野鳥飛来防止装置
【課題】高い針状突起を多数立設した野鳥飛来防止装置であっても、嵩張ることなく梱包、運搬できる野鳥飛来防止装置を提供する。
【解決手段】細長の中央ベース1の幅方向の両側に細長の副ベース2、2をヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベース1には高さの低くい低針状突起11を多数立設し、また、前記両側の副ベース2、2には高い高針状突起12を多数立設して、また、前記中央ベース1、両側副ベース2、2、針状突起11、12を合成樹脂材により一体に成形する。
【解決手段】細長の中央ベース1の幅方向の両側に細長の副ベース2、2をヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベース1には高さの低くい低針状突起11を多数立設し、また、前記両側の副ベース2、2には高い高針状突起12を多数立設して、また、前記中央ベース1、両側副ベース2、2、針状突起11、12を合成樹脂材により一体に成形する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野鳥特に鳩がベランダや軒下等に飛来して糞害等を防止するための野鳥飛来防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板状の基板に前後に数列に針状突起を多数立設した野鳥飛来防止装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これは、ベランダの手摺等の上に基板をもって取り付けて針状突起により鳩等の野鳥が手摺に止まれなくしてベランダ内への侵入を防止して糞害を防ぐものである。
【0003】
ところが、前記のような従来の野鳥飛来防止装置は基板に前後に数列に針状突起を多数立設したものであることから、保管、運搬のため梱包する場合に針状突起により嵩張り、梱包、運搬に掛かるコストが高くなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64−49080号公報
【特許文献2】実開平3−112277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記したような問題を解決して、高い針状突起を多数立設した野鳥飛来防止装置であっても、嵩張ることなく梱包、運搬できる野鳥飛来防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決した本発明の野鳥飛来防止装置は、細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースをヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベースには高さの低くい低針状突起を多数立設し、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起を多数立設としたことを特徴とする。
【0007】
そして、前記の発明において、前記中央ベース、両側副ベース、針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成することが好ましい。
【0008】
また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けてもよい。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けてもよいものである。
【0009】
また、前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えたものがより好ましいものである。
【0010】
また、前記中央ベースに多数立設した針状突起と前記両側副ベースに多数立設した針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成してもよいものである。
【0011】
さらに、前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅側の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けることが好ましいものである。
【発明の効果】
【0012】
前記のような本発明に係る野鳥飛来防止装置は、細長の中央ベースと両側の副ベースの下面とをベランダの手摺等の上に支持させて取付金具、取付バンド或いは粘着テープ等で固定して取り付けるものである。そうすれば、前記中央ベースには低針状突起が前記両側の副ベースには高針状突起がそれぞれ多数立設されているので、野鳥は前記低針状突起及び高針状突起により手摺に止まることができずベランダ内に侵入することが無いものである。
【0013】
また、本発明は細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースがヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結したものであるので、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にその断面形状に沿うように副ベースを取り付けることができるものである。また、前記したとおり前記中央ベースに多数立設した低針状突起は高さの低いものであるあるから、保管、運搬する際に包装箱に梱包する場合に両側副ベースを中央ベースに対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねれば、低針状突起は上方にある両側副ベースの間に納まり、また、副ベースに多数立設した高さの高いの高針状突起は倒れて横方向を向いて上下に重ねられ、さらに、副ベースも細長すなわち幅狭いものであるから90度屈曲させた高さは低いので嵩張らず積み重ねて梱包できるものである。
【0014】
また、前記中央ベース、両側副ベース、低針状突起及び高針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成することにより安価に製造できるものである。
【0015】
また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けることにより鳩等の野鳥の翼に該枝状突起が触れるので止まりずらくなるものである。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けることにより凧糸、ナイロン糸等を挿通させて掛け渡すことにより鳩等の野鳥の飛来を防止できるものである。
【0016】
また、前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えたものとすることにより、前記中央ベースと両側副ベースを一体の板状とすることができるので、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にも水平状にも取り付けできるものである。
【0017】
前記中央ベースに多数立設した低針状突起と前記両側副ベースに多数立設した高針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各低針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各低針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成すれば、手摺等に凹段状の下面の高さと同一の厚さの基板に前記抜き孔部から張出するフック部を設けた固定部材を取り付けことにより、フック部が抜け孔の孔縁に係止して本発明の野鳥飛来防止装置を取り付けできるものである。
【0018】
さらには、前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向の両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅方向の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けることにより、本発明の野鳥飛来防止装置を複数を一列状に、又は二列状に、さらには、面状に連結でき、ベランダの手摺上に全面に亘り取り付けできることは勿論、鉄骨構造物の幅広の梁にも全面に亘り取り付けできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態を示す側面図。
【図3】本発明の実施形態を態様を異にして示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態を態様を異にして示す側面図。
【図5】本発明の実施形態を示す縦断側面図。
【図6】本発明の実施形態の保持部の一例を示す図であり、(A)は解除状態の正面図、(B)は保持状態の正面図、(C)は保持状態の一部切欠き側面図。
【図7】断面四角状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図8】断面蒲鉾形状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図9】断面蒲鉾形状手摺への取付状態の他例を示す概略正面図。
【図10】断面円形状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図11】断面円形状手摺への取付状態の他例を示す概略正面図。
【図12】連結部の1例を示す図であり、(A)は連結前の斜視図、(B)は連結状態の斜視図。
【図13】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を横方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図14】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を縦方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図15】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を縦横方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図16】本発明の野鳥飛来防止装置を手摺等に取り付けるため使用する固定部材の1例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図、(D)は断面図。
【図17】図16に示す固定部材により本発明の野鳥飛来防止装置を手摺に取り付け状態を概略正面図。
【図18】本発明の野鳥飛来防止装置を多数梱包した状態の1例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
【0021】
図1-図4において、1は細長の中央ベースであり、該中央ベース1の幅方向の両側には同じく細長の副ベース2、2がヒンジ3により下方に向けて折曲自在に連結してある。そして、前記中央ベース1には高さの低い低針状突起11が多数立設されており、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起21が多数立設されている。また、前記低針状突起11は両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねた場合に、図18に示すように低針状突起11は上方にある両側副ベース2、2の間に納まるものとされている。
【0022】
すなわち、図示のものは具体的には、前記中央ベース1は長さ290mm、幅20mm、厚さ3、5mmであり、また、両側の副ベース2、2は長さ290mm、幅21mm、厚さ3、5mmのものである。そして、前記中央ベース1に多数立設した低針状突起11は高さを副ベース2の幅21mmと後記する該副ベース2の外側幅端部から張出した連結部7の雄部71の差込片71aの長さ6mmの合計27mmより1、5mm高い28、5mmなるものとして、図18に示すように多数を積み重ねた場合に低針状突起11が上方にある下向きに90度屈曲させた両側副ベース2、2の間に納まるものとしている。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起21は高さを130mmなるものとしたものである。
【0023】
このように構成されたものは、細長の中央ベース1と副ベース2、2をベランダの手摺等の上に載置して後記する固定部材6や取付金具、取付バンド或いは粘着テープ等で固定して取り付けるものである。そうすれば、前記中央ベース1には低針状突起11が前記両側の副ベース2には高針状突起12がそれぞれ多数立設されているので、野鳥は前記低針状突起11及び高針状突起12により手摺に止まることができないので、ベランダに侵入することは無いものである。
【0024】
また、本発明は細長の中央ベース1の幅方向の両側に細長の副ベース2、2がヒンジ3により下方に向けて折曲自在に連結したものであるので、手摺100の断面形状が図8に示すように蒲鉾型、図10に示すように円形である場合にその断面形状に沿うように副ベース2、2を取り付けることができるものである。すなわち、細長の中央ベース1、副ベース2、2は幅狭いものであるから蒲鉾型、円形の手摺100の弧面に沿うことができるものである。また、前記低針状突起11は両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねた場合に、図18に示すように低針状突起11は上方にある両側副ベース2、2の間に納まり、また、副ベース2に多数立設した高さの高い高針状突起12は倒れて横方向を向いて上下に重ねられるので嵩張らず積み重ねて梱包できるものである
【0025】
また、前記中央ベース1、両側副ベース2、2、低針状突起11及び高針状突起12を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジ3は前記中央ベース1と両側の副ベース2、2の連結箇所を肉薄部により形成することとしている。図示の実施形態においては、ヒンジ3を形成する肉薄部は前記中央ベース1の下面1aと両側副ベース2、2の下面2a、2aの間に形成して両側副ベース2、2が中央ベース1の下方に向けて折曲自在としている。この場合に両側副ベース2、2の内側となる幅端面に中央ベース1の幅端面に当接するストッパ突起21を設けて該副ベース2、2が中央ベース1と同一面となるようにしてある。
【0026】
これにより、図3、図4に示すような両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させた状態において成形すれば安価に製造できるものである。また、合成樹脂材としてポリプロピレンがヒンジを形成するうえで好ましいがナイロン等の他の合成樹脂材であってもよい。
【0027】
また、両側の副ベース2、2に多数立設した高針状突起12の上方には枝状突起121が設けてある。これにより、鳩等の野鳥の翼に該枝状突起121が触れるので止まりずらくなるものであり、特に枝状突起121を図1―図4に示のように先端を下向にすれば鳩が飛び立つ時に翼を傷つけるのでより効果的である。
【0028】
また、前記枝状突起121は副ベース2の長手方向と平行となるように設けることにより、梱包にも嵩張らず、また、成形も容易となる。
【0029】
さらに、前記両側の副ベース2、2に多数立設した高針状突起12の上方に線材挿通用の小孔122が設けておけば、凧糸、ナイロン糸等をこの小孔122に挿通させて掛け渡すことにより鳩等の野鳥の飛来を防止できるものである。この小孔12は図示のように枝状突起121が設けたものにあっては、該枝状突起121の基端に設けてあり、該小孔12の場所が判り易いものとしている。
【0030】
また、前記中央ベース1と両側副ベース2、2の水平状態を保持させる図6に示す保持部4が備えられている。この保持部4は図1、図3に示すように前記中央ベース1の長手方向の端部の両側に前記両側副ベース2、2に対応させたフック41、41を立設して、該フック41、41に両側副ベース2、2の上面2bの内側端部に立設した係止突起42、42からなるものである。この保持部4は両側副ベース2、2が中央ベース1と水平状態となるときに強制的に係合するものである。これにより、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にも図9及び図11に示すように水平状にも取り付けできるものである。
【0031】
また、前記中央ベース1に多数立設した低針状突起11と前記両側副ベース2、2に多数立設した高針状突起12、12を互い違いになるように配設して、前記中央ベース1の各低針状突起11を立設した箇所の両側から前記両側副ベース2、2の幅方向の中央に亘る抜き孔部5を形成して、さらに、前記中央ベース1の各低針状突起11を立設した各箇所の下面を凹段状に形成している。
【0032】
これにより、図16、図17に示す凹段状の下面の高さと同一の厚さの基板61に前記抜き孔部5から張出するフック部62、62を設けた固定部材6を手摺等に取り付けことにより、前記フック部62、62が抜け孔5の孔縁51、51に係止して本発明の野鳥飛来防止装置を取り付けできるものである。
【0033】
また、前記中央ベース1又は両側副ベース2、2の両端に雄部71、雌部72として係合する連結部7を設けるとともに、両側副ベース2、2の外側端部に対称となるように雄部71、雌部72として係合する連結部7を設けている。
【0034】
前記連結部7は図12に示すように、中央ベース1の長手方向の端部又は副ベース2,2の外側端部から張設した薄板状の差込片71a上に係止突起71bを立設した雄部71と、この雄部と対応する箇所の中央ベース1の端部又は副ベース2、2の外側端部に前記差込片71aが係合する係合凹部72aを設けるとともに該係合凹部72aに前記係止突起71bが嵌合する嵌合凹部72bを設けた雌部72とよりなるものである。
【0035】
前記のような連結部7を設けることにより、図13−図15に示すように本発明の野鳥飛来防止装置を複数を一列状に、又は二列状に、さらには、面状に連結でき、ベランダの手摺上に全面に亘り取り付けできることは勿論、鉄骨構造物の広幅な梁にも全面に亘り取り付けできるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 中央ベース
2 副ベース
3 ヒンジ
4 保持部
5 抜き孔部
7 連結部
11 低針状突起
12 高針状突起
121 枝状突起
122 小孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、野鳥特に鳩がベランダや軒下等に飛来して糞害等を防止するための野鳥飛来防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板状の基板に前後に数列に針状突起を多数立設した野鳥飛来防止装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これは、ベランダの手摺等の上に基板をもって取り付けて針状突起により鳩等の野鳥が手摺に止まれなくしてベランダ内への侵入を防止して糞害を防ぐものである。
【0003】
ところが、前記のような従来の野鳥飛来防止装置は基板に前後に数列に針状突起を多数立設したものであることから、保管、運搬のため梱包する場合に針状突起により嵩張り、梱包、運搬に掛かるコストが高くなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64−49080号公報
【特許文献2】実開平3−112277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記したような問題を解決して、高い針状突起を多数立設した野鳥飛来防止装置であっても、嵩張ることなく梱包、運搬できる野鳥飛来防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決した本発明の野鳥飛来防止装置は、細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースをヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベースには高さの低くい低針状突起を多数立設し、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起を多数立設としたことを特徴とする。
【0007】
そして、前記の発明において、前記中央ベース、両側副ベース、針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成することが好ましい。
【0008】
また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けてもよい。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けてもよいものである。
【0009】
また、前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えたものがより好ましいものである。
【0010】
また、前記中央ベースに多数立設した針状突起と前記両側副ベースに多数立設した針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成してもよいものである。
【0011】
さらに、前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅側の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けることが好ましいものである。
【発明の効果】
【0012】
前記のような本発明に係る野鳥飛来防止装置は、細長の中央ベースと両側の副ベースの下面とをベランダの手摺等の上に支持させて取付金具、取付バンド或いは粘着テープ等で固定して取り付けるものである。そうすれば、前記中央ベースには低針状突起が前記両側の副ベースには高針状突起がそれぞれ多数立設されているので、野鳥は前記低針状突起及び高針状突起により手摺に止まることができずベランダ内に侵入することが無いものである。
【0013】
また、本発明は細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースがヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結したものであるので、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にその断面形状に沿うように副ベースを取り付けることができるものである。また、前記したとおり前記中央ベースに多数立設した低針状突起は高さの低いものであるあるから、保管、運搬する際に包装箱に梱包する場合に両側副ベースを中央ベースに対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねれば、低針状突起は上方にある両側副ベースの間に納まり、また、副ベースに多数立設した高さの高いの高針状突起は倒れて横方向を向いて上下に重ねられ、さらに、副ベースも細長すなわち幅狭いものであるから90度屈曲させた高さは低いので嵩張らず積み重ねて梱包できるものである。
【0014】
また、前記中央ベース、両側副ベース、低針状突起及び高針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成することにより安価に製造できるものである。
【0015】
また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けることにより鳩等の野鳥の翼に該枝状突起が触れるので止まりずらくなるものである。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けることにより凧糸、ナイロン糸等を挿通させて掛け渡すことにより鳩等の野鳥の飛来を防止できるものである。
【0016】
また、前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えたものとすることにより、前記中央ベースと両側副ベースを一体の板状とすることができるので、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にも水平状にも取り付けできるものである。
【0017】
前記中央ベースに多数立設した低針状突起と前記両側副ベースに多数立設した高針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各低針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各低針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成すれば、手摺等に凹段状の下面の高さと同一の厚さの基板に前記抜き孔部から張出するフック部を設けた固定部材を取り付けことにより、フック部が抜け孔の孔縁に係止して本発明の野鳥飛来防止装置を取り付けできるものである。
【0018】
さらには、前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向の両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅方向の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けることにより、本発明の野鳥飛来防止装置を複数を一列状に、又は二列状に、さらには、面状に連結でき、ベランダの手摺上に全面に亘り取り付けできることは勿論、鉄骨構造物の幅広の梁にも全面に亘り取り付けできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態を示す側面図。
【図3】本発明の実施形態を態様を異にして示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態を態様を異にして示す側面図。
【図5】本発明の実施形態を示す縦断側面図。
【図6】本発明の実施形態の保持部の一例を示す図であり、(A)は解除状態の正面図、(B)は保持状態の正面図、(C)は保持状態の一部切欠き側面図。
【図7】断面四角状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図8】断面蒲鉾形状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図9】断面蒲鉾形状手摺への取付状態の他例を示す概略正面図。
【図10】断面円形状手摺への取付状態を示す概略正面図。
【図11】断面円形状手摺への取付状態の他例を示す概略正面図。
【図12】連結部の1例を示す図であり、(A)は連結前の斜視図、(B)は連結状態の斜視図。
【図13】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を横方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図14】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を縦方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図15】本発明の野鳥飛来防止装置の複数を縦横方向に連結した状態を示す概略平面図。
【図16】本発明の野鳥飛来防止装置を手摺等に取り付けるため使用する固定部材の1例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図、(D)は断面図。
【図17】図16に示す固定部材により本発明の野鳥飛来防止装置を手摺に取り付け状態を概略正面図。
【図18】本発明の野鳥飛来防止装置を多数梱包した状態の1例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
【0021】
図1-図4において、1は細長の中央ベースであり、該中央ベース1の幅方向の両側には同じく細長の副ベース2、2がヒンジ3により下方に向けて折曲自在に連結してある。そして、前記中央ベース1には高さの低い低針状突起11が多数立設されており、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起21が多数立設されている。また、前記低針状突起11は両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねた場合に、図18に示すように低針状突起11は上方にある両側副ベース2、2の間に納まるものとされている。
【0022】
すなわち、図示のものは具体的には、前記中央ベース1は長さ290mm、幅20mm、厚さ3、5mmであり、また、両側の副ベース2、2は長さ290mm、幅21mm、厚さ3、5mmのものである。そして、前記中央ベース1に多数立設した低針状突起11は高さを副ベース2の幅21mmと後記する該副ベース2の外側幅端部から張出した連結部7の雄部71の差込片71aの長さ6mmの合計27mmより1、5mm高い28、5mmなるものとして、図18に示すように多数を積み重ねた場合に低針状突起11が上方にある下向きに90度屈曲させた両側副ベース2、2の間に納まるものとしている。また、前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起21は高さを130mmなるものとしたものである。
【0023】
このように構成されたものは、細長の中央ベース1と副ベース2、2をベランダの手摺等の上に載置して後記する固定部材6や取付金具、取付バンド或いは粘着テープ等で固定して取り付けるものである。そうすれば、前記中央ベース1には低針状突起11が前記両側の副ベース2には高針状突起12がそれぞれ多数立設されているので、野鳥は前記低針状突起11及び高針状突起12により手摺に止まることができないので、ベランダに侵入することは無いものである。
【0024】
また、本発明は細長の中央ベース1の幅方向の両側に細長の副ベース2、2がヒンジ3により下方に向けて折曲自在に連結したものであるので、手摺100の断面形状が図8に示すように蒲鉾型、図10に示すように円形である場合にその断面形状に沿うように副ベース2、2を取り付けることができるものである。すなわち、細長の中央ベース1、副ベース2、2は幅狭いものであるから蒲鉾型、円形の手摺100の弧面に沿うことができるものである。また、前記低針状突起11は両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させて多数を積み重ねた場合に、図18に示すように低針状突起11は上方にある両側副ベース2、2の間に納まり、また、副ベース2に多数立設した高さの高い高針状突起12は倒れて横方向を向いて上下に重ねられるので嵩張らず積み重ねて梱包できるものである
【0025】
また、前記中央ベース1、両側副ベース2、2、低針状突起11及び高針状突起12を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジ3は前記中央ベース1と両側の副ベース2、2の連結箇所を肉薄部により形成することとしている。図示の実施形態においては、ヒンジ3を形成する肉薄部は前記中央ベース1の下面1aと両側副ベース2、2の下面2a、2aの間に形成して両側副ベース2、2が中央ベース1の下方に向けて折曲自在としている。この場合に両側副ベース2、2の内側となる幅端面に中央ベース1の幅端面に当接するストッパ突起21を設けて該副ベース2、2が中央ベース1と同一面となるようにしてある。
【0026】
これにより、図3、図4に示すような両側の副ベース2を中央ベース1に対して下向きに90度屈曲させた状態において成形すれば安価に製造できるものである。また、合成樹脂材としてポリプロピレンがヒンジを形成するうえで好ましいがナイロン等の他の合成樹脂材であってもよい。
【0027】
また、両側の副ベース2、2に多数立設した高針状突起12の上方には枝状突起121が設けてある。これにより、鳩等の野鳥の翼に該枝状突起121が触れるので止まりずらくなるものであり、特に枝状突起121を図1―図4に示のように先端を下向にすれば鳩が飛び立つ時に翼を傷つけるのでより効果的である。
【0028】
また、前記枝状突起121は副ベース2の長手方向と平行となるように設けることにより、梱包にも嵩張らず、また、成形も容易となる。
【0029】
さらに、前記両側の副ベース2、2に多数立設した高針状突起12の上方に線材挿通用の小孔122が設けておけば、凧糸、ナイロン糸等をこの小孔122に挿通させて掛け渡すことにより鳩等の野鳥の飛来を防止できるものである。この小孔12は図示のように枝状突起121が設けたものにあっては、該枝状突起121の基端に設けてあり、該小孔12の場所が判り易いものとしている。
【0030】
また、前記中央ベース1と両側副ベース2、2の水平状態を保持させる図6に示す保持部4が備えられている。この保持部4は図1、図3に示すように前記中央ベース1の長手方向の端部の両側に前記両側副ベース2、2に対応させたフック41、41を立設して、該フック41、41に両側副ベース2、2の上面2bの内側端部に立設した係止突起42、42からなるものである。この保持部4は両側副ベース2、2が中央ベース1と水平状態となるときに強制的に係合するものである。これにより、手摺の断面形状が蒲鉾型、円形である場合にも図9及び図11に示すように水平状にも取り付けできるものである。
【0031】
また、前記中央ベース1に多数立設した低針状突起11と前記両側副ベース2、2に多数立設した高針状突起12、12を互い違いになるように配設して、前記中央ベース1の各低針状突起11を立設した箇所の両側から前記両側副ベース2、2の幅方向の中央に亘る抜き孔部5を形成して、さらに、前記中央ベース1の各低針状突起11を立設した各箇所の下面を凹段状に形成している。
【0032】
これにより、図16、図17に示す凹段状の下面の高さと同一の厚さの基板61に前記抜き孔部5から張出するフック部62、62を設けた固定部材6を手摺等に取り付けことにより、前記フック部62、62が抜け孔5の孔縁51、51に係止して本発明の野鳥飛来防止装置を取り付けできるものである。
【0033】
また、前記中央ベース1又は両側副ベース2、2の両端に雄部71、雌部72として係合する連結部7を設けるとともに、両側副ベース2、2の外側端部に対称となるように雄部71、雌部72として係合する連結部7を設けている。
【0034】
前記連結部7は図12に示すように、中央ベース1の長手方向の端部又は副ベース2,2の外側端部から張設した薄板状の差込片71a上に係止突起71bを立設した雄部71と、この雄部と対応する箇所の中央ベース1の端部又は副ベース2、2の外側端部に前記差込片71aが係合する係合凹部72aを設けるとともに該係合凹部72aに前記係止突起71bが嵌合する嵌合凹部72bを設けた雌部72とよりなるものである。
【0035】
前記のような連結部7を設けることにより、図13−図15に示すように本発明の野鳥飛来防止装置を複数を一列状に、又は二列状に、さらには、面状に連結でき、ベランダの手摺上に全面に亘り取り付けできることは勿論、鉄骨構造物の広幅な梁にも全面に亘り取り付けできるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 中央ベース
2 副ベース
3 ヒンジ
4 保持部
5 抜き孔部
7 連結部
11 低針状突起
12 高針状突起
121 枝状突起
122 小孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースをヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベースには高さの低くい低針状突起を多数立設し、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起を多数立設としたことを特徴とする野鳥飛来防止装置。
【請求項2】
前記中央ベース、両側副ベース、針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成した請求項1に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項3】
前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けた請求項1又は2に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項4】
前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けた請求項1又は2又は3に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項5】
前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えた請求項1から請求項4の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項6】
前記中央ベースに多数立設した針状突起と前記両側副ベースに多数立設した針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成した請求項1から請求項5の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項7】
前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅側の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けた請求項1から請求項6の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項1】
細長の中央ベースの幅方向の両側に細長の副ベースをヒンジにより下方に向けて折曲自在に連結して、前記中央ベースには高さの低くい低針状突起を多数立設し、また、前記両側の副ベースには高さの高い高針状突起を多数立設としたことを特徴とする野鳥飛来防止装置。
【請求項2】
前記中央ベース、両側副ベース、針状突起を合成樹脂材により一体に成形して、前記ヒンジは前記中央ベースと両側副ベースの連結箇所を肉薄部により形成した請求項1に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項3】
前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に枝状突起を設けた請求項1又は2に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項4】
前記両側の副ベースに多数立設した高針状突起の上方に糸挿通用の小孔を設けた請求項1又は2又は3に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項5】
前記中央ベースと両側副ベースの水平状態を保持させる保持部を備えた請求項1から請求項4の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項6】
前記中央ベースに多数立設した針状突起と前記両側副ベースに多数立設した針状突起を互い違いになるように配設して、前記中央ベースの各針状突起の両側から前記両側副ベースの幅方向の中央に亘る抜き孔部を形成して、さらに、前記中央ベースの各針状突起を立設した各箇所の下面を凹段状に形成した請求項1から請求項5の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【請求項7】
前記中央ベース又は両側副ベースの長手方向両端に雄部、雌部として係合する連結部を設けるとともに、両側副ベースの幅側の外側端部に対称となるように雄部、雌部として係合する連結部を設けた請求項1から請求項6の何れかの項に記載の野鳥飛来防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−5422(P2012−5422A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144585(P2010−144585)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(596080307)株式会社ノムラテック (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(596080307)株式会社ノムラテック (5)
【Fターム(参考)】
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