説明

酵素水生成装置と酵素水生成システム

【課題】短時間で多量の酵素水を生成することができるにもかかわらず、瞬間消費される電力容量ができるだけ少ない酵素水生成装置を提供する。
【解決手段】生成タンクTに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置。生成タンクが複数台備えられ、各生成タンクT1とT2に設けられた電気ヒータ16の同時駆動を禁止しながら、複数の生成タンクで酵素水生成処理を行って酵素水を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成タンクに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置、及びそのような酵素水生成装置を複数台備えた酵素水生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上述した酵素水生成装置として、生成タンク(活性化タンク)にバルブを介して水を供給する給水系と、この生成タンクに製剤貯留タンクからポンプを介して酵素製剤を供給する供給系と、生成タンクからポンプを介して酵素水を送り出す排出系を備え、生成タンクには所定量の酵素水を生成するため液面レベルセンサとヒータと温度センサとを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、生成タンクに所定量の水を貯留し、この生成タンクに酵素製剤を供給した後に、ヒータを駆動して生成タンク内の液体(水と酵素製剤の混合液)を加熱して、この液体の温度を微生物酵素を活性化させるのに適した温度に維持し、次に、排出系のポンプを駆動してストックタンクとしての外部タンクに生成タンクの液体を排出する処理を行う。この装置は、随時生成タンクで酵素水を生成してストックタンクに貯留したり、その都度生成タンクの下方に排出したりする。
【0003】
また、生成タンク(産出槽)に給水管から水を供給し、この水に酵素製剤(微生物製剤)を加え、ヒータでの加熱によって温度管理することにより、生成タンク内にリパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素を含む酵素水を生成し、生成された酵素水を貯留槽に貯留するとともに、自動食器洗浄機からの廃水が流れる配管やこの廃水を一時的に溜めるグリストラップに対して貯留槽に貯留した酵素水を送るポンプ配管を形成した浄化システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。このシステムは、予め貯留槽に酵素水を貯留しておき、自動食器洗浄機の運転終了から所定時間経過した後に、ポンプを駆動することにより貯留槽に貯留した酵素水を、配管とグリストラップとに供給する。
【0004】
さらに、厨房廃水を一時滞留させるグリストラップなどの厨房現場に酵素水を供給して分解処理するために、酵素製剤保管容器としての液体微生物製剤槽から点滴弁を介して酵素製剤としての微生物酵素が供給される生成タンクとしての増殖タンクと、増殖タンクへの供給水量を調節する水量調節弁と、増殖タンクとグリストラップをつなぐ開閉弁付き送出管と、増殖タンク内の底部に配置した加温器と、増殖タンク内の液面、温度等を検出するセンサ群とを有し、更に点滴弁、水量調節弁、開閉弁及びグリストラップに付設したバッキングポンプのサーボ系を駆動制御する制御部と、増殖タンクの攪拌時間、温度を設定すると共に前記サーボ系のそれぞれに駆動・停止を指示するタイマーとを含む制御装置とから構成される分解処理装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。この装置では、タイマーにて設定された開始時間になれば、水量調整弁と点滴弁が制御され増殖タンクに対して給水と酵素注入を行うとともに、タンク内部のヒータに通電し、使用する微生物の培養を行う。
【0005】
【特許文献1】特開2004‐242673号公報(段落番号0021−0034:図5、図9)
【特許文献2】特開2003‐266062号公報(段落番号0011−0016:図1、図2)
【特許文献3】特開2000−325938号公報(段落番号0010−0016:図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
清掃のために多量の酵素水を使用する厨房現場では、大型の酵素水生成装置が必要となるが、マンションやビルの一角に造られた一般的な料理店や食堂などでは電力容量が十分でない場合が多く、大きな電気オーブンなどを使っている場合では、酵素水生成装置に回せる電力容量はそれほど大きくはない。従って、大きな生成タンクを装備し、生成タンクに収容された多量の水を40℃程度に上昇させるとともにその温度を維持するためには、特に温度の低い冬場では、大容量の電気ヒータを付け放しにすることになり、ブレーカー遮断を引き起こす。しかしながら、ブレーカー遮断を避けるため大きな生成タンクに対して低容量の電気ヒータを用いると、生成時間がかかりすぎるという問題が生じる。
【0007】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、短時間で多量の酵素水を生成することができるにもかかわらず、瞬間消費される電力容量ができるだけ少ない酵素水生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
生成タンクに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置において、上記課題を解決するために、本発明では、前記生成タンクが複数台備えられ、前記各生成タンクに設けられた電気ヒータの同時駆動を禁止しながら、前記複数の生成タンクで前記酵素水生成処理を行って酵素水を生成する。
【0009】
この構成では、生成タンクを複数台備えることで、生成量を増強しながらも、それぞれの生成タンクに設けられた電気ヒータを同時に駆動(給電)することを禁止しているので、瞬間消費される最大の電力容量は電気ヒータ1台分の消費電力で済み、ブレーカー遮断といった問題を避けることができる。一方で給水工程や排出工程は、電気ヒータを使用しないことから、各生成タンクで同時に行うことができ、酵素水生成時間の短縮に貢献できる。
【0010】
複数の生成タンクにおける電気ヒータの同時駆動を避けるための簡単な具体例の1つとして、前記複数の生成タンクにおけるそれぞれの保温工程が時間的にずらされて行われるような制御が挙げられる。つまり、それぞれの生成タンクにおける酵素水生成処理において先に開始した方の保温工程が完了するまで他の生成タンクの保温工程を待たせ、複数の生成タンク間で保温工程を順次行うことで複数の生成タンクにおける電気ヒータの同時駆動を避けるのである。各生成タンクの保温工程を順次行うので、このような制御モードをここでは順次保温モードと呼ぶ。
【0011】
複数の生成タンクにおける電気ヒータの同時駆動を避けるための簡単な具体例の他の1つとして、前記電気ヒータに対して所定時間長さをもった給電許可状態と給電不可状態のいずれかが割り当てられ、その際一方の電気ヒータが給電許可状態の場合他方の電気ヒータは給電不可状態となり、前記一方の電気ヒータが給電不可状態の場合前記他方の電気ヒータは給電許可状態とする制御が挙げられる。つまり、複数の生成タンクにおける保温工程が時間的に重なった場合、それぞれの生成タンクにおける保温工程に対して短時間(数分程度)の給電を許可する期間を交互に割り当てることで、それぞれの保温工程における電気ヒータの駆動(給電)をその給電を許可する期間(この期間が割り当てられている状態を給電許可状態と称す)だけ、可能にして、複数の生成タンクにおける電気ヒータの同時駆動を避けるのである。各生成タンクの保温工程を、短い時間枠分けて(タイムシエアリング)交互に行うので、このような制御モードをここでは時分割保温モードと呼ぶ。
【0012】
時分割保温モードにおいて時間的に重なり合った各生成タンクの保温工程に交互に割り当てられる給電許可状態の時間(期間)が長いほど、連続的に電気ヒータに給電する時間を長くすることができ、迅速に液温を上昇させることができる。このため、本発明の好適な実施形態の1つとして、生成量が大きい生成タンクに属する電気ヒータに割り当てられる給電許可状態の時間長さは生成量が小さい生成タンクに属する電気ヒータより長く設定されるようにすると好都合である。
【0013】
上述した順次保温モードと時分割保温モードは、任意に選択可能なようにしてもよいし、どちらか一方だけを実装するようにしてもよい。
【0014】
生成タンクに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置を複数台備えた酵素水生成システムにおいて、上記課題を解決するため、本発明では、前記各酵素水生成装置に設けられた制御ユニットは互いに交信し、それぞれの酵素水生成装置に設けられた電気ヒータの同時駆動を禁止しながら、それぞれの酵素水生成装置の生成タンクで前記酵素水生成処理を行って酵素水を生成する。
【0015】
この酵素水生成システムでは、同様な構成の酵素水生成装置を複数台使用しながらも、それぞれの制御ユニットは互いに交信し、互いの電気ヒータの同時駆動を禁止するように協調制御することで、瞬間消費される最大の電力容量は電気ヒータ1台分の消費電力で済み、ブレーカー遮断といった問題を避けている。
【0016】
この酵素水生成システムでも、先に述べた発明形態である酵素水生成装置において提案されていた順次保温モードと時分割保温モードを適用することができる。
【0017】
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態・システム構成〕
図1、図2に、水道水に酵素製剤を加えて温度管理を行うことによって酵素水を生成する酵素水生成装置と、この酵素水生成装置から排出された酵素水を貯留するストックタンクBが示されている。ストックタンクBは、上方に開放する単純な容器構造を有した樹脂成形物である。
【0019】
この酵素水生成装置は、ファーストフード店やレストランの厨房のように、床面Fが油脂によって汚れやすい飲食店等に設置されるものであり、この飲食店等の営業が終了した時間帯に酵素水生成装置によってストックタンクBに貯留された酵素水を人為的に床面Fに散布することにより、酵素水に含まれる酵素の作用によって床面Fの油脂成分を分解して洗い流す形態で使用される。このように洗浄を行うことにより床面Fのヌメリが除去され、清浄な表面となる。
【0020】
図1に示すように、床面Fには排水溝1からの水が導かれる位置にグリストラップ2が形成される。このような厨房では調理や食器の洗浄に使用された排水が排水溝1からグリストラップ2に流れ込み、この排水に含まれる油脂成分はグリストラップ2に蓄えられる。また、床面Fに散布した酵素水は、排水溝1からグリストラップ2に流れ込み、このグリストラップ2に滞留することにより、油脂成分を分解し、このグリストラップ2の内部を洗浄するように作用する。
【0021】
前記酵素水生成装置は、厨房内のテーブル3に設置され、壁面4には水道水の水量を制御するようにハンドル5Aで開閉可能なバルブ5を備え、このバルブ5と酵素水生成装置との間には、バルブ5からの水道水を酵素水生成装置に送る水道配管6が形成されている。また、この酵素水生成装置で生成された酵素水はゴム等のフレキシブルな排出ホース7を介して前記ストックタンクBに送り出される。
【0022】
〔酵素水生成装置〕
酵素水生成装置は、金属製のケース10の内部に複数の(ここでは2台の)生成タンクTを備えている。この2台の生成タンクTは実質的には同じ構造で同じ機能を持つものであるので、共通的に説明するが、区分けして説明する必要があるときには、一方を第1生成タンクT1、他方を第2生成タンクT2と名付けることにする。この生成タンクT以外に、酵素水生成装置は、各生成タンクTに水道水を給水する給水機構Jと、半透明の樹脂で成る酵素製剤保管容器としてのボトル8に貯留した液状の酵素製剤を各生成タンクTに加える(適量滴下する形態での供給になる)酵素製剤供給機構Kと、各生成タンクTで生成された酵素水を排出する排出機構Lとを備えている。
【0023】
前記ボトル8に収容されている酵素製剤は、一般的には、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素を含むと共に、これらの酵素を生成する微生物も含むものであり、この微生物は、低温状態では休眠状態にあり、40℃程度に維持されることにより活性化して酵素を生成する性質を有するものである。
【0024】
前記生成タンクTの内部には液面のレベルを検知するフロート式の液面センサ15と、前記生成タンクT内の溶液(酵素製剤が加えられた水)を加熱する電気ヒータ16と、この溶液の温度を計測する温度センサ17とを備えている。更に、ケース10の側部位置には酵素水を生成する制御を行う制御ユニット18を備えている。
【0025】
尚、この実施形態では、生成タンクTが2台備えられているが、3台以上備えてもよい。
【0026】
前記ケース10はステンレス等の耐腐食性が高い金属板を接合して箱状に形成され、このケースはケース本体10Aと、ケース10の前面側に配置される扉10Bとを備えている。ケース本体10Aの前面のうち前記制御ユニット18が配置された側で、前記扉10Bと並列する位置の前壁10Cには操作パネル11を備えている。前記扉10Bは、前記操作パネル11と反対側の端部に形成された縦向き軸芯Y周りで揺動開閉自在に前記ケース本体10Aに支持されている。
【0027】
図面には詳しく示していないが、前記操作パネル11は複数の操作ボタンと、複数のモニタランプと、液晶ディスプレイとを備えている
【0028】
〔酵素水生成装置の構成〕
前記生成タンクTは、透明な樹脂で成ると共に、上部には上部開口を覆う上部プレート20を備えている。この上部プレート20に対して前記液面センサ15と、電気ヒータ16と、温度センサ17とを支持している。
【0029】
前記給水機構Jは、前記水道配管6から各生成タンクTに給水する給水管21と、それぞれの生成タンクTに延びる給水管21の中間位置に配置した2つの給水用電磁バルブ22とを備えている。
【0030】
前記酵素製剤供給機構Kは、ボトル8に貯留された液状の酵素製剤を吸い上げる吸引チューブ25と、この吸引チューブ25からの酵素製剤が導かれる定容量ポンプKPと、この定容量ポンプKPから酵素製剤が送られる供給チューブ26と、この供給チューブ26を2つに分岐させるとともに分岐されたそれぞれの供給チューブ26に対して選択的に定容量ポンプKPから酵素製剤を流す方向切替弁28と、分岐されたそれぞれの供給チューブ26の先端に接続したノズル27とを備えている。また、このように各生成タンクTに貯留される水の量に対して、ノズル27から加えられる酵素製剤の量の割合をここでは酵素水の混合率と呼んでいる。
【0031】
前記吸引チューブ25は、透明で柔軟な樹脂で成り、この吸引チューブ25の吸引側の端部は、ボトル8の内部に差し込まれている。供給チューブ26は、透明で柔軟な樹脂で成り、この供給チューブ26の吐出側を前記ノズル27の上端部に接続している。このノズル27は下端側が小径となる円錐形であり、上端部が前記上部プレート20に支持され、下端には小さい開口を形成している。
【0032】
前記定容量ポンプKPは、縦向き姿勢のシリンダ30の内部にピストン31を上下移動自在に内嵌し、シリンダ30と連通する吸引側のチェック弁32に前記吸引チューブ25の排出側の端部を接続している。このシリンダ30と連通する吐出側のチェック弁33に前記供給チューブ26の一端を接続している。また、この定容量ポンプKPは、電動モータ34で駆動されるクランク機構35からの往復作動力を前記ピストン31に伝える駆動系を備え、クランク機構35の作動位置から前記ピストン31が上端まで移動したタイミング信号を出力する作動センサ36を備えている。
【0033】
このような構造から、定容量ポンプKPは、電動モータ34からの駆動力によって前記ピストン31を1往復作動する毎に設定された量の酵素製剤を送り出す性能を有し、前記電動モータ34の作動時には作動センサ36によってピストン31の作動回数を計数して制御ユニット18にフィードバックすることにより、酵素製剤の供給量を把握できるようにしている。
【0034】
前記排出機構Lは、各生成タンクTの底部の酵素水を排出ホース7に導く排出管38と、それぞれの排出管38の中間に配置した排出用電磁バルブ39とを備えている。
【0035】
前記液面センサ15は、前記上部プレート20から下方に突設したロッド15Aに対して上下移動自在に外嵌したリング状のフロート15Bと、このフロート15Bに備えたマグネット(図示せず)の磁気が作用することによりON又はOFFするリードスイッチ(図示せず)とを備えている。
【0036】
前記電気ヒータ16は、通電により発熱する発熱体を金属チューブの内部に収容した構造を有し、前記上部プレート20から下方に突設する形態で上部プレート20に支持されている。前記温度センサ17は、サーミスタ等を収容したロッド状の構造を有している。
【0037】
〔酵素水生成装置の制御構成〕
図3に示すように、前記制御ユニット18は、マイクロプロセッサCPUに信号のアクセスを行う入出力インタフェース41を備えており、この入出力インタフェース41を介して制御ユニットと酵素水生成処理に用いられる各種機器、例えば、前記液面センサ15、電気ヒータ16、温度センサ17、給水用電磁バルブ22、電動モータ34、作動センサ36、方向切替弁28、排出用電磁バルブ39、さらには操作パネル11との間でデータ伝送が行われる。
【0038】
マイクロプロセッサCPUのデータバスにスケジュールテーブル42、スケジュール管理部43、生成管理部44夫々が接続している。ちなみに、この制御ユニット18において制御を実現するためにはデータバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避けるために図面にはコントロールバスやアドレスバス、あるいは、インタフェース類を示していない。
【0039】
前記スケジュール管理部43と生成管理部44とは、ソフトウエアで構成されているが、ハードウエアで構成することや、ハードウエアと組み合わせて構成しても良い。
【0040】
前記スケジュール管理部43は、前記操作パネル11を通じて設定される酵素水生成のスケジュールのデータを管理し、スケジュールテーブル42に保存する。このスケジュールテーブル42には酵素水を生成する日時(生成完了日時)、酵素水の生成量、混合率等が保存される。スケジュール管理部43は、当日に必要な生成量をチェックし、この必要生成量を作り出すための時間を演算し、さらに生成完了時刻を参照して酵素水生成処理を開始しなければならない開始時刻を求め、その開始時刻になれば、生成管理部44に対して酵素水生成処理の開始コマンドとともに当日の酵素水の生成量や混合率等の酵素水生成処理条件を与える。年間を通じて混合率を一定にする場合は、混合率はスケジュール管理部43の管理対象から外すことができる。
【0041】
この酵素水生成装置で実行される酵素水生成処理は、生成タンクTに一定量給水する給水工程と生成タンクTに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度に昇温させるとともにその所定温度下で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とから構成されており、必要な生成量を確保するためこの一連の工程からなる酵素水生成処理を1回だけではなく複数回数行うこともある。また、通常は2つの生成タンクT、つまり第1タンクT1と第2タンクT2の両方を使用するが、その際異なる生成量を生成するようにしたり、片方だけ使用したりすることも可能である。このような酵素水生成処理を管理する前記生成管理部44は、給水工程を行う給水制御手段44A、混合工程を行う混合制御手段44B、保温工程を行う保温制御手段44C、排出工程を行う排出工程手段44D、さらには、これらの一連の工程のシーケンスを管理する制御シーケンス管理手段44Eを備えている。
【0042】
前記給水制御手段44Aは各生成タンクTに対して設定量の水を貯留する制御を行い、混合制御手段44Bは2つの酵素製剤供給機構Kを制御して各生成タンクTに対して酵素製剤を供給する制御を行い、保温制御手段44Cは各生成タンクT内の混合液(水と酵素製剤)を目標温度(40℃程度)に昇温して維持する制御を行い、排出制御手段44Dは各生成タンクTに生成された酵素水を排出する制御を行う。保温制御手段44Cによって駆動制御される電気ヒータ16は電力消費量が大きいため、第1タンクT1の電気ヒータ16と第2タンクT2の電気ヒータ16を同時に使用すると、ブレーカー遮断などの問題を引き起こす可能性があるので、本発明による酵素水生成装置では、これらの電気ヒータ16の同時駆動が生じないように、第1タンクT1と第2タンクT2での酵素水生成処理における保温工程のシーケンスが制御シーケンス管理手段44Eで管理されている。この制御シーケンス管理手段44Eに実装される、各生成タンクTに設けられた電気ヒータ16の同時駆動を禁止しながら両方の生成タンクTで酵素水生成処理を行うための代表的な2つのシーケンスを図4を用いて説明する。
【0043】
その一つは、図4(a)に示すように、各生成タンクTにおけるそれぞれの保温工程が重ならないように時間的にずらされて行われる順次保温モードである。なお、この実施形態では、ボトル8と酵素製剤供給機構Kは2つの生成タンクTで共通させているので、各生成タンクTにおける混合工程を同時に行うことはできないが、混合工程の時間は短いので、トータルの酵素水生成時間にはそれほど影響しない。この順次保温モードでは、第1タンクT1と第2タンクT2に対して同時に給水工程を行い、続いて第1タンクT1に対しては順次混合工程、保温工程、排出工程を行って1回目の酵素水生成処理を終了し、さらに2回目の酵素水生成処理が開始されるのに対して、第2タンクT2の混合工程は給水工程後第1タンクT1に対する混合工程が終わるのを待って行われ、さらに第1タンクT1に対する保温工程が終わるまで、第2タンクT2に対する保温工程は開始されない。
【0044】
もう一つは、図4(b)に示すように、それぞれの電気ヒータ16に対して所定時間長さをもった給電許可状態と給電不可状態のいずれかを規定する制御ステータスが互いに重なり合わないように第1タンクT1の電気ヒータ16と第2タンクT2の電気ヒータ16とに割り当てられる時分割保温モードである。つまり、第1タンクT1の電気ヒータ16が給電許可状態の場合第2タンクT2の電気ヒータ16は給電不可状態となり、第1タンクT1の電気ヒータ16が給電不可状態の場合第2タンクT2の電気ヒータ16が給電許可状態となる。この時分割保温モードでは、第1タンクT1と第2タンクT2に対して同時に給水工程を行い、続いて第1タンクT1に対しては即座に混合工程が行われ、第2タンクT2に対する混合工程は第1タンクT1に対する混合工程が終わるのを待って行われる。第1タンクT1と第2タンクT2に対する保温工程は、第1タンクT1と第2タンクT2のそれぞれの電気ヒータ16を制御する保温制御手段44Cに対して制御シーケンス管理手段44Eによって与えられる各電気ヒータ16に対する給電許可状態と給電不可状態の制御ステータスに応じて行われる。つまり、それぞれの電気ヒータ16に給電駆動可能な期間(給電許可状態)を交互に割り当てることで、電気ヒータ16の同時駆動は禁止される。このように、両者の保温工程における加熱を短い期間(例えば数分程度)に分割して交互に実行することになるので、給電が必要な電気ヒータ16に給電されない期間が生じるかもしれないが、この期間が短いのでそれにより生成タンクT内の温度が急速に低下しないことから、酵素水の生成にほとんど悪影響を与えない。前述した順次保温モードは、保温工程が完了するまでいずれかの生成タンクTの電気ヒータに対して給電許可状態を割り当てる時分割保温モードと言い換えることができる。
【0045】
なお、図4(b)の例では、第1タンクT1の電気ヒータ16と第2タンクT2の電気ヒータ16に割り当てられる給電許可状態(相手側には給電不可状態)は同じ時間長さを持っていたが、第1タンクT1と第2タンクT2とで酵素水の生成量が異なる場合、生成量が大きい生成タンクTの電気ヒータ16に割り当てられる給電許可状態の時間長さは生成量が小さい生成タンクTの電気ヒータ16のそれより長く設定するとよい。また、順次保温モードと時分割保温モードは選択可能に構成してもよいし、どちらか一方のモードだけを備えるようにしてもよい。
【0046】
〔制御ユニットでの制御〕
前記制御ユニット18による当日の酵素水生成処理の例が図5のフローチャートに示されている。
まず、初期設定処理(#00)によって当日の生成スケジュールがスケジュールテーブル42から読み出され、生成量、混合率、酵素水生成完了時刻が取得される。生成管理部44は、取得された生成量を第1タンクT1と第2タンクT2で生成される生成量に割り振るとともに、取得された生成量と完了時刻から酵素水生成開始時刻を求める。予め酵素水生成開始時刻を求めて、スケジュールテーブル42に保存しておいてもよい。
取得された酵素水生成開始時刻に達したかどうかを監視し(#01)、酵素水生成開始時刻に達した場合は(#01Yes分岐)、第1回目の酵素水生成処理が開始する。酵素水生成開始時刻に達していない場合は(#01No分岐)、生成量や酵素水要求時刻の修正で生成スケジュールが変更されているかチェックされる(#01a)。生成スケジュールが変更設定された場合は(#01aYes分岐)、ステップ#00に戻り、再び初期設定処理が実行される。生成スケジュールが変更設定されない場合は(#01aNo分岐)、ステップ#01に戻る。
【0047】
まず、給水工程では、給水用電磁バルブ22を開放操作して各生成タンクTに給水を開始し、液面センサ15が検出状態に達した時点で、給水用電磁バルブ22を閉鎖操作して給水を停止する(#02)。
【0048】
次に、混合工程では、電動モータ34の駆動力で定容量ポンプKPを作動させることにより、ボトル8に貯留された酵素製剤を吸引チューブ25で吸引し、供給チューブ26からノズル27を介して生成タンクTに適量供給する(#03)。この供給の際には定容量ポンプKPの作動回数を作動センサ36で計数することにより、目標とする量の酵素製剤を供給することにより混合率を得る。なお、第1生成タンクT1と第2生成タンクT2の両者が酵素製剤の供給を要求している場合には、まず第1生成タンクT1に、次に第2生成タンクT2に酵素製剤を供給するが、その供給要求がずれている場合には、一方の生成タンクTに酵素製剤を供給している間は他方の生成タンクTへの酵素製剤の供給を待機させることになるが、それ以外では供給要求している生成タンクTへの酵素製剤の供給が即座に行なわれる。
【0049】
次に保温工程において電気ヒータ制御が第1生成タンクT1と第2生成タンクT2のそれぞれに対して行われ(#04)、水と酵素製剤の混合液を所定温度(約40℃)に維持するとともに、この混合液の所定温度の維持を約20分続けることで、それぞれの生成タンクTで酵素水が生成される。保温工程におけるそれぞれの生成タンクTにおける電気ヒータ制御は、図6に示されており、まず制御ステータスが給電許可状態となっているかどうかチェックされる(#41)。制御ステータスが給電許可状態となっておれば(#41Yes分岐)、液温が所定温度に達しているかどうかチェックされる(#42)。所定温度(約40℃)に達しておれば(#42Yes分岐)、生成タンクT内の混合液を所定温度まで昇温させる昇温プロセスが完了したのか、あるいは昇温後の温度維持中なのかをチェックする目的で、昇温フラグの内容をチェックする(#43)。昇温プロセス中には昇温フラグは「0」となり、昇温プロセスが完了すると「1」が入るように設定されている。つまり、ステップ#43のチェックで昇温フラグが「0」なら(#43Yes分岐)、昇温プロセスが完了したとして昇温フラグを「1」とし(#44)、処理対象となっている生成タンクT用のタイマーをスタートさせ(#45)、電気ヒータ16への給電を停止するかもしくは停止を続行する(#46)。ステップ#42のチェックで液温が所定温度に達していなければ(#42No分岐)、電気ヒータ16への給電を開始するかもしくは給電を続行する(#47)。また、ステップ#41のチェックで制御ステータスが給電不可状態となっておれば(#41No分岐)、電気ヒータ16への給電を停止するかもしくは停止を続行する(#48)。
【0050】
いずれにせよ、ステップ#46、#47、#48で電気ヒータ16の制御を終えると、タイマーが所定時間(約20分)に達しているかどうかをチェックし(#49)、所定時間に達していなければ(#49No分岐)ステップ#41に戻る。時間に達していると(#49Yes分岐)、タイマーリセットや昇温フラグに「0」を入れて(#50)、この保温工程を終了する。なお、時分割保温モードの際には、第1生成タンクT1における保温工程と第2生成タンクT2における保温工程が同時に行われているときには、ステップ#41から#49までの処理は交互に行われることになり、例えば、ステップ49でタイマーがタイムアップしていない場合(#49No分岐)、第1生成タンクT1における保温工程と第2生成タンクT2における保温工程を切り換えてループする。
【0051】
収容している混合液の所定温度の維持を約20分続けることで、保温工程が完了し所望通りの酵素水が生成された方の生成タンクTに対して、排出用電磁バルブ39を開放することにより、生成タンクTで生成された酵素水を排出管38から排出ホース7に送ってストックタンクBに排出する排出工程を実行する(#05)。この排出工程では、生成タンクTから酵素水が排出されるに充分な時間以上排出用電磁バルブ39を開放状態に設定する制御が実行される。
【0052】
この一連の酵素水生成処理を実行する際に操作パネル11の複数のモニタランプ54のうち、対応するモニタランプ54が点灯する。このような酵素水生成処理を生成スケジュールから読み出した当日の生成量に達するまで必要な回数だけ実行され(#06)、両方の生成タンクTでの当日の酵素水生成処理を終了する。生成されストックタンクBに貯留された酵素水は杓子などを用いて厨房現場に撒かれる。
【0053】
図7と図8には、本発明のもう1つの形態である、生成タンクTに一定量給水する給水工程と生成タンクTに酵素製剤を適量供給する混合工程と生成タンクTに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度に昇温させるとともにその所定温度下で所定時間保温する保温工程とこの保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置を複数台備えた酵素水生成システムが示されている。
【0054】
各酵素水生成装置には1台の生成タンクTを備えているだけであるが、各酵素水生成装置に設けられた制御ユニット18は互いに交信し、それぞれの酵素水生成装置に備えられている電気ヒータ16が同時に駆動されることを禁止しながら、それぞれの生成タンクTで酵素水生成処理を行って酵素水を生成する。この2つの酵素水生成装置から排出された酵素水は共通の1つのストックタンクBに貯留される。この酵素水生成システムも、先に述べた形態と同様に、ファーストフード店やレストランの厨房現場のように、床面Fが油脂によって汚れやすい場所に設置される。
【0055】
ここでも、床面Fに散布された酵素水は、排水溝1からグリストラップ2に流れ込み、このグリストラップ2に滞留することにより、油脂成分を分解し、このグリストラップ2の内部を洗浄するように作用する。
【0056】
2つの酵素水生成装置は、厨房内のテーブル3に設置され、壁面4には水道水の水量を制御するようにハンドル5Aで開閉可能なバルブ5を備え、このバルブ5と2つの酵素水生成装置との間には、バルブ5からの水道水を2つの酵素水生成装置に送る水道配管6が形成されている。また、2つの酵素水生成装置で生成された酵素水はゴム等のフレキシブルな排出ホース7を介して前記ストックタンクBに送り出される。
【0057】
〔酵素水生成装置〕
この酵素水生成装置の基本的な構成は、先に述べた発明の形態としての酵素水生成装置と比べ、生成タンクTが1台のみ設けられていることで異なっているだけである。
【0058】
つまり、この酵素水生成装置は、金属製のケース10の内部に生成タンクTを備え、給水機構Jは1台の生成タンクTに水道水を給水する構成であり、酵素製剤供給機構Kは半透明の樹脂で成るボトル8に貯留した液状の酵素製剤を1台の生成タンクTに加える(適量滴下する形態での供給になる)構成であり、排出機構Lは1台の生成タンクTで生成された酵素水を排出する構成である。
【0059】
前記給水機構Jは、給水管21と、給水用電磁バルブ22とを備えている。前記酵素製剤供給機構Kは吸引チューブ25と、定容量ポンプKPと、供給チューブ26と、ノズル27とを備えると共に、この定容量ポンプKPは、シリンダ30と、ピストン31と、吸引側のチェック弁32と、吐出側のチェック弁33と、電動モータ34と、クランク機構35と、作動センサ36とを備えている。前記排出機構Lは、排出管38と、排出用電磁バルブ39とを備えている。
【0060】
生成タンクTには、上部プレート20を備え、この上部プレート20に対して、液面センサ15と、ヒータ16と、温度センサ17とを支持すると共に、前記ノズル27と、給水管21とを支持している。
【0061】
それぞれの酵素水生成装置のボトル8には、同じ酵素種の酵素製剤が貯留されているが、それぞれ別の酵素種の酵素製剤を貯留して、それぞれの酵素水生成装置で別種の酵素水を生成するように構成してもよい。
【0062】
〔酵素水生成システムにおける制御ユニットの構成〕
図9に示すように、各酵素水生成装置の制御ユニット18は、マイクロプロセッサCPUに信号のアクセスを行う入出力インタフェース41を備えており、この入出力インタフェース41に対して前記液面センサ15と、ヒータ16と、温度センサ17と、給水用電磁バルブ22と、2つの電動モータ34と、2つの作動センサ36と、排出用電磁バルブ39とに対して情報がアクセスする信号系が形成されると共に、前記操作パネル11との間で情報がアクセスする信号系が形成されている。
【0063】
マイクロプロセッサCPUのデータバスにスケジュールテーブル42、スケジュール管理部43、生成管理部44、通信制御部45夫々が接続している。ちなみに、この制御ユニット18において制御を実現するためにはデータバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避けるために図面にはコントロールバスやアドレスバス、あるいは、インタフェース類を示していない。
【0064】
前記スケジュール管理部43と生成管理部44と、通信制御部45は、ソフトウエアで構成されているが、ハードウエアで構成することや、ハードウエアと組み合わせて構成しても良い。
【0065】
スケジュールテーブル42と、スケジュール管理部43と、生成管理部44とは、先に述べた本発明の第1の形態での制御ユニット18と同様の機能を有するものであるが、通信制御部45は前記通信ケーブルDを介して2つの酵素水生成装置の制御ユニット18の間で互いに交信し、それぞれの制御シーケンス管理手段44Eが連携して、上述した順次保温モード又は時分割保温モードあるいはその両方のモードでの酵素水生成処理が可能である。つまり、各酵素水生成装置の生成タンクTのための電気ヒータ16は同時に駆動されることが回避されている。つまり、酵素水生成処理に含まれる給水工程、混合工程、排出工程はそれぞれの酵素水生成装置で独立して制御可能であるが、保温工程だけは互いの電気ヒータ16が同時に給電されないように協調制御される。このことは、図6のフローチャートで示される制御時に、制御シーケンス管理手段44E同士で、給電許可状態と給電不可状態の制御ステータスを交互に割り当てることで実現している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の形態である酵素水生成装置の斜視図
【図2】図1による酵素水生成装置の制御系の概要を示す図
【図3】図1による酵素水生成装置の制御系のブロック回路図
【図4】順次保温モードと時分割保温モードを説明する説明図
【図5】酵素水生成処理のフローチャート
【図6】保温工程のサブルーチンを示すフローチャート
【図7】本発明の第2の形態である酵素水生成システムの斜視図
【図8】図7による酵素水供給システムの制御系の概要を示す図
【図9】図7による酵素水供給システムの制御系のブロック回路図
【符号の説明】
【0067】
8 ボトル
16 電気ヒータ
44 生成管理部
44A 給水制御手段
44B 混合制御手段
44C 加温制御手段
44D 排出制御手段
44E 制御シーケンス管理部
A 酵素水生成装置
B ストックタンク
K 供給機構(酵素製剤供給機構)
T 生成タンク
T1 第1生成タンク
T2 第2生成タンク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成タンクに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置において、
前記生成タンクが複数台備えられ、前記各生成タンクに設けられた電気ヒータの同時駆動を禁止しながら、前記複数の生成タンクで前記酵素水生成処理を行って酵素水を生成することを特徴とする酵素水生成装置。
【請求項2】
前記複数の生成タンクにおけるそれぞれの保温工程は時間的にずらされて行われることを特徴とする請求項1に記載の酵素水生成装置。
【請求項3】
前記電気ヒータに対して所定時間長さをもった給電許可状態と給電不可状態のいずれかが割り当てられ、その際一方の電気ヒータが給電許可状態の場合他方の電気ヒータは給電不可状態となり、前記一方の電気ヒータが給電不可状態の場合前記他方の電気ヒータは給電許可状態となることを特徴とする請求項1に記載の酵素水生成装置。
【請求項4】
生成量が大きい生成タンクに属する電気ヒータに割り当てられる給電許可状態の時間長さは生成量が小さい生成タンクに属する電気ヒータより長く設定されることを特徴とする請求項3に記載の酵素水生成装置。
【請求項5】
生成タンクに一定量給水する給水工程と前記生成タンクに酵素製剤を適量供給する混合工程と前記生成タンクに収容された水と酵素製剤の混合液を所定温度で所定時間保温する保温工程と前記保温工程を通じて生成された酵素水を排出する排出工程とを有する酵素水生成処理を少なくとも1回行うことで所定量の酵素水を生成する酵素水生成装置を複数台備えた酵素水生成システムにおいて、
前記各酵素水生成装置に設けられた制御ユニットは互いに交信し、それぞれの酵素水生成装置に設けられた電気ヒータの同時駆動を禁止しながら、それぞれの酵素水生成装置の生成タンクで前記酵素水生成処理を行って酵素水を生成することを特徴とする酵素水生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−252293(P2007−252293A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82193(P2006−82193)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】