側に収容されている」遺体の処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−19148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の遺体処理装置も、従来体腔封止部材の柱状体を処置者が指で押し込んで処理していたことによる不具合、例えば挿入途中で柱状体の形状が崩れて所定の位置に挿入できず封止作用が低下したり、処置現場での挿入作業が敬遠されたりするのを、器具によって肛門から直腸内に案内できるようにして解消したものであり、高吸水性多孔質繊維からなる柱状体を使用して体内物の水分を吸収させ、繊維の膨張によって柱状体の直径を拡大させて直腸内壁に密着させ、肛門からの体内物の漏出を封じることに変わりはない。そして、柱状体とは別に直腸内の水分を吸収してゲル化する吸水性粉末が、封止効果をより高めてはいるが、案内部材内で柱状体より一端開口部側に収容されるため、使用前に吸水性粉末が一端開口部から外部に出てしまうのを防止することから前記一端開口部を閉塞部材で閉塞する必要がある。
このため、特許文献1の遺体処理装置は、案内部材内にその一端開口部側から、閉塞部材、吸水性粉末、柱状体、押出部材の順に挿入して形成される。したがって、製造に手間がかかり、特に閉塞部材の挿入時には、吸水性粉末が一端開口部から外部に出る隙間が生じないように注意することが肝要となってくる。
本発明は、遺体の体腔封止部材(前記柱状体)の構成を変えることによって、体腔封止部材のみを案内部材内に収容し、従来より効果的に直腸を封じられる体腔封止部材を提供するとともに、同体腔封止部材を使用した遺体処理装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記課題を下記の手段により解決した。
(1)遺体の体内物が体腔から漏出するのを抑制するために体腔内に挿入する封止部材であって、壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に、水分を吸収して膨張する吸水膨潤性物質を封入してなることを特徴とする遺体の体腔封止部材。
(2)吸水膨潤性物質が、粉粒体であることを特徴とする前項(1)に記載の遺体の体腔封止部材。
(3)容器の通水性細孔の孔径が、前記粉粒体の粒径より小さいことを特徴とする前項(2)に記載の遺体の体腔封止部材。
(4)容器の通水性細孔の孔径が、5μm〜500μmであることを特徴とする前項(2)又は(3)に記載の遺体の体腔封止部材。
(5)吸水膨潤性物質が、ゲル状体であることを特徴とする前項(1)に記載の遺体の体腔封止部材。
(6)吸水膨潤性物質が、シャーベット状をなすものであることを特徴とする前項(1)に記載の遺体の体腔封止部材。
【0005】
(7)容器が、膨張性を有する網体よりなるものであることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(8)容器が、膨張性を有する不織布からなるものであることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(9)容器が、ゴム製のものであることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(10)容器が、ポリウレタン製のものであることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(11)容器が、その胴部が中空円筒形状のものであることを特徴とする前項(1)〜(10)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(12)容器が、その胴部が中空紡錘形状のものであることを特徴とする前項(1)〜(10)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(13)容器が、その胴部が中空砲弾形状のものであることを特徴とする前項(1)〜(10)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【0006】
(14)吸水性膨潤性物質が、高吸水性樹脂であることを特徴とする前項(1)〜(13)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
(15)容器内に、吸水膨潤性物質の他に繊維材又はフレーク材が封入されていることを特徴とする前項(1)〜(14)のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【0007】
(16)遺体の体内物が肛門から漏出するのを抑制するように構成された遺体処理装置であって、
壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に、水分を吸収して膨張する吸水膨潤性物質を封入してなる遺体の体腔封止部材と、
両端に開口部を有する筒状に形成され、上記遺体の体腔封止部材を収容するとともに、該遺体の体腔封止部材を遺体の肛門から直腸内に案内する案内部材と、
上記案内部材の一方端開口部から挿入され、該案内部材に収容された上記遺体の体腔封止部材を他端開口部から押し出す棒状の押出部材と
を備えてなることを特徴とする遺体処理装置。
(17)前記案内部材が、その一方端開口部に案内部材の径方向内側に押出部材の脱落防止突起部を突設してなることを特徴とする前項(16)に記載の遺体処理装置。
(18)前記案内部材が、その外周面に肛門に当接する鍔部を設けてなることを特徴とする前項(16)又は(17)に記載の遺体処理装置。
(19)遺体の体腔封止部材が、前項(1)〜(15)のいずれか1項に記載されたものであることを特徴とする前項(16)〜(18)のいずれか1項に記載の遺体処理装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遺体の体腔封止部材及び遺体処理装置によれば、
遺体の体腔から体内物が漏出するのを抑制するために遺体の体腔内に挿入する体腔封止部材が、水分を吸収して膨潤(膨張しゲル化)する吸水膨潤性物質を、壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に封入して形成されるので、構造が簡単で製作しやすく、取り扱い時に吸水膨潤性粉粒体が容器外へ飛び出して放散することがなく、
また、筒状に形成された案内部材内への挿入物が、前記体腔封止部材のみなので、遺体処理装置の製造工程が簡略となり、製品の低廉化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の遺体の体腔封止部材及び遺体処理装置の実施に形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は体腔封止部材の断面図で、(a)は開口部の無い円筒形状の容器、(b)は紡錘形状の容器、(c)は砲弾形状容器を用いたものであり、図2は遺体処理装置の構造(一部断面)図、図3は図2に示す押出部材のA−A断面図、図4は遺体処理装置の使用要領の説明図で(a)は案内部材を肛門に挿入した状態、(b)は体腔封止部材が直腸内に挿入された状態、(c)は体腔封止部材が膨張し直腸を封じた状態を示したものである。
図において1は体腔封止部材、2は容器、3は吸水膨潤性物質、10は遺体処理装置、11は案内部材、11aは一方端開口部、11bは他端開口部、12は押出部材、12aは棒材、12b、12b’は円板部材、12cは円板状部材、13は脱落防止突起部、14は羽状部、15は鍔部、16はフランジ、Aは肛門、Bは直腸を示す。
【0010】
本発明の遺体の体腔封止部材1は、図1に示すように、壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い中空円筒形状〔(図1(a)〕、中空紡錘形状〔(図1(b)〕、あるいは中空弾丸形状〔(図1(c)〕をなす容器内2に、水分を吸収して膨張しゲル化する吸水膨潤性物質3を封入したものであって、該体腔封止部材1が遺体の体腔内に挿入されると、体内物の水分が壁部に多数の通水性細孔を有する容器2の細孔から容器2内に浸透し、容器2内に封入された吸水膨潤性物質3に吸収され、該吸水膨潤性物質3が膨潤することによって膨張性を持つ容器2も膨張し、遺体の体腔内壁に密着して体内物の体腔外への漏出を防止する。
前記吸水膨潤性物質3は、粉粒体、ゲル状体、又はシャーベット状態のものであってよく、前記容器2内に封入する吸水膨潤性物質3が粉粒体の場合には、前記容器2の多数の通水性細孔の孔径が、封入する粉粒体の粒子の粒径より小さく形成され、その素材としては焼却可能な繊維で編まれた網体、不織布、あるいはゴム製、ポリウレタン製のものであることが好ましい。
また、前記吸水膨潤性物質3としては、本実施形態では水を吸収してゲル化し、ゲル化した後には水に溶けないアクリル性系高分子架橋体を用いているが、それに限られるものでなく吸水した水を離水させない樹脂、例えばデンプン/アクリル酸塩グラフト共重合体、デンプン/アクリロニトルグラフト共重合体、ポリエチレンオキシド架橋体等を用いることもできる。
前記容器2内に、吸水膨潤性物質3の他に繊維材、又はフレーク材が封入されてよく、また、前記吸水膨潤物質3に消臭及び病原菌の滅衰効果を有する安定化二酸化塩素を混合してもよく、さらに、消臭剤や殺菌剤、防腐剤を混合してもよい。
なお、前記吸水膨潤性物質3に粉粒体を用いる場合には、その粒子の大きさが40メッシュ以上150メッシュ以下とされていることから、前記容器3壁部の多数の通水性細孔の孔径は50μm〜500μmが好ましい。
【0011】
前記体腔封止部材1を用いた遺体処理装置10は、図2に示すように、
両端に開口部を有する筒状に形成された案内部材11と、該案内部材11に収容された前記遺体の体腔封止部材1と、前記案内部材の一方端開口部11aから挿入され他端開口部11bから押し出す棒状の押出部材12とで構成されている。
【0012】
前記案内部材11は、図2に見られるように、樹脂材を円筒状に形成されたものであり、その大きさは、例えば大人の肛門の形状に対応しており、具体的には、軸方向の寸法は85mm以上100mm以下、内径は20mm以上23mm以下に設定されており、案内部材の肉厚は約0.5mmに設定されている。
そして、前記案内部材11には、その一方端開口部11aに、案内部材11に挿入された押出部材12が案内部材11から抜け落ちるのを防止するための脱落防止突起部13が、前記案内部材11の内壁に突設されている、また、前記案内部材11の他端開口部11bの周縁には、該他端開口部11bの径方向中心に向かって湾曲して延びる複数の羽状部14が設けられ、前記案内部材11を肛門に挿入しやすくされている。前記羽状部14は、前記体腔封止部材1が案内部材11から押し出されるときにはその圧力によってその先端が案内部材11の軸方向に向かって開き、体腔封止部材1の体腔内への挿入を妨げないようになっている。
さらに、前記案内部材11の外周面に肛門に当接して案内部材11の肛門内への挿入量を適切な長さ(数十mm)とす鍔部15を設け、前記体腔封止部材を直腸内の所定位置に確実に配置できるようにすることも好ましい。また、この鍔部15に替えてその位置に目盛りを付したり、案内部材11を構成する樹脂材と異なる色を塗布しておくことも好ましい。また、前記案内部材11の一端開口部11aの外周面にフランジ16を設け、遺体処理装置10の使用時に前記案内部材11を把持しやすくしておくことも好ましい。
【0013】
前記押出部材12は、棒材12aと、棒材12aの両端にそれぞれ設けられた円板部材12b、12b’と、案内部材11内に挿入される側の端部の円板部材12b’から所定間隔を離れた位置の棒材12aの外周面に設けられた円板状部材12cと、で構成され、前記案内部材11内に挿入される側の端部の円板部材12b’から所定間隔を離れた位置の棒材12aの外周面に設けられた円板状部材12cの外径が、案内部材11の内径とほぼ同じで、前記円板部12bと円板状部12cとが案内板内壁に摺設して移動することによって押出部材12の滑らかな押出動作を可能にしている。
前記棒材12は、本実施の形態では図3に示すように、そのA−A断面が十字形をなしているが、特にその形状に限られるものではなく、所要の強度、使い勝手、製造の容易さや使用素材量等を勘案して好ましい形状の採用を妨げるものではない。
【0014】
次に図4に基づいて、本発明の遺体処理装置の使用要領を説明する。
まず図4(a)に示すように、案内部材11の外面に潤滑剤を塗布した後、該案内部材11の他端開口部11b側を、鍔部15が肛門Aに当接するまで数十mm挿入する。その後、押出部材12を押して体腔封止部材1に押圧力を加えると、該体腔封止部材1の先端が案内部材11の他端開口部11bの周縁に設けた羽状部14を案内部材11の軸方向に向かって開き、前記体腔封止部材が直腸内Bに出て、図4(b)に示すように、案内部材11から離脱する。
前記体腔封止部材1を直腸内に挿入した後に案内部材11を肛門Aから引き抜き、処置が完了する。
直腸内に挿入された体腔封止部材1は、前述したように、体内物の水分が、壁部に多数の通水細孔を有する容器2の通水細孔から容器2内に浸透し、容器2内に封入された吸水膨潤性物質3に吸収され、図4(c)に示すように、吸水膨潤性物質3が膨張することによって膨張性を有する開口部の無い容器2も膨張して直腸Bの内壁に密着して直腸Bが封じられる。
前記体腔封止部材1の容器2内に収容された吸水膨潤性物質3には、吸水するとゲル化し、ゲル化した後には離水しない素材が用いられているので、前記体腔封止部材1によって直腸Bが封じられた後は、体内物の肛門Aからの漏出が防止できる。
【0015】
本発明の遺体の体腔封止部材1、及び遺体処理装置10については、肛門Aから直腸B内に挿入して、体内物が肛門Aから漏出するのを防止するものとし、またその大きさも大人の肛門Aに対応したものとして説明したが、その形状や大きさは、体格や性別によって変えられてよく、子供の遺体や、女性の遺体の膣からの漏出体内物に対応できるものが作られてよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】体腔封止部材の断面図(a)開口部の無い円筒形状の体腔封止部材、(b)紡錘形状の体腔封止部材、(c)砲弾形状の体腔封止部材
【図2】遺体処理装置の構造(一部断面)図
【図3】押出部材のA−A断面図
【図4】遺体処理装置の使用要領の説明図(a)案内部材を肛門に挿入した状態、(b)体腔封止部材が直腸内に挿入された状態、(c)体腔封止部材が膨張し直腸を封じた状態
【符号の説明】
【0017】
1:体腔封止部材
2:容器
3:吸水膨潤性物質
10:遺体処理装置
11:案内部材
11a:一方端開口部
11b:他端開口部
12:押出部材
12a:棒材
12b、12b’:円板部材
12c:円板状部材
13:脱落防止突起部
14:羽状部
15:鍔部
16:フランジ
A:肛門
B:直腸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺体の体内物が体腔から漏出するのを抑制するために体腔内に挿入する封止部材であって、壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に、水分を吸収して膨張する吸水膨潤性物質を封入してなることを特徴とする遺体の体腔封止部材。
【請求項2】
吸水膨潤性物質が、粉粒体であることを特徴とする請求項1に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項3】
容器の通水性細孔の孔径が、前記粉粒体の粒径より小さいことを特徴とする請求項2に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項4】
容器の通水性細孔の孔径が、5μm〜500μmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項5】
吸水膨潤性物質が、ゲル状体であることを特徴とする請求項1に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項6】
吸水膨潤性物質が、シャーベット状をなすものであることを特徴とする請求項1に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項7】
容器が、膨張性を有する網体よりなるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項8】
容器が、膨張性を有する不織布からなるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項9】
容器が、ゴム製のものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項10】
容器が、ポリウレタン製のものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項11】
容器が、その胴部が中空円筒形状のものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項12】
容器が、その胴部が中空紡錘形状のものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項13】
容器が、その胴部が中空砲弾形状のものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項14】
吸水性膨潤性物質が、高吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項15】
容器内に、吸水膨潤性物質の他に繊維材又はフレーク材が封入されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の遺体の体腔封止部材。
【請求項16】
遺体の体内物が肛門から漏出するのを抑制するように構成された遺体処理装置であって、
壁部に多数の通水性細孔を有し、膨張性を有する開口部の無い容器内に、水分を吸収して膨張する吸水膨潤性物質を封入してなる遺体の体腔封止部材と、
両端に開口部を有する筒状に形成され、上記遺体の体腔封止部材を収容するとともに、該遺体の体腔封止部材を遺体の肛門から直腸内に案内する案内部材と、
上記案内部材の一方端開口部から挿入され、該案内部材に収容された上記遺体の体腔封止部材を他端開口部から押し出す棒状の押出部材と
を備えてなることを特徴とする遺体処理装置。
【請求項17】
前記案内部材が、その一方端開口部に案内部材の径方向内側に、押出部材の脱落防止突起部を突設してなることを特徴とする請求項16に記載の遺体処理装置。
【請求項18】
前記案内部材が、その外周面に肛門に当接する鍔部を設けてなることを特徴とする請求項16又は17に記載の遺体処理装置。
【請求項19】
遺体の体腔封止部材が、請求項1〜15のいずれか1項に記載されたものであることを特徴とする請求項17〜18のいずれか1項に記載の遺体処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−83790(P2010−83790A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253706(P2008−253706)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(500329906)
【Fターム(参考)】