説明

配送管理システム

【課題】出品者(販売者)と落札者(購入者)との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうことができる物品配送サービスの提供。
【解決手段】
本発明の配送管理システム(エスクロー・システムに用いた場合)によれば、商品の配送において、出品者端末240には、落札者の住所を担当する配達側取扱拠点の情報のみを通知する。これにより、出品者が落札者の住所や氏名等の個人情報を知らなくても、商品を配達側取扱拠点まで届けることができる。一方、商品が到着した配達側取扱拠点の取扱拠点端末232には落札者の個人情報を通知する。これにより、商品の配送伝票等に出品者の個人情報を記載していなくても(落札者に出品者の個人情報を知らせなくても)、商品を配達側取扱拠点から落札者まで届けることができる。すなわち、本発明によれば、出品者と落札者との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売者と購入者との間の匿名性を保ちつつ物流サービスを提供するシステムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
ここでは、従来の物流サービス(配送サービス)をエスクロー・サービスに利用する場合を一例に挙げて説明する。
エスクロー・サービスとは、販売者と購入者との間の商品と代金のやりとりを、第三者(エスクロー・サービス提供会社)が仲介するサービスである。このエスクロー・サービスは、特に、個人間での取引が多いインターネット上のオークション(以降、ネット・オークションと呼ぶ)において利用されている。
【0003】
<従来のエスクロー・サービスの概要>
従来のエスクロー・サービスの仕組み(商品と代金の流れ)の例を、図1に示す。ここでは、エスクロー・サービスをネット・オークションに用いる場合で説明する。なお、オークション商品の落札後についてのみ説明し、商品の出品から落札までの流れは省略する。
オークション会社110はネット・オークションの運営者であり、エスクロー・サービスの提供者であるエスクロー・サービス提供会社120(例えば、金融機関等)と提携して、ユーザがネット・オークションでエスクロー・サービスを利用できるようにしている。
ユーザ140,150は、オークション会社110に登録され、ネット・オークションに参加できるユーザである。ここでは、ユーザ140を商品の出品者、ユーザ150を商品の落札者として説明する。
配送会社130は、配送サービス(郵便や宅配便等)を提供する配送業者であり、オークションの商品を出品者140から引受して、落札者150に配達する。配送会社130は、各地域に、その地域での集配を担当する取扱拠点を有している。以降、出品者140から商品を受け付ける取扱拠点(取扱拠点132)を受付側取扱拠点(中継する拠点を含む、以下同じ)と呼び、商品を落札者150に配達する取扱拠点(取扱拠点134)を配達側取扱拠点(中継する拠点を含む、以下同じ)と呼ぶ。各取扱拠点は、受付側取扱拠点と配達側取扱拠点の両方、または、受付側取扱拠点あるいは配達側取扱拠点のみの機能を有している。なお、配送会社がエスクロー・サービスを提供している(配送会社130とエスクロー・サービス提供会社120が同一の者である)場合もある。
【0004】
上述したように、前提として、オークションの商品が落札され、支払うべき代金(例えば、落札代金と手数料の合計額)が落札者150に通知されている。以降、図1に括弧で示した番号に従って代金と商品の流れを説明する。
(1)代金入金
まず、落札者150は、エスクロー・サービス提供会社120に代金を預ける。具体的には、例えば、エスクロー・サービス提供会社120が指定する口座に代金を振り込んだり、クレジットカード決済を行ったりする。
(2)入金通知
エスクロー・サービス提供会社120は、入金があった旨を出品者140に通知する。入金通知はオークション会社110を経由して行なってもよい。すなわち、まず、エスクロー・サービス提供会社120からオークション会社110に通知し(2’−1)、それを受けて、オークション会社110から出品者140に通知する(2’−2)。
【0005】
(3)商品持込
入金通知を受けた出品者140は、商品を配送会社130の受付側取扱拠点132(例えば、自宅の最寄りの取扱拠点)に持ち込み、落札者150への配送を依頼する。
このとき、出品者140は配送依頼の伝票に必要事項を記入する。通常は、依頼主欄に出品者140の住所・氏名等を、届け先欄に落札者150の住所・氏名等を記入する。すなわち、商品を落札者150に届けるためには、落札者の住所・氏名等を出品者に知らせておく必要があるが、これは、出品者と落札者との間での電子メール等での連絡や、オークション会社110からの通知等により可能である。
(4)受付側取扱拠点から配達側取扱拠点への配送
受付側取扱拠点132に持ち込まれた商品は、配送会社130内で定めている配送ルートに従って、落札者150の住所がある地域の集配を担当している配達側取扱拠点134に配送される。
(5)商品配達
配達側取扱拠点134から、落札者150の住所に商品が配達される。
【0006】
(6)受取通知
落札者150は、商品を受け取った旨をエスクロー・サービス提供会社120に通知する。ここで、商品が破損している場合等には、その旨をエスクロー・サービス提供会社120に通知し、取引をキャンセルしてエスクロー・サービス提供会社120から代金の返金を受けることができる。
受取通知は、上述の(2)入金通知と同様、オークション会社110を経由して行なってもよい。その場合、落札者150からオークション会社110に通知し(6’−1)、オークション会社110からエスクロー・サービス提供会社120に通知する(6’−2)。
(7)代金送金
エスクロー・サービス提供会社120は、落札者150からの受取通知を受けて、代金を出品者140に送金する。
【0007】
<従来のエスクロー・サービスのシステム構成例>
上述の図1で説明したエスクロー・サービスは、例えば、図2のようなシステム構成により実現できる。ここでは、エスクロー・サービス提供会社120が銀行等の金融機関であり、落札者150が商品の代金を該金融機関が管理する口座に振り込む場合を例として説明するが、エスクロー・サービス提供会社120は、金融機関に口座を開設している他の者でもよい。また、銀行等の金融機関への振込み以外に、クレジットカード決済等の他の支払い方法を利用してもよい。
なお、図1と同様、商品落札後のエスクロー・サービスに関する部分についてのみ図示・説明する。商品の出品から落札まで(出品、入札、落札等)の各処理については、従来の通常のオークション・システムを用いることができる。
【0008】
図2において、オークション会社サーバ210は、オークション会社110がネット・オークションのサービスを提供するためのサーバである。金融機関サーバ220は、エスクロー・サービス提供会社120(ここでは、銀行等の金融機関)がエスクロー・サービスを提供するためのサーバである。
配送会社サーバ230は、配送会社130が配送サービスを提供するためのサーバである。取扱拠点端末232は、配送会社130の各取扱拠点に設置され、配送会社サーバ230と通信できるパソコン等の端末であり、各取扱拠点の担当者(職員等)が配送業務等に使用する。
ユーザ(出品者)端末240,ユーザ(落札者)端末250は、それぞれ出品者140,落札者150が使用するパソコンや携帯電話等の端末である。
ネットワーク260,262は、インターネットや専用回線・イントラネット等の通信ネットワークである。
【0009】
代金の入金・送金のために、金融機関サーバ220には、例えば、エスクロー管理口座224を用意する。エスクロー・サービス提供会社120(金融機関)は、落札者150が振り込んだ(図1の(1))商品の代金を、エスクロー管理口座224に用意している口座にいったん入金し、落札者150からの受取通知(図1の(6))を受けて、エスクロー管理口座224に開設している出品者140の口座へ送金(図1の(7))する。
また、金融機関サーバ220は、専用回線等の通信ネットワーク262を通じ、オークション会社サーバ210を介して電子メール等の手段により、出品者端末240への入金通知の送信(図1の(2)または(2’−1))、落札者端末250からの受取通知の受信(図1の(6)または(6’−2))等を行なう。
エスクロー管理システム222は、これらの代金の入金・送金等の処理や、入金通知の送信、受取通知の受信を行なうコンピュータ・システムである。
なお、図2に示した金融機関サーバ220内の仕組みは一例であり、上述の図1で説明した従来のエスクロー・サービスの代金側の処理を行なえる仕組みであればよい。
【0010】
配送会社サーバ230には、例えば、各取扱拠点の集配担当地域や配達情報を記憶した配達情報データベース238を用意する。これにより、配送会社サーバ230において、商品を落札者150に配達する配送ルートや、配達側取扱拠点134となる取扱拠点を決定して、受付側取扱拠点132の取扱拠点端末232に通知することができる。
配送システム236は、上述の配送ルート決定や受付側取扱拠点端末232への通知等の処理を行なうコンピュータ・システムである。
なお、図2に示した配送会社サーバ230内の仕組みは一例であり、上述の図1で説明した従来のエスクロー・サービスの商品側の処理を行なえる仕組みであればよい。すなわち、従来の通常の配送サービスを提供できる仕組みであればよい。
【0011】
オークション会社サーバ210において、オークション・システム212は、ネット・オークションの各処理を行なうコンピュータ・システムである。商品落札後のエスクロー・サービスにおいては、図1に示した入金通知および受取通知をオークション会社110経由で行なう場合に、通信ネットワーク262を介して、金融機関サーバ220からの入金通知の受信(図1の(2’−1)),金融機関サーバ220への受取通知の送信(図1の(6’−2))を行い、通信ネットワーク260を介して、出品者端末240への入金通知の送信(図1の(2’−2)),落札者端末250からの受取通知の受信(図1の(6’−1))を行なう。
【0012】
また、オークション・システム212がネット・オークションの各処理を行なうために、オークション会社サーバ210にユーザ・データベース214およびオークション・データベース216を用意する。
ユーザ・データベース214は、オークション会社110に登録しているユーザの情報を記憶しているデータベースである。図3(a)は、ユーザ・データベース214の項目のうち、エスクロー・サービスの説明に必要な項目を示した図である。「ユーザID」は、ユーザに一意のIDであり、「パスワード」は、ユーザのパスワードである。ユーザは、ユーザIDとパスワードによりオークション・システム212にログインして、ネット・オークションに参加(出品・入札)することができる。
「氏名」は、ユーザの氏名である。「住所」は、ユーザの住所であり、例えば図3(a)に示しているように、「郵便番号」,「都道府県」,「市区町村」,「丁目」,「番地」,「その他」(建物名・部屋番号等)等、上位から項目に分割して記憶している。なお、この分割は一例であり、他の分割でもよいし、また、必ずしも分割しなくてもよい。「メールアドレス」は、ユーザのメールアドレスであり、オークション会社サーバ210からユーザ端末(ここでは出品者端末240,落札者端末250)への通知等に使用することができる。
このようにユーザの個人情報をオークション会社110のユーザ・データベース214に登録しておくことは、トラブルの防止や、ユーザの取引への安心・信頼の向上に資する。
【0013】
オークション・データベース216は、オークションの情報(商品情報や、出品・入札・落札に関する情報等)を記憶しているデータベースである。図3(b)は、オークション・データベース216の項目のうち、エスクロー・サービスの説明に必要な項目を示した図である。「オークションID」は、オークションに一意のIDである。「出品者ユーザID」および「落札者ユーザID」は、それぞれ、ユーザ(出品者)140およびユーザ(落札者)150のユーザIDである。「商品情報」はユーザ(出品者)140が出品時に登録した商品名や商品の説明等であり、「代金情報」は、落札者が支払うべき代金(例えば、落札代金や手数料等)の情報である。
オークションの商品の出品から落札までの間は、オークション・システム212は、これらのユーザ・データベース214やオークション・データベース216を参照・更新して、ネット・オークションのWebページにオークションの経過や結果を表示したり、電子メールやWebページでユーザ(出品者、入札者、落札者等)にオークションの経過や結果の通知等を行なったりする。
【0014】
<従来のエスクロー・サービスの利点と問題点>
上述の図1および図2で示した従来のエスクロー・サービスを利用することにより、出品者(販売者)は代金が受け取れることを確認してから商品を発送でき、落札者(購入者)は商品が到着してから代金を出品者に支払うことができる。このため、従来のネット・オークションの問題点であった「代金を支払ったのに商品が届かない」、「商品を発送したのに代金が支払われない」といったトラブルの防止に有効である。
【0015】
しかしながら、上述したように、配送会社の従来の配送サービスを利用して商品を出品者(販売者)から落札者(購入者)へ送るためには、配送依頼の伝票等に、依頼主(出品者)と届け先(落札者)双方の氏名・住所等の個人情報を記入する必要がある。
すなわち、出品者は商品の発送のために落札者の個人情報が必要であり、一方、落札者は届いた商品に付された伝票を見て出品者の個人情報を知ることができる。このように、従来の配送サービスを利用すると、出品者と落札者との間で個人情報が互いに知られてしまう。
なお、代金の流れにおいては、落札者(購入者)はエスクロー・サービス提供会社の指定口座に入金し、エスクロー・サービス提供会社が出品者(販売者)に代金を支払うため、出品者(販売者)と落札者(購入者)との間では匿名で代金の授受を行なうことが可能である。
【0016】
トラブル防止や取引の信用向上等のために、オークション・システム内にユーザの個人情報を登録しておく必要性は高い。しかし、現在のネット・オークションにおいては、出品者や入札者は、オークション・システム上で公開されている取引履歴(評価や取引件数等)を見て相手を判断することが多く、氏名・住所等の個人情報まで知らせる必要性は低いと考えられる。むしろ、取引を介して個人情報が流出することの危険性が問題となっており、特に、個人間での売買が多いネット・オークションにおいては、匿名性への要望は非常に高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、出品者(販売者)と落札者(購入者)との間の匿名性を保ちつつ物品を配送するサービスを提供して、上述の問題を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するために、本発明は、販売者から購入者に商品を配送するための配送管理システムであって、前記販売者の端末及び前記商品の集配を行う各取扱拠点の端末と接続されたサーバを備え、前記サーバは、前記販売者及び前記購入者の住所及び氏名の情報を記憶しているユーザ記憶手段と、前記商品の売買の各取引IDによって前記販売者と、前記購入者とを関連づけて記憶している取引記憶手段と、前記取扱拠点の所在地情報と、該取扱拠点が担当する集配担当地域情報とを関連づけて記憶している取扱拠点記憶手段と、前記販売者の端末から前記商品の伝票番号が入力されると、該伝票番号を前記取引IDと関連づけて前記取引記憶手段に記憶する伝票番号登録手段と、前記ユーザ記憶手段に記憶されている前記購入者の住所を集配担当地域に含む取扱拠点を検索して、該取扱拠点の所在地情報を前記販売者の端末に送信する配達側取扱拠点情報通知手段と、前記取扱拠点端末から前記伝票番号による問い合わせを受信すると、前記伝票番号登録手段から前記伝票番号に関連する取引IDを検索し、前記取引記憶手段から前記取引IDに関連する購入者を検索し、前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信する購入者情報通知手段とを備えることを特徴とする配送管理システムである。
また、前記取扱拠点記憶手段により記憶される前記所在地情報には郵便番号を含み、前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記選択した取扱拠点の郵便番号を前記販売者の端末に送信すること
を特徴としてもよい。
【0019】
また、前記ユーザ記憶手段により記憶される前記住所情報には郵便番号を含み、前記取扱拠点記憶手段は、前記集配担当地域情報を郵便番号により記憶しており、前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記購入者の郵便番号に該当する集配担当地域の取扱拠点を選択することを特徴としてもよい。
さらに、各取引に対応する伝票番号を生成する伝票番号生成手段を備えており、前記伝票番号登録手段は、前記生成した伝票番号を前記取引IDに関連づけて前記取扱拠点記憶手段に記憶し、前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記伝票番号と、前記選択した取扱拠点の所在地情報とを有する前記配送伝票の電子データを生成して、前記販売者の端末に送信することを特徴としてもよい。
また、前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記取扱拠点の所在地情報とともに又は前記取扱拠点の所在地情報の代わりに前記取引IDを前記販売者の端末に送信することを特徴としてもよい。
また、前記購入者情報通知手段は、前記配送伝票が付された前記商品が配達される前記取扱拠点において、取扱拠点端末から送信される伝票番号又は取引IDを受信すると、前記ユーザ記憶手段から関連する前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信することを特徴としてもよい。
また、前記取扱拠点記憶手段は、前記取扱拠点の取扱拠点IDをさらに記憶し、前記購入者情報通知手段は、前記取扱拠点端末から前記伝票番号又は取引IDを受信すると、送信した取扱拠点の前記取扱拠点IDを前記取扱拠点記憶手段から検索し、該取扱拠点IDと、前記配達側取扱拠点情報通知手段により選択した取扱拠点を特定する取扱拠点IDとが一致する場合、前記ユーザ記憶手段から前記伝票番号又は取引IDに関連する前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信することを特徴としてもよい。
【0020】
また、本発明は、発送人から受取人に物品を配達するための配送管理システムであって、前記発送人の端末及び前記物品の集配を行う各取扱拠点の端末と接続されたサーバを備え、前記サーバは、前記発送人及び前記受取人をそれぞれ特定するための情報と、前記物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて記憶した配送情報記憶手段と、前記物品の集配先に対してその集配を担当する取扱拠点が特定できるように前記取扱拠点の所在地情報を記憶した担当地域記憶手段と、前記発送人の端末から前記物品識別情報が入力されると、前記配送情報記憶手段から前記物品識別情報に関連する受取人の情報を検索し、さらに該受取人への集配を担当する取扱拠点に関する情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記発送人の端末に送信する取扱拠点情報通知手段と、前記取扱拠点情報通知手段で得られた取扱拠点情報を宛先として配送された前記物品に関する識別情報が前記取扱拠点の端末から入力されると、前記物品の受取人情報を前記配送情報記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信する受取人情報通知手段とを備えることを特徴とする配送管理システムである。
【0021】
また、前記取扱拠点において、前記受取人情報通知手段で得られた受取人情報を前記物品の新たな配送先にして配送完了されたかを確認する配送完了確認手段をさらに備えてもよい。
また、前記受取人情報通知手段は、前記取扱拠点の端末からの入力が何れの取扱拠点からであるかを特定するとともに、前記受取人を配送先とするときの集配担当となる取扱拠点を前記担当地域記憶手段から検索し、前記2つの取扱拠点が一致しない場合は、前記受取人情報の代わりに、前記集配担当取扱拠点の情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信することを特徴としてもよい。
また、前記発送人及び前記受取人を特定するための情報は少なくとも氏名及び住所を含み、前記物品識別情報は前記物品の配送に関する伝票番号又は前記物品の取引に関する取引IDの少なくとも何れか1つを含み、前記取扱拠点に関する情報は前記取扱拠点の名称、所在地又は郵便番号の少なくとも何れか1つを含むことを特徴としてもよい。
【0022】
また、本発明は、販売者から購入者に商品を配送するための配送管理方法であって、前記販売者及び前記購入者の住所及び氏名の情報をユーザ記憶手段に記憶しており、前記商品の売買の各取引IDによって前記販売者と、前記購入者とを関連づけて取引記憶手段に記憶しており、前記取扱拠点の所在地情報と、該取扱拠点が担当する集配担当地域情報とを関連づけて取扱拠点記憶手段に記憶しており、前記販売者の端末から前記商品の伝票番号が入力されると、該伝票番号を前記取引IDと関連づけて前記取引記憶手段に記憶する伝票番号登録ステップと、前記ユーザ記憶手段に記憶されている前記購入者の住所を集配担当地域に含む取扱拠点を検索して、該取扱拠点の所在地情報を前記販売者の端末に送信する配達側取扱拠点情報通知ステップと、前記取扱拠点端末から前記伝票番号による問い合わせを受信すると、前記伝票番号登録手段から前記伝票番号に関連する取引IDを検索し、前記取引記憶手段から前記取引IDに関連する購入者を検索し、前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信する購入者情報通知ステップとを備えることを特徴とする配送管理方法である。
【0023】
また、本発明は、発送人から受取人に物品を配達するための配送管理方法であって、前記発送人及び前記受取人をそれぞれ特定するための情報と、前記物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて配送情報記憶手段に記憶しており、前記物品の集配先に対してその集配を担当する取扱拠点が特定できるように前記取扱拠点の所在地情報を担当地域記憶手段に記憶しており、前記発送人の端末から前記物品識別情報が入力されると、前記配送情報記憶手段から前記物品識別情報に関連する受取人の情報を検索し、さらに該受取人への集配を担当する取扱拠点に関する情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記発送人の端末に送信する取扱拠点情報通知ステップと、前記取扱拠点情報通知ステップで得られた取扱拠点情報を宛先として配送された前記物品に関する識別情報が前記取扱拠点の端末から入力されると、前記物品の受取人情報を前記配送情報記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信する受取人情報通知ステップとを備えることを特徴とする配送管理方法である。
【0024】
また、上記のいずれかに記載の配送管理システムの各手段をコンピュータに機能として実現させるためのプログラムも、本発明である。
【発明の効果】
【0025】
本発明における匿名性の高い配送管理システムをエスクロー・システムに利用した場合には、オークション(取引)の商品の配送において、オークション会社から出品者には、配達側取扱拠点(落札者の住所への配達を担当している取扱拠点であり、中継する取扱拠点を含む)の情報のみを通知する。一方、出品者は商品に貼付する配送伝票の伝票番号をオークション会社に知らせる。
出品者は、配送伝票の届け先欄に配達側取扱拠点情報を記入して、受付側取扱拠点(出品者が商品を持ち込む取扱拠点)に商品を持ち込む。なお、依頼主欄には出品者の個人情報を記入してよい。これにより、出品者が落札者の住所や氏名等の個人情報を知らなくても、商品を配達側取扱拠点まで届けることができる。なお、配送伝票は、伝票番号および必要な事項を記載した配送伝票をオークション会社が生成して、出品者に送るようにしてもよい。
一方、商品が到着した配達側取扱拠点では、配送伝票の伝票番号をオークション会社に伝えて問い合わせを行なう。オークション会社は、問合わせに応じて、配達側取扱拠点に落札者への配達に必要な情報を通知する。配達側取扱拠点では、この情報をもとに届け先欄に落札者への配達に必要な情報を記載し、依頼主欄から配達に不必要な出品者の情報を削除した新しい伝票を作成して、商品の伝票を貼り替える。これにより、配送伝票に出品者の個人情報を記載していなくても(落札者に出品者の個人情報を知らせなくても)、商品を配達側取扱拠点から落札者まで届けることができる。
したがって、落札者は自分の住所・氏名等の個人情報を出品者に知らせなくても商品を受け取ることができ、また、出品者は落札者に個人情報を知られずに商品を引き渡すことができる。すなわち、本発明の配送管理システムによれば、出品者(販売者)と落札者(購入者)との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうことができる。
また、他のユーザの個人情報を知らないまま取引ができるため、ネット・オークションのユーザにおける、他のユーザの個人情報保護の負担を軽減することができる。
なお、オークション会社から出品者にオークションID(取引ID)も通知し、出品者にオークションIDを伝票に記入させ、配達側取扱拠点は該オークションIDをオークション会社に伝えて落札者の個人情報を問い合わせるシステムとしてもよい。
【0026】
また、言うまでもなく、本発明の配送管理システムは、エスクロー・システムへの利用に止まらない。例えば、配送会社サーバが、発送人(エスクロー・システムにおいては出品者)及び受取人(エスクロー・システムにおいては落札者)をそれぞれ特定する情報及び配送する物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて記憶している装置を持つことで、エスクロー・システムの場合と同等の効果を提供できる。すなわち発送人は、物品を識別する情報(例えば取引IDや配送伝票番号)を配送会社に通知することで配達側拠点情報を取得し、これを配送伝票の届け先欄に記入して受付側取扱拠点に物品を持ち込む。配送会社では、エスクロー・システムにおける利用の場合と同様に、配送伝票の情報をもとに配達側取扱拠点まで物品を配送し、物品が到着した配達側取扱拠点では、配達伝票の伝票番号等をもとに伝票の貼り替え等を行い、購入者に配達する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以降、本発明の配送管理システムの実施形態の一例を図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、本発明の配送管理システムをエスクロー・システムに利用した場合の例で説明する。
【0028】
<本実施形態の配送管理システムを用いたエスクロー・サービスの概要>
図4は、本実施形態の配送管理システムを従来のネット・オークションのエスクロー・サービスに用いた場合の商品と代金の流れの一例である。図中の符号は図1に対応している。なお、ここでも、商品落札後のみについて説明する。商品の出品から落札まで(出品、入札、落札等)の各処理については、従来のオークション・システムを用いることができる。
オークション会社110,エスクロー・サービス提供会社120,ユーザ(出品者)140,ユーザ(落札者)150は、図1に示した従来のエスクロー・サービスと同様である。また、エスクロー・サービスにおける代金の流れ((1)代金入金および(7)代金送金)も、従来と同様である。また、(2)入金通知および(6)受取通知の各通知についても従来と同じであるが、図4では、オークション会社110を経由して通知する例で示している。
【0029】
一方、出品者(販売者)と落札者(購入者)との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうために、本実施形態の配送管理システムは、商品の流れについて新しい仕組みを設ける。以降、この新しい仕組みについて説明する。
【0030】
(0−1)オークション終了通知
オークションが終了すると、オークション会社110から出品者140に、オークションが終了した旨を、例えば電子メールにより通知する。オークション終了時に落札者のユーザIDやメールアドレス、落札金額等を通知することは、従来のオークション・システムにおいても通常行なわれているが、本実施形態では、さらに、出品者が商品の配送伝票の伝票番号を入力したり、配達側取扱拠点(落札者の住所への集配を担当している取扱拠点であり、中継する取扱拠点を含む)の情報を得たりするためのWebページへのURLも通知する。
【0031】
(0−2)伝票番号通知
出品者140は、商品に貼り付ける配送伝票を用意し、配送伝票に記載されている伝票番号を、オークション会社に通知する。なお、配送伝票は通常配送会社130専用のものを用いる。オークション会社では、その伝票番号をオークション(取引)と紐付けて登録する。
【0032】
(0−3)配達側取扱拠点情報の通知
次に、オークション会社110は、出品者140に配達側取扱拠点情報を通知する。すなわち、落札者150に対応する配達側取扱拠点134となる取扱拠点を決定して、出品者140に、配達側取扱拠点情報として配達側取扱拠点134の所在地を通知する。所在地のほか、さらに配達側取扱拠点の名称等を通知してもよい。
本実施形態では、配達側取扱拠点情報として配達側取扱拠点134の郵便番号を通知するものとする。これは、例えば、配送会社130が日本郵政公社である場合に特に有用である。また、通知を受ける出品者140にとっても、情報の量が少ない(7桁の郵便番号)ため、負担が軽い。なお、日本郵政公社以外の宅配業者等が配送会社130である場合でも、郵便番号を用いて受付側取扱拠点132から配達側取扱拠点134への配送が可能であれば、同様に郵便番号を配達側取扱拠点情報として使用することができる。また、郵便番号では配送できない配送会社である場合には、配達側取扱拠点の所在地を、出品者140に知らせるようにすればよい。
このように、出品者140には配達側取扱拠点情報のみを通知する。出品者140は、落札者150の住所や氏名等の個人情報を知る必要はない。
また、出品者140が伝票番号をオークション会社に通知した後に、オークション会社が出品者140に配達側取扱拠点情報を通知するようにすることで、以後の処理に必要な伝票番号の入力漏れを防ぐことができる。
なお、ここではログイン等により出品者のみが閲覧できるWebページで配達側取扱拠点情報を通知するものとするが、電子メール等の他の方法で通知してもよいし、これらの複数の方法により通知してもよい。また、出品者140から伝票番号が通知されると、配達側取扱拠点情報を出品者140に通知しているが、順序はこれに限られない。
【0033】
(3)商品持込
図1で説明した従来のエスクロー・サービスと同様、入金通知を受けた出品者140は、商品を配送会社130の取扱拠点(受付側取扱拠点132)に持ち込んで落札者150への配送を依頼する。このとき、配送依頼の配送伝票には、上記(0−3)で通知された配達側取扱拠点情報(配達側取扱拠点134の所在地等。本実施形態の例では、配達側取扱拠点134の郵便番号及び配達先の都道府県名)を記入する。
配送伝票の記入例を、図5(a)に示す。「お届け先」欄には、上記(0−3)で通知された配達側取扱拠点情報(配達側取扱拠点134の郵便番号)を記入する。ここで、確認の便利のためにオークションID及び配達先の都道府県名も記入するとよい。また、図5(a)に示すように、配達側取扱拠点134の郵便番号の他、配達側取扱拠点134の名称を記入してもよい。配達側取扱拠点の名称は、上述したように、(0−3)の配達側取扱拠点情報(郵便番号)とともに出品者140に通知してもよいし、受付側取扱拠点132にて該郵便番号に対応する取扱拠点134の名称を調べて、出品者140あるいは受付側取扱拠点132の担当者が記入してもよい。
【0034】
さらに、「お届け先」欄には、オークションの名称やオークション会社の名前(ここでは「□□オークション)を記入することもできる。これにより、商品を受け取った配達側取扱拠点134の担当者(職員等)が、この荷物が、本実施形態の配送管理システムを利用したエスクロー・サービスによるものであり、オークション会社110に落札者150についての情報を問い合せる必要がある荷物であることを知ることができる。
「ご依頼主」欄には、従来の配送伝票と同様に、出品者140の住所や氏名・電話番号等の情報を記入する。このように出品者の情報を記入しておくことにより、従来の配送サービスと同様、万一不明な点があった場合に、受付側取扱拠点132や配達側取扱拠点134等から出品者140に問い合わせ、あるいは返送することができる。
さらに、「お届け先」欄に落札者150のユーザID、「ご依頼主」欄に出品者140のユーザIDを記入してもよい。ユーザIDを記入することにより、出品者140が、オークションIDの記入を万が一誤記入した場合などに、確認を取ることができる。
上述の図5(a)に示した配送伝票により、落札者150の住所や氏名等の個人情報がなくても、商品を配達側取扱拠点134まで届けることができる。
【0035】
(4−1)受付側取扱拠点から配達側取扱拠点への配送
図5(a)の配送伝票が付された商品は、配送会社130の従来の配送ルートに従って配達側取扱拠点134に配送される。
(4−2)配達側取扱拠点からオークション会社への問い合わせ
商品を受け取った配達側取扱拠点134は、商品に付された図5(a)の配送伝票の伝票番号を用いて、オークション会社110に問い合わせを行なう。
(4−3)オークション会社から配達側取扱拠点への落札者情報の通知
問い合わせを受けて、オークション会社110は、その伝票番号に対応するオークションの落札者150の住所・氏名等、商品を落札者150に配達するのに必要な情報を、落札者情報として配達側取扱拠点134に通知する。このように、配達側取扱拠点134には落札者150の情報のみを通知する。
配達側取扱拠点134では、届け先欄に落札者の情報を記載し、依頼主欄から出品者の個人情報を削除した新しい配送伝票を作成して、商品の伝票を貼り替える。
【0036】
図5(b)は、配達側取扱拠点134で作成される配送伝票の例である。「お届け先」欄には、オークション会社から通知された落札者150の住所・氏名・電話番号等の情報を記入する。さらに、落札者150のユーザIDを記入してもよい。ユーザIDを記入することにより、出品者140が、オークションIDの記入を万が一誤記入した場合などに、確認を取ることができる。
「ご依頼主」欄には、例えば、落札者への住所への集配を担当している取扱拠点(配達側取扱拠点134)の郵便番号を記入する。なお、この配達側取扱拠点の郵便番号は必ずしも記入しなくともよい。さらに、上述の図5(a)と同様、出品者140のユーザIDを記入してもよい。
オークションIDおよび、オークションの名称やオークション会社の名前(ここでは「□□オークション」)の記入は、図5(a)と同様である。落札者150に配達するにはもはや必要のない情報であるが、これらの情報が記入されていれば、落札者150が配送伝票を見て、荷物の内容が「□□オークションのオークションID6754343」の商品であることがわかるため、安心して商品を受け取ることができる。なお、オークションの名称やオークション会社の名前の他、オークションIDを記入しないような構成としても、勿論よい。
このように、配達側取扱拠点134にて上述の図5(a)の配送伝票を図5(b)の配送伝票に貼り替えることにより、配送伝票に出品者140の個人情報を記載していなくても(落札者150に出品者140の個人情報を知らせなくても)、商品を配達側取扱拠点134から落札者150まで届けることができる。
【0037】
(5)商品配達
配送会社130の従来の配送方法に従って、配達側取扱拠点134から落札者150の住所に商品を配達する。
【0038】
このように、本実施形態の配送管理システムによれば、オークション(取引)の商品の配送において、オークション会社から出品者には、配達側取扱拠点(落札者の住所への集配を担当している取扱拠点であり、中継する取扱拠点を含む)の情報のみを通知する。一方、出品者は商品に貼付する配送伝票の伝票番号をオークション会社に知らせる。
出品者は、配送伝票の届け先欄に配達側取扱拠点情報を記入して、受付側取扱拠点(出品者が商品を持ち込む取扱拠点)に商品を持ち込む。これにより、出品者が落札者の住所や氏名等の個人情報を知らなくても、商品を配達側取扱拠点まで届けることができる。なお、配送伝票は、伝票番号および必要な事項を記載した配送伝票をオークション会社が生成して、出品者に送るようにしてもよい。配送伝票の自動生成についても、後で詳しく説明する。
一方、商品が到着した配達側取扱拠点では、配送伝票の伝票番号をオークション会社に伝えて問い合わせを行なう。オークション会社は、問合わせに応じて、配達側取扱拠点に配達に必要な落札者の情報を通知する。配達側取扱拠点では、届け先欄に落札者への配達に必要な情報を記載し、依頼主欄から出品者の情報を削除した新しい伝票を作成して、商品の伝票を貼り替える。これにより、配送伝票に出品者の個人情報を記載していなくても(落札者に出品者の個人情報を知らせなくても)、商品を配達側取扱拠点から落札者まで届けることができる。
したがって、落札者は自分の住所・氏名等の個人情報を出品者に知らせなくても商品を受け取ることができ、また、出品者は落札者に個人情報を知られずに商品を引き渡すことができる。すなわち、本実施形態の配送管理システムによれば、出品者(販売者)と落札者(購入者)との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうことができる。
また、他のユーザの個人情報を知らないまま取引ができるため、ネット・オークションのユーザにおける、他のユーザの個人情報保護の負担を軽減することができる。
なお、オークション会社から出品者にオークションID(取引ID)も通知し、出品者にオークションIDを伝票に記入させ、配達側取扱拠点は該オークションIDをオークション会社に伝えて落札者の個人情報を問い合わせるシステムとしてもよい。オークションIDによる問合わせについても、後で詳しく説明する。
【0039】
<本実施形態の配送管理システムを用いたエスクロー・サービスのシステム構成例>
図6は、上述の図4で説明した、本実施形態の配送管理システムを用いたエスクロー・システムを、ネット・オークションに用いる場合の例におけるシステム構成の一例である。なお、図中の符号は図2に対応している。
図6において、金融機関サーバ220,配送会社サーバ230,ユーザ(出品者)端末240,ユーザ(落札者)端末250,通信ネットワーク260,262は、図2と同様である。通信ネットワーク264は、取扱拠点端末232と配送会社サーバ230を接続する通信ネットワークである。
取扱拠点端末232も図2と同様であるが、図2に示した従来例と異なるのは、通信ネットワーク264を介してオークション会社サーバ210にログインし、通信を行なう点である。なお、ここでは、取扱拠点端末232は、配送会社サーバ230,通信ネットワーク264を介して、オークション会社サーバ210と接続するものとする。
【0040】
オークション会社サーバ210も、図2と同様、オークション会社110のサーバであるが、さらに、本実施形態の配送管理システム217と、取扱拠点データベース218を備える。
配送管理システム217は、上述の図4で説明したように、インターネット260を介して出品者端末240から通知(図4の(0−2))された伝票番号を、オークション・データベース216に記憶する。したがって、本実施形態のオークション・データベース216は、図7(a)に示すように、図3(b)に示した従来技術のオークション・データベース(図3(b))に、「伝票番号」の項目を追加する。その他の項目は図3(b)の従来技術のオークション・データベースの各項目と同様である。これにより、伝票番号と、オークションIDなどの情報とが紐付けられることになる。
また配送管理システム217は、落札者150に対応する配達側取扱拠点を検索して、出品者端末240に配達側取扱拠点情報を送信する(0−3)。また、取扱拠点端末232からの問合せ(4−2)を受信して、対応する落札者情報を検索し、送信(4−3)する。
これらの配送管理システム217の各処理については、後で詳しく説明する。
【0041】
取扱拠点データベース218は、配送会社130の各取扱拠点端末232がオークション会社サーバ210にログインして配送管理システム217を利用できるように、取扱拠点を登録しているデータベースである。
取扱拠点データベース218の主要な項目を、図7(b)に示す。「取扱拠点ID」は、取扱拠点に一意のIDである。
「パスワード」は、取扱拠点のパスワードであり、取扱拠点データベース218に登録されている取扱拠点は、例えば、取扱拠点IDとパスワードで配送管理システム217にログインして、問い合わせ(図4の(4−2))を行なう。問い合わせは、例えば、ログイン後にオークション会社サーバ210の配送管理システム217から送信され、取扱拠点端末232のディスプレイに表示されるWebページに、配送伝票(図5(a)の配送伝票)に記入されている伝票番号を入力して、オークション会社サーバ210に送信することにより行なう。「取扱拠点名」は、該取扱拠点の名称である。
なお、本実施形態においては、「取扱拠点ID」と「パスワード」を用いてログインを行うようにしているが、各取扱拠点に配備された各職員のそれぞれに、IDとパスワードを配布するようにしてもよい。この場合、各取扱拠点IDと、各職員のIDとが紐付けられて、各職員のIDによって取扱拠点も特定できるようになっている。
【0042】
「所在地(郵便番号)」は、該取扱拠点の所在地である。本実施形態の例では、出品者140に通知する配達側取扱拠点情報は該取扱拠点の郵便番号であるため、この項目には、少なくとも取扱拠点の郵便番号を記憶しておく。
「集配担当地域(郵便番号)」は、該取扱拠点が配達を担当している地域である。本実施形態では、集配担当地域を郵便番号で記憶するものとする。すなわち、本実施形態においては、落札者の住所の郵便番号を集配担当地域に含む取扱拠点を、配達側取扱拠点であると判断することができる。これは、配送会社130が、各取扱拠点の集配担当地域を郵便番号で分けることに対応している配送会社(例えば、上述の日本郵政公社等)である場合に有効である。集配担当地域を郵便番号で分けていない、もしくは分けることに対応していない配送会社である場合には、郵便番号に変えて、集配担当地域を住所の一部(例えば、「○○県△△市××町□番地」)等で記憶すれば、上述の郵便番号の場合と同じように、落札者の住所を集配担当地域に含む取扱拠点を配達側取扱拠点として選択することができる。また、本実施の形態では、郵便番号を、取扱拠点などを特定するキーとして用いているが、これに限らず、それ以外の数字やアルファベットなどよりなるコードなどをキーとして用いるようにしてもよい。
【0043】
本実施の形態においては、「取扱拠点ID」と「パスワード」とを用いて配送管理システム217に対して問い合わせ(図4の(4−2))を行なうようにしたが、配送管理システム217と取扱拠点端末232との間で正しく認証が行えるような方法であれば、「取扱拠点ID」と「パスワード」を用いずともよい。
配送管理システム217が配達側取扱拠点を正しく確認する方法としては、例えば、配達側取扱拠点のマックアドレスやグローバルIPアドレスなどを用いて確認する方法、指紋認証や声などにより確認するバイオメトリクス認証などがあげられる。
【0044】
<本実施形態の配送管理システムを用いたエスクロー・システムの処理の流れ>
上述したように、本実施形態の配送管理システム217は、次の(1)〜(3)の各処理を行なう。
(1)伝票番号登録処理
出品者端末240から受信した伝票番号を、オークション(取引)と紐付けて登録する。
(2)配達側取扱拠点情報通知
落札者の住所を担当する配達側取扱拠点を選択し、配達側取扱拠点情報を出品者端末240に送信する。
(3)落札者情報通知
配達側取扱拠点からの問合せに応じて、落札者情報を該配達側取扱拠点の取扱拠点端末232に送信する。
以降、これら(1)〜(3)の各処理を詳細に説明する。なお、ここでは、上述したように、配達側取扱拠点情報として配達側取扱拠点の郵便番号を出品者に通知し、また、取扱拠点データベース218の集配担当地域も郵便番号で記憶している場合を例として説明する。
【0045】
(1)伝票番号登録処理
本実施形態では、上述したように、オークション終了通知(図4の(0−1))の際に、出品者が商品の配送伝票の伝票番号を入力したり、配達側取扱拠点(落札者の住所への集配を担当している取扱拠点であり、中継する取扱拠点を含む)の情報を得たりするためのWebページへのURLも通知する。
図10(a)は、出品者端末240に表示され、出品者が伝票番号を入力するための伝票番号入力ページの例である。なお、ここでは出品者端末240が携帯電話である場合のWebページの例を示しているが、出品者端末240がパソコンの場合も、Webページに表示する内容は同じである。
伝票番号入力ページ1010において、伝票番号入力欄1012には、出品者が商品の発送のために用意した配送伝票にあらかじめ記載されている伝票番号を入力する。
伝票番号を入力して、「次へ」ボタン1014をクリックすると、伝票番号がオークション会社サーバ210に送信され、伝票番号登録処理は、受信した伝票番号をオークション・データベース216に記憶する。
その後すぐに、配達側取扱拠点情報通知処理を行なって、図10(b)に示す配達側取扱拠点情報閲覧ページを出品者端末240に送信する。なお、上述したように、伝票番号登録処理と配達側取扱拠点情報通知処理の順序はこれに限られず、どちらを先に行なってもよいが、伝票番号登録処理を先に行うことで、オークション会社サーバ210は、確実に伝票番号を登録することができる。
【0046】
(2)配達側取扱拠点情報通知処理
図8は、本実施形態の配送管理システム217が行なう配達側取扱拠点情報通知処理の流れを示したフローチャートである。
まず、該当のオークションの落札者の郵便番号を取得する(S810)。具体的には、上述の図7(a)に示したオークション・データベースの落札者ユーザIDをキーとして図3(a)のユーザ・データベース214を参照し、該ユーザの郵便番号を取得する。
次に、落札者の郵便番号に対応する取扱拠点情報を取得する(S820)。具体的には、上述で取得した落札者の郵便番号をキーとして上述の取扱拠点データベース218を参照し、該郵便番号を集配担当地域に含んでいる取扱拠点の郵便番号を、取扱拠点情報として取得する。
最後に、取得した配達側取扱拠点情報(配達側取扱拠点の郵便番号及び配達先の都道府県名)を出品者端末150に通知する(S830)。通知は、上述したように、電子メールや出品者のみが閲覧できるWebページの送信等により行なうことができる。
【0047】
図10(b)は、出品者端末240に表示される配達側取扱拠点情報閲覧ページの例である。配達側取扱拠点情報閲覧ページ1020において、お届け先表示欄1022には、出品者が配送伝票(上述の図5(a))のお届け先欄に記入すべき事項を表示している。例えば、取扱拠点の郵便番号と取扱拠点名を表示する。また、オークションIDやオークション名称も表示する。
一方、ご依頼主表示欄1024には、出品者が配送伝票(上述の図5(a))のご依頼主欄に記入すべき事項として、出品者の個人情報をユーザ・データベース214から読み出して表示している。
「次へ」ボタン1026をクリックすると、図10(c)に示す確認ページに遷移する。
確認ページ1030において、伝票番号表示欄1032には伝票番号を表示する。お届け先表示欄1034,ご依頼主表示欄1036は、配達側取扱拠点情報閲覧ページ1020と同様である。商品ページへのリンク1038をクリックすると、そのオークションの商品の情報やオークションの経過などを表示したWebページに遷移する。
なお、落札者も、落札者端末250から確認ページ1030を閲覧することができる。落札者用の確認ページ1030は、伝票番号表示欄1032および商品ページへのリンク1038については、出品者用の確認ページ1030と同じであるが、お届け先表示欄1034には落札者の個人情報を表示し、ご依頼主表示欄1036には出品者の住所への集配を担当している取扱拠点の情報を表示する。
このように、落札者が閲覧できる確認ページ1030にも伝票番号を表示することにより、落札者が配送会社に配送状況の問合わせをしたり、荷物追跡のサービスを利用したりすることができる。
【0048】
(3)落札者情報通知処理
図9は、本実施形態の配送管理システム217が行なう落札者情報通知処理の流れを示したフローチャートである。
前提として、配達側取扱拠点134の取扱拠点端末232から正常にログインされ、取扱拠点端末232に表示された入力用の表示等に伝票番号が入力され、オークション会社サーバ210に送信されたものとする。
まず、配達側取扱拠点134の取扱拠点端末232で入力された伝票番号が正しいかをチェックするとよい(S910)。具体的には、例えば、その伝票番号が、正しい取扱拠点端末(その商品を受け取るべき取扱拠点)から入力されていること(すなわち、そのオークションIDが、図8のステップS830の処理で通知された落札者の住所を集配担当地域に含む配達側取扱拠点から入力されていること)等のチェックを行なう。このチェックを行なった場合には、例えば、オークションIDを入力した取扱拠点と、上述の配達側取扱拠点情報通知処理で選択された配達側取扱拠点とが一致する場合にのみ、その取扱拠点端末に落札者情報を通知するようにするとよい。一致しない場合(誤配送等の場合)には、例えば、その取扱拠点端末に配達側取扱拠点情報を通知して、正しい配達側取扱拠点に配送するようにするとよい。なお、チェック内容はこれに限らず、システムに応じて自由に決めてよい。
チェックの結果、入力された伝票番号が正しくないと判断した場合には、エラーを示す表示を該取扱拠点端末232に送信する、または、再び入力欄が空欄の入力用表示を該取扱拠点端末232に送信する等の方法により該取扱拠点に通知して、処理を終了する。
【0049】
チェックの結果、入力された伝票番号が正しいと判断した場合には、入力された伝票番号で落札者情報(落札者150の住所・氏名等の個人情報)を取得する(S920)。具体的には、入力された伝票番号を持つオークションをオークション・データベース216から読み出して、該当のオークションの落札者ユーザIDをキーとして、ユーザ・データベース214を参照し、落札者の住所・氏名等を取得する。
最後に、取得した落札者情報(落札者の住所・氏名等)を該取扱拠点端末232に送信する(S930)。例えば、Webページへの表示等により送信することができる。
【0050】
上述では配送管理システム217の配達側取扱拠点情報通知処理によってオークション会社サーバ210から配達側取扱拠点情報が出品者端末240に送信され、出品者はその内容に従って、図5(a)に示す配送伝票への記入を行なう。ここで、出品者端末240がパソコンであれば、オークション会社サーバ210が図5(a)に示す事項を記入した配送伝票の電子データを自動生成して出品者端末240に送信することもできる。そうすれば、出品者はそれを印刷して商品に貼るだけでよい。
このために、配送管理システム217に、さらに伝票番号生成処理を設ける。伝票番号生成処理は、例えばオークション終了時に、オークション(取引)に一意の伝票番号を生成する。伝票番号は、配送会社が使用している伝票番号のルールに従って生成する。または、あらかじめ配送会社から伝票番号をもらっておいてもよい。上述の伝票番号登録処理は、ここで生成された伝票番号をオークション・データベース216に記憶する。
そして、上述の配達側取扱拠点情報通知処理は、配達側取扱拠点を選択した後、伝票番号と図5(a)に示す事項(配達側取扱拠点情報および前記出品者の住所及び氏名等)を記載した配送伝票の電子データ(例えば、PDFファイル等)を生成して、出品者端末240に送信する。
なお、上述の図10(a)に示した伝票番号入力ページ等において、自動生成された配送伝票を受け取るか、出品者自らが配送伝票を用意して記入する(この場合には伝票番号入力ページに伝票番号を入力する)かを選択できるようにするとよい。
【0051】
また、上述では、配送伝票の伝票番号をオークション・データベース216に記憶し、配達側取扱拠点端末232は、伝票番号を用いてオークション会社サーバ210に落札者情報を問い合わせている。ここで、伝票番号ではなく、オークションID(取引ID)により問い合わせるようにしてもよい。この場合、伝票番号登録処理は行なわなくてよい。
このために、配送管理システム217に、さらに取引ID通知処理を設ける。オークションIDは、オークション開始時に電子メール等により通知することができるが、出品者の便利のために、オークション終了時にも通知する(例えば、オークション終了通知(図4の(0−1))に含めて通知する)ようにするとよい。また、出品者のみが閲覧できるWebページ等に表示してもよい。
そして、配送伝票(図5(a))には、オークションIDも記入する。配達側取扱拠点はオークションIDをオークション会社に伝えて、落札者への配達に必要な情報を問い合わせることができる。
【0052】
以上が、本発明の配送管理システムをエスクロー・システムに用いた場合の実施例であるが、配送管理システムは、エスクロー・システムへの利用に止まらない。以降、本発明の配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送に用いた場合の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0053】
<本実施形態の配送管理システムを用いた配送システムの概要>
図11は、本実施形態の配送管理システムを通常の配送に用いた場合の物品の流れの一例である。ここでは、物品の配送に関連する処理についてのみ説明する。物品の取引契約が成立するまでの過程については、従来のオークション・システムを用いることもできるし、その他いかなる発送人と受取人との間の物品の発送についての情報を連結する方法を用いてかまわない。
発送人340、受取人350は、配送管理システムを用いた配達が行われる物品をそれぞれ発送する人、受け取る人である。配送会社330は、発送人が受付側取扱拠点332に持ち込む物品を受付け、配達側取扱拠点334を経由して受取人350に配達する。
発送人340は、物品を受付側取扱拠点332に持ち込むに先立ち、物品の識別情報を用いて、配送会社に配達側取扱拠点の情報について問い合わせる(図11の(7−1)。この際使用する物品の識別情報は、従来のオークションシステム等、どのような発送人と受取人の情報を連結する方法より得られた情報であるかを問わない。配送会社330は、入力を受付け、受取人に関する情報を検索し、さらにその情報から配達側取扱拠点の情報について検索し、配達側取扱拠点に関する情報を送信する(図11の(7−2))。
発送人は、配送伝票の届け先欄に配達側取扱拠点に関する情報及び物品の識別番号を記入して、受付側取扱拠点に物品を持ち込む(図11の(8))。なお、依頼主欄には出品者の個人情報を記入してよい。これにより、発送人が受取人の住所や氏名等の個人情報を知らなくても、商品を配達側取扱拠点まで届けることができる(図11の(9−1))。なお、配送伝票は、伝票番号および必要な事項を記載した配送伝票を配送会社が生成して、出品者に送るようにしてもよい。配送伝票には、上述のエスクロー・システムに用いた場合の実施形態と同等の情報(図5(a))が記載されていてかまわない。
【0054】
一方、物品が到着した配達側取扱拠点では、物品の識別番号をもとに受取人情報を検索し(図11の(9−2))、受取人への配達に必要な情報を取得し(図11の(9−3))、届け先欄にこの情報を記載し、依頼主欄から配達に不必要な発送人の情報を削除した新しい伝票を作成して、物品の伝票を貼り替える。配送伝票には、エスクロー・システムに用いた場合と同等の情報(図5(b))が記載されていてかまわない。これにより、配送伝票に発送人の個人情報を記載していなくても(受取人に発送人の個人情報を知らせなくても)、物品を配達側取扱拠点から受取人まで届けることができる(図11の(10))。また受取人への配達に必要な情報が送信されたことを記録しておくこともできる。これにより、物品が受取人への配達プロセス(図11の(10))に移行したことを判定できる。また物品が、誤って本来到着すべきでない配達側取扱拠点に到着した場合、正しい配達側取扱拠点に転送するよう指示することもできる。
これにより、受取人350は自分の住所・氏名等の個人情報を発送人340に知らせなくても物品を受け取ることができ、また、発送人340は受取人350に個人情報を知られずに物品を引き渡すことができる。すなわち、本発明によれば、発送人と受取人との間の匿名性を保ちつつ物流を行なうことができる。
【0055】
<本実施形態の配送管理システムを用いた配送システムの構成例>
図12は、上述の図11で説明した、本実施形態の配送管理システムを用いた配送システムのシステム構成の一例である。
図12において、配送会社サーバ430は、発送人から受け付けた物品を受取人に配達するために配送会社が使用しているコンピュータである。この配送会社サーバ430は、発送人及び受取人をそれぞれ特定するための情報と、この両者の間で受け渡される物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて記憶した配送情報データベース436を持つ。図13(a)は、配送情報データベース436の記憶する情報の一例である。なお発送人及び受取人をそれぞれ特定するための情報と、この両者の間で受け渡される物品を特定するための物品識別情報は、例えば従来のオークションシステム等により予め提供されてもよく、発送人と受取人の情報を連結する方法より得られた情報がどのような情報であるかは問わない。
また配送会社サーバ430は、物品の配達先に対してその配達を担当する取扱拠点が特定できるように、配達側取扱拠点の所在地情報を記憶した担当地域データベース438を持つ。図13(b)は、担当地域データベース438の記憶する情報の一例である。
配送会社サーバ430は、インターネット等の通信ネットワーク460を通じて発送人端末440と接続される。また配送会社サーバ430は、配達側取扱拠点端末432とも、イントラネット等の通信ネットワーク464を通じて接続される。
【0056】
<本実施形態の配送管理システムを用いた配送システムの処理の流れ>
本実施形態の配送会社サーバ430は、次の各処理を行う。なお図14〜図16は、それぞれ配送会社サーバ430の処理の流れを示したフローチャートである。
(1)取扱拠点情報通知
図12において、発送人端末440から通信ネットワーク460を介して物品識別情報が入力されると、配送情報データベース436を検索し受取人への配達に必要な情報を取得し(図14のS1410)、次にこの情報をもとに担当地域データベース438を検索し受取人への配達を担当する配達側取扱拠点の情報を取得する(図14のS1420)。その後、発送人端末440に対し、通信ネットワーク460を介し、配達側取扱拠点情報を送信する(図14のS1430)。
(2)受取人情報通知
図12において、配達側取扱拠点端末432から通信ネットワーク464を介して物品識別情報が入力されると、配送情報データベース436を検索し受取人への配達に必要な情報を取得し(図15のS1510)、これを配達側取扱拠点端末432に送信する(図15のS1520)。これにより受取人への配達が行える状態となり、以後は配送会社の通常の方法により物品を受取人に配達する。
(3)配送完了確認
上記(2)により受取人への配達に必要な情報が配達側取扱拠点端末432に送信されると、配送会社サーバ430は、この物品識別番号にかかる受取人への配達に必要な情報の送信が完了したことを配送情報データベース436に記録する(図15のS1530)。これにより、発送人が発送した物品が配達側取扱拠点まで到着し、受取人への配達に必要な情報が送信され、受取人への配達プロセスに遷移した状態にあると判断できるようになる。
【0057】
(4)配達側取扱拠点確認
図12において、発送人による配送伝票の誤記載等により、物品が受取人の配達を担当しない配達側取扱拠点に誤って配送される場合を想定し、配達側取扱拠点端末432から配送会社サーバ430に上記(2)の入力が行われた際、配達側取扱拠点端末432のある取扱拠点を特定し(図16のS1610)、入力された物品識別情報から配送情報データベース436を検索し受取人への配達に必要な情報を取得し(図16のS1620)、次にこの情報をもとに担当地域データベース438を検索し、受取人への配達を担当する配達側取扱拠点の情報を取得する(図16のS1630)。この情報と、物品の識別情報を入力した配達側取扱拠点端末432のある取扱拠点とを比較する(図16のS1640)。これらがもし異なっていれば(図16のS1640でNoの場合)、受取人への配達を担当する配達側取扱拠点の情報を配達側取扱拠点端末432に送信する(図16のS1650)。これを受信した配達側取扱拠点では、配達側取扱拠点端末432に表示された情報に従い、正しい配達側取扱拠点に配送する。一方、担当地域データベース438から取得した配達側取扱拠点情報と、物品の識別情報を入力した取扱拠点とが一致する場合(図16のS1640でYesの場合)には、受取人情報をその配達側取扱拠点端末432に送信する(図16のS1660)。すなわち、物品が誤って受取人の配達を担当しない配達側取扱拠点に配送された場合には、受取人情報の代わりに受取人の配達を担当する配達側取扱拠点情報を送信するようにしたので、確実に配達することができる。
配送会社サーバ430が情報を入力した配送局配達側取扱拠点を確認する方法としては、例えば、配送局配達側取扱拠点のマックアドレスやグローバルIPアドレスなどを用いて確認する方法、指紋認証や声などにより確認するバイオメトリクス認証などがあげられる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来のエスクロー・サービスの仕組み(商品と代金の流れ)の例を示した図である。
【図2】従来のエスクロー・サービスを実現するシステム構成の例を示した図である。
【図3】(a)ユーザ・データベース、および(b)オークション・データベースの主要な項目を示した図である。
【図4】配送管理システムを用いたエスクロー・サービスの商品と代金の流れの例を示した図である。
【図5】それぞれ、(a)出品者が作成する配送伝票の例、(b)配達側取扱拠点が作成する配送伝票の例を示した図である。
【図6】配送管理システムをエスクロー・サービスに用いた場合の商品配送を実現するシステム構成の例を示した図である。
【図7】(a)オークション・データベースの主要な項目を示した図である。(b)配送管理システムにおける取扱拠点データベースの主要な項目を示した図である。
【図8】配送管理システムをエスクロー・システムに用いた場合の配達側取扱拠点情報通知処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】配送管理システムをエスクロー・システムに用いた場合の落札者情報通知処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】それぞれ、(a)伝票番号入力ページ、(b)配達側取扱拠点情報閲覧ページ、(c)確認ページの例である。
【図11】配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送に用いた場合の物品配送の流れの例を示した図である。
【図12】配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送に用いた場合の物品配送を実現するシステム構成の例を示した図である。
【図13】(a)配送情報データーベース、および(b)担当地域データベースの主要な項目を示した図である。
【図14】配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送システムに用いた場合の発送人への配達側取扱拠点情報通知の流れを示したフローチャートである。
【図15】配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送システムに用いた場合の配達側取扱拠点への受取人情報通知及び配送会社サーバへの通知状況登録の流れを示したフローチャートである。
【図16】配送管理システムをエスクロー・システム以外の配送システムに用いた場合の適切でない配達側取扱拠点への配送発見と適切な配達側取扱拠点への転送の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
110 オークション会社
120 エスクロー・サービス提供会社
130 配送会社
132 取扱拠点(受付側取扱拠点)
134 取扱拠点(配達側取扱拠点)
140 ユーザ(出品者)
150 ユーザ(落札者)
210 オークション会社サーバ
212 オークション・システム
214 ユーザ・データベース
216 オークション・データベース
217 配送管理システム
218 取扱拠点データベース
220 金融機関サーバ
222 エスクロー管理システム
224 エスクロー管理口座
230 配送会社サーバ
232 取扱拠点配達側取扱拠点端末
236 配送システム
238 配達情報データベース
240 ユーザ(出品者)端末
250 ユーザ(落札者)端末
260,262,264 通信ネットワーク
330 配送会社
332 受付側取扱拠点
334 配達側取扱拠点
340 発送人
350 受取人
430 配送会社サーバ
432 配達側取扱拠点端末
436 配送情報データベース
438 担当地域データベース
440 発送人端末
460,464 通信ネットワーク
1010 伝票番号入力ページ
1012 伝票番号入力欄
1014 「次へ」ボタン
1020 配達側取扱拠点情報閲覧ページ
1022 お届け先表示欄
1024 ご依頼主表示欄
1026 「次へ」ボタン
1030 確認ページ
1032 伝票番号表示欄
1034 お届け先表示欄
1036 ご依頼主表示欄
1038 商品ページへのリンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売者から購入者に商品を配送するための配送管理システムであって、
前記販売者の端末及び前記商品の集配を行う各取扱拠点の端末と接続されたサーバを備え、前記サーバは、
前記販売者及び前記購入者の住所及び氏名の情報を記憶しているユーザ記憶手段と、
前記商品の売買の各取引IDによって前記販売者と、前記購入者とを関連づけて記憶している取引記憶手段と、
前記取扱拠点の所在地情報と、該取扱拠点が担当する集配担当地域情報とを関連づけて記憶している取扱拠点記憶手段と、
前記販売者の端末から前記商品の伝票番号が入力されると、該伝票番号を前記取引IDと関連づけて前記取引記憶手段に記憶する伝票番号登録手段と、
前記ユーザ記憶手段に記憶されている前記購入者の住所を集配担当地域に含む取扱拠点を検索して、該取扱拠点の所在地情報を前記販売者の端末に送信する配達側取扱拠点情報通知手段と、
前記取扱拠点端末から前記伝票番号による問い合わせを受信すると、前記伝票番号登録手段から前記伝票番号に関連する取引IDを検索し、前記取引記憶手段から前記取引IDに関連する購入者を検索し、前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信する購入者情報通知手段と
を備えることを特徴とする配送管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配送管理システムにおいて、
前記取扱拠点記憶手段により記憶される前記所在地情報には郵便番号を含み、
前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記選択した取扱拠点の郵便番号を前記販売者の端末に送信すること
を特徴とする配送管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の配送管理システムにおいて、
前記ユーザ記憶手段により記憶される前記住所情報には郵便番号を含み、
前記取扱拠点記憶手段は、前記集配担当地域情報を郵便番号により記憶しており、
前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記購入者の郵便番号に該当する集配担当地域の取扱拠点を選択すること
を特徴とする配送管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の配送管理システムにおいて、
さらに、各取引に対応する伝票番号を生成する伝票番号生成手段を備えており、
前記伝票番号登録手段は、前記生成した伝票番号を前記取引IDに関連づけて前記取扱拠点記憶手段に記憶し、
前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記伝票番号と、前記選択した取扱拠点の所在地情報とを有する前記配送伝票の電子データを生成して、前記販売者の端末に送信すること
を特徴とする配送管理システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の配送管理システムにおいて、
前記配達側取扱拠点情報通知手段は、前記取扱拠点の所在地情報とともに又は前記取扱拠点の所在地情報の代わりに前記取引IDを前記販売者の端末に送信すること
を特徴とする配送管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の配送管理システムにおいて、
前記購入者情報通知手段は、前記配送伝票が付された前記商品が配達される前記取扱拠点において、取扱拠点端末から送信される伝票番号又は取引IDを受信すると、前記ユーザ記憶手段から関連する前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信することを特徴とする配送管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の配送管理システムにおいて、
前記取扱拠点記憶手段は、前記取扱拠点の取扱拠点IDをさらに記憶し、
前記購入者情報通知手段は、前記取扱拠点端末から前記伝票番号又は取引IDを受信すると、送信した取扱拠点の前記取扱拠点IDを前記取扱拠点記憶手段から検索し、該取扱拠点IDと、前記配達側取扱拠点情報通知手段により選択した取扱拠点を特定する取扱拠点IDとが一致する場合、前記ユーザ記憶手段から前記伝票番号又は取引IDに関連する前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信することを特徴とする配送管理システム。
【請求項8】
発送人から受取人に物品を配達するための配送管理システムであって、
前記発送人の端末及び前記物品の集配を行う各取扱拠点の端末と接続されたサーバを備え、前記サーバは、
前記発送人及び前記受取人をそれぞれ特定するための情報と、前記物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて記憶した配送情報記憶手段と、
前記物品の集配先に対してその集配を担当する取扱拠点が特定できるように前記取扱拠点の所在地情報を記憶した担当地域記憶手段と、
前記発送人の端末から前記物品識別情報が入力されると、前記配送情報記憶手段から前記物品識別情報に関連する受取人の情報を検索し、さらに該受取人への集配を担当する取扱拠点に関する情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記発送人の端末に送信する取扱拠点情報通知手段と、
前記取扱拠点情報通知手段で得られた取扱拠点情報を宛先として配送された前記物品に関する識別情報が前記取扱拠点の端末から入力されると、前記物品の受取人情報を前記配送情報記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信する受取人情報通知手段と
を備えることを特徴とする配送管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の配送管理システムにおいて、
前記取扱拠点において、前記受取人情報通知手段で得られた受取人情報を前記物品の新たな配送先にして配送完了されたかを確認する配送完了確認手段をさらに備えることを特徴とする配送管理システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の配送管理システムにおいて、
前記受取人情報通知手段は、前記取扱拠点の端末からの入力が何れの取扱拠点からであるかを特定するとともに、前記受取人を配送先とするときの集配担当となる取扱拠点を前記担当地域記憶手段から検索し、前記2つの取扱拠点が一致しない場合は、前記受取人情報の代わりに、前記集配担当取扱拠点の情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信することを特徴とする配送管理システム。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の配送管理システムにおいて、
前記発送人及び前記受取人を特定するための情報は少なくとも氏名及び住所を含み、前記物品識別情報は前記物品の配送に関する伝票番号又は前記物品の取引に関する取引IDの少なくとも何れか1つを含み、前記取扱拠点に関する情報は前記取扱拠点の名称、所在地又は郵便番号の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする配送管理システム。
【請求項12】
販売者から購入者に商品を配送するための配送管理方法であって、
前記販売者及び前記購入者の住所及び氏名の情報をユーザ記憶手段に記憶しており、
前記商品の売買の各取引IDによって前記販売者と、前記購入者とを関連づけて取引記憶手段に記憶しており、
前記取扱拠点の所在地情報と、該取扱拠点が担当する集配担当地域情報とを関連づけて取扱拠点記憶手段に記憶しており、
前記販売者の端末から前記商品の伝票番号が入力されると、該伝票番号を前記取引IDと関連づけて前記取引記憶手段に記憶する伝票番号登録ステップと、
前記ユーザ記憶手段に記憶されている前記購入者の住所を集配担当地域に含む取扱拠点を検索して、該取扱拠点の所在地情報を前記販売者の端末に送信する配達側取扱拠点情報通知ステップと、
前記取扱拠点端末から前記伝票番号による問い合わせを受信すると、前記伝票番号登録手段から前記伝票番号に関連する取引IDを検索し、前記取引記憶手段から前記取引IDに関連する購入者を検索し、前記購入者の住所及び氏名を該取扱拠点端末に送信する購入者情報通知ステップと
を備えることを特徴とする配送管理方法。
【請求項13】
発送人から受取人に物品を配達するための配送管理方法であって、
前記発送人及び前記受取人をそれぞれ特定するための情報と、前記物品を特定するための物品識別情報とを関連づけて配送情報記憶手段に記憶しており、
前記物品の集配先に対してその集配を担当する取扱拠点が特定できるように前記取扱拠点の所在地情報を担当地域記憶手段に記憶しており、
前記発送人の端末から前記物品識別情報が入力されると、前記配送情報記憶手段から前記物品識別情報に関連する受取人の情報を検索し、さらに該受取人への集配を担当する取扱拠点に関する情報を前記担当地域記憶手段から検索して前記発送人の端末に送信する取扱拠点情報通知ステップと、
前記取扱拠点情報通知ステップで得られた取扱拠点情報を宛先として配送された前記物品に関する識別情報が前記取扱拠点の端末から入力されると、前記物品の受取人情報を前記配送情報記憶手段から検索して前記取扱拠点の端末に送信する受取人情報通知ステップと
を備えることを特徴とする配送管理方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれかに記載の配送管理システムの各手段をコンピュータに機能として実現させるためのプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−15767(P2008−15767A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185803(P2006−185803)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(306023277)楽天オークション株式会社 (1)
【出願人】(303019271)日本郵政公社 (3)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)