説明

金の回収方法

【課題】金皮膜が付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる、金の回収方法を提供する。
【解決手段】シアンを含む剥離液に希硫酸などのpH調整剤を添加してpH5〜8.5の範囲に調整した溶液に、金皮膜が付着したアルミニウム母材を添加して反応を開始した後に、溶液に希硫酸などのpH調整剤を添加してpH5〜8.5の範囲に保持しながら、シアン補充液を溶液に添加して反応させて、溶液中に金を溶解させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金の回収方法に関し、特に、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材から金を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材から金を回収するために、サンドブラストによりアルミニウム母材から金皮膜を物理的に剥離する方法が採ることが多かった。しかし、この方法では、アルミニウム母材が損耗し、金の回収率も低いという問題があった。
【0003】
また、湿式処理により金を回収する方法もあるが、アルミニウムの反応性が非常に高いため、金のみを選択的に溶解させて回収することは難しかった。
【0004】
金のみを選択的に溶解させる方法としては、金または金合金膜のエッチング液としてシアン化カリウムと有機酸化剤の混合液を用いて、アルミニウムを含有する半導体基板の表面にダメージを与えることなく金または金合金膜をエッチングする方法(例えば、特許文献1参照)や、ヨウ素、ヨウ素化合物およびpH緩衝剤を含み、pHが6〜8の範囲のエッチング液を用いて、基板上に形成された金または金を含む合金からなる薄膜をエッチングする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−333911号公報(段落番号0010−0011)
【特許文献2】特開2006−199987号公報(段落番号0008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方法では、エッチング液に有機酸化剤を加える必要があるため、コストがかかり、また、金などの回収が容易でないという問題がある。また、特許文献2の方法では、ヨウ素を除去するための排水処理が必要になるため、コストがかかり、また、金などの回収が容易でないという問題がある。
【0007】
そのため、金皮膜が付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収する方法が望まれている。
【0008】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、金皮膜が付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる、金の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、シアンを含む剥離液をpH5〜8.5の範囲、好ましくはpH7.5〜8.5の範囲に調整した溶液に、金皮膜が付着したアルミニウム母材を添加して反応させて、溶液中に金を溶解させることにより、金皮膜が付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明による金の回収方法は、シアンを含む剥離液をpH5〜8.5の範囲、好ましくはpH7.5〜8.5の範囲に調整した溶液に、金皮膜が付着したアルミニウム母材を添加して反応させて、溶液中に金を溶解させることを特徴とする。この金の回収方法において、剥離液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であるのが好ましい。また、シアンを含む剥離液に希硫酸、硫酸、硝酸、塩酸などのpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に調整するのが好ましい。
【0011】
また、上記の金の回収方法において、反応を開始した後に、溶液をpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に保持しながら、シアン補充液を溶液に添加して反応させるのが好ましい。この場合、シアン補充液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であるのが好ましい。また、溶液に希硫酸、硫酸、硝酸、塩酸などのpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に保持するのが好ましい。さらに、溶液を攪拌しながら反応させるのが好ましい。
【0012】
また、上記の金の回収方法において、金皮膜が付着したアルミニウム母材を溶液に添加して金を溶解させた後に、金皮膜が付着したアルミニウム母材の表面に粘着テープを貼り付けて剥離することにより、アルミニウム母材の表面に残存する金を粘着テープに付着させて回収してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、金皮膜が付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1において処理時間に対する金片の重量と金の溶解速度を示す図である。
【図2】実施例1において処理時間に対するアルミニウム片の重量とアルミニウムの溶解速度を示す図である。
【図3】実施例5〜8においてpHに対する金の溶解速度を示す図である。
【図4】実施例5〜8においてpHに対するアルミニウムの溶解速度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による金の回収方法の実施の形態では、シアンを含む剥離液をpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に調整した溶液に、金皮膜が付着したアルミニウム母材を添加して反応させて、溶液中に金を溶解させる。この金の回収方法において、剥離液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であるのが好ましい。また、シアンを含む剥離液に希硫酸、硫酸、硝酸、塩酸のpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に調整するのが好ましい。
【0016】
また、上記の金の回収方法において、反応を開始した後に、溶液を好ましくはpH5〜8.5の範囲、さらに好ましくはpH7.5〜8.5の範囲に保持しながら、シアン補充液を溶液に添加して反応させる。この場合、シアン補充液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であるのが好ましい。また、溶液に希硫酸、硫酸、硝酸、塩酸などのpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲(好ましくはpH7.5〜8.5の範囲)に保持するのが好ましい。さらに、溶液を攪拌しながら反応させるのが好ましい。
【0017】
金を溶解させるために使用する剥離液は、通常、強アルカリ性であり、このような強アルカリ性の剥離液では、アルミニウムが容易に溶解し過ぎてしまう。一方、酸性の剥離液では、猛毒のシアン化水素ガスが多量に発生してしまう。そのため、剥離液を中性に保つようにしたところ、アルミニウムを殆ど溶解させることなく金を溶解させることができるとともに、金を溶解させた剥離液も通常の剥離液と同様に処理することができ、金の回収率も従来の方法よりも高くすることができることがわかった。
【0018】
また、上記の金の回収方法において、金皮膜が付着したアルミニウム母材を溶液に添加して金を溶解させた後に、金皮膜が付着したアルミニウム母材の表面に粘着テープを貼り付けて剥離することにより、アルミニウム母材の表面に残存する金を粘着テープに付着させて回収してもよい。
【0019】
なお、上記の金の回収方法により金を回収した後のアルミニウム母材は、ターゲットや蒸着治具などに利用することができる。また、上記の金の回収方法では、大気圧下で反応させることができるが、発生するガスを適切に排気可能な装置内で反応させるのが好ましい。
【実施例】
【0020】
以下、本発明による金の回収方法の実施例について詳細に説明する。
【0021】
[実施例1]
まず、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材の代わりの疑似原料として、厚さ0.1mm以下の金の小片と、厚さ1mm以下のアルミニウムの板片(6061合金)を用意した。また、金の剥離液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)0.1gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)0.65gを水100mLに溶解した溶液を用意し、剥離液中のシアンを補充するシアン補充液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)2.3gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)14gを水300mLに溶解した溶液を用意した。
【0022】
次に、用意した剥離液を反応容器(500mLビーカー)に入れ、40℃の恒温になるように温度調節した。この剥離液のpHは11.3であり、pH調整剤として(市販の75%の希硫酸から作製した)5%希硫酸を添加してpH7.1とした。
【0023】
この溶液に、疑似原料として用意した金片6.27gとアルミニウム板片8.80gを同時に投入して反応させた。この反応は、撹拌機により溶液を撹拌しながら行った。
【0024】
この反応が開始した後、剥離液中のシアンを補充するために、用意したシアン補充液を8mL/hの添加速度で溶液に添加するとともに、溶液のpHを6.5〜7.6の範囲に保持するように、用意したpH調整剤を溶液に添加した。
【0025】
この処理を40時間行い、疑似原料の溶解状態を確認するために、反応開始から4時間後、20時間後、28時間後、40時間後にそれぞれの乾燥重量を測定した。
【0026】
その結果、金片の重量は、4時間後で6.26g、20時間後で6.22g、28時間後で6.19g、40時間後で6.15gであった。一方、アルミニウム板片は、4時間後で8.80g、20時間後で8.80g、28時間後で8.80g、40時間後で8.80gであり、変色や損傷もなかった。これらの結果を表1、図1および図2に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
このように、アルミニウム板片の重量は不変で、変色や損傷もなかったことから、実施例の方法により、アルミニウム板片に損傷を与えることなく、金片のみを溶解させることができることがわかった。また、金片を溶解させた水溶液は、金の他に、苛性ソーダとシアン化ソーダと、pH調整剤としての希硫酸を含むだけなので、通常の金の剥離液と同様の処理により、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる。したがって、実施例の方法により、金皮膜が直接付着したアルミニウム母材から、その母材に損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる。
【0029】
[実施例2]
まず、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材として、表面に金57.2gが蒸着した直径430mmの略円盤形のアルミニウム母材913gを用意した。また、金の剥離液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)13gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)82gを水20Lに溶解した溶液を用意し、剥離液中のシアンを補充するシアン補充液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)145gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)890gを水20Lに溶解した溶液を用意した。
【0030】
次に、用意した剥離液を反応槽に入れ、40℃の恒温になるように温度調節した。この剥離液のpHは11.3であり、pH調整剤として(市販の75%の希硫酸から作製した)5%希硫酸を添加してpH7.1とした。
【0031】
この溶液に、用意した金皮膜で被覆されたアルミニウム母材913g投入して反応させた。この反応は、撹拌機により溶液を撹拌しながら行った。この反応が開始した後、剥離液中のシアンを補充するために、用意したシアン補充液を2.4L/hの添加速度で溶液に添加するとともに、溶液のpHを6.9〜7.2の範囲に保持するように、用意したpH調整剤を溶液に添加した。この処理を7.5時間行った後、アルミニウム部材の重量を測定したところ、891.1gであった。したがって、剥離した金の重量および割合は、それぞれ21.9g、38%であり、この時点では、62%(35.3g)の金がアルミニウム母材の表面に残っていた。
【0032】
次に、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材を水洗し、乾燥した後、市販の粘着テープ(株式会社スリオンテック製の布テープ)を金皮膜の表面に貼り付けて剥離することにより、粘着テープの貼り付け面に金を付着させて回収した。この剥離作業後のアルミニウム部材の重量は855.8gであり、残りの殆どの金35.3g(62%)を付着させてほぼ100%の金を回収することができた。この剥離作業は30分程度で終了した。なお、金が付着した粘着テープをそのまま焼成するか、あるいはアルカリ溶解液で処理することにより、金を分離回収することができる。
【0033】
[実施例3]
実施例2と同様の操作を再度行ったところ、溶液中の金の重量は24.2g(42%)、粘着テープに付着させて回収した金の重量は33.0g(58%)であり、ほぼ100%の金を回収することができた。
【0034】
[実施例4]
表面に金63.8gが蒸着したアルミニウム母材を使用した以外は、実施例2と同様の操作を行ったところ、溶液中の金の重量は35.6g(56%)、粘着テープに付着させて回収した金の重量は28.2g(44%)であり、ほぼ100%の金を回収することができた。
【0035】
[実施例5〜8]
まず、金皮膜で被覆されたアルミニウム母材の代わりの疑似原料として、厚さ0.1mm以下の金の小片と、厚さ1mm以下のアルミニウムの板片(6061合金)を用意した。また、金の剥離液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)0.05gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)0.5gを水100mLに溶解した溶液を用意し、剥離液中のシアンを補充するシアン補充液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)0.5gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)4.5gを水100mLに溶解した溶液を用意した。
【0036】
次に、用意した剥離液を反応容器(500mLビーカー)に入れ、40℃の恒温になるように温度調節した。この剥離液のpHは11であり、pH調整剤として(市販の75%の希硫酸から作製した)5%希硫酸を添加してそれぞれpH5.0(実施例5)、5.5(実施例6)、6.0(実施例7)、7.0(実施例8)とした。
【0037】
この溶液に、疑似原料として用意した金片6.20gとアルミニウム板片8.78gを同時に投入して反応させた。この反応は、撹拌機により溶液を撹拌しながら行った。
【0038】
この反応が開始した後、剥離液中のシアンを補充するために、用意したシアン補充液を12.5mL/hの添加速度で溶液に添加するとともに、溶液のpHをそれぞれ5.0±0.3(実施例5)、5.5±0.3(実施例6)、6.0±0.3(実施例7)、7.0±0.3(実施例8)の範囲に保持するように、用意したpH調整剤を溶液に添加した。
【0039】
この処理をそれぞれ8時間行い、疑似原料の溶解状態を確認するために、反応開始から8時間後にそれぞれの乾燥重量を測定した。
【0040】
その結果、金片の重量は、6.09g(実施例5)、6.04g(実施例6)、6.05g(実施例7)、6.02g(実施例8)であった。一方、アルミニウム板片は、8.77g(実施例5)、8.77g(実施例6)、8.78g(実施例7)、8.78g(実施例8)であり、変色や損傷も殆どなかった。これらの結果を表2、図3および図4に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
このように、アルミニウム板片の重量はほぼ不変で、変色や損傷もなかったことから、実施例5〜8の方法により、アルミニウム板片に殆ど損傷を与えることなく、金片のみを溶解させることができることがわかった。また、金片を溶解させた水溶液は、金の他に、苛性ソーダとシアン化ソーダと、pH調整剤としての希硫酸を含むだけなので、通常の金の剥離液と同様の処理により、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる。したがって、実施例5〜8の方法により、金皮膜が直接付着したアルミニウム母材から、その母材に殆ど損傷を与えることなく、簡便且つ安価に高収率で金を回収することができる。
【0043】
[実施例9]
まず、表面に金59.4gが蒸着したアルミニウム(A5052)母材913gを用意した。また、金の剥離液として、苛性ソーダ(市販の99%苛性ソーダフレーク)100gとシアン化ソーダ(市販の97%シアン化ソーダフレーク)900gと酸化剤としてニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム300gを水20Lに溶解した溶液を用意し、この溶液のpHを8.2に保持するようにpH調整剤として(市販の75%の希硫酸から作製した)5%希硫酸を添加した。
【0044】
次に、上記の表面に金が蒸着したアルミニウム母材を反応容器に入れ、上記の金の剥離液にpH調整剤を添加した溶液を40℃の恒温になるように温度調節して、2.4L/hの添加速度で反応容器に導入し、4時間循環させて処理したところ、溶解速度10mg/cm・hで表面の金を全て剥離することができた。なお、アルミニウム母材の溶解はなく、アルミニウム母材の溶解による損耗や変色はなかった。
【0045】
[実施例10]
表面に金57.2gが蒸着したアルミニウム(A5052)母材913gを用意し、pH7を中心に下限pH6.9〜上限pH7.2とし、7.5時間処理した以外は、実施例9と同様の処理を行ったところ、溶解速度2.0mg/cm・hで表面の金21.9g(38%)を剥離することができた。その後、粘着テープおよびブラスト処理により表面の金を全て剥離することができた。なお、アルミニウム母材の溶解はなく、アルミニウム母材の溶解による損耗や変色はなかった。
【0046】
[実施例11]
表面に金63.8gが蒸着したアルミニウム(A5052)母材913gを用意し、pH7を中心に下限pH6.9〜上限pH7.2とし、7.5時間処理した以外は、実施例9と同様の処理を行ったところ、溶解速度3.2mg/cm・hで表面の金35.6g(56%)を剥離することができた。その後、粘着テープおよびブラスト処理により表面の金を全て剥離することができた。なお、アルミニウム母材の溶解はなく、アルミニウム母材の溶解による損耗や変色はなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアンを含む剥離液をpH5〜8.5の範囲に調整した溶液に、金皮膜が付着したアルミニウム母材を添加して反応させて、溶液中に金を溶解させることを特徴とする、金の回収方法。
【請求項2】
前記剥離液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の金の回収方法。
【請求項3】
前記シアンを含む剥離液にpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲に調整することを特徴とする、請求項1または2に記載の金の回収方法。
【請求項4】
前記反応を開始した後に、前記溶液をpH5〜8.5の範囲に保持しながら、シアン補充液を前記溶液に添加して反応させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項5】
前記シアン補充液が苛性ソーダまたは苛性カリとシアン化ソーダまたはシアン化カリとを水に溶解した溶液であることを特徴とする、請求項4に記載の金の回収方法。
【請求項6】
前記溶液にpH調整剤を添加することによりpH5〜8.5の範囲に保持することを特徴とする、請求項4または5に記載の金の回収方法。
【請求項7】
前記pH調整剤が希硫酸、硫酸、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる一種以上の酸であることを特徴とする、請求項3または6に記載の金の回収方法。
【請求項8】
前記溶液を攪拌しながら反応させることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項9】
前記金皮膜が付着したアルミニウム母材を溶液に添加して金を溶解させた後に、前記金皮膜が付着したアルミニウム母材の表面に粘着テープを貼り付けて剥離することにより、アルミニウム母材の表面に残存する金を粘着テープに付着させて回収することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の金の回収方法。
【請求項10】
前期pH5〜8.5の範囲が、pH7.5〜8.5の範囲であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の金の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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