配管システム及び配管接続方法
【課題】貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減できる配管システム及び配管接続方法を提供すること。
【解決手段】水を加熱するヒートポンプユニット10と、ヒートポンプユニット10で加熱後の水を貯留する貯湯タンク20とを有する給湯システムにおいて、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とを接続する配管システムであって、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とを接続するための配管21a、22aと、配管21a、22aと共に用いられ、一端がヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が配管21a、22aの端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物とヒートポンプユニット10又は貯湯タンク20との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニット100と、を備える。
【解決手段】水を加熱するヒートポンプユニット10と、ヒートポンプユニット10で加熱後の水を貯留する貯湯タンク20とを有する給湯システムにおいて、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とを接続する配管システムであって、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とを接続するための配管21a、22aと、配管21a、22aと共に用いられ、一端がヒートポンプユニット10と貯湯タンク20とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が配管21a、22aの端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物とヒートポンプユニット10又は貯湯タンク20との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニット100と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを備える給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システム及び配管接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湯を供給する装置として貯湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。貯湯装置は、一般には湯を供するために設置される装置であり、所望温度の湯を常時供給できるようにタンク内に熱湯又は温水を確保している。そして、熱湯をつくる際の加熱は、加熱装置にて電気やガスを熱エネルギーに変換して行うのが一般的である。
【特許文献1】特開2004−286441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムを設置することで、低エネルギーで効率よくお湯を供給することができる。そして、給湯システムには、湯水が流通する配管が用いられ、例えば貯湯装置と加熱装置とを配管にて接続する。また、貯湯装置に貯留する湯は、浴槽や床暖房等、種々の目的に使用可能であり、目的に応じて配管を配置することができる。このような配管作業は、従来、現場にて施工業者が配管を必要長さに切断する切断作業、曲げ加工を行う曲げ加工作業等を行っていた。
【0004】
しかし、現場での配管作業は、施工業者にとって非常に手間の掛かる作業であった。特に、曲げ加工作業は、加工手間が非常に煩雑であり、多くの時間を要し、また品質を確保するためには施工業者のある程度の作業経験が必要とされていた。そして、これらを要因として、作業コストが高くなり、ユーザにとっても工事費の負担が大きいといった問題を生じていた。また、施工業者にとっては、作業時間が掛かり、経験が必要とされる作業であり作業件数を増やすのが難しいといった問題を生じていた。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減できる配管システム及び配管接続方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記の課題を解決するために、加熱装置と貯湯装置との間に接続される配管の一部に給湯システムの配置状況に基づいて標準化された補助配管ユニットを用いることとした。これにより、現場での作業時間と作業手間を削減することができる。
【0007】
より詳細には、本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱後の水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システムであって、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管と、前記配管と共に用いられ、一端が前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が前記配管の端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との距離間隔に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットと、を備える。
【0008】
貯湯装置は、加熱された水を給湯用の湯として貯留するものであり、浴槽などへ給湯を行う他、床暖房の熱源として温水を供給することができる。なお、貯湯装置は、水道から
引き込んだ加熱前の水も貯湯し、これを加熱装置へ供給することができる。また、貯湯装置は、浴槽や床暖房等から戻された湯を補助的に加熱する補助加熱手段を設けることもできる。これにより追い炊き等を行うことが可能となる。なお、補助加熱手段には、熱交換器が例示される。
【0009】
加熱装置は、貯留装置から供給される水を加熱する。加熱装置は、例えば熱交換器とコンプレッサを有する構成とすることができる。なお、加熱装置に用いるエネルギーは、電気の他、ガスであってもよい。
【0010】
加熱装置と貯湯装置とは、通常、現場で切断、折曲げ加工されるポリエチレン管等の配管や直管と曲管(エルボ)をロウ付けして折曲部を形成する金属管等の配管で接続される。本発明では、この配管と共に、形態が標準化された補助配管ユニットを用いることを特徴とする。配管と共に補助配管ユニットを用いるとは、換言すると、従来の配管の一部として補助配管ユニットを用いることを意味する。形態が標準化された補助配管ユニットを用いることで、現場での作業時間及び作業手間を削減することができる。補助配管ユニットは、加熱装置又は貯湯装置のいずれか一方に接続してもよいし、加熱装置と貯湯装置の両方に補助配管ユニットを用い、その間を配管により接続してもよい。なお、加熱装置又は貯湯装置の一方にのみ補助配管ユニットを用い、他方の装置には配管を接続することで、配管作業における自由度が向上される。
【0011】
ここで、補助配管ユニットは、前記給湯システムが設置される住居構造物と、前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化されている。住居構造物には、一般住宅、集合住宅が例示される。形態が標準化されるとは、補助配管ユニットの形状、寸法等を統一することを意味する。そして、このような形態の標準化は、給湯システムが設置される住居構造物と加熱装置又は貯湯装置との位置関係に基づいて行われる。位置関係とは、換言すると加熱装置や貯湯装置の配置状況であり、例えば、住居構造物の壁から加熱装置までの距離がこれに該当する。
【0012】
なお、標準化される補助配管ユニットは、あらかじめ工場等で切断、折曲げ加工等することで補助配管ユニットとして製品化しておくことが可能となる。また、工場における加工では、専用の機械等により加工することが可能であるので、十分な品質が確保され、また、同様の形態の補助配管ユニットを複数同時に製造することも可能となる。例えば、マンション等の集合住宅においては、給湯システムの設置箇所がバルコニー等、ある程度限定されるので、補助配管ユニットの標準化が行い易く、給湯システムの設置状況が様々である一般住宅よりも補助配管ユニットの適用性により適しているといえる。
【0013】
以上のような、本発明に係る配管システムによれば、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムを設置するに際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。現場での作業において、手間がかかるとされる折曲げ加工は、ある程度の作業経験等が必要とされるが、標準化された補助配管ユニットを用いることで、現場においては配管や加熱装置等と接続するだけでよいので、作業経験が少ない施工業者であっても従来の品質を確保しながら容易に給湯システムを設置することが可能となる。また、作業時間を削減できることで、作業コストを低減することができ、ユーザの工事費の負担も低減することが可能となる。
【0014】
また、本発明において、前記加熱装置は、その背面が前記住居構造物の壁と対向するように配置され、前記補助配管ユニットは、一端が前記加熱装置に接続され、他端が前記貯湯装置に接続された前記配管の端部に接続され、前記補助配管ユニットは、該補助配管ユニットの一端が接続される前記加熱装置の接続口の前記住居構造物の壁に対する向きに基づいてあらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有し、前記補助配管ユニットの一
端から前記折曲部までの距離は、前記住居構造物と前記加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定することができる。
【0015】
加熱装置は、一般的に住居構造物の壁と所定の間隔をもって背面が壁と対抗するように配置されることが多い。また、配管が接続される加熱装置の接続口は、装置の種類によって様々であるが、加熱装置の側面に形成されていることが比較的多い。そして、このような加熱装置と住居構造物との位置関係では、加熱装置に接続される配管は、加熱装置から壁に向かってほぼ直線状に配置され、壁付近で折り曲げられた後、壁に沿うように直線状に配置され、最終的に貯湯装置と接続される。本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、加熱装置に接続される配管であって、壁付近で折り曲げられる部分の配管を標準化したものである。
【0016】
補助配管ユニットは、あらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有する。所定の角度は、加熱装置の接続口の向きに基づいて決定することができる。例えば、接続口が加熱装置の側面に地面と水平に形成されている場合には、所定の角度を略直角とすることで、壁に向かって接続される配管の向きを壁と平行な向きに変更することが可能となる。その際、加熱装置に接続される補助配管ユニットの一端から折曲部までの距離は、住居構造物の壁と加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定すればよい。なお、加熱装置の背面から壁までの距離は、実測して得ることもできるが、加熱装置の性能により推奨される距離があらかじめ規格化されている場合には、この値を用いることができる。
【0017】
また、補助配管ユニットは、他の配管、加熱装置、貯湯装置と接続するための接続手段を有する構成としてもよい。例えば、配管と接続する場合には、接続手段として、同じ種類の端部同士を接続可能なソケットを用い、加熱装置や貯湯装置の接続口等、違う種類の端部と接続する場合には、接続手段として、機能や規格の異なるものと接続可能なアダプタを用いることができる。
【0018】
また、前記補助配管ユニットは、水が流れる水用補助配管と湯が流れる湯用補助配管とを有する構成とすることができる。そして、水用補助配管と湯用補助配管は、同一の形態としてもよく、また、それぞれを異なる形態としてもよい。例えば、加熱装置の接続口が、水流入用と湯排出用とで形成箇所が異なる場合には、接続口から住居構造物の壁までの距離や接続口の向きも水流入用と湯排出用とで異なってくる。したがって、このような場合には、水用補助配管と湯用補助配管のそれぞれを個別に標準化することで、設置状況に適した配管システムとすることができる。したがって、補助配管ユニットは、必要に応じて地面や床からの入加熱装置の接続部までの高さも考慮して、長さや折曲部を形成することがより好ましい。
【0019】
また、本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管接続方法であって、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する第一の接続工程と、前記配管と共に用いられ、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との距離間隔に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットの一端を前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち前記配管の一端が接続された装置以外の装置に接続する第二の接続工程と、前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端を合わせることで前記配管の長さを調整する配管長さ調整工程と、配管長さが調整された前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端とを接続する第三の接続工程と、を備える配管接続方法である。
【0020】
第一の接続工程では、配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する。第二の接続工程では、他方の装置に補助配管ユニットの一端を接続する。な
お、配管と補助配管ユニットの接続順序は、どちらが先であってもよい。配管長さ調整工程では、配管の長さを調整する。補助配管ユニットは標準化されたものであり、寸法も既に決まっているので、配管の他端を補助配管ユニットの他端まで伸ばし、補助配管ユニットの端部と接続可能な位置に調整する。そして、調整した位置で配管の他端を切断し、第三の接続工程において、調整後、すなわち、切断後の配管の他端と補助配管ユニットの他端とを接続して、作業を終了する。
【0021】
このように、本発明に係る配管接続方法によれば、主として接続作業を行うことで給湯システムにおける、配管接続作業を行うことができる。すなわち、従来、給湯システムを設置する場合に現場で必要とされた切断工程や折曲工程を削減することができる。また、加熱装置又は貯湯装置の一方に補助配管ユニットを接続することで接続作業における自由度を保ちつつ、給湯システムの設置を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減できる配管システム及び配管接続方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明に係る補助配管ユニットを備える給湯システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムの概略構成を示す図である。また、図2は、第1の実施形態に係る給湯システムの配置の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10と、貯湯タンク20と、補助配管ユニット100と、各種配管21a〜27aと、を備える。また、図2に示すように、ヒートポンプユニット10は、住居構造物の壁60と所定の長さXをもって配置される。そして、補助配管ユニット100は、補助配管30と、アダプタ40と、ソケット50と、を有する。なお、配管21a、22a、補助配管ユニット100は、本発明の配管システムに相当する。
【0025】
本発明の貯湯装置としての貯湯タンク20は、内部にヒートポンプユニット10から供給される湯や水道に接続された給水用の配管23aより供給される水を貯留するタンクを有する。また、貯湯タンク20には、貯留する湯水を目的に応じて出入させるための各種接続口21〜27が設けられている(図1参照)。接続口21は、ヒートポンプユニット10で加熱された湯を受け入れるための受け入れ口である。接続口22は、貯留する水をヒートポンプユニット10に供給するための供給口である。接続口23は、水道から供給される水を受け入れるための受け入れ口である。接続口24は、貯留する湯を台所等に供給するための供給口である。接続口25は、貯留する湯を浴槽へ供給するための供給口である。接続口26は、浴槽へ供給された湯を再度貯湯タンクへ受け入れるための受け入れ口である。接続口27は、貯留する湯水を交換する場合等に湯水を排水溝等へ排出するための排出口である。
【0026】
配管21aは、一端が補助配管ユニット100の補助配管30に接続され、他端が貯湯タンク20の接続口21に接続され、ヒートポンプユニット10で加熱された湯を貯湯タンク20へ導く。配管22aは、一端が貯湯タンク20の接続口22に接続され、他端が補助配管ユニット100の配管30に接続され、貯湯タンク20で貯留する水をヒートポンプユニット10へ導く。配管23aは、一端が水道(図示せず)に接続され、他端が貯
湯タンク20の接続口23に接続され、水道からの水を貯湯タンク20へ導く。配管24aは、一端が貯湯タンク20の接続口24に接続され、他端が台所の水周りに接続され、貯湯タンク20に貯留される湯を台所等の水周りに導く。配管25aは、一端が貯湯タンク20の接続口25に接続され、他端が浴槽(図示せず)へ接続され、貯湯タンク20に貯留される湯を浴槽へ導く。配管26aは、一端が浴槽へ接続され、他端が貯湯タンク20の接続口26へ接続され、浴槽へ供給した湯を再度貯湯タンク20へ導く。これにより、追い炊き等を行うことができる。配管27aは、一端が貯湯タンク20の接続口27に接続され、他端が排水溝(図示せず)に接続され、貯湯タンクに貯留される湯水を交換等する場合に不要となった湯水を排水溝へ導く。なお、上記各種配管21a〜27aは、例えば、銅管、ホース系配管、金属製ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管により形成可能であり、それぞれ複数層構成とすることで保温機能を持たせることができる。また、接続長さは、直管や長尺巻物を用いて調整することができる。切断は、パイプカッタにより行うことができ、設置状況に応じて折曲部を形成する場合にはベンダにより行うことができる。
【0027】
ヒートポンプユニット10は、貯湯装置20から供給される水を加熱する。なお、内部構成は、図面では省略するが、例えば熱交換器とコンプレッサを備える構成とすることができる。コンプレッサと熱交換器により大気中の熱を吸熱し、この熱を利用して水を加熱することで効率よくかつ環境性能に優れたヒートポンプユニット10とすることができる。なお、ヒートポンプユニット10に用いるエネルギーは、電気の他、ガスであってもよい。
【0028】
次に第一の実施形態に係る補助配管ユニット100について、補助配管ユニット100を構成する補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10と共に更に詳細に説明する。図3は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の正面図である。図4は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の側面図である。図5は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の上面図である。
【0029】
ヒートポンプユニット10は、その背面12が住居構造物の壁60と対向するように所定の長さXをもって、設置台70の上に配置されている。所定の長さXは、ヒートポンプユニット10の機種によって異なるが、ヒートポンプユニット10が、例えば、コンプレッサと熱交換器により大気中の熱を吸熱し、この熱を利用して水を加熱する機種では、100mm以上とすることが好ましく、より好ましくは150mmである。また、ヒートポンプユニット10の一方の側面には、補助配管30と接続する接続口15、16が縦方向に並んで形成されている。そして、上部の接続口15は、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口であり、下部の接続口16は、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口である。そして、これらの接続口15、16は、共に地面と水平であって、その開口部が壁60に向けて配置されている。
【0030】
接続口15、16には、補助配管30の一端がそれぞれアダプタ40により接続されている。ここで補助配管30とアダプタ40とを備える補助配管ユニット100について説明する。図6は、第一の実施形態に係る補助配管ユニット100の上面図である。なお、本実施形態においては、接続口15、16が並んで配置され、接続口15、16から壁60までの所定の長さXが同じであることから、湯が流れる湯用補助配管と水が流れる水用補助配管とを共通の補助配管30により構成した。したがって、図面においては、補助配管ユニット100として補助配管30を一基のみ記載するが、実際には補助配管30を二基用いる。
【0031】
図6に示すように、補助配管ユニット100は、補助配管30と、アダプタ40と、ソケット50と、を有する。補助配管30は、折曲部302と、接続口15、16に接続さ
れる一端から折曲部302までの直管部301と、折曲部302から配管21a、22aの端部に接続される他端までの直管部303と、を有する。折曲部302の所定の角度は、おおよそ90度であり、この角度は、接続口15、16が地面と水平であって、壁60に対してほぼ直交する向きに配置されていることに基づいて設定されたものである。また、直管部301の長さは、所定の長さXに基づいて、これとほぼ同じ長さに設定されている。なお、直管部301の長さを決定するに際しては、より詳細には、所定の長さXに加えて、接続口15、16から背面12までの距離も考慮することが好ましく、これにより、より正確に直管部301の長さを決定することができる。更に、直管部303の長さは、本実施形態においては、ヒートポンプユニット10の背面12の横幅とほぼ同じ長さに設定されている。直管部303の長さは、運搬や取り扱いの容易性を考慮して適宜決定することができるが、本実施形態では、直管部303がヒートポンプユニット10の背後を通過する構成であるため、このような長さとした。したがって、直管部303の長さは、これより短くしてもよく、その場合には、その分直管部303の端部に接続される配管21a、22aの長さを長くすればよい。
【0032】
なお、補助配管30は、上述した各種配管21a〜27aと同じく、例えば、銅管、ホース系配管、金属製ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管により形成可能であり、それぞれ複数層構成とすることで保温機能を持たせることができる。
【0033】
アダプタ40は、本発明の接続手段に相当し、機能や規格の異なる端部同士の接続を可能とする。また、ソケット50も本発明の接続手段に相当するが、ソケット50は、同種の配管同士の接続を可能とするものである。
【0034】
以上説明した補助配管ユニット100をヒートポンプユニット10に接続すると、図5に示すように、折曲部302が壁60付近に配置され、直管部303が壁に沿って配置される。すなわち、現場にて切断や折曲げ加工を行わなくても給湯システムの配管作業を行うことが可能となる。なお、貯湯タンク20が接続口15、16が形成される側面側に配置されるような場合においては、直管部303をヒートポンプユニット10の裏側を通さず、直管部301を基準として上述した例と左右対称に配置すればよい。この場合、上述した補助配管30と同じものを用いて、直管部303の位置だけ変更してもよいが、例えば図7に示すように、直管部303の長さをより短くしてもよい。これにより、運搬や取り扱い性がより向上する。
【0035】
(接続方法)
次に、第一の実施形態に係る給湯システムにおける、配管接続方法について説明する。
【0036】
図8は、第一の実施形態に係る給湯システムの配管接続工程を示すフローである。まずステップS01では、湯用補助配管としての補助配管30の直管部301側の一端をヒートポンプユニット10の接続口15にアダプタ40により接続する。また、水用補助配管としての補助配管30の直管部301側の一端をヒートポンプユニット10の接続口16にアダプタ40により接続する。
【0037】
次に、ステップS02では、配管21aの一端を貯湯タンク20の接続口21に接続する。同様に、配管22aの一端を貯湯タンク20の接続口22に接続する。
【0038】
次に、ステップS03では、配管21a及び配管22aの長さを調整する。具体的には、配管21a、22aの他端をヒートポンプユニット10付近まで伸ばし、補助配管30の直管部303側の端部に接続可能な位置で、切断する。
【0039】
次に、ステップS04では、切断された配管21aの端部と湯用補助配管としての補助
配管30の直管部303側の端部とをソケット50により接続する。同様に、切断された配管22aの端部と湯用補助配管としての補助配管30の直管部303側の端部とをソケット50により接続して、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との配管接続を終了する。
【0040】
以上説明した第一の実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット100を有する配管システム及び配管接続方法によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。これにより、作業コストを従来よりも低減することが可能となり、その結果ユーザが負担する工事費用も低減させることが可能となる。また、現場での配管作業が従来に比べて非常に簡易であり、作業経験の少ない施工業者でも容易に従来の品質を保ちながら給湯システムの配管作業を行うことが可能となる。
【0041】
<第二の実施形態>
次に、第二の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムについて説明する。第二の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10aに形成される接続口15a、16aが間隔Yをもって設けられている点で第一の実施形態に係る給湯システムと異なる。なお、給湯システムの概略構成については、第一の実施形態に係る給湯システムと基本的には同じであるので、その説明は省略する。
【0042】
図9は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの正面図である。図10は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの側面図である。図11は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの上面図である。図9、図10に示すように、ヒートポンプユニット10aは、第一の実施形態に係るヒートポンプユニット10と同じく、住居構造物の壁60と所定の間隔Xをもって、設置台70の上に配置されている。そして、ヒートポンプユニット10aの一方の側面11aには、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口としての接続口15aと、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口としての接続口16aとが、縦方向に所定の間隔Yをもって設置されている。なお、これらの接続口15a、16aは、共に地面と水平であって、その開口部が壁60に向けて設置されている。
【0043】
接続口15aには、補助配管31の一端がアダプタ40により接続されている。また、接続口16aには、補助配管32の一端がアダプタ40により接続されている。ここで補助配管31とアダプタ40とを備える第二の実施形態に係る補助配管ユニットについて説明する。図12は、第二の実施形態に係る補助配管31の上面図である。図13は、第二の実施形態に係る補助配管32の上面図である。本実施形態に係る補助配管ユニット101は、これら形状の異なる二つの補助配管31、32より構成される。補助配管31は、上述した補助配管及び後述する補助配管32と異なり、二つの折曲部312、314を有している(図10、図12参照)。折曲部312、314は共に、おおよそ90度の角度を有する折曲部であるが、折曲部312が直管部311に対して鉛直方向に90度の角度で折り曲げられているのに対し、折曲部314は鉛直直管部313に対して水平方向に90度の角度で折り曲げられている。従って、アダプタ40側から供給される加熱後の水は、直管部311では地面と水平かつ壁60に向かって流れ、折曲部312で鉛直下向きにその流れが変更されて鉛直直管部313を流れる。次に、折曲部314で、加熱装置10aの裏側を壁60に沿うように水平方向にその流れが変更されて直管部315を流れ、その先に接続される配管21aを介して貯湯タンク20に供給される。
【0044】
なお、直管部311の長さは、背面12aと壁60との間の所定の長さXに基づいて、これとほぼ同じ長さに設定されている。また、鉛直直管部313の長さは、接続口15aと16aとの間の所定の長さYに基づいて、これをほぼ同じ長さに設定されている。更に
、直管部315の長さは、ヒートポンプユニット10aの背面12aの横幅とほぼ同じ長さに設定されている。
【0045】
また、補助配管32は、上述した補助配管30とほぼ同じ構成である。すなわち、直管部321と、折曲部322と、直管部323と、を備える。折曲部322の所定の角度は、おおよそ90度であり、直管部321の長さは、所定の長さXとほぼ同じ長さに設定され、直管部323の長さは、ヒートポンプユニット11の背面12aの横幅とほぼ同じ長さに設定されている。
【0046】
以上説明した第二の実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット101によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。また、本実施形態に係る給湯システムでは、第一の実施形態に係る給湯システムに比べて、鉛直方向の折曲部が更に追加され、より複雑な構成となっている。したがって、このような複雑な配管を現場で折り曲げ加工等することで行うと作業時間や作業手間がよりかかることになる。しかし、本実施形態に係る給湯システムでは、補助配管ユニット101を用いることで、このようにより複雑な配管が必要とされる場合であっても、現場での作業時間及び作業手間は、上述した第一の実施形態に係る給湯システムの配管作業と同じ程度とすることができる。更に、配管の構成が複雑になるにつれて、施工業者の作業経験もより重要となるが、本実施形態によれば、作業経験が少ない者であっても品質の確保された配管を設置することが可能となる。
【0047】
<第三の実施形態>
次に、第三の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムについて説明する。第三の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10bに設置される接続口15b、16bが背面12bに設けられている点で第一及び第三の実施形態に係る給湯システムと異なる。なお、給湯システムの概略構成については、第一の実施形態に係る給湯システムと基本的には同じであるので、その説明は省略する。
【0048】
図14は、補助配管33が接続されるヒートポンプユニット10bの側面図である。図15は、補助配管33が接続されるヒートポンプユニット10bの上面図である。図14に示すように、ヒートポンプユニット10bは、第一の実施形態に係るヒートポンプユニット10と同じく、住居構造物の壁60と所定の長さXをもって、設置台70の上に配置されている。そして、ヒートポンプユニット10bの背面12bには、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口としての接続口15bと、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口としての接続口16bとが、縦方向に並んで形成されている。なお、これらの接続口15b、16bは、共に地面と水平であって、その開口部が壁60と平行に形成されている。
【0049】
接続口15bには、補助配管33の一端がアダプタ40により接続されている。また、接続口16aには、補助配管33の一端がアダプタ40により接続されている。なお、本実施形態では、接続口15bに接続する湯用補助配管としての補助配管33と接続口16bに接続する水用補助配管としての補助配管33とを同じ補助配管33とした。
【0050】
ここで補助配管33とアダプタ40とを備える第二の実施形態に係る補助配管ユニットについて説明する。図16は、第三の実施形態に係る補助配管33を備える補助配管ユニット100の上面図である。補助配管33は、上述した補助配管30と異なり、二つの折曲部332、334を有している。折曲部332、334は、共に、おおよそ30度の角度で折り曲げられている。但し、折曲部332が直管部331に対して壁60側に向けておおよそ30度の角度で折り曲げられているのに対し、折曲部334は直管部333に対して背面12b側におおよそ30度の角度で折り曲げられている。従って、接続口40か
ら供給される加熱後の水は、直管部331では地面と水平かつ壁60と平行に流れ、折曲部332でその流れが変更されて直管部333を流れる。次に、折曲部334で、加熱装置10bの裏側を壁60に沿うようにその流れが変更されて直管部335を流れ、その先に接続される配管21aを介して貯湯タンク20に供給される。
【0051】
なお、直管部333の長さは、背面12aと壁60との間の所定の長さXから壁60側に突出した接続口15b、16bの突出分を差し引いた長さに基づいて、設定されている。但し、本実施形態では、折曲部332と334を直角とせず、30度程度としたので、この角度も踏まえて直管部333の長さが設定されている。
【0052】
以上説明した第三のの実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット102によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。また、本実施形態に係る給湯システムでは、折曲部二つ有し、更に、折曲部が約30度であり、折曲部が約90度である第二の実施形態に係る給湯より複雑であるといえる。したがって、このようなより複雑な配管を現場で折り曲げ加工等することで行うと作業時間や作業手間がよりかかることになる。しかし、本実施形態に係る給湯システムでは、補助配管ユニット102を用いることで、このようにより複雑な配管が必要とされる場合であっても、現場での作業時間及び作業手間は、上述した第一や第二の実施形態に係る給湯システムの配管作業と同じ程度とすることができる。更に、配管の構成が複雑になるにつれて、施工業者の作業経験もより重要となるが、本実施形態によれば、作業経験が少ない者であっても品質の確保された配管を設置することが可能となる。
【実施例1】
【0053】
次に、配管ユニットに金属強化ポリエチレン管を用いた場合の施工性を確認することを目的として行った施工試験について説明する。
【0054】
本施工試験は、配管施工経験のない作業者2名により、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との間の配管作業(以下、配管作業1とする。)、及び貯湯タンクの給水、給湯配管作業(以下、配管作業2とする。)について行った。配管作業1は、図1において、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20を接続する配管21a、22a、及び配管ユニット100を接続する配管作業である。ヒートポンプユニット10には、コロナ社製の2管式を用いた(第二の実施形態に係るヒートポンプユニット10aに相当)。また、配管作業2は、図1において、貯湯タンク20の各種接続口23〜27に配管23a〜27aを接続する配管作業である。
【0055】
配管作業1は、第一の実施形態で説明した配管接続方法に基づいて行った(図8参照)。すなわち、ヒートポンプユニット10に第二の実施形態に係る補助配管31、32(金属強化ポリエチレン管)を接続し、貯湯装置20に配管21a、22a(金属強化ポリエチレン管)を接続し、補助配管31、32と配管21a、22aの端部同士をソケット50により接続した。また、配管2の作業は、配管23a〜27a(金属強化ポリエチレン管)を各種接続口23〜27に接続した。
【0056】
以上により施工試験を行った結果、配管作業1は、約1時間程で作業を終了することができた。また、配管作業2は、約30分程で作業を終了することができた。このように、上述した実施形態に係る配管ユニットを用いることで作業経験のない者でも短時間で給湯システムの配管作業を行うことが確認することができた。
【実施例2】
【0057】
次に、配管施工比較試験について説明する。本試験は、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との間の配管作業を、銅管による場合(以下、配管作業3という。)、金属
強化ポリエチレン管による場合(以下、配管作業4という。)の作業効率を確認することを目的とするものである。配管作業3は、ロウ付けによる従来の配管方法によるものである。また、配管作業4は、本発明の配管ユニットを用いて配管するものである。
【0058】
本試験は、室内に実際の設置箇所を想定してヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20を設置したモデルを構成して行った。図17は、配管施工比較試験に用いたヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20の配置構成を示す図である。同図に示すように、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20は、その間の配管長を3.5mとし、住居構造物の壁を想定した仮想壁61の前面に所定の間隔をもって配置されている。なお、ヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20には、コロナ社製のコロナエコキュート(300L2缶式)を用いた。また、本試験では、配管作業経験の豊富(空調設備、給排水設備の配管施工、上記エコキュートの配管施工の経験実績14年)な作業者1名により行った。
【0059】
図18は、配管施工比較試験における作業項目及び試験結果を示す表である。同表に示すように、本試験では、同表に示す各作業を行うことで、各作業項目ごとの作業時間及び配管作業3及び4それぞれの作業合計時間を得ることができた。
【0060】
配管作業3、4の作業は、それぞれ図18に示す各作業により行った。そして、行った作業を比較し易いように(1)ヒートポンプ取出し配管加工、(2)配管支持、(3)貯湯タンク取出し配管加工、(4)保温の作業項目に分類し、作業合計時間に加えて各作業項目ごとの時間についても比較できるようにした。
【0061】
試験結果についてみると、(1)ヒートポンプ取出し配管加工、(2)配管支持、(3)貯湯タンク取出し配管加工、(4)保温の全ての作業項目において、配管作業3に比べて、配管作業4の作業時間を削減することができることが確認できた。これは、作業4では、補助配管ユニットを用いて接続作業を行うことで、ロウ付け作業のように手間の係る作業を削減できたからであると考えられる。また、配管作業4では、金属強化ポリエチレン管を用いることで、銅管の場合に作業手間がかかる耐候テープ巻き作業の作業時間を削減することができた。そして、このように各作業項目において作業時間の削減を図ることで、合計時間においては配管作業3では、2時間20分であるのに対し、配管作業4では、35分で配管作業を完了することができ、配管作業時間を大幅に削減できることが確認できた。すなわち、本発明に係る配管ユニットを用いることで従来に比べて配管工事に係る施工時間を1/3から1/4にまで削減することができる。本試験では、金属強化ポリエチレン管を用いたが、銅管や架橋ポリエチレン管を用いる場合でも、作業時間を削減することができる。なお、金属強化ポリエチレン管は、耐候テープ巻き作業の手間が少なく、また仕上がり状況、すなわち見栄えにも優れており、この点からすると金属強化ポリエチレン管が最も適しているといえる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る配管システム及び配管接続方法はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第一の実施形態に係る本発明の補助配管ユニットを備える給湯システムの概略構成を示す図である。
【図2】第一の実施形態に係る給湯システムの配置の概略構成を示す平面図である。
【図3】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの正面図である。
【図4】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図5】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図6】第一の実施形態に係る補助配管ユニットの上面図である。
【図7】その他の実施形態に係る、補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図8】第一の実施形態に係る給湯システムの配管接続工程を示すフローである。
【図9】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの正面図である。
【図10】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図11】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図12】第二の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図13】第二の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図14】第三の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図15】第三の実施形態に係る補助配管33が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図16】第三の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図17】配管施工比較試験に用いたヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20の配置構成を示す図である。
【図18】配管施工比較試験の試験結果を示す表である。
【符号の説明】
【0064】
10、10a、10b・・・ヒートポンプユニット
15、16、21〜27・・・接続口
20・・・貯湯タンク
21a〜27a・・・配管
30〜33・・・補助配管
40・・・アダプタ
50・・・ソケット
60・・・壁
70・・・設置台
100、101、102・・・補助配管ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを備える給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システム及び配管接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湯を供給する装置として貯湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。貯湯装置は、一般には湯を供するために設置される装置であり、所望温度の湯を常時供給できるようにタンク内に熱湯又は温水を確保している。そして、熱湯をつくる際の加熱は、加熱装置にて電気やガスを熱エネルギーに変換して行うのが一般的である。
【特許文献1】特開2004−286441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムを設置することで、低エネルギーで効率よくお湯を供給することができる。そして、給湯システムには、湯水が流通する配管が用いられ、例えば貯湯装置と加熱装置とを配管にて接続する。また、貯湯装置に貯留する湯は、浴槽や床暖房等、種々の目的に使用可能であり、目的に応じて配管を配置することができる。このような配管作業は、従来、現場にて施工業者が配管を必要長さに切断する切断作業、曲げ加工を行う曲げ加工作業等を行っていた。
【0004】
しかし、現場での配管作業は、施工業者にとって非常に手間の掛かる作業であった。特に、曲げ加工作業は、加工手間が非常に煩雑であり、多くの時間を要し、また品質を確保するためには施工業者のある程度の作業経験が必要とされていた。そして、これらを要因として、作業コストが高くなり、ユーザにとっても工事費の負担が大きいといった問題を生じていた。また、施工業者にとっては、作業時間が掛かり、経験が必要とされる作業であり作業件数を増やすのが難しいといった問題を生じていた。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減できる配管システム及び配管接続方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記の課題を解決するために、加熱装置と貯湯装置との間に接続される配管の一部に給湯システムの配置状況に基づいて標準化された補助配管ユニットを用いることとした。これにより、現場での作業時間と作業手間を削減することができる。
【0007】
より詳細には、本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱後の水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システムであって、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管と、前記配管と共に用いられ、一端が前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が前記配管の端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との距離間隔に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットと、を備える。
【0008】
貯湯装置は、加熱された水を給湯用の湯として貯留するものであり、浴槽などへ給湯を行う他、床暖房の熱源として温水を供給することができる。なお、貯湯装置は、水道から
引き込んだ加熱前の水も貯湯し、これを加熱装置へ供給することができる。また、貯湯装置は、浴槽や床暖房等から戻された湯を補助的に加熱する補助加熱手段を設けることもできる。これにより追い炊き等を行うことが可能となる。なお、補助加熱手段には、熱交換器が例示される。
【0009】
加熱装置は、貯留装置から供給される水を加熱する。加熱装置は、例えば熱交換器とコンプレッサを有する構成とすることができる。なお、加熱装置に用いるエネルギーは、電気の他、ガスであってもよい。
【0010】
加熱装置と貯湯装置とは、通常、現場で切断、折曲げ加工されるポリエチレン管等の配管や直管と曲管(エルボ)をロウ付けして折曲部を形成する金属管等の配管で接続される。本発明では、この配管と共に、形態が標準化された補助配管ユニットを用いることを特徴とする。配管と共に補助配管ユニットを用いるとは、換言すると、従来の配管の一部として補助配管ユニットを用いることを意味する。形態が標準化された補助配管ユニットを用いることで、現場での作業時間及び作業手間を削減することができる。補助配管ユニットは、加熱装置又は貯湯装置のいずれか一方に接続してもよいし、加熱装置と貯湯装置の両方に補助配管ユニットを用い、その間を配管により接続してもよい。なお、加熱装置又は貯湯装置の一方にのみ補助配管ユニットを用い、他方の装置には配管を接続することで、配管作業における自由度が向上される。
【0011】
ここで、補助配管ユニットは、前記給湯システムが設置される住居構造物と、前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化されている。住居構造物には、一般住宅、集合住宅が例示される。形態が標準化されるとは、補助配管ユニットの形状、寸法等を統一することを意味する。そして、このような形態の標準化は、給湯システムが設置される住居構造物と加熱装置又は貯湯装置との位置関係に基づいて行われる。位置関係とは、換言すると加熱装置や貯湯装置の配置状況であり、例えば、住居構造物の壁から加熱装置までの距離がこれに該当する。
【0012】
なお、標準化される補助配管ユニットは、あらかじめ工場等で切断、折曲げ加工等することで補助配管ユニットとして製品化しておくことが可能となる。また、工場における加工では、専用の機械等により加工することが可能であるので、十分な品質が確保され、また、同様の形態の補助配管ユニットを複数同時に製造することも可能となる。例えば、マンション等の集合住宅においては、給湯システムの設置箇所がバルコニー等、ある程度限定されるので、補助配管ユニットの標準化が行い易く、給湯システムの設置状況が様々である一般住宅よりも補助配管ユニットの適用性により適しているといえる。
【0013】
以上のような、本発明に係る配管システムによれば、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムを設置するに際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。現場での作業において、手間がかかるとされる折曲げ加工は、ある程度の作業経験等が必要とされるが、標準化された補助配管ユニットを用いることで、現場においては配管や加熱装置等と接続するだけでよいので、作業経験が少ない施工業者であっても従来の品質を確保しながら容易に給湯システムを設置することが可能となる。また、作業時間を削減できることで、作業コストを低減することができ、ユーザの工事費の負担も低減することが可能となる。
【0014】
また、本発明において、前記加熱装置は、その背面が前記住居構造物の壁と対向するように配置され、前記補助配管ユニットは、一端が前記加熱装置に接続され、他端が前記貯湯装置に接続された前記配管の端部に接続され、前記補助配管ユニットは、該補助配管ユニットの一端が接続される前記加熱装置の接続口の前記住居構造物の壁に対する向きに基づいてあらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有し、前記補助配管ユニットの一
端から前記折曲部までの距離は、前記住居構造物と前記加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定することができる。
【0015】
加熱装置は、一般的に住居構造物の壁と所定の間隔をもって背面が壁と対抗するように配置されることが多い。また、配管が接続される加熱装置の接続口は、装置の種類によって様々であるが、加熱装置の側面に形成されていることが比較的多い。そして、このような加熱装置と住居構造物との位置関係では、加熱装置に接続される配管は、加熱装置から壁に向かってほぼ直線状に配置され、壁付近で折り曲げられた後、壁に沿うように直線状に配置され、最終的に貯湯装置と接続される。本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、加熱装置に接続される配管であって、壁付近で折り曲げられる部分の配管を標準化したものである。
【0016】
補助配管ユニットは、あらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有する。所定の角度は、加熱装置の接続口の向きに基づいて決定することができる。例えば、接続口が加熱装置の側面に地面と水平に形成されている場合には、所定の角度を略直角とすることで、壁に向かって接続される配管の向きを壁と平行な向きに変更することが可能となる。その際、加熱装置に接続される補助配管ユニットの一端から折曲部までの距離は、住居構造物の壁と加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定すればよい。なお、加熱装置の背面から壁までの距離は、実測して得ることもできるが、加熱装置の性能により推奨される距離があらかじめ規格化されている場合には、この値を用いることができる。
【0017】
また、補助配管ユニットは、他の配管、加熱装置、貯湯装置と接続するための接続手段を有する構成としてもよい。例えば、配管と接続する場合には、接続手段として、同じ種類の端部同士を接続可能なソケットを用い、加熱装置や貯湯装置の接続口等、違う種類の端部と接続する場合には、接続手段として、機能や規格の異なるものと接続可能なアダプタを用いることができる。
【0018】
また、前記補助配管ユニットは、水が流れる水用補助配管と湯が流れる湯用補助配管とを有する構成とすることができる。そして、水用補助配管と湯用補助配管は、同一の形態としてもよく、また、それぞれを異なる形態としてもよい。例えば、加熱装置の接続口が、水流入用と湯排出用とで形成箇所が異なる場合には、接続口から住居構造物の壁までの距離や接続口の向きも水流入用と湯排出用とで異なってくる。したがって、このような場合には、水用補助配管と湯用補助配管のそれぞれを個別に標準化することで、設置状況に適した配管システムとすることができる。したがって、補助配管ユニットは、必要に応じて地面や床からの入加熱装置の接続部までの高さも考慮して、長さや折曲部を形成することがより好ましい。
【0019】
また、本発明は、水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管接続方法であって、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する第一の接続工程と、前記配管と共に用いられ、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との距離間隔に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットの一端を前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち前記配管の一端が接続された装置以外の装置に接続する第二の接続工程と、前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端を合わせることで前記配管の長さを調整する配管長さ調整工程と、配管長さが調整された前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端とを接続する第三の接続工程と、を備える配管接続方法である。
【0020】
第一の接続工程では、配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する。第二の接続工程では、他方の装置に補助配管ユニットの一端を接続する。な
お、配管と補助配管ユニットの接続順序は、どちらが先であってもよい。配管長さ調整工程では、配管の長さを調整する。補助配管ユニットは標準化されたものであり、寸法も既に決まっているので、配管の他端を補助配管ユニットの他端まで伸ばし、補助配管ユニットの端部と接続可能な位置に調整する。そして、調整した位置で配管の他端を切断し、第三の接続工程において、調整後、すなわち、切断後の配管の他端と補助配管ユニットの他端とを接続して、作業を終了する。
【0021】
このように、本発明に係る配管接続方法によれば、主として接続作業を行うことで給湯システムにおける、配管接続作業を行うことができる。すなわち、従来、給湯システムを設置する場合に現場で必要とされた切断工程や折曲工程を削減することができる。また、加熱装置又は貯湯装置の一方に補助配管ユニットを接続することで接続作業における自由度を保ちつつ、給湯システムの設置を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、貯湯装置と加熱装置とを備える給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減できる配管システム及び配管接続方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明に係る補助配管ユニットを備える給湯システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムの概略構成を示す図である。また、図2は、第1の実施形態に係る給湯システムの配置の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10と、貯湯タンク20と、補助配管ユニット100と、各種配管21a〜27aと、を備える。また、図2に示すように、ヒートポンプユニット10は、住居構造物の壁60と所定の長さXをもって配置される。そして、補助配管ユニット100は、補助配管30と、アダプタ40と、ソケット50と、を有する。なお、配管21a、22a、補助配管ユニット100は、本発明の配管システムに相当する。
【0025】
本発明の貯湯装置としての貯湯タンク20は、内部にヒートポンプユニット10から供給される湯や水道に接続された給水用の配管23aより供給される水を貯留するタンクを有する。また、貯湯タンク20には、貯留する湯水を目的に応じて出入させるための各種接続口21〜27が設けられている(図1参照)。接続口21は、ヒートポンプユニット10で加熱された湯を受け入れるための受け入れ口である。接続口22は、貯留する水をヒートポンプユニット10に供給するための供給口である。接続口23は、水道から供給される水を受け入れるための受け入れ口である。接続口24は、貯留する湯を台所等に供給するための供給口である。接続口25は、貯留する湯を浴槽へ供給するための供給口である。接続口26は、浴槽へ供給された湯を再度貯湯タンクへ受け入れるための受け入れ口である。接続口27は、貯留する湯水を交換する場合等に湯水を排水溝等へ排出するための排出口である。
【0026】
配管21aは、一端が補助配管ユニット100の補助配管30に接続され、他端が貯湯タンク20の接続口21に接続され、ヒートポンプユニット10で加熱された湯を貯湯タンク20へ導く。配管22aは、一端が貯湯タンク20の接続口22に接続され、他端が補助配管ユニット100の配管30に接続され、貯湯タンク20で貯留する水をヒートポンプユニット10へ導く。配管23aは、一端が水道(図示せず)に接続され、他端が貯
湯タンク20の接続口23に接続され、水道からの水を貯湯タンク20へ導く。配管24aは、一端が貯湯タンク20の接続口24に接続され、他端が台所の水周りに接続され、貯湯タンク20に貯留される湯を台所等の水周りに導く。配管25aは、一端が貯湯タンク20の接続口25に接続され、他端が浴槽(図示せず)へ接続され、貯湯タンク20に貯留される湯を浴槽へ導く。配管26aは、一端が浴槽へ接続され、他端が貯湯タンク20の接続口26へ接続され、浴槽へ供給した湯を再度貯湯タンク20へ導く。これにより、追い炊き等を行うことができる。配管27aは、一端が貯湯タンク20の接続口27に接続され、他端が排水溝(図示せず)に接続され、貯湯タンクに貯留される湯水を交換等する場合に不要となった湯水を排水溝へ導く。なお、上記各種配管21a〜27aは、例えば、銅管、ホース系配管、金属製ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管により形成可能であり、それぞれ複数層構成とすることで保温機能を持たせることができる。また、接続長さは、直管や長尺巻物を用いて調整することができる。切断は、パイプカッタにより行うことができ、設置状況に応じて折曲部を形成する場合にはベンダにより行うことができる。
【0027】
ヒートポンプユニット10は、貯湯装置20から供給される水を加熱する。なお、内部構成は、図面では省略するが、例えば熱交換器とコンプレッサを備える構成とすることができる。コンプレッサと熱交換器により大気中の熱を吸熱し、この熱を利用して水を加熱することで効率よくかつ環境性能に優れたヒートポンプユニット10とすることができる。なお、ヒートポンプユニット10に用いるエネルギーは、電気の他、ガスであってもよい。
【0028】
次に第一の実施形態に係る補助配管ユニット100について、補助配管ユニット100を構成する補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10と共に更に詳細に説明する。図3は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の正面図である。図4は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の側面図である。図5は、補助配管30が接続されるヒートポンプユニット10の上面図である。
【0029】
ヒートポンプユニット10は、その背面12が住居構造物の壁60と対向するように所定の長さXをもって、設置台70の上に配置されている。所定の長さXは、ヒートポンプユニット10の機種によって異なるが、ヒートポンプユニット10が、例えば、コンプレッサと熱交換器により大気中の熱を吸熱し、この熱を利用して水を加熱する機種では、100mm以上とすることが好ましく、より好ましくは150mmである。また、ヒートポンプユニット10の一方の側面には、補助配管30と接続する接続口15、16が縦方向に並んで形成されている。そして、上部の接続口15は、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口であり、下部の接続口16は、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口である。そして、これらの接続口15、16は、共に地面と水平であって、その開口部が壁60に向けて配置されている。
【0030】
接続口15、16には、補助配管30の一端がそれぞれアダプタ40により接続されている。ここで補助配管30とアダプタ40とを備える補助配管ユニット100について説明する。図6は、第一の実施形態に係る補助配管ユニット100の上面図である。なお、本実施形態においては、接続口15、16が並んで配置され、接続口15、16から壁60までの所定の長さXが同じであることから、湯が流れる湯用補助配管と水が流れる水用補助配管とを共通の補助配管30により構成した。したがって、図面においては、補助配管ユニット100として補助配管30を一基のみ記載するが、実際には補助配管30を二基用いる。
【0031】
図6に示すように、補助配管ユニット100は、補助配管30と、アダプタ40と、ソケット50と、を有する。補助配管30は、折曲部302と、接続口15、16に接続さ
れる一端から折曲部302までの直管部301と、折曲部302から配管21a、22aの端部に接続される他端までの直管部303と、を有する。折曲部302の所定の角度は、おおよそ90度であり、この角度は、接続口15、16が地面と水平であって、壁60に対してほぼ直交する向きに配置されていることに基づいて設定されたものである。また、直管部301の長さは、所定の長さXに基づいて、これとほぼ同じ長さに設定されている。なお、直管部301の長さを決定するに際しては、より詳細には、所定の長さXに加えて、接続口15、16から背面12までの距離も考慮することが好ましく、これにより、より正確に直管部301の長さを決定することができる。更に、直管部303の長さは、本実施形態においては、ヒートポンプユニット10の背面12の横幅とほぼ同じ長さに設定されている。直管部303の長さは、運搬や取り扱いの容易性を考慮して適宜決定することができるが、本実施形態では、直管部303がヒートポンプユニット10の背後を通過する構成であるため、このような長さとした。したがって、直管部303の長さは、これより短くしてもよく、その場合には、その分直管部303の端部に接続される配管21a、22aの長さを長くすればよい。
【0032】
なお、補助配管30は、上述した各種配管21a〜27aと同じく、例えば、銅管、ホース系配管、金属製ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管により形成可能であり、それぞれ複数層構成とすることで保温機能を持たせることができる。
【0033】
アダプタ40は、本発明の接続手段に相当し、機能や規格の異なる端部同士の接続を可能とする。また、ソケット50も本発明の接続手段に相当するが、ソケット50は、同種の配管同士の接続を可能とするものである。
【0034】
以上説明した補助配管ユニット100をヒートポンプユニット10に接続すると、図5に示すように、折曲部302が壁60付近に配置され、直管部303が壁に沿って配置される。すなわち、現場にて切断や折曲げ加工を行わなくても給湯システムの配管作業を行うことが可能となる。なお、貯湯タンク20が接続口15、16が形成される側面側に配置されるような場合においては、直管部303をヒートポンプユニット10の裏側を通さず、直管部301を基準として上述した例と左右対称に配置すればよい。この場合、上述した補助配管30と同じものを用いて、直管部303の位置だけ変更してもよいが、例えば図7に示すように、直管部303の長さをより短くしてもよい。これにより、運搬や取り扱い性がより向上する。
【0035】
(接続方法)
次に、第一の実施形態に係る給湯システムにおける、配管接続方法について説明する。
【0036】
図8は、第一の実施形態に係る給湯システムの配管接続工程を示すフローである。まずステップS01では、湯用補助配管としての補助配管30の直管部301側の一端をヒートポンプユニット10の接続口15にアダプタ40により接続する。また、水用補助配管としての補助配管30の直管部301側の一端をヒートポンプユニット10の接続口16にアダプタ40により接続する。
【0037】
次に、ステップS02では、配管21aの一端を貯湯タンク20の接続口21に接続する。同様に、配管22aの一端を貯湯タンク20の接続口22に接続する。
【0038】
次に、ステップS03では、配管21a及び配管22aの長さを調整する。具体的には、配管21a、22aの他端をヒートポンプユニット10付近まで伸ばし、補助配管30の直管部303側の端部に接続可能な位置で、切断する。
【0039】
次に、ステップS04では、切断された配管21aの端部と湯用補助配管としての補助
配管30の直管部303側の端部とをソケット50により接続する。同様に、切断された配管22aの端部と湯用補助配管としての補助配管30の直管部303側の端部とをソケット50により接続して、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との配管接続を終了する。
【0040】
以上説明した第一の実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット100を有する配管システム及び配管接続方法によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。これにより、作業コストを従来よりも低減することが可能となり、その結果ユーザが負担する工事費用も低減させることが可能となる。また、現場での配管作業が従来に比べて非常に簡易であり、作業経験の少ない施工業者でも容易に従来の品質を保ちながら給湯システムの配管作業を行うことが可能となる。
【0041】
<第二の実施形態>
次に、第二の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムについて説明する。第二の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10aに形成される接続口15a、16aが間隔Yをもって設けられている点で第一の実施形態に係る給湯システムと異なる。なお、給湯システムの概略構成については、第一の実施形態に係る給湯システムと基本的には同じであるので、その説明は省略する。
【0042】
図9は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの正面図である。図10は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの側面図である。図11は、補助配管31、32が接続されるヒートポンプユニット10aの上面図である。図9、図10に示すように、ヒートポンプユニット10aは、第一の実施形態に係るヒートポンプユニット10と同じく、住居構造物の壁60と所定の間隔Xをもって、設置台70の上に配置されている。そして、ヒートポンプユニット10aの一方の側面11aには、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口としての接続口15aと、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口としての接続口16aとが、縦方向に所定の間隔Yをもって設置されている。なお、これらの接続口15a、16aは、共に地面と水平であって、その開口部が壁60に向けて設置されている。
【0043】
接続口15aには、補助配管31の一端がアダプタ40により接続されている。また、接続口16aには、補助配管32の一端がアダプタ40により接続されている。ここで補助配管31とアダプタ40とを備える第二の実施形態に係る補助配管ユニットについて説明する。図12は、第二の実施形態に係る補助配管31の上面図である。図13は、第二の実施形態に係る補助配管32の上面図である。本実施形態に係る補助配管ユニット101は、これら形状の異なる二つの補助配管31、32より構成される。補助配管31は、上述した補助配管及び後述する補助配管32と異なり、二つの折曲部312、314を有している(図10、図12参照)。折曲部312、314は共に、おおよそ90度の角度を有する折曲部であるが、折曲部312が直管部311に対して鉛直方向に90度の角度で折り曲げられているのに対し、折曲部314は鉛直直管部313に対して水平方向に90度の角度で折り曲げられている。従って、アダプタ40側から供給される加熱後の水は、直管部311では地面と水平かつ壁60に向かって流れ、折曲部312で鉛直下向きにその流れが変更されて鉛直直管部313を流れる。次に、折曲部314で、加熱装置10aの裏側を壁60に沿うように水平方向にその流れが変更されて直管部315を流れ、その先に接続される配管21aを介して貯湯タンク20に供給される。
【0044】
なお、直管部311の長さは、背面12aと壁60との間の所定の長さXに基づいて、これとほぼ同じ長さに設定されている。また、鉛直直管部313の長さは、接続口15aと16aとの間の所定の長さYに基づいて、これをほぼ同じ長さに設定されている。更に
、直管部315の長さは、ヒートポンプユニット10aの背面12aの横幅とほぼ同じ長さに設定されている。
【0045】
また、補助配管32は、上述した補助配管30とほぼ同じ構成である。すなわち、直管部321と、折曲部322と、直管部323と、を備える。折曲部322の所定の角度は、おおよそ90度であり、直管部321の長さは、所定の長さXとほぼ同じ長さに設定され、直管部323の長さは、ヒートポンプユニット11の背面12aの横幅とほぼ同じ長さに設定されている。
【0046】
以上説明した第二の実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット101によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。また、本実施形態に係る給湯システムでは、第一の実施形態に係る給湯システムに比べて、鉛直方向の折曲部が更に追加され、より複雑な構成となっている。したがって、このような複雑な配管を現場で折り曲げ加工等することで行うと作業時間や作業手間がよりかかることになる。しかし、本実施形態に係る給湯システムでは、補助配管ユニット101を用いることで、このようにより複雑な配管が必要とされる場合であっても、現場での作業時間及び作業手間は、上述した第一の実施形態に係る給湯システムの配管作業と同じ程度とすることができる。更に、配管の構成が複雑になるにつれて、施工業者の作業経験もより重要となるが、本実施形態によれば、作業経験が少ない者であっても品質の確保された配管を設置することが可能となる。
【0047】
<第三の実施形態>
次に、第三の実施形態に係る配管システムを備える給湯システムについて説明する。第三の実施形態に係る給湯システムは、ヒートポンプユニット10bに設置される接続口15b、16bが背面12bに設けられている点で第一及び第三の実施形態に係る給湯システムと異なる。なお、給湯システムの概略構成については、第一の実施形態に係る給湯システムと基本的には同じであるので、その説明は省略する。
【0048】
図14は、補助配管33が接続されるヒートポンプユニット10bの側面図である。図15は、補助配管33が接続されるヒートポンプユニット10bの上面図である。図14に示すように、ヒートポンプユニット10bは、第一の実施形態に係るヒートポンプユニット10と同じく、住居構造物の壁60と所定の長さXをもって、設置台70の上に配置されている。そして、ヒートポンプユニット10bの背面12bには、加熱した水を貯湯タンク20へ供給する供給口としての接続口15bと、貯湯タンク20から供給される水を受け入れる受け入れ口としての接続口16bとが、縦方向に並んで形成されている。なお、これらの接続口15b、16bは、共に地面と水平であって、その開口部が壁60と平行に形成されている。
【0049】
接続口15bには、補助配管33の一端がアダプタ40により接続されている。また、接続口16aには、補助配管33の一端がアダプタ40により接続されている。なお、本実施形態では、接続口15bに接続する湯用補助配管としての補助配管33と接続口16bに接続する水用補助配管としての補助配管33とを同じ補助配管33とした。
【0050】
ここで補助配管33とアダプタ40とを備える第二の実施形態に係る補助配管ユニットについて説明する。図16は、第三の実施形態に係る補助配管33を備える補助配管ユニット100の上面図である。補助配管33は、上述した補助配管30と異なり、二つの折曲部332、334を有している。折曲部332、334は、共に、おおよそ30度の角度で折り曲げられている。但し、折曲部332が直管部331に対して壁60側に向けておおよそ30度の角度で折り曲げられているのに対し、折曲部334は直管部333に対して背面12b側におおよそ30度の角度で折り曲げられている。従って、接続口40か
ら供給される加熱後の水は、直管部331では地面と水平かつ壁60と平行に流れ、折曲部332でその流れが変更されて直管部333を流れる。次に、折曲部334で、加熱装置10bの裏側を壁60に沿うようにその流れが変更されて直管部335を流れ、その先に接続される配管21aを介して貯湯タンク20に供給される。
【0051】
なお、直管部333の長さは、背面12aと壁60との間の所定の長さXから壁60側に突出した接続口15b、16bの突出分を差し引いた長さに基づいて、設定されている。但し、本実施形態では、折曲部332と334を直角とせず、30度程度としたので、この角度も踏まえて直管部333の長さが設定されている。
【0052】
以上説明した第三のの実施形態に係る給湯システムに用いる補助配管ユニット102によれば、給湯システムの設置に際し、配管作業の現場での作業時間と作業手間を削減することができる。また、本実施形態に係る給湯システムでは、折曲部二つ有し、更に、折曲部が約30度であり、折曲部が約90度である第二の実施形態に係る給湯より複雑であるといえる。したがって、このようなより複雑な配管を現場で折り曲げ加工等することで行うと作業時間や作業手間がよりかかることになる。しかし、本実施形態に係る給湯システムでは、補助配管ユニット102を用いることで、このようにより複雑な配管が必要とされる場合であっても、現場での作業時間及び作業手間は、上述した第一や第二の実施形態に係る給湯システムの配管作業と同じ程度とすることができる。更に、配管の構成が複雑になるにつれて、施工業者の作業経験もより重要となるが、本実施形態によれば、作業経験が少ない者であっても品質の確保された配管を設置することが可能となる。
【実施例1】
【0053】
次に、配管ユニットに金属強化ポリエチレン管を用いた場合の施工性を確認することを目的として行った施工試験について説明する。
【0054】
本施工試験は、配管施工経験のない作業者2名により、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との間の配管作業(以下、配管作業1とする。)、及び貯湯タンクの給水、給湯配管作業(以下、配管作業2とする。)について行った。配管作業1は、図1において、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20を接続する配管21a、22a、及び配管ユニット100を接続する配管作業である。ヒートポンプユニット10には、コロナ社製の2管式を用いた(第二の実施形態に係るヒートポンプユニット10aに相当)。また、配管作業2は、図1において、貯湯タンク20の各種接続口23〜27に配管23a〜27aを接続する配管作業である。
【0055】
配管作業1は、第一の実施形態で説明した配管接続方法に基づいて行った(図8参照)。すなわち、ヒートポンプユニット10に第二の実施形態に係る補助配管31、32(金属強化ポリエチレン管)を接続し、貯湯装置20に配管21a、22a(金属強化ポリエチレン管)を接続し、補助配管31、32と配管21a、22aの端部同士をソケット50により接続した。また、配管2の作業は、配管23a〜27a(金属強化ポリエチレン管)を各種接続口23〜27に接続した。
【0056】
以上により施工試験を行った結果、配管作業1は、約1時間程で作業を終了することができた。また、配管作業2は、約30分程で作業を終了することができた。このように、上述した実施形態に係る配管ユニットを用いることで作業経験のない者でも短時間で給湯システムの配管作業を行うことが確認することができた。
【実施例2】
【0057】
次に、配管施工比較試験について説明する。本試験は、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20との間の配管作業を、銅管による場合(以下、配管作業3という。)、金属
強化ポリエチレン管による場合(以下、配管作業4という。)の作業効率を確認することを目的とするものである。配管作業3は、ロウ付けによる従来の配管方法によるものである。また、配管作業4は、本発明の配管ユニットを用いて配管するものである。
【0058】
本試験は、室内に実際の設置箇所を想定してヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20を設置したモデルを構成して行った。図17は、配管施工比較試験に用いたヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20の配置構成を示す図である。同図に示すように、ヒートポンプユニット10と貯湯タンク20は、その間の配管長を3.5mとし、住居構造物の壁を想定した仮想壁61の前面に所定の間隔をもって配置されている。なお、ヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20には、コロナ社製のコロナエコキュート(300L2缶式)を用いた。また、本試験では、配管作業経験の豊富(空調設備、給排水設備の配管施工、上記エコキュートの配管施工の経験実績14年)な作業者1名により行った。
【0059】
図18は、配管施工比較試験における作業項目及び試験結果を示す表である。同表に示すように、本試験では、同表に示す各作業を行うことで、各作業項目ごとの作業時間及び配管作業3及び4それぞれの作業合計時間を得ることができた。
【0060】
配管作業3、4の作業は、それぞれ図18に示す各作業により行った。そして、行った作業を比較し易いように(1)ヒートポンプ取出し配管加工、(2)配管支持、(3)貯湯タンク取出し配管加工、(4)保温の作業項目に分類し、作業合計時間に加えて各作業項目ごとの時間についても比較できるようにした。
【0061】
試験結果についてみると、(1)ヒートポンプ取出し配管加工、(2)配管支持、(3)貯湯タンク取出し配管加工、(4)保温の全ての作業項目において、配管作業3に比べて、配管作業4の作業時間を削減することができることが確認できた。これは、作業4では、補助配管ユニットを用いて接続作業を行うことで、ロウ付け作業のように手間の係る作業を削減できたからであると考えられる。また、配管作業4では、金属強化ポリエチレン管を用いることで、銅管の場合に作業手間がかかる耐候テープ巻き作業の作業時間を削減することができた。そして、このように各作業項目において作業時間の削減を図ることで、合計時間においては配管作業3では、2時間20分であるのに対し、配管作業4では、35分で配管作業を完了することができ、配管作業時間を大幅に削減できることが確認できた。すなわち、本発明に係る配管ユニットを用いることで従来に比べて配管工事に係る施工時間を1/3から1/4にまで削減することができる。本試験では、金属強化ポリエチレン管を用いたが、銅管や架橋ポリエチレン管を用いる場合でも、作業時間を削減することができる。なお、金属強化ポリエチレン管は、耐候テープ巻き作業の手間が少なく、また仕上がり状況、すなわち見栄えにも優れており、この点からすると金属強化ポリエチレン管が最も適しているといえる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る配管システム及び配管接続方法はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第一の実施形態に係る本発明の補助配管ユニットを備える給湯システムの概略構成を示す図である。
【図2】第一の実施形態に係る給湯システムの配置の概略構成を示す平面図である。
【図3】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの正面図である。
【図4】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図5】第一の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図6】第一の実施形態に係る補助配管ユニットの上面図である。
【図7】その他の実施形態に係る、補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図8】第一の実施形態に係る給湯システムの配管接続工程を示すフローである。
【図9】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの正面図である。
【図10】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図11】第二の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図12】第二の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図13】第二の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図14】第三の実施形態に係る補助配管が接続されるヒートポンプユニットの側面図である。
【図15】第三の実施形態に係る補助配管33が接続されるヒートポンプユニットの上面図である。
【図16】第三の実施形態に係る補助配管を備える補助配管ユニットの上面図である。
【図17】配管施工比較試験に用いたヒートポンプユニット10及び貯湯タンク20の配置構成を示す図である。
【図18】配管施工比較試験の試験結果を示す表である。
【符号の説明】
【0064】
10、10a、10b・・・ヒートポンプユニット
15、16、21〜27・・・接続口
20・・・貯湯タンク
21a〜27a・・・配管
30〜33・・・補助配管
40・・・アダプタ
50・・・ソケット
60・・・壁
70・・・設置台
100、101、102・・・補助配管ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱後の水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システムであって、
前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管と、
前記配管と共に用いられ、一端が前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が前記配管の端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物と、前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットと、
を備える配管システム。
【請求項2】
前記加熱装置は、その背面が前記住居構造物の壁と対向するように配置され、
前記補助配管ユニットは、一端が前記加熱装置に接続され、他端が前記貯湯装置に接続された前記配管の端部に接続され、
前記補助配管ユニットは、該補助配管ユニットの一端が接続される前記加熱装置の接続口の前記住居構造物の壁に対する向きに基づいてあらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有し、
前記補助配管ユニットの一端から前記折曲部までの距離は、前記住居構造物と前記加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定される、請求項1に記載の配管システム。
【請求項3】
水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管接続方法であって、
前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する第一の接続工程と、
前記配管と共に用いられ、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットの一端を前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち前記配管の一端が接続される装置以外の装置に接続する第二の接続工程と、
前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端を合わせることで前記配管の長さを調整する配管長さ調整工程と、
配管長さが調整された前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端とを接続する第三の接続工程と、を備える配管接続方法。
【請求項1】
水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱後の水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管システムであって、
前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管と、
前記配管と共に用いられ、一端が前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち少なくともいずれか一方の装置に接続され、他端が前記配管の端部に接続され、前記給湯システムが設置される住居構造物と、前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットと、
を備える配管システム。
【請求項2】
前記加熱装置は、その背面が前記住居構造物の壁と対向するように配置され、
前記補助配管ユニットは、一端が前記加熱装置に接続され、他端が前記貯湯装置に接続された前記配管の端部に接続され、
前記補助配管ユニットは、該補助配管ユニットの一端が接続される前記加熱装置の接続口の前記住居構造物の壁に対する向きに基づいてあらかじめ所定の角度に折り曲げられた折曲部を有し、
前記補助配管ユニットの一端から前記折曲部までの距離は、前記住居構造物と前記加熱装置の背面との間の距離に基づいて決定される、請求項1に記載の配管システム。
【請求項3】
水を加熱する加熱装置と該加熱装置で加熱された水を貯留する貯湯装置とを有する給湯システムにおいて、前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続する配管接続方法であって、
前記加熱装置と前記貯湯装置とを接続するための配管の一端を前記加熱装置又は前記貯湯装置のうちの一方の装置に接続する第一の接続工程と、
前記配管と共に用いられ、前記給湯システムが設置される住居構造物と前記加熱装置又は前記貯湯装置との位置関係に基づいてその形態が標準化された補助配管ユニットの一端を前記加熱装置と前記貯湯装置とのうち前記配管の一端が接続される装置以外の装置に接続する第二の接続工程と、
前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端を合わせることで前記配管の長さを調整する配管長さ調整工程と、
配管長さが調整された前記配管の他端と前記補助配管ユニットの他端とを接続する第三の接続工程と、を備える配管接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−25947(P2008−25947A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201234(P2006−201234)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
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