説明

部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出方法および算出装置

【課題】異種間システムをまたぐようなマイグレーションにおいて、部分的にジョブを取り出す場合は、その取り出すパターンによってコストが大きく異なる。マイグレーションのコストと効果をまとめ、費用対効果を選択する仕組みが必要である。
【解決手段】コスト対効果算出装置によって、部分的にマイグレーションする部分ジョブパターンごとに、マイグレーションに要するコストと移行する負荷量を算出し、費用対効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出方法および算出装置に係り、特に、メインフレームから他の計算機システムへの部分的なジョブの移行に伴うコスト対効果の算出方法および算出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイグレーションは、ある計算機システム(旧計算機システム)で処理していたサービス(ジョブ)の一部ないしは全部を、別の計算機システム(新計算機システム)へ移行して処理する技術である。
【0003】
計算機システムにおいて、業務を実行するためのプログラムの集合をジョブと呼ぶ。換言すると、「ジョブ」は、計算機システムにおける1つの作業の単位であり、1つまたは複数のプログラム処理を定義する。ジョブは、JCL(Job Controll Language)によって記述し、実行する。JCLには、実行するプログラムに加え、アクセスするファイルや利用するライブラリ、プログラム実行時の設定を記述する。一般に、ジョブでは、あるジョブの実行が完了した後に、次のジョブを実行するような前後関係を定義することができ、順序関係のある処理を実現する。
【0004】
なお、本明細書において、「サービス」とは、ジョブとジョブネットの集合である。「ジョブネット」とはジョブ集合であり、業務全体の流れを定義する。さらに、「部分ジョブパターン」とは、ジョブ集合の部分集合を意味する。また、本明細書において、「部分マイグレーション」とは、部分ジョブパターンの移行を伴うマイグレーションを意味する。大規模なシステムでは、ジョブやジョブネットの数は1万を超えることもある。
【0005】
マイグレーションを行う目的は2つある。1つ目は、計算機システムの処理性能の向上である。サービスの種類や規模が増大するにつれ当初予定した時間内でのサービス完了が難しくなり、サービス品質が低下する可能性がある。そこで、サービスを高性能なシステムヘマイグレーションすることで品質を雍保する。2つ目は、コストの削減である。メインフレームと比べてPCサーバやブレードサーバのようなオープン系サーバはハードウェアコストとソフトウェアコスト双方で安価である。本明細書でのマイグレーションは、特に、メインフレーム(以下MF)からオープン系システムへのマイグレーションを指す。
特許文献1には、ジョブをグループ化して性能を向上させる方式として、ジョブがアクセスするファイルに基づいてグループ化を行う発明が開示されている。
【0006】
MFのジョブが利用できる計算機資源の範囲は、設定するクラスID(ジョブクラス)単位で設定する。特許文献2には、このジョブクラスの設定を複数の計算機ノートを有するシステムにおいて適用する例が開示されている。特許文献2の発明によれば、各計算機にジョブクラスごとの計算機資源の利用目標値を設定し、収集した資源の利用状況を元に新たなジョブを実行する計算機ノートを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−50708号公報
【特許文献2】特開平9−167141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マイグレーションでは、より多くの業務資産を移行した方がより目的が達成される。しかし、全サービスのマイグレーションは、初期導入費用と障害時のインパクトの面からユーザが抵抗感を示すことがしばしばある。
【0009】
その打開策として、全サービスのマイグレーションではなく、その一部のサービスについて部分的にマイグレーションを行う部分マイグレーションを、逐次推進する手法が挙げられる。
【0010】
全サービスの中で高速化ニーズのあるサービスなどから段階的に部分マイグレーションすることで、ユーザの抵抗感なくマイグレーションを実現することができる。
【0011】
具体的なケースとしては、処理量が多く性能のボトルネックとなりやすいバッチ処理を伴うサービスが、部分マイグレーションの対象としてよく選ばれる。
【0012】
特許文献1に記載の技法を適用することにより、同じファイルを利用するジョブは同じ計算機ノートで実行されるようになるため、ファイルI/Oのオーバヘッドを低減する効果がある。しかしながら、同じサービスに属するジョブでも別のファイルを操作することがあるため、新たな複雑化か発生する可能性がある。
【0013】
しかしながら、メインフレームからオープンシステムへのマイグレーションのように、異種システム間をまたぐマイグレーションでは、これまで利用していた計算機資源に手を加える必要がある。特に、メインフレームのジョブの一部をマイグレーションする部分マイグレーションにおいては、部分ジョブパターンに属するジョブとそれ以外のジョブ間での依存関係の影響で、マイグレーションコストや運用コストが増加する問題がある。
【0014】
すなわち、多くのサービスが稼動しているジョブネットから、あるサービスに関するジョブを単純に抜き出した場合、MFとオープンサーバ間のジョブの依存関係が残り、かえってジョブネットの構造が複雑化してしまう可能性がある。これにより、ジョブ処理のオーバヘッドの増加やネットワーク負荷の増加、運用・保守性の低下という問題が発生する。
【0015】
また、特許文献2の発明でも、ジョブクラスが同じジョブは分散して実行される傾向となるため、部分マイグレーションにおいては、計算機ノート間をまたいだショフの実行が増加する可能性がある。そのため、上記特許文献1の発明と同様に、部分ジョブパターンとそれ以外のジョブ間での依存関係の影響で、ジョブネットの構造が複雑化し、マイグレーションコストや運用コストが増加するという問題がある。
【0016】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、ジョブの情報から、部分マイグレーションにおけるコストと、移行する負荷量を、部分ジョブパターンごとに算出することのできる、部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出方法及び算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の代表的形態を示すと次のとおりである。本発明の部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法は、コスト対効果算出装置を用いた、部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出方法であって、前記部分マイグレーションは、旧計算機システムで定義しているジョブの集合の部分集合である部分ジョブパターンを決定し、前記部分ジョブパターンを新計算機システムで運用するためのマイグレーションであり、前記コスト対効果算出装置において、前記ジョブの定義情報であるジョブ情報と、前記ジョブごとの負荷情報と、前記部分ジョブパターンの制約情報を定義した部分ジョブパターン制約情報と、前記コストの算出基準であるコスト基準情報とを受付け、前記コスト基準情報と、前記ジョブ情報に含まれる前記各ジョブの規模および前記各ジョブの実行前後関係の情報に基づき、前記ジョブごとのコストであるジョブコストを算出し、前記コスト基準情報に基づき、前記ジョブの組み合わせパターンである前記部分ジョブパターンを複数作成し、前記ジョブコストと前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行コストを算出し、前記ジョブごとの負荷情報と前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行負荷量を算出し、前記部分ジョブパターン毎の、前記ジョブ移行コスト及び前記ジョブ移行負荷量を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の代表的形態によれば、部分マイグレーションにおける部分ジョブパターンの選択において、費用対効果を考慮しつつ、利用者のニーズに合った部分ジョブパターンを選択することができる。
【0019】
本発明においては、同じミドルウェアを利用するプログラムのように、共通点を持つプログラムやジョブをまとめてマイグレーションすることにより、改修するプログラムの量のみならず、テストの項目の削減にも寄与し、マイグレーション作業を効率化する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明の実施形態1に係わる、部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出装置の構成例を示すブロック図。
【図1B】実施形態1に係わるコスト対効果算出処理の全体のフロー図。
【図2】実施形態1に係わるジョブ情報の一例を示すテーブル及び依存関係を示す図。
【図3】実施形態1に係わるコスト基準情報の一例を示すテーブル。
【図4】部分ジョブパターン制約情報の一例を示すテーブル。
【図5】実施形態1のジョブコスト対効果算出例におけるジョブを示す図。
【図6A】実施形態1のジョブコスト対効果算出例におけるジョブ情報を示すテーブル。
【図6B】実施形態1のジョブコスト対効果算出例におけるコスト基準情報を示すテーブル。
【図7】実施形態1のジョブコスト対効果算出のフローチャート。
【図8】実施形態1のジョブコスト対効果算出例における出力したジョブコスト情報を示すテーブル。
【図9】実施形態1の、部分ジョブパターン作成処理のフローチャート。
【図10A】実施形態1に係わる、部分ジョブパターンごとの移行負荷量算出に用いる負荷情報の例を示すテーブル。
【図10B】実施形態1の移行負荷量算出部における、部分ジョブパターンごとの移行負荷量を算出するフローチャート。
【図11】実施形態1に係わる、部分ジョブパターン移行コスト算出のフローチャート。
【図12】実施形態1に係わる、ジョブコスト加算条件の判定のフローチャート。
【図13A】実施形態1に係わる、部分ジョブパターン移行コスト対効果算出結果の例を示すテーブル。
【図13B】実施形態1における、部分マイグレーションの前後のジョブの関係を示す図。
【図14】実施形態1に係わる部分ジョブパターン移行のコストを、従来例と比較した第一のグラフ。
【図15】実施形態1に係わる部分ジョブパターン移行の効果を、従来例と比較した第二のグラフ。
【図16A】本発明の実施形態2に係わるコスト対効果算出のフロー図。
【図16B】実施形態2における、部分ジョブパターン作成処理のフローチャート。
【図17】本発明の実施形態3に係わるコスト対効果算出のフロー図。
【図18】本発明の実施形態4に係わるコスト対効果算出のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の代表的な形態は、部分マイグレーションにおけるコスト対効果算出装置を備える計算機システムにおいて、前記コスト対効果算出装置が、外部からジョブ情報と、部分ジョブパターン算出基準情報と、コスト対効果算出基準を受付け、ジョブごとのマイグレーションに要するコストと、移行する負荷量を算出し、部分ジョブパターンごとの、マイグレーションに要するコストと、移行する負荷量を算出し、費用対効果を示すことを特徴とする。
【0022】
本発明の代表的な形態では、コストを移行コスト、機器コスト、運用コストの3種に分類する。移行コストは、マイグレーションによる移行作業に費やすコストである。機器コストは、移行先の装置やソフトウェア等の計算機システムの構築および維持に費やすコストである。運用コストは、移行後の運用・保守業務に費やす人的コストである。
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【実施形態1】
【0024】
まず、本発明の実施形態1を、図1A〜図15を参照しながら説明する。
図1Aは,実施形態1に係わる、部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する、コスト対効果算出装置101のブロック図である。コスト対効果算出装置101は、ある計算機システム(旧計算機システム)で処理していたサービス(部分ジョブパターン)の一部ないしは全部を、別の計算機システム(新計算機システム)へ移行して運用するマイグレーションのための、部分ジョブパターンと、マイグレーションに必要なコスト対効果を決定する装置である。
【0025】
コスト対効果算出装置101は、コスト対効果算出部102と、一般的な計算機資源としてのネットワークインタフェース103、メモリ104、CPU105、記憶装置106、及び、ユーザインタフェース107を有している。ユーザによりユーザインタフェース107から入力される情報のうち、ジョブ情報はジョブ情報受付部108へ送られ、コスト基準情報はコスト基準情報受付部109へ送られ、部分ジョブパターン制約情報は部分ジョブパターン制約情報受付部110へ送られる。また、これらの情報は、各種テーブル等の形式で記憶装置106に保存される。コスト対効果算出装置101は、さらに、ジョブコスト算出部111、部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部112、部分ジョブパターン作成部113、移行負荷量算出部114、算出結果出力部115を備えている。コスト対効果算出部102の各部(各機能)は、メモリに記録された所定のコンピュータプログラムを計算機資源上で実行することで実現される。
【0026】
図1Bは,実施形態1に係わるコスト対効果算出のフロー図である。図1Bは,ジョブコスト算出部111と部分ジョブパターン作成部113と移行負荷量算出部114がいずれも独立しており、並列に処理が行える場合である。
【0027】
ジョブコスト算出部111は、ジョブ情報とコスト基準情報から、各ジョブの移行に必要なコストを算出する(図1B:116)。
部分ジョブパターン作成部113は、ジョブ情報と部分ジョブパターン制約情報から、ジョブの組み合わせパターンごとの部分ジョブパターンを作成する(図1B:117)。
移行負荷量算出部114は、ジョブ情報から、各部分ジョブパターンを移行した際にどの程度の負荷が移行されるかを算出する(図1B:118)。
【0028】
部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部112は、各部分ジョブパターンに対して、ジョブコストに基づいて、部分ジョブパターン移行コストを算出し、ジョブ負荷量に基づいて、部分ジョブパターン移行負荷量を算出する(図1B:119)。
【0029】
部分ジョブパターン移行コストの算出結果は、移行した際の負荷とともに、コスト対効果として算出結果出力部115にて出力し(図1B:120)、このコスト対効果を入力情報と関連付けて記憶装置106等に保存する。
【0030】
なお、コスト対効果算出装置で用いる入出力情報は、いずれの段階で保存してもよい。
【0031】
次に、図2は,マイグレーションの対象となるジョブ情報の構成例である。図2の上段は、ジョブ情報のテーブル、図2の下段は、上段のテーブルのジョブ情報に基づき、各ジョブJ(01-04)とプログラムP(01-08)、及び、ファイルF(01-06)の依存関係を図示化したものである。
ジョブ情報は、JCLやログに含まれる情報を含む。
情報の一例としては、ジョブの識別子でもあるジョブ名称J(01-n)(201)や、ジョブで実行するプログラムP(01-n)とステップ数(202)、各プログラムがアクセスするファイルF(01-n)とサイズ(203)、各プログラムが利用するメモリ量(204)、そのジョブが実行する前に動作が完了している必要のあるジョブである前提ジョブ(205)がある。
ユーザは、ユーザインタフェース107により、どのような情報をジョブ情報とするか自由に定義できる。
【0032】
図3は,コスト基準情報の構成例を示すテーブルである。
コスト基準情報には、コストの名称(301)、そのコストの種別(302)、コストの計算方法(303)、コスト共有の有無(304)がある。
【0033】
コストの種別(302)は、各コストが集計される際の種別である。
コストの計算方法(303)は、ジョブコスト算出部111でコストを算出する際の算出方法である。複数のコスト種別がある場合は、それぞれに対してコスト計算方法を定義してもよい(305)。
【0034】
コストの共有(304)は、複数のジョブで同様のコストが発生した場合、それを共有して1つのコストとして扱うかどうかである。例えば、2つのプログラムで同じミドルウェアを利用している場合、そのミドルウェアの移行コストは1つのプログラムで利用している場合と同様と扱える。
ユーザはコスト基準情報を自由に定義できる。
【0035】
図4は、部分ジョブパターン制約情報の一例を示すテーブルである。
情報の一例として、ジョブの識別子でもあるジョブ名称(401)と、制約情報(402)がある。
制約情報は、特別の制約によって、必ず部分ジョブパターンに含むジョブや、必ず部分ジョブパターンから除外するジョブが存在する場合に、その旨定義した情報である。
【0036】
ユーザは部分ジョブパターン制約情報を自由に定義できる。
次に、図5から図8を用いて、ジョブコスト対効果算出の例を示す。
【0037】
まず、ジョブコスト対効果算出の前提となるジョブ情報の例を図5、図6A、図6Bで説明する。
図5は、ジョブコスト対効果算出の例におけるジョブ情報である。
ジョブJ01(501)は、プログラムP01(502)を使用する。
ジョブJ02(503)は、J01を前提ジョブとし、プログラムP02(504)を使用し、プログラムP02はミドルウェアM01(505)を使用する。
ジョブJ03(506)は、プログラムP03(507)を使用し、プログラムP03はミドルウェアM01(505)を使用する。
【0038】
図6Aは、ジョブコスト対効果算出例におけるジョブ情報(601)を示すテーブル、図6Bは、ジョブコスト対効果算出例におけるコスト基準情報(602)を示すテーブルである。
ジョブ情報(601)は、図5で示したジョブ情報を表で表したものである。
ジョブ情報(601)には、ジョブの名称(603)と、プログラムのサイズ(604)と、利用ミドルウェアサイズ(605)と、ジョブの前後関係である前提ジョブ(606)がある。
コスト基準情報(602)には、コストの名称(607)と、コストの種別(608)と、そのコストの計算方法(609)と、複数のジョブにおいてコストを共有できるかどうかの項目(610)がある。
【0039】
図7は、コスト対効果算出装置101のジョブコスト算出部111における、ジョブコスト対効果算出のメインフローである。
ジョブコスト算出部111は、まず、ジョブ情報(図5、図6A)とコスト基準情報(図6B)の入力を受付ける(S701)。各ジョブコストの算出はジョブ情報ごとのループ(S702)とコスト基準情報ごとのループ(S703)により行う。まずジョブ情報とコスト基準情報ごとのコスト量を、図3のテーブル中のコスト計算方法(303)を用いて算出する(S704)。
【0040】
図8は、図6Aのジョブ情報と図6Bのコスト基準情報を元に、図7で示したジョブコスト算出の処理(S704)を行った際の出力結果を示すジョブコスト情報のテーブルである。ジョブ(J01〜J03)ごとに、そのジョブが部分ジョブパターンとなった際に無条件で発生するコスト(801)と、特定の条件を満たす場合に発生するコスト(802)が定義されている。
【0041】
図7に戻って、どのジョブが部分ジョブパターンに含まれるかによってコスト発生の有無が決まる場合(S705)と、他ジョブとコストを共有する場合(S706)とがある。これらは図6Bのコスト基準情報を参照して判定され、これらに該当する場合には特殊条件とコスト量を図8のコスト基準情報(802)に追加し(S707)、そうでない場合は、特殊条件の無いジョブコスト(図8の801)へコスト量を加算する(S708)。
【0042】
図9は、コスト対効果算出装置101の部分ジョブパターン作成部113における、部分ジョブパターンパターン作成のフローである。この処理は、部分ジョブパターンが必要となるたびに繰り返し呼び出されることを前提としている。
【0043】
まず、部分ジョブパターン作成が最初に実行された際(S901)に、部分ジョブパターン作成履歴をクリアする(S902)。次にジョブ組み合わせパターンがどの程度残っているかチェックし(S903)、残っていない場合は部分ジョブパターンの出力を終了する(S904)。残っている場合はその組み合わせパターンの部分ジョブパターン情報を作成し(S905)、それがコスト対効果算出装置101の部分ジョブパターン制約情報受付部110で得た部分ジョブパターン制約情報を満たしているか否か判定し(S906)、満たしているならば、部分ジョブパターンの情報を出力し(S907)、満たしていないならば、ジョブ組み合わせパターンがどの程度残っているかのチェック(S903)へ戻って処理を繰り返す。
【0044】
次に、図10A、図10Bで、コスト対効果算出装置101の移行負荷量算出部114において、部分ジョブパターンごとの移行負荷量を算出する例について説明する。
【0045】
図10Aは、ジョブごとの負荷情報(1001)の例を示すテーブル、図10Bは、移行負荷量算出部における、部分ジョブパターンごとの移行負荷量を算出するフローチャートである。
【0046】
移行負荷量の算出には、図10Aのジョブごとの負荷情報(1001)を用いる。
まず、ジョブ情報と算出する負荷の情報を受付ける(S1002)。そして、ジョブに含まれる各プログラム(S1004)に対して、負荷情報を算出し、ジョブごとに集計する(S1005)。
【0047】
図11は、コスト対効果算出装置101の部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部112によるジョブコストを算出のフローである。
まず、ジョブ情報とジョブコスト情報とジョブ負荷情報の入力を受付ける(S1101)。
その後、図9の処理で得られる部分ジョブパターンごとのコストを求める(S1102)。部分ジョブパターン移行コストを格納する変数と,部分ジョブパターン移行負荷量を格納する変数を0にリセットし(S1103)、部分ジョブパターン内の各ジョブ(S1104)と、そのジョブのジョブコスト項目(S1105)に対してループを行う。
そして、対象パターンの負荷量を算出するため、各ジョブの負荷量を加算する(S1110)。
【0048】
さらに、対象ジョブのコスト項目を加算するかどうかを判定し(S1106)、加算する場合はコストを算出(S1107)した後、部分ジョブパターン移行コストに加算する(S1108)。
部分ジョブパターンごとの部分ジョブパターン移行コストと部分ジョブパターン移行負荷量は、算出した後、記録(S1109)する。
【0049】
図12は、図11におけるジョブコスト加算の判定(S1106)の詳細なフローである。
まず、共有以外の条件が存在するか判定し(S1201)、存在する場合はその条件を満たしているか判定する(S1202)。満たしていない場合はジョブコストへの加算は行わない判定を下す(S1203)。
【0050】
次に、共有するコストが存在するか判定し(S1204)、共有するコストだった場合はそのコストが既に他のジョブによって加算されたかどうか判定する(S1205)。既に加算されている場合は追加での加算は行わない判定を下す(S1206)。まだ加算されていない場合は、加算済みを示すフラグをオンにし(S1207)、加算を行う判定を下す(S1208)。
【0051】
図13Aは、コスト対効果算出装置101の算出結果出力部115における部分ジョブパターン算出の結果の一例を示すテーブルである。
このテーブルによれば、部分ジョブパターンごとに、その識別子となる名称(1301)と、その部分ジョブパターンに含まれるジョブ(1302)を示し、その部分ジョブパターンを移行するのに必要なコスト(1303)と、移行できる計算機資源の量(1304)が示されている。
【0052】
例えば、部分ジョブパターンPJ01は、トータルで500の移行コストを要し、移行できるCPU時間が5分という効果が得られ、部分ジョブパターンPJ03では、トータルで590の移行コストを要し、移行できるCPU時間が約16分という効果が得られる。
【0053】
本発明の利用者は、ユーザインタフェース107に表示された図13Aのテーブルを参照して、実際にマイグレーションを行う部分ジョブパターンを、コスト(1303)と効果(1304)を比較して、自由に選択できる。
【0054】
図13Bは、部分ジョブパターンPJ01に関して、上記処理による部分マイグレーションを行う前(上の段)と、行った後(下の段)のジョブの関係を示す図である。図13Bの外枠の「マイグレーション元」、「マイグレーション先」は、各々、計算機ノードを示し、それらの中の矩形は各ジョブを示し、矩形をつなぐ矢印はジョブの前後関係を示している。図13Bに示す通り、ジョブJ01〜J09を含む部分ジョブパターンPJ01に関して部分マイグレーションを行った結果、マイグレーション先とマイグレーション元との間におけるジョブJ01〜J09間での依存関係は単純な状態に維持されている。これにより、処理性能の向上、ハードウェアコスト及びソフトウェアコストのコスト低減という、部分マイグレーション本来の効果を得ることができると共に、ジョブ処理のオーバヘッドの増加やネットワーク負荷の増加、運用・保守性の低下という問題の発生を回避できる。
【0055】
マイグレーションによる費用削減は、年単位での時間経過と共に効果が発揮される。部分マイグレーションでは、性能等のユーザ要件を満たしつつ最も費用が抑えられるような部分ジョブパターンの抽出が求められる。特に、複数回の部分マイグレーションが行われることを前提にすると、マイグレーション作業(テスト含)の重複を排除することで費用削減が期待できる。
【0056】
図14は、コスト対効果の算出結果を比較するために模式的に表したグラフの例である。横軸は経過時間、縦軸は累積のコストを示している。この例では、2回の部分マイグレーションを行い、その結果をユーザインタフェース107の画面に表示している。利用者は、マイグレーションを行わない場合のコスト(1401)と、ある部分ジョブパターン1をマイグレーションした際のコスト(1402)、ある部分ジョブパターン2をマイグレーションした際のコスト(1403)を比較できる。利用者は、部分ジョブパターンを選択する場合に、初期コストが安く、コスト削減効果が出やすいパターン1(1402)と、初期コストはパターン1より高価だが長期的なコスト削減効果が大きいパターン2(1403)のどちらを選択するか、あるいはマイグレーションを行わないかを、自由に決定することができる。
【0057】
また、図15は、コスト対効果の算出結果を比較するために模式的に表した他のグラフの例である。横軸には、マイグレーションを行った後一定期間でどれだけコストが発生するか(1501)をとり、縦軸にはマイグレーションによる効果(1502)をとって費用対効果を示している。利用者は、部分ジョブパターンを選択する場合に、費用対性能向上の効果の観点で、部分ジョブパターン1〜3の何れを選択するか、あるいはマイグレーションを行わないかを、自由に決定することができる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、利用者は、部分マイグレーションにおける部分ジョブパターン選択において、費用対効果を考慮しつつ、ニーズに合った部分ジョブパターンを選択することができる。
【実施形態2】
【0059】
次に、本発明の実施形態2を、図16A、図16Bで、説明する。
実施形態1では、コスト対効果算出装置の、ジョブコスト算出部、部分ジョブパターン作成部、及び移行負荷量算出部で並列に処理した結果を、部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部に入力して、部分ジョブパターン移行コストと負荷量の算出を行っているが、本発明における、部分ジョブパターン移行コストと負荷量の算出方法は、実施形態1の例に限定されるものではない。
【0060】
図16Aは、実施形態2に係わるコスト対効果算出のフロー図である。実施形態2では、ジョブコスト算出部で算出した情報が、部分ジョブパターン作成部への入力となる。すなわち、ジョブコスト算出部1160の処理と部分ジョブパターン作成部1170の処理をシリーズに行い、これらと並行して、移行負荷量算出部1180の処理を行い、両者の結果を受けて、部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1190で部分ジョブパターン移行コストと負荷量の算出を行い、算出結果出力部1200にて出力する。
【0061】
図16Bは、部分ジョブパターン作成処理のフローチャートである。図9のフローと異なり、部分ジョブパターン情報を作成した(S905)後、部分ジョブパターンがコストの要件を満たしているか否か判定し(S910)、満たしていれば部分ジョブパターン制約情報を満たしているか否かの判定(S906)に進み、満たしていなければ満たしていないならば、ジョブ組み合わせパターンがどの程度残っているかのチェック(S903)へ戻って処理を繰り返す。
【0062】
この実施形態によれば、ジョブのコストによって、部分ジョブパターンが変化する。すなわち、部分ジョブパターン作成部1170の処理結果として出力される部分ジョブパターンが、コストの要件を満たすものに絞られているので、部分ジョブパターンを入力とする部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1190における処理(図11、図12相当)が軽減される利点がある。
【0063】
この実施形態でも、利用者は、部分マイグレーションにおける部分ジョブパターン選択において、費用対効果を考慮しつつ、ニーズに合った部分ジョブパターンを選択することができる。
【実施形態3】
【0064】
図17は,本発明の実施形態3に係わるコスト対効果算出のフロー図である。実施形態3では、ジョブ負荷量算出部で算出した情報が、部分ジョブパターン作成部への入力となる。すなわち、移行負荷量算出部1180の処理と部分ジョブパターン作成部1172の処理をシリーズに行い、これらと並行して、ジョブコスト算出部1160の処理を行い、両者の結果を受けて、部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1192で部分ジョブパターン移行コストと負荷量の算出を行い、算出結果出力部1202にて出力する。
【0065】
この実施形態によれば、ジョブの負荷量によって部分ジョブパターンが変化する。すなわち、部分ジョブパターン作成部1172の処理(図9相当)の結果として出力される部分ジョブパターンが、負荷量の情報を含んだものになっているので、部分ジョブパターンを入力とする部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1192における処理(図11、図12相当)が軽減される利点がある。
【0066】
この実施形態でも、利用者は、部分マイグレーションにおける部分ジョブパターン選択において、費用対効果を考慮しつつ、ニーズに合った部分ジョブパターンを選択することができる。
【実施形態4】
【0067】
図18は,本発明の実施形態3に係わるコスト対効果算出のフロー図である。実施形態3では、ジョブコスト算出部で算出した情報と,ジョブ負荷量算出部で算出した情報が,部分ジョブパターン作成部への入力となる。すなわち、ジョブコスト算出部1160と移行負荷量算出部1180の処理を並行して行い、これらと両者の結果を受けて、部分ジョブパターン作成部1174で部分ジョブパターンを作成し、さらに、部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1194で部分ジョブパターン毎の移行コストと負荷量の算出を行い、算出結果出力部1204にて出力する。
【0068】
この実施形態によれば、ジョブのコストと負荷量によって部分ジョブパターンが変化する。すなわち、部分ジョブパターン作成部1174の処理(図9相当)の結果として出力される部分ジョブパターンが、ジョブごとののコストと負荷量の情報を含んだものになっているので、部分ジョブパターンを入力とする部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部1194における処理(図11、図12相当)が軽減される利点がある。
【0069】
この実施形態でも、利用者は、部分マイグレーションにおける部分ジョブパターン選択において、費用対効果を考慮しつつ、ニーズに合った部分ジョブパターンを選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の部分ジョブパターン作成方式は、マイグレーションにおける、部分ジョブパターンごとのコストと移行できる計算機資源の量を示すため、利用者は費用対効果を考慮して最適な部分ジョブパターンを選択することができる。
【符号の説明】
【0071】
101 コスト対効果算出装置
102 コスト対効果算出部
103 ネットワークインタフェース
104 メモリ
105 CPU
106 記憶装置
107 ユーザインタフェース
108 コスト基準情報受付部
109 ジョブ情報受付部
110 部分ジョブパターン制約情報受付部
111 ジョブコスト算出部
112 部分ジョブパターン移行コスト・負荷量算出部
113 部分ジョブパターン作成部
114 移行負荷量算出部
115 算出結果出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コスト対効果算出装置を用いた、部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出方法であって、
前記部分マイグレーションは、旧計算機システムで定義しているジョブの集合の部分集合である部分ジョブパターンを決定し、前記部分ジョブパターンを新計算機システムで運用するためのマイグレーションであり、
前記コスト対効果算出装置において、
前記ジョブの定義情報であるジョブ情報と、
前記ジョブごとの負荷情報と、
前記部分ジョブパターンの制約情報を定義した部分ジョブパターン制約情報と、
前記コストの算出基準であるコスト基準情報とを受付け、
前記コスト基準情報と、前記ジョブ情報に含まれる前記各ジョブの規模および前記各ジョブの実行前後関係の情報に基づき、前記ジョブごとのコストであるジョブコストを算出し、
前記コスト基準情報に基づき、前記ジョブの組み合わせパターンである前記部分ジョブパターンを複数作成し、
前記ジョブコストと前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行コストを算出し、
前記ジョブごとの負荷情報と前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行負荷量を算出し、
前記部分ジョブパターン毎の、前記ジョブ移行コスト及び前記ジョブ移行負荷量を出力する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記ジョブ情報は、
前記旧計算機システムの履歴情報を含む
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記コスト対効果算出装置は、
前記部分ジョブパターンと前記ジョブ情報と前記履歴情報に基づき、前記部分ジョブパターンごとの前記旧計算機システムでの計算機資源量を算出する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記コスト基準情報は、
前記部分ジョブパターンの移行にかかるコストである移行コストと、
前記部分ジョブパターンの運用にかかるコストである運用コストと、
前記新計算機システムの構築にかかるコストである機器コストとを含む
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記ジョブコストの算出では、前記ジョブ情報に基づき、前記ジョブがアクセスするファイルの情報を用いる
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記ジョブコストは、
前記部分ジョブパターン内の前記ジョブの組み合わせによって変化する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記部分ジョブパターン制約情報は、特別の制約によって、必ず前記部分ジョブパターンに含むジョブや、必ず前記部分ジョブパターンから除外するジョブが存在する場合に、その旨定義した情報である
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記部分ジョブパターン制約情報は、ユーザの入力を受けて定義される
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項9】
請求項1において、
前記ジョブコストの算出、前記部分ジョブパターンの作成、及び前記ジョブ移行コストの算出を並行して処理し、
これらの結果に基づいて、前記部分ジョブパターン毎の移行コストと前記部分ジョブパターン毎の負荷量を算出する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項10】
請求項1において、
前記ジョブコストの算出と前記部分ジョブパターン作成の処理をシリーズに行い、前記コストの要件を満たしている前記部分ジョブパターンを生成し、
この処理と並行して、前記ジョブ移行コストの算出の処理を行い、
これらの結果に基づいて、前記部分ジョブパターン毎の移行コストと前記部分ジョブパターン毎の負荷量を算出する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項11】
請求項1において、
前記ジョブ移行コストの算出の処理と前記部分ジョブパターン作成の処理をシリーズに行い、前記負荷量の情報を含んだ前記部分ジョブパターンを生成し、
この処理と並行して、前記ジョブコストの算出の処理を行い、
これらの結果に基づいて、前記部分ジョブパターン毎の移行コストと前記部分ジョブパターン毎の負荷量を算出する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項12】
請求項1において、
前記ジョブコストの算出の処理と前記ジョブ移行コストの算出の処理とを並行して行い、これらの結果を入力として、前記部分ジョブパターン作成の処理を行い、前記ジョブ毎のコストと負荷量の情報を含んだ前記部分ジョブパターンを生成し、
これらの結果に基づいて、前記部分ジョブパターン毎の移行コストと前記部分ジョブパターン毎の負荷量を算出する
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果を算出する方法。
【請求項13】
部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出装置であって、
前記部分マイグレーションは、旧計算機システムで定義しているジョブの集合の部分集合である部分ジョブパターンを決定し、前記部分ジョブパターンを新計算機システムで運用するためのマイグレーションであり、
前記コスト対効果算出装置は、
コスト対効果算出部と記憶装置及びユーザインタフェースを備えており、
前記記憶装置は、前記ユーザインタフェースから入力される前記ジョブの定義情報であるジョブ情報と、前記ジョブごとの負荷情報と、前記部分ジョブパターンの制約情報を定義した部分ジョブパターン制約情報と、前記コストの算出基準であるコスト基準情報とを保持し、
前記コスト基準情報と、前記ジョブ情報に含まれる前記各ジョブの規模および前記各ジョブの実行前後関係の情報に基づき、前記ジョブごとのコストであるジョブコストを算出するジョブコスト算出機能と、
前記コスト基準情報に基づき、前記ジョブの組み合わせパターンである前記部分ジョブパターンを複数作成する分ジョブパターン作成機能と、
前記ジョブコストと前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行コストを算出するジョブ移行コスト機能と、
前記ジョブごとの負荷情報と前記部分ジョブパターンの情報に基づきに基づき、前記各部分ジョブパターンごとのジョブ移行負荷量を算出するジョブ移行負荷量算出機能と、
前記部分ジョブパターン毎の、前記ジョブ移行コスト及び前記ジョブ移行負荷量を前記ユーザインタフェースに出力する機能とを備えている
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記コスト基準情報は、
前記部分ジョブパターンの移行にかかるコストである移行コストと、
前記部分ジョブパターンの運用にかかるコストである運用コストと、
前記新計算機システムの構築にかかるコストである機器コストとを含む
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出装置。
【請求項15】
請求項13において、
前記部分ジョブパターン制約情報は、特別の制約によって、必ず前記部分ジョブパターンに含むジョブや、必ず前記部分ジョブパターンから除外するジョブが存在する場合に、その旨定義した情報である
ことを特徴とする部分マイグレーションにおけるコスト対効果の算出装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−3660(P2013−3660A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131289(P2011−131289)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)