説明

重ねレンズ眼鏡

【課題】高(ハイ)カーブレンズを装着する高(ハイ)カーブフレームを使用する事が多いアウトドアー活動やスポーツの際にも、矯正レンズに眩しさ防止の遮光レンズを外れない様にしっかり固定出来るようにする事。
【解決手段】レンズ外側表面側の外周縁が全周にわたり段状突起(16)が設けられ、そして、レンズ内側表面側の外周縁が全周にわたり段落ち(19)となるように加工された主レンズと(10)、該主レンズの外側表面全体に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面を有する副レンズ(30)とを、重ね合わせて、眼鏡のリム(40)の内側に設けられた凹型の段溝(42)に、重ね合わされた前記主レンズ段状突起部と前記副レンズ縁部との両方が密着した状態で挿入嵌合され、そしてリムを閉じる事により両レンズが眼鏡フレームにしっかり固定された重ねレンズ眼鏡。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚以上のレンズを重ねた重ねレンズ眼鏡に関する。好ましくは、アウトドアー活動、スポーツ等で使用される中又は高カーブフレームに対応する中・高カーブレンズ(矯正レンズ)と遮光レンズとの重ねレンズ眼鏡に関し、特に好ましくは高(ハイ)カーブフレーム及びそれに対応する高(ハイ)カーブレンズと高(ハイ)カーブ遮光レンズとの重ねレンズ眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主レンズである矯正レンズを掛けた際の眩しさ除けや、日除けの為に、主レンズ前方に遮光レンズを設ける事は行われてきた。その様な技術としては、例えば、特開平07−128620の様にマグネットで眼鏡フレームにサングラス等の補助レンズフレームを付けた技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平07−128620
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図1に示された上記特開平07−128620の様にサングラスレンズフレームをマグネット等で眼鏡フレームに係止する技術は確かに取り外しには便利であるが、上記した様なアウトドアー活動、スポーツで動き回る際には外れ易くフロント部分が重く、前屈みになるだけで眼鏡がずれて来る事になる。又、従来の一般的な眼鏡に於いても、通常はレンズを保持するのに図2の様にリム1でレンズ縁の薬研2をリムの薬研溝3に嵌め込んで留めているのが殆どである。その為、図3の様なアウトドアー活動向けやスポーツで多く使用されるカーブの大きい高(ハイ)カーブのフレーム11に嵌め込むのに適している図4の様なハイカーブレンズ21の使用に於いては、主レンズを主フレーム薬研溝に薬研をレンズ全周にわたり嵌め込むのは困難である。そして、嵌まった場合でも非常に外れ易く、ましてや、補助フレームや副レンズを付けることは困難であった。それに加えて最近は度付きのハイカーブレンズが多くなってきており、その様な眼鏡に遮光具を付けるのは更に困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に、本発明に於いては、レンズ外側表面の外周縁が全周にわたり段状突起が設けられ、そして、レンズ内側表面の外周縁が全周にわたり段落ちとなるように加工された主レンズと、該主レンズの外側表面全体に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面を有する副レンズとを、重ね合わせて、眼鏡のリムの内側に設けられた凹型の段溝に、重ね合わされた前記主レンズ段状突起部と前記副レンズ縁部との両方が密着した状態で挿入嵌合され、そしてリムを閉じる事により両レンズが眼鏡フレームにしっかり固定された事を特徴とする重ねレンズ眼鏡により解決手段の提供を図った。
【発明の効果】
【0006】
上記手段を採る事により、先ず高(ハイ)カーブフレームに高(ハイ)カーブの矯正用レンズである高(ハイ)カーブの主レンズがしっかり嵌り、更に、高(ハイ)カーブの遮光レンズである高(ハイ)カーブの副レンズが主レンズに密着し、眼鏡の凹型のリムに両方がしっかり保持される事によりガタツキガ無く、余分な留め金具の必要が無く軽く、アウトドアー活動、スポーツを楽しむ事が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】従来図
【図2】従来の一般的な眼鏡リムとレンズの取り付け図
【図3】従来の一般的な高(ハイ)カーブフレームの平面図
【図4】従来の一般的な高(ハイ)カーブレンズの断面図
【図5】本発明に於ける主レンズと副レンズの重ね合わせ前の図
【図6】本発明の一部断面拡大平面図
【図7】本発明の重ねレンズ眼鏡の背面図
【図8】図7のA−A断面拡大図
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
レンズ外側表面側の外周縁が全周にわたり段状突起が設けられ、そして、レンズ内側表面の外周縁が全周にわたり段落ちとなるように加工された主レンズと、該主レンズの外側表面全体に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面を有する副レンズとを、重ね合わせて、眼鏡のリムの内側に設けられた凹型の段溝に、重ね合わされた前記主レンズ段状突起部と前記副レンズ縁部との両方が密着した状態で挿入嵌合され、そしてリムを閉じる事により両レンズが眼鏡フレームにしっかり固定された事を特徴とする重ねレンズ眼鏡。
【実施例1】
【0009】
以下図により実施例を説明する。この実施例では、高(ハイ)カーブ(6〜8カーブ)のレンズを使用した、高(ハイ)カーブフレームにより試作した実施例を基に説明する。勿論本発明に於いては、中カーブのレンズに於いても実施は可能である。上記した様に、図1、図2、図3、図4、は従来図である。図5は、主レンズ10のレンズ外側表面12の外周縁14が全周にわたり、レンズ中心から外側表面に平行に拡散する方向に段状突起16が設けられ、そして、主レンズのレンズ内側表面17の外周縁18が全周にわたり段落ち19となるように加工された主レンズ10と、該主レンズの外側表面全体(この場合段状突起部も含まれる)に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面32を有する副レンズ30との重ね合わせる前の状態であり、そして、図6は、主レンズ10と副レンズ30を重ね合わして高〔ハイ〕カーブフレームのリムに挿入し嵌合した状態の本発明の一部断面要部平面図であり、視界確保の為に大きくカーブした状態でも安定して重ねレンズを保持し、しかも軽く掛け易く、帽子の上に掛けて置く際にも邪魔にならないし気にならない。
【0010】
図7は本発明の重ねレンズ眼鏡の背面図であり、この実施例の場合はリムを分離又は結合する手段はブリッジ部に設けてあるが、これは智又はヨロイ部分であっても勿論構わない。
【0011】
図8は図7のA−A断面拡大図であり、リム40の凹型の段溝42に高(ハイ)カーブの主レンズ(度付き、矯正)10の外周縁の14の段状突起16部と、該主レンズの外側表面全体に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面32を有する高(ハイ)カーブの副レンズ(遮光)30、例えば、サングラスレンズ、偏光レンズ、調光レンズ等、の外周縁34の両方をしっかり嵌合し保持する。最近のサングラスレンズや偏光レンズ等は薄く性能の良い製品があるので、こちらの副レンズの縁は段状突起や段落ち加工をしなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0012】
高(ハイ)カーブレンズの用途を広げ、スポーツ、アウトドアー活動を容易にする。眼鏡産地の活性化にも繋がる。
【符号の説明】
【0013】
10 主レンズ
11 高(ハイ)カーブフレーム
12 主レンズ外側表面
14 主レンズ外側表面外周縁
16 主レンズ外周縁段状突起
17 主レンズ内側表面
18 主レンズ内側表面外周縁
19 主レンズ内側表面外周縁段落ち部
21 従来の高(ハイ)カーブレンズ
30 副レンズ
32 副レンズ裏面
34 副レンズ外周縁
40 リム
42 凹型の段溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ外側表面側の外周縁が全周にわたり段状突起が設けられ、そして、レンズ内側表面側の外周縁が全周にわたり段落ちとなるように加工された主レンズと、該主レンズの外側表面全体に密着する様に主レンズ外側表面と同じ曲率で合同形の裏面を有する副レンズとを、重ね合わせて、眼鏡のリムの内側に設けられた凹型の段溝に、重ね合わされた前記主レンズ段状突起部と前記副レンズ縁部との両方が密着した状態で両レンズ外周縁全周にわたり挿入嵌合され、そしてリムを閉じる事により両レンズが眼鏡フレームにしっかり固定された事を特徴とする重ねレンズ眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−159814(P2012−159814A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32582(P2011−32582)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(595161784)株式会社加藤八 (6)