説明

金属シート、管及び類似の形状部材の変形抵抗溶接方法

【解決手段】
シート金属、管及び類似形状物から形成された第1及び第2の部材(10,12)を有する溶接構造は、折り畳みリム(28)を延在させた第1の部材(10)に第2の部材(12)を連結する方法を使用して製造される。リム(28)は該リム内に空気ギャップ(30)を形成する。第1及び第2の部材は、空気ギャップが残されない状態へと該リムを平坦にするのに十分な圧力で第2の部材に該リムを押し付け、抵抗溶接されて連結される。第2の部材及びリムは、密着接合表面(34,36)を各々形成する。空気ギャップは、該表面に略平行に延在する。リム及び第2の部材の密着接合表面は、該表面に垂直方向にリムを介し圧力印加することで押し付けられる。圧力印加の間に第1のレベルの電流が第1及び第2の部材に流され、リムを電気抵抗加熱で柔らかくし、該リムを第2の部材(12)に対抗して変形させる。圧力が維持され、第1レベルの電流よりも高い第2レベルの電流が、リムを少なくとも部分的に溶解して第1及び第2の部材の間に変形抵抗溶接を形成するのに十分な時間、印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冶金技術に係り、より詳しくは、2つの部材を冶金技術で連結するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の金属部材を第2の金属部材に抵抗溶接すること(電気抵抗溶接としても知られている)は、既知の冶金プロセスであり、第1及び第2の部材は、非常に短い時間長で該部材を通して非常に大きい電流を流すことにより、該部材自体の電気抵抗の故に、半溶融又は溶解状態へと加熱され、次に、溶接電流が該部材に亘って印加されている間に、第1及び第2の部材を一緒に押し付けることにより、溶接される。抵抗溶接は、代替のブレーズ溶接又はガス吹管又は電気アークを使用した溶接方法と比較したとき、大体積の製造作業で、かなり信頼性の高い溶接を効率的且つ効果的に提供する点で多数の利点を持っている。
【0003】
2つの連結部材の間の境界面の完全な抵抗溶接を達成するため、これらの部材は、溶接電流が印加されたときに該境界面のところで非常にきっちりと一緒に適合されなければならない。これらの部材をきっちりと合わせる必要性は、シート、管又は類似の形状部材の形態で、又は、部材の形状がかなり簡単な場合でさえも、大体積の製造の場合に薄く壁を形成された金属部材を経済的に抵抗溶接することを非常に困難にさせる。そのような部材は、抵抗溶接されるというよりも典型的にはブレーズ溶接又はアーク溶接される。
【0004】
例えば、過去においては、金属シートを、該シートに所定角度で交差する管に連結する前には、連結されるべき部材同士が合致するエッジ又は表面は、これら部材の間の交差が、良好な溶接連結がなされることを可能にするため溶接前に十分にきっちりと合致するように3次元的輪郭に沿って切削又は処理されなければならなかった。合致するエッジ又は表面を処理するため使用される道具の圧力下で撓む傾向がある薄い壁が形成された部材において、上記のことを達成することは非常に困難となり得る。溶接前に受容可能なほどきっちりとした適合を達成するため部材のエッジを処理する製造コストは、部材それ自身を設計するための技術設計のコスト、及び、きっちりと適合した境界面を達成するように部材を機械加工するため使用される設備のコストと相俟って、望ましくないほど高くなる。
【0005】
部材を機械加工することに関連するコストに加えて、過去においては、部材を所定位置に保持し、境界面に沿って圧力を印加するため、複雑な取り付け部品が必要とされていた。該境界面は、該境界面の抵抗溶接の間には、しばしば3次元的に延在する。
【0006】
アナナンサナラニアンらによる「2つの部材を冶金的に取り付けるための方法」と題された、共有の米国特許出願番号09/969,066号の出願は、2つの環形状部材の間の境界面を、一方の部材が第2の部材の孔に嵌合された状態で、抵抗溶接するための方法を提供しており、該方法は、ここで参照したことにより本願に組み込まれる。一方の部材は、長さ方向軸を有する貫通孔と、第1及び第2の長さ方向端部とを有する貫通孔と、該孔を取り囲む長さ方向に突出するフランジと、を備えている。第2の部材は、横方向に突出する中実の環状リムを備えている。第2の部材は、第1の部材内の孔を通って部分的に配置される。このとき、第1の部材のフランジは第2の部材のリムから突出し、溶接を形成するため電極を通して締め圧力及び電流が印加される。溶接部が形成された後、第2の部材のリムは、貫通孔の第1の長さ方向端部のところで第1の部材に着座されている。第2の部材を第1の部材内の孔に嵌合させ、第1及び第2の部材の間に、締り嵌合又は非締り嵌合のいずれかをもたらすためこの方法を使用することができる。溶接プロセスの間に、横方向に突出する中実の環状リムを長さ方向に圧縮し、長さ方向に突出するフランジを横方向に圧縮するため、電極を使用することができ、それにより第1及び第2の部材の間の境界面のところで高品質の抵抗溶接を作るのに十分にきっちりとした適合を達成することができる。
【0007】
アナナンサナラニアンらに付与されたシリアル番号09/969,066号により開示されたアプローチは、例えば管等の幾つかの管形状部材で良好に働き、上述された問題の多くを軽減する。しかし、非環形状部材の抵抗溶接を可能にすると共に、薄い壁が形成された環形状部材の抵抗溶接を更に容易にするための更なる改善が望まれている。
【特許文献1】米国特許出願シリアル番号09/969,066号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、薄い壁が形成されたシート金属管及び類似の形状の抵抗溶接のための改善された方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、折り畳みリムの内部に空気ギャップを形成する部材の一つに折り畳みリムを利用することにより、薄い壁が形成されたシート金属管及び類似形状の部材の抵抗溶接のための改善された方法を提供する。折り畳みリムは、折り畳みリム内に空気ギャップが実質的に残されない状態まで該折り畳みリムを平坦にするのに十分な圧力下で、他の部材に対して押し付けられ、これらの部材が一緒に溶接される。
【0010】
本願発明の実施により、薄い壁が形成されたシート金属管と類似の形状の部材とは、そのような薄い壁が形成された部材を連結するため従来の方法で要求されたものよりも部材の間の溶接前近接嵌合のための必要性がかなり少なくても溶接することができる。本願発明は、非環状形状の部材に関しても使用することができる。
【0011】
2つの部材のうち第1の部材に形成された折り畳みリムと、第2の部材とは、密着接合表面を形成し、折り畳みリムの内部の空気ギャップは、これらの密着接合表面に略平行に延在する。本方法は、密着接合表面に略垂直な方向に折り畳みリムを通して圧力を印加することにより、折り畳みリムと第2の部材の密着接合表面を互いに対して押し付ける工程を更に備えている。
【0012】
第1及び第2の部材は、互いの間に、密着接合表面と交差し、該表面から延在する、接合部を形成する。本方法は、第1の部材の折り畳みリムを、該折り畳みリムを越えて延在するその一部分を有する第1の電極と係合させ、密着接合表面に略垂直な第1の方向に第1の電極を用いて折り畳みリムに対して圧力を印加する、各工程を更に備えている。第2の部材は、第2の電極と係合され、圧力は、第2の電極を用いて第2の部材に対して第1の方向とは反対方向に印加される。次に、第1及び第2の部材の抵抗加熱のため電極の間に電流が印加され、第1及び第2の部材を抵抗加熱しつつ、第1の電極は、第2の電極に向かって移動され、折り畳みリムを越えて延在する第1の電極の一部分が第2の部材と接触するところまで至る。折り畳みリムを越えて延在する第1の電極の一部分が第2の部材と接触した後、圧力及び電流は印加され続けられ、これにより、接合部の抵抗加熱を続行し、溶解した折り畳みリムからの材料の一部分を、第1及び第2の部材の間の接合部へと流れ込ませ、第1及び第2の部材を一緒に溶接する。
【0013】
第1及び第2の部材を介した圧力及び第1のレベルの電流は、電気抵抗加熱によりリムを柔らかくし該柔らかくされたリムを第2の部材に対抗させて変形させるため、第1の期間に亘って印加され続けられてもよい。折り畳みリムを少なくとも部分的に溶解し、第1及び第2の部材の間の変形抵抗溶接部を形成するのに十分な第2の期間に亘って、第1のレベルの電流よりも高い第2のレベルの電流が印加されてもよい。本方法は、折り畳みリムを実質的に完全に溶解するのに十分な期間に亘って第2のレベルの電流を印加する工程を更に備えている。第1及び第2の部材は、密着接合表面と交差し、該表面から延在する、接合部を形成する。所定圧力及び第2のレベルの電流が、溶解された折り畳みリムからの材料の一部分を接続部内に流れ込ませ、第1及び第2の部材を一緒に溶接するのに十分な期間に亘って維持される。
【0014】
本願発明の前述した特徴及び利点、並びに、他の特徴及び利点は、添付図面と関連付けて次の実施例に関する詳細な説明を読むとき更に明らかとなろう。詳細な説明及び図面は、本願発明の単なる例示にしか過ぎず、これに限定されるものではない。本願発明の範囲は、添付された請求の範囲及びその均等の範囲により画定される。
【実施例】
【0015】
図1A乃至図1Cは、第2の管12の形態にある、第2の薄い壁のシート金属部材を、「変形抵抗溶接」と称するプロセスにより、第1の管10の形態にある、第1の薄い壁シート金属部材に連結するための本願発明の一例としての実施例を順番に表している。
【0016】
第2の管12は、長さ方向軸14と、第2の管12の内側表面16及び外側表面18と、を形成する。第2の管12の、図1乃至3に示された、下側軸端部は、長さ方向軸14に対し略横方向に延在する環形状フランジ20を形成するため外側に形成されている。
【0017】
第1の管10は、内側表面24、外側表面26を有する環状壁22を備え、該環境壁22の一部分は、長さ方向軸14に対し略横方向に、第1の管10の外側表面26から径方向外側に延在する折り畳みリム28を形成するように形成されている。第1の管10の壁22の内側表面24は、折り畳みリム28の内部で空気ギャップ30を形成する。図1乃至3に示されるように、第1の管10の壁22の上側端部は、環形状フランジ20の内部に第2の管12の開放端部へ挿入するため、折り畳みリム28から長さ方向に延在する、その先導部32を備えている。
【0018】
第2の部材10の環形フランジ20の下側表面と、折り畳みリム28の上側表面とは、密着接合した(即ち、合致した)表面34、36を各々形成する。折り畳みリム28内の空気ギャップ30は、第1の管10及び第2の管12を一緒に抵抗溶接する前及び後の両方において、密着接合表面34、36に略平行な方向に延在する。
【0019】
上述され、図1Aに示されるように、第1の管10の先導部32が第2の管12内に挿入され、密着接合表面34、36が互いに接触した状態で、折り畳み28を平坦にするのに十分な圧力の下で、第2の部材12の環状フランジ20に対抗して折り畳みリム28を、図1Bに示されるように、折り畳みリム28内に空気ギャップ30が事実上残されていない状態となるまで押し付け、第1の部材10及び第2の部材12を一緒に抵抗溶接することにより、第1の管10及び第2の管12の間に溶接接合部が形成される。
【0020】
折り畳みリム29を第1の電極38に係合させ、密着接合表面34、36に略垂直な第1の方向に、第1の電極38を用いて折り畳みリム28に対して圧力を印加すると同時に、第2の電極40を用いて第2の部材12の環状フランジ20に係合させ、第1の方向と反対方向にフランジ20に対して圧力を印加することにより、折り畳みリム28は環状フランジ20に対して押し付けられる。電極38、40を通して十分な圧力を印加し、第1及び第2の電極38、40の少なくとも1つを他の電極38、40に向かって移動させることにより折り畳みリム28が平坦化され、それと共に、第1及び第2の部材10、12の間に電流を印加して、密着接合表面34、36のところで、平坦化された折り畳みリム28内の内側表面24の一部分の間に冶金的な結合が形成される温度まで第1及び第2の部材10、12を抵抗加熱することにより、第1及び第2の管10、12を一緒に抵抗溶接する。
【0021】
材料及び接合部の形態によっては、電気抵抗加熱によりリム28を柔らかくし、柔らかくされたリム28を、電極38、40により発揮された圧力の下で、第2の部材12に対して変形させるため、第1の期間に亘って、第1及び第2の部材10、12を通して、所定圧力及び第1のレベルの電流を印加することが有利となる。第1のレベルの電流よりも高い第2のレベルの電流が、折り畳まれたリム28を少なくとも部分的に溶解させ、第1及び第2の部材10、12の間に変形抵抗溶接を形成するのに十分な第2の期間に亘って印加される。
【0022】
第1及び第2の部材10、12の密着接合表面34、36の間に形成された空間は、密着接合表面34、36の間に小さなギャップを提供するため、きっちりとした圧入嵌合又はより緩い嵌合のいずれであってもよい接合部42を部材10、12の間に形成する。接合部42の抵抗溶接のため第2のレベルに維持される時間長さは、特定の接合部にとって望ましい溶解の度合いに依存する。
【0023】
図1Cに示された接合部に関して、第2のレベルにおける圧力及び電流は、折り畳みリム28を事実上完全に溶解するのに十分な時間長さに亘って所定レベルに維持され、折り畳みリム28からの溶解された材料を、第1及び第2の管10、12の間の接合部42へと押し付ける。折り畳みリム28の完全な溶解、及び、溶解した折り畳みリム28から接合部42への材料の流れを容易にするため、第1の電極38は、折り畳みリムを越えて径方向に延在するその一部分44を備え、電極の加圧及び移動が変形抵抗溶接プロセスの間にも続行されるとき、折り畳みリム28を超えて延在する第1の電極38の一部分44が第2の部材12のフランジ20と接触するようにする。第1の電極38が第2の管12と接触した状態に移動されたとき、接合部42の抵抗加熱が続行され、その間に、溶解した折り畳みリム28からの材料の一部分は、接合部42へと押し付けられ、これにより、溶解材料の、第1及び第2の部材10、12の間の接合部42内への溶解材料の流れを容易にし、該第1及び第2の部材を一緒に溶接する。この態様では、溶解材料を、かなり長い接合部42を通って流れさせることができ、接合されるべき部材10、12を、完全で高品質の溶解部が形成されることを確実にするため最適な温度に維持することができる。
【0024】
幾つかの接合部では、密着接合表面34、36と、折り畳みリム28内の第1の要素10の内側表面24とが一緒に抵抗溶接され、その結果、図1Bに表されるように、補強溶接リムを有する接合部を生じさせるように、折り畳みリム28を完全に溶解するのではなく、折り畳みリム28を部分的に溶解するのに十分な長さだけ、圧力及び第2のレベルの電流を維持するのが望ましい。
【0025】
接合部を柔らかくするため第1の期間の間に第1の温度に加熱し、次に、溶接の間に折り畳みリム28を完全に溶解するため第2の期間に亘って第2のレベルの電流で接合部を加熱し続けるのが望ましい場合、折り畳みリム28の成形の間に印加される電流の第1のレベルは、溶接の間に印加される第2のレベルの電流のおおよそ半分であり、第1及び第2の期間は、ほぼ同一期間であり得るということが見出された。成形及び溶接作業のいずれか一方又は両方の間に電流をパルス発信することが幾つかの材料には望ましい。特定の電流レベル及び加熱期間は、勿論、次の例により示されるように、接合部の形状、部材のために使用される材料、部材の物理的形状及び厚さを始めとした因子に依存して変動する。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

当業者は、これまでのところ詳細に説明された一例としての実施例とは異なり、本願発明の範囲内に、本願発明を多数の構成で実施することができることを理解するであろう。例えば、本方法は、上述されたように、図1A乃至図1Cに示される接合部の場合のように同一直線上ではなく、図2に示されるような角度で、端部間を2つの管10、12を連結するため利用することができる。図3に示される接合部では、小さい管10が、大きい管12に溶接され、このとき、より小さい管10の軸44が、より大きい管12の軸14に垂直に配位されている。この種の接続部のために、管10、12の接続部42のところで、密着接合表面34、36の複合した湾曲に対抗して折り畳みリム28を形成する能力は、従来の接合方法で要求される近接許容度のマッチングを無くし、接合部を作るために使用される設備の構成及び作用の両方をかなり簡素化し、有用にすることが認められよう。
【0028】
図4A及び図4Bは、木型接合部を形成するため連結される類似の直径の2つの管10、12を示している。図4A及び図4Bは、本願発明に係る変形抵抗溶接を形成するため、1つの管10上に長円端部を特定成形すると共に、折り畳みリム28と連係して使用される、第2の管12の壁を局所的に平坦にする追加の成形作業を有する接合部の一例も示している。
【0029】
本願発明は、非管状部材を連結するため利用されてもよい。図5は、管50のスロット48内に溶接された、折り畳みリム28を有する平坦な打ち抜き加工材料46を示している。図6は、管54に溶接された折り畳みリム28を有するU字形状チャンネル52を示し、管54は、チャンネル52の端部及び折り畳みリム28を収容するためのノッチ58を備えた、局所的に平坦化された領域56を有する。
【0030】
図7に示されるように、本願発明は、図1A乃至図1Cに表された実施例の先導部32の使用無しに、折り畳みリム28を有する第1の部材60を第2の部材62に突き押し溶接するためにも使用することができる。
【0031】
本願発明は、鋼鉄及びアルミニウムを始めとして、抵抗溶接することができる事実上任意の金属に関して利用することができることは明白であると断言できる。本願発明は、AC溶接設備、又は、いずれかの極性を持つDC溶接設備のいずれかで実施することができる。本願発明は、溶接部の仕上げを容易にするため、密着接合表面上のめっきとして追加される流動材料又は充填材料を使用して、又は、他の形態で実施することができる。
【0032】
以上要約すると、本願発明の実施例は現在のところ好ましいものとみなされるが、様々な変形及び修正を、本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く、なすことができる。本願発明の範囲は、添付された請求の範囲で示されており、均等物の意味及び範囲内の全ての変更及び変形を包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1A乃至図1Cは、本発明の方法による、折り畳まれたリムの使用を通して端部間を同一直線状に連結された2つの管の間の溶接接合部の一例としての実施例を順番に示した断面図である。
【図2】図2は、本願発明の方法による、互いに所定の角度をなして端部間を連結された2つの管の間の溶接接合部の一例としての実施例の断面図である。
【図3】図3は、本願発明の方法による、より小さい管の軸がより大きな管の軸に垂直に配位された状態で、より大きい管に溶接されたより小さい管を示す断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、本願発明の方法による、T形接合を形成するように連結された、直径が近いもの同士の2つの管を示し、追加の成形作業が、本願発明の折り畳まれたリムと連係して、一方の管上で楕円端部を提供し、第2の管の壁を局所的に平坦にするため使用された状態を示している。
【図5】図5は、本願発明に係る、管内のスロットへと溶接された、折り畳みリムを有する平坦な打ち抜きの形態の非管状部材を有する接合部における本願方法の用途を示している。
【図6】図6は、本願発明に係る、折り畳みリムを有するU字形状のチャンネルを示し、該チャンネルが、該チャンネルの端部及び折り畳みリムを収容するためのノッチを備えた局所的に平坦化された領域を有する管に連結された状態を示している。
【図7】図7は、折り畳みリムを有する第1の部材と、第2の部材との間の、本願発明に係る、突き押し溶接接合部を示している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の部材(12)を、折り畳みリム(28)を有する第1の部材(10)に連結するための方法であって、該折り畳みリム(18)は該第1の部材から延在し、且つ、その内部に空気ギャップ(30)を形成しており、
前記方法は、
前記折り畳みリム(28)内に空気ギャップ(30)が実質的に残されない状態まで該折り畳みリム(28)を平坦にするのに十分な圧力下で、該折り畳みリム(28)を前記第2の部材(12)に対して押し付け、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に抵抗溶接する、各工程を備える、方法。
【請求項2】
前記第2の部材(12)及び前記折り畳みリム(28)は、それらの密着接合表面(34,36)を各々形成し、該折り畳みリム(28)は、該密着接合表面(34,36)に略平行に延在するその内部に空気ギャップ(30)を形成し、
前記方法は、
前記密着接合表面(34,36)に略垂直な方向に前記折り畳みリム(28)を介して圧力を印加することにより、該折り畳みリム(28)及び前記第2の部材(12)の前記密着接合表面(34,36)を互いに対して押し付ける工程を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部材(10)の前記折り畳みリム(28)を第1の電極(38)に係合させ、 前記密着接合表面(34、36)に略垂直な第1の方向に前記第1の電極(38)を用いて前記折り畳みリム(28)に対して圧力を印加し、
前記第2の部材(12)を第2の電極(40)に係合させ、前記第1の方向とは反対方向に、前記第2の電極(40)を用いて前記第2の部材(12)に対して圧力を印加し、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に抵抗溶接する間に、前記第1の電極(38)及び前記第2の電極(40)のうち少なくとも1つを他方の電極(38、40)に向かって移動させる、各工程を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)は、前記密着接合表面(34、36)と交差して該表面から延在する接合部(42)を形成し、
前記方法は、
前記第1の部材(10)の前記折り畳みリム(28)を、該折り畳みリム(28)を超えて延在する一部分を有する第1の電極(38)と係合させ、
前記密着接合表面(34、36)に略垂直な第1の方向に、前記第1の電極(38)を用いて前記折り畳みリム(28)に対して圧力を印加し、
前記第2の部材(12)を第2の電極(40)に係合させ、
前記第1の方向とは反対方向に、前記第2の電極(40)を用いて前記第2の部材(12)に対して圧力を印加し、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を抵抗加熱するため前記電極(38、40)の間に電流を印加し、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に抵抗溶接する間に、前記第1の電極(38)を前記第2の電極(40)に向かって、前記折り畳みリム(28)を超えて延在する該第1の電極(38)の前記一部分が前記第2の部材12と接触する位置まで、移動させ、
前記折り畳みリム(28)を超えて延在する前記第1の電極(38)の前記一部分が前記第2の部材12と接触した後にも、圧力及び電流を印加し続け、これにより、前記接合部(42)の抵抗加熱を続行し、溶解した前記折り畳みリム(28)からの前記材料の一部分を、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の間の前記接合部(42)内へと流れさせて、これら第1及び第2の部材を一緒に溶接する、各工程を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
電気抵抗加熱により前記リム(28)を柔らかくするため第1の期間に亘って、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を通して、所定の圧力及び第1のレベルの電流を印加し、柔らかくなった前記リム(28)を前記第2の部材(12)に対抗させて変形させる、各工程を更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記折り畳みリム(28)を少なくとも部分的に溶解し、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の間に変形抵抗溶接部を形成するため十分な第2の期間に亘って前記第1のレベルの電流よりも高い第2のレベルの電流を印加する工程を更に備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記折り畳みリム(28)を実質的に完全に溶解するのに十分な期間に亘って前記第2のレベルの電流を印加する工程を更に備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のレベルの電流は、前記第2のレベルの電流の約半分である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の期間及び前記第2の期間は、実質的に等しい長さの期間である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)は、前記密着接合表面(34、36)と交差して該表面から延在する接合部(42)を形成し、前記圧力及び前記第2のレベルの電流は、溶解した前記折り畳みリム(28)からの材料の一部分が前記接合部(42)内へと流れ込み、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に溶接するのに十分な期間に亘って維持される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の前記接合部(42)は、溶解した前記折り畳みリム(28)からの材料の一部分を収容するため、該第1及び第2の部材の間にギャップを形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記折り畳みリム(28)及び前記第2の部材(12)は、その対応する密着接合表面(34、36)を形成し、
前記方法は、
前記第1の部材(10)の前記折り畳みリム(28)を、該折り畳みリム(28)を超えて延在する一部分を有する第1の電極(38)と係合させ、
前記密着接合表面(34、36)に略垂直な第1の方向に、前記第1の電極(38)を用いて前記折り畳みリム(28)に対して圧力を印加し、
前記第2の部材(12)を第2の電極(40)に係合させ、
前記第1の方向とは反対方向に、前記第2の電極(40)を用いて前記第2の部材(12)に対して圧力を印加し、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を抵抗加熱するため前記電極(38、40)の間に電流を印加し、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に抵抗溶接する間に、前記第1の電極(38)を前記第2の電極(40)に向かって、前記折り畳みリム(28)を超えて延在する該第1の電極(38)の前記一部分が前記第2の部材12と接触する位置まで、移動させ、
前記折り畳みリム(28)を超えて延在する前記第1の電極(38)の前記一部分が前記第2の部材12と接触した後にも、圧力及び電流を印加し続け、これにより、前記接合部(42)の抵抗加熱を続行し、溶解した前記折り畳みリム(28)からの前記材料の一部分を、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の間の前記接合部(42)内へと流れさせて、これら第1及び第2の部材を一緒に溶接する、各工程を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の少なくとも1つは、管状断面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)のいずれも、管状断面を有していない、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の部材(12)は、前記第1の部材(10)の一部分を収容するため内部に開口部を形成した壁を備え、前記第1の部材106は、前記第2の部材12の前記開口部に挿入するための、前記折り畳みリム(28)から延在する部分を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の部材(12)の壁に形成された前記開口部は、前記折り畳みリム(28)により形成された平面に略垂直に延在する長さ方向軸を有する貫通孔であり、該貫通孔は、第1及び第2の長さ方向端部を更に有し、該第1の長さ方向端部は前記第1の部材(10)の前記折り畳みリム(28)に隣接して配置されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
変形抵抗加熱により第1の部材(10)に第2の部材(12)を連結するための方法であって、
前記第2の部材(12)の対応する密着接合表面(34)に略合致するように輪郭形状が定められた密着接合表面(36)を有する折り畳みリム(28)を前記第1の部材(10)に形成し、該折り畳みリム(28)は、前記密着接合表面(34,36)に略平行に延在するその内部に空気ギャップ(30)を形成し、
前記折り畳みリム(28)及び前記第2の部材(12)の密着接合表面(34,36)を、該密着接合表面に略垂直な方向に、該折り畳みリム(28)内に空気ギャップ(30)が実質的に残されない状態まで該折り畳みリム(28)を平坦にするのに十分な圧力下で、該折り畳みリム(28)を通して互いに対して押し付け、
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を抵抗加熱するため電流を印加する、各工程を備える、方法。
【請求項18】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)の少なくとも1つの一部分に充填金属を印加する工程を更に備え、該充填金属は、該第1及び第2の部材(10、12)の溶解温度よりも低い融点で溶解する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記折り畳みリム(28)を少なくとも部分的に溶解して前記第1及び第2の部材(10、12)の間に変形抵抗溶接部を形成するのに十分なレベル及び期間に亘って電流を印加する工程を更に備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)は、前記密着接合表面(34、36)と交差して該表面から延在する接合部(42)を形成し、前記圧力及び前記電流は、溶解した前記折り畳みリム(28)からの材料の一部分が前記接合部(42)内へと流れ込み、前記第1の部材(10)及び前記第2の部材(12)を一緒に溶接するのに十分な期間に亘って維持される、請求項18に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図7】
image rotate

image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2006−500220(P2006−500220A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539816(P2004−539816)
【出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/023701
【国際公開番号】WO2004/028730
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)