説明

酸素燃焼プラント及びその運転方法

【課題】酸素燃焼プラントの起動において、起動時間を短縮し、プラント外に放出される二酸化炭素の量を低減することを目的とする。
【解決手段】パイプラインから酸素燃焼プラントへ二酸化炭素を導く配管を酸素燃焼プラントに設置し、酸素製造装置から供給した酸素と燃焼排ガスと燃料を燃焼する燃焼装置と、生成された燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置と、二酸化炭素を別の場所に移送するパイプラインと、パイプラインへ接続する配管とを有する酸素燃焼プラントにおいて、二酸化炭素をパイプラインに送る二酸化炭素押出ラインと、パイプラインから酸素燃焼プラントへ二酸化炭素を導く二酸化炭素取入ラインを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所等で用いられる酸素燃焼プラント及び、その運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所等に設けられる燃焼プラントであるボイラ装置は、燃料と空気を燃焼して発生した熱により水を加熱して蒸気を発生させ、蒸気タービンを駆動して発電を行う。ボイラ装置は、多くの種類の燃料を使用することができる反面、ガスタービン・コンバインドサイクル発電装置に比べて効率が低く、二酸化炭素の排出量が多い。二酸化炭素は、地球温暖化の要因と考えられており、ボイラの燃焼により発生した二酸化炭素を分離・回収して、大気中に拡散しないように貯蔵することが求められている。
【0003】
二酸化炭素を分離・回収するボイラ装置では、燃料と空気を燃焼する空気燃焼方式と、燃料と空気中から分離した酸素を燃焼する酸素燃焼方式がある。空気燃焼方式では燃焼後の排ガスの主成分が窒素と二酸化炭素であり、これから二酸化炭素を分離するため高いエネルギーが必要となる。これに対し、酸素燃焼方式では燃焼による生成ガスの大部分が二酸化炭素であるので、排ガスからの二酸化炭素の分離エネルギーは低くなる。
【0004】
さらに酸素燃焼方式では、空気中から窒素を分離するので、高温場で窒素が酸化して生成されるサーマルNOxが発生しないというメリットがある。一方、酸素燃焼方式では純酸素を使用すると火炎温度が高くなり、ボイラ火炉水壁を損傷する可能性がある。このため、酸素に二酸化炭素や水分を混合する方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献1に記載されているように、起動時には空気を用いて燃焼させ、その後に酸素燃焼に移行する燃焼方式が一般に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−336736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
酸素燃焼プラントでは、新設時または保守休止後の起動時にプラント内のダクト、火炉、排ガス浄化装置などの中に空気が入っていたり、あるいは、プラント内の二酸化炭素の濃度が低いことがある。この場合には排ガス中に窒素が多く二酸化炭素を分離するのは効率が悪い。また、空気燃焼から酸素燃焼へ燃焼状態を切り替える燃焼方式では、プラント内の二酸化炭素濃度を上げてから酸素燃焼に移行する際に起動の時間が長くなり、酸素燃焼へ切替えるまでに多くの二酸化炭素を回収できずにプラント外に放出していた。
【0008】
本発明は、酸素燃焼プラントの起動において、起動時間を短縮しプラント外に放出される二酸化炭素の量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、酸素製造装置から供給した酸素と燃焼排ガスにより燃料を燃焼する燃焼装置と、燃焼により生成された燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置と、該二酸化炭素回収装置により回収された二酸化炭素を酸素燃焼プラント外部に移送するパイプラインと、前記燃焼装置と前記パイプラインを接続する配管を有する酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素回収装置と前記パイプラインの間に、二酸化炭素を前記酸素燃焼プラントから前記パイプラインに送る二酸化炭素押出ラインを設け、前記パイプラインから前記酸素燃焼プラントへ二酸化炭素の一部を還流させる二酸化炭素取入ラインを設けることを特徴とする。
【0010】
また、燃焼装置が、起動時に前記二酸化炭素取入ラインから供給した二酸化炭素と前記酸素製造装置から供給した酸素の混合ガスで満たされた状態にあることを特徴とする。
【0011】
また、燃焼装置内に混合ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定装置を設置することを特徴とする。
【0012】
また、燃焼装置の排ガスを浄化する排ガス浄化装置と、該排ガス浄化装置で処理されたガスを前記燃焼装置に循環させる排ガス循環ラインとを設け、前記二酸化炭素取入ラインに前記排ガス循環ラインを接続することを特徴とする。
【0013】
また、二酸化炭素取入ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁と前記パイプラインの間の前記二酸化炭素取入ラインにパイプライン圧力を測定する圧力測定装置を備えることを特徴とする。
【0014】
また、開閉弁と前記燃焼装置の間の前記二酸化炭素取入ラインに圧力測定装置を備えることを特徴とする。
【0015】
また、二酸化炭素取入ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁と前記パイプラインの間の前記二酸化炭素取入ラインにガス濃度測定装置を備えることを特徴とする。
【0016】
また、酸素製造装置は酸素製造時に空気を圧縮する圧縮機を有し、前記パイプラインに接続される二酸化炭素取入ラインに減圧装置を設置し、前記パイプラインから供給される減圧された二酸化炭素を流通する前記二酸化炭素取入ラインと酸素製造装置の圧縮機の間で熱交換を行うことを特徴とする。
【0017】
また、二酸化炭素回収装置に二酸化炭素を圧縮する圧縮機を有し、前記パイプラインと前記圧縮機の間の前記二酸化炭素押出ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁下流の前記二酸化炭素押出ラインと前記二酸化炭素回収装置の圧縮機の間で熱交換をする熱交換手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、二酸化炭素回収装置の圧縮機を、前記パイプラインの二酸化炭素により逆回転させて発電を行うことを特徴とする。
【0019】
また、二酸化炭素取入ラインに前記パイプラインの二酸化炭素により駆動されて発電を行う膨張タービンを設置したことを特徴とする。
【0020】
さらに、酸素製造装置から供給した酸素と燃焼排ガスにより燃料を燃焼する燃焼装置と、燃焼により生成された燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置と、回収された二酸化炭素をプラント外部に移送するパイプラインと、二酸化炭素を前記パイプラインに送る二酸化炭素押出ラインと、前記パイプラインから前記酸素燃焼プラントへ二酸化炭素を導く二酸化炭素取入ラインを有し、前記燃焼装置の排ガスを浄化する排ガス浄化装置と、該排ガス浄化装置で処理されたガスを前記燃焼装置に循環させる排ガス循環ラインを設け、該排ガス循環ラインを前記二酸化炭素取入ラインに接続した酸素燃焼プラントの運転方法において、
前記排ガス浄化装置の下流で前記二酸化炭素取入ラインの接続点よりも上流にガス分岐を設け、該ガス分岐下流に循環ガス流量調整装置と、煙突および煙突流量調整装置を設け、前記排ガス浄化装置の下流に二酸化炭素濃度測定装置を設け、
該二酸化炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも低ければ、循環ガス流量の流量が少なく煙突流量が多くなるように前記循環ガス流量調整装置と煙突流量調整装置を調整し、二酸化炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも高ければ、排ガス循環流量が多く煙突流量が少なくなるように、前記循環ガス流量調整装置と煙突流量調整装置を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、酸素燃焼プラントにおいて、起動時にパイプラインから二酸化炭素を取り入れる二酸化炭素取入ラインを設置することにより、酸素燃焼プラントの起動時間を短縮し、さらに二酸化炭素の排出量を低減できるという従来にない効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る酸素燃焼プラントの構成を示すブロック図である。
【図2A】従来の酸素燃焼プラントの起動時のガス濃度変化を示すグラフである。
【図2B】従来の酸素燃焼プラントの起動時のガス濃度変化を示すグラフである。
【図3A】本発明の酸素燃焼プラントの起動時のガス濃度変化を示すグラフである。
【図3B】本発明の酸素燃焼プラントの起動時のガス濃度変化を示すグラフである。
【図4】本発明実施例2の酸素燃焼発電装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明実施例3の酸素燃焼プラントの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明実施例4、5の二酸化炭素回収装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明実施例6の酸素燃焼プラントの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら説明する。以下の説明において、配管又はラインはプラント内の配管を表しパイプラインはプラントの内外を連通する大容量のパイプを表す。また、配管の上流とは、配管系の高圧側ないしはガス供給側をいい、下流とは配管系の低圧側ないしは被供給側をいうものとする。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明を発電プラントに適用した酸素燃焼プラントの実施例1を示す。酸素燃焼発電プラント18では、酸素燃焼発電装置1に燃料供給装置5から燃料が供給され、酸素製造装置2から酸素が供給される。本発明の発電プラントで使用する燃料に特に制約はないが、石炭、油、ガス、バイオマス燃料などを使用できる。燃料の燃焼には、酸素製造装置2で製造した酸素を主に用い、補助的に空気も使用する。
【0025】
燃料と酸化剤として酸素だけを燃焼させると、燃焼温度が非常に高くなり火炉水壁を損傷する可能性がある。そのために、酸素燃焼では二酸化炭素や水などの別の媒体を混合する。本実施例では、混合ガスライン27から二酸化炭素を酸素燃焼発電装置1に供給する。酸素燃焼発電装置1内部には、酸素と二酸化炭素の濃度を測定するガス濃度測定装置45が設けられている。
【0026】
酸素燃焼発電装置1において、燃焼により得られた熱エネルギーから蒸気を発生させ、図示しない蒸気タービンおよび発電機を駆動して電気エネルギーを得る。酸素燃焼発電装置1で燃焼により発生した排ガスは、ファン6により排ガスライン31を通って排出される。排ガスの主成分は、二酸化炭素、酸素、窒素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物などである。
【0027】
排ガスの流れは、排ガス浄化装置3とバイパス循環ライン28に分岐される。バイパス循環ライン28へのガス流量はダンパー29(流量調整弁)により調整され、排ガス浄化装置3へのガス流量はダンパー30により調整される。排ガスがクリーンな場合は、ダンパー29を開き、ファン32の出力を上げてバイパス循環ライン28の流量を増加する。これにより、経路が長く圧力損失の大きい別系統(排ガス浄化装置3、ガス循環ライン26、混合ガスライン27)の流量を減らすことができ効率が良い。
【0028】
排ガス浄化装置3は、ガスに含まれる有害な物質、例えば硫黄酸化物、窒素酸化物、灰などを除去し分離する。また、排ガス中の水分濃度を下流の機器(二酸化炭素回収装置4、ガス循環ライン26、混合ガスライン27)の要求する値に調整する。ここでは、ガス温度を100℃以下にすることで水分を凝結除去し水分濃度を低くするシステムを用いる。
【0029】
排ガス浄化装置3で浄化された排ガスは、ガス分岐を経由してダンパー9、10により二酸化炭素回収装置4とガス循環ライン26の各々への配分を調整し、酸素燃焼発電装置1が必要とするガス量をガス循環ライン26へ供給する。二酸化炭素回収装置4に供給されなかった排ガスは、ガス循環ライン26を通って混合ガスライン27へ供給され、ファン11を介して酸素燃焼発電装置1に循環供給される。
【0030】
ガス分岐とダンパー10の間には、二酸化炭素濃度測定装置49が設けられている。ここでは、二酸化炭素濃度測定装置49をガス分岐と10の間に設置したが、ガス分岐とダンパー44の間、もしくはガス分岐とダンパー9の間に設けても良い。二酸化炭素濃度測定装置49の測定値が基準値よりも低ければ、二酸化炭素回収装置4への流量を低下させ、逆の場合には増加させる。循環ガス流量は、酸素燃焼発電装置の要求する流量に調整されるので、ガスが余った場合は、ダンパー8を開けて煙突7より排出する。
【0031】
二酸化炭素回収装置4に供給された主成分が二酸化炭素、酸素、窒素などからなる排ガスを、圧縮機を有する二酸化炭素回収装置4で圧縮し、CO2押出ライン22を通じてパイプライン15へ二酸化炭素を送る。二酸化炭素回収装置4では、主に圧縮過程で酸素、窒素などが分離され、二酸化炭素以外は大気に放出される。最終的な二酸化炭素の圧力と温度は、二酸化炭素回収装置4でパイプライン15の指定する値に調整される。パイプライン15の圧力を高くすると体積が減少するので、パイプライン15を流れる流速が同じとすればパイプの径を細くすることができる。パイプライン15は、プラント内外でガスを搬送する大径の管であって、プラントの規模によっては1〜数mの直径を持つものを用いる。
【0032】
パイプライン15には、様々な装置が接続される。CO2発生源としては、同様の種類の酸素燃焼発電プラント18、CO2回収機能つき燃焼装置16、CO2回収機能付き石炭ガス化複合発電17などである。CO2回収機能を有していれば種々の装置をパイプライン15につなぐことができる。パイプライン15に供給された二酸化炭素の一部は、CO2貯留装置19により貯留される。貯留場所としては、地下などが考えられる。また、パイプライン15から遠くに貯留場所がある場合は、CO2充填装置20を介して、二酸化炭素をCO2運搬装置21に充填する。CO2運搬装置21で二酸化炭素を運搬し、適切な場所に二酸化炭素を貯留する。
【0033】
通常、酸素燃焼発電プラント18の起動時には、酸素燃焼発電装置1、排ガスライン31、排ガス浄化装置3、ガス循環ライン26、バイパス循環ライン28、混合ガスライン27に空気が混入しており、これは窒素濃度が高いことを意味する。酸素燃焼発電装置1は酸素と燃料を燃焼しているので、プラントを起動してから時間と共に窒素の濃度は低下し、CO2の濃度が上昇する。
【0034】
起動時に排ガス中に含まれる窒素は、排ガス浄化装置3の煙突7から排出されるか、二酸化炭素回収装置4で取り除かれて煙突33から排出される。窒素が排ガス浄化装置3から排出される場合は、窒素と共に二酸化炭素も放出廃棄されるので、二酸化炭素の回収率が低下する。また、窒素が二酸化炭素回収装置4から排出される場合は、不要な窒素までも圧縮することになりプラントのエネルギー効率が低下する。
【0035】
従来の酸素燃焼プラントにおいては、空気で燃焼した後に酸素で燃焼すると共に、過燃焼防止のためCO2を含む排ガスを循環させるためにCO2濃度が一定になるまでに時間を要する。本発明の特徴は、CO2取入ライン23を設置することで、起動時に二酸化炭素をパイプラインから速やかに取入れて燃焼プラントの起動時間を短縮することである。
【0036】
本発明の酸素燃焼発電プラント18の燃焼起動方法には以下の2種類があり、各々について以下に説明する。
(1)ガス置換起動方法
燃焼の前に、予めプラント内のガスを二酸化炭素と酸素で置換する。CO2取入ライン23の開閉弁12を開き、CO2を酸素燃焼発電プラント18に流す。プラント内の酸素濃度は、燃料の種類や温度により最適な値が変化するが、0%〜30%の程度の間に設定する。この濃度に設定することで、石炭等の燃料が投入されたときに失火したり、爆発したりすることを防ぐ。例えば、燃焼しやすい油や褐炭の場合には酸素濃度を低くし、また、燃えにくい無煙炭の場合は酸素濃度を高くする。
【0037】
酸素濃度を0%に設定するというのは、全てを二酸化炭素で置換することを意味する。この場合に注意しなければならないのは、酸素濃度が低いために燃料を投入したときにバーナ部で火炎が失火する可能性が高くなることで、これを回避するためにバーナに酸素投入ポートを設置するなどして保炎を良くする必要がある。酸素、窒素、CO2濃度を各装置の入口、出口で測定し、ガスの置換が終わった段階で起動手順に入る。
【0038】
置換に使用する二酸化炭素、酸素量を最小にするために、以下のような方法を用いることが有効である。
(方法1):空気取入ライン25のダンパー24、ダンパー10、8を閉じて、ダンパー35、29、30、9、34をあける。開閉弁12を開けて二酸化炭素をプラント内に導く。指定した場所の酸素濃度が指定値になるように酸素の供給量を制御する。
【0039】
または、平均的な濃度の測定が難しい場合は、二酸化炭素の流量を圧力測定装置14aと14bの圧力差から測定し、二酸化炭素の流量と酸素濃度の設定値から酸素流量を決めると良い。プラント内のガスは、全て二酸化炭素回収装置4の煙突33から排出される。排ガス循環ライン28の中のガスを置換するためにファン32を稼動させる。ファン32のガスの流れは順方向でも良いが、逆方向にすると排ガス循環ライン28内のガスを短時間で置換できる。プラント内のガスを短時間に置換するには、循環ラインなどがなくワンスルーであると良い。
(方法2):(方法1)では、ガス循環ライン26の中のガスを置換できない。そこで、初めにダンパー35、9を閉め、ダンパー10、34、44を開く。そして、開閉弁12を開きガス循環ライン26と二酸化炭素回収装置4の内部をCO2で置換する。その後、(方法1)へ移行することで、ガス循環ライン26のガスも置換できる。ガス循環ライン26の体積が大きい場合には(方法2)を選択すると良い。
(方法3):この方法では、CO2取入ライン23をCO2押出ライン22で兼用するため、CO2取入ライン23、開閉弁12は必要ない。ダンパー34、9を閉じ、ダンパー44、10、35、29、30、8を開く。CO2押出ライン22の開閉弁36を開き、二酸化炭素を逆流させる。このときに、二酸化炭素回収装置4の内部を逆流できれば機器を簡素化できる。二酸化炭素回収装置4の内部圧損が大きく逆流が難しい場合は、二酸化炭素回収装置4の内部に逆流用ラインを設けても良い。この場合は二酸化炭素回収装置4内部に置換されないガスが残る。
(方法4):この方法では、ダンパー9、34を閉め、ダンパー44、10、35、29、30、8を開く。次に、二酸化炭素回収装置4の下流に設置した開閉弁36とCO2取入ライン23に設置した開閉弁12を開けて、二酸化炭素を逆流させる。二酸化炭素は、混合ガスライン27、酸素燃焼発電装置1、排ガスライン31、排ガス浄化装置3、煙突7を通って流れる。CO2押出ライン22とCO2取入ライン23の2つの経路で二酸化炭素を取り込むので、短時間でプラント内を二酸化炭素で置換できる。
【0040】
方法1〜4によるガスの置換は、プラントの立ち上げの命令が出てから行っても良いが、プラント立ち上げの前にガスを置換しておいても良く、予めガスの置換をすることで起動時間を短縮することができる。ただし発電プラントが起動しなかった場合は、充填した二酸化炭素がプラント外に漏れ無駄になる可能性がある。
(2)空気燃焼起動方法
酸素製造装置2の起動時間に比べて短時間で発電を開始しなければならない場合には、起動時の燃焼に空気を用いるのが良い。この場合、ダンパー24、30、8を開き、ダンパー9、35を閉じる。二酸化炭素は回収されずに排ガス浄化装置3の煙突7から排出される。
【0041】
回収効率が低くても良い場合は、ダンパー8を閉じて、ダンパー9を開き、二酸化炭素回収装置4へガスを供給し、二酸化炭素を回収する。空気燃焼で負荷100%まで運転することも出来るが、効率的に二酸化炭素を回収できないので低負荷において使用するのが良い。低負荷において、酸素燃焼発電装置1や排ガス浄化装置3を暖めておき、酸素製造装置2が起動したところで負荷を上げることができる。
【0042】
酸素製造装置2が起動し、酸素流量が増加してきたら、以下の方法で酸素燃焼に切り替える。酸素製造装置2から投入する酸素量と、空気取入ライン25から投入する空気に含まれる酸素量を、燃料の供給量と燃料が必要とする酸素量(量論比)から決める。すなわち、酸素流量が増加すると空気流量を減少させる。
【0043】
短時間で空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える(すなわちプラント内の窒素濃度を低くする)ために、以下のようにガスの流れを制御する。ダンパー9、10を閉じ、ダンパー35を開く。開閉弁12を開き、プラント内に二酸化炭素を取入れる。二酸化炭素量は、酸素濃度が決められた範囲内になるように調整する。酸素流量が増加すると空気の流量が低下し、酸素だけで燃焼する条件が存在する。このような条件になった後は、プラント内に窒素は入らないので窒素濃度は低くなり、排ガスライン31の二酸化炭素濃度が高くなる。
【0044】
二酸化炭素濃度が規定の値になった後に、ダンパー8を閉じてダンパー9、10をあける。ガス循環ライン26に高濃度二酸化炭素を含むガスが流れるので、CO2取入ライン23から入る二酸化炭素の流量を低減する。最終的にCO2取入ライン23から入る二酸化炭素が0となりパイプライン15から独立して運転される。
【0045】
パイプライン15は様々な機器が接続されており、酸素燃焼発電プラントにとって最適な状態になっていないことが考えられる。パイプライン15内のガス温度、圧力、組成などが酸素燃焼発電プラントで想定している範囲を超えていると発電プラントが故障する可能性がある。このような場合には、CO2取入ラインから二酸化炭素を取入ないようにする。このために、ガス測定装置13をCO2取入ライン23に設けると良い。ガス測定装置13は、パイプラインから取入れるガスの温度、濃度、成分、灰濃度等を検出する機能を有する。
【0046】
ガス温度が高い場合は、機器が高温になり故障する可能性がある。温度が低い場合は、凍結して開閉弁やダンパーが動かなくなる可能性がある。
【0047】
パイプライン15には本来二酸化炭素が流れているはずであるが、間違って別のガスが流れる可能性があり、このときにも開閉弁12を閉じる必要がある。例えば、酸素濃度の高いガスが流れると燃焼温度が上昇し燃焼装置を焼損する可能性がある。また、硫黄酸化物の濃度が高いガスが流れると腐食する可能性が高くなる。ガスの組成を測定することで、これらの問題を回避することができる。
【0048】
また、パイプライン15内のガスに灰などが含まれている場合には、配管が詰まらないようにするため開閉弁12を閉める必要がある。
【0049】
パイプライン15の圧力が低いと、パイプライン15に酸素燃焼発電装置のガスが逆流する可能性がある。これを防ぐために、CO2取入ライン23に圧力測定装置14a、14bを取り付けると良い。圧力測定装置14aの圧力が圧力測定装置14bよりも低い場合は、開閉弁12を開かないように制御する。また、圧力差が低いときは、二酸化炭素の供給流量が少なくなるので、ファン11の出力を上げることで対応すると良い。
【0050】
図1には、CO2取入ライン23にのみ圧力測定装置14a、14b、温度・濃度測定装置13を設置しているが、CO2押出ライン22で二酸化炭素を逆流させる場合は、同様の測定装置を備え付けると良い。
【0051】
図2A、図2Bは従来例のガス組成シミュレーションを示すグラフである。図2Aはプラント内が空気で満たされている状態から、10%負荷に相当する燃料と酸素を供給して燃焼させた場合の、排ガス浄化装置3出口のガス組成の数値計算結果を示す。また、図2Bは同じく、酸素燃焼発電装置1直前の混合ガスライン27出口におけるガス組成の数値計算結果を示す。
【0052】
計算は、各機器(ガス循環ライン26、混合ガスライン27、酸素燃焼発電装置1、排ガスライン31、排ガス浄化装置3)を1次元のモデルで模擬し、濃度を非定常的に計算した。各機器は3〜5の計算セルに分割した。酸素燃焼発電装置1では燃料と酸化剤が瞬時に燃焼すると仮定した。計算の対象にしたボイラの出力は1000MWである。各機器の体積、断面積を実際のボイラを想定して設定した。各機器のガス温度は固定されており、酸素燃焼発電装置、排ガス浄化装置、ガス循環ライン、混合ガスラインにおいて、夫々1500℃、、300℃、27℃、27℃とした。時間と共に、窒素、酸素濃度は減少し、二酸化炭素濃度は上昇する。太線(○印の集合)で示された窒素濃度が質量分率0.01(1%)以下となる時間は1580秒であった。図2Bは図2Aとほぼ同一であった。
【0053】
図3A、図3Bは、本発明実施例のガス組成シミュレーションを示すグラフである。図3Aは、プラント内が空気で満たされている状態から10%負荷で使用する二酸化炭素と空気を供給した場合の、排ガス浄化装置3の出口のガス組成の計算結果を示す。この結果は、本発明の(方法1)に対応する。計算方法は図2に示したものと同じである。窒素の濃度が1%以下となる時間は810秒であり、数値計算からも短時間でガスを置換できることが確認できた。短時間に起動できることは、煙突7からの二酸化炭素の排出を少なくすることを意味する。図3Bは混合ガスライン出口のガス組成の数値計算結果を示す。酸素、窒素がほぼ0であり、酸素燃焼発電プラント18内のCO2が速やかに置換されたことを示す。
【実施例2】
【0054】
図4に、石炭を燃料とした場合の本発明の実施例2を示す。混合ガスライン27から循環ガス、空気、二酸化炭素の混合物が流れてくる。これに、酸素製造装置2から供給される酸素を混合する。ダンパ107により混合の割合を調整する。混合した後に酸素濃度を測定し、濃度が指定の範囲を外れていたら、酸素燃焼発電プラント18を停止するか、または流量を調整すると良い。例えば、酸素濃度が高すぎると爆発や燃焼温度の上昇による水壁の損傷を発生させるので、酸素濃度を下げる操作をする。また、酸素濃度が低すぎると失火の可能性があるので、酸素濃度を高くする操作をして火炎を安定させる。
【0055】
石炭100(100a〜100d)と1次空気108を燃料供給装置5に供給する。燃料供給装置5では、石炭は細かく粉砕され、1次空気108と共に気流搬送される。酸素濃度が高いと石炭が粉砕中に燃焼する可能性がある。そこで、酸素濃度を測定し、20〜30%以下の濃度になるように酸素燃焼用ダンパ107bを制御する。
【0056】
バーナ102には、燃料供給装置から供給される、石炭を含む1次空気108と2次空気109が供給される。火炉110から排出されるNOxを低減するために、バーナ102からは燃料の完全燃焼に必要な酸素よりも少ない酸素量を供給し、下流に設置したOFA103(オーバファイアリングエアーポート)から空気を追加する二段燃焼法が用いられる。バーナ2次空気とOFA空気流量を調整するために、ダンパ105、ダンパ106が使用される。101は熱交換器である。
【0057】
次に燃焼により発生した熱から蒸気を発生させる仕組みを説明する。ポンプ209から供給された水は節炭器200を通り、火炉の炉底Aへ供給される。水は火炉水壁201を流れながら熱を吸収する。火炉の天井に達した後に蒸気だけ1次過熱器202へ供給される。その後、蒸気は2次過熱器203、3次過熱器204により加熱され、高圧蒸気タービン205へ供給される。さらに、高圧蒸気タービンから出た蒸気は、再熱器206に流れ所定の温度まで昇温されて、中・低圧タービン207へ供給される。中・低圧タービンを出た蒸気は、復水器208で水に戻される。
【0058】
プラント内の窒素を短時間で二酸化炭素に置換するためには、二酸化炭素と酸素の混ざった空気が流れる供給ダクト全てにガスを供給することが重要である。すなわち、起動方法である(方法1)〜(方法4)では、ダンパ104、105、106を開いて、各ダクトにガスが流れるようにすると良い。
【実施例3】
【0059】
図5に、本発明の実施例3である、CO2取入ライン23から導入する二酸化炭素のエネルギーを回収し、プラントのエネルギー効率を向上させる方法の一例を示す。パイプライン15の二酸化炭素は圧力が高く、酸素燃焼発電プラント18に取り込むときには減圧装置46により減圧する。減圧の際に断熱膨張により気体温度が低下する。実施例3では、酸素製造装置2の圧縮機37の冷却にこの低温を利用する。38は凝縮器、39は熱交換機である。圧縮機37は温度が下がると効率が高くなるので、プラント全体の効率を高められる。
【実施例4】
【0060】
図6に、本発明の実施例4である、二酸化炭素回収装置4内でのエネルギー回収方法を示す。パイプライン15の二酸化炭素を二酸化炭素回収装置4を経由して導く場合、開閉弁36を開き、開閉弁40、ダンパー34を閉める。この場合、圧縮機41を逆回転させて、図示しない圧縮機電動機を逆回転させて発電する。
【実施例5】
【0061】
本発明の実施例5は、図6において二酸化炭素回収装置4内でのエネルギー回収方法のもう一つの方法を示す。開閉弁36を閉め、開閉弁40を開き、パイプライン15の高圧二酸化炭素を取入れて膨張させる。このときCO2押出ライン22はCO2取入ラインとしても作動する。断熱膨張により温度低下した二酸化炭素により蓄熱装置を兼用した熱交換器42を低温に保ち、二酸化炭素を圧縮するときに、低温の熱源を使用して圧縮機の効率を高める。
【実施例6】
【0062】
図7に本発明の実施例6を示す。パイプライン15の高圧の二酸化炭素のエネルギーを回収するために、開閉弁12の下流に膨張タービン43を取り付けている。膨張タービン43を二酸化炭素ガスにより回転させて、これにより発電しエネルギーを回収する。
【符号の説明】
【0063】
1・・・ 酸素燃焼発電装置
2・・・ 酸素製造装置
3・・・ 排ガス浄化装置
4・・・ 二酸化炭素回収装置
5・・・ 燃料供給装置
6・・・ ファン
7・・・ 煙突
8・・・ ダンパー
9・・・ ダンパー
10・・・ ダンパー
11・・・ ファン
12・・・ 開閉弁
13・・・ 温度・濃度測定装置
14・・・ 圧力測定装置
15・・・ パイプライン
22・・・ CO2押出ライン
23・・・ CO2取入ライン
24・・・ ダンパー
25・・・ 空気取入ライン
26・・・ ガス循環ライン
27・・・ 混合ガスライン
28・・・ 排ガス循環ライン
29・・・ ダンパー
30・・・ ダンパー
31・・・ 排ガスライン
32・・・ ファン
33・・・ 煙突
34・・・ ダンパー
35・・・ ダンパー
36・・・ 開閉弁
37・・・ 圧縮機
38・・・ 凝縮機
39・・・ 熱交換器
40・・・ 開閉弁
41・・・ 圧縮機
42・・・ 熱交換器
43・・・ 膨張タービン
45・・・ ガス濃度測定装置
46・・・ 減圧装置
49・・・ 二酸化炭素濃度測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素製造装置から供給した酸素と燃焼排ガスにより燃料を燃焼する燃焼装置と、燃焼により生成された燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置と、該二酸化炭素回収装置により回収された二酸化炭素を酸素燃焼プラント外部に移送するパイプラインと、前記燃焼装置と前記パイプラインを接続する配管を有する酸素燃焼プラントにおいて、
前記二酸化炭素回収装置と前記パイプラインの間に、二酸化炭素を前記酸素燃焼プラントから前記パイプラインに送る二酸化炭素押出ラインを設け、前記パイプラインから前記酸素燃焼プラントへ二酸化炭素の一部を還流させる二酸化炭素取入ラインを設けることを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項2】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記燃焼装置が、起動時に前記二酸化炭素取入ラインから供給した二酸化炭素と前記酸素製造装置から供給した酸素の混合ガスで満たされた状態にあることを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項3】
請求項2の酸素燃焼プラントにおいて、前記燃焼装置内に混合ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定装置を設置することを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項4】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記燃焼装置の排ガスを浄化する排ガス浄化装置と、該排ガス浄化装置で処理されたガスを前記燃焼装置に循環させる排ガス循環ラインとを設け、前記二酸化炭素取入ラインに前記排ガス循環ラインを接続することを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項5】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素取入ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁と前記パイプラインの間の前記二酸化炭素取入ラインにパイプライン圧力を測定する圧力測定装置を備えることを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項6】
請求項5に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記開閉弁と前記燃焼装置の間の前記二酸化炭素取入ラインに圧力測定装置を備えることを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項7】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素取入ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁と前記パイプラインの間の前記二酸化炭素取入ラインにガス濃度測定装置を備えることを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項8】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記酸素製造装置は酸素製造時に空気を圧縮する圧縮機を有し、前記パイプラインに接続される二酸化炭素取入ラインに減圧装置を設置し、前記パイプラインから供給される減圧された二酸化炭素を流通する前記二酸化炭素取入ラインと酸素製造装置の圧縮機の間で熱交換を行うことを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項9】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素回収装置に二酸化炭素を圧縮する圧縮機を有し、前記パイプラインと前記圧縮機の間の前記二酸化炭素押出ラインに開閉弁を設置し、該開閉弁下流の前記二酸化炭素押出ラインと前記二酸化炭素回収装置の圧縮機の間で熱交換をする熱交換手段を備えたことを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項10】
請求項9に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素回収装置の圧縮機を、前記パイプラインの二酸化炭素により逆回転させて発電を行うことを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項11】
請求項1に記載の酸素燃焼プラントにおいて、前記二酸化炭素取入ラインに前記パイプラインの二酸化炭素により駆動されて発電を行う膨張タービンを設置したことを特徴とする酸素燃焼プラント。
【請求項12】
酸素製造装置から供給した酸素と燃焼排ガスにより燃料を燃焼する燃焼装置と、燃焼により生成された燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置と、回収された二酸化炭素をプラント外部に移送するパイプラインと、二酸化炭素を前記パイプラインに送る二酸化炭素押出ラインと、前記パイプラインから前記酸素燃焼プラントへ二酸化炭素を導く二酸化炭素取入ラインを有し、前記燃焼装置の排ガスを浄化する排ガス浄化装置と、該排ガス浄化装置で処理されたガスを前記燃焼装置に循環させる排ガス循環ラインを設け、該排ガス循環ラインを前記二酸化炭素取入ラインに接続した酸素燃焼プラントの運転方法において、
前記排ガス浄化装置の下流で前記二酸化炭素取入ラインの接続点よりも上流にガス分岐を設け、該ガス分岐下流に循環ガス流量調整装置と、煙突および煙突流量調整装置を設け、前記排ガス浄化装置の下流に二酸化炭素濃度測定装置を設け、
該二酸化炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも低ければ、循環ガス流量の流量が少なく煙突流量が多くなるように前記循環ガス流量調整装置と煙突流量調整装置を調整し、二酸化炭素濃度測定装置の測定値が基準値よりも高ければ、排ガス循環流量が多く煙突流量が少なくなるように、前記循環ガス流量調整装置と煙突流量調整装置を調整することを特徴とする酸素燃焼プラントの運転方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−38667(P2011−38667A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184645(P2009−184645)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】