説明

配達管理システム、配達管理方法及び配達管理プログラム

【課題】配達対象の配達物の配達箇所に応じた注意喚起を効率よく行なうための配達管理システム、配達管理方法及び配達管理プログラムを提供する。
【解決手段】、配達管理システム20の制御部21は、取得した配達先情報に対応する要注意履歴がある場合には、この配達先情報を追加した注意リストを生成する。制御部21は、注意パターンとのマッチング処理を実行し、注意条件に一致する注意パターンを1つでも抽出したことにより要注意箇所がある場合には、注意リストの生成処理を実行する。制御部21は、注意リストに基づいてアラームレターの発出処理及び携帯端末へのインポート処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便物等の配達を管理するための配達管理システム、配達管理方法及び配達管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業中の注意を表示して注意喚起することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この文献においては、コンピュータは、作業工程のそれぞれについて、作業内容を動画として記憶する記憶手段を備えている。コンピュータは、工程中に存在する注意作業について、注意作業の発生タイミングをタイムバーに対応させて表示する。作業者は、注意作業の存在を確認するとともに、どの時点で注意作業が発生するかを視覚的に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−158952号公報(第1頁、図5、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
郵便物等の配達作業においても、注意を必要とする配達箇所(注意箇所)が存在する。しかしながら、毎日、すべての箇所に配達するわけではなく、注意箇所に配達すべき配達物がない場合もある。この場合、配達物がない注意箇所も含めた注意喚起を一律に行なっていたのでは、効率的かつ的確な注意喚起を行なうことができない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、配達対象物の配達箇所に応じた注意喚起を効率よく行なうための配達管理システム、配達管理方法及び配達管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、出力装置に接続される制御手段とを備えて配達物の管理を行なう配達管理システムであって、前記制御手段が、配達対象の配達物の配達先情報を取得する手段と、取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する手段と、注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する手段と、前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配達管理システムにおいて、前記注意喚起情報記憶手段には、注意を要する配達パターンが更に記録されており、前記制御手段が、前記注意喚起情報記憶手段において、配達対象と一致する配達パターンを検索する手段と、前記配達パターンと一致する配達対象を抽出した場合には、前記注意リストに追加する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の配達管理システムにおいて、前記出力装置は、携帯端末であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配達管理システムにおいて、前記制御手段は、配達物の配達先情報に関連付けて配達履歴情報を記録する配達履歴データ記憶手段に接続されており、前記制御手段が、配達物を区分する際に読み取った配達先情報を前記配達履歴データ記憶手段に登録する手段と、注意を要する配達物が生じた場合には、この配達物に関する注意履歴情報を前記注意喚起情報記憶手段に記録する手段と、前記配達履歴データ記憶手段に配達履歴情報が記憶されている配達先情報において、直近の注意喚起情報の発生時から基準期間以上の注意履歴情報が記憶されていない場合には、前記注意喚起情報記憶手段に記憶されている注意喚起情報を削除する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、出力装置に接続される制御手段とを備えた配達管理システムを用いて配達物の管理を行なう方法であって、前記制御手段が、配達対象の配達物の配達先情報を取得する段階と、取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する段階と、注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する段階と、前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、出力装置に接続される制御手段とを備えた配達管理システムを用いて配達物の管理を行なうプログラムであって、前記制御手段を、配達対象の配達物の配達先情報を取得する手段、取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する手段、注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する手段、及び前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する手段として機能することを要旨とする。
【0011】
(作用)
本発明によれば、制御手段が、配達対象の配達物の配達先情報を取得し、取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、注意喚起情報記憶手段において検索する。制御手段が、注意喚起情報を抽出した場合、配達先情報を注意リストに追加し、配達対象に関する注意リストを出力装置に出力する。このため、配達対象の配送先情報と要注意履歴に対応する注意リストを用いて注意喚起を行なうので、これから実際に配達する配達先に対する注意喚起を効率よく的確に行なうことができる。
【0012】
本発明によれば、制御手段が、注意喚起情報記憶手段において、配達対象と一致する配達パターンを検索する。制御手段が、配達パターンと一致する配達対象を抽出した場合には、注意リストに追加する。このため、注意パターンに基づいて注意を要する箇所について注意喚起を行なうことができる。
【0013】
本発明によれば、出力装置は、携帯端末である。このため、携帯端末に、配達対象に関する注意リストを出力するので、配達中に、注意リストを確認することができる。
本発明によれば、制御手段が、配達物を区分する際に読み取った配達先情報を配達履歴データ記憶手段に登録する。制御手段が、注意を要する配達物が生じた場合には、この配達物に関する注意履歴情報を注意喚起情報記憶手段に記録する。制御手段が、配達履歴データ記憶手段に配達履歴情報が記憶されている配達先情報において、直近の注意喚起情報の発生時から基準期間以上の注意履歴情報が記憶されていない場合には、注意喚起情報記憶手段に記憶されている注意喚起情報を削除する。このため、注意リストに含まれる注意喚起情報を少なくすることにより、担当者の意識を、より重大な注意に集中させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配達対象の配達物の配達箇所に応じた注意喚起を効率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態の配達管理システムの構成を説明する概略図。
【図2】実施形態の各データ記憶部に記録されたデータの構成図であり、(a)は配達原簿データ記憶部、(b)は配達履歴データ記憶部、(c)は注意パターンデータ記憶部、(d)は要注意データ記憶部、(e)は勤務日程データ記憶部。
【図3】実施形態の差立日登録処理、みなし配達完了登録処理、要注意情報登録処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図4】実施形態の注意喚起処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図5】実施形態の注意喚起更新処理の処理手順を説明するための流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態においては、配達作業を行なう担当者に対して注意喚起を行なう配達管理システムについて説明する。この配達管理システムは、発生した要注意箇所や配達区域の注意パターンに基づいて、配達箇所の注意リストを作成する。
【0017】
このような配達管理を行なう配達管理システム20の構成について、図1を用いて説明する。
配達管理システム20は、配達拠点に設置されたコンピュータシステムである。この配達管理システム20は、複数の携帯端末10、区分機30、管理端末40、印刷装置50に接続される。本実施形態では、携帯端末10及び印刷装置50が出力装置として機能する。
【0018】
携帯端末10は、配達を行なう各担当者が携帯するコンピュータ端末である。この携帯端末10は、ネットワークを介して配達管理システム20と無線通信が可能となっている。携帯端末10は、ディスプレイ等から構成された表示部と、タッチパネル等から構成された操作部とを備える。更に、携帯端末10は、内部メモリを備えている。この内部メモリには、後述する配達原簿データが記憶されている。更に、内部メモリには、後述する注意喚起処理においてインポートされた注意リストが記憶される。
【0019】
区分機30は、複数の区分口(格納箱)を備えており、この区分口を用いて郵便物を区分する装置である。区分機30は、配達拠点に到着した郵便物を配達区域別に区分する処理を実行する。ここで、各配達区域は、担当者が1日で配達を行なう範囲であり、複数の区分エリアに分割されている。そして、区分機30は、各配達区域に区分した郵便物を各区分エリア別で、配達順番に並び替える処理を実行する。これら区分処理において、区分機30は、区分する郵便物にステレスバーコードが記録されているか否かを判定する。そして、区分機30は、ステレスバーコードが記録されていない場合には、この郵便物の宛先の住所を読み取り、この住所を示すステレスバーコードを郵便物の表面に印字する。また、ステレスバーコードが記録されている場合には、このステレスバーコードから郵便物の住所を読み取る。
【0020】
管理端末40は、持ち戻った郵便物のバーコードの情報や要注意の郵便物の情報を入力するためのコンピュータ端末である。管理端末40は、ディスプレイ等から構成された表示部や、キーボードやポインティングデバイス等から構成された入力部、配達管理システム20との通信を行なう通信部を備える。更に、この管理端末40は、バーコードリーダ41を備える。このバーコードリーダ41は、郵便物に印字されたステレスバーコードを読み取る。
印刷装置50は、配達管理システム20からの指示に応じて注意リスト等を印刷する。
【0021】
一方、配達管理システム20は、制御部21、配達原簿データ記憶部22、配達履歴データ記憶部23、注意パターンデータ記憶部24、要注意データ記憶部25及び勤務日程データ記憶部26を備えている。注意パターンデータ記憶部24及び要注意データ記憶部25は、注意喚起情報記憶手段として機能する。
【0022】
ここで、制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する各処理(配達履歴登録段階、要注意情報登録段階、注意喚起段階、注意喚起更新段階の各処理)を行なう。そして、制御部21は、配達管理プログラムの実行により、配達履歴登録手段211、要注意情報登録手段212、注意喚起手段213、注意喚起更新手段214として機能する。
【0023】
配達履歴登録手段211は、郵便物の配達履歴を登録する処理を実行する。本実施形態では、郵便物の差立日や配達日を登録する処理を実行する。
要注意情報登録手段212は、配達する際に注意するべき要注意情報を登録する処理を実行する。
【0024】
注意喚起手段213は、配達前に注意喚起を行なうための注意リストを生成して出力する処理を実行する。この注意喚起手段213は、注意リストを生成して記憶するための処理メモリを備える。
【0025】
注意喚起更新手段214は、配達履歴に応じた消去基準期間を用いて注意箇所の更新処理を実行する。この注意喚起更新手段214は、消去基準期間を算出するための消去基準期間算出式を記憶している。この消去基準期間算出式は、要注意発生日からの現在までの発生経過時間と、この注意箇所における配達回数とを変数とする。そして、消去基準期間算出式は、発生経過時間が短い場合や配達回数が多い場合に、より短い消去基準期間を算出する。
【0026】
配達原簿データ記憶部22は、配達原簿データ記憶手段として機能する。配達原簿データ記憶部22には、図2(a)に示すように、区分エリア毎の配達先に関する配達原簿レコード220が記憶される。この配達原簿レコード220は、配達先の住所について、居住者の氏名等の情報(配達原簿情報)が登録された場合に記録される。なお、この配達原簿レコード220と同じデータが、各携帯端末10に記憶されている。配達原簿レコード220には、配達区域識別子、区分エリア識別子、区分エリア順番、この区分エリアの各戸の住所、居住者名に関するデータが含まれる。配達原簿レコード220において、住所及び居住者名は、配達順番に並べられている。
【0027】
配達区域識別子データ領域には、各配達区域を特定するための識別子(配達区域識別子)に関するデータが記録されている。
区分エリア識別子データ領域には、この配達区域内における各区分エリアを特定するための識別子(区分エリア識別子)に関するデータが記録されている。
【0028】
区分エリア順番データ領域には、配達区域内における区分エリアの配達順番を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
配達順番データ領域には、この区分エリア内の各戸の配達順番に関するデータが記録されている。
【0029】
住所データ領域には、この区分エリア内の各配達順番の一戸の住所に関するデータが記録されている。
居住者名データ領域には、この住所の宛先名に関するデータが記録されている。同じ戸に複数人が居住している場合には、すべての居住者の氏名が記録される。
【0030】
配達履歴データ記憶部23は、配達履歴データ記憶手段として機能する。配達履歴データ記憶部23には、図2(b)に示すように、各郵便物の履歴に関する配達履歴レコード230が記憶される。この配達履歴レコード230は、後述する差立日登録処理において記録される。配達履歴レコード230には、差立日、配達区域識別子、宛先、配達日、ステータスに関するデータが含まれる。
【0031】
差立日データ領域には、配達順番に並べるために、各郵便物を区分機30に投入した日(年月日)に関するデータが記録される。
配達区域識別子データ領域には、この郵便物の宛先の配達区域を特定するための識別子に関するデータがそれぞれ記録される。
【0032】
宛先データ領域には、この郵便物の宛先の住所、郵便番号に関するデータが記録される。
配達日データ領域には、後述するみなし配達完了登録処理において、郵便物の配達を完了したと判定(みなし完了)された日(年月日)に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、この郵便物のステータス(持ち戻り又は配達完了)を特定するためのフラグ(持ち戻りフラグ又は配達完了フラグ)が記録される。
【0033】
注意パターンデータ記憶部24には、図2(c)に示すように、注意を要する条件(注意条件)に関する注意パターンレコード240が記憶される。この注意パターンレコード240は、管理端末40を用いてデータが登録された場合に記録される。注意パターンレコード240には、注意条件識別子、注意条件に関するデータが含まれる。
【0034】
注意条件識別子データ領域には、各注意条件を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
注意条件データ領域には、配達において注意が必要となる条件に関するデータが記録される。本実施形態では、注意条件として、要注意と判定するためのプログラムが記録されている。具体的には、異なる区分エリアに複数ある同じ住所である場合や、同じ苗字等、類似した住居者名が配達先として連続している場合等を判断するためのプログラムが記録されている。これらプログラムに従って、制御部21は、配達履歴レコード230や配達原簿レコード220のデータを用いて、一致する注意条件があるか否かを判定する。
【0035】
要注意データ記憶部25には、図2(d)に示すように、配達において注意するべき場所に関する要注意レコード250が記憶される。この要注意レコード250は、後述する要注意情報登録処理を実行した場合に記録される。要注意レコード250には、要注意発生日、配達区域識別子、区分エリア識別子、注意箇所、担当者識別子に関するデータが含まれる。
【0036】
要注意発生日データ領域には、注意を要する状況が発生した日(年月日)に関するデータが記録される。
配達区域識別子データ領域、区分エリア識別子データ領域には、注意を要する注意箇所の配達区域、区分エリアを特定するための識別子に関するデータがそれぞれ記録される。
【0037】
注意箇所データ領域には、注意を要する注意箇所の住所やその住所の宛先に関するデータが記録される。
担当者識別子データ領域には、各担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0038】
勤務日程データ記憶部26には、図2(e)に示すように、担当者の勤務日程に関する勤務日程レコード260が記憶される。この勤務日程レコード260は、勤務予定が決定されて登録された場合に記録され、変更があった場合に更新される。勤務日程レコード260には、勤務日、配達区域識別子、担当者識別子に関するデータが含まれる。
【0039】
勤務日データ領域には、勤務する各年月日に関するデータが記録される。
配達区域識別子データ領域には、勤務する各配達区域を特定するための識別子に関するデータが記録される。
担当者識別子データ領域には、各担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0040】
次に、以上のように構成されたシステムにおける処理を、図3〜図5に従って説明する。ここでは、差立日登録処理(図3)、みなし配達完了登録処理(図3)、要注意情報登録処理(図3)、注意喚起処理(図4)、注意喚起更新処理(図5)の順番で説明する。ここで、配達する郵便物は、区分機において区分されて配達順番に並べられる。また、配達に出発する前に注意喚起処理が実行され、配達から帰着した後にみなし配達完了登録処理が実行される。更に、配達された郵便物が配達拠点に戻された場合に、要注意情報登録処理が実行される。
【0041】
(差立日登録処理)
まず、差立日登録処理について、図3を用いて説明する。この差立日登録処理は、区分機30が、これから配達する郵便物を配達順番に並べる際に実行される。
【0042】
まず、配達管理システム20の制御部21は、配達順番に並べる際に郵便物の宛先の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、区分機30は、配達順番に並べる郵便物の表面に印字されたステレスバーコードを読み取り、このステレスバーコードに含まれる郵便物の宛先(宛先住所)に関するデータを配達管理システム20に送信する。この場合、区分機30は、配達順番に並べた郵便物の配達区域を特定する配達区域識別子を配達管理システム20に送信する。配達管理システム20の制御部21は、受信した宛先住所及び配達区域識別子を取得する。
【0043】
次に、配達管理システム20の制御部21は、読み取った郵便物の記録処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の配達履歴登録手段211は、現在日を差立日とする配達履歴レコード230を生成して、配達履歴データ記憶部23に記録する。更に、配達履歴登録手段211は、この配達履歴レコード230に、取得した宛先住所及び配達区域識別子を記録する。
【0044】
(みなし配達完了登録処理)
次に、配達管理システム20におけるみなし配達完了登録処理について、図3を用いて説明する。このみなし配達完了登録処理は、各配達区域におけるその日の配達が終了した場合に行われる。
【0045】
まず、配達管理システム20の制御部21は、配達が終了した配達区域の配達区域識別子の取得処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、担当者は、管理端末40に対して、配達が終了した配達区域の配達区域識別子を入力し、配達完了ボタンを入力する。この場合、配達管理システム20の制御部21は、配達区域識別子を取得し、持ち戻り処理画面をディスプレイに表示する。この画面には、持ち戻り入力ボタン及び持ち戻り終了ボタンが含まれる。
【0046】
次に、配達管理システム20の制御部21は、持ち戻った郵便物のステータスの登録処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、担当者は、持ち戻った郵便物がある場合には、持ち戻り入力ボタンを選択し、この郵便物の表面に印字されたステレスバーコードを、バーコードリーダ41を用いて読み取らせる。この場合、管理端末40は、取得したバーコードに含まれている宛先住所を取得し、配達管理システム20に送信する。
【0047】
持ち戻った郵便物の宛先情報を受信した配達管理システム20の制御部21は、この宛先住所に一致し、配達日が記録されていない配達履歴レコード230を配達履歴データ記憶部23から抽出する。制御部21の配達履歴登録手段211は、この配達履歴レコード230に配達日として現在日を記録し、持ち戻りステータスを記録する。
【0048】
次に、配達管理システム20の制御部21は、その他の郵便物に対して「みなし完了」の登録処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、担当者は、持ち戻ったすべての郵便物のステレスバーコードを読み取った後、又は持ち戻り郵便物がない場合には、持ち戻り処理画面の持ち戻り終了ボタンを選択する。この場合、制御部21の配達履歴登録手段211は、取得した配達区域識別子が記録され、かつ配達日が記録されていない配達履歴レコード230を配達履歴データ記憶部23から抽出する。配達履歴登録手段211は、抽出した配達履歴レコード230に、現在日を配達日として記録し、完了ステータスを記録する。
【0049】
(要注意情報登録処理)
次に、配達管理システム20における要注意情報登録処理について、図3を用いて説明する。この要注意情報登録処理は、要注意事項が発生した郵便物を取得した場合に行われる。
【0050】
まず、配達管理システム20の制御部21は、要注意郵便物の特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、管理者は、配達拠点に戻された郵便物の宛先住所、宛先名及び発生要因を、管理端末40の入力部を介して入力する。管理端末40は、入力された宛先住所、宛先氏名及び発生要因を、配達管理システム20に送信する。
【0051】
要注意郵便物の宛先を受信した配達管理システム20の制御部21は、この宛先に一致する宛先住所の配達履歴レコード230を抽出する。制御部21の配達履歴登録手段211は、取得した宛先住所に対応する配達区域識別子及び区分エリア識別子を、配達原簿レコード220から取得する。
【0052】
次に、配達管理システム20の制御部21は、担当者の特定処理を実行する(ステップS3−2)。ここでは、要注意発生日と配達区域識別子とから担当者を特定する。具体的には、制御部21の配達履歴登録手段211は、抽出した配達履歴レコード230に記録された配達日を特定する。配達履歴登録手段211は、特定した配達日と、取得した配達区域識別子とを含む勤務日程レコード260を勤務日程データ記憶部26から抽出し、この勤務日程レコード260の担当者識別子を取得する。
【0053】
次に、配達管理システム20の制御部21は、要注意情報の記録処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の配達履歴登録手段211は、取得した要注意発生日を含む要注意レコード250を生成して、要注意データ記憶部25に記録する。この場合、配達履歴登録手段211は、この要注意レコード250に、取得した配達区域識別子、区分エリア識別子、注意箇所、発生要因及び担当者識別子を記録する。
【0054】
(注意喚起処理)
次に、配達管理システム20の注意喚起処理について、図4を用いて説明する。この注意喚起処理は、配達を行なう前に実行される。
【0055】
まず、配達管理システム20の制御部21は、配達先情報の取得処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、未処理の配達区域識別子の1つを処理対象の配達区域識別子として特定する。そして、注意喚起手段213は、特定した配達区域識別子が記録され、かつ配達日がまだ記録されていない配達履歴レコード230を取得する。
【0056】
次に、配達管理システム20の制御部21は、要注意履歴があるか否かを判定する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、この配達区域識別子が記録された要注意レコード250を要注意データ記憶部25において検索する。
【0057】
ここで、この配達区域識別子の要注意レコード250を抽出することにより、要注意履歴がある場合(ステップS4−2において「YES」の場合)、配達管理システム20の制御部21は、注意リストの生成処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、抽出した各要注意レコード250の区分エリア識別子及び注意箇所に対応する区分エリア順番及び配達順番を配達原簿データ記憶部22から取得し、要注意レコード250を、配達区域における配達順番に並べる。注意喚起手段213は、これら各要注意レコード250の注意箇所を配達順番に並べた注意リストを生成する。この場合、注意喚起手段213は、注意箇所に対応する発生要因も、注意箇所に対応させた状態で注意リストに含める。注意喚起手段213は、生成した注意リストを、処理対象の配達区域識別子に関連付けて処理メモリに記録する。
【0058】
一方、要注意レコード250を抽出しないことにより、要注意履歴がない場合(ステップS4−2において「NO」の場合)、配達管理システム20の制御部21は、注意パターンとのマッチング処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、配達区域識別子が記録された配達当日(ここでは現在日)の配達履歴レコード230を取得する。更に、注意喚起手段213は、注意パターンデータ記憶部24から各注意条件を順次、取得する。注意喚起手段213は、取得した注意条件のプログラムに従って、この配達区域の配達原簿レコード220及び取得した配達履歴レコード230のデータを取得し、注意条件に一致しているか否かを判定する。
【0059】
ここで、注意条件に一致する注意パターンを抽出したことにより要注意箇所がある場合(ステップS4−5において「YES」の場合)には、配達管理システム20の制御部21は、注意リストの生成処理を実行する(ステップS4−3)。ここでは、制御部21は、注意条件に一致した配達履歴レコード230を、この配達区域識別子及び宛先に一致する配達原簿レコード220を用いて配達順番に並べる。注意喚起手段213は、これら配達履歴レコード230の注意箇所を配達順番に並べた注意リストを生成し、処理対象の配達区域識別子に関連付けて、処理メモリに記録する。
【0060】
一方、注意条件に一致する注意パターンがなく要注意箇所がない場合(ステップS4−5において「NO」の場合)には、配達管理システム20の制御部21は、この配達区域識別子に対して処理済を示すフラグを関連付けて、処理メモリに記憶する。
【0061】
そして、配達管理システム20の制御部21は、終了するか否かを判定する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、処理メモリに記憶された処理済フラグ又は注意リストに関連付けられた配達区域識別子と、配達原簿データ記憶部22の配達区域識別子とを比較する。処理していない配達区域識別子がまだ残っており、終了でないと判定した場合(ステップS4−6において「NO」の場合)、配達管理システム20の制御部21は、上述したステップS4−1以降の処理を繰り返して実行する。
【0062】
一方、処理メモリに記憶された配達区域識別子と配達原簿データ記憶部22に記録された配達区域識別子とが一致した場合、未処理の配達区域が残っていないため、終了と判定する。この場合(ステップS4−6において「YES」の場合)、配達管理システム20の制御部21は、注意リストに基づいてアラームレターの発出処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21の注意喚起手段213は、配達区域識別子に関連付けられた注意リストを含む印刷データを生成し、印刷装置50を用いて印刷する。更に、注意喚起手段213は、印刷した注意リストのすべての配達区域識別子を表示した注意リスト出力一覧を、印刷装置50を用いて印刷する。
そして、注意リストの配達区域識別子の配達区域の担当者は、注意リストを閲覧することにより、これから配達する区域において注意するべき配達箇所を確認する。
【0063】
そして、携帯端末10は、インポート処理を実行する(ステップS4−8)。具体的には、担当者は、携帯端末10を持ち出す場合には、担当者識別子及び配達区域識別子を携帯端末10に入力する。携帯端末10は、注意リスト送信要求を配達管理システム20に送信する。携帯端末10は、この注意リスト送信要求に、取得した担当者識別子及び配達区域識別子を含める。
【0064】
配達管理システム20の制御部21は、携帯端末への注意リストの送信処理を実行する。具体的には、携帯端末10から注意リスト送信要求を受信した配達管理システム20の制御部21は、取得した担当者識別子を用いて公知の認証処理を行なう。ここで、認証が完了した場合には、受信した配達区域識別子と現在日とが記録された勤務日程レコード260を抽出する。抽出した勤務日程レコード260の担当者識別子と、認証した担当者識別子が同じ場合には、制御部21は、この配達区域識別子に対応する注意リストを携帯端末10に送信する。一方、抽出した勤務日程レコード260の担当者識別子と、認証した担当者識別子が異なる場合には、この勤務日程レコード260に、取得した担当者識別子を記録して、配達区域識別子に対応する注意リストを携帯端末10に送信する。携帯端末10は、取得した注意リストを内部メモリに記憶する。
【0065】
そして、携帯端末10は、原簿チェック処理を実行する(ステップS4−9)。この処理は、原簿を確認したい担当者によって行われる。具体的には、担当者の操作に応じて、携帯端末10のディスプレイに原簿確認画面を表示する。この原簿確認画面には、表示したい配達区域識別子を入力する配達区域識別子、住所、居住者名のそれぞれを入力する入力欄と、検索ボタンとが含まれている。担当者は、検索したい原簿の配達区域識別子、住所、居住者名の少なくとも1つを入力し、検索ボタンを選択する。この場合、携帯端末10は、入力された配達区域識別子、住所、居住者名に一致する配達原簿レコードを内部メモリから抽出し、ディスプレイに表示する。
【0066】
なお、担当者は、配達中において注意リストを閲覧した場合には、携帯端末10に、操作部を介して、注意リスト表示指示を入力する。この場合、携帯端末10は、内部メモリに記憶した注意リストをディスプレイに表示する。
【0067】
(注意喚起更新処理)
次に、配達管理システム20の注意喚起更新処理について、図5を用いて説明する。本実施形態の注意喚起更新処理は、定期的に(例えば毎日)実行される。この注意喚起更新処理は、すべての配達区域識別子について、配達区域識別子毎に実行される。
【0068】
まず、配達管理システム20の制御部21は、注意箇所情報の取得処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の注意喚起更新手段214は、処理対象の配達区域識別子が記録された要注意レコード250を要注意データ記憶部25において検索する。ここで、処理対象の配達区域識別子に対応する要注意レコード250がない場合には、注意喚起更新手段214は、注意喚起更新処理を終了する。
【0069】
一方、要注意レコード250を抽出した場合には、抽出した各要注意レコード250について、以下の処理を繰り返して実行する。
まず、配達管理システム20の制御部21は、注意箇所における配達履歴の取得処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の注意喚起更新手段214は、処理対象の要注意レコード250の配達区域識別子と注意箇所に一致する配達履歴レコード230を配達履歴データ記憶部23から抽出する。注意喚起更新手段214は、抽出したレコードのうち、この要注意レコード250の要注意発生日よりも新しい配達日の配達履歴レコード230を抽出する。ここで、配達日が記録されていないレコードの場合には、注意喚起更新手段214は、処理対象の要注意レコード250の要注意発生日よりも新しい差立日の配達履歴レコード230を抽出する。
【0070】
次に、配達管理システム20の制御部21は、消去基準期間の算出処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の注意喚起更新手段214は、抽出した配達履歴レコード230において、処理対象の要注意レコード250の注意箇所に一致する宛先のレコードの数をカウントすることにより配達回数を算出する。注意喚起更新手段214は、現在日から要注意発生日を減算することにより発生経過時間を算出する。注意喚起更新手段214は、配達回数及び発生経過時間を消去基準期間算出式に代入して、消去基準期間を算出する。
【0071】
次に、配達管理システム20の制御部21は、消去基準期間の要注意情報がないか否かを判定する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の注意喚起更新手段214は、処理対象の要注意レコード250の注意箇所に一致する配達履歴レコード230のうち、配達日が最も新しいレコードを抽出する。注意喚起更新手段214は、この配達履歴レコード230の配達日(配達日が記録されていない場合には差立日)に、算出した消去基準期間を加算し、消去期限を算出する。注意喚起更新手段214は、消去期限が現在日を超えているか否かを判定する。
【0072】
ここで、消去期限が現在日を越えていることにより、消去基準期間の要注意情報がない場合(ステップS5−4において「YES」の場合)には、配達管理システム20の制御部21は、注意対象からの削除処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の注意喚起更新手段214は、この要注意レコード250を要注意データ記憶部25から削除する。
【0073】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、配達管理システム20の制御部21は、取得した配達先情報に対応する要注意履歴がある場合(ステップS4−2において「YES」の場合)には、この配達先情報を追加した注意リストを生成する(ステップS4−3)。そして、制御部21は、注意リストに基づいてアラームレターの発出処理を行なう(ステップS4−7)。このため、配達対象の郵便物の宛先と要注意履歴とから生成される注意リストを用いて、実際に配達する配達物の宛先に対応した注意喚起を行なうことができる。従って、これらから配達する郵便物の宛先に対する注意喚起を効率よく的確に行なうことができる。
【0074】
(2) 本実施形態では、配達管理システム20の制御部21は、注意パターンとのマッチング処理を実行し(ステップS4−3)、注意条件に一致する注意パターンを抽出したことにより要注意箇所がある場合(ステップS4−5において「YES」の場合)には、制御部21は、注意リストの生成処理を実行する。このため、要注意履歴がない場合であっても、注意パターンに基づいて注意を要する箇所について注意喚起を行なうことができる。
【0075】
(3) 本実施形態では、配達管理システム20の制御部21は、携帯端末10に注意リストをインポートして内部メモリに記憶する(ステップS4−8)。担当者は、携帯端末10に記憶した注意リストを読み出して表示させることができる。このため、担当者は、配達中に携帯端末10において注意リストを確認することができる。
【0076】
(4) 本実施形態では、配達管理システム20の制御部21は、注意喚起更新処理において、要注意発生日からの配達回数及び発生経過時間に基づいて算出した消去基準期間において要注意情報がないか否かを判定する(ステップS5−5)。このため、注意リストに含まれる注意喚起情報を少なくすることにより、担当者の意識を、より重大な注意に集中させることができる。
【0077】
(5) 本実施形態では、配達管理システム20の制御部21は、みなし配達完了登録処理において、持ち戻った郵便物のステータスの登録処理、その他の郵便物に対して「みなし完了」の登録処理を実行する(ステップS2−1、S2−2)。このため、区分機30において取り扱われた郵便物が、差立日とは異なる配達日に配達された場合であっても、配達日をより正確に把握することができる。従って、制御部21は、要注意情報登録処理において、配達日から、要注意情報の郵便物の配達を行なった担当者をより正確に特定することができる。
【0078】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態のみなし配達完了登録処理において、配達管理システム20の制御部21は、取得した配達区域識別子が記録され、かつ配達日が記録されていない配達履歴レコード230に、現在日を配達日として記録した。これに代えて、配達日として、現在日の代わりに、各配達区域において差立日から実際に配達するまでの平均的な日数(配達完了所要日数)を記録してもよい。具体的には、配達管理システム20の制御部21は、配達完了所要日数を、配達区域識別子に関連付けた配達予定日算出テーブルを備える。配達管理システム20の制御部21は、差立日に対して配達完了所要日数よりも予め定めた日数が経過した場合に、配達日が記録されていない配達履歴レコード230に、差立日に配達完了所要日数を加算した日を配達日として記録してもよい。また、持ち戻った郵便物と同じ配達区域識別子及び同じ差立日の配達履歴レコード230を抽出し、この郵便物を持ち戻った日を配達日として記録してもよい。これにより、配達したことの記録を残さない郵便物に対しても配達日を記録することができる。従って、この配達日に基づいて、記録を残さない郵便物について配達を行なった担当者を、より正確に特定することができる。
【0079】
・ 上記実施形態の注意喚起処理において、配達管理システム20の制御部21は、要注意履歴がない場合(ステップS4−2において「NO」の場合)に、注意パターンとのマッチング処理を行なった。ここで、要注意履歴がある場合においても、注意パターンとのマッチング処理を行なって、要注意履歴に応じて作成した注意リストに、マッチング処理によって一致した注意リストを追加してもよい。この場合、制御部21は、ステップS4−3と同様に、要注意履歴に応じて注意リストの作成処理を実行する。ここで、注意リストを作成するために抽出した注意箇所の数が、予め定めた注意基準数よりも少ない場合には、ステップS4−4と同様に注意パターンとのマッチング処理を実行する。要注意箇所がある場合(ステップS4−5において「YES」の場合)には、制御部21は、注意条件に一致した配達履歴レコード230を、要注意履歴から作成した注意リストに追加する。これにより、要注意履歴に基づいて注意リストに含まれる注意箇所が少ない場合には、注意パターンに基づいて特定される注意箇所についての注意も含んだ注意リストを出力することができる。
【0080】
・ 上記実施形態の注意喚起処理において、配達管理システム20の制御部21は、配達区域識別子に応じて注意リストを作成する注意喚起処理を実行した。これに加えて、制御部21は、担当者識別子に応じて注意リストを作成してもよい。例えば、制御部21は、差立日に応じて配達予定日を算出し、この配達予定日と、処理対象の配達区域識別子とが記録された勤務日程レコード260を勤務日程データ記憶部26から抽出することにより、予定されている担当者の担当者識別子を特定する。制御部21は、配達区域識別子が記録された要注意レコード250と、この担当者識別子が記録された要注意レコード250とを、要注意データ記憶部25において検索することにより、要注意履歴があるか否かの判定処理を実行する。これにより、配達区域及び担当者に対して適切な注意喚起を行なうことができる。
【0081】
・ 上記実施形態においては、配達管理システム20の制御部21は、配達物の宛先に関する注意条件を用いて、要注意パターンとのマッチング処理を実行した(ステップS4−4)。この処理に用いる注意条件は、配達物の宛先に関するデータだけに限られない。例えば、特定の差出元から特定の宛先への配達物について注意が必要な場合には、配達物の差出と宛先のデータを用いた注意条件を注意パターンデータ記憶部24に記憶して、要注意パターンとのマッチング処理を実行してもよい。この場合には、区分機30から、配達物の宛先と差出(例えば、差出住所)を取得し、これらを含めた配達履歴レコード230として記録する。更に、配達物の種類に関するデータを用いた注意条件を用いてマッチング処理を実行してもよい。これにより、配達物に関する色々な注意条件に対応して配達を行なう担当者に注意喚起を行なうことができる。
【符号の説明】
【0082】
10…携帯端末、20…配達管理システム、21…制御部、22…配達原簿データ記憶部、23…配達履歴データ記憶部、24…注意パターンデータ記憶部、25…要注意データ記憶部、26…勤務日程データ記憶部、30…区分機、40…管理端末、41…バーコードリーダ、50…印刷装置、211…配達履歴登録手段、212…要注意情報登録手段、213…注意喚起手段、214…注意喚起更新手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、
出力装置に接続される制御手段とを備えて配達物の管理を行なう配達管理システムであって、
前記制御手段が、
配達対象の配達物の配達先情報を取得する手段と、
取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する手段と、
注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する手段と、
前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する手段と
を備えたことを特徴とする配達管理システム。
【請求項2】
前記注意喚起情報記憶手段には、注意を要する配達パターンが更に記録されており、
前記制御手段が、
前記注意喚起情報記憶手段において、配達対象と一致する配達パターンを検索する手段と、
前記配達パターンと一致する配達対象を抽出した場合には、前記注意リストに追加する手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の配達管理システム。
【請求項3】
前記出力装置は、携帯端末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配達管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、配達物の配達先情報に関連付けて配達履歴情報を記録する配達履歴データ記憶手段に接続されており、
前記制御手段が、
配達物を区分する際に読み取った配達先情報を前記配達履歴データ記憶手段に登録する手段と、
注意を要する配達物が生じた場合には、この配達物に関する注意履歴情報を前記注意喚起情報記憶手段に記録する手段と、
前記配達履歴データ記憶手段に配達履歴情報が記憶されている配達先情報において、直近の注意喚起情報の発生時から基準期間以上の注意履歴情報が記憶されていない場合には、前記注意喚起情報記憶手段に記憶されている注意喚起情報を削除する手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配達管理システム。
【請求項5】
配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、
出力装置に接続される制御手段とを備えた配達管理システムを用いて配達物の管理を行なう方法であって、
前記制御手段が、
配達対象の配達物の配達先情報を取得する段階と、
取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する段階と、
注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する段階と、
前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する段階と
を実行することを特徴とする配達管理方法。
【請求項6】
配達先情報に関連付けて注意喚起情報を記憶した注意喚起情報記憶手段と、
出力装置に接続される制御手段とを備えた配達管理システムを用いて配達物の管理を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
配達対象の配達物の配達先情報を取得する手段、
取得した配達先情報に対応する注意喚起情報を、前記注意喚起情報記憶手段において検索する手段、
注意喚起情報を抽出した場合、前記配達先情報を注意リストに追加する手段、及び
前記配達対象に関する注意リストを前記出力装置に出力する手段
として機能することを特徴とする配達管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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