説明

酒粕入り麺の製造方法

【目的】 本発明は、酒を醸造する際に排出される酒粕を麺の生地となる小麦粉と交ぜあわせて酒粕の成分をそのまま麺に取り込んで簡単で栄養バランスの優れた生麺および油揚げ麺を提供する。
【解決手段】 麺製造に適した小麦粉に定量の酒粕を粉砕して混入し、それに適量の水を加えて均一に練り上げ、できた麺生地をそのまま所定の行程を経て生麺および油揚げ麺にすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、生麺および油揚げ麺に酒粕を混入した酒粕入り麺の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
酒粕は、風味もよく多くのミネラル類を含み、非當に栄養価の高い食品であり、用途も甘酒、粕汁、野菜や魚、肉類などのかす漬、パンなどの風味増強剤、みりん風調味料の原材料など多岐に渡って利用されている。
また、酒粕をラーメン料理に利用する特開2002−247961等の提案もなされている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは次のような欠点があった。
(1)酒粕は、多量に発生する酒の言わば廃棄物であるにも関わらず少量多種の比較的小口の利用が一般的で、栄養的にも優れた特性を持つ酒粕の利用が限定的になっていた。
(2)麺料理に酒粕を利用する場合は、調味料の一部として別途用意する必要があり、少人数で食する場合は日持ち等の関係で無駄になり易かった。
【課題を解決する手段】
【0004】
水分を含んだままの酒粕を細かく刻み、又は粉砕し、それを麺の生地となる小麦粉に混ぜ、更に定量の水を加えて混入した酒粕が生地に均等に馴染むまで練り込み、その麺生地を常法に依って生麺、油揚げ麺に仕上げる。
以上からなる酒粕入り麺の製造方法である
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
第1工程:水分とアルコールを含んだ新鮮な板状の酒粕をそのままほぐして細分化し、又は崩れて粉状のものを使用する。酒粕の細分化にはミキサーなどを使用しても良い。
第2工程:細分化した上記の酒粕を麺の生地となる小麦粉に加えて均等に手やミキサー、篦等を使用し混ぜ合わせる。
小麦粉と酒粕の混合比率は下記の通りである。
麺に適した小麦粉100gに対し
水分を含む酒粕 5g〜30g
第3工程:第2工程を経たものに適量の水を加えて練り上げ麺の生地を作る。
第4工程:第3工程を経た麺の生地を生麺および油揚げ麺の材料とそれぞれの常法によって目的の最終製品を得る。
尚、第2工程および第3工程で酒粕の成分とは異なる他の栄養素を混入しても良い。その場合は、無味無臭で目的の栄養素を含むものが望ましい。
本発明は酒粕の栄養素を直接麺に取り入れる事が主目的であり、麺料理の味付け用の調味料は従来通り別途用意する。
【発明の効果】
【0006】
(1)成分表1に示す通り酒粕は、栄養価が高く調味料的要素の有る酒粕を麺自体に直接取り込む事で栄養面、美味しさで他の麺との差別化が図られ需要や更なる販路の拡大が見込める。
(2)酒粕が麺と一体となるので別途に用意する必要がなく、簡単に養分および旨味を摂取できる。
(3)麺に酒粕を定量混入させる事に依り少人数でも必要な量を簡単に無駄なく摂取できる。
(4)大量に消費されている麺類が酒粕との融合によって酒粕の有効利用に繋がり大きな相乗効果が生まれる。
(5)酒粕は季節的変動は有るもののほぼ無尽蔵と言ってよく安価に入手可能であり、製品価格への影響は軽微である。
(6)麺料理の場合、酒粕入り麺と調味料や具材などに依る相乗効果で健康的であり、而も旨味も更に深まる。
尚、酒粕の成分表1は、一例であり基になる酒米や糀等に依っても若干変わってくる。
成分表


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分およびアルコールを含んだままの酒粕を粉砕して麺の生地となる小麦粉と混ぜ、更に水を定量加えて練り合わせて麺生地を作りそれを定常の工程を経て成る酒粕入り生麺および油揚げ麺。

【公開番号】特開2006−129848(P2006−129848A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349091(P2004−349091)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(597037212)
【Fターム(参考)】