説明

重畳組成のカットバサミ

【課題】両カットバサミの重畳組成を安定させる重畳組成のカットバサミの提供。
【解決手段】重畳組成のカットバサミは、カットバサミに一連結塊を結合し、その連結塊の第一壁面には係止耳を具えた凸部が伸び、連結塊の第二壁面には係止耳を嵌合する穿孔を設置し、連結塊の内部に弾性部品を設置して一つのカットバサミの係止耳と別のカットバサミの穿孔を嵌合した時、弾性部品が係止耳を押止して、両カットバサミの併設を安定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重畳組成のカットバサミに関するもので、特に二本の相互重畳するカットバサミが安定性を具えるものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、特許文献1と特許文献2の構造概略図であり、カットバサミの重畳組成の構造であり、カットバサミ1の両ハンドル部11、12箇所に各々貫通孔111、121を設置し、各貫通孔111、121内に連結塊13をしっかりと設置する。この連結塊13の一側縁壁には中空の槽口部131を形成する。図2に示すとおり、連結塊13の一側表面には孔槽132を具え、また連結塊13の別側表面には突出して前述の孔槽132と相互に嵌合する係止段133が形成される。各カットバサミのハンドル部11,12に嵌合する連結塊13一側面に形成した孔槽132に、別カットバサミの連結塊13の係止段133が対応し、この二カットバサミ1が相互に組み合わさり、相互に重畳して使用する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,192,590号明細書
【特許文献2】米国特許第6,557,263号明細書
【0004】
上述特許の構造は、数本のカットバサミ1の間に定位して組み合わせて実施し、操作者が数本のカットバサミ1で髪をカットする時、軽く握り、同時に複数本のカットバサミを動かすことができる。このようにして使用者に良好な操作実施を提供する。また、上述の特許は、複数本のカットバサミ1を組み合わせるのに、両カットバサミ1上に連結塊13を設置し、その孔槽132と係止段133によって相互に嵌合して完成する。この種の設置方式だと、長期に操作使用していると、常に摩擦によって材が磨耗し、両連結塊13の間の緊密度が下がる。すると、数本のカットバサミ1を組み合わせて使用している時に二本のカットバサミ1の間の設置が揺れ、使用者が使いにくくなり、更にはヘアーカットの正確さも落ちる点である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、併設した時に安定性を具えた重畳組成のカットバサミを提供することにある。それはカットバサミに連結塊を結合し、その連結塊の一外側面には係止耳を具えた凸部が伸び、連結塊の別一外側面には係止耳を嵌合設置する穿孔が設置される。更に連結塊の内部に弾性部品を設置し、両カットバサミバサミを重畳する時に一つのカットバサミの係止耳を別の一つのカットバサミの穿孔に嵌合した時、弾性部品が係止耳を押止して両カットバサミの重畳組成を安定させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、重畳組成のカットバサミにおいて、
二つの相互に枢設するハサミ部品と、
二つのハサミ部品の内の少なくとも一つのハサミ部品に結合し、第一壁面及び第二壁面を具え、この第一壁面上には最上縁を係止耳とする凸部を設置し、第二壁面には係止耳と対応する穿孔を設置し、その穿孔は槽孔へ延びて設置する連結塊と、
該連結塊の内部に設置し、二つのカットバサミを重畳した時、一つのカットバサミの係止耳は別のカットバサミの穿孔に入り、一つのカットバサミの凸部は別の一つのカットバサミの槽孔内で滑動し、一つのカットバサミの係止耳が別のカットバサミを結合する弾性部品によって押止される弾性部品を含むことを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項2の発明は、請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、少なくとも一つの係止凹部を含み、弾性部品に設置して連結塊の係止耳を掛合することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項3の発明は、請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、納置凹部を含み、弾性部品に設置して、連結塊の係止耳を納置することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項4の発明は、請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、貫通孔を含み、二つの部品の内の少なくとも一つのハサミ部品に設置し、連結塊を結合設置することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項5の発明は、請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、槽口部を含み、連結塊に設置し、弾性部品を設置することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項6の発明は、請求項5記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記連結塊は、その穿孔及び槽孔が槽口部と相互に貫通することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
請求項7の発明は、請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記弾性部品は、シリコン樹脂で製造することを特徴とする重畳組成のカットバサミとしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の重畳組成のカットバサミは、弾性部品の設置により、両カットバサミの重畳組成を安定させるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3に示すとおり、本発明のカットバサミ2は、二つの部品21,22から構成され、且つハサミ部品21,22の枢設点一端にはブレード部が形成される。各ハサミ部品21、22の枢設点の別端にはハンドル部211、221が設置され、このハンドル部211、221の底端は使用者が指を入れるためのリング形状ハンドル212、222を具え、且つ両ハサミ部品21、22のうちの少なくともひとつのハサミ部品21もしくは22に、少なくともひとつの貫通孔213,223を貫設する。
【0009】
カットバサミ2のハサミ部品21、22の貫通孔213、223内に緊密に設置する連結塊3であるが、この連結塊3の両側表面の間に、槽口部31を開設する。連結塊3は第一壁面32及び第二壁面33を具え、連結塊の第一壁面32には凸部321が形成される。図4に示すとおり、この凸部321の最上縁は凸部321の延長方向に対して垂直に係止耳322が伸び、且つその係止耳32と第一壁面32の間に形成した欠切口323の幅は、第二壁面33と槽口部31の間に形成する厚みとほぼ同じで、連結塊3の第二壁面33には係止耳322と対応する穿孔331を設置する。図5に示すとおり、この穿孔331には槽孔332を設置し、且つ槽孔332の幅は凸部321の厚みとほぼ同じで、その穿孔331及び槽孔332は、槽口部31と相互に貫通する。
【0010】
連結塊3の槽口部31内に設置する弾性部品4について、この弾性部品4は、貫通孔213、223に押止して定位する。図6に示すとおり、この弾性部品4は、連結塊3の槽孔332位置に相対し、一つもしくは一つ以上の係止凹部41が形成される(本発明では一つの係止凹部41を形成し、実施例の説明としている)。弾性部品4は別に納置凹部42を形成し、連結塊3の係止耳322に納置する。図7に示すとおりである。
【0011】
図7に示すとおり、一つのカットバサミ2Aに、別の一つのカットバサミ2Bを組み合わせた時、カットバサミ2Aを結合する連結塊3Aの第一壁面32Aと、カットバサミ2Bを結合する連結塊3Bの第二壁面33Bは対立状態となり、カットバサミ2Aを結合する連結塊3Aの係止耳322Aは、カットバサミ2Bを結合する連結塊3Bの穿孔331Bに差し込むことにより、連結塊3Aの係止耳322Aがカットバサミ2Bを結合する弾性部品4Bの納置凹部42B内に納置される。その後、二カットバサミ2A、2Bが相互に移動し、カットバサミ2Aの凸部321Aはカットバサミ2Bの槽孔322A及び槽口部31B内で滑動する。図8に示すとおり、同時にカットバサミ2Aの係止耳322Aを、カットバサミ2Bの連結塊3Bの槽口部31B内で滑動させ、図9に示すとおり、二本のカットバサミ2A、2Bの併設を完成する。また、本発明は、弾性部品の構造実施に於いて、カットバサミ2Aの係止耳322Aがカットバサミ2Bの連結塊3Bの槽口部31B内に嵌合した時、カットバサミ2Bを結合する弾性部品4Bの係止凹部41Bは、カットバサミ2Aの係止耳322Aに対して掛合して定位する。図8に示すとおり、相互に合わさる両連結塊の合わせる空間が大きすぎる時、弾性部品の設置が両カットバサミの併設を安定させ、しっかりと停止させて使いやすくする。
【0012】
更に本発明の弾性部品4は、一つ以上の係止凹部41で実施した場合、数本のカットバサミを併設する箇所によって定位でき、数本のカットバサミが落差を具えて設置する形態となる。
【0013】
本発明の別の実施例は、図10に示すとおり、前述の弾性部品4から係止凹部の設置を排除し、二本のカットバサミ2A、2Bを併設した時、図11に示すとおり、カットバサミ2Aの係止耳322Aがカットバサミ2Bを結合する連結塊3Bの槽口部31B内で移動する時、カットバサミ2Bを結合する弾性部品4Bは常に係止耳322Aに対して弾性停止し、カットバサミ2Aが予定の位置で定位できるようにする。
前述の弾性部品4は、シリコン樹脂、ゴム、プラスチックもしくはその他の材料で製造し、弾性を具える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】公知の構造概略図である。
【図2】図1の両連結塊の立体分解図である。
【図3】本発明の立体分解図である。
【図4】連結塊の槽口部及び第一壁面を表示している図3の連結塊及び弾性部品を時計逆回転90度で回転した立体図である。
【図5】連結塊の槽口部及び第二壁面を表示している図4の連結塊及び弾性部品を時計逆回転90度で回転した立体図である。
【図6】図3の6−6の断面図である。
【図7】本発明の両カットバサミを重畳した断面図である。
【図8】図7の実施完成図である。
【図9】本発明のカットバサミを重畳した外観図である。
【図10】本発明の別の実施例のカットバサミ断面図である。
【図11】本発明の別の実施例の両カットバサミを初期状態で組み合わせた断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 カットバサミ
11 ハンドル部
111 貫通孔
12 ハンドル部
121 貫通孔
13 連結塊
131 槽口部
132 孔槽
133 係止段
2 カットバサミ
21 ハサミ部品
210 ブレード部
211 ハンドル部
212 リング形状ハンドル
213 貫通孔
22 ハサミ部品
220 ブレード部
221 ハンドル部
222 リング形状ハンドル
223 貫通孔
3 連結塊
3A 連結塊
3B 連結塊
31 槽口部
31B 槽口部
32 第一壁面
32A 第一壁面
321 凸部
321A 凸部
322 係止耳
322A 係止耳
323 欠切口
33 第二壁面
33B 第二壁面
331 穿孔
331B 穿孔
332 槽孔
332B 槽孔
4 弾性部品
4B 弾性部品
41 係止凹部
41B 係止凹部
42 納置凹部
42B 納置凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重畳組成のカットバサミにおいて、
二つの相互に枢設するハサミ部品と、
二つのハサミ部品の内の少なくとも一つのハサミ部品に結合し、第一壁面及び第二壁面を具え、この第一壁面上には最上縁を係止耳とする凸部を設置し、第二壁面には係止耳と対応する穿孔を設置し、その穿孔は槽孔へ延びて設置する連結塊と、
該連結塊の内部に設置し、二つのカットバサミを重畳した時、一つのカットバサミの係止耳は別のカットバサミの穿孔に入り、一つのカットバサミの凸部は別の一つのカットバサミの槽孔内で滑動し、一つのカットバサミの係止耳が別のカットバサミを結合する弾性部品によって押止される弾性部品を含むことを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項2】
請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、少なくとも一つの係止凹部を含み、弾性部品に設置して連結塊の係止耳を掛合することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項3】
請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、納置凹部を含み、弾性部品に設置して、連結塊の係止耳を納置することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項4】
請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、貫通孔を含み、二つの部品の内の少なくとも一つのハサミ部品に設置し、連結塊を結合設置することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項5】
請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記カットバサミは、槽口部を含み、連結塊に設置し、弾性部品を設置することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項6】
請求項5記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記連結塊は、その穿孔及び槽孔が槽口部と相互に貫通することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。
【請求項7】
請求項1記載の重畳組成のカットバサミにおいて、前記弾性部品は、シリコン樹脂で製造することを特徴とする重畳組成のカットバサミ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−188173(P2008−188173A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24562(P2007−24562)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(507037275)
【Fターム(参考)】