説明

配管支持装置およびプラント

【課題】通常時は配管を強固に支持して共振や疲労損傷を防ぎ、地震などによって配管に過荷重が作用する場合には配管を保護するように柔軟に配管を支持する。
【解決手段】実施形態によれば、配管支持装置1は判定部15と配管支持部31とを有する。配管支持部31は、固定部側に取り付けられたシリンダ6と、シリンダ6の外側に取り付けられてシリンダ6の第1の貫通孔11aと第2の貫通孔11bを通じてシリンダ6と連絡するリザーバ12と、貫通孔11a、11bを開閉する電動弁13a、13bと、配管側に取り付けられて第1の貫通孔11aと第2の貫通孔11bとの間でシリンダ6内を摺動するピストン7と、を有する。振動信号が所定値を越えた時に弁13a、13bを開いて流動抵抗を減らし、固定部2と配管9の間の拘束力を弱める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配管支持装置およびそれを備えたプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラント等の各種プラントの配管系においては、配管自重、流体振動や機械振動による共振、熱変形、および地震に起因する荷重から保護するための配管支持装置が設けられている。配管支持装置には、架構式拘束装置(レストレイント)や防振器(オイルスナッバ、メカニカルスナッバ等)がある。
【0003】
架構式拘束装置は一般に鋼材で製作され、対向する一対の柱とそれらの間に架設された梁からなる架構を備え、配管を上下左右から挟持する構成となっている。架構式拘束装置は、建物や躯体の埋込金物等に溶接して設置され、配管自重、熱変形および地震による機械的荷重が作用しても配管系に損傷が発生しないように強固な構造に設計され、配管を拘束して保護している。
【0004】
防振器のうちオイルスナッバは、ピストンを一端に有するピストンロッドと、オイルを内包するシリンダで構成されており、シリンダの外側には、オイルの出入りが可能なオイルリザーバが設置されている。シリンダとオイルリザーバを結ぶオリフィスには弁が設けられている。通常時には、内部の弁が開放されシリンダとオイルリザーバの間をオイルが行き来するので、ピストンロッドが動いても生じる抵抗力は小さく、熱変形のような配管の緩慢な変位に対しては配管を拘束しない。一方で、地震時のような配管の急激で振動数の高い変位に対しては、内部の弁が閉じて所定の抵抗力が生じ、配管の動きを拘束することで配管を保護している。メカニカルスナッバも同様で、緩慢な変位には追従し、地震時などの急激な変位に対しては抵抗力を生じる働きをするものである。
【0005】
上述したように、従来の配管支持装置は、様々な機械的荷重が作用した場合に、配管の機能(損傷による内部流体の漏洩防止等)が喪失しないよう、配管を拘束する構造設計がなされている。しかしながら、大地震が発生し、配管系に大きな変位が生じる場合には、支持装置を強固な設計とすると、配管支持部を支点とする曲げの過荷重が配管に作用して、配管自体を損傷する可能性がある。あるいは地震などの振動源が有する周波数成分によっては、配管が共振して過荷重が作用し、配管が損傷する可能性がある。このように配管に過荷重が作用した場合は、配管の拘束支持を解放することで、配管の損傷を防止することができる。このような配管支持装置としては、上述のレストレイントの鋼材や鋼材の連結部材に切欠を設け、過大な機械荷重が作用した場合には切欠が破断し、配管の拘束を解放するという技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−180253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、設定破断荷重が作用した場合に、受動的に配管の拘束が解放されるという利点があるが、配管の拘束装置が破断してしまうため、繰り返し使用することができず、地震の発生ごとに拘束装置の点検・交換作業が必要となる点や、設定荷重で破断する切欠部を精度良く設計することが難しい点が課題であった。
【0008】
本発明の実施形態は上述した課題を解決するものであり、通常時は配管を比較的強固に支持して共振や疲労損傷を防ぎ、地震などによって配管に過荷重が作用する場合には配管を保護するように柔軟に配管を支持し、しかも繰り返して使用できる配管支持装置、および、かかる配管支持装置を備えたプラントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る配管支持装置は、地震による振動信号が所定値を越えたかどうかを判定する判定部と、固定部に対して配管を支持する配管支持部であって、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に前記固定部と配管の間の拘束力が弱まるように構成された配管支持部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプラントは、配管と、地震による振動を検出して振動信号を出力する振動センサと、前記振動センサから出力された振動信号が所定値を越えたかどうかを判定する判定部と、固定部に対して前記配管を支持する支持部であって、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に前記固定部と配管の間の拘束力が弱まるように構成された配管支持部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、通常時は配管を比較的強固に支持して共振や疲労損傷を防ぎ、地震などによって配管に過荷重が作用する場合には配管を保護するように柔軟に配管を支持することができ、しかも繰り返して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る配管支持装置の第1の実施形態の構成を示す正断面図である。
【図2】本発明に係る配管支持装置の第2の実施形態の構成を示す正面図であって、通常時の状態を示す図である。
【図3】本発明に係る配管支持装置の第2の実施形態の構成を示す正面図であって、地震時の状態を示す図である。
【図4】本発明に係る配管支持装置の第3の実施形態の構成を示す上面図であって、通常時の状態を示す図である。
【図5】本発明に係る配管支持装置の第4の実施形態の構成を示す上面図であって、通常時の状態を示す図である。
【図6】本発明に係る配管支持装置の第5の実施形態の構成を示す正面図であって、通常時の状態を示す図である。
【図7】本発明に係る配管支持装置の第5の実施形態の構成を示す正面図であって、地震時の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る配管支持装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
まず、図1を用いて第1の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態の配管支持装置の構成を示す正断面図である。この配管支持装置1は、たとえば、プラント内の配管9を支持するものであって、配管9を支持する配管支持部31と判定部15とを有する。配管支持部31はダンパ30などを有する。
【0015】
固定壁(固定部)2に固定側取り付け治具(固定側取り付け部材)3aが固定され、配管9には配管側取り付け治具(配管側取り付け部材)3bが固定されている。固定側取り付け治具3aと配管側取り付け治具3bはダンパ30を介して接続されている。固定側取り付け治具3aとダンパ30は固定側ピン4aを介して互いに回転可能に連結され、配管側取り付け治具3bとダンパ30は配管側ピン4bを介して互いに回転可能に連結されている。
【0016】
ダンパ30は、シリンダ6と、シリンダ6内で軸方向に摺動するピストン7とを備えている。シリンダ6の一端は、固定側クレビス5aおよび固定側ピン4aを介して固定側取り付け治具3aに連結されている。ピストン7にはピストンロッド8が接続され、ピストンロッド8は、配管側クレビス5bおよび配管側ピン4bを介して配管側取り付け治具3bに連結されている。
【0017】
シリンダ6の外側にリザーバ12が形成されている。シリンダ6の側面には、軸方向にピストン7をはさむ位置に、固定側オリフィス(貫通孔)11aと、配管側オリフィス(貫通孔)11bが設けられていて、固定側オリフィス11aおよび配管側オリフィス11bを通じてシリンダ6の内部とリザーバ12の内部が連通している。固定側オリフィス11aおよび配管側オリフィス11bそれぞれを開閉する固定側電動弁13aおよび配管側電動弁13bが配置されている。シリンダ6およびリザーバ12の内部には油などの作動流体10が収容されている。
【0018】
このプラントの内部またはその周辺には振動センサ14が配置され、この振動センサ14の出力信号は判定部15に送られる。振動センサ14は、固定部2の振動を検出するものでもよいし、また、配管9に取り付けて配管9の振動を検出するものでもよい。また、振動センサ14としては、たとえば、加速度センサ、変位センサ、ひずみセンサの何れでもよい。
【0019】
判定部15は、振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えているかどうかを判定する。通常時または振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えていないときは電動弁13a、13bが閉じており、振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えたときは電動弁13a、13bが開くように構成されている。
【0020】
通常時は、電動弁13a、13bが閉じているため、シリンダ6およびリザーバ12の内部の作動流体10が流動せず、シリンダ6とピストン7の相対的な動きに対しては大きな抵抗力が生じ、配管9は、ダンパ30を介して固定部2に対して拘束された状態になっている。
【0021】
一方、所定の閾値以上の地震動が検知された場合には、電動弁13a、13bが開き、作動流体10が、シリンダ6およびリザーバ12の内部を流動できるため、ピストン7がシリンダ6に対して摺動する際の抵抗力は弱くなり、配管9の拘束は、固定部2から解放された状態となる。このため、配管支持部を支点とする曲げの過荷重が作用して配管9が損傷することを防止することができる。
【0022】
また、本実施形態においては、プラントの起動時および停止時など、配管の熱変形が生じる際には電動弁13a、13bを開放し、熱変形に追従できるようにしても良い。
【0023】
上記第1の実施形態で、電動弁13a、13bは電磁弁に代えて空気作動弁などの弁にしてもよい。また、上記第1の実施形態の説明では2個の電動弁13a、13bが同時に開閉するものとしたが、2個のオリフィス11a、11bのうちの一方のみを電動弁で開閉し、他方のオリフィスは開いたままにしてもよい。さらに、電動弁13a、13bは、単なる開閉弁とせず、開度を段階的に変えられる開度調節弁としてもよい。
【0024】
また、図1に示す第1の実施形態では、リザーバ12はシリンダ6の外壁に沿って形成されるものとしているが、シリンダ6の外側で2個のオリフィス11a、11bを連絡するものであれば、連絡配管でもよい。その場合、電動弁13a、13bに代えて、連絡配管に一つの弁を設ければよい。
【0025】
[第2の実施形態]
次に本発明に係る配管支持装置の第2の実施形態について図2および図3を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の配管支持装置の構成を示す正面図であって、通常時の状態を示す図である。図3は、第2の実施形態の配管支持装置の構成を示す正面図であって、地震時の状態を示す図である。
【0026】
この第2の実施形態の配管支持装置1は、配管9を支持する配管支持部32と判定部15とを有する。配管支持部32は、第1のバネ18、第2のバネ19、ストッパ20、ロッド16などからなる。
【0027】
固定側クレビス5aと配管側クレビス5bとが1本のロッド16によって連結されている。
【0028】
ロッド16と固定側クレビス5aとの接続部には固定側フランジ17aがロッド16に取り付けられ、ロッド16と配管側クレビス5bとの接続部には配管側フランジ17bがロッド16に取り付けられている。ロッド16の軸方向中間部には中間部固定側フランジ17cと中間部配管側フランジ17dがロッド16に対して軸方向に摺動可能に取り付けられている。固定側フランジ17aと中間部固定側フランジ17cとの間には、比較的柔らかい第1のバネ18が、ロッド16に沿ってロッド16を囲むように配置されている。配管側フランジ17bと中間部配管側フランジ17dとの間には、第1のバネ18よりも硬い第2のバネ19が、ロッド16に沿ってロッド16を囲むように配置されている。第1のバネ18および第2のバネ19はいずれも弦巻バネである。
【0029】
固定部2に対して固定されたストッパ20が設けられている。
【0030】
ストッパ20は、判定部15からの指令信号によって開閉可能であって、通常時または振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えていないときは閉じており、振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えたときに開くようになっている。
【0031】
ストッパ20は、通常時または振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えていないときは、図2に示すように閉じていて、中間部固定側フランジ17cと中間部配管側フランジ17dとの間にはさまれる位置にあり、中間部固定側フランジ17cと中間部配管側フランジ17dの位置を拘束している。振動センサ14の出力信号が所定の閾値を越えたときは、図3に示すようにストッパ20が開き、中間部固定側フランジ17cと中間部配管側フランジ17dとが直接接触し、ストッパ20による拘束はなくなる。
【0032】
本実施の形態において、通常時は、ストッパ20が閉じられ、硬い第2のバネ19のバネ力によって配管9は支持される。また、地震時にはストッパ20が外れて、中間部固定側フランジ17cと中間部配管側フランジ17dとが直接接触するので、硬い第2のバネ19と軟らかい第1のバネ18の直列結合のバネ力によって配管9は支持される。
【0033】
本実施の形態によれば、通常時は硬い第2のバネ19のバネ力によって配管9は拘束された状態となる。一方、所定の閾値以上の地震動が検知された場合には、第1のバネ18と第2のバネ19を直列結合することによってバネ力が小さくなるため、配管支持部32の剛性が小さくなり、配管支持部を支点とする曲げの過荷重が作用して配管が損傷することを防止することができる。
【0034】
上記第2の実施形態の説明では第2のバネ19が第1のバネ18よりも硬いものとしたが、これらは同じ硬さであっても、また、逆の硬さ関係であってもよい。いずれの場合であっても、ストッパ20が外れたときに第1のバネ18と第2のバネ19が直列結合されることによってバネ力が小さくなる効果が得られる。
【0035】
また、上記第2の実施形態の説明では、固定側クレビス5aと配管側クレビス5bとが1本のロッド16によって連結されているものとしたが、ロッド16を省略してもよい。
【0036】
[第3の実施形態]
次に本発明に係る配管支持装置1の第3の実施形態について図4を用いて説明する。図4は、第3の実施形態の配管支持装置の構成を示す上面図であって、通常時の状態を示す図である。
【0037】
この第3の実施形態は、第2の実施形態(図2、図3)の変形であって、第2の実施形態と同様の第1および第2のバネ18、19およびストッパ20などによる配管支持部32と並列に、固定壁2と配管9とを連結するダンパ21などによる配管支持部33が設けられている。
【0038】
固定壁2に固定側取り付け治具3cが固定され、配管9には配管側取り付け治具3dが固定されている。固定側取り付け治具3cと配管側取り付け治具3dはダンパ21を介して接続されている。固定側取り付け治具3cとダンパ21は固定側ピン4cを介して互いに回転可能に連結され、配管側取り付け治具3dとダンパ21は配管側ピン4dを介して互いに回転可能に連結されている。
【0039】
ダンパ21は、シリンダ36と、シリンダ36内で軸方向に摺動するピストン37とを備えている。シリンダ36の一端は、固定側クレビス5cおよび固定側ピン4cを介して固定側取り付け治具3cに連結されている。ピストン37にはピストンロッド38が接続され、ピストンロッド38は、配管側クレビス5dおよび配管側ピン4dを介して配管側取り付け治具3dに連結されている。
【0040】
本実施の形態によれば、ある閾値以上の地震が発生し、ストッパ20が外れた場合でも、ダンパ21の働きにより、地震後の配管9の振動を素早く減衰させることができる。
【0041】
[第4の実施形態]
次に本発明に係る配管支持装置1の第4の実施形態について図5を用いて説明する。図5は、第4の実施形態の配管支持装置の構成を示す上面図であって、通常時の状態を示す図である。
【0042】
この第4の実施形態は、第3の実施形態(図4)の変形であって、ダンパ21が、第1および第2のバネ18、19と同軸上で第1および第2のバネ18、19の内側に配置されている。すなわち、第2の実施形態の配管支持部32と配管支持部33とを同軸上に重ね合わせて一体化している。
【0043】
この実施形態によれば、第3の実施形態と同様の作用・効果が得られるとともに、コンパクトな設計とすることができる。
【0044】
[第5の実施形態]
次に本発明に係る配管支持装置の第5の実施形態について図6および図7を用いて説明する。図6は、第5の実施形態の配管支持装置の構成を示す正面図であって、通常時の状態を示す図である。図7は、第5の実施形態の配管支持装置の構成を示す正面図であって、地震時の状態を示す図である。
【0045】
本実施形態では、配管支持装置1によって支持される配管9は水平方向に延びていて、配管支持装置1は、配管支持部34と判定部15とを有する。
【0046】
配管支持部34は、建屋の下部躯体(固定部)22から起立して互いに対向する1対の鋼材製の脚柱23と、これらの脚柱23の上に架設された鋼材製の下梁24を有する。
【0047】
図6に示す通常時において、下梁24の上面からは、鋼材製の2本の回転柱25が回転節26を介して鉛直に起立している。回転柱25の上端は、連結機構27によって上梁28が連結されている。連結機構27は、たとえば電磁石を利用したものであり、通常時は通電されていて、連結状態にある。このとき、配管9は、下梁24と上梁28とによって上下方向に挟まれ、2本の回転柱25によって水平方向にはさまれて支持されている。
【0048】
地震時に振動センサから閾値を超える振動信号が出力されると、判定部15がこれを判定し、連結機構27の電磁石電源が切られ、連結機構27の連結が解除される。この時、2本の回転柱25は、回転節26を中心として左右に振動するので、図7に示すように、配管9の外側に向かって倒れ、配管9の水平方向の支持が解除される。
【0049】
本実施の形態によれば、所定の地震動が検知された場合には、回転柱25が倒れることによって配管9の拘束が解放され、配管支持部を支点とする曲げの過荷重が作用して配管が損傷することを防止することができる。
【0050】
[他の実施形態]
以上説明した複数の実施形態の配管支持装置を組み合わせて一つの配管または同じプラントの複数の配管を支持する装置とすることもできる。さらに、複数の実施形態の配管支持装置の特徴を組み合わせて一つの配管支持装置とすることもできる。
【0051】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1…配管支持装置、2…固定壁(固定部)、3a,3c…固定側取り付け治具(固定側取り付け部材)、3b,3d…配管側取り付け治具(配管側取り付け部材)、4a,4c…固定側ピン、4b,4d…配管側ピン、5a,5c…固定側クレビス、5b,5d…配管側クレビス、6…シリンダ、7…ピストン、8…ピストンロッド、9…配管、10…作動流体、11a…固定側オリフィス(貫通孔)、11b…配管側オリフィス(貫通孔)、12…リザーバ、13a…固定側電動弁、13b…配管側電動弁、14…振動センサ、15…判定部、16…ロッド、17a…固定側フランジ、17b…配管側フランジ、17c…中間部固定側フランジ(中間部材)、17d…中間部配管側フランジ(中間部材)、18…第1のバネ、19…第2のバネ、20…ストッパ、21…ダンパ、22…建屋の下部躯体、23…脚柱、24…下梁、25…回転柱、26…回転節、27…連結機構、28…上梁、30…ダンパ、31,32,33,34…配管支持部、36…シリンダ、37…ピストン、38…ピストンロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震による振動信号が所定値を越えたかどうかを判定する判定部と、
固定部に対して配管を支持する配管支持部であって、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に前記固定部と配管の間の拘束力が弱まるように構成された配管支持部と、
を有することを特徴とする配管支持装置。
【請求項2】
前記振動信号は、前記固定部の振動を表わす信号であることを特徴とする請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項3】
前記振動信号は、前記配管の振動を表わす信号であることを特徴とする請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項4】
前記振動信号は、前記配管に設置された加速度センサ、変位センサ、ひずみセンサのうちの少なくとも一つのセンサの出力信号であることを特徴とする請求項3に記載の配管支持装置。
【請求項5】
前記配管支持部は、
前記固定部に取り付けられた固定部側取り付け部材と、
前記配管に取り付けられた配管側取り付け部材と、
前記固定部側取り付け部材と配管側取り付け部材の一方に取り付けられて、軸方向に互いに間隔をあけた第1および第2の貫通孔が設けられて、作動流体を収容するシリンダと、
前記シリンダの外側に取り付けられて前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とを連絡するリザーバと、
前記リザーバ内を流れる作動流体の流動抵抗を変える弁と、
前記固定側取り付け部材と配管側取り付け部材のうちの前記シリンダが取り付けられていない側に取り付けられて、前記第1の貫通孔と第2の貫通孔との間で前記シリンダ内を摺動するピストンと、
を有し、
前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に前記弁による流動抵抗が減るように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の配管支持装置。
【請求項6】
前記弁は、通常時は閉じていて、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に開くように構成されていること、
を特徴とする請求項5に記載の配管支持装置。
【請求項7】
前記弁は、前記第1および第2の貫通孔の少なくとも一方を開閉できるように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の配管支持装置。
【請求項8】
前記シリンダは前記固定部側取り付け部材に取り付けられ、
前記ピストンは前記配管側取り付け部材に取り付けられていること、
を特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の配管支持装置。
【請求項9】
前記配管支持部は、
前記固定部に取り付けられた固定部側取り付け部材と、
前記配管に取り付けられた配管側取り付け部材と、
前記固定部側取り付け部材に取り付けられた第1のバネと、
前記配管側取り付け部材に取り付けられた第2のバネと、
前記第1のバネを介して前記固定部側取り付け部材に接続され、前記第2のバネを介して前記配管側取り付け部材に接続された中間部材と、
前記中間部材に着脱可能で前記固定部に固定されたストッパと、
を有し、
前記中間部と前記ストッパは、通常時は係合しており、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に解放されるように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の配管支持装置。
【請求項10】
前記第2のバネは前記第1のバネよりも硬いことを特徴とする請求項9に記載の配管支持装置。
【請求項11】
前記固定部側取り付け部材と配管側取り付け部材との間を連結するロッドをさらに有し、
前記第1および第2のバネが前記ロッドに沿って延びた弦巻バネであること、
を特徴とする請求項9または請求項10に記載の配管支持装置。
【請求項12】
前記配管支持部は、前記固定部と前記配管との間を連結するダンパをさらに有することを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の配管支持装置。
【請求項13】
前記配管支持部は、
前記固定部に回転支持されて前記配管を支持する少なくとも一つの回転支持部材を含む複数の支持部材と、
前記回転支持部材の先端と他の支持部材とを着脱可能に連結する連結機構と、
を備え、
前記連結機構は、通常時は連結されており、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に解放されるように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の配管支持装置。
【請求項14】
前記配管は水平方向または傾斜方向に延びていて、
前記支持部材は、前記配管の上部を支持する上梁と、前記配管の下部を支持する下梁と、を含み、
前記回転支持部材は、前記下梁に回転支持されて前記配管の両側部を支持する2本の回転柱部を含み、
前記連結機構は、前記2本の回転柱部と前記上梁とを着脱可能に連結するものであること、
を特徴とする請求項13に記載の配管支持装置。
【請求項15】
配管と、
地震による振動を検出して振動信号を出力する振動センサと、
前記振動センサから出力された振動信号が所定値を越えたかどうかを判定する判定部と、
固定部に対して前記配管を支持する支持部であって、前記判定部によって前記振動信号が所定値を越えたと判定された時に前記固定部と配管の間の拘束力が弱まるように構成された配管支持部と、
を有することを特徴とするプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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