説明

避難装置

【課題】避難者の安全な避難が可能で、かつ、装置全体をコンパクトにすることのできる避難装置を提供することを目的とする。
【解決手段】避難者Aの重量を利用して家屋の避難脱出部1からその下方に位置する避難先2に降下する昇降プレート3と、
減速装置4により回転速度が規制されたドラム5に巻き付けられて繰り出し速度が規制されたワイヤ6の繰り出し端を前記昇降プレート3に連結して昇降プレート3の降下速度を制限する緩降装置7と、
避難脱出部1と避難先2との間に架設されて前記昇降プレート3をガイドし、昇降プレート3の降下時の横揺れを規制するガイド支柱8と、
作動状態において前記昇降プレート3の避難脱出部1からの降下を規制するストッパ9と、を有して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災等の非常時に階下に避難するための避難装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、避難装置は上階に固定される主滑車に巻き付けられる主ロープに吊り座椅子を吊り下げて形成される。
【特許文献1】特開昭59-118169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来例において、座椅子は容積をとるために、避難装置を使用しない場合には邪魔で、避難装置全体も大型化するという欠点がある。この問題は、座椅子をプレート状のものに代えることにより解消することができるが、この場合、ロープに固定されただけのプレート体は揺れが激しく、利用者の安全な避難が困難になる。
【0004】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、避難者の安全な避難が可能で、かつ、装置全体をコンパクトにすることのできる避難装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
避難装置は、避難脱出部1からその下方に位置する避難先2まで避難者Aを移動させるための昇降プレート3を有する。ストッパ9により避難脱出部1に保持される昇降プレート3に搭乗してストッパ9を解除すると、昇降プレート3は避難者Aの重量により避難先2に向けて降下する。
【0006】
昇降プレート3の降下速度は緩降装置7により減速され、かつ、昇降プレート3はガイド支柱8にガイドされて降下時の不用意な揺れ等が発生することがないために、昇降プレート3には、降下時の揺れに備えた柵、着座部材等を設ける必要がなく、装置をコンパクトに構成することができる上に、避難者Aの安全な避難も可能になる。
【0007】
ガイド支柱8は架設状態で上下端が容易に水平変位することなく、昇降プレート3の降下姿勢、経路をガイドして降下時の昇降プレート3の揺れを規制できれば足り、上下端が避難脱出部1および避難先2に強固に固定されたもの以外、下端のみが避難先2に強固に固定されて避難先2上に立設されて上端が避難脱出部1に水平移動不能に支持されたもの、あるいは、避難脱出部1側から吊り下げられ、下端が避難先2に水平移動不能に支持されたものであってもよい。
【0008】
また、ガイド支柱8は、避難装置の不使用時においても架設状態が維持されるもの以外、避難装置の使用時においてのみ避難脱出部1側から伸長、降下するものであってもよい。
【0009】
緩降装置7は、ドラム5からの繰り出し速度が制限されたワイヤ6により昇降プレート3を吊り下げることによって昇降プレート3の落下速度を制限するもので、ワイヤ6の繰り出し速度の制限は、減速装置4を使用してドラム5の回転速度を制限することにより行われる。減速装置4は、機械的摩擦式、ディスクダンパ等の流体抵抗式、あるいはこれらを併用したブレーキとして構成することが可能であり、さらに、ドラム5の回転数が所定の回転数以上になったときに動作する遠心式ブレーキ等の自動ブレーキとして構成することもできる。
【0010】
上記昇降プレート3には、起立状態で利用者に手掛けを提供するハンドル10を装着することができる。ハンドル10は避難装置を使用しないときには、昇降プレート3に対して倒伏姿勢で装着されており、不使用時の装置の小型化が図られる。ハンドル10は、伸縮操作自在な脚10aの上端にハンドル本体10bを固定してT字形状に形成することが可能であり、このように構成すると、使用時におけるハンドル本体10bの位置を昇降プレート3から高い位置に設定することが可能になるために、避難者Aは立った姿勢で安全に下階に避難することができる。
【0011】
上記ワイヤ6には、重錘11を使用して昇降プレート3を上方に引き上げる方向の張力を与えることができる。重錘11は昇降プレート3に避難者Aが搭乗していない状態では昇降プレート3を上昇駆動することができ、搭乗状態では降下動作に影響を与えない値に設定される。このように、ワイヤ6に初期張力を与えると、避難者Aが避難先2に達して昇降プレート3から降りると、昇降プレート3は自動的に避難脱出部1に復帰することから、避難脱出部1に残された他の避難者Aが続いて避難することができる。
【0012】
重錘11を使用した初期張力の付与は、重錘11により張力を与えられた復帰用ワイヤ6’をドラム5に巻き付けることにより実現できる。復帰用ワイヤ6’は、上記ワイヤ6の一部として構成することも、あるいはワイヤ6とは別体に構成することも可能であり、ワイヤ6と復帰用ワイヤ6’とを別体で構成すると、復帰用ワイヤ6’の巻回径をワイヤ6の巻回径と異ならせることができるために、設計の自由度が高まる。これに対し、復帰用ワイヤ6’をワイヤ6の一部として構成する場合、すなわち、重錘11により初期張力を与えられたワイヤ6を適数巻きドラム5に巻回し、反対端を昇降プレート3が連結される繰り出し端とするように構成すると、ドラム5に別途ワイヤ6巻回輪を構成することがなくなる上に、ワイヤ6も一本ですむために構造が簡単になる。
【0013】
重錘11は直接ワイヤ6に連結することも可能であるが、動滑車14を介して張力を付加すると、重錘11の移動距離を昇降プレート3の昇降距離の半分にすることができる。また、重錘11は適宜位置に配置することができるが、ガイド支柱8を中空筒形状に形成してその中空部に上下移動自在に収容して重錘11の外部への露出を防止することが望ましい。
【0014】
避難者Aを乗せた際の昇降プレート3の降下速度、とくに降下初速が十分に低く設定されていない場合、避難脱出部1に残された避難者Aの昇降プレート3への安全な乗り移りのために、一旦ストッパ9を作動させて搭乗時の不用意な降下を防止するのが望ましく、ストッパ9を昇降プレート3の避難脱出部1への復帰により作動状態に自動復帰するように構成すると、ストッパ9の掛け直し操作が不要となるために、使い勝手が向上する。
【0015】
この場合、ストッパ9を、ガイド支柱8、または昇降プレート3のいずれか一方に配置されるストッパ部材9aと、他方に形成される被係止部9bとを有して形成することができる。ストッパ部材9aは、ガイド支柱8側に設けられる場合を例に取ると、昇降プレート3側に付勢され、昇降プレート3が上方ストローク終端位置に復帰すると、付勢力により昇降プレート3に形成された被係止部9bに係止し、昇降プレート3の降下が規制される。このように付勢力を利用してストッパ9を構成すると、簡単な構造で動作信頼性を高めることができる。
【0016】
さらに、昇降プレート3に、踏み込み操作によりストッパ9を解除するストッパ解除ペダル12を装着すると、踏み込み操作によりストッパ9解除操作を行うことができるために、力のない老人等であっても、容易に操作することができる。
【0017】
避難装置は、家屋の壁面に沿って配置し、壁面に開口する窓等の非常脱出口を避難脱出部1として下階、あるいは地上を避難先2とするように構成する以外に、家屋、特に集合住宅等のベランダ13から下階のベランダ13に退避するように構成することができる。この場合、昇降プレート3の全高をベランダ13の床スラブ厚寸法以下に設定し、床スラブに開設した避難用の開口を避難脱出部1として、該開口1内に不使用の昇降プレート3を収容すると、不使用時に場所をとることがない。また、開口1に嵌合されて固定される枠状のケース15に、開口1を閉塞する蓋15a、およびドラム5を固定した避難装置を構成すると、施工作業性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、避難者の安全な避難が可能で、かつ、装置全体をコンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1、2に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態は、非常時に上階のベランダ13(避難脱出部1)から下階のベランダ13(避難先2)に避難するために設置され、上階側のベランダ13の床スラブに開設される避難用の開口1内に嵌合固定されるケース15と、ケース15内に収容される昇降プレート3と、下階の床スラブ上に立設されるガイド支柱8とを有する。
【0020】
ケース15の上下開放部、すなわち、床スラブの開口1の上下端は、ケース15に対して枢軸15b周りに回転自在に連結される上蓋15aと下蓋15aとにより閉塞されており、図1(b)に示すように、非常時に上蓋15aを開放すると、内部の昇降プレート3が現れる。
【0021】
ガイド支柱8は適宜の座屈強度を有する中空パイプ体であり、例えばアルミニウムを押し出し成型して形成される。図2、3に示すように、このガイド支柱8の上端は固定金具16を使用して開口1の内壁に固定される。また、ガイド支柱8の下端はアンカー部材8aを使用して下階の床スラブに固定される。
【0022】
上記昇降プレート3は枠状基部3aの上面に平板状のステージプレート3bを固定して形成される。図3に示すように、枠状基部3aの前端部(以下、本明細書において、ガイド支柱8が設けられる側を「前方」とする。)にはガイド支柱8の四隅部に当接するローラ17が支軸17a周りに空転自在に装着されており、昇降プレート3は、このローラ17を転動させながらガイド支柱8に沿って昇降動作することができる。昇降プレート3の上下のストローク終端を決定するために、ガイド支柱8の上端部には上部ストローク規制ストッパ19aが、下端部には下部ストローク規制ストッパ19bが固定される。
【0023】
上記ステージプレート3bの上面にはストッパ9とハンドル10とが固定され、これらを実装した後の全高寸法は、ケース15の高さ寸法に比して低背となるように設定される。
【0024】
図4に示すように、上記ストッパ9は、先端にフック部9cを備えて枢軸9d周りに回転自在なストッパ部材9aと、ガイド支柱8の上端部に開設された係止孔(被係止部9b)とを有する。図4(a)に示すように、被係止部9bは昇降プレート3がケース15内に収容されている状態でストッパ部材9aのフック部9cが係止する位置に設けられる。
【0025】
また、昇降プレート3のステージプレート3b上にはストッパ解除ペダル12が装着される。ストッパ解除ペダル12は、枢軸12a周りに揺動自在であり、スプリング12cにより前端が上方に移動する方向、すなわち図4において時計回りに付勢される。このストッパ解除ペダル12の側壁には長孔12bが開設されて上記ストッパ部材9aから突設される軸部9eが移動自在に挿入され、ステージプレート3b、ストッパ部材9a、およびストッパ解除ペダル12はステージプレート3bを固定リンクとするリンク装置を構成する。
【0026】
したがってこの実施の形態において、ストッパ部材9aはストッパ解除ペダル12の付勢力によりフック部9cがガイド支柱8の側壁に圧接する方向に付勢され、図4(a)に示すように、昇降プレート3が上方ストローク終端、すなわちケース15に収納された状態でガイド支柱8の被係止部9bに係止する。係止状態において、ストッパ解除ペダル12の前端縁はフック部9cの後端縁に当接しており、昇降プレート3の荷重によりストッパ部材9aに発生する図4(a)において時計回り、すなわち係止解除方向の操作力に抗してフック部9cの係止状態が維持される。
【0027】
この結果、昇降プレート3は上方ストローク終端位置に保持され、この状態から図4(b)に示すように、避難者Aが昇降プレート3に乗ってストッパ解除ペダル12を反時計回りに回転するように踏み込むと、ストッパ部材9aはガイド支柱8との係止解除方向に回転し、支持を失った昇降プレート3は自重により降下する。
【0028】
また、ストッパ解除ペダル12への操作力を解除すると、ストッパ解除ペダル12とストッパ部材9aには原位置への復帰力が発生し、これに伴ってストッパ部材9aのフック部9cはガイド支柱8の壁面に圧接する。この状態で昇降プレート3が上昇すると、フック部9cが被係止部9bに正対する位置、すなわち上方ストローク終端位置においてフック部9cが被係止部9bに弾発係止し、自動的に作動状態に移行する。
【0029】
さらに、上記ハンドル10は、図5、6に示すように、脚10aの一端にハンドル本体10bを固定してT字形状に形成される。このハンドル10は、脚10aの下端に開設される貫通長孔10cに取付杆18を挿通させて昇降プレート3に装着され、図5に示す倒伏姿勢と、図6に示す起立姿勢との間を遷移できる。昇降プレート3には脚挿通孔3cが開設されており、ハンドル10の起立操作は、図5に示すように、取付杆18が貫通長孔10cの下端に位置する姿勢で脚10aを起立させた後、図6に示すように、脚10aの下端を脚挿通孔3cに落とし込むことにより行うことができる。
【0030】
また、脚10aはテレスコープ状に伸縮操作可能であり、ハンドル10の使用は、図6に示すように、脚10aを引き起こして起立させた後、伸長させて行われる。図7に示すように、ハンドル10は伸長状態においてハンドル本体10bが避難者Aの概ね腰の高さに位置し、避難者Aはこの状態でハンドル本体10bを握ることにより身体を支えることができる。
【0031】
ストッパ9が解除されたときの昇降プレート3の降下速度を低減させるために、避難装置には緩降装置7が設けられる。図3、8に示すように、緩降装置7は、ガイド支柱8の上端部に保持されるドラム5と、一端が昇降プレート3のローラ17の支軸17aに、他端がガイド支柱8の中空内壁の固定点8bに固定され、中間部が上記ドラム5に適数回巻き付けられるワイヤ6とを有する。
【0032】
ドラム5の回転速度は、ドラム5に対して空転不能な回転軸の両端を各々減速装置4に連結することにより所定速度以下に制限される。この実施の形態において、減速装置4にはオイルの粘性を利用して抵抗トルクを発生させるディスクダンパが使用される。
【0033】
さらに、上記ドラム5に昇降プレート3を引き上げる方向の初期回転力を与えるために、ドラム5とガイド支柱8への固定点8bとの間に重錘11が吊り下げられる。重錘11の上端には動滑車14が固定され、この動滑車14をワイヤ6の上記箇所に乗せると、重錘11の荷重によってワイヤ6はドラム5からワイヤ6を繰り出す方向の張力が与えられる。
【0034】
重錘11の重量は、上述した張力が昇降プレート3の重量による張力に比してやや大きくなるように設定される。この重量の重錘11をドラム5とガイド支柱8への固定点との間に作用させることにより、別途ドラム5に復帰用ワイヤ6’を巻き付けた状態と同様に、ドラム5には、張力の差とドラム5径の積に等しい大きさで、昇降プレート3を引き上げる方向の回転力が与えられる。
【0035】
したがってこの実施の形態において、ケース15の蓋15aを開けた後、ハンドル10をセットして昇降プレート3に乗り移り、次いでストッパ解除ペダル12を踏み込むと、ストッパ9が解除されて昇降プレート3の降下が開始する。昇降プレート3の降下に際し、降下速度が緩降装置7によって低減されるとともに、昇降プレート3の揺れがガイド支柱8のガイドにより規制され、かつ、避難者Aはハンドル10を握ることにより安定した姿勢をとることができるために、降下時の安全を確保できる。
【0036】
昇降プレート3が下階のベランダ13への安全な避難が可能な高さまで降下すると、昇降プレート3はガイド支柱8に形成された下部ストローク規制ストッパ19bに当接して降下動作が停止する。ガイド支柱8の下端近傍に位置していた重錘11は昇降プレート3の降下に伴って降下量の半分に相当する距離だけ上昇し、下方ストローク終端位置において避難者Aが昇降プレート3から降りると、重錘11の作用によって昇降プレート3は上方に移動する。
【0037】
昇降プレート3が上部ストローク規制ストッパ19aに当接する上方ストローク終端に達すると、上述したようにストッパ9が作動し、上階に残された他の避難者Aが続いて避難することができる。
(付記)
(付記1)
避難者Aの重量を利用して家屋の避難脱出部1からその下方に位置する避難先2に降下する昇降プレート3と、
減速装置4により回転速度が規制されたドラム5に巻き付けられて繰り出し速度が規制されたワイヤ6の繰り出し端を前記昇降プレート3に連結して昇降プレート3の降下速度を制限する緩降装置7と、
避難脱出部1と避難先2との間に架設されて前記昇降プレート3をガイドし、昇降プレート3の降下時の横揺れを規制するガイド支柱8と、
作動状態において前記昇降プレート3の避難脱出部1からの降下を規制するストッパ9と、
を有する避難装置。
(付記2)
前記昇降プレート3には、起立状態で利用者に手掛けを提供するハンドル10が倒伏姿勢で装着される付記1記載の避難装置。
(付記3)
前記ハンドル10は、伸縮操作自在な脚10aの上端にハンドル本体10bを固定してT字形状に形成される付記2記載の避難装置。
(付記4)
前記ワイヤ6には昇降プレート3を引き上げる方向の初期張力が重錘11により与えられ、
避難者A搭乗状態で避難脱出部1まで降下した後、避難者A非搭乗状態となった昇降プレート3を避難脱出部1まで復帰させる付記1、2または3記載の避難装置。
(付記5)
前記ドラム5には、重錘11により張力が与えられる復帰用ワイヤ6’が巻装され、
前記初期張力は、前記復帰用ワイヤ6’による前記ドラム5へのワイヤ6巻き込み方向の初期回転力により与えられる付記4記載の避難装置。
(付記6)
前記ワイヤ6は前記重錘11により昇降プレート3引き上げ方向の張力が付与されてドラム5に巻装される付記4記載の避難装置。
(付記7)
前記ワイヤ6は、中間部が前記ドラム5に適数巻き数巻き付けられるとともに、両端が昇降プレート3とガイド支柱8に連結され、
かつ、前記重錘11は、前記ワイヤ6のガイド支柱8への固定端とドラム5との間に介装される動滑車14に固定される付記6記載の避難装置。
(付記8)
前記ガイド支柱8は中空筒形状に形成されるとともに、前記重錘11がガイド支柱8の中空部に移動自在に収容される付記4、5、6または7記載の避難装置。
(付記9)
前記ストッパ9は、昇降プレート3の避難脱出部1への復帰により作動状態に自動復帰する付記4から8のいずれかに記載の避難装置。
(付記10)
前記ストッパ9はガイド支柱8、または昇降プレート3のいずれか一方に配置されて他方に向けて付勢されるストッパ部材9aと、
他方に形成され、昇降プレート3の上方ストローク終端部において前記ストッパ部材9aが弾発係止して昇降プレート3を当該位置に拘束する被係止部9bとを有する付記9記載の避難装置。
(付記11)
前記昇降プレート3には、踏み込み操作により前記ストッパ9を解除するストッパ解除ペダル12が装着される付記1から10のいずれかに記載の避難装置。
(付記12)
家屋のベランダ13床面に開設された開口1を前記避難脱出部1とし、
前記昇降プレート3は、不使用時に前記開口1に収容される付記1から11のいずれかに記載の避難装置。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を示す図で、(a)は家屋のベランダを示す図、(b)は避難装置の蓋を開放した状態を示す図である。
【図2】避難装置を示す断面図である。
【図3】図2の要部を示す図で、(a)は断面図、(b)はローラを示す断面図、(c)は、緩降装置を示す(a)の3C方向矢視図である。
【図4】ストッパを示す図で、(a)は作動状態を示す図、(b)はストッパ解除状態を示す図である。
【図5】昇降プレートを示す斜視図である。
【図6】避難先に到達した昇降プレートを示す斜視図である。
【図7】避難方法を示す説明図である。
【図8】緩降装置を示す図で、(a)は上方ストローク終端位置にある状態を示す図、(b)は(a)から降下した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 避難脱出部
2 避難先
3 昇降プレート
4 減速装置
5 ドラム
6 ワイヤ
7 緩降装置
8 ガイド支柱
9 ストッパ
10 ハンドル
11 重錘
12 ストッパ解除ペダル
13 ベランダ
A 避難者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難者の重量を利用して家屋の避難脱出部からその下方に位置する避難先に降下する昇降プレートと、
減速装置により回転速度が規制されたドラムに巻き付けられて繰り出し速度が規制されたワイヤの繰り出し端を前記昇降プレートに連結して昇降プレートの降下速度を制限する緩降装置と、
避難脱出部と避難先との間に架設されて前記昇降プレートをガイドし、昇降プレートの降下時の横揺れを規制するガイド支柱と、
作動状態において前記昇降プレートの避難脱出部からの降下を規制するストッパと、
を有する避難装置。
【請求項2】
前記昇降プレートには、起立状態で利用者に手掛けを提供するハンドルが倒伏姿勢で装着される請求項1記載の避難装置。
【請求項3】
前記ワイヤには昇降プレートを引き上げる方向の初期張力が重錘により与えられ、
避難者搭乗状態で避難脱出部まで降下した後、避難者非搭乗状態となった昇降プレートを避難脱出部まで復帰させる請求項1または2記載の避難装置。
【請求項4】
前記ストッパは、昇降プレートの避難脱出部への復帰により作動状態に自動復帰する請求項3記載の避難装置。
【請求項5】
前記昇降プレートには、踏み込み操作により前記ストッパを解除するストッパ解除ペダルが装着される請求項1、2、3または4のいずれかに記載の避難装置。
【請求項6】
家屋のベランダ床面に開設された開口を前記避難脱出部とし、
前記昇降プレートは、不使用時に前記開口に収容される請求項1から5のいずれかに記載の避難装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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