説明

配線器具

【目的】 プラグとコンセントとを一体的に連結し、電気機器のコードの引っ張り方向にコンセントを向けることが可能な配線器具を提供する。
【構成】 プラグ2とコンセント3とからなり、接触子4とは反対側のプラグ2の正面とコンセント3とを重ね合わせて導電可能に軸6連結し、コンセント3は差込み孔5を回動軸6とは直交する方向に向けて回動可能としてある。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は配線器具に関し、特にプラグとコンセントとを回動可能に連結した配線器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋内配線に接続するコンセントは、壁面に取付けられており、テレビ、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、アイロン、電子レンジ、壁面に固定した暖房器具等の各種の電気機器を使用する場合には、電気機器に連結するコード先端のプラグをコンセントに差込み、接続するようにしていた。
コードに連結したプラグは、導電性を有する細長い板状の接触子を、板面を対称に向き合わせて突設したものであり、コンセントには、プラグの各接触子をそれぞれ差込み可能な差込み孔を左右に並べ、内部には接触子を挟持可能な状態で導電性を有する接触子が設けてある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
コンセントに対するプラグの差込み、抜取りは、接触子の長さ方向にそって平行な状態で行わなければならず、方向性が限定されていた。従って、家具類の設置位置によってはコンセントが家具の近くに位置することがあり、プラグの差込み、抜取りを簡単に行うことができないものであった。
【0004】
冷蔵庫、テレビ、洗濯機、暖房器具等は定置されているので、いったんコンセントにプラグを差し込んだ後、使用中に抜き取ることはあまりないが、掃除機やアイロン、扇風機、移動可能な暖房器具等では使用開始時にプラグをコンセントに差込み、使用後はプラグを抜き取っていた。従って、プラグの差込み、抜取りはしばしば行われていた。
【0005】
このようにプラグの差込み、抜取りを繰り返して行う場合、前記のようにプラグの差し抜き方向が限定されているので、特に抜き取る場合、真っ直ぐに抜き取りにくい時には左右に揺すりながら抜き取ることがある。しかし、無理に抜き取ると接触子が曲がった状態で抜き出されることになり、次の使用に不便なものであった。
特に、このような場合にはコンセント自体が破壊されることがあり、差込み孔内の接触子も故障し、接触不良の原因ともなっていた。
【0006】
掃除機のように室内を移動しながら使用をする電気機器の場合、コードが延びきった時、プラグに衝撃が与えられ、プラグが無理に抜き取られることがあるので、前記のような問題点が発生しやすかった。
衝撃でプラグが抜き取られない場合でも、プラグとの接続箇所でコードに横方向への引っ張り力が与えられ、この接続箇所でコードが切断される断線の原因ともなっていた。
【0007】
プラグとコンセントを、両方の接触子が導電可能な状態で一体的に連結し、コンセントをプラグに対して上下に回動可能とした配線器具が提供されている。この場合には、プラグを壁面のコンセントに接続し、電気機器のプラグを配線器具のコンセントに差込み、接続するようになっている。
このようなコンセントでは、コンセントを上向きにすることにより電気機器のプラグの差込み、抜取りが容易となる利点を有しているが、例えば前記の掃除機のように使用中のコードが延びるのは横方向に対してであるので、上下にのみ回動するコンセントの場合では問題解決にはならないものであり、プラグ接触子の曲がり、壁面コンセントの破壊、断線等を防止できないものであった。
【0008】
本考案は、種々の電気機器を使用するに際しての上記する壁面コンセントとプラグとの関係、プラグとコンセントとを一体とした配線器具等の種々の問題点に鑑み、プラグとコンセントとを導電可能に連結するとともにコンセントをプラグに対して360°の方向で回動可能とした配線器具を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本考案は、壁面コンセントに接続可能なプラグ2と、電気機器のプラグを接続可能なコンセント3とからなり、接触子4とは反対側のプラグ2の正面とコンセント3とを重ね合わせて導電可能に軸6連結し、コンセント3は、差込み孔5を回動軸6とは直交する方向に向けて回動可能としたことを特徴としている。
【0010】
【実施例】
以下、図面に従って、本考案の一実施例を詳細に説明する。
図1、図2において1は本考案に係る配線器具本体を示し、この配線器具本体1は、プラグ2とコンセント3とから形成されている。
プラグ2は、二本の接触子4を平行に突出させた従来と同じ構造のものであり、壁面コンセントに接続可能である。また、コンセント3は、差込み孔5の内部に、電気機器のプラグの接触子を挿通可能な接触子を有する従来と同じ構造のものである。
【0011】
プラグ2とコンセント3とは、プラグ2の接触子4とは反対面において接合面を重ね合わせて軸6により連結し、コンセント3はプラグ2に対して360°の回転角度で回動可能となっている。そして、プラグ2とコンセント3とは連結部内において電気的に導電可能に接続されている。
【0012】
上記の構成においてプラグ2は従来と同様にして図示しない壁面に設けたコンセントに接続する。各種電気機器にコードで接続するプラグは、コンセント3の差込み孔5内に差込み、接続すればよい。
【0013】
壁面コンセントに固定状態のプラグ2に対し、コンセント3は差込み孔5を連結軸6とは直交する方向に向けて360°回動可能であるから、掃除機の使用中にコードが延びきるような時、電気機器のプラグを接続した状態でコンセント3は引かれた方向に回動する。更にコードが引かれた場合にはプラグはコンセント3から真っ直ぐに抜き取られるようになる。
【0014】
【考案の効果】
上記する本考案によれば、内部において電気的に導通可能に接続したプラグ2とコンセント3とを一体的に連結するとともにコンセント3は差込み孔5を外方向に向けて360°の角度で回動可能としたので、壁面のコンセントに接続、固定したプラグ2に対してコンセント3は自由状態となる。
【0015】
従って、電気機器の使用に際し、コードの動きに対応してコンセント3は向きを変えることができる。従って、コードの引っ張りに際し、壁面コンセントに対してプラグ2には無理な衝撃が与えられることがなく、接続不良や断線等は生じない。
【0016】
また、電気機器の使用中にコードが延びきった時、コンセント3はコードの延び方向に向いているので、コードが無理に引かれた場合には電気機器のプラグがコンセント3から簡単に抜き取られることになり、プラグ2やコンセント3等に無理な力が加わることがない。
【0017】
更に、コンセント3の差込み孔5の向きを360°の方向で自由に選ぶことができるので、壁面コンセントが家具類に近く設置されて使いにくい場合、コンセント3の差込み孔5を家具類とは逆方向に向けることにより、電気機器のプラグの差込み、抜取りを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案配線器具の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本考案配線器具の一実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 配線器具本体
2 プラグ
3 コンセント
4 接触子
5 差込み孔
6 連結軸

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 壁面コンセントに接続可能なプラグ2と、電気機器のプラグを接続可能なコンセント3とからなり、接触子4とは反対側のプラグ2の正面とコンセント3とを重ね合わせて導電可能に軸6連結し、コンセント3は、差込み孔5を回動軸6とは直交する方向に向けて回動可能としたことを特徴とする配線器具。

【図 1】
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【図 2】
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【登録番号】第3009839号
【登録日】平成7年(1995)2月1日
【発行日】平成7年(1995)4月11日
【考案の名称】配線器具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−13307
【出願変更の表示】特願平4−103803の変更
【出願日】平成4年(1992)3月31日
【出願人】(591091711)東京端一株式会社 (1)