説明

部分用水圧マッサージ機

【課題】 患者の所望する部位へ的確な水圧マッサージを施すことができる部分用水圧マッサージ機を提供すること。
【解決手段】 部分用水圧マッサージ機(1)において、可撓性膜(5)は被マッサージ部を覆い、循環ポンプ(9)は貯水槽(6)の水を吸入しノズル部(4)へ付与し、ノズル部(4)は噴出水を、可撓性膜(5)を介して被マッサージ部に向かって衝突させ被マッサージ部に水圧マッサージを付与し、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中に、ノズル部(4)を移動できる移動機構(46)が設けられ、ノズル部(4)は水を噴射しながら移動又は停止できる部分用水圧マッサージ機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージを受けようとする人体(=以下患者という)の被マッサージ部(=主として上肢又は下肢)を噴射水圧によりマッサージする部分用水圧マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、液槽、ポンプ、ノズル、温度調節器、可撓性薄膜とからなるマッサージ器であって、可撓性薄膜は袋体になっており、カバー、多孔面体を設けたものである。
【0003】
従来の技術は、被マッサージ体を包む袋体に向かって、固定設置された多数個のノズルから液体を噴射するものである。当該ノズルは移動しないものであった。
【特許文献1】特公平3−67709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来技術は被マッサージ体を包む袋体に向かって、ノズルから液体を噴射するものであるが、当該ノズルが移動しない為、被マッサージ体の所望する部位へ的確な水圧マッサージが施しにくいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上記要望に応えたものであり、患者の所望する部位へ的確な水圧マッサージを施すことができる部分用水圧マッサージ機を提供することにある。
即ち本発明は、患者の被マッサージ部が載置される台部(2)と、該台部(2)を覆うカバー部(3)と、貯水槽(6)と、循環ポンプ(9)と、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中に設けられる可撓性膜(5)と、台部(2)とカバー部(3)で囲まれる中に配設されるノズル部(4)とを有する部分用水圧マッサージ機(1)において、前記可撓性膜(5)は被マッサージ部を覆い、循環ポンプ(9)は貯水槽(6)の水を吸入しノズル部(4)へ付与し、前記ノズル部(4)は、噴出水を可撓性膜(5)を介して被マッサージ部に向かって衝突させ、被マッサージ部に水圧マッサージを付与し、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中にノズル部(4)を移動させる移動機構(46)が設けられ、ノズル部(4)は水を噴射しながら移動又は停止できる部分用水圧マッサージ機である。
又、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中にあって、台部(2)側に容器側ノズル部(4a)が配設され、カバー部(3)側にカバー部側ノズル部(4b)が配設され、被マッサージ部の両面に同時に水圧マッサージを付与できる。
更に、脚部(22)と、該脚部(22)に立設され伸縮可能な支柱部(23)とが付加設置され、台部(2)は、支柱部(23)で支持される昇降台部(42)である。
更に又、被マッサージ部がノズル部(4)にぶつかることを防止する防止部材(10)が、台部(2)上面に設けられる。
又、貯水槽(6)には、該貯水槽(6)内の水の温度を調節する水温調節器(43)が付設され、台部(2)には、被マッサージ部を暖める温熱具(33)が付設される。
更に、被マッサージ部の末端側に対応する台部先部(2a)を低位にして、台部(2)上面は傾斜している。
更に又、任意の位置にノズル部(4)を移動可能なリモートコントローラー(50)を設ける。
又、座部(51)は回動自在に椅子(35)に設けられる。
更に、ノズル部(4)を、略水平面に回動可能なものとし、噴流圧の付与範囲を拡大する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、部分用水圧マッサージ機において、台部2とカバー部3とで囲まれる中に、ノズル部4を移動できる移動機構46が設けられ、ノズル部4は水を噴射しながら移動又は停止できるものであるから、患者の被マッサージ部における所望する部位に集中的に的確な水圧マッサージを施したり、或いは被マッサージ部に広範囲に亘り水圧マッサージを施すことができ、好都合である。
【0007】
本発明は、台部2とカバー部3とで囲まれる中にあって、台部2側に容器側ノズル部4aが配設され、カバー部3側にカバー部側ノズル部4bが配設され、被マッサージ部の両面に同時に水圧マッサージを付与できるから、被マッサージ部のマッサージを高能率に行なえ、更に、刺激感も豊富であり、好都合である。
【0008】
本発明は、脚部22と、該脚部22に立設され伸縮可能な支柱部23とが付加設置され、台部2は、支柱部23で支持される昇降台部42であるから、患者に好適な高さに台部2を設定でき、患者の被マッサージ部を台部2に乗せ易く、又、楽な姿勢でマッサージ治療ができ、好都合である。
【0009】
本発明は、被マッサージ部がノズル部4にぶつかることを防止する防止部材10が、台部2上面に設けられるものであるから、不意の動作による被マッサージ部(=膝や爪先その他)のノズル部4への衝突を阻止でき、又、移動するノズル部4が被マッサージ部に衝突することを阻止でき、患者の怪我等を防止でき、ノズル部4の破損も防止でき、好都合である。
【0010】
本発明に係る貯水槽6には、該貯水槽6内の水の温度を調節する水温調節器43が付設され、台部2には、被マッサージ部を暖める温熱具33が付設されるものであるから、温度調節した好適な水温の噴射水による快適な水圧マッサージを実施でき、更に、温熱具33で直接被マッサージ部を暖めることができ、被マッサージ部の血流の促進を図りながらより効果的な水圧マッサージを施せ、好都合である。
【0011】
本発明は、被マッサージ部の末端側に対応する台部先部2aを低位にして、台部2上面は傾斜しているものであるから、被マッサージ部の上に位置するカバー部側可撓性膜5b上に噴射された水の排水がよく、カバー部側可撓性膜5b上に水が残溜せず、残留水がカバー部側可撓性膜5b上に無いので、残留水の重量が被マッサージ部に掛からず、ノズル部4からの噴流水による刺激を残溜水が弱めることもなく、高能率に快適に水圧マッサージを施すことができ、好都合である。
【0012】
本発明は、任意の位置にノズル部4を移動可能なリモートコントローラー50を設けるものであるから、患者が自ら、好みの位置に(=望む位置)にノズル部4を移動できその位置をマッサージ出来、好都合である。
【0013】
本発明に係る座部51は回動自在に椅子35に設けられものであるから、患者は容易に、椅子35へ移乗でき、及び台部2へマッサージ部位をセッティングでき、好都合である。
【0014】
本発明は、ノズル部4を、略水平面に回動可能にしたものであるから、ノズル部4を回動させた場合には、回動の直径分だけ噴流圧の付与範囲が拡がり、広範囲にマッサージができ、マッサージが行き届き、好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の部分用水圧マッサージ機1で、患者の被マッサージ部に水圧マッサージを施す。台部2に患者は被マッサージ部を乗せる。カバー部3は前記台部2を覆う。可撓性膜5は、台部2及びカバー部3で囲まれた中に設けられ、被マッサージ部を覆う。
【0016】
ノズル部4は、台部2及びカバー部3で囲まれた中に設けられ、循環ポンプ9から得た加圧水を可撓性膜5に向かって噴射する。可撓性膜5を介して被マッサージ部に水圧の刺激を与え、水圧マッサージを施す。循環ポンプ9は、貯水槽6の水を吸入し、ノズル部4に加圧水を供給し、ノズル部4から噴射する。
【0017】
移動機構46は、台部2及びカバー部3で囲まれた中に設けられ、ノズル部4を移動又は固定させる。移動機構46は、ノズル部4を部分用水圧マッサージ機1の長手方向(=縦方向)に動かす。ノズル部4は水を噴射しながら移動又は固定できる。
台部2上面に設けられる防止部材10は、被マッサージ部が可撓性膜5を挟んだ状態でノズル部4にぶつかることを防止する。
【0018】
貯水槽6に設けられる水温調節器43は、貯水槽6内の水の温度を調節する。台部2に設けられる温熱具33は、被マッサージ部を暖める。
台部2上面は、被マッサージ部の末端側に対応する台部先部2aを低位になして傾斜しており、この傾斜は可撓性膜5上の噴流水の排水をよくする。
【0019】
リモートコントローラー50は、任意の位置にノズル部4を移動させることができる。椅子35に設けられる座部51は回動自在である。ノズル部4は、略水平面に回動可能であり、噴流圧の付与範囲が拡大する。
【0020】
昇降台部42は、脚部22に立設され伸縮可能な支柱部23で支持され昇降する。
【実施例1】
【0021】
図1、2に本発明の実施例1を示している。図1に示す部分用水圧マッサージ機1は、台部2と、台部2に載置されるカバー部3と、台部2内の上部位置に設置される容器48と、台部2内の下部位置に設置され水を満たす貯水槽6とからなる。実施例1の部分用水圧マッサージ機1は主として下肢用に使用されるものである。
【0022】
台部2は床に載置され、台部2内に容器48が一定高さに収容支持され、台部2上にカバー部3が載設される。台部2において、被マッサージ部の末端側(=被マッサージ部が下肢の場合は足側)に対応する部分、即ち台部先部2aを低位にして台部2上面は傾斜している。
台部2において、被マッサージ部の基端側(=被マッサージ部が下肢の場合は大腿側)に対応する部分、即ち台部基部2bは、椅子35である。該椅子35に回動自在に座部51が設けられる。
【0023】
容器48は、平面視長方形の容器である。容器48の上部の容器開口部18に、被マッサージ部の重量を支える網45が張設され、更に、網45の上に可撓性膜5(=容器側可撓性膜5a)が設けられる。容器側可撓性膜5aは容器開口部18を水密に覆う。可撓性膜5は、伸縮材で製作される。前記容器48内に、容器側可撓性膜5aへ向け水を噴射するノズル部4(=容器側ノズル部4a)が設けられる。
【0024】
被マッサージ部の上方移動を阻止し、被マッサージ部がその上に位置するノズル部4にぶつかることを防止する防止部材10(=具体例では固定ベルト)が、台部2の上面を横断させて該台部2に取着される。
容器48の形状は、平面視長方形に限定されるものではなく、平面視楕円形又は平面視正方形又は適宜な形状であってもよい。
【0025】
カバー部3は、台部2の台部先部2aにカバー軸47で開閉可能に取り付けられる。カバー部3の下面のカバー部開口部30にカバー部側可撓性膜5bが緩めに張設される。カバー部側可撓性膜5bは、カバー部3の全周縁に止着される。
前記カバー部側可撓性膜5bは、伸縮材で製作される。カバー部側可撓性膜5bはカバー部開口部30を水密に覆う。
【0026】
前記カバー部3内に、水をカバー部側可撓性膜5bへ向けへ噴射するカバー部側ノズル4bが設けられる。
カバー部側可撓性膜5bの先部には、カバー部側ノズル4bから噴出した噴流水を貯水槽6へ返送するカバー部側返送管20bが接続される。
【0027】
台部2が前傾しているため、台部2に載設されるカバー部3も前傾し、このカバー部3の前傾態様はカバー部側可撓性膜5bの上に噴出された水の排水を良好にする。カバー部側可撓性膜5bの下に置いた被マッサージ部は前記水に濡れない。
【0028】
貯水槽6は平面視長方形の容器であり、水を収容する。貯水槽6には、加温ヒータ8と、ラジエター44と、温調ポンプ26とでなる水温調節器43が連通して設けられる。
【0029】
加温ヒータ8は、貯水槽6内の底部に設けられ貯水槽6内の水を加熱する。ラジエター44は、温調ポンプ26によって該ラジエター44へ導入された貯水槽6内の水を空気冷却する。
尚、貯水槽6の形状は、平面視長方形に限定されるものではなく、平面視楕円形又は正方形又は適宜な任意な形状であってもよい。
【0030】
ノズル部4には、容器側ノズル部4aとカバー部側ノズル部4bがある。
容器側ノズル部4aは、容器48内にあって循環ポンプ9から得た加圧水を容器側可撓性膜5aに向けて噴射するものであり、移動機構46に支持される。
カバー部側ノズル部4bは、前記カバー部3内にあって、循環ポンプ9から得た加圧水をカバー部側可撓性膜5bへ向けて噴射するものであり、移動機構46に支持される。
ノズル部4の側面には取水口31が設けられ、該取水口31に循環ポンプ9から加圧水が注入される。
【0031】
容器側ノズル部4aは被マッサージ部の裏面をマッサージし、カバー部側ノズル部4bは被マッサージ部の表面をマッサージし、容器側ノズル部4a及びカバー部側ノズル部4bは被マッサージ部の両面を同時にマッサージする。
【0032】
移動機構46は、容器48とカバー部3とにそれぞれ設けられる。移動機構46は、ノズル部4を部分用水圧マッサージ機1の縦方向(=長手方向)に移動させる。容器48に設けられた容器側移動機構34は、容器48の縦方向に架け渡される容器側ネジ軸15aと、容器側ネジ軸15aに螺着され該軸15aによって移動可能な容器側雌ネジ16aと、容器側ネジ軸15aを回動させる容器側駆動モータ14aとからなる。容器側雌ネジ16aの上部に容器側ノズル部4aが載設される。
【0033】
一方、カバー部3に設けられたカバー部側移動機構36は、カバー部3の縦方向(=長手方向)に架け渡されるカバー部側ネジ軸15bと、カバー部側ネジ軸15bに螺着され該軸15bによって移動可能なカバー部側雌ネジ16bと、カバー部側ネジ軸15bを回動させるカバー部側駆動モータ14bとからなる。カバー部側雌ネジ16bの下部にカバー部側ノズル4bが設けられる。
移動機構46には前記ノズル部4を回動自在に支持するノズル回動器52が設けられる。ノズル部4は回動し円軌跡に動く。
尚、ノズル回動器52は、容器48内のノズル部4に設けることもできる。
【0034】
循環ポンプ9の吐出口32とノズル4の取水口31とは容器側吐出ホース13aで繋がれる。循環ポンプ9は、貯水槽6内の水を吸入し圧縮し、ノズル4へ付与する。ノズル部4から加圧水が噴出する。
【0035】
ノズル部4から噴出した水は、落差により台部側返送管20a及びカバー部側返送管20bを通って貯水槽6へ戻り、貯水槽6内の水は循環する。循環ポンプ9は、貯水槽6内の水を循環させている。
前記ノズル4から噴射された噴射水は、可撓性膜5を介して患者の被マッサージ部に当たり、被マッサージ部を押圧刺激し、水圧マッサージを施す。
【0036】
図2に示す電気的構成及び配管系統を説明する。
電気的構成は、貯水槽6の水を加温する加温ヒータ8と、被マッサージ部を加温する温熱具33と、前記循環ポンプ9と、貯水槽6の水をラジエター44へ循環供給する温調ポンプ26と、容器側吐出ホース13aの途中に設けられる容器側電磁弁19aと、カバー側吐出ホース13bの途中に設けられるカバー側電磁弁19bと、容器側駆動モータ14aと、カバー部側駆動モータ14bと、上記各電気部品を操作する操作部41とからなる。
【0037】
操作部41には、任意の位置にノズル部4を移動させるリモートコントローラー50が可撓コード53を介して接続される。
【0038】
容器48側の循環ライン39は、貯水槽6と、吸入管11と、循環ポンプ9と、容器側電磁弁19aと、容器側ノズル部4aと、容器側返送管20aとからなる。
カバー部3側の循環ライン39は、貯水槽6と、吸入管11と、循環ポンプ9と、カバー部側電磁弁19bと、カバー部側ノズル部4bと、カバー部側返送管20bとからなる。
【0039】
図1中、7は背凭れ、17は踵受け、図2中、38は温度センサ、49は水位センサである。
【0040】
実施例1を使用する際は、先ず、貯水槽6に水を満たす。次に、カバー部3をカバー軸47を軸にして開ける。
患者は、椅子35に腰掛け、座部51の回動させながら下肢を台部2の中央へ移乗する。患者の被マッサージ部を、容器開口部18に張設された可撓性膜5の上に乗せ、防止部材10で定位置に保持する。
容器開口部18に可撓性膜5の下に張設されている網45で被マッサージ部を支持する。次に、カバー部3を閉める。
【0041】
続いて、循環ポンプ9を駆動させると、該循環ポンプ9は吸入管11から貯水槽6内の水を吸入し、吸入した水をノズル部4から噴射する。ノズル4へ供給する水の圧力は、循環ポンプ9の回転数に応じて増減する。可撓性膜5は、伸縮性を有しているので、被マッサージ部に当接して自在に変形し、被マッサージ部の外形状によく添うと共に、噴射水の圧力を受けて自在に圧力方向に凸状に変形する。
【0042】
可撓性膜5に噴射水が衝突し該膜5は噴射水の噴射方向に瞬時突出変形し、可撓性膜5を介して被マッサージ部を押圧し、マッサージ刺激を与える。
【0043】
マッサージ刺激の強さは、ノズル4の噴射水の噴射強さにより増減し、ノズル4へ供給する水の圧力により増減する。循環ポンプ9の回転数を一定にして、連続的に被マッサージ部にマッサージ刺激を施す。或いは、循環ポンプ9の回転数を増減制御し、治療に係る所定時間内にマッサージ刺激を繰り返し漸増漸減させる。
【0044】
或いは、循環ポンプ9の回転数をランダム制御し、治療に係る所定時間内にマッサージ刺激をランダムに増減させる。或いは、循環ポンプ9を始動・停止させ、治療に係る所定時間内にマッサージ刺激を繰り返し断続させる。
可撓性膜5は、噴出水の衝撃に係るエネルギーの減衰を少なくして、当該エネルギーを被マッサージ部に伝導する。
【0045】
容器48内の容器側ノズル部4aは、容器側雌ネジ16aの移動に伴って縦方向に移動し、患者に縦方向にマッサージを与える。カバー部3内のカバー部側ノズル部4bは、カバー部側雌ネジ16bの移動に伴って縦方向に移動し、患者に縦方向にマッサージを与える。
ノズル回動器52は、ノズル部4の噴射方向を適宜斜め方向とすることで、噴射の反動により回転方向への推進力が発生させるものであり、この推進力によりノズル部4は略水平面に回動し、円軌跡に動き、患者に円形状にマッサージを与える。
【0046】
マッサージ態様例を示すと、操作部41を操作して治療を開始するとノズル部4から水が噴射する。ノズル部4は、被マッサージ部に沿って縦方向直線移動及び円移動できる。操作者の任意な指示により、ノズル部4を任意な位置に停止して、水を噴出させることができ、又、操作者の任意な指示により、ノズル部4を所定の順路に移動させながら、水を噴出させることもできる。ノズル部4を縦方向直線移動と円移動に複合的に移動させることもできる。
又、ノズル部4を、移動に加えて循環ポンプ9の回転数を前述のように制御して、ノズル部4から出る水の噴射強さを強弱変化その他の変化させる。
【実施例2】
【0047】
図3に示す実施例2は、実施例1に係る台部2を、昇降台部42に代えたものであり、上肢用水圧マッサージ機21である。
昇降台部42は、脚部22と、該脚部22に立設され伸縮可能な支柱部23と、支柱部23に支持された載部37と、カバー部3とからなり、前記昇降台部42は昇降可能であり高さを調節できる。
【0048】
載部37は、支柱部23の頂部に取付軸24で軸支され、又、載部37と支柱部23上部とに伸縮具12(=具体例では電動アクチュエーター)が架け渡されており、伸縮具12を伸展させると載部37及びカバー部3は前傾する。
【0049】
載部37には、被マッサージ部を暖める温熱具33(=具体例では、電熱ヒータ)が設置される。
【0050】
カバー部3の内壁の先部と内壁の基部とに凹形状レール29がそれぞれ設けられる。対向して設けられた前記凹形状レール29、29は上方に突出する円弧状に曲げられて設けられる。
カバー部側ネジ軸15b及びカバー部側駆動モータ14bは直線状に連結される。前記直線状連結物の両端が各凹形状レール29に架け渡され移動自在に載置される。
紐28が、円弧状に設けられた凹形状レール29に沿って、複数の中継ローラー(図示省略)に掛け回されて、張設される。前記紐28をネジ軸移動用モータ27で一方向に引き回し又は他方向へ引き回す。
カバー部側ネジ軸15b及びカバー部側駆動モータ14bでなる直線状連結物の両端が、紐28に引っ張られて、上方に突出する円弧状の凹形状レール29上を往復移動する。
【0051】
カバー部側ネジ軸15b及びカバー部側駆動モータ14bが凹形状レール29に添って往復移動すると、カバー部側ネジ軸15bに設けられるノズル部4は、カバー部側駆動モータ14bの駆動による縦移動に加えて円弧状横移動しながら、被マッサージ部の左面から右面までにマッサージ刺激を付与する。
【0052】
図3中、25は挿入空間、54は座部51の高さを変更・固定する固定具である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上肢又は下肢の被マッサージ部の両面を同時に又は片面を、水圧マッサージすることができ、又、楽な姿勢で四肢の水圧マッサージを施すことができる部分用水圧マッサージ機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1の内部を透視した左側面図である。
【図2】本発明の実施例1の電気的構成及び配管系統を示す図である。
【図3】本発明の実施例2の内部を透視した左側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 部分用水圧マッサージ機
2 台部
2a台部先部
3 カバー部
4 ノズル部
4a容器側ノズル部
4bカバー部側ノズル部
5 可撓性膜
6 貯水槽
9 循環ポンプ
10 防止部材
22 脚部
23 支柱部
33 温熱具
42 昇降台部
43 水温調節器
46 移動機構
50 リモートコントローラー
51 座部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の被マッサージ部が載置される台部(2)と、該台部(2)を覆うカバー部(3)と、貯水槽(6)と、循環ポンプ(9)と、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中に設けられる可撓性膜(5)と、台部(2)とカバー部(3)で囲まれる中に配設されるノズル部(4)とを有する部分用水圧マッサージ機(1)において、
前記可撓性膜(5)は被マッサージ部を覆い、循環ポンプ(9)は貯水槽(6)の水を吸入しノズル部(4)へ付与し、前記ノズル部(4)は、噴出水を可撓性膜(5)を介して被マッサージ部に向かって衝突させ、被マッサージ部に水圧マッサージを付与し、台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中にノズル部(4)を移動させる移動機構(46)が設けられ、ノズル部(4)は水を噴射しながら移動又は停止できる部分用水圧マッサージ機。
【請求項2】
台部(2)とカバー部(3)とで囲まれる中にあって、台部(2)側に容器側ノズル部(4a)が配設され、カバー部(3)側にカバー部側ノズル部(4b)が配設され、被マッサージ部の両面に同時に水圧マッサージを付与できることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項3】
脚部(22)と、該脚部(22)に立設され伸縮可能な支柱部(23)とが付加設置され、台部(2)は、支柱部(23)で支持される昇降台部(42)であることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項4】
被マッサージ部がノズル部(4)にぶつかることを防止する防止部材(10)が、台部(2)上面に設けられることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項5】
貯水槽(6)には、該貯水槽(6)内の水の温度を調節する水温調節器(43)が付設され、
台部(2)には、被マッサージ部を暖める温熱具(33)が付設されることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項6】
被マッサージ部の末端側に対応する台部先部(2a)を低位にして、台部(2)上面は傾斜していることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項7】
任意の位置にノズル部(4)を移動可能なリモートコントローラー(50)を設けたことを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項8】
座部(51)は回動自在に椅子(35)に設けられることを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。
【請求項9】
ノズル部(4)を、略水平面に回動可能なものとし、噴流圧の付与範囲を拡大したことを特徴とする請求項1記載の部分用水圧マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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