説明

配信デジタル音楽データ再生システム

【課題】 面倒な操作を必要とせずに、各店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことが可能なデジタル音楽データを提供する。
【解決手段】 ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信するデジタル放送受信機10と、これに接続されて当該デジタル音楽データを再生する少なくとも1つの再生装置20と、デジタル音楽データに含まれる楽曲IDデータを取得する楽曲ID取得手段12と、再生装置20に設定された楽曲選定種別を識別する接続再生装置識別手段13と、楽曲選定データテーブル15を参照し、受信したデジタル音楽データの楽曲IDに対応する楽曲選定種別が設定された再生装置20がある場合には、当該再生装置20に対してデジタル音楽データを出力する出力制御手段14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーム配信されるデジタル音楽データを再生するためのシステムに関するものであり、例えば、種々の業種が入店しているテナントビルにおいて、各業種に好適に対応したデジタル音楽データを選択的に再生することが可能な配信デジタル音楽データ再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の店舗、オフィス、クリニック等に設置された再生装置を利用して、BGM(background music)やBGV(background video)を提供するサービスが普及している。このようなサービスでは、例えば、配信するデジタル音楽データを、クラシック、ジャズ、演歌、JPOP等のジャンルに分類し、複数のチャンネルにそれぞれジャンル別のBGMデータやBGVデータを割り当てて、有線放送、衛星放送、地上放送等により配信するようになっている。そして、再生装置が設置された店舗等では、それぞれ好みのジャンルに該当するチャンネルを選択して、当該チャンネルに割り当てられた音楽や映像をBGMやBGVとして再生していた。
【0003】
また、ユーザーが受信を所望する音楽放送データを予約して、サーバにおいて予約された音楽放送データを記録しておき、ユーザーは任意の時刻に記録された音楽放送データを視聴することができる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−287193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、予めジャンルが設定されたチャンネルを選択することにより、当該チャンネルに割り当てられたジャンルの音楽や映像をBGMやBGVとして再生する技術では、おおまかには各店舗等の雰囲気に合った音楽を再生することができるが、元々、ジャンル別の分類は個々の業種に対応したものではないため、各店舗の雰囲気にそぐわない楽曲が含まれている場合もあった。すなわち、各業種ではそれぞれ好適なジャンルの音楽や映像があり、例えば、アパレル店では活気のある楽曲、クリニックでは患者の気持ちを鎮める楽曲、美容院では爽やかな印象を与える楽曲等が好まれる傾向にある。しかし、従来のチャンネル別のジャンル設定では、クラシック、ジャズ、演歌、JPOP等のジャンルにより配信する楽曲及び背景映像を区分しており、必ずしも各チャンネルに設定されたジャンルが各店舗の雰囲気に合致しているとは言えなかった。
【0006】
また、ユーザーが受信を所望する音楽放送データを予約してサーバに記録させるようにした技術では、ユーザー側で一々予約操作を行わなければならず、ユーザーの手間が増大するという問題があった。
【0007】
また、テナントビルにおいて、一括してデジタル音楽データの受信設備を設置し、各店舗に設置された再生装置に音楽放送を配信することも考えられる。しかし、この場合にも、マニュアル操作により、受信したデジタル音楽データを各店舗の雰囲気に合致するように分類して抽出しなければならず、効率が悪く現実的ではない。
【0008】
さらに、業種に応じて楽曲を抽出するためのインデックスデータをデジタル音楽データに組み込むことも考えられるが、これではデジタル音楽データの作成に手間がかかる。また、各デジタル音楽データを異なる業種に適用することができなくなり、汎用性に欠けることになる。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、面倒な操作を必要とせずに、各店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことが可能なデジタル音楽データを抽出して提供するシステムを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の配信デジタル音楽データ再生システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を備えている。すなわち、本発明の配信デジタル音楽データ再生システムは、ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信するデジタル放送受信機と、これに接続されて当該デジタル音楽データを再生する少なくとも1つの再生装置とを有し、当該デジタル音楽データを所定の楽曲選定条件に従い再生装置で再生させるための配信デジタル音楽データ再生システムであって、楽曲ID取得手段と、接続再生装置識別手段と、出力制御手段と、備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、楽曲ID取得手段は、ストリーム配信されるデジタル音楽データに含まれる楽曲IDデータを取得するための手段である。接続再生装置識別手段は、現に接続されている再生装置に予め設定された、再生楽曲を選定するための楽曲選定種別を識別するための手段である。出力制御手段は、楽曲選定種別と楽曲IDとが紐付けされた所定の楽曲選定データテーブルを参照し、受信したデジタル音楽データの楽曲IDに対応する楽曲選定種別が設定された再生装置がある場合には、当該再生装置に対してデジタル音楽データを出力するための手段である。
【0012】
このような構成からなる配信デジタル音楽データ再生システムでは、例えば、有線放送や無線放送によりデジタル音楽データがストリーム配信され、各店舗にそれぞれ設置された再生装置により、デジタル音楽データを再生するようになっている。
【0013】
本発明では、テナントビルの管理室等にデジタル放送受信機を設置して、各店舗で使用するデジタル音楽データを一括して受信する。また、デジタル放送受信機には少なくとも1つの再生装置が接続されており、この再生装置によりデジタル音楽データを再生することができる。再生装置には、再生する音楽データの種別を選定するための楽曲選定種別データが設定されており、接続再生装置識別手段の機能により、当該再生装置に設定された楽曲選定種別が識別される。
【0014】
そして、受信手段によりストリーム配信されるデジタル音楽データを受信し、このデジタル音楽データに含まれる楽曲IDを楽曲ID取得手段により取得する。また、デジタル放送受信機は、楽曲選定種別と楽曲IDとが紐付けされた楽曲選定データテーブルを備えており、出力制御手段の機能により、楽曲選定データテーブルを参照し、受信したデジタル音楽データの楽曲IDに対応する楽曲選定種別が設定された再生装置がある場合には、当該再生装置に対して前記デジタル音楽データを出力する。
【0015】
また、上述した構成に加えて、再生装置は、さらに記憶制御手段を備えた構成とすることが可能である。ここで、記憶制御手段は、出力制御手段が出力したデジタル音楽データを所定の記憶部に順次記憶すると共に、当該記憶部に記憶されたデジタル音楽データが順次再生される毎に、所定の記憶容量となるまで、再生したデジタル音楽データを順次消去するための機能を有している。
【0016】
このような構成からなる配信デジタル音楽データ再生システムでは、各再生装置に出力されるデジタル音楽データが記憶部に一時的に記憶された後に順次再生される。そして、記憶制御手段の機能により、再生が終了したデジタル音楽データは順次消去されるが、この際、記憶部に記憶されているデジタル音楽データが所定の記憶容量以下とならないような制御が行われる。
【0017】
また、記憶制御手段による制御は、予め設定されたタイムスケジュールに従って行わせることもできる。この場合には、例えば、店舗の開店時間から閉店時間までの間はデジタル音楽データの再生及び消去を行い、店舗の閉店時間から開店時間までの間はデジタル音楽データの再生及び消去を行わずに、デジタル音楽データの記憶のみを行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明の配信デジタル音楽データ再生システムによれば、予め、各店舗に再生装置を設置し、各再生装置には、当該店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことが可能な楽曲選定種別を設定しておくだけで、当該再生装置に設定された楽曲選定種別に対応したデジタル楽曲データが、自動的に再生される。
【0019】
したがって、面倒な手間を要することなく、各店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことが可能なデジタル音楽データを再生することができるので、効率よく適切なデジタル音楽データの配信を行うことが可能となる。
【0020】
また、各再生装置に配信されるデジタル音楽データを記憶部に記憶した後に順次再生すると共に、再生が終了したデジタル音楽データが所定の記憶容量以下とならないように消去する制御を行う構成とした場合には、デジタル音楽データの再生が途切れることがなくなり、安定して各店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことが可能となる。
【0021】
また、店舗の閉店時間から開店時間までの間にデジタル音楽データを記憶部に蓄積しておき、蓄積されたデジタル音楽データを開店時間から閉店時間までの間に再生すれば、さらに効率よく各店舗の業種に応じて適切な雰囲気を作り出すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る配信デジタル音楽データ再生システムの構成を示す機能ブロック図。
【図2】楽曲選定データテーブルの構成を示す説明図。
【図3】デジタル音楽データの構成を示す説明図。
【図4】配信デジタル音楽データ再生システムにおける受信出力処理を示すフローチャート。
【図5】デジタル音楽データの記憶再生処理の一例を示すフローチャート。
【図6】デジタル音楽データの記憶再生処理の他の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の配信デジタル音楽データ再生システムの実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る配信デジタル音楽データ再生システムの構成を示す機能ブロック図、図2は楽曲選定データテーブルの構成を示す説明図、図3はデジタル音楽データの構成を示す説明図、図4は配信デジタル音楽データ再生システムにおける受信出力処理のフローチャート、図5及び図6はデジタル音楽データの記憶再生処理のフローチャートである。
【0024】
<配信デジタル音楽データ再生システムの概要>
本発明の実施形態に係る配信デジタル音楽データ再生システムは、テナントビル等に入居している各種の店舗、オフィス、クリニック等に設置された再生装置を利用して、BGMやBGV等のデジタル音楽データを提供するためのシステムであり、ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信し、予め設定された楽曲選定基準に従い、受信したデジタル音楽データを抽出して再生装置に出力することができるようになっている。
【0025】
<配信デジタル音楽データ再生システムの構成>
本発明の実施形態に係る配信デジタル音楽データ再生システムは、図1に示すように、テナントビルの管理室等に設置されたデジタル放送受信機10及び各店舗等に設置された再生装置20により構成されるシステムであり、デジタル放送受信機10は、受信手段11と、楽曲ID取得手段12と、接続再生装置識別手段13と、出力制御手段14と、楽曲選定データテーブル15と、を備えている。各手段は、CPU、ROM、RAM等の機能を有するコンピュータがプログラムに従って動作すると共に、周辺機器の動作を制御することにより、その機能を発揮するようになっている。なお、本実施形態においてプログラムとは、ソフトウエア又はこれと同等の機能を発揮する論理回路のことをいう。また、図示しないが、本実施形態で利用するデジタル放送受信機10は、上述した本発明に特有の機能手段の他に、ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信するための周知の機能を備えている。
【0026】
<受信手段>
受信手段11は、ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信するための手段であり、電子回路及びプログラムからなる。なお、デジタル音楽データのストリーム配信は、公衆電話回線、専用通信回線、インターネット回線、無線放送等、どのような方式で配信されるものであってもよい。この受信手段11で受信するデジタル音楽データは、図3に示すように、楽曲毎にヘッダ部及びペイロード部を主要なデータ要素とするものであり、ヘッダ部に楽曲IDデータが含まれており、ペイロード部に楽曲演奏データが含まれている。ここで、楽曲演奏データとは、演奏音等を発生させるMIDI規格のデジタルデータであってもよいし、これに背景映像データや文字データを加えたものであってもよい。
【0027】
<楽曲ID取得手段>
楽曲ID取得手段12は、受信手段11で受信したデジタル音楽データに含まれる楽曲IDデータを取得するためのプログラムからなる。この楽曲ID取得手段12の機能により、ストリーム配信されるデジタル音楽データのヘッダ部に含まれる楽曲IDデータを取得する。取得した楽曲IDデータは、デジタル音楽データの抽出に利用される。
【0028】
<接続再生装置識別手段>
接続再生装置識別手段13は、デジタル放送受信機10に接続された再生装置20の楽曲選定種別を識別するためのプログラムからなる。本実施形態の再生装置20には、当該再生装置20を用いて音楽再生を行う店舗の業種に応じて、適切な雰囲気を作り出すことが可能な楽曲選定種別が記録されている。そして、接続再生装置識別手段13の機能により、再生装置20に設定された楽曲選定種別が識別される。
【0029】
<再生装置>
再生装置20は、デジタル音楽データを再生するための装置であり、例えばステレオ再生装置やディスプレイ装置からなる。すなわち、受信したデジタル音楽データが音データだけの場合にはステレオ再生装置で音データを再生し、デジタル音楽データが音データ及び映像データからなる場合にはステレオ再生装置で音データを再生すると共に、ディスプレイ装置により映像データを表示する。デジタル音楽データを再生する部分に相当する機器は、一般に市販されているステレオ再生装置やディスプレイ装置を利用することができる。
【0030】
また、本実施形態の再生装置20は、記憶部21及び記憶制御手段22を備えた構成とすることが可能である。この場合には、各再生装置20に出力されるデジタル音楽データは、記憶部21に記憶された後に順次再生される。そして、記憶制御手段22の機能により、再生が終了したデジタル音楽データは順次消去されるが、この際、記憶部21に記憶されたデジタル音楽データが所定の記憶容量以下とならないような制御が行われる。
【0031】
<記憶部/記憶制御手段>
記憶部21は、例えばRAMやHDD等からなり、各再生装置20に出力されるデジタル音楽データを記憶するバッファメモリとして機能する。記憶制御手段22は、記憶部21に記憶されたデジタル音楽データが順次再生される毎に、所定の記憶容量となるまで、再生したデジタル音楽データを順次消去するためのプログラムからなる。
【0032】
この記憶制御手段22は、例えば、記憶部21に記憶されたデジタル音楽データをFIFO処理する。すなわち、記憶部21には、店舗の開店、閉店に関わらず、常に出力されるデジタル音楽データが次々と記憶されるが、記憶時刻の古いものから再生が行われ、記憶制御手段22の機能により、再生が終了したデジタル音楽データは消去される。この際、記憶されるデジタル音楽データ量が、再生・消去されるデジタル音楽データ量よりも多い状態が続き、記憶部21の記憶容量を超えた場合には、記憶時刻の古いデジタル音楽データから順次消去して、新たに出力されたデジタル音楽データを記憶してもよいし、記憶部21の記憶容量を超えた時点で、新たに出力されたデジタル音楽データの記憶を行わないようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、記憶部21にデジタル音楽データが記憶されておらず、再生するデジタル音楽データがなくなることを防止するため、所定の記憶容量(例えば10曲分程度のデジタル音楽データが記憶された状態)となるまではデジタル音楽データの消去を行い、記憶されるデジタル音楽データ量が、再生・消去されるデジタル音楽データ量よりも少ない状態が続き、所定の記憶容量となると、当該デジタル音楽データの再生が終了しても消去は行わないようにすることが好ましい。これにより、何らかの原因でデジタル音楽データの出力が滞った場合であっても、再生が途切れることがない。
【0034】
さらに、予め設定されたタイムスケジュールに従い、デジタル音楽データの再生及び消去を行ってもよい。このような機能を持たせた場合には、例えば、店舗の閉店時間から開店時間までの間にデジタル音楽データを記憶部21に蓄積しておき、蓄積されたデジタル音楽データを開店時間から閉店時間までの間に再生し、所定の条件に基づいて消去することができる。
【0035】
<楽曲選定種別>
再生装置20に設定されている楽曲選定種別とは、従来のチャンネル別の楽曲選定で行われていたように、クラシック、ジャズ、演歌、JPOP等のジャンル別に区分したものではなく、例えば、アパレル店では活気のある楽曲の種別、クリニックでは患者の気持ちを鎮める楽曲の種別、美容院では爽やかな印象を与える楽曲の種別のことである。すなわち、本発明では、音楽ジャンルに拘ることなく、各業種の雰囲気にあった楽曲を選定するために楽曲選定種別が設定されている。この楽曲選定種別に基づいて、楽曲選定データテーブル15が構築される。
【0036】
<楽曲選定データテーブル>
楽曲選定データテーブル15は、図2に示すように、楽曲選定種別と、複数の楽曲IDとを紐付けして構成したデータテーブルである。本実施形態では、A〜Gの8つの楽曲選定種別が設定されており、各楽曲選定種別は、それぞれ異なる業種に対応している。この楽曲選定データテーブル15は、デジタル放送受信機10を構成するRAMやHDD等に記憶されている。
【0037】
本実施形態では、図2に示すように、レストラン、アパレル、ホテル、銀行・証券、喫茶店、クリニック、雑貨店にそれぞれ対応して楽曲選定種別が設定されているが、楽曲選定種別はこれらに限られず、他の業種に対応するものであってもよいし、「海」、「山」、「虫」、「鳥」、「季節」等、どのようなテーマに対応したものであってもよい。この場合には、各店舗において、その業種にもっともふさわしいと思われるテーマの楽曲選定種別を選択し、再生装置20に当該楽曲選定種別を設定すればよい。
【0038】
<出力制御手段>
出力制御手段14は、楽曲選定種別と楽曲IDとが紐付けされた楽曲選定データテーブル15を参照し、受信したデジタル音楽データの楽曲IDに対応する楽曲選定種別が設定された再生装置20がある場合には、当該再生装置20に対してデジタル音楽データを出力するためのプログラムからなる。この出力制御手段14の機能により、各再生装置20に対して、設定された楽曲選定種別に対応したデジタル音楽データが出力される。なお、出力されたデジタル音楽データを再生装置20によりリアルタイムで再生してもよいが、上述したように、記憶部21に一旦記憶した後、再生装置20により順次再生してもよい。このように、再生装置20に設定された楽曲選定種別に従って、各店舗に設置された再生装置20にデジタル音楽データを出力することにより、各店舗の雰囲気にあった楽曲や映像が再生される。
【0039】
図1に示す例では、再生装置20aに設定された楽曲選定種別は「A」であるため、対応業種は「レストラン」であると識別され、楽曲選定データテーブル15を参照して対応楽曲が出力される。同様に、再生装置20bに設定された楽曲選定種別は「B」であるため、対応業種は「アパレル」であると識別され、出再生装置20cに設定された楽曲選定種別は「C」であるため、対応業種は「ホテル」であると識別され、再生装置20dに設定された楽曲選定種別は「F」であるため、対応業種は「クリニック」であると識別され、再生装置20eに設定された楽曲選定種別は「A」であるため、対応業種は「レストラン」であると識別され、それぞれ楽曲選定データテーブル15を参照して対応楽曲が出力される。
【0040】
<デジタル音楽データの受信出力処理>
次に、本発明の実施形態に係る配信デジタル音楽データ再生システムにおけるデジタル音楽データの受信出力処理について説明する。なお、図示しないが、デジタル音楽データの受信出力処理の前提として、再生装置20の識別処理が行われる。この再生装置20の識別処理では、接続再生装置識別手段13の機能により、再生装置20に設定された楽曲選定種別が識別される。
【0041】
デジタル音楽データの受信出力処理では、図4に示すように、受信手段11の機能により、ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信し(S1)、楽曲ID取得手段12の機能により、受信したデジタル音楽データに含まれる楽曲IDを取得する(S2)。続いて、出力制御手段14の機能により、楽曲選定データテーブル15を参照して、取得した楽曲IDに対応する楽曲選定種別の再生装置(20a〜20fのいずれか)が存在するか否かを判断する(S3)。ここで、取得した楽曲IDに対応する楽曲選定種別の再生装置(20a〜20fのいずれか)が存在する場合には、当該再生装置(20a〜20fのいずれか)に対して、デジタル音楽データを出力する(S4)。
【0042】
<デジタル音楽データの記憶再生処理(1)>
再生装置20では、出力されたデジタル音楽データをリアルタイムで再生してもよいが、本実施形態では、一旦、デジタル音楽データを記憶部21に記憶し、順次再生するようになっている。すなわち、図5に示すように、記憶部21に空き記憶領域があるか否かを判断し(S11)、記憶部21に空き記憶領域がある場合には、出力されたデジタル音楽データを記憶部21に記憶する(S12)。一方、記憶部21に空き記憶領域がない場合には、デジタル音楽データの記憶は行わない。
【0043】
続いて、記憶されたデジタル音楽データを順次再生する(S13)。そして、記憶制御手段22の機能により、デジタル音楽データの記憶容量が所定値以上か否かを判断し(S14)、デジタル音楽データの記憶容量が所定値以上であれば、再生したデジタル音楽データを消去する(S15)。一方、デジタル音楽データの記憶容量が所定値未満であれば、再生したデジタル音楽データを消去せずに、記憶部21に記憶したままにしておく。
【0044】
<デジタル音楽データの記憶再生処理(2)>
また、再生装置20における記憶再生処理の他の実施形態として、予め設定されたタイムスケジュールに従い、デジタル音楽データの再生及び消去を行ってもよい。すなわち、図6に示すように、記憶部21に空き記憶領域があるか否かを判断し(S21)、記憶部21に空き記憶領域がある場合には、出力されたデジタル音楽データを記憶部21に記憶する(S22)。一方、記憶部21に空き記憶領域がない場合には、デジタル音楽データの記憶は行わない。
【0045】
続いて、デジタル音楽データの再生及び消去を行う期間か否かを判断し(S23)、デジタル音楽データの再生及び消去を行う期間であれば、記憶されたデジタル音楽データを順次再生させる(S24)。そして、記憶制御手段22の機能により、デジタル音楽データの記憶容量が所定値以上か否かを判断し(S25)、デジタル音楽データの記憶容量が所定値以上であれば、再生したデジタル音楽データを消去する(S26)。一方、デジタル音楽データの記憶容量が所定値未満であれば、再生したデジタル音楽データを消去せずに、記憶部21に記憶したままにしておく。また、デジタル音楽データの再生及び消去を行わない期間であれば、上述したデジタル音楽再生処理以降の処理(S24〜S26)は行わない。
【符号の説明】
【0046】
10 デジタル放送受信機
11 受信手段
12 楽曲ID取得手段
13 接続再生装置識別手段
14 出力制御手段
15 楽曲選定データテーブル
20(20a〜20e) 再生装置
21(21a〜21e) 記憶部
22(22a〜23e) 記憶制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリーム配信されるデジタル音楽データを受信するデジタル放送受信機と、これに接続されて当該デジタル音楽データを再生する少なくとも1つの再生装置とを有し、当該デジタル音楽データを所定の楽曲選定条件に従い再生装置で再生させるための配信デジタル音楽データ再生システムであって、楽曲ID取得手段と、接続再生装置識別手段と、出力制御手段と、備え、
前記楽曲ID取得手段は、ストリーム配信されるデジタル音楽データに含まれる楽曲IDデータを取得し、
前記接続再生装置識別手段は、現に接続されている前記再生装置に予め設定された、再生楽曲を選定するための楽曲選定種別を識別し、
前記出力制御手段は、楽曲選定種別と楽曲IDとが紐付けされた所定の楽曲選定データテーブルを参照し、前記受信したデジタル音楽データの楽曲IDに対応する楽曲選定種別が設定された再生装置がある場合には、当該再生装置に対して前記デジタル音楽データを出力する、
ことを特徴とする配信デジタル音楽データ再生システム。
【請求項2】
前記再生装置は、さらに記憶制御手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記出力制御手段が出力したデジタル音楽データを所定の記憶部に順次記憶すると共に、当該記憶部に記憶されたデジタル音楽データが順次再生される毎に、所定の記憶容量となるまで、再生したデジタル音楽データを順次消去する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配信デジタル音楽データ再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−32676(P2012−32676A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173223(P2010−173223)
【出願日】平成22年7月31日(2010.7.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)