説明

遺体面会システム

【課題】死亡後から葬儀や火葬までの間に任意の時間に遺体と面会することができるシステムを提供する。
【解決手段】遺体を納めた柩を保管するためのラックを備えた定温庫と、前記遺体に面会するための礼拝堂とを具備する遺体面会システムであって、前記定温庫の内部温度を一定に維持するための温度管理手段と、前記遺体と前記ラックとを関連付けたラック番号を含む故人情報を管理する情報管理手段と、前記故人情報を記憶するIDカードと、前記IDカード内の前記故人情報を読み取るための読み取り手段と、読み取った前記故人情報に基づき、前記ラック番号に該当する前記ラックに収容された柩を選択し、前記定温庫から前記礼拝堂へと搬送する搬送手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺体面会システムに係り、より詳細には、死亡後から葬儀や火葬までの間の任意の時間に遺体と面会することができるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一昔前までは、死亡した後から葬儀や火葬までの間は、病院から自宅に搬送して、自宅で遺体を安置することが少なくなかった。遺族や友人は、故人宅に訪問して故人との最後の別れをすることができた。また、通夜や葬式を自宅で行うことが一般的であった。
【0003】
しかし近年、マンションやアパートで暮らす人口が増えており、遺体を安置するような場所や葬儀のための場所を自宅に確保することが難しくなってきている。自宅に遺体を安置出来ない場合には、葬儀までの間、葬儀場で遺体を保管してもらうこともある。
また、最近では、高齢人口の増加に伴い、火葬までの待ち時間が長期化している傾向にある。自宅や葬儀場では、遺体の腐敗を防ぐため、ドライアイスを柩の中に敷き詰めるが、この方法では火葬までの長期間にわたって遺体を保管することに限界がある。そこで、長期間保管する場合や夏場には、冷蔵施設を備えた遺体安置所で遺体を保管することも最近では多くなってきている。
【0004】
このような現状の中、特許文献1では、遺体安置、通夜、葬儀、及び納骨までを1つの建物で行うことができる複合型葬祭施設を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−324140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遺体安置所では、上述のように遺体管理の面では優れている。しかし多くの遺体安置所では、葬儀当日まで遺族や友人等が遺体と面会することはできない。たとえば特許文献1では、遺体安置施設は葬儀会場とは完全に区切られており、通夜までの間、来場者と接触する機会はない。
【0007】
従来の遺体安置所でも、面会するためのいわゆる霊安室を設けている安置所もあるが、霊安室は一つの施設に一つか二つ設けられることが一般的であり、また、遺体と面会するためには、安置所職員が遺体を冷蔵庫から霊安室へ搬入する必要がある。従って、面会には事前予約が必要であることが多く、また、面会時間が遺体安置所の業務時間内に限られる。面会者は、職員が食肉用冷蔵庫のような保冷庫から遺体をストレッチャーにのせてカラカラ引き出す様子を見ることもあり、「人間」としてというよりも、「物」として扱われているかのような様子は、故人の尊厳や遺族への配慮に欠けるといわざるを得ない。
【0008】
そこで本発明は、優れた遺体管理を提供すると共に、故人の尊厳を保ち、さらに遺族や友人等が葬儀や通夜までの間の任意の時間に面会できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遺体を納めた柩を保管するためのラックを備えた定温庫と、前記遺体に面会するための礼拝堂とを具備する遺体面会システムであって、前記定温庫の内部温度を一定に維持するための温度管理手段と、前記遺体と前記ラックとを関連付けたラック番号を含む故人情報を管理する情報管理手段と、前記故人情報を記憶するIDカードと、前記IDカード内の前記故人情報を読み取るための読み取り手段と、読み取った前記故人情報に基づき、前記ラック番号に該当する前記ラックに収容された柩を選択し、前記定温庫から前記礼拝堂へと搬送する搬送手段とを具備することを特徴とする遺体面会システムである。
【0010】
また、前記搬送手段により、前記柩を前記礼拝堂から前記定温庫の前記ラック番号に該当する前記ラックまで戻すためのスイッチをさらに具備してもよい。
前記定温庫及び前記礼拝堂のうち少なくともいずれか一つは、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を霧状に散布するための空気洗浄手段を含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた遺体管理と共に、故人の尊厳を保ち、さらに遺族や友人等が葬儀や通夜までの間の任意の時間に面会できるシステムを提供することができる。
また、面会は全自動で行われるため、業者の手間を省くことが出来ると同時に、面会者としても職員の存在や面会時間等を気にせずに故人との最後のお別れをすることができ、さらに、面会者は施設の職員の手を借りずに、365日24時間、面会者の都合に合わせて面会することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の遺体面会システムの全体を示す図。
【図2】本発明の遺体面会システムのフローチャート。
【図3】ラックからパレットを抽出する動作を説明する図。
【図4】柩を搬送スタッカーに移動させる動作を説明する図。
【図5】柩をラックに収容する動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。なお以下では、何も入っていない状態の棺を「棺」とし、遺体が納められた棺を「柩」として定義する。
【0014】
まず、図1を参照しながら、本発明による遺体面会システムの全体を説明する。
遺体面会システム10は、大きく分けて、礼拝堂20と定温庫30とからなる。
【0015】
礼拝堂20は、遺族や友人等が遺体と面会するための部屋である。図1では礼拝堂20を2つ設ける例を示したが、施設の面積等に応じて、1つでもよいし、3つ以上でもよい。礼拝堂20を複数設けた場合、礼拝堂の数分の遺族が同時に面会することができ、面会までの待ち時間が少なくて済む。
礼拝堂20には、柩テーブル21と、焼香台22とが設置されており、礼拝堂自動扉23から面会者は出入りする。柩テーブル21上には、柩を搬出入するためのコロコンローラ210が挿設されており、後述する搬送コントローラ35によって制御される。
礼拝堂20内の壁面であって定温庫30側の壁面には、柩出入扉25が具設される。柩出入扉25は、搬送コントローラ35によって制御され、柩の搬送時以外は閉まっている。
【0016】
焼香台22には、面会者が焼香できるように、焼香器(図示せず)を設置したり、花を飾れるように花瓶(図示せず)を設置したりしてもよい。また、焼香台22には、後述する終了スイッチ24を具備することが好ましい。
【0017】
定温庫30は、遺体を保管するための倉庫であり、一定温度(好ましくは2〜5℃)に保たれている。当該温度管理は、温度コントローラ34によりなされる。温度コントローラ34は図1に示すように定温庫30の外部に設置されてもよいし、定温庫30の内部に設置されてもよい。また、定温庫30には、遺体腐敗の進行を防止するために、例えば次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と希塩酸(HCl)とを水で希釈した環境衛生水を天井付近から霧状に散布するための空気洗浄手段(図示せず)を設けてもよい。当該空気洗浄手段は、礼拝堂20内にも設けてもよい。
【0018】
定温庫30には、柩を収納するための複数のラック31と、柩をラック31から/へ搬出/入するための搬送スタッカー32と、搬送スタッカー32が移動するためのレール33とが設置されている。また、定温庫30の外部又は内部に、柩の搬送を制御する搬送コントローラ35が設けられている。
【0019】
ラック31は、図1に示すように水平方向に複数並列して配置され、好ましくは、さらに垂直方向に複数段で設置される。このように、一つの定温庫30内に立体的に複数のラック31を設けることにより、十数体から数十体の遺体を一つの定温庫30で保管することができ、一つの柩につき一つの冷蔵庫を使用していた従来技術に比べて、少ない面積でより多くの遺体を安置することができる。複数のラック31のそれぞれには、ラック番号が付与されている。
ラック31上及び搬送スタッカー32上には、前述した柩テーブル21のコロコンローラ210と同様のコロコンローラ310、320が挿設されており、搬送コントローラ35により制御される。
【0020】
礼拝堂20の外部には、後述するIDカード(図示せず)を挿入して読み込むためのカードリーダ50が設けられている。カードリーダ50は、1つの礼拝堂20につき1つ設けられ、それぞれの礼拝堂20に対応する。
【0021】
礼拝堂20に並行して、柩搬出入室40を設ける。柩搬出入室40には、柩搬出入テーブル41と、柩を定温庫30に搬出入する際に動作する柩出入扉45とが設けられる。
柩搬出入テーブル41上には、柩を搬出入するためのコロコンローラ410が挿設されており、搬送コントローラ35により制御される。柩出入扉45も、礼拝堂20の柩出入扉25と同様に、搬送コントローラ35により制御され、柩の搬送時以外は閉まっている。
柩搬出入室40への出入りは扉43から行うが、扉43は自動でもよく、手動でもよい。柩搬出入室40は、面会者は基本的に立ち入りできないようにし、施設の職員のみが入れるようにすることが好ましい。
【0022】
次に、図1及び図2を参照しながら、本発明の遺体面会システムの流れを説明する。
はじめに、面会の前段階として、遺体を預かってから安置するまでの流れ(S0−1,S0−2)を説明する。
まず、病院や自宅で亡くなり、遺体安置の依頼を受けたら、遺体を搬入し、棺に納める。
なお、遺体を棺に納める前に、体液等の漏出を防止するための吸水シーツ等に遺体を包み、棺に納めずにそのまま定温庫30で保管することもできる。納棺する前に、遺族が棺の種類を選んだり、湯灌処置を行ったりするためである。
【0023】
まず、柩または遺体を定温庫30のラック31に収容する(S0−1)。
図3乃至5を参照して、柩または遺体の搬送方法を説明する。
まず、ラック31の空き状況を記憶および更新する情報管理手段(図示せず)により、ラックの空き状況を確認し、柩または遺体を収容するラックを選択して予約を行う。すると、柩搬出入室40の制御盤(図示せず)に、先ほど予約したラックのラック番号が点滅するので、制御盤の「出庫」ボタンを押す。制御盤は搬送コントローラ35と連動しており、「出庫」ボタンを押すと、搬送スタッカー32が動作を開始し、該当するラック番号に対応するパレットが抽出される。「パレット」とは、好ましくはステンレスからなる皿状の板であり、柩または遺体を載せて移動するためのものである。以下、パレットがラック31から抽出される動作を、図3を参照して説明する。
【0024】
図3は、複数のラック31のうち2段目のラック31−2から、柩または遺体を搬送するためのパレットB−2を抽出するところを示す図である。
「出庫」ボタンを押すと、搬送コントローラ35の制御により、該当するラック31−2に搬送スタッカー32が移動してパレットB−2を抽出する。このとき、搬送スタッカー32は、まず水平方向に移動するための水平レール33aを伝ってラック31−1〜31−3がある列で停止し、次に垂直方向に移動するための垂直レール33bを伝って2段目のラック31−2の位置で停止する。
【0025】
そして、コロコンローラ310及び320の動作によって、パレットB−2がラック31−2から搬送スタッカー32へ移送される。搬送スタッカー32は、先ほどと逆の動作で垂直レール33b及び水平レール33a上を移動して柩搬出入室40の位置で停止する。搬送スタッカー32が柩搬出入室40の前で停止したことを受けて、柩出入扉45が自動で開き、柩搬出入テーブル41及び搬送スタッカー32のコロコンローラ410及び320の動作によりパレットB−2を柩搬出入テーブル41上に移動する。職員はパレットB−2の上に柩Aを載置する。遺体を棺に納めず収容する場合は、パレットB−2上に吸水シーツ等に包まれた遺体を載置する。
【0026】
図4は、パレットB−2に載置された柩Aまたは遺体を搬送スタッカー32に移動させるところを示す図である。なお、遺体を棺に納めずにラック31に収容する場合も同様の動作をするので、以下省略する。
柩搬出入室40内の制御盤にある「入庫」ボタンを押すことにより、柩搬出入テーブル41及び搬送スタッカー32のコロコンローラ410及び320が作動し、パレットB−2ごと柩Aを搬送スタッカー32上へ移動させる。
【0027】
図5は、パレットB−2に載置された柩Aをラック31−2に収容するところを示す図である。
搬送スタッカー32は、図3で説明したのと同様の動作で、ラック31−2まで移動する。搬送スタッカー32及びラック31−2のコロコンローラ320及び310の動作により、パレットB−2ごと柩Aを、予約したラック番号のラック31−2に収容する。
このように、柩や遺体の移動はパレットに載置されたまま行われる。また、各パレットはそれぞれ一つのラックに対応しており、例えばパレットB−2はラック31−2のためのみに用いられ、ラック31−1には用いられない。
ラック31、搬送スタッカー32及び柩搬出入テーブル41のコロコンローラ310,320及び410の動作、搬送スタッカー32の移動動作、並びに柩搬出入室40の柩出入扉45の開閉は、搬送コントローラ35により制御される。
【0028】
以上の動作により、柩または遺体は定温庫30内に搬入され、一定温度下で保管される。
遺体を棺に納めずに保管した場合、遺族が数種類ある棺の中から好みの棺を選択する時間を十分に確保することができ、また、遺族の要望により湯灌などの処置を行うことができる。棺が決まり湯灌等が完了したら、遺体を棺に納め、再度上記と同じ動作で柩をラック31に収容する。
【0029】
柩または遺体がラックに収容されたら、故人の氏名や住所等の情報を情報管理手段(図示せず)に入力する。また、柩または遺体を収容したラック31のラック番号と故人とを関連付ける(S0−2)。情報管理手段は、ラック番号及び氏名等を故人情報として記憶・管理する。
【0030】
次に、面会の流れ(S1〜S7)を説明する。
面会者はまず受付でIDカードを受け取る。IDカードには、情報管理手段により管理される、面会する遺体の故人情報が記憶されている。なお、IDカードは磁気等の接触式カードでもよいし、非接触式カードでもよい。
面会者は受け取ったIDカードをカードリーダ50に挿入する(S1)。
【0031】
カードリーダ50によってIDカード内の故人情報が読み取られると、搬送コントローラ35と連動し、該当する柩をラック31から抽出するため、搬送スタッカー32が動作を開始する(S2)。この動作は、図3で説明した、パレットをラックから抽出する動作と同様であるが、パレットの上に柩が載置されている点で相違する。
【0032】
搬送スタッカー32は、抽出した柩を、IDカードを挿入したカードリーダ50に対応する礼拝堂20へと搬入する(S3)。礼拝堂20の柩出入扉25は、搬送スタッカー32が礼拝堂20の前に移動したら開くようにしてもよいし、IDカードをカードリーダ50に挿入した時点で開くようにしてもよい。
柩出入扉25が開くと、搬送スタッカー32及び柩テーブル21のコロコンローラ320及び210の動作により、搬送スタッカー32から柩テーブル21上に柩を移動させる。
【0033】
柩の搬入が完了すると、礼拝堂自動扉23が開き(S4)、面会者が入場できるようになる(S5)。礼拝堂自動扉23は、搬送コントローラ35の制御により、柩の搬入が完全に終了するまでは開かない。従って面会者は、遺体及び柩が「物」として運ばれる姿を見ることなく、礼拝堂23に厳粛に安置されている状態のみを見ることになる。礼拝堂自動扉23は内側から閉めることが可能なので、面会者と故人とだけの空間で、最後のお別れをすることができる。柩搬入は全自動のため、従来のように職員が見ていることもない。
【0034】
また逆に、礼拝堂自動扉23は開放することも可能なので、複数人の参列者による焼香も可能である。従って、最近増加傾向にある「直葬」の場合でも、参列者によるお別れの機会を設けることができる。「直葬」とは、通夜や葬儀をせずに、遺体安置から直接火葬する方法である。近年、死亡年齢の上昇により、参列者が以前より少なかったり、葬儀費用に多くを掛けられなかったり、また、国民の宗教離れにより葬儀に重きを置かない人も増加していることから、直葬は増加傾向にある。しかし従来の直葬では、故人とのお別れの機会がほとんどないまま火葬へと移行してしまっていた。本発明によれば、直葬であっても厳粛な雰囲気の中、故人との最後のお別れをする機会がある。
【0035】
面会が終了したら、面会者は焼香台22上の終了スイッチ24を押す。面会者が礼拝堂20から退場して礼拝堂自動扉23が閉まって一定時間経過したのち、搬送スタッカー32が動作を開始し、図4で示した動作と同様の動作で、柩を礼拝堂20から定温庫30に搬出する(S6)。そして搬送スタッカー32は、図5で示した動作と同様の動作で、対応するラック31に柩を収容する(S7)。
本実施例では、終了スイッチ24を押すことにより搬出を開始するが、終了スイッチ24によらず、IDカードをカードリーダ50から抜き取ることにより搬送動作が開始するようにしてもよい。
【0036】
なお本発明の搬送手段は、出棺の際にも利用することができる。
出棺の際には、まず情報管理手段により、搬出する柩のラック番号を選択して予約を行う。すると、柩搬出入室40の制御盤に予約したラック番号が点滅するので、「出庫」ボタンを押す。柩が載ったパレットが柩搬出入テーブル41に搬送されてくる。この動作は、図3で説明した動作と同様である。柩が柩搬出入テーブル41に搬送されたら、予め用意しておいたストレッチャーに柩を移す。あとは「入庫」ボタンを押して、空のパレットをラックに収容する。従来は、出棺の際も職員が人力で柩を冷蔵庫から搬出していたが、本発明によれば、全自動で出棺の準備をすることができる。
【0037】
以上説明したように、本発明による遺体面会システムでは、IDカードをカードリーダ50に挿入するだけで面会の準備ができるので、面会の予約や施設のスケジュール等に限定されず、365日24時間いつでも面会者の都合に合わせて面会をすることができる。また、柩の搬送は全て自動で行われるため、職員の負担及び人件費が減ると同時に、面会者も職員の存在を気にすることなく、故人と面会をすることができる。さらに、遺体及び柩を搬送する様子は、面会者の目に触れる機会がないため、人間としての尊厳を保ったまま、最後のお別れをすることができる。また、通夜や葬儀までの間の面会はもちろん、直葬の場合でもお別れをする機会を設けることができる。
さらに、定温庫30内に複数のラック31を設け、定温庫内全体で温度管理することにより、十数体から数十体の遺体を一つの定温庫30内に保管することができ、少ない面積でより多くの遺体を保管することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の遺体面会システムは、それ自体独立した施設として利用されうる。また、通夜や葬儀を行う斎場に併設することも可能である。この場合、遺体安置、通夜及び葬儀を1つの施設で行うことができ、通夜や葬儀までの間にいつでも遺体と面会できる。さらに、同じ施設内で通夜や葬儀をしない場合でも、葬儀の内容や葬儀社をすぐに決められなかったり、じっくり検討したい場合や、火葬場の都合で火葬までに日数がかかる場合等、遺体を一時的に保管する場所として提供することもできる。
【符号の説明】
【0039】
10:遺体面会システム
20:礼拝堂
21:柩テーブル
30:定温庫
31:ラック
32:搬送スタッカー
34:温度コントローラ
35:搬送コントローラ
40:柩搬出入室
41:柩搬出入テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺体を納めた柩を保管するためのラックを備えた定温庫と、
前記遺体に面会するための礼拝堂とを具備する遺体面会システムであって、
前記定温庫の内部温度を一定に維持するための温度管理手段と、
前記遺体と前記ラックとを関連付けたラック番号を含む故人情報を管理する情報管理手段と、
前記故人情報を記憶するIDカードと、
前記IDカード内の前記故人情報を読み取るための読み取り手段と、
読み取った前記故人情報に基づき、前記ラック番号に該当する前記ラックに収容された柩を選択し、前記定温庫から前記礼拝堂へと搬送する搬送手段とを具備することを特徴とする遺体面会システム。
【請求項2】
前記搬送手段により、前記柩を前記礼拝堂から前記定温庫の前記ラック番号に該当する前記ラックまで戻すためのスイッチをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の遺体面会システム。
【請求項3】
前記定温庫及び前記礼拝堂のうち少なくともいずれか一つは、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を霧状に散布するための空気洗浄手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の遺体面会システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252590(P2012−252590A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125536(P2011−125536)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(595029107)株式会社ニチリョク (2)
【Fターム(参考)】