説明

酸性液状調味料の製造方法

【課題】酸味を抑制したドレッシング、ソース類、タレ類などの酸性液状調味料の製造方法を提供する。
【解決手段】製品に対し好ましくは0.1%以上、より好ましくは1%以上の生(なま)醤油と、製品に対し好ましくは0.02〜6%、より好ましくは0.05〜6%の海藻を混合した後、加熱処理することを特徴とする酸性液状調味料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸味を抑制したドレッシング、ソース類、タレ類などの酸性液状調味料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸性液状調味料とは、植物油、食酢、塩、香辛料などを主原料とした、ドレッシング、ソース類、タレ類などの、主として野菜サラダにかける調味料であり、pHを4.6以下にすることで常温流通が可能となった調味料である。
【0003】
酸性液状調味料においてpHを下げる役割を有する酸味材としては、食酢の他、レモン、かぼすなどの柑橘果汁、またはクエン酸などの有機酸が用いられる場合があるが、経済性の面から食酢が用いられることが一般的である。
【0004】
しかしながら、近年の酸性液状調味料の低オイル指向に伴い、従来の食酢の配合では、酸味が強すぎるものとなる問題があった。その解決策として食酢の配合量を減らす方法も考えられるが、食酢の防腐、及び抗菌効果による酸性液状調味料の保存性が低下してしまうため、食酢の配合量を減らすことなく酸味を抑制する方法が従来から研究されている。
【0005】
食酢の酸味を抑制する方法として、γ−アミノ酪酸(GABA)を添加する方法(特許文献1)、及びリゾチームを添加する方法(特許文献2)が知られている。しかしながら、γ−アミノ酪酸(GABA)、及びリゾチームは高価であるため、経済性の観点から問題があり、酸味抑制についても、十分に満足できる効果を示すものではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2006−61089号公報
【特許文献2】特開平9−224602号公報
【特許文献3】特開2001−352937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、酸味を抑制したドレッシング、ソース類、タレ類などの酸性液状調味料の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく酸性液状調味料に使用されている様々な配合原料、及び製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理することで、意外にも、酸味が抑制された酸性液状調味料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理する酸性液状調味料の製造方法、
(2)製品に対し生(なま)醤油の配合量が0.1%以上である(1)記載の酸性液状調味料の製造方法、
(3)製品に対し海藻の配合量が固形分換算で0.02〜6%である(1)または(2)に記載の酸性液状調味料の製造方法、
(4)前記海藻がワカメである(1)〜(3)のいずれかに記載の酸性液状調味料の製造方法、
である。
【0010】
なお、海藻を配合した酸性液状調味料の製造方法に関しては、海藻類を含むことで適度に粘性が付与されたドレッシング用食品の製造方法が知られている(特許文献3)。
【0011】
しかしながら、特許文献3に係る発明は、海藻類に特有の増粘物質により、適度に粘性が付与されたドレッシング様食品を提供することを目的としており、生(なま)醤油を配合することについては一切記載されておらず、また、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理することで得られる、本発明の酸味抑制効果に関しては一切記載されていない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、酸味が抑えられて子供にも食べやすいドレッシング、ソース類、タレ類などの酸性液状調味料を提供することができ、さらなる酸性液状調味料の需要拡大が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0014】
本発明における酸性液状調味料とは、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された液状調味料である。このような本発明の酸性液状調味料としては、具体的には、例えば、半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシングなどの乳化調味料、セパレートドレッシングなどの分離液状調味料、ノンオイルドレッシングなどのノンオイル調味料が挙げられる他、各種ソース類、タレ類が含まれる。
【0015】
本発明の酸性液状調味料の製造方法は、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理することを特徴としており、これにより酸性液状調味料の酸味を抑制することができる。
【0016】
本発明で用いる生(なま)醤油とは、通常の濃口醤油、薄口醤油、溜り醤油などの製造工程において、製造原料の発酵、熟成を行った熟成諸味を圧搾濾過して得られた、火入れ工程前の生揚げ醤油のことである。また、この生揚げ醤油から、菌数管理を目的にマイクロフィルターなどを用いて微生物を取り除いた醤油を用いることが好ましい。
【0017】
本発明で用いる海藻は、例えば、ワカメ、アオワカメ、カジメ、アナメ、スジメ、マコンブ、リシリコンブ、エナガコンブ、トロロコンブ、ヒジキなどの褐藻類、アオサ、アオノリ、ミルなどの緑藻類、アマノリ、アサクサノリ、テングサなどの紅藻類に分類できる。本発明で用いる海藻は、市販されている海藻であればよく、原材料、味、及び製造方法を特に限定するものではないが、本発明の効果を奏し易い褐藻類を用いることが好ましく、その中でもワカメを用いることがより好ましい。また、保存等における取り扱いの容易性から、乾燥処理した海藻を用いることが好ましい。海藻の乾燥方法は常法に則って行い、特に限定するものではないが、例えば、電力熱風乾燥、自然乾燥、加圧乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、加熱乾燥、マイクロ波乾燥などが挙げられるが、本発明の効果を奏し易い電力熱風乾燥を用いることが好ましい。また、得られた粉末状の海藻は、必要に応じ粉砕処理を施してもよい。
【0018】
本発明の酸性液状調味料の製造方法は、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、当該混合液を加熱処理していれば良く、製造工程のどのタイミングで加熱処理を行うかは、特に限定するものではない。
【0019】
例えば、分離液状調味料の製造方法の場合は、生(なま)醤油、海藻、食酢、及びその他の水相原料を混合した後、ミキサーで均一に攪拌し、酸性液状調味料の水相部を調製し、得られた水相部に加熱処理を施した後、容器に充填し、その後油相部の植物油を積層する方法、若しくは、生(なま)醤油、海藻、及び食酢の混合物に加熱処理を施し、その他の水相原料を混合した後、容器に充填し、その後油相部の植物油を積層する方法などが挙げられる。また、ノンオイル調味料の製造方法の場合は、全原材料を混合した後、ミキサーで均一に攪拌し、得られた混合液に加熱処理を施した後、容器に充填する方法などが挙げられる。また、乳化液状調味料の製造方法の場合は、上記分離液状調味料の製造方法と同様の方法で水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながら油相部の植物油を徐々に注加して乳化状の混合液を調製する。得られた乳化状の混合液に加熱処理を施した後、容器に充填する方法などが挙げられる。
【0020】
また、本発明の酸性液状調味料の製造方法における加熱処理条件は、通常、液状食品において殺菌を行う程度の条件であれば良く、具体的には、加熱温度は、60〜140℃が好ましく、65℃〜95℃がより好ましい。また、加熱時間は、2秒〜30分間が好ましく、5秒〜10分間がより好ましい。加熱温度が前記値よりも低いと、または加熱時間が前記値よりも短いと、本発明の酸味抑制効果が得られ難く好ましくない。また、加熱温度が前記値よりも高いと、または加熱時間が前記値よりも長いと、酸性液状調味料の風味が劣化してしまうため好ましくない。なお、本発明の酸性液状調味料の製造方法における加熱処理の方法は、上記加熱処理ができる方法であれば、特に限定するものではないが、例えば、湯せん、二重釜を用いて蒸気、熱水などの熱媒体を入れて加熱する方法、プレート式熱交換器を用いて加熱する方法、チューブ式熱交換器を用いて加熱する方法などが挙げられる。
【0021】
本発明の酸性液状調味料の製造方法は、上述の通り、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理することで初めて酸性液状調味料の酸味が抑制される。後述の試験例2で示す通り、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理をしない製造方法、生(なま)醤油と食酢の混合物を加熱処理した後に海藻を混合する製造方法、及び生(なま)醤油と海藻の混合物を加熱処理した後に食酢を混合する製造方法のいずれの方法により得られた酸性液状調味料も、本発明の酸味抑制効果が得られ難く好ましくない。
【0022】
酸性液状調味料に対する生(なま)醤油の配合量は好ましくは0.1%以上、より好ましくは1%以上である。酸性液状調味料に対する生(なま)醤油の配合量が前記値よりも少ないと、たとえ後述する海藻を併用したとしても、本発明の酸味抑制効果が得られ難く好ましくない。なお、本発明においては、生(なま)醤油の配合量が多いほど、本発明の酸味抑制効果は高くなるため、生(なま)醤油の配合量は上限が規定されていないが、食酢、及び海藻以外の全配合を生(なま)醤油としても良い。例えば、食酢の配合量が5%、海藻の配合量0.02%の場合は、生(なま)醤油の配合量は94.98%となっても良い。
【0023】
酸性液状調味料に対する海藻の配合量は固形分換算で0.02〜6%が好ましく、0.05〜6%がより好ましい。海藻の配合量が前記値よりも少ないと、たとえ上述の生(なま)醤油を併用したとしても、本発明の酸味抑制効果が得られ難く好ましくない。また、海藻の配合量を前記値よりも多くしたとしても、配合量に応じた効果が期待し難く経済的でない。なお、本発明において固形分換算とは、海藻の水分含量を除いた部分である。
【0024】
酸性液状調味料に対する食酢の配合量は、通常に酸性液状調味料に用いられている程度に配合されていれば良く、特に限定するものではないが、具体的には酸度5%の食酢換算で5〜40%配合することが好ましい。
【0025】
本発明の酸性液状調味料には上記生(なま)醤油と海藻以外に本発明の効果を損なわない範囲で当該食品に一般的に使用されている各種原料を適宜選択し配合させることができる。例えば、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油(生(なま)醤油を除く)、味噌などの各種調味料、各種エキス、菜種類、コーン油、綿実油、サフラワー油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油などの動植物油またはこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油などのような化学的あるいは酵素的処理などを施して得られる油脂などの食用油脂、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉などの増粘材、全卵、卵黄、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC若しくはホスフォリパーゼDで酵素処理した卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ラクトアルブミン、カゼインナトリウムなどの乳化材、アスコルビン酸またはその塩、ビタミンEなどの酸化防止剤、色素、香味食材や各種野菜のおろし、ペースト状物、截断物などの具材の粉砕物、生姜、わさび、にんにくなどの薬味などが挙げられる。
【0026】
以下、本発明について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
下記の配合割合に準じ、生(なま)醤油、粉ワカメ、食酢、及びその他の水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌した。次に、得られた混合液をゆっくり攪拌させながら70℃に加熱し、70℃で5分間加熱処理を施し、水層部を調製した。次に、得られた水相部を分離液状ドレッシングの容量が250mLとなるように250mL容量のポリエチレンテレフタレート製の容器(以下、PET容器)に水相部を充填した後に、残りの油層部である植物油を積層させ密栓した。
【0028】
<分離液状ドレッシングの配合割合>
(油相部)
植物油 35%
(水相部)
生(なま)醤油 15%
食酢(酸度5%) 10%
食塩 3%
粉ワカメ 0.5%
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
――――――――――――――――――――
合計 100%
【0029】
得られた分離液状ドレッシングを上下に振って一時的に乳化させた後、喫食したところ、分離液状ドレッシングの酸味が抑えられていた。なお、得られた分離液状ドレッシングは生(なま)醤油を15%、食酢(酸度5%)を10%、及びワカメを固形分換算で0.5%含むものである。
【0030】
[実施例2]
実施例1の分離液状ドレッシングの製造方法において、実施例1で用いた粉ワカメを粉昆布に置換した以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。なお、得られた分離液状ドレッシングは昆布を固形分換算で0.5%含むものである。
【0031】
[実施例3]
実施例1の分離液状ドレッシングの製造方法において、実施例1で用いた粉ワカメを海苔に置換した以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。なお、得られた分離液状ドレッシングは海苔を固形分換算で0.5%含むものである。
【0032】
[比較例1]
実施例2の分離液状ドレッシングの製造方法において、実施例2で用いた粉昆布(配合量0.5%)を昆布エキス(配合量0.5%)に置換した以外は実施例2と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。なお、昆布エキスの配合量は、分離液状ドレッシングに通常用いられる程度の量である0.5%とした。
【0033】
[比較例2]
実施例1の分離液状ドレッシングの製造方法において、実施例1で用いた生(なま)醤油を火入れされた濃口醤油に置換した以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。なお、得られた分離液状ドレッシングは濃口醤油を15%含むものである。
【0034】
[試験例1]
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、及び比較例2で得られた分離液状ドレッシングを用いて、配合する醤油、及び海藻の違いによる、酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの分離液状ドレッシングを喫食して、酸味抑制効果を評価した。
【0035】
「分離液状ドレッシングに対する酸味抑制効果」の評価
ランク:基準
A: 酸味が十分に抑制されている
B: 酸味が問題ない程度に抑制されている
C: 酸味が抑制されていない
【0036】
【表1】

【0037】
表1より、生(なま)醤油と海藻を用いないと、酸性液状調味料に対する酸味抑制効果が得られないことが理解される。また、海藻の中でも特にワカメを配合すると酸味抑制効果がより強く、海藻由来のエキスを配合しても酸味抑制効果が得られないことが理解される。
【0038】
[比較例3]
実施例1において、加熱処理工程を除いた以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。
【0039】
[比較例4]
実施例1の分離液状ドレッシングの製造方法において、生(なま)醤油と食酢を混合、攪拌した後、ゆっくり攪拌させながら70℃に加熱し、70℃で5分間加熱処理を施した。次に、粉ワカメを含む残りの水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水層部を調製した。それ以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。
【0040】
[比較例5]
実施例1の分離液状ドレッシングの製造方法において、生(なま)醤油と粉ワカメを混合、攪拌した後、ゆっくり攪拌させながら70℃に加熱し、70℃で5分間加熱処理を施した。次に、食酢を含む残りの水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水層部を調製した。それ以外は実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製した。
【0041】
[試験例2]
実施例1、比較例3、比較例4、及び比較例5で得られた分離液状ドレッシングを用いて、酸性液状調味料の製造工程における加熱処理工程の有無、及び加熱処理のタイミングの違いによる、酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの分離液状ドレッシングを喫食して、酸味抑制効果を評価した。なお、分離液状ドレッシングに対する酸味抑制効果の評価基準は試験例1と同様とする。
【0042】
【表2】

【0043】
表2より、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理をしない酸性液状調味料の製造方法、生(なま)醤油と食酢の混合物を加熱処理した後に海藻を混合する酸性液状調味料の製造方法、及び生(なま)醤油と海藻の混合物を加熱処理した後に食酢を混合する酸性液状調味料の製造方法では、本発明の酸味抑制効果が得られないことが理解される。これにより、生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後に加熱処理を施すことで初めて、酸性液状調味料に対する酸味抑制効果が得られることが明らかとなった。
【0044】
[試験例3]
生(なま)醤油と海藻の配合量の違いによる、酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。具体的には、実施例1において、生(なま)醤油と粉ワカメの配合量を表3に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で分離液状ドレッシングを製し、得られたそれぞれの分離液状ドレッシングを喫食して、酸味抑制効果を評価した。なお、分離液状ドレッシングに対する酸味抑制効果の評価基準は試験例1と同様とする。また、得られた分離液状ドレッシングは生(なま)醤油、及びワカメ(固形分換算)を表3で示す配合量含むものである。
【0045】
【表3】

【0046】
表3より、生(なま)醤油の配合量が0.1%以上、海藻の配合量が固形分換算で0.02〜6%である酸性液状調味料は、酸味が抑制されており、特に、生(なま)醤油の配合量が1%以上、海藻の配合量が固形分換算で0.05〜6%である酸性液状調味料は、十分に酸味が抑制されていることが理解される。
【0047】
[実施例4]
下記の配合割合に準じ、生(なま)醤油、粉ワカメ、食酢を含む全ての原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌した。次に、得られた混合液をゆっくり攪拌させながら80℃に加熱し、80℃で3分間加熱処理を施した後、250mL容量のPET容器に250mL充填し、密栓しノンオイルドレッシングを調製した。
【0048】
<ノンオイルドレッシングの配合割合>
生(なま)醤油 50%
食酢(酸度5%) 10%
粉ワカメ 3%
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――
合計 100%
【0049】
得られたノンオイルドレッシングを喫食したところ、ノンオイルドレッシングの酸味が抑制されていた。なお、得られた分離液状ドレッシングは生(なま)醤油を50%、食酢(酸度5%)を10%、及びワカメを固形分換算で3%含むものである。
【0050】
[実施例5]
下記の配合割合に準じ、生(なま)醤油、粉ワカメ、食酢、及びその他の水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌した。次いで得られた水相部を攪拌させながら油相部の植物油を徐々に注加して乳化状の混合液を調製した。次いで得られた混合液をゆっくり攪拌させながら60℃に加熱し、60℃で10分間加熱処理を施した後、250mL容量のPET容器に250mL充填し、密栓し乳化液状ドレッシングを調製した。
【0051】
<乳化液状ドレッシングの配合割合>
(油相)
植物油 50%
(水相)
食酢(酸度5%) 10%
グラニュー糖 5%
卵黄 3%
生(なま)醤油 1%
粉ワカメ 0.5%
食塩 2.5%
グルタミン酸ソーダ 0.2%
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
【0052】
得られた乳化液状ドレッシングを喫食したところ、乳化液状ドレッシングの酸味が抑制されていた。なお、得られた分離液状ドレッシングは生(なま)醤油を1%、食酢(酸度5%)を10%、及びワカメを固形分換算で0.5%含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生(なま)醤油、海藻、及び食酢を混合した後、加熱処理することを特徴とする酸性液状調味料の製造方法。
【請求項2】
製品に対し生(なま)醤油の配合量が0.1%以上である請求項1記載の酸性液状調味料の製造方法。
【請求項3】
製品に対し海藻の配合量が固形分換算で0.02〜6%である請求項1または2に記載の酸性液状調味料の製造方法。
【請求項4】
前記海藻がワカメである請求項1〜3のいずれかに記載の酸性液状調味料の製造方法。