説明

重要な個別要因を考慮に入れた、要治療患者への薬の投与のための治療関連データを決定するためのシステム

本発明は、複数の血液サンプルを得るために患者から間断無く且つ連続的に血液を採取する、少なくとも1つのサンプリング装置と、採取した血液サンプルの血液値を測定し及び血液値測定データセットを得るための、少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置、及び血液値測定データセット及び任意の追加データセットから治療関連データを計算する、少なくとも1つの計算装置を有する、要治療患者への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定するシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び8の前段部分によれば、複数の血液サンプルを得るために患者から間断無く且つ連続的に血液を採取する、少なくとも1つのサンプリング装置と、採取した血液サンプルの血液値を測定し及び血液値測定データセットを得るための、少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置、及び血液値測定データセット及び任意の追加データセットから治療関連データを計算する、少なくとも1つの計算装置を有する、要治療患者への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、患者、特に集中治療室にいる患者は、薬及び適宜の人工栄養物を1又はそれ以上の供給装置、例えば、静脈内投与又は胃プローブにより供給されている。供給装置は、例えば、以前に測定した患者の血流の血糖値を受けて、患者の血流のインシュリン値を所定のレベル内に維持するためのインシュリン供給装置又は注入ポンプがそれぞれ挙げられる。同様に、栄養物の少なくとも1つの栄養価を直接又は間接に血流に供給する、少なくとも1つの栄養物供給装置が供給手段として患者に与えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の全ての供給装置は、薬及び/又は栄養価の投与システムに統合されたとしても、これまでは、供給するために、医師又はその他の臨床職員による、供給装置の基盤の入力が必要とされ、例えばこの場合、量、供給間隔、間欠供給等が、例えば、インシュリンの次回の供給の基盤として入力される。
【0004】
このようなインシュリン値及び例えば関連する薬パラメータの入力は、この場合、以前に確認した血液値を考慮して、臨床職員の経験に基づいて行われることがしばしばあった。
【0005】
この供給の前には、患者から血液サンプルを採取しておくが、通常これは手作業で行われるため、臨床職員の介入が必要とされる。同様に、供給を実施するため、注入ポンプのような供給装置の入力機能に関する必要な専門知識を有する臨床職員が更に必要とされる。
【0006】
一服の単位を注入ポンプに入れておくことも可能である。しかしながら、これは、投与される薬の有効成分の濃度及び薬剤の種類に関する詳細な考察が必要となる。有効成分の濃度の目安、並びに一服の単位の入力及び提供速度への変換にあたり、以前はもっぱら薬の主な有効成分について考慮に入れていた。唯一の又は主として1つの特定の薬を投与すべき場合には、これで十分であることが多い。この場合も、臨床職員、特に医師の経験値及びデータリストを調べる必要がある。
【0007】
このような注入ポンプシステムは、集中治療が必要とされる患者にしばしば用いられる。この場合、注入ポンプは供給において、間断無く、正確な薬剤の一服の投与を行うという特性を有している。一服という観点から、これらのポンプの最適な調整を行うために、ポンプは、通常、中央制御手段、作動手段及び警告手段を備える一般的な組織化システムに統合される。
【0008】
患者の治療又はセラピーの間、以前の血液測定で決定された血液値のリストは、それぞれ、手動又は電子的形態で表として保存されるが、現時の薬の投与のための薬パラメータの評価は、医師又は臨床職員がこれらのリスト又は表を調べる理由があるときに限り、過去の血液値についての考察が行われる。
【0009】
従って、患者の治療のための薬パラメータ及び治療的データの計算に、これまで使用されてきたシステム及び方法には、過去に測定した値がいつも決まって含まれている訳ではなかった。
【0010】
それ故、本発明の目的は、特に集中治療室の患者の、過去の値を含めた治療関連データの改良された計算に由来する、改良された患者への治療を可能にする、要治療患者への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定するためのシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有するシステム及び請求項8の特徴を有する方法により達成される。
【0012】
本発明の必須の態様は、 要治療患者への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定するシステムであって、
複数の血液サンプルを得るために患者から間断無く且つ連続的に血液を採取する、少なくとも1つのサンプリング装置と、
採取した血液サンプルの血液値を測定し及び血液値測定データセットを得るための、少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置、及び
血液値測定データセット及び任意の追加データセットから治療関連データを計算する1つの計算装置を含み、
患者に関連する少なくとも1つの第1の識別子及び血液サンプルが採取された時に関する時間に関連する1つの第2の識別子が、それぞれの血液サンプル及びそれらに付随するそれぞれの血液値測定データセットに割り当てられる。
第1の評価手段である、治療関連データを計算する計算装置が、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子を、それぞれの血液値測定データセットに同じ第1の識別子及び異なる第2の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データの重み付けを特徴づける。
【0013】
該システムは、好ましくは、治療的データの現時の計算のために測定した血液値だけでなく、過去の血液値も考慮に入れる。そのため、連続的な血液サンプルを得るために、治療期間又は観察期間のそれぞれにおいて、繰り返し患者から血液が採取される。採取される血液サンプルの数は、格別の臨床的症状によって決定される。それぞれの血液サンプルは、ラベル装置により、患者に関連する第1の識別子及び時間に関連する第2の識別子のラベルが貼られる。これは、例えば、少なくとも患者の識別情報及び血液のサンプル時期を示す時刻印が記されたバーコードラベル、データマトリクスコードラベル及び/又は応答機を、血液サンプルを取り上げるための注射器の外側に接着することにより行われる。
【0014】
仮に、それぞれの測定装置において、血液サンプルの測定した血液値から血液値測定データセットが作出され、及びこれがデータセットの形態で計算装置に送られた場合であっても、それぞれ第1及び第2の識別子の割当は維持される。これは、例えば、バーコードラベル及び/又はデータマトリクスコードラベルがバーコードスキャナーで読み取られ、及びそれによって決定された第1及び第2の識別子が電子データとして、血液値の測定後に作出された血液値測定データセットにそれぞれ割り当てられることにより達成される。
【0015】
該第1及び第2の識別子の割当は、複数の測定装置が使用された場合にも、格別の血液サンプルに適切にラベルされることにより、他の血液サンプルと識別可能にすることを確実にする。
【0016】
加えて、特定の測定装置に割り当てられた測定設備に関連する第3の識別子及び測定精度に関連する第4の識別子は、それぞれの測定装置に接続された割当装置によって、測定装置から計算装置に送られるそれぞれの血液値測定データセットに割り当てられる。この結果、特定の血液サンプルの結果物である血液値測定データセットは、第1及び第2の識別子に加え、それぞれの測定器具の識別番号を与える第3の識別子及び使用した測定装置の測定精度を与える第4の識別子を含む。該測定装置は、例えば、電子データで計算装置と関連付けられる。測定装置は、中央研究室または病室に配置されることが考えられる。もちろん、別の方法として、1つの測定装置を、治療期間の全体を通して全ての血液サンプルを測定するために、1人の患者に用いることもできる。
【0017】
血液のサンプル時期に加えて、測定時期も決定され、同様に血液値測定データセットに割り当てられる。同様に、測定装置の品質を反映する、測定装置の種類に関連する識別子、及び測定自体の特徴、例えば、精度といった更なる品質に関することも使用できる。
【0018】
従って、1又はそれ以上の測定装置から計算装置へのデータプロトコルには、少なくとも患者の識別情報、測定時期、サンプル時期、測定装置の識別情報、測定装置の種類、測定の特徴に関する品質、及びそれ自身が測定した値が含まれる。好ましい実施態様によれば、患者の異なる血液値測定データセットの血液値を比較するための比較手段が計算装置内に配置され、及び比較した血液値間の差異を計算するための分化手段が計算装置内に配置される。これは、治療的データの計算のために、測定された血液値の絶対値だけでなく、前に測定した血液サンプルの血液値との関係での差異値又はそれらの相関関係も使用することにより、血液値レベルの長期間の分析を、決定された治療的データに基づく次の段階で行われる治療の基盤として使用することを可能にする。
【0019】
計算装置の記憶手段に記憶される、前の測定における血液値測定データセットを含む、患者特有のデータセットを、それぞれの血液値測定データセットに割り当てるための割当手段が計算装置内に配置される。このように、計算装置への血液値測定データセットの入力と同時に患者識別情報(第1の識別子)を確認した後、及び妥当性に関する血液のサンプル時期に関連する第2の識別子を確認した後、該割当手段は、入ってくる測定データ又は血液値測定データセットそれぞれに、既に記憶されている患者特有のデータセットを割り当てることを可能にする。これには、当該患者の以前の血液値測定データセットの測定結果が含まれる。追加的なデータ、例えば、特定の薬に対する感受性のような患者に関する詳細な情報も任意に含ませることができる。これまでの血液値の経過が主としてこのデータセットに反映される。
【0020】
血液値は、例えば、薬の投与としてのインシュリンの一服のために参照されるグルコース値である。
【0021】
既に述べた通り、計算装置は、関連する血液値又は血液値測定データセットそれぞれを、血液サンプルの採取時及び測定装置の測定精度に関して、これまの経時的な血液値の変化を含めた特定の重み付け因子によって評価する。治療の変更のための提案は次いで計算され、及び薬の投与の提案も同様であり、そのため、特定且つ事前に定めた関連する薬のパラメータが提供される。
【0022】
好ましい実施態様によれば、第2の評価手段により、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子を、それぞれの血液値測定データセットに同じ第1の識別子及び異なる第4の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データの重み付けを特徴づける。これにより、治療データの計算にあたり、特別の数因子を用いることにより、減らした測定装置を考慮しても測定精度を確保することが可能となり、従って、治療の全過程において、血液サンプル毎に、個別の測定装置が異なる測定精度であったとしても、これを選択することができる。これは、次の計算作業において、しかるべく考慮される。
【0023】
前の測定データを考慮した次回の測定時期を調整するための、測定時期決定手段を有することが望ましい。このように、治療データの計算後、これらの治療データの機能として、該測定時期決定装置は次回の測定時期の調整又は患者からの次回の血液のサンプル時期をそれぞれ、同時に調整することができ、且つ該血液サンプル測定も自動化可能である。
【0024】
好ましくは、計算装置は、更に、患者に接続されている医療装置から送られてきた情報及びデータを与えられる。情報及びデータは、例えば、注入ポンプで投与された薬及び薬パラメータであり、従って、薬パラメータ及び現時の治療の薬又は過去の治療が計算作業において考慮される。
【0025】
治療データの決定、治療の提案の作成及び測定時期の決定後、これらは、患者の識別情報、即ち、第1の識別子、及び第2の識別子とともに、デジタルの形態で1又はそれ以上の医療装置、具体的には注入ポンプに送られる。計算装置により治療関連データに基づいて決定された薬パラメータとともに、患者に少なくとも1つの薬を供給するための供給装置、好ましくはインシュリンポンプが提供される。
【0026】
供給装置又はインシュリンポンプは、それぞれ患者関連の識別子及び時間関連の識別子を確認し、確認成功後、新しく計算された治療データから決定された薬パラメータ及び次回の推奨測定時期とともに、薬の投与を可能にする。それに加えて又はそれに代えて、薬パラメータの形態の治療データは、供給装置に表示することもできる。
【0027】
要治療患者への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定する方法であって、
少なくとも1つのサンプリング装置により、複数の血液サンプルを得るために患者から間断無く且つ連続的に血液を採取する工程と、
少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置により、採取した血液サンプルの血液値を測定し及び血液値測定データセットを得る工程、及び
少なくとも1つの計算装置により、血液値測定データセット及び任意の追加データから治療関連データを計算する工程を含み、
患者に関連する少なくとも1つの第1の識別子及び血液サンプルが採取された時に関する時間に関連する1つの第2の識別子が、それぞれの血液サンプル及びそれらに付随するそれぞれの血液値測定データセットに割り当てられ、
第1の評価手段である、治療関連データを計算する計算装置により、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子をそれぞれの血液値測定データセットに同じ第1の識別子及び異なる第2の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データの重み付けを特徴づける工程を有することを特徴とする方法である。
【0028】
計算装置内に配置された割当手段により、計算装置の記憶手段に記憶される、前の測定における血液値測定データセットを含む、患者特有のデータセットが、それぞれの血液値データセットに割り当てられる。
【0029】
計算装置内に配置された比較手段により、患者の異なる血液値測定データの血液値を比較し、及び計算装置内に配置された分化手段により、比較した血液値間の差異を計算する。
【0030】
更に、それぞれの測定装置に接続された割当装置により、特定の測定装置に割り当てられた、測定設備に関連する第3の識別子及び測定精度に関連する第4の識別子を、それぞれの血液値測定データセットに割り当てる。更に好ましい実施形態は、従属する請求項から明らかである。
【0031】
有利な点及び好適な特徴は、図面とともに、以下の説明によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明のシステム全体の概略図を示している。
【図2】図2は、本発明のシステムを詳細に表した図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明によるシステムは、本発明の1つの実施形態として、図1に概略図として示されている。患者1は、例として病院の集中治療室にいる。治療期間の過程で、患者からいずれかの数の血液サンプルNが採取される。これは、2つの参照番号2及び3で示されている。これらの血液サンプルの採取後、第1及び第2の識別子に対応する、時刻印及び患者識別情報がこれらに付与される。
【0034】
採取された血液サンプルは、血液値測定データを測定するために、N測定装置4、5に移動される。この例では、事前に定めた測定精度及び測定装置識別番号を有する測定装置4、5が示されている。
【0035】
測定装置が血液値を測定し、及びそれぞれの血液値測定データセットを作出した後、該血液測定データセットには、それぞれの血液サンプルに由来する患者の識別子の時刻印、測定装置の測定精度に関連する識別子、及び適宜、個別の測定装置に関連する識別子が付与される。参照番号6、7に示されるように、これは次に、提案値としての治療データの計算のために、共通の計算装置9に送られる。
【0036】
該計算装置9は、測定値の通信が、好ましくは無線手段、例えば無線LAN、又は有線手段で行われる、共通のデータ送信ネットワーク8内に配置される。
【0037】
設置装置11もデータ通信ネットワーク内に設けられ、血液サンプルを採取した特定の患者1に対して、薬の投与のための特定の注入ポンプを設置する働きをする。この目的のために、設置装置11は、参照番号10で示されるように、患者の識別番号及び時刻印を含む、決定された治療データの相互通信される患者識別番号を使用することができる。
【0038】
治療データは、次いで提案値として、参照番号12に従い、患者識別番号及び時刻印とともに、例えば、インシュリンポンプのような注入ポンプに送られる。
【0039】
注入ポンプ13は、薬の投与のためのいずれの種類の医療装置でもよい。
【0040】
該注入ポンプ内では、送られた治療データも該患者1に薬剤14として確実に割り当てることを確立するために、時刻印及び患者識別番号の評価が再び行われる。同様に、治療値の特別の薬剤への変換、即ち、例えば、薬パラメータ、が行われる
【0041】
図2は、本発明のシステムをより詳細に表した図を示している。同一又は同等の部分は、少なくとも部分的に同一の参照番号を付与している。
【0042】
患者1は、血液サンプル装置17、18、19及び20により、連続的に又は同時に血液のサンプルを受けている。
【0043】
これらの血液サンプル装置は、いずれにも患者の識別番号及び血液サンプルが何時行なわれたかを示す時刻印が付与される、血液サンプルを作出する。
【0044】
血液サンプルは、次に、測定精度に一定程度の差異を有する及び品質の異なる測定装置4、5、15及び16に送られる。これらの測定器具4、5、15及び16は、同一又は異なる血液値を決定するために使用される。
【0045】
同一の血液値を有する血液値の決定において、複数の測定装置を使用することは、測定した値を相互に比較することで、測定した血液値の正確さを監視するための働きをする。血液値を連続して測定する場合、患者の血液値を異なる位置での測定を可能にするため、異なる測定装置が使用される。
【0046】
測定装置の測定精度及び/又は測定装置の識別番号だけでなく測定装置の品質に関連する識別子とともに、患者識別番号及び時刻印が、特定の測定値21a、21b、21c及び21dに、割当装置21内で割り当てられる。測定装置4、5、15及び16でそれぞれ決定され、及び測定された複数の血液値測定データは、次に、受取手段23で計算装置22に受け取られる。
【0047】
受取手段23は、全ての血液測定データセットを、第1の評価手段26で、時刻印の重み付け、即ち、特定の血液値測定データセットに関連したサンプルの時期、を行う中央制御手段33に送る。
【0048】
第1の評価手段26は、次に、対応する評価因子を制御手段33に送り返す。血液値測定データセットを提供した測定装置の精度に関する重み付けは、第2の評価手段27で確立される。評価手段27で調整された該重み付け因子又は数因子は、直ぐに制御手段33に伝達される。
【0049】
患者の識別情報及び時刻印を妥当性のために確認した後、割当手段24は、入ってきた血液値測定データセットに、これまでの治療過程を反映した、及び記憶手段25内に記憶されている患者特有のデータセットを割り当てる。該患者関連のデータセットは、同様に、第1の評価手段による評価因子の確立のために使用される。
【0050】
比較手段では、以前の血液値測定データセットの値が現時の血液値測定データセットの血液値と比較され、適宜、分化手段29により、これら血液値の差異が確立される。確立された差異は、該差異を考慮するため、及び絶対的な血液値だけでなく、以前に測定した血液値との関係及び差異についても考慮した計算のために、制御手段33に送り返される。
【0051】
治療データの計算完了後、測定及び決定手段30のディスプレイの形態で次回の測定時期が決定され、及び推奨される。
【0052】
計算完了後、治療データとして利用できる全てのデータは、インシュリンポンプなどの医療装置32に、これら治療データを送るために、制御手段33から共通通信手段31に移動される。インシュリンポンプは、治療データ、とりわけ、インシュリンの投与のための薬パラメータから、患者1に推奨される薬剤としてインシュリンを投与するために決定する。
【0053】
従来技術に対して独立して又は組み合わせにより新規である限り、出願書類で開示される全ての特徴は、本発明に必要な事項として請求される。
【符号の説明】
【0054】
1 患者1
2 血液サンプル
3 血液サンプル
4 血液値測定装置
5 血液値測定装置
6 血液値測定データセット
7 血液値測定データセット
8 データ通信ネットワーク
9 計算装置
10 提案値
11 設置装置
12 提案値
13 供給手段
14 薬
15 血液値測定装置
16 血液値測定装置
17 サンプリング装置
18 サンプリング装置
19 サンプリング装置
20 サンプリング装置
21 割当装置
21a−d 血液値測定データセット
22 計算装置
23 受取手段
24 割当手段
25 記憶手段
26 評価手段
27 評価手段
28 比較手段
29 分化決定手段
30 測定時期決定手段
31 通信手段
32 供給手段
33 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要治療患者(1)への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定するシステムであって、
複数の血液サンプル(2、3、17−20)を得るために患者(1)から間断無く且つ連続的に血液を採取する、少なくとも1つのサンプリング装置(17−20)と、
採取した血液サンプル(2、3、17−20)の血液値を測定し及び血液値測定データセット(6、7、21a−d)を得るための、少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置(4、5、15、16)、及び
血液値測定データセット(6、7、21a−d)及び任意の追加データから治療関連データを計算する少なくとも1つの計算装置(22、9)を含み、
患者に関連する少なくとも1つの第1の識別子及び血液サンプル(2、3、17−20)が採取された時に関する時間に関連する1つの第2の識別子が、それぞれの血液サンプル(2、3、17−20)及びそれらに付随するそれぞれの血液値測定データセット(6、7、21a−d)に割り当てられ、
第1の評価手段(26)である、治療関連データを計算する計算装置(22、9)が、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子を、それぞれの血液値測定データセット(6、7、21a−d)に同じ第1の識別子及び異なる第2の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データ(6、7、21a−d)の重み付けを特徴づけることを特徴とするシステム。
【請求項2】
患者(1)の異なる血液値測定データセット(6、7、21a−d)の血液値を比較するための、計算装置(22)内に配置された比較手段(28)、及び比較した血液値間の差異を計算するための、計算装置(22)内に配置された分化手段を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
計算装置(22)の記憶手段(25)に記憶される、前の測定における血液値測定データセットを含む、患者特有のデータセットを、それぞれの血液値測定データセット(6、7、21a−d)に割り当てるための、計算装置(22)内に配置された割当手段(24)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
特定の測定装置(4、5、15、16)に割り当てられた、測定設備に関連する第3の識別子及び測定精度に関連する第4の識別子を、それぞれの血液値測定データセット(21a−d)に割り当てるための、それぞれの測定装置(4、5、15、16)に接続された割当装置(21)を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子を、それぞれの血液値測定データセット(21a−d)に同じ第1の識別子及び異なる第4の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データの重み付けを特徴づける第2の評価装置(27)を有することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
のシステム。
【請求項6】
前の血液値測定データセット(6、7、21a−d)を考慮した次回の測定時期を調整するための、測定時期決定手段(30)を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
計算装置(22)により治療関連データに基づいて決定された薬パラメータとともに、患者(1)に少なくとも1つの薬(14)を供給する、供給装置(13、32)、好ましくはインシュリンポンプを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
要治療患者(1)への少なくとも1つの薬の投与のための治療関連データを決定する方法であって、
少なくとも1つのサンプリング装置(17−20)により、複数の血液サンプル(2、3、17−20)を得るために患者(1)から間断無く且つ連続的に血液を採取する工程と、
少なくとも1つ、好ましくは幾つかの血液値測定装置(4、5、15、16)により、採取した血液サンプル(2、3、17−20)の血液値を測定し及び血液値測定データセット(6、7、21a−d)を得る工程、及び
少なくとも1つの計算装置(22、9)により、血液値測定データセット(6、7、21a−d)及び任意の追加データから治療関連データを計算する工程を含み、
患者に関連する少なくとも1つの第1の識別子及び血液サンプル(2、3、17−20)が採取された時に関する時間に関連する1つの第2の識別子が、それぞれの血液サンプル(2、3、17−20)及びそれらに付随するそれぞれの血液値測定データセット(6、7、21a−d)に割り当てられ、
第1の評価手段(26)である、治療関連データを計算する計算装置(22、9)により、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子をそれぞれの血液値測定データセット(6、7、21a−d)に同じ第1の識別子及び異なる第2の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データ(6、7、21a−d)の重み付けを特徴づける工程を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
計算装置(22)内に配置された割当手段(24)により、計算装置(22)の記憶手段(25)に記憶される、前の測定における血液値測定データセットを含む、患者特有のデータセットを、それぞれの血液値データセット(6、7、21a−d)に割り当てる工程を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
計算装置(22)内に配置された比較手段(28)により、患者(1)の異なる血液値測定データセット(6、7、21a−d)の血液値を比較する工程、及び計算装置(22)内に配置された分化手段(29)により、比較した血液値間の差異を計算する工程を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
それぞれの測定装置(4、5、15、16)に接続された割当装置(21)により、特定の測定装置(4、5、15、16)に割り当てられた、測定設備に関連する第3の識別子及び測定精度に関連する第4の識別子を、それぞれの血液値測定データセット(21a−d)に割り当てる工程、及び第2の評価手段(27)により、少なくとも1つの個別の重み付け係数、好ましくは数因子を、それぞれの血液値測定データセット(21a−d)に同じ第1の識別子及び異なる第4の識別子とともに割り当てることにより、計算作業において血液値測定データの重み付けを特徴づける工程を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−521543(P2013−521543A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554372(P2012−554372)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053243
【国際公開番号】WO2011/107566
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(595141166)ベー.ブラウン メルズンゲン アーゲー (6)
【Fターム(参考)】