説明

重質油改質装置及びその運転方法

【課題】改質装置の改質運転操作を停止した際に、容器内に生成された硬質のカーボンを効率良く除去できるようにする。
【解決手段】高温・高圧条件での水と重油の混合流体を容器へ流入し、滞留させ、比重の重いタール分と、軽質な油に分離し、タールを容器下部より抜き出し、軽質油を容器上部から抜き出す方式の重油改質装置において、容器の周囲を加熱する加熱手段と、容器内に空気または酸素を含む気体を供給するノズルを設けた。改質運転において、タールが局所的に高温に晒される、或いは滞留時間が伸びる等の理由により生成したコークスを、容器周囲に設置した加熱器で加熱し、空気または酸素を含む気体を容器に供給する事により、緩慢に反応させて、気体として除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重油を水と混合させ、重油から不純物を濃縮したタール分と前記タール以外の軽質分とに分離し、比重の重いタールを容器下部より抜き出し、比重の軽い軽質油を上部から抜き出す方式の重油改質装置とその運転方法に関する。特に、改質容器内に生成が懸念される重油のコークキング除去に適した改質装置構造とデコーキング運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重油の改質装置は、特許文献1に示されているように、重油と蒸気を容器内で混合して、水に溶解する軽質油分と、水に不溶なタール分とに分離する構造のものが一般的である。タールは密度が軽質油分よりも小さいために、容器下部に滞留し、バルブの開閉により容器外へ排出される。重油中に含有される重金属等の不純物は、タール中に元々多く含まれているために、タールが選択的に容器下部に滞留、排出されることにより、重油から不純物を除去でき、不純物を含まない軽質油分のみを分離できる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−53962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の重油改質では、容器内に軽質油分とタールを一定時間滞留させていた。しかし、タールが高温に一定時間以上晒された場合には、タールに含まれる分子量の大きな油成分が熱重合し、硬質のカーボンを生成する、所謂コークス化の問題があった。
【0005】
本発明の目的は、改質装置の改質運転操作を停止した際に、容器内に生成された硬質のカーボンを効率良く除去することができるようにした改質装置構造とデコーキング運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高温、高圧条件での重油と水の混合流体が流入し滞留する容器を備え、前記容器内で前記重油から分離された重金属を含むタールを前記容器の下部より抜き出し、前記重油から分離された前記タール以外の相対的に軽質な油を前記容器の上部から抜き出すようにした重油改質装置において、前記容器の周囲を加熱する容器加熱手段と、前記容器内に空気または酸素を含む気体を供給するノズルを備えたことを特徴とする重油改質装置にある。
【0007】
本発明において、前記ノズルは、タールが滞留する領域よりも上部に設ける事が好ましい。
【0008】
また、本発明において、改質運転停止時には前記ノズルをタールが滞留する領域よりも上部に設けると供に、改質装置の運転中には前記ノズルから蒸気を供給できるようにし、且つ蒸気の供給圧力を計測する手段を設けることが好ましい。
【0009】
また、本発明において、空気または酸素を含む気体、若しくは蒸気を容器に供給する際には、コークス粉を混ぜて供給することが好ましい。
【0010】
また、本発明において、容器下部にタールを抜き出す系統とは別のデコーキング用の系統を設ける事は好ましい。
【0011】
本発明は、高温、高圧条件での重油と水の混合流体を容器に流入し滞留させて、前記重油を、重金属を含むタールと前記タール以外の相対的に軽質な油に分離し、前記タールを前記容器の下部より抜き出し、前記軽質な油を前記容器の上部から抜き出すようにした重油改質方法において、改質運転停止時に空気または酸素を含む気体を前記容器に供給し、さらに前記容器の温度を430℃以下に制御するようにしたことを特徴とする重油改質装置の運転方法にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、改質運転において、タールが局所的に高温に晒される、滞留時間が伸びる等の理由により生成したコークスを、容器周囲に設置した加熱器で加熱し、空気または酸素を含む気体を容器に供給する事により、緩慢に反応させて、気体として除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の第一の実施例を示したものである。図1で、1は容器、2はタール到達位置、3はタールにより生成したコークス、4は空気または酸素を含む気体を供給するノズル、5は空気または酸素を含む気体、6はタールの抜き出し系統、7はタール抜き出しバルブ、8は加熱器、9は燃焼ガス、11は改質油抜き出し系統、12は二酸化炭素計、13は水と重油混合流体の供給系統である。
【0015】
図1において、改質装置の通常運転時は、高温・高圧条件での水と重油の混合流体は、水と重油混合流体の供給系統13から容器1へ流入される。容器1内に流入する混合流体の温度、圧力条件を好ましくは亜〜超臨界条件近傍において制御することにより、水と軽質油の混合流体と前記混合流体よりも比重の重いタール分に分離できる。タールは比重差により、タール到達位置2の範囲で容器下部に滞留し、一定温度に晒される。温度が局所的に450℃を超える場合や、それよりも低い温度でも長時間滞留する場合には、タールは硬質のカーボン分からなるコークス3を容器1の下部に堆積する。
【0016】
改質装置を停止後、容器1を周囲に設置した加熱器8により加熱する。加熱後、ノズル4から空気または酸素を含む気体5が供給される。空気または酸素を含む気体5が高温雰囲気でコークス3に接触すると、適切な温度と酸素濃度の条件下では、ごく緩慢にコークスを酸化する反応が生じる。緩慢な酸化反応の元では、所謂燃焼とは異なり、急速な温度上昇を避けることができ、容器1の構造体をなす金属材料の許容耐熱温度を十分に下回ることができる。
【0017】
本実施例では、ノズル4は、特にタール到達位置2の直ぐ上部にとりつけられており、効果的に空気または酸素を含む気体5がコークス3に到達するように構成されている。コークス3と空気または酸素を含む気体5が反応することにより生じた燃焼ガス9は改質油抜き出し系統11から、容器1外へ放出される。その際、燃焼ガス9中の二酸化炭素を改質油抜き出し系統11の途中に設置された二酸化炭素計12により計測する事により、容器1内にコークスが残存しているかを把握できる。すなわち、二酸化炭素が検知されない場合は、容器1内からコークス3が完全に除去されたものと判断できる。
【実施例2】
【0018】
次に、本発明による重油改質装置デコーキングシステムの第二の実施例を図2及び図3によって説明する。なお、図1と同一部分には同一の符号を付した。図2で、14は蒸気供給系統である。図2は、図1と同様に改質装置停止後のデコーキング状態を示す。
【0019】
図2において、改質装置の通常運転時は、高温・高圧条件での水と重油の混合流体は、水と重油混合流体の供給系統13から容器1へ流入される。容器1内に流入する混合流体の温度、圧力条件を好ましくは亜〜超臨界条件近傍において制御することにより、水と軽質油の混合流体と前記混合流体よりも比重の重いタール分に分離できる。タールは比重差により、タール到達位置2の範囲で容器下部に滞留し、一定温度に晒される。温度が局所的に450℃を超える場合や、それよりも低い温度でも長時間滞留する場合には、タールは硬質のカーボン分からなるコークス3を容器1の下部に堆積する。
【0020】
改質装置を停止後、容器1を周囲に設置した加熱器8により加熱する。加熱後、ノズル4から空気または酸素を含む気体5が供給される。空気または酸素を含む気体5が高温雰囲気でコークス3に接触すると、適切な温度と酸素濃度の条件下では、ごく緩慢にコークスを酸化する反応が生じる。緩慢な酸化反応の元では、所謂燃焼とは異なり、急速な温度上昇を避けることができ、容器1の構造体をなす金属材料の許容耐熱温度を十分に下回ることができる。
【0021】
本実施例では、ノズル4は、特にタール到達位置2の直ぐ上部にとりつけられており、効果的に空気または酸素を含む気体5がコークス3に到達するように構成されている。コークス3と空気または酸素を含む気体5が反応することにより生じた燃焼ガス9は改質油抜き出し系統11から、容器1外へ放出される。その際、燃焼ガス9中の二酸化炭素を改質油抜き出し系統11の途中に設置された二酸化炭素計12により計測する事により、容器1内にコークスが残存しているかを把握できる。すなわち、二酸化炭素が検知されない場合は、容器1内からコークス3が完全に除去されたものと判断できる。
【0022】
次いで図3は、図2に示す改質装置において、改質運転をしている場合を示す。図4で、15は蒸気、16は高温・高圧条件での水と重油の混合流体、17は容器上部より流出する軽質油分、18は容器内に滞留する軽質油分、19は改質器下部に滞留したタール液層、20は軽質油中を落下するタール液滴分、21は圧力計である。
【0023】
図3において、高温・高圧条件での水と重油の混合流体16は、容器へ流入される。その際、比重の重い、前記水と重油の混合流体16中のタール液滴分20と軽質油分18から重力他の作用により分離し、タール液滴分20は容器下部に落下、滞留し、タール液層19を形成する。軽質分18は、容器上部から改質油抜き出し系統11により流出する。前記運転中に、ノズル4からは蒸気15が供給される。タール液層19の液位が上昇した場合、蒸気15の供給圧力が上昇する。その圧力変化を圧力計21により、タールの液位変化を計測できる。
【0024】
このように、ノズル4からの供給気体を空気または酸素を含む気体と蒸気に使い分ける事により、運転停止時はデコーキング用気体の供給ノズルとして、改質運転中はタール液位計測手段として使い分けることができる。
【0025】
本発明の第二の実施例によれば、ノズルからの供給気体を空気または酸素を含む気体と蒸気に使い分ける事により、運転停止時はデコーキング用気体の供給ノズルとして、改質運転中はタール液位計測手段として使い分けることができる。
【実施例3】
【0026】
次に、本発明における重油改質装置デコーキングシステムの第三の実施例を図4によって説明する。図1〜3と同一部分には同一の符号を付している。図4で、10は高速ジェット、27はコークス粉供給系統である。
【0027】
図4において、改質装置の通常運転時は、高温・高圧条件での水と重油の混合流体は、水と重油混合流体の供給系統13から容器1へ流入される。容器1内に流入する混合流体の温度、圧力条件を好ましくは亜〜超臨界条件近傍において制御することにより、水と軽質油の混合流体と前記混合流体よりも比重の重いタール分に分離できる。タールは比重差により、タール到達位置2の範囲で容器下部に滞留し、一定温度に晒される。温度が局所的に450℃を超える場合や、それよりも低い温度でも長時間滞留する場合には、タールは硬質のカーボン分からなるコークス3を容器1の下部に堆積する。
【0028】
改質装置を停止後、容器1を周囲に設置した加熱器8により加熱する。加熱後、ノズル4から空気または酸素を含む高速ジェット10がコークス粉と共に供給される。尚、高速ジェット10の流速は30m/s以上が望ましい。空気または酸素を含む気体5が高温雰囲気でコークス3に接触すると、適切な温度と酸素濃度の条件下では、ごく緩慢にコークスを酸化する反応が生じる。緩慢な酸化反応の元では、所謂燃焼とは異なり、急速な温度上昇を避けることができ、容器1の構造体をなす金属材料の許容耐熱温度を十分に下回ることができる。
【0029】
本実施例では、ノズル4は、特にタール到達位置2の直ぐ上部にとりつけられており、効果的に空気または酸素を含む気体5がコークス3に到達するように構成されている。反応により、反応しきれないコークスも脆いカーボン粒子の集合体となり、高速の空気または酸素を含む気体5により、容易に粉砕されるようになる。更に高速の空気または酸素を含む気体5とともにコークス粉を供給することで、反応による除去と固体粒子による粉砕効果により、デコーキング効率を90%以上に向上できる。
【0030】
コークス3と空気または酸素を含む気体5が反応することにより生じた燃焼ガス9は改質油抜き出し系統11から、容器1外へ放出される。その際、燃焼ガス9中の二酸化炭素を改質油抜き出し系統11の途中に設置された二酸化炭素計12により計測する事により、容器1内にコークスが残存しているかを把握できる。
【0031】
また、燃焼ガス9中に含まれるコークス粉を採取し、コークス粉供給系統27から再度供給することにより、コークス粉を容器内に残すこと無く、また新たにコークス粉を生成すること無く、機器信頼性が向上しデコーキングコストを低下できる。
【0032】
更に、空気または酸素を含む気体5をノズル4から供給しコークス3を酸化反応させた後、ノズル4から蒸気等の不活性ガスをコークス粉とともに供給する場合においても、上記と同様の効果が達成できる。
【0033】
本発明の第三の実施例によれば、反応による除去と高速気体、及び高速粉体の粉砕効果により、デコーキング効率を90%以上に向上できる。
【実施例4】
【0034】
次に、本発明における重油改質装置デコーキングシステムの第四の実施例を図5によって説明する。図1〜4と同一の部分には同一の符号を付している。図5で、26はコークス抜き出し系統である。
【0035】
図5において、改質装置の通常運転時は、高温・高圧条件での水と重油の混合流体は、水と重油混合流体の供給系統13から容器1へ流入される。容器1内に流入する混合流体の温度、圧力条件を好ましくは亜〜超臨界条件近傍において制御することにより、水と軽質油の混合流体と前記混合流体よりも比重の重いタール分に分離できる。タールは比重差により、タール到達位置2の範囲で容器下部に滞留し、一定温度に晒される。温度が局所的に450℃を超える場合や、それよりも低い温度でも長時間滞留する場合には、タールは硬質のカーボン分からなるコークス3を容器1の下部に堆積する。
【0036】
改質装置を停止後、容器1を周囲に設置した加熱器8により加熱する。加熱後、ノズル4から空気または酸素を含む高速ジェット10が供給される。空気または酸素を含む気体5が高温雰囲気でコークス3に接触すると、適切な温度と酸素濃度の条件下では、ごく緩慢にコークスを酸化する反応が生じる。緩慢な酸化反応の元では、所謂燃焼とは異なり、急速な温度上昇を避けることができ、容器1の構造体をなす金属材料の許容耐熱温度を十分に下回ることができる。
【0037】
本実施例では、ノズル4は、特にタール到達位置2の直ぐ上部にとりつけられており、効果的に空気または酸素を含む気体5がコークス3に到達するように構成されている。反応により、反応しきれないコークスも脆いカーボン粒子の集合体となり、高速の空気または酸素を含む気体5により、容易に粉砕されるようになる。反応により除去と高速気体の粉砕効果により、デコーキング効率を90%程度に向上できる。
【0038】
コークス3と空気または酸素を含む気体5が反応することにより生じた燃焼ガス9と粉砕されたコークスは、コークス抜き出し系統26から、容器1外へ放出される。その際、燃焼ガス9中の二酸化炭素をコークス抜き出し系統26の途中に設置された二酸化炭素計12により計測する事により、容器1内にコークスが残存しているかを把握できる。すなわち、二酸化炭素が検知されない場合は、容器1内からコークス3が完全に除去されたものと判断できる。同時に、コークス専用のコークス抜き出し系統26を設けることにより、粉砕したコークスが軽質油抜き出し系統11を通過することがないため、改質油抜き出し系統11をコークス粉等により閉塞させることがない。
【0039】
本発明の第四の実施例によれば、容器の温度を430℃以下に制御する事で、コークスの急激な反応を抑制でき、急激なコークスの燃焼による容器へのダメージを防止できる。
【実施例5】
【0040】
次に、本発明における重油改質装置デコーキングシステムの第五の実施例を図6によって説明する。図6は、容器1の温度とコークスのデコーキング効率の関係を示したものである。
【0041】
図6より、容器1の温度を430℃以上に設定し、コークスを空気に晒すと、コークスは急激に反応し、1000℃を超える燃焼状態となる。この場合、容器1の許容耐熱温度を遥かに超える結果となり、容器1の健全性に深刻なダメージを与える可能性がある。これより、容器の温度を430℃以下に制御する事で、コークスの急激な反応を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第一の実施例を示す改質装置概略図である。
【図2】本発明の第二の実施例におけるデコーキング運転状態の改質装置概略図である。
【図3】本発明の第二の実施例における改質運転状態の改質装置概略図である。
【図4】本発明の第三の実施例における改質装置概略図である。
【図5】本発明の第四の実施例における改質装置概略図である。
【図6】コークス反応率と容器加熱温度の関係を示した図である。
【符号の説明】
【0043】
1…容器、2…タール到達位置、3…コークス、4…ノズル、5…空気または酸素を含む気体、6…タール抜き出し系統、7…タール抜き出しバルブ、8…加熱器、9…燃焼ガス、10…高速ジェット、11…改質油抜き出し系統、12…二酸化炭素計、13…水と重油混合流体の供給系統、14…蒸気供給系統、15…蒸気、16…高温・高圧条件での水と重油の混合流体、17…容器上部より流出する軽質油分、18…軽質油分、19…タール液層、20…タール液滴分、21…圧力計、26…コークス抜き出し系統、27…コークス粉供給系統。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温、高圧条件での重油と水の混合流体が流入し滞留する容器を備え、前記容器内で前記重油から分離された重金属を含むタールを前記容器の下部より抜き出し、前記重油から分離された前記タール以外の相対的に軽質な油を前記容器の上部から抜き出すようにした重油改質装置において、前記容器の周囲を加熱する容器加熱手段と、前記容器内に空気または酸素を含む気体を供給するノズルを備えたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ノズルを前記タールが滞留する領域よりも上部に設けたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項3】
請求項1において、前記ノズルを前記タールが滞留する領域よりも上部に設けるとともに、前記ノズルから蒸気が供給できるようにし、さらに前記蒸気の供給圧力を計測する手段を設けて、改質運転停止時には前記ノズルから空気または酸素を含む気体を供給し、改質装置運転中には前記ノズルから蒸気が供給できるようにしたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ノズルから供給される空気または酸素を含む気体にコークス粉体を供給する手段を設けたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項5】
請求項3において、前記ノズルから供給される蒸気にコークス粉体を供給する手段を設けたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、前記容器の下部から前記タールを抜き出す系統とは別のデコーキング用の系統を設けたことを特徴とする重油改質装置。
【請求項7】
高温、高圧条件での重油と水の混合流体を容器に流入し滞留させて、前記重油を、重金属を含むタールと前記タール以外の相対的に軽質な油に分離し、前記タールを前記容器の下部より抜き出し、前記軽質な油を前記容器の上部から抜き出すようにした重油改質方法において、改質運転停止時に空気または酸素を含む気体を前記容器に供給し、さらに前記容器の温度を430℃以下に制御するようにしたことを特徴とする重油改質装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−266518(P2008−266518A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114276(P2007−114276)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)