説明

金属含有微粒子担体材料を使用した免疫反応調節物質化合物の送達

本発明は、その合金またはその複合体を含む1つ以上の金属を含む微粒子担体材料上の免疫反応調整物質(IRM)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、顕著な成功をもって、免疫系の特定の重要な側面を刺激する、ならびに特定のその他の面を抑制することで作用する新しい薬剤化合物を見いだすための多大な努力が払われている(例えば米国特許第6,039,969号明細書および米国特許第6,200,592号明細書参照)。免疫反応調節物質(IRM)と称されるこれらの化合物は、toll様受容体として知られる基本的免疫系機序を通じて作用し、選択されたサイトカイン生合成を誘導するようである。それらを使用して多種多様な疾患および病状を処置できるかもしれない。例えば特定のIRMは、ウィルス性疾患(例えばヒト乳頭腫ウィルス、肝炎、ヘルペス)、新生物形成(例えば基底細胞癌、扁平細胞癌、光線性角化症)、およびTH2−媒介疾患(例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)を処置するのに有用であっても良く、またワクチンアジュバントとしても有用である。IRM化合物の多くは、小型有機分子イミダゾキノリンアミン誘導体(例えば米国特許第4,689,338号明細書参照)であるが、その他のいくつかの化合物クラスも知られ(例えば米国特許第5,446,153号明細書参照)、さらにより多くがなおも見いだされている。その他のIRMは、CpGをはじめとするオリゴヌクレオチドなどのようにより高い分子量を有する(例えば米国特許第6,194,388号明細書参照)。IRMの卓越した治療的な潜在能力を鑑みて、既に行われた重要な研究にもかかわらず、それらの使用と治療的な利点を拡大するために、IRMの送達および活性を制御する新しい手段に対するかなりの継続的必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の免疫反応調整物質(IRM)は、金属を含む担体材料に付着して、重要なことにこのような材料に付着したままそれらが生物学的活性を保持できることが、今や意外にも判明している。IRMを金粒子などの金属含有担体に付着して、生物学的に活性のIRM−担体複合体を形成するこの能力によって、非常に広範囲の有用な適用が可能になる。例えば特定の注射装置で使用される金粒子などの金属含有複合体を使用してIRMを送達することを望む場合、および/または効果的であるために全てのIRM化合物を放出することを望まない場合である。
【0003】
すなわち被覆された表面から薬剤を溶出させる、または調合物から薬剤を送達するのとは対照的に、このIRMは、金属を含む微粒子担体材料に付着したまま活性であることができる。このアプローチは、例えば皮膚、粘膜を通じた、およびその他の組織を通じた全身性の吸収を低下させるのを助け、ならびに固形腫瘍塊中に移植されているようなIRMの延長された沈積を意図される作用部位に保持するために使用できる。
【0004】
さらに担体複合体に付着した際に、IRMが生物学的になおも活性であるだけでなく、意外にもIRMのサイトカイン誘導プロフィールが、このような付着によって潜在的に望ましい方向に変化できることが分かった。
【0005】
IRMは、微粒子担体材料に共有結合的または非共有結合的に結合しても良く、好ましくは共有結合的に結合する。IRMの微粒子担体材料への付着は、IRMの局在的な生物学的活性を提供し、典型的にIRMの全身性分布の発生を防止し、または少なくとも低下させる。
【0006】
したがって本発明は、少なくとも1つの金属を含む微粒子担体材料に付着する少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供する。いくつかの実施形態では、IRM化合物は金属を含む担体材料に共有結合的に付着する。典型的にIRM化合物は、金属の少なくとも1つに共有結合的に付着する。
【0007】
いくつかの実施形態では、担体材料は多孔性または中実粒子の形態である。中実粒子は典型的に固形金属粒子の形態である。
【0008】
本発明の特定の実施形態では、担体材料は1つ以上の金属またはその合金で被覆される。その他の実施形態では、金属は担体材料のコアを形成し、例えば有機ポリマーであっても良い別の材料で被覆される。
【0009】
特定の実施形態では、粒子は固形金属粒子であっても良い。その他の実施形態では、担体材料は有機ポリマーまたは無機ポリマーを含み、後者は典型的にガラスまたはセラミックなどの金属酸化物の形態である。
【0010】
本発明の特定の実施形態では、微粒子担体材料(1つ以上の金属を含む)は立方センチメートル当たり0.1グラム(g/cm3)〜25g/cm3の平均密度を有する。特定用途では、微粒子担体材料は5g/cm3〜20g/cm3(好ましくは、10g/cm3〜20g/cm3)の平均密度を有する。
【0011】
特定の実施形態では、微粒子担体材料(1つ以上の金属を含む)は1ナノメートル(nm)〜250ミクロン(ミクロメートル、μm)の平均粒度を有する。特定用途では、微粒子担体材料は5nm〜100nmの平均粒度を有する。特定用途では、微粒子担体材料は10nm〜50nmの平均粒度を有する。特定用途では、微粒子担体材料は0.1μm〜20μmの平均粒度を有する。特定用途では、微粒子担体材料は0.2μm〜5μmの平均粒度を有する。
【0012】
金属は典型的に遷移金属であり、好ましくは周期表の6〜11族よりなる群から選択され、より好ましくはタングステン、鉄、金、銀、白金、ニッケル、コバルト、ロジウム、ジルコニウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される。特定の実施形態では、ケイ素ベースの材料(例えばシリカベースの材料が使用できる)である。したがってここで「金属」という用語は、ケイ素などの半金属を含む。代案としては、希土類元素(すなわちランタニドおよびアクチニド)が使用できる。金属は、例えば合金または複合体の形態であることができる(例えば金属−有機複合体または金属酸化物)。
【0013】
特定の実施形態では、微粒子担体材料は永久磁性、常磁性、または超常磁性いずれかの磁性特性、好ましくは超常磁性を有する。このような実施形態の微粒子担体材料は、好ましくは鉄、ニッケル、コバルト、タングステン、チタン、希土類元素、またはそれらの組み合わせを含む。このような実施形態では、外部磁界によってIRM−担体複合体を宿主中に導き、再配置し、宿主内で再分布し、および/または宿主から除去することができる。このような実施形態の微粒子担体材料はまた、磁気共鳴画像形成などの放射線学的診断能力を向上させるのに使用できる。
【0014】
いくつかの実施形態では、IRM−担体複合体は追加的薬剤をさらに含んでも良い。IRM化合物および追加的薬剤は、微粒子担体材料の少なくとも一部に被覆されても良い。追加的薬剤は、例えばDNAワクチンをはじめとするワクチンであっても良い。IRM化合物は、ユニットを形成するようにワクチンに物理的または化学的に結合しても良い。追加的薬剤はIRMに直接結合するのとは別に、微粒子担体材料に直接結合しても良い。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、IRM化合物は、好ましくはTLR6、TLR7、またはTLR8の作動薬である少なくとも1つのTLRの作動薬であっても良い。IRMはまた場合によってはTLR9の作動薬であっても良い。本発明のいくつかの実施形態では、IRM化合物は小型分子免疫反応調節物質であっても良い(例えば分子量約1000ダルトン未満)。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、IRM化合物は五員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジン、または五員環窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含んでなっても良い。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、例えばアミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、または6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミンなどのイミダゾキノリンアミンと、例えばアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、またはチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンなどのテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、例えばアミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、またはチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンなどのイミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと、チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンと、ピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾ二量体と、それらの薬剤的に許容可能な塩、およびそれらの組み合わせであっても良い。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、プリン、イミダゾキノリンアミド、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾピリジン、アデニン、またはそれらの誘導体であっても良い。
【0019】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの0価の遷移金属を含む微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供し、微粒子担体材料は10g/cm3〜20g/cm3の平均密度を有する。
【0020】
IRM−担体複合体は、いわゆる遺伝子銃または無針注射システムなどの送達装置内に包含されても良い。IRM−担体複合体は、例えば衝撃力または磁性加速によって送達できる。したがって本発明の一態様では、少なくとも1つの金属を含んでなる微粒子担体材料上の少なくとも1つのIRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体を含有する貯蔵所を含む送達装置が提供される。例えばDNAワクチン遺伝子銃またはその他の無針注射システムからの送達後、IRMは担体複合体に付着している間活性であっても良く、および/またはそれからの脱離後に活性であっても良い。またこのような装置中で使用される粒子は、同一粒子に付着するIRMと、例えばDNAまたはその他のワクチンなどのワクチンとの双方を有しても良く、またはIRMおよびワクチンは例えばそれぞれ別個の粒子上に分離していても良い。
【0021】
特定の実施形態では、本発明は少なくとも1つの0価の遷移金属を含む微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供し、微粒子担体材料は0.2μm〜5μmの平均粒度を有する。このようなIRM−担体複合体は、対象の肺中へのIRMの沈積に特に望ましい。このようなIRM−担体複合体はまた、増大した腫瘍毛細血管透過性のために、静脈内投与に続く固形腫瘍中への沈積のために望ましい。腫瘍への送達を標的とするのに有用な粒子は、5nm〜100nmの平均粒度を有することができる。
【0022】
特定の実施形態では、本発明は、周期表の6〜11族よりなる群から選択される少なくとも1つの0価の遷移金属を含む微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供する。このようなIRM−担体複合体は、IRMの位置の可視化で特に望ましい。特定の実施形態では、IRM−担体複合体からのシグナル(例えば磁気共鳴シグナル)を記録して、2次元または3次元画像を生成し、宿主の診断法として使用できる。
【0023】
特定の実施形態では、本発明は、微粒子担体材料への物理的引力(例えば静電力、水素結合、疎水性−親水性相互作用)によって付着する、オリゴヌクレオチドなどの係留鎖に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供する。好ましくはこの実施形態では、微粒子担体材料は2μm〜5μmの平均粒度を有する。
【0024】
本発明はまた、本発明のIRM−担体複合体を送達するステップを含む、IRMを対象に送達する方法を提供する。1つ以上の本発明のIRM−担体複合体を含む貯蔵所を有する送達装置もまた提供される。
【0025】
免疫反応調節物質を少なくとも1つの金属を含む微粒子担体材料に付着するステップを含む、IRM−担体複合体を製造する方法もまた提供される。好ましくは付着する方法は、IRMを共有結合的に付着するステップを含む。これはアルコキシシラン部分を含むようにIRMを変性することで実施できる。IRM変性アルコキシシランは、シリカ粒子を含むことができるケイ素含有微粒子担体材料に付着する。
【0026】
「含んでなる」という用語およびそのバリエーションは、これらの用語が説明および特許請求の範囲に出現する際に制限的な意味を有さない。
【0027】
ここでの用法では、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、および「1つ以上の」は区別なく使用される。したがって例えば、「an」IRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体とは、複合体が少なくとも1つのIRM化合物を含むことを意味すると解釈できる。同様に、例えば、「a」金属を含んでなる微粒子担体材料とは、微粒子担体材料が少なくとも1つの金属を含むことを意味すると解釈できる。
【0028】
またここでは、終点による数値域の列挙は、その範囲内に包含されるあらゆる数を含む(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0029】
上の本発明の要約は、それぞれの開示される実施形態またはあらゆる本発明の実行について述べることを意図しない。続く説明は例証的な実施形態をより詳しく例証する。本願明細書を通じて何箇所かで、個別にそして様々な組み合わせで使用できる実施例のリストを通じて、ガイダンスが提供される。各例で列挙されるリストは、代表グループとしてのみの役目を果たし、排他的リストではないものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は金属を含む微粒子担体材料に、免疫反応調整物質(IRM)を誘導および/または抑制するサイトカインを付着して、IRM−担体複合体を形成することに向けたものである。このような微粒子担体材料への付着に続いてIRMは生物学的活性を保持する。IRM−担体複合体は対象の身体内の所望の位置へのIRMの局在的な送達を可能にし、典型的にIRMの全身性の分布の発生を防止する、または少なくとも低下させる。
【0031】
本発明から顕著な利点が実現できる。例えば金属含有IRM−担体複合体は、IRMの送達のために遺伝子銃などの送達装置と共に使用できる。金属含有IRM−担体材料の金属はIRM−担体複合体沈積位置の可視化のために使用できる。金属含有IRM−担体複合体の金属は、IRMとの結合を破壊するために、外部エネルギー源(例えばマイクロ波、x線、UV光)からのエネルギー吸収のために使用できる。
【0032】
ここでの用法では、「微粒子担体材料」とは、それ自体概して生物学的に不活性の微粒子材料(すなわち粒子の形態の材料)である。ここでの用法では、「概して生物学的に不活」とは、材料との細胞性相互作用が細胞表現型を認知できるほどに変化させないことを意味する。微粒子担体材料は、微粒子材料の細胞中への抱き込みまたは貫通を防止するような大きさおよび化学的性質であっても良く、この場合IRM−担体複合は細胞外の位置を維持する。代案としては巨大分子担体材料は、細胞による抱き込みを可能にする大きさおよび化学的性質であっても良い。例えば巨大分子担体材料は、腫瘍の増大した血管透過度に基づいて固形腫瘍中への選択的沈積を可能にする大きさおよび化学的性質であっても良い。「基材」、「担体材料」、または「担体」という用語は、またここでは、金属、合金、または金属複合体を含む微粒子担体材料を指すために使用される。
【0033】
典型的に金属含有微粒子担体材料は、多孔性または中実粒子の形態である。中実粒子は、典型的に0価の金属粒子であっても良い固形金属含有粒子(例えば金粒子)の形態である。
【0034】
担体材料は、1つ以上の金属で被覆、または含浸できる。代案としては、担体材料は1つ以上の金属をコアとして含むことができる。代案としては、担体材料は多孔性または中実であっても良い金属粒子の形態(例えば金粒子)であることができる。
【0035】
担体材料は、有機ポリマーまたは無機ポリマーを含むことができ、後者は典型的にガラスまたはセラミックの形態であることができる金属酸化物の形態である。担体が有機ポリマーを含む場合、それはまた0価の金属であることができる金属も含む。担体が無機ポリマーを含む場合、追加的な金属の必要はないかもしれない。代案としては、0価の金属(その他の酸化状態の金属もまた可能であるが)などの金属を含有する異なる材料が、担体材料に含まれても良い。それが多様な酸化状態のいずれかである金属を含む限り、その他の無機および/または有機材料が担体材料として使用できる。
【0036】
微粒子担体材料は広範な密度を有することができる。粒子は、特定の実施形態では立方センチメートルあたり少なくとも0.1グラム(g/cm3)、および特定の実施形態では少なくとも5g/cm3、および特定の実施形態では少なくとも10g/cm3の平均密度を有する。特定用途では、粒子は25g/cm3以下、および特定の実施形態では20g/cm3以下の平均密度を有する。これらの密度の値は、1つ以上の金属を含む微粒子担体材料に関するものである。
【0037】
微粒子担体材料は、広範な粒子形状および大きさを有することができる。ここでは平均粒度は、粒子の最長寸法の平均である。粒子は好ましくは球状であり、平均粒度は平均径である。粒子は、好ましくは少なくとも1ナノメートル(nm)の平均粒度を有するが、特定状況ではそれはさらに0.1nm程度に低くても良い。特定の実施形態では平均粒度は少なくとも2ナノメートルであり、特定の実施形態ではそれは少なくとも5nmであり、特定の実施形態ではそれは少なくとも10nmであり、特定の実施形態ではそれは少なくとも0.1μmであり、特定の実施形態ではそれは少なくとも0.2μmであり、特定の実施形態ではそれは少なくとも2μmである。特定の実施形態では平均粒度は250μm以下であり、特定の実施形態ではそれは50μm以下であり、その他の実施形態ではそれは20μm以下であり、その他の実施形態ではそれは10μm以下であり、特定のその他の実施形態では平均粒度は5μm以下であり、特定の実施形態ではそれは100nm以下であり、その他の実施形態ではそれは10nm以下であり、その他の実施形態ではそれは5nm以下である。これらの粒度の値は、例えば0価の金属の形態、または0でない原子価を有する金属含有化合物の形態であることができる、1つ以上の金属を含む微粒子担体材料に関するものである。
【0038】
金属は所望の用途次第で、広範な電子密度を有することができる。金属は典型的に好ましくは周期表の6〜11族よりなる群から選択され、およびより好ましくはタングステン、鉄、金、銀、白金、ニッケル、コバルト、ロジウム、ジルコニウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される遷移金属である。特定の実施形態では、ケイ素ベースの材料(例えばシリカベースの材料)が使用できる。したがって、ここで「金属」と言う用語は、ケイ素などの半金属を含む。代案としては、希土類元素(すなわちランタニドおよびアクチニド)が金属として使用できる。金属は、例えば合金または複合体(例えば金属−有機複合体または金属酸化物)の形態であることができる。したがってここで「金属」と言う用語は、それらの0価状態にあってもなくても良い遷移金属、主族金属、希土類金属に加えて、ケイ素などの半金属を含む。
【0039】
特定の実施形態では、微粒子担体材料は、永久磁性、常磁性、または超磁性のいずれか、好ましくは、超常磁性である磁性特性を有する。このような実施形態のための微粒子担体材料は、好ましくは鉄、ニッケル、コバルト、タングステン、チタン、希土類元素、またはそれらの組み合わせを含む。このような実施形態のための微粒子担体材料はまた、磁気共鳴画像形成におけるような放射線学的診断法を向上させるために使用できる。
【0040】
IRM−担体複合体において、IRMは好ましくは微粒子担体材料に付着する。この付着は、微粒子担体材料中に組み込まれた金属に直接であっても良い。ここでの用法では、「付着する」という用語は、免疫反応調節物質の微粒子担体材料との共有結合および非共有化学的会合(例えばイオン結合、疎水性結合、および水素結合)の双方を含む。好ましくは免疫反応調整物質は、共有結合および水素結合の手段によって微粒子担体材料に付着する。好ましくはこの付着は、微粒子担体材料中に存在する金属へのものである。「カップリングする」「共役する」「結合する」または「固定化する」という用語もまた「付着する」を表すために使用されても良い。
【0041】
IRMは意図される使用状況下では、担体に付着している間、使用中にIRMが生物学的に活性であるように、それが十分に強力な結合(共有結合を必要とすることもある)によって、担体材料の上に被覆され、中に含浸され、またはそれに付着する。またここで述べられる各用途では、IRMが放出されて、その様式で機能することができるように、IRMは未付着脱着式形態で提供され、または時間とともに未付着になっても良いものと理解される。望ましい場合、2つのタイプの混合物もまた使用できる。
【0042】
本発明のIRM−担体複合体は、IRMの局在的な生物学的活性を提供する。好ましくは、IRMは微粒子担体材料に付着する。例えばIRMを側鎖基としてポリマーに付着して、金属コア上にポリマー被覆できる。特定の実施形態では、本発明は、物理的引力(例えば静電力、水素結合、疎水性−親水性相互作用)によって微粒子担体材料にカップリングするオリゴヌクレオチド、または抗体、または抗原などの係留鎖に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含むIRM−担体複合体を提供する。
【0043】
IRMは(例えばIRMが付着するポリマーの生分解を通じて)微粒子担体材料から最終的に脱離するかもしれないが、IRMは好ましくはそれが活性である適切な使用期間中に脱離しない(もちろんそれは脱離後にもまた活性であっても良い)。このような微粒子担体材料へのIRMの付着を使用して、IRMの全身性の吸収の発生を低下または防止でき、IRMの全身性の投与によって観察されることがある全身性の副作用を最小化できる。またこのようなIRMの基材への付着は、IRMの効果を所望の持続時間にわたり局在的な領域に限定または集中させる役目を果たすことができ、担体材料が除去できれば、IRMはそれと共に思いのままに容易に除去できる。これはIRMをどこにどれだけの間適用するかという、非常に重要なコントロールを提供する。
【0044】
そこに付着するIRMを有する基材は、治療的、予防的(例えばワクチンアジュバントとして)、または診断用であることができる、多様な医療用途で使用できる。ここでの用法では、病状または対象を「処置」するとは、治療的、予防的、および診断用処置を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、IRM−担体複合体は、例えばその中でIRMが構成要素である、免疫細胞の体外(ex−vivo)処置、実験的試験、または診断用アッセイで使用できる。例えばIRM−担体複合体の使用は、細胞とIRMとの接触を向上でき、診断用アッセイからのIRM除去を容易にでき、IRMの濃縮された送達を可能にでき、IRM試薬の節約を助けることができる。
【0046】
1つ以上のIRM化合物に加えて、本発明のIRM−担体複合体および方法は、IRM−担体複合体を含む組成物中で投与される追加的薬剤を含むことができる。代案としては、追加的薬剤は、IRM−担体複合体から別に投与できる。このような追加的薬剤は、例えばワクチン、腫瘍壊死因子(TNF)作動薬、または腫瘍壊死因子受容体(TNFR)作動薬をはじめとする追加的薬剤であっても良い。ワクチンとしては、例えばBCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、B、およびC、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウィルス(コロナウィルス)、炭疽、および黄熱病との関連で使用するための生または弱毒化ウィルスおよび細菌性免疫原および不活性化ウィルス、腫瘍由来、原生動物、生物体由来、真菌、および細菌性免疫原、トキソイド、毒素、多糖類、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、そして樹状細胞、DNAワクチン、リコンビナントタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどを使用した細胞性ワクチンなどの体液性および/または細胞媒介免疫反応のいずれかを産生させるあらゆる材料が挙げられる。このような追加的薬剤としては、抗ウィルス薬剤またはサイトカインなどの薬剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。ワクチンは分離していても良く、またはユニットとして送達されるように、例えば化学的共役またはその他の手段で、物理的または化学的にIRMに結合していても良い。組み合わせて送達されても良いTNFR作動薬としては、CD40受容体作動薬が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明の方法、材料、および物品は、あらゆる適切な対象に適用できるかもしれない。適切な対象としては、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、または鳥などに限定されるものではない動物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0048】
適切な免疫反応調整物質:
本発明で有用な免疫反応調整物質(IRM)としては、サイトカイン生合成を誘導および/または抑制することにより、免疫系に作用する化合物が挙げられる。IRM化合物は、抗ウィルスおよび抗腫瘍活性をはじめとするがこれに限定されるものではない、強力な免疫刺激する活性を有し、また免疫反応のその他の側面を下方制御して、例えば免疫反応をTH−2免疫反応から遠ざけるが、これは広範なTH−2媒介疾患を処置するのに有用である。またIRM化合物を使用して、B細胞によって生成された抗体を刺激することにより、体液性免疫を調節することもできる。さらに様々なIRM化合物が、ワクチンアジュバントとして有用なことが示されている(例えば米国特許第6,083,505号明細書および米国特許第6,406,705号明細書、および国際特許公報国際公開第02/2422号パンフレット参照)。
【0049】
特に、特定のIRM化合物は、例えばタイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの生成および分泌を誘導することでそれらの免疫賦活性活性を生じ、またIL−4およびIL−5などの特定のTH−2サイトカインの生成および分泌を阻害できる。いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0050】
いくつかの実施形態では、好ましいIRM化合物は比較的小型の有機化合物である、いわゆる小型分子IRMである(より大型の生物タンパク質、ペプチドなどとは対照的に、例えば分子量約1000ダルトン未満、好ましくは約500ダルトン未満)。
【0051】
活性に関するいかなる単一の理論にも拘束されないが、いくつかのIRMは、少なくとも1つのToll様受容体(TLR)の作動薬であることが知られている。6、7、8、および/または9から選択されるTLRに対する作動薬であるIRM化合物は、特定の適用において特に有用かもしれない。いくつかの用途では、例えば好ましいIRM化合物はTLR7作動薬でなくTLR8またはTLR9作動薬である。いくつかの小型分子IRM化合物が、6、7、および/または8などのTLRの作動薬であるのに対し、オリゴヌクレオチドIRM化合物はTLR9およびおそらくはその他の作動薬である。したがっていくつかの実施形態では、微粒子担体材料に付着するIRMは、1つ以上のTLRの作動薬として同定される化合物であっても良い。
【0052】
例えば作用に関するいかなる特定の理論または機序にも拘束されないが、強力な細胞障害性リンパ球(CTL)反応を活性化するIRM化合物は、特にこれらの状況における治療的効果が細胞性免疫の活性化に依存することから、治療的なウィルスおよび/または癌ワクチンのためのワクチンアジュバントとして特に望ましいかもしれない。例えば研究からは、特定の患者におけるT細胞免疫の活性化が患者の予後に対して顕著な好ましい効果を有することが示されている。したがってT細胞免疫を向上させる能力は、これらの疾患状況において治療的な効果を生じる上で重大な意味を持つと考えられる。
【0053】
TLR8を発現する抗原提示細胞は、TLR8を通じた刺激時にIL−12を生成することが示されているので、TLR8作動薬であるIRM化合物は、治療的な癌ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。IL−12は、上述のように治療的有効性を媒介するのに重要であるCTLの活性化において、顕著な役割を果たすと考えられている。
【0054】
TLR7および/またはTLR9を通じた刺激によって誘導されるタイプIインターフェロンは、中和TH1様体液性および細胞性反応の形成に寄与すると考えられているので、TLR7作動薬および/またはTLR9作動薬であるIRM化合物は、予防的ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。
【0055】
TLR7刺激は、タイプIIFNの生成と、マクロファージおよびNK細胞などの生得細胞の活性化を誘導すると考えられおり、TLR8刺激は、上述のように抗原提示細胞を活性化して細胞性適応免疫を開始すると考えられているので、TLR7およびTLR8双方の作動薬であるIRM化合物は、治療的なウィルス性ワクチンおよび/または癌ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。これらの細胞タイプは、ウィルス排除および/または新生物に対する治療的な生育阻害効果を媒介できる。
【0056】
TLR7はタイプIIFNの生成を誘導し、それはマクロファージおよびDCからのIL−12生成を下方制御するので、非TLR7作動薬であり、実質的な量のインターフェロンαを誘導しないIRM化合物は、細菌ワクチンなどの特定のワクチンと共に使用するのに望ましいかもしれない。IL−12は引き続くマクロファージ、NK細胞、およびCTLの活性化に貢献し、それは全て抗細菌性免疫に貢献する。したがっていくつかの種類の細菌に対する抗細菌性免疫の誘導は、IFNaの不在下で向上するかもしれない。
【0057】
本願明細書の目的では、IRM化合物が特定のTLRに対する作動薬と見なされるかどうかを判定する一方法は、それがNFkB/ルシフェラーゼレポーターコンストラクトを活性化して、それを通じて例えばHEK293またはナマルワ(Namalwa)細胞などのTLR形質移入された宿主細胞中の標的種からのTLRが、コントロールの形質移入体と比較して約1.5倍、および通常少なくとも約2倍を超えるかどうかである。TLR活性化の情報については、例えば国際特許公報国際公開第03/043573号パンフレットおよび国際公開第03/043588号パンフレット、米国特許出願第10/777,310号、米国特許出願第10/732,563号、米国特許出願第10/732,796号、および米国特許出願第10/788,731号、米国特許公報第US2004/0014779号、およびその他のIRM特許およびここで開示される出願を参照されたい。
【0058】
好ましいIRM化合物としては、五員環の窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンが挙げられる。
【0059】
特定のIRMは、例えば米国特許第4,689,338号明細書、米国特許第4,929,624号明細書、米国特許第4,988,815号明細書、米国特許第5,037,986号明細書、米国特許第5,175,296号明細書、米国特許第5,238,944号明細書、米国特許第5,266,575号明細書、米国特許第5,268,376号明細書、米国特許第5,346,905号明細書、米国特許第5,352,784号明細書、米国特許第5,367,076号明細書、米国特許第5,389,640号明細書、米国特許第5,395,937号明細書、米国特許第5,446,153号明細書、米国特許第5,482,936号明細書、米国特許第5,693,811号明細書、米国特許第5,741,908号明細書、米国特許第5,756,747号明細書、米国特許第5,939,090号明細書、米国特許第6,039,969号明細書、米国特許第6,083,505号明細書、米国特許第6,110,929号明細書、米国特許第6,194,425号明細書、米国特許第6,245,776号明細書、米国特許第6,331,539号明細書、米国特許第6,376,669号明細書、米国特許第6,451,810号明細書、米国特許第6,525,064号明細書、米国特許第6,545,016号明細書、米国特許第6,545,017号明細書、米国特許第6,558,951号明細書、米国特許第6,573,273号明細書、米国特許第6,656,938号明細書、米国特許第6,660,735号明細書、米国特許第6,660,747号明細書、米国特許第6,664,260号明細書、米国特許第6,664,264号明細書、米国特許第6,664,265号明細書、米国特許第6,667,312号明細書、米国特許第6,670,372号明細書、米国特許第6,677,347号明細書、米国特許第6,677,348号明細書、米国特許第6,677,349号明細書、米国特許第6,683,088号明細書、欧州特許第0394026号明細書、米国特許公報第2002/0016332号、米国特許公報第2002/0055517号、米国特許公報第2002/0110840号、米国特許公報第2003/0133913号、米国特許公報第2003/0199538号、および米国特許公報第2004/0014779号、および国際特許公報国際公開第02/102377号パンフレットおよび国際公開第03/103584号パンフレットで開示されるものなどの小型有機分子(より大型の生物タンパク質、ペプチドなどとは対照的に、例えば分子量約1000ダルトン未満、好ましくは約500ダルトン未満)である。
【0060】
小型分子IRM化合物のクラスの例としては、例えばアミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、および6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミンなどをはじめとするがこれに限定されるものではないイミダゾキノリンアミンの誘導体と、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするがこれに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド(sulfonamido)置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンをはじめとするがこれに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと、チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンと、ピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾ二量体とが挙げられる。
【0061】
小型分子IRMの追加例としては、特定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、および米国特許第6,028,076号明細書で述べられるものなど)、特定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号明細書で述べられるものなど)、特定のイミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号明細書で述べられるものなど)、1H−イミダゾピリジン誘導体(日本国特許出願第9−255926号公報で述べられるものなど)、特定のベンズイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号明細書で述べられるものなど)、五員環窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンの特定の誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、米国特許第6,028,076号明細書、および米国特許第6,329,381号明細書、および国際特許公報国際公開第02/08595号パンフレットで述べられるアデニン誘導体など)、および特定の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体(米国特許公報第2003/0199461号で述べられるものなど)が挙げられる。1H−イミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号明細書および欧州特許出願第1 256 582号明細書で述べられるものなど)は、TNFおよびIL−1サイトカインを阻害すると言われている。
【0062】
五員環の窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含んでなる小型分子IRMの例としては、アデニン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、米国特許第6,028,076号明細書、および米国特許第6,329,381号明細書、および国際特許公報国際公開第02/08595号パンフレットで述べられるものなど)が挙げられる。
【0063】
いくつかの用途では、例えば好ましいIRM化合物はイミキモドまたはS−28463以外である(すなわちレシキモド:4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール)。
【0064】
特定のIRM化合物の例としては、主にTLR8作動薬と見なされる(そして実質的にTLR7作動薬でない)2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン、主にTLR7作動薬と見なされるa(そして実質的にTLR8作動薬でない)4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール、およびTLR7およびTLR8作動薬である4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールが挙げられる。4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールは、そのTLR7活性に(そしてTLR6活性、しかし低いTLR8活性に)加えて、全身性に送達した際に、イミキモドと比較してはるかに低いCNS効果を有することをはじめとする有益な特性を有する。その他の特定IRM化合物の例としては、例えばN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)ブチル]−N’−シクロヘキシル尿素、2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド、N−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、2−メチル−1−[5−(メチルスルホニル)ペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、2−ブチル−1−[3−(メチルスルホニル)プロピル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、2−ブチル−1−{2−[(1−メチルエチル)スルホニル]エチル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−N’−シクロヘキシル尿素、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}シクロヘキサンカルボキサミド、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エチル}−N’−イソプロピル尿素が挙げられる。またTLR7およびTLR8作動薬の組み合わせが所望される特定の状況で、レシキモド、4−アミノ−2−エトキシメチル−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを使用しても良い。
【0065】
その他のIRM化合物としては、オリゴヌクレオチド配列などのより大型の生体分子が挙げられる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列はシトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、例えば米国特許第6,194,388号明細書、米国特許第6,207,646号明細書、米国特許第6,239,116号明細書、米国特許第6,339,068号明細書、および米国特許第6,406,705号明細書で述べられる。いくつかのCpG−含有オリゴヌクレオチドは、例えば米国特許第6,426,334号明細書および米国特許第6,476,000号明細書で述べられるものなどの合成免疫調節構造モチーフを含むことができる。その他のIRMヌクレオチド配列はCpGを欠いており、例えば国際特許公報国際公開第00/75304号パンフレットで述べられる。
【0066】
所望ならばIRMの様々な組み合わせが使用できる。
【0067】
例示的用途:
本発明の金属含有IRM−担体複合体は、IRMの送達のために、送達装置、特に遺伝子銃などの高圧力(例えば衝撃、または磁性加速)送達装置で使用できる。典型的に、送達装置と共に使用するためのIRM−担体複合体は、少なくとも1つの金属(例えば0価の遷移金属)を含む微粒子担体材料に共有結合的に付着する少なくとも1つのIRM化合物を含み、微粒子担体材料は10g/cm3〜20g/cm3の平均密度を有する。
【0068】
粒子が表面バリアを貫通し宿主内部に組み込まれるのに十分な速度で、送達装置内の貯蔵所に含有されるIRM−担体複合体を噴射して、細胞または組織にIRMを送達するために、遺伝子銃などの送達装置が使用できる。このような装置は、例えば米国特許第5,371,015号明細書で開示される。ガス圧力を使用して超音速気流を生じ、粉末材料の送達のために使用できるその他の送達装置は、米国特許第5,630,796号明細書で開示される。このような送達装置は当業者にはよく知られている。
【0069】
本発明のIRM−担体複合体は、IRMの局所的送達のために特に有用である。IRM−担体複合体の局所的送達は、その生物学的活性の適用部位への集中を可能にする。IRMならびに抗原の固定化は、辺周への希薄化なしにこれらの構成要素を互いに相対的に高濃度で維持できるようにする。このような用途では、例えば付帯した抗原によって、IRMが特定の免疫抗原を同一粒子上に伴う粒子に付着できる。代案としては、免疫抗原が第2の粒子に付着する一方でIRMが粒子に付着できる。後者の場合、IRM−担体複合体と多くの可能な免疫抗原のいずれか1つとの混合物が可能になる。これらは遺伝子銃などの送達装置で同時に、または逐次投与できる。担体材料の大きさおよび密度、そしてかけられる力によって、最初の標的層を微調整できる。
【0070】
IRM−担体複合体はまた沈積用途で、特に対象の肺への吸入のために使用できる。より大型の粒度も使用できるが、このような用途では微粒子担体材料は典型的に0.2μm〜5μm(好ましくは2〜5μm)の平均粒度を有する。標的領域は肺の近位、中位、または遠位領域を含むことができる。粒度の選択は、沈積におけるゾーン選択性を可能にする。例えば2〜5μmの粒子は、肺の遠位気道中への沈積を可能にする。より大型の粒子は、肺の近位気道に限定される。
【0071】
特定の実施形態では、IRM−担体複合体はまた、固形腫瘍を標的とするのに使用できる。典型的にこのような粒子は、5nm(健康な血管の透過性の上限)から100nm(腫瘍血管の透過性の上限)の平均粒度を有する。微粒子−IRM複合体は、血液脈管の高透過性内皮ライナーを通じて腫瘍部位に選択的に送達できる。
【0072】
金属含有IRM−担体複合体の金属はIRM−担体材料の沈積位置を可視化するのに使用できる。可視化は、例えばx線または磁気共鳴画像形成などの技術によって達成できる。金属は、所望の可視化技術のために十分な電子密度を有するべきである。典型的に視覚化できるIRM−担体複合体は、少なくとも1つの金属含有材料(例えば0価の遷移金属または金属酸化物)を含む。好ましくは金属は、周期表の6〜11族および希土類元素よりなる群から選択される。好ましくはこのような複合体は磁性特性(好ましくは超常磁性)、蛍光特性、または比較的高い電子密度を有する。IRMの投与を視覚化する能力は、所望の部位へのIRMの標的化をモニターする上で利点であることができる。
【0073】
担体材料が磁性(例えば永久磁性、常磁性、または超磁性のいずれか、好ましくは超常磁性)である場合、追加的シグナルは磁気共鳴画像形成をもたらす。特定の実施形態では、IRM−担体複合体からの共鳴磁性シグナルを記録して2次元または3次元画像を生成し、宿主の診断法として使用できる。
【0074】
磁性金属含有IRM−担体複合体(または例えばIRMが脱離した後の金属のみ)は、所望ならばさらに操作できる。例えば複合体(または金属のみ)は、外部磁界によって、IRMの効果を最大化するために宿主内で再配置または再分布できる。場合によっては、着用可能な磁性カラーで適用できるような外部磁界によって、磁性金属含有IRM−担体複合体(または金属のみ)を宿主から除去して、材料の長期的効果最小化できる。
【0075】
金属含有IRM−担体材料の金属は、IRMとの結合を破壊してIRMを放出する、外部エネルギー源(例えばマイクロ波)からのエネルギー吸収のために使用できる。例えばIRMは、一本鎖オリゴヌクレオチドと共有結合することができ、それは担体上に固定化された相補的オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成できる。外的エネルギー源からマイクロ波のエネルギーを吸収すると、温度が増大してオリゴヌクレオチドを変性させ(例えば、J.ナム(Nam)ら、Science、301、1884〜1886(2003)参照)、必要に応じてIRMを放出する。
【0076】
金属含有IRM−担体複合体は、多種多様な病状の処置などの多種多様な用途で使用できる。例えばイミキモド(小型分子、イミダゾキノリンIRM、ミネソタ州セントポールの3Mファーマシューティカルズ(3M Pharmaceuticals(St.Paul、MN))からALDARAとして市販される)などのIRMは、疣贅、ならびに特定の癌性または前癌性病変の治療的な処置で有用であることが示されている。例えばゲイズ(Geisse)ら、J.Am.Acad.Dermatol.、47(3):390〜398(2002);シューマック(Shumack)ら、Arch.Dermatol.、138:1163〜1171(2002);米国特許第5,238,944号明細書および国際特許公報国際公開第03/045391号パンフレットを参照されたい。
【0077】
本発明のIRM−担体複合体を投与することで処置されても良い病状としては、
(a)例えばアデノウィルス、ヘルペスウィルス(例えばHSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウィルス(例えば痘瘡またはワクシニアなどのオルトポックスウィルス、または伝染性軟属腫)、ピコルナウィルス(例えばライノウィルスまたはエンテロウィルス)、オルトミクソウィルス(例えばインフルエンザウィルス)、パラミクソウィルス(例えばパラインフルエンザウィルス、おたふく風邪ウィルス、はしかウィルス、および呼吸器合胞体ウィルス(RSV))、コロナウィルス(例えばSARS)、パポバウィルス(例えば生殖器疣、尋常性肬贅、または足底疣贅を引き起こすものなどの乳頭腫ウィルス)、ヘパドナウィルス(例えば肝炎Bウィルス)、フラビウィルス(例えば肝炎Cウィルスまたはデングウィルス)、またはレトロウィルス(例えばHIVなどのレンチウィルス)による感染から帰結する疾患などのウィルス性疾患、
(b)例えば例えば、エシェリキア、エンテロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラ属の細菌による感染から帰結する疾患などの細菌性疾患、
(c)クラミジアと、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコックス髄膜炎をはじめとするがこれに限定されるものではない真菌疾患と、またはマラリア、カリニ肺炎(pneumocystis carnii pneumonia)、レーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染をはじめとするがこれに限定されるものではない寄生虫疾患などのその他の感染性疾患、および
(d)、上皮内新生物形成と、子宮頚部異形成と、光線性角化症と、基底細胞癌と、扁平細胞癌と、腎細胞癌と、カポジ肉腫と、メラノーマと、腎細胞癌と、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、B−細胞リンパ腫、および毛様細胞白血病をはじめとするがこれに限定されるものではない白血病と、その他の癌などの新生物疾患、
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、およびオーメン症候群などのTH2−媒介アトピー性疾患、
(f)全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症などの特定の自己免疫疾患、および
(g)例えばケロイド形成およびその他のタイプの瘢痕の阻害(例えば慢性創傷をはじめとする創傷治癒の向上)などの創傷修復に付帯する疾患
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0078】
さらに、本発明のIRM−担体複合体は、例えば、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、肝炎B、肝炎C、インフルエンザA、インフルエンザB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、黄熱病、およびアルツハイマー疾患に関連して使用するための例えば、生ウィルス、細菌、または寄生虫免疫原と、不活性化ウィルス、腫瘍由来、原生動物、生物体−由来、真菌、または細菌免疫原、トキソイド、毒素と、自己抗原と、多糖類と、タンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドと、細胞性ワクチンと、DNAワクチンと、自家ワクチンと、リコンビナントタンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドなどの体液性および/または細胞媒介免疫反応のいずれかを引き起こす、あらゆる材料との組み合わせで使用するためのワクチンアジュバントとして有用かもしれない。
【0079】
本発明の特定のIRM−担体複合体は、免疫機能が損なわれている個人において特に役立つかもしれない。例えば、移植患者、癌患者、およびHIV患者において、例えば特定の複合体を使用して、細胞媒介免疫抑制後に起きる日和見感染および腫瘍を処置しても良い。
【0080】
微粒子担体材料:
IRM付着のための基材の役割をする微粒子担体材料の選択は、本発明の範囲内で大幅に変動できる。微粒子担体材料は、好ましい最終用途次第で、多孔性または非多孔性であることができる。微粒子担体材料は、その一部が金属を含むある限り、多様な材料から製造できる。金属は別の材料の粒子に被覆できまたは含浸できる。金属は微粒子担体材料のコアを形成できる。例えばこのような微粒子担体材料は、それらが(要件でないが)0価の金属であることができる金属(例えば遷移金属、半金属、または希土類金属)を含む(例えば被覆されまたは含浸される)限り、典型的にポリマー材料である、無機または有機材料、または材料の組み合わせからできた基材を含む。無機粒子は例えば金属酸化物(例えばTiO2またはSiO2)から製造でき、セラミック(例えばアルミナまたはジルコニア)またはガラスの形態であることができる。金属を含有するその他の化合物または複合体は、それが0価の酸化状態あるがどうかにかかわらず、本発明で粒子として使用できる。
【0081】
特定の実施形態では、酸化鉄またはフェリチンなどの選択される微粒子担体材料は、所望の持続時間の後、宿主によって最終的に劣化、分解、または分泌される。
【0082】
特定の実施形態では、選択される微粒子担体材料であるこのような超常磁性ビーズは、外部磁性源によって励磁でき、それによって遠隔操作が可能になる。
【0083】
特定の実施形態では、選択される微粒子担体材料であるこのような金属酸化物は、マイクロ波などの遠隔エネルギー源によって加熱できる。
【0084】
セラミック、ガラス、および金属微粒子材料は全て技術分野で知られており、市販されまたは多様な既知の技術によって製造できる。例えば、オハイオ州オーロラのICNバイオメディカルズ(ICN Biomedicals,Inc.(Aurora、OH))から多様なコロイド金粒子が市販される。磁性ビーズ(商品名ダイナビーズ(DYNABEADS)の下に入手できるものなどの)、金属粒子、および金属酸化物はニューヨーク州レーク・サクセスのダイナル・バイオテック(Dynal Biotech(Lake Success、NY))、ニューヨーク州サンフォードのアルゴニド(Argonide(Sanford、NY))、およびオクラホマ州オクラホマシティのナノソーステクノロジー(NanoSource Technologies(Oklahoma City、OK))から入手できる。多様なシリカ粒子はイリノイ州ネーパービルのナクロ(Naclo(Naperville、IL)から入手できる。シリカ被覆された超常磁性粒子はドイツ国ベルリンのケミセル(Chemicell GmbH(Berlin、Germany))から入手できる。CdSe粒子などの量子ドットもまた適切であり、それは典型的に10nm以下の粒度を有し、2nm〜5nmの粒度を有することが多い。
【0085】
微粒子担体材料中で使用するのに適したポリマーは、天然または合成ポリマーであっても良い。ポリマーは金属被覆されて粒子のコアを形成でき、またはポリマーが金属コア材料上にコーティングを形成できる。金属被覆粒子の製造方法としては、例えば金属プラズマ真空蒸着および電気メッキが挙げられる。ポリマー被覆金属粒子の製造方法としては、例えば溶剤コーティング、および自己アセンブリー型単層を調製する技術が挙げられる。このような方法は当業者にはよく知られている。
【0086】
合成ポリマーが好ましい。ここでポリマーとしては、ホモポリマーおよび共重合体が挙げられる。共重合体とは、2つ以上のモノマーから調製されるポリマーを指すために使用され、ターポリマー、テトラポリマーなどが挙げられる。
【0087】
例示的な合成ポリマーとしては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール(すなわちポリアルキレンオキシド)、ポリアルキレンテレフタラート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハロゲン化物、ポリビニルピロリドン、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびその共重合体、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸エステルのポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロース、セルロース硫酸ナトリウム塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルピロリドン、および乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コカプロラクトン)、およびフッ素化されたポリマーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0088】
例示的な天然ポリマーとしては、アルギナートと、デキストランおよびセルロース、コラーゲン、それらの化学的誘導体(置換、例えば、アルキル、アルキレンである化学基の付加、水酸化、酸化、および当業者によって日常的に行われるその他の変性)をはじめとするその他の多糖類と、ゼインと、その他のプロラミンおよび疎水性タンパク質と、それらの共重合体および混合物とが挙げられるが、これに限定されるものではない。所望ならばこれらのあらゆるポリマーの共重合体および混合物が使用できる。ペンシルベニア州ウォリントンのポリサイエンシズ(Polysciences,Inc.(Warrington、PA))は、多くのタイプのポリマービーズの供給元である。
【0089】
微粒子担体材料のその他の例としては、例えばバイオラッド(Biorad)およびピアス(Pierce)をはじめとする多くの供給元から市販されるものなどの炭水化物ビーズおよびラテックスビーズが挙げられるが、これに限定されるものではない。粒子はまた、微小球、マイクロカプセルなどの微粒子の形態であることができる。粒子は、量子ドットであることができる。
【0090】
その上に金属およびIRMが結びついた粒子は、材料の組み合わせを含むことができる。例えばそれらは、無機および有機材料の組み合わせを含むことができる。これは例えば材料を層化することで生じる。IRMが標的作用部位に到達するまで、それが身体の免疫系からマスクされまたは隠されるように、1つ以上の材料が最外面上で微粒子担体材料に付帯(例えば付着)することができる。例えば付着する1つ以上のIRMを有する金粒子は、その上にポリアルキレンオキシドポリマー(例えばポリエチレングリコール)のコーティング有することができる(例えばグレフ(Gref)ら、「コロイドおよび表面B(Colloids and Surfaces B)」Biointerfaces、18、301〜313、2000参照)。ポリアルキレンオキシドは、IRMが標的作用部位に到達するまで、それを身体の免疫系からマスクする役割をする。
【0091】
基材への付着:
IRMは、共有付着または非共有付着のどちらかを通じて微粒子担体材料に付着できる。IRMの微粒子担体材料への非共有付着としては、例えばイオン相互作用または水素結合による付着が挙げられる。
【0092】
本発明に含まれる非共有付着の一例は、周知のビオチン−アビジンシステムである。アビジン−ビオチン親和力ベースの技術は、1970年代のエドワード・ベイヤー(Edward Bayer)医師およびメイエル・ウィルチェック(Meier Wilchek)医師による先駆的な研究以来、生物学およびバイオテクノロジーの多数の分野において広範な応用性を見いだしている。アビジンとビオチン間の親和定数は、顕著に高く(解離定数、Kdは約10-15M、グリーン(Green)著、Biochem J、89、599、1963参照)、ビオチンが多種多様な生体分子とカップリングした際に顕著に減少しない。生体分子の活性またはその他の所望の特性に対する最小またはごくわずかな損失で、生体分子をビオチンにカップリングする多数の化学的性質が同定されている。ビオチン−アビジン技術のレビューは、「親和力ベースの分離へのアビジン−ビオチン技術の応用(Applications of Avidin−Biotin Technology to Affinity−Based Separation)」ベイヤー(Bayer)ら、J.of Chromatography、1990、3〜11ページにある。
【0093】
ストレプトアビジン、およびその官能性同族アビジンは、4個の同一のサブユニットを有する四量体タンパク質である。ストレプトアビジンは、アクチノバクテリアであるストレプトマイセス・アビジニによって分泌される。ストレプトアビジンまたはアビジンのモノマーは、水溶性ビタミンのビオチンに対して1個の高親和力結合部位を含有し、ストレプトアビジンまたはアビジン四量体は、4個のビオチン分子に結合する。
【0094】
ビタミンHまたはシス−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ−[3,4]−イミダゾール−4−ペンタン酸としても知られているビオチンは、細菌および酵母菌をはじめとするほとんどの生物体にとって必須の塩基性ビタミンである。ビオチンはその結合相手であるアビジンおよびストレプトアビジンよりもはるかに低い、約244ダルトンの分子量を有する。ビオチンはまた一緒に多種多様な基材をカルボキシ化する、ピルビン酸カルボキシラーゼ、トランス−カルボキシラーゼ、アセチル−CoA−カルボキシラーゼおよびβ−メチルクロトニル−CoAカルボキシラーゼの酵素補助因子でもある。
【0095】
ストレプトアビジンおよびアビジンの双方はビオチンへの極めて密接かつ高度に特異的な結合を示し、これは10-15モル(M)のモル解離定数(グリーン(Green)、Advances in Protein Chemistry、第29巻、p.85〜133、1975)、および89日間のt1/2リガンド解離(グリーン(Green),N.M.、Advances in Protein Chemistry、第29巻、p.85〜133、1975)であり、タンパク質とリガンド間の非共有相互作用の中で最も強力な1つであることが知られている。アビジン−ビオチン結合は血清および循環中で安定している(ウェイ(Wei)ら、Experientia、第27巻、p.366〜368、1970)。ひとたび形成されると、アビジン−ビオチン複合体は、最も極端なpH、有機溶剤および変性条件に影響されない。ビオチンからのストレプトアビジンの分離は、8Mグアニジン、pH1.5、または121℃で10分間(min)のオートクレーブ処理などの条件を必要とする。
【0096】
IRMは、あらゆる知られている方法を使用してビオチン化しても良い。IRMは、例えばイリノイ州ロックフォードのピアスケミカル(Pierce Chemical Company(Rockford、IL)から市販されIRM上に遊離一級アミノ基の存在を必要とする、N−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(NHS−ビオチン)などの活性化されるビオチン類似物を使用して化学的にビオチン化しても良い。
【0097】
IRMを微粒子担体材料に共有結合的に付着させる代表的な方法としては、担体材料中の免疫反応調節物質およびその他の反応性基(同様の性質の)において、反応して反応性基(ヒドロキシル、アミノ、アミド、またはスルフヒドリル基など)の間に結合を形成する、ヘテロ二官能性架橋化合物(すなわち「リンカー」)などの化学的架橋剤が挙げられる。この結合は、例えばペプチド結合、ジスルフィド結合、チオエステル結合、アミド結合、チオエーテル結合、などであっても良い。
【0098】
免疫反応調整物質は、技術分野で知られているあらゆる方法によって微粒子担体材料に共有結合しても良い。例えば米国特許第4,722,906号明細書、米国特許第4,979,959号明細書、米国特許第4,973,493号明細書、および米国特許第5,263,992号明細書は、光反応性基および化学結合部分を通じて、生体材料表面に共有結合的に結合する生体適合性薬剤を有する装置について述べる。米国特許第5,258,041号明細書、および米国特許第5,217,492号明細書は、長鎖化学的スペーサーの使用を通じた表面への生体分子付着について述べる。米国特許第5,002,582号明細書、および米国特許第5,263,992号明細書は、望ましい特性を提供するポリマー薬剤が、光反応性部分を通じて表面に共有結合的に結合する、ポリマー表面の製造および使用について述べる。他では、光化学を使用して例えば脈管のグラフトを被覆するなど生体医療用装置の表面を修正した(例えばキト(Kito)ら、ASAIO Journal、39:M506〜M511、1993;およびクラッパー(Clapper)ら、Trans.Soc.Biomat.16:42、1993参照)。チョラキス(Cholakis)およびセフトン(Sefton)はポリビニルアルコール(PVA)主鎖およびヘパリン生体活性基を有するポリマーを合成した。ポリマーは、非潜伏性反応化学を通じてポリエチレン管材料にカップリングされ、得られた表面は一連の生体外(in vitro)および生体内(in vivo)アッセイで血栓抵抗性について評価された(チョラキス(Cholakis)ら、J.Biomed.Mater.Res.、23、399〜415、1989およびチョラキス(Cholakis)ら、J.Biomed.Mater.Res.、23、417〜441、1989)。最後にキノシタ(Kinoshita)らは、多孔性ポリエチレン上にポリアクリル酸主鎖を生じさせて、引き続いてコラーゲン分子がポリアクリル酸主鎖のカルボキシル部分にカップリングされる反応性化学の使用を開示する(参照キノシタ(Kinoshita)ら、Biomaterisls 14:209〜215、1993)。米国特許第6,127,448号明細書は生体適合性ポリマーコーティングの製造について考察する。
【0099】
好ましい実施形態では、IRMは、結合基を使用して微粒子担体材料に付着できる。結合基は、IRM活性の有効量を保ちながら、基材が免疫反応調節物質部分に共有結合的にカップリングできるようにする、あらゆる適切な有機結合基であることができる。いくつかの実施形態では、結合基は、基材がサイトカイン生成などのIRM活性をもたらす、活性コアとT細胞間の生物学的に効果的な相互作用を妨げないように、免疫反応調節物質部分の活性コアと基材との間に十分な空間を作り出すように選択されても良い。
【0100】
結合基としては、基材上の反応性基と反応して共有結合を形成できる反応性基が挙げられる。適切な反応性基としては、ヘルマンソン(Hermanson)「生体コンジュゲート技術(Bioconjugate Techniques)」Academic Press、第2章「反応性官能基の化学(The Chemistry of Reactive Functional Groups)」137〜16、1996で考察されるものが挙げられる。例えば結合基は、一級アミン(例えばN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルまたN−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル)と反応しても良く、それはスルフヒドリル基(例えばマレイミドまたはヨードアセチル)と反応しても良く、またはそれは光反応性基(例えば4−アジドフェニル、2−ヒドロキシ−4−アジドフェニル、2−ニトロ−4−アジドフェニル、および2−ニトロ−3−アジドフェニルをはじめとするフェニルアジ化物)であっても良い。結合基は、IRMと共有結合的にカップリングできるアルコキシシリル基(例えばトリエチオキシシリル基)であっても良い。アルコキシシリル基は、次にシリカ粒子などのケイ素含有微粒子担体材料に共有結合的にカップリングできる。
【0101】
基材は、結合基への共有カップリングのためにアクセスできる化学的に活性な基を含む。結合基への共有カップリングのためにアクセスできる化学的に活性な基としては、結合基への共有カップリングに直接使用されても良い基、または結合基への共有カップリングに利用できるように修正されても良い基が挙げられる。例えば適切な化学的に活性な基としては、一級アミンおよびスルフヒドリル基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0102】
典型的に、付着は免疫反応調節物質を架橋剤と反応させて、次に得られる中間体を基材と反応させて生じさせても良い。生体コンジュゲートを調製するのに適した多くの架橋剤は既知であり、多くは市販される。例えばヘルマンソン(Hermanson)「生体コンジュゲート技術(Bioconjugate Techniques)」Academic Press、1996参照。
【0103】
付着はまた、例えば基材がR1を通じてIRM部分に結合される、反応スキームIに示す方法に従って生じさせても良い。反応スキームIのステップ(1)では、式IIIの化合物が式IVのヘテロ二官能性架橋剤と反応して、IIの化合物を提供する。RAおよびRBは、互いに反応するように選択される官能基をそれぞれ含有する。例えばRAが一級アミンを含有する場合、その中でRBが、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステルなどのアミン−反応性官能基を含有する、ヘテロ二官能性架橋剤が選択されても良い。RAおよびRBは、反応してコンジュゲート中に所望のリンカー基を提供するように選択されても良い。
【0104】
Aが官能基を含有する式IIIの化合物を調製する方法は知られている。例えば米国特許第4,689,338号明細書、米国特許第4,929,624号明細書、米国特許第5,268,376号明細書、米国特許第5,389,640号明細書、米国特許第5,352,784号明細書、米国特許第5,494,916号明細書、米国特許第4,988,815号明細書、米国特許第5,367,076号明細書、米国特許第5,175,296号明細書、米国特許第5,395,937号明細書、米国特許第5,741,908号明細書、米国特許第5,693,811号明細書、米国特許第6,069,149号明細書、米国特許第6,194,425号明細書、米国特許第6,331,539号明細書、米国特許第6,451,810号明細書、米国特許第6,525,064号明細書、米国特許第6,541,485号明細書、米国特許第6,545,016号明細書、米国特許第6,545,017号明細書、米国特許第6,573,273号明細書、米国特許第6,656,938号明細書、米国特許第6,660,735号明細書、米国特許第6,660,747号明細書、米国特許第6,664,260号明細書、米国特許第6,664,264号明細書、米国特許第6,664,265号明細書、米国特許第6,667,312号明細書、米国特許第6,670,372号明細書、米国特許第6,677,347号明細書、米国特許第6,677,348号明細書、米国特許第6,677,349号明細書、米国特許第6,683,088号明細書および国際公報国際公開第03/103584号パンフレットを参照されたい。
【0105】
多くのヘテロ二官能性架橋剤が知られており、多くが市販される。例えばヘルマンソン(Hermanson)、「生体コンジュゲート技術(Bioconjugate Techniques)」、Academic Press、第5章「ヘテロ二官能性架橋剤(Heterobifunctional Cross−Linkers)」、229〜285、1996を参照されたい。反応は概して、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶剤中の式IIIの化合物の溶液と、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶剤中の式IVのヘテロ二官能性架橋剤の溶液とを組み合わせて実施できる。反応は周囲温度で実行しても良い。次に従来の技術を使用して、式IIの生成物を単離しても良い。
【0106】
反応スキームIのステップ(2)では、反応性基ZAを含有する式IIの化合物が基材と反応して、式IのIRM−カップリング基材を提供する。一実施形態では、反応はジメチルスルホキシドなどの適切な溶剤中の式IIの化合物の溶液と基材とを組み合わせて実施できる。反応は、周囲温度または低温(約4℃)で実行しても良い。ZAがフェニルアジ化物などの光反応性基である場合、次に反応混合物を架橋をもたらすのに適切な時間(例えば10〜20分間)長波UV光に曝露する。基材表面積あたりの免疫反応調節物質部分の平均数は、反応で使用される式IIの化合物の量を調節することで制御されても良い
【0107】
【化1】

【0108】
代案としては、式IIの化合物はヘテロ二官能性架橋剤を使用せずに合成しても良い。式IIの化合物が反応性基ZAを含有する限り、上のステップ(2)の方法を使用して、それを基材と反応させて、IRM−カップリング基材を提供しても良い。
【0109】
R基は、任意に様々な置換を含むことができる水素または有機基であることができる。それらは、ハロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基などをはじめとする、アルキル基、アルケニル基を含むことができる。
【0110】
例えば好ましいR2基としては、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、およびシクロプロピルメチル)、およびアルコキシアルキル基(例えばメトキシエチルおよびエトキシメチル)が挙げられる。好ましくはR3およびR4は独立に水素またはメチルであり、またはR3およびR4は一緒になってベンゼン環、ピリジン環、六員環飽和環、または窒素原子を含有する六員環飽和環を形成する。存在する場合、1つ以上のこれらの好ましい置換基は、本発明の化合物中にあらゆる組み合わせで存在できる。
【0111】
ここでの用法では、「アルキル」、「アルケニル」という用語、および「alk−」という接頭辞は、直鎖、分枝鎖、および環式基、すなわちシクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。特に断りのない限り、これらの基は1〜20個の炭素原子を含有し、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。好ましい基は、全部で10個までの炭素原子を有する。環式基は単環式または多環式であることができ、好ましくは3〜10個の環炭素原子を有する。例示的な環式基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、およびアダマンチルが挙げられる。
【0112】
「ハロアルキル」という用語は、過フッ素化された基をはじめとする1つ以上のハロゲン原子で置換された基を包含する。これはまた接頭辞「ハロ−」を含む基にもあてはまる。適切なハロアルキル基の例はクロロメチル、トリフルオロメチルなどである。
【0113】
「アリール」という用語は、ここでの用法では炭素環式芳香族環または環系を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えばO、S、N)を含有する芳香族環または環系を含む。適切なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニルなどが挙げられる。
【0114】
「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えばO、S、N)を含有する非芳香族環または環系を含み、上述のヘテロアリール基の完全に飽和された、および部分的に不飽和である誘導体全てを含む。例示的な複素環式基としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル,チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびイミダゾリジニルが挙げられる。
【0115】
アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、独立にアルキル、アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、カルボキシ、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアルコキシ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルチオカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、ヘテロアリールチオカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールカルボニチオ(arylcarbonythio)、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールジアジニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルケニルアミノカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニルアミノ、アリールアルキルアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノカルボニルアミノ、そしてヘテロシクリルの場合はオキソよりなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されていないまたは置換されていることができる。その他の基が「置換された」または「任意に置換された」として述べられる場合、それらの基はまた、1つ以上の上で列挙する置換基によって置換できる。
【0116】
反応スキームIでは、IRMはイミダゾール環のN1窒素にある結合基を通じて基材に付着する。代案としては結合は、環系の異なる部位で生じることができる。その例を下でそれぞれイミダゾキノリンアミン、イミダゾナフチリジンアミンおよびイミダゾピリジンアミンについて示す。
【0117】
【化2】

【0118】
付着は、所望の付着部位のIRM含有反応性基RAから開始して、反応スキームIの方法を使用してもたらされる。
【0119】
特定の治療的なまたは予防的な適用で効果的なIRM−担体複合体の量は、意図される治療的なまたは予防的な適用を達成するのに十分な量である。使用するIRM−担体複合体の正確な量は、IRM化合物の物理的および化学的性質、微粒子担体材料の性質、意図される投与計画、対象の免疫系の状態(例えば抑制されている、損なわれている、刺激されている)、IRM化合物の投与方法、および調合物が投与される種をはじめとするがこれに限定されるものではない、技術分野で知られている要素に従って変動する。したがって概してあらゆる可能な適用で効果的なIRM−担体複合体の量を構成する量について述べることは実用的でない。しかし当業者はこのような要因をしかるべく考察することで適切な量を容易に判断できる。
【0120】
投与計画は、IRM化合物の物理的および化学的性質、微粒子担体材料の性質、投与されるIRMの量、対象の免疫系の状態(例えば抑制されている、損なわれている、刺激されている)、IRM−担体複合体の投与方法、および調合物が投与される種をはじめとするがこれに限定されるものではない、技術分野で知られている多くの要因に少なくともある程度左右されても良い。したがって概してあらゆる可能な適用で効果的な投与計画について述べることは実用的でない。しかし当業者はこのような要因をしかるべく考察することで適切な量を容易に判断できる。
【実施例】
【0121】
以下の実施例は、本発明の特徴、利点、およびその他の詳細をさらに例証するためにのみ選択された。しかし実施例はこの目的を果たしながら、使用される特定の材料および量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に制限するものではないと明示的に理解される。
【0122】
N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の製造
【化3】

【0123】
フラスコ内に1−(3−アミノプロピル)−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン(100ミリグラム(mg)、0.36ミリモル(mmol);米国特許第6,545,016号明細書の実施例21)および5ミリリットル(mL)無水ジメチルスルホキシド(DMSO)を入れた。固形物が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。溶液にDMSO(1.5mL)中の3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(89.1mg、0.36mmol)を室温で緩慢に添加した。添加後、反応溶液を一晩撹拌した。反応溶液から試料採取して、NMRで分析した。スペクトルは所望の付加生成物N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を100%転換で示した。サンプルをまた液体クロマトグラフィーによって分析し、スペクトルは出発原料の消失と共に単一生成物ピークを示した。
【0124】
N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の製造
【化4】

【0125】
フラスコ内に1−(4−アミノブチル)−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(100mg、0.336mmol;米国特許第6,069,149号明細書で開示される方法を使用して調製できる)および5mLの無水ジメチルスルホキシド(DMSO)を入れた。固形物が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。溶液にDMSO(1.5mL)中の3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(83.2mg、0.336mmol)を室温で緩慢に添加した。添加後、反応溶液を一晩撹拌した。反応溶液から試料採取して、NMRで分析した。スペクトルは所望の付加生成物N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を100%転換で示した。サンプルをまた液体クロマトグラフィーによって分析し、スペクトルは出発原料の消失と共に単一生成物ピークを示した。
【0126】
DMSOの代わりに15mLの無水テトラヒドロフラン(THF)を使用して、反応を繰り返した。NMRによる得られた生成物の分析は、出発原料の所望の付加生成物への97%転換を示した。
【0127】
2−エトキシメチル−1−((3−{2−ヒドロキシ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]プロピル}アミノ))プロピル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミンの製造
【化5】

【0128】
フラスコ内に1−(3−アミノプロピル)−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン(10mg、0.036mmol;米国特許第6,545,016号明細書の実施例21)および2.5mL無水テトラヒドロフランを入れた。固形物が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。溶液に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(8.51mg、0.036mmol)を室温で緩慢に添加した。添加後、反応溶液を一晩撹拌した。反応溶液から試料採取して、NMRで分析した。スペクトルは所望の付加生成物2−エトキシメチル−1−((3−{2−ヒドロキシ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]プロピル}アミノ))プロピル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミンを100%転換で示した。
【0129】
実施例1:
二段階反応によってIRMを金粒子に共有結合的にカップリングして、ナノメートル−サイズのIRM−金コンジュゲートを形成した。チオールカルボナートと反応させて金表面に炭酸で官能性付与して、次にカルボジイミドによって炭酸官能基をIRM触媒の一級アミン基にカップリングした。
【0130】
簡単に述べると、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ(Aldrich(Milwaukee、WI))からの10μLの100mMのメルカプト酢酸溶液(カタログ10,900−2)をオハイオ州オーロラのICNバイオメディカルズ(ICN Biomedicals Inc.(Aurora、OH)からの1mLのコロイドの金粒子溶液(約10nM)(カタログ:154015、平均サイズ40nm)に添加した。窒素雰囲気下で、混合物を室温で3時間3Hzで振盪した。
【0131】
次に、20μLのイミダゾキノリンIRM化合物(4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタンアミン、米国特許第6,069,149号明細書で開示される)の10mg/L PBS緩衝液(pH7.2)溶液、20μLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)(イリノイ州ロックフォードのピアス(Pierce、Rockford、IL))からのEDC、HCl塩)の50mg/L PBS緩衝溶液、および1滴の約1NのHClを混合物に添加した。最終混合物を室温でさらに12時間3Hzで振盪し、続いて14,000毎分回転数(rpm)で30分間遠心分離した。上清を除去した後、沈殿を0.5mLのPBS緩衝液で2回洗浄して、1mLのPBS中に再分散させた。電界放出SEM顕微鏡写真は、変性粒子が良好に分離して分布することを示した。赤外線スペクトルは、−NH−シグナルに顕著な増大があることを示し、コロイド金へのIRMの成功裏のカップリングが示唆された。
【0132】
実施例2:
同様に、ICNバイオメディカルズ(ICN Biomedicals Inc.)からの10nmコロイド金から金コンジュゲートを作成した(カタログ番号154011)。
【0133】
実施例3:
IRM−金粒子はまた、アビジン−ビオチンまたは抗ビオチン−ビオチンカップリングから作られた。ニューヨーク州のストーニブルックのアマーシャム・バイオサイエンス・ナノプローブ(Amersham Biosciences、Nanoprobes、Inc.Stoney Brook、NY)から市販される金ストレップアビジン、またはニューヨーク州のストーニブルックのナノプローブ(Nonoprobes、Inc.Stoney Brook、NY)から市販される抗ビオチンナノゴールド・ファブ・コンジュゲートをTNF放出の刺激において複合化していないIRMと比較できるが、IL−6刺激においてより優れている、米国特許第6,451,810号明細書の実施例29のビオチン複合体と反応させた。
【0134】
実施例4:
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が触媒する[(4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル)メトキシ]酢酸のカルボキシル基とフェリチンの一級アミンとの直接カップリングを通じて、4000〜5000個のFe3+イオンを含有する金属タンパク質であるフェリチンのIRMコンジュゲートを合成した。
【0135】
5mLのpH7.4PBS緩衝液(0.4g/L)中の[(4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル)メトキシ]酢酸溶液をオハイオ州オーロラのICNバイオメディカルズ(ICN Biomedicals Inc.(Aurora、OH))からの3mlのpH7.4のPBS緩衝液溶液中の50g/Lのフェリチン、新鮮に作成した2mLのPBS中の20mM EDC、および10滴の1N HClの混合物に添加した。5−秒間のボルテックス混合後、混合物を一晩反応させた。次に混合物をサイズ排除液体クロマトグラフィー(PD−10)カラムを通じて溶出した。褐色画分を収集した。コンジュゲート中の[(4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル)メトキシ]酢酸とフェリチンとの平均比率は、最初の溶液および溶出溶液中の[(4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダズ[4,5−c]キノリン−2−イル)メトキシ]酢酸のUVスペクトル測定に基づいて、0.6(M/M)と求められた。カラム通過後、フェリチン回収率は95%であった。流出画分をHPLCで検証したところ、単一ピークを示した。変性中に顕著な鉄の損失は観察されなかった。コンジュゲートは、RAW細胞における試験で生物学的活性を示した。
【0136】
実施例5:
製造業者の提唱するプロトコルに基づいて、修正されたプロトコルを使用して、IRMを官能性付与超常磁性粒子上に共有結合的に固定化した。簡単に述べると、ニューヨーク州レイク・サクセスのダイナル・バイオテック(Dynal Biotect(Lake Success、NY))からの100mgの凍結乾燥させたダイナビーズ(DYNABEADS)M−270エポキシ(約6.7×109のビーズを含有する)を7mLの脱イオン水に懸濁した。30秒間ボルテックスし、10分間インキュベートした後、混合物を3000重力(G)で10分間遠心分離して上清を廃棄した。
【0137】
3mLの新鮮に作られた炭酸−炭酸水素塩緩衝液(0.1M、pH9.4)中の1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン溶液(0.4g/L)(米国特許第6,069,149号明細書で開示される方法を使用して調製できる)、および脱イオン水中の5mLの4M硫酸アンモニウムをビーズに添加した。混合物を30秒間ボルテックスして、次に室温で10Hzで作動する振盪器に24時間載せた。
【0138】
混合物を3000Gで10分間遠心分離した。上清を除去して247nmでのUV吸光度によってIRM濃度を測定した。ビーズをで7mLのメタノールで3回、7mlのダルベッコのPBSで3回洗浄した。変性ビーズ中のIRM含量は上清および洗浄液中に見られたIRM量を最初にビーズと合わせたIRMの量から差し引いて計算された。
【0139】
実施例6:
以下の手順を使用して、IRMをナノサイズの超常磁性粒子上に共有結合的に固定化した。
【0140】
寸法が5〜15nmの範囲である酸化鉄粒子の水ベースの分散体である、ニューハンプシャー州ナシュア(Nashua、NH)からの水をベースとする強磁性流体(EMG 304)の一部(0.1mL)を4mLの脱イオン水および20mLの2−プロパノールで希釈した。連続的に機械的に撹拌しながら、0.3mLアンモニア(30重量%、アルドリッチ(Aldrich))および8.5mgのN−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を分散体に緩慢に添加した。連続的に撹拌しながら反応を室温で4時間進行させた。反応の完結後、磁石を使用してIRM−付着磁性粒子を濃縮した。
【0141】
実施例7:
以下の手順を使用してIRMをコアシェル超常磁性粒子に共有結合的に付着した。寸法が100nmの範囲であるコアシェル磁性粒子の水ベースの分散体である、ドイツ国ベルリンのケミセル(Chemicell GmbH(Berlin、Germany))からの水をベースとするシリカ被覆された超常磁性粒子(50mg、SiMAG−1)の一部(1mL)を5mLの脱イオン水および15mL2−プロパノールで希釈した。連続的に機械的に撹拌しながら、アルドリッチ(Aldrich)からの0.3mLのアンモニア(30重量%)および8.5mgのN−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を分散体に緩慢に添加した。反応を連続的に撹拌しながら室温で4時間進行させた。反応完結後、磁石を使用してIRM付着磁性粒子を濃縮した。
【0142】
実施例8
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
イリノイ州ナパービルのナルコからの(Nalco(Naperville、IL))SiO2粒子(0.49gの2327、20ナノメートル(nm)アンモニウム安定化コロイドシリカゾル、41%固形物)の分散体を5mLバイアルに入れた。分散体を0.2gの脱イオン水および0.5gのDMSOで希釈した。撹拌される分散体に、2gのDMSO中の33mgのN−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を添加した。添加後、分散体を40℃で2時間超音波浴に入れた。次にバイアルに栓をして、80℃のオーブンに24時間入れた。得られた分散体を液体クロマトグラフィーによって分析した。スペクトルは開始IRMシランと比較して保持時間が異なる幅広いピークを示した。分散体を遠心分離して溶剤を除去した。
【0143】
実施例9
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
イリノイ州ナパービルのナルコからの(Nalco(Naperville、IL))SiO2粒子(0.49gの2327、20nmアンモニウム安定化コロイドシリカゾル、41%固形物)の分散体を5mLバイアルに入れた。分散体を0.2gの脱イオン水および0.5gのDMSOで希釈した。撹拌される分散体に、2gのDMSO中の33mgのN−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を添加した。添加後、分散体を40℃で2時間超音波浴に入れた。次にバイアルに栓をして、80℃のオーブンに24時間入れた。バイアルを室温に冷却して、ペンシルベニア州モリスビルのゲレスト(GELEST,INC.(Morrisville、PA))から入手できるPEGトリエトキシシラン(12.4mg、0.0248mmol)をバイアルに添加した。添加後、バイアルに栓をして超音波浴に2時間入れた。バイアルを次に80℃のオーブンに24時間入れた。次に分散体を遠心分離して溶剤を除去した。
【0144】
実施例10
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の量を33mgから17mgに低下させたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0145】
実施例11
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の量を33mgから8.5mgに低下させたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0146】
実施例12
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
PEGトリエトキシシランの量を12.4mgから31.0mgに増大させたこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0147】
実施例13
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の代わりに、34mgのN−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を使用したこと以外は、実施例8の手順を繰り返した。
【0148】
実施例14
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[3−(4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)プロピル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の代わりに、34mgのN−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素を使用したこと以外は、実施例9の手順を繰り返した。
【0149】
実施例15
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の量を34mgから17mgに低下させたこと以外は、実施例14の手順を繰り返した。
【0150】
実施例16
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素の量を34mgから8.5mgに低下させたこと以外は、実施例14の手順を繰り返した。
【0151】
実施例17
IRMグラフト化ナノ粒子の製造
PEGトリエトキシシランの量を12.4mgから31.0mgに増大させたこと以外は、実施例14の手順を繰り返した。
【0152】
試験データ
以下の様式で、実施例5で製造したビーズをサイトカインを誘導するそれらの能力について試験した。250μLのRPMI完全培地中のヒト末梢血単核細胞(5×105細胞)に、20μLのビーズスラリー(80mgビーズ/mL PBS)を添加して一晩インキュベートした。ELISAによって、1:1希釈複製をIFNαおよびTNFα濃度についてアッセイした。結果を下の表に示すが、IFNおよびTNFはピコグラム/mLで報告され、sdは標準偏差である。コントロールダイナビーズ(DYNABEADS)は、緩衝液単独で処理したビーズである。
【0153】
【表1】

【0154】
上述した方法を使用して、実施例1、2、および8〜17の粒子を単一実験で試験したが、試験濃度では、顕著な量のインターフェロンαまたは腫瘍壊死因子αのいずれも誘導しなかった。
【0155】
ここで引用した特許、特許文献および公報の完全な開示は、その内容全体を個々に本願明細書に引用したように参照によってここに編入する。不一致がある場合、定義を含めた本願明細書が統制するものとする。本発明の範囲を精神を逸脱することなく本発明の様々な修正および変更ができることは当業者には明らかである。例証的な実施形態および実施例は例証としてのみ提供され、本発明の範囲の制限を意図するものではない。本発明の範囲は以下で述べる請求項によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属を含んでなる微粒子担体材料上の少なくとも1つのIRM化合物を含んでなる、IRM−担体複合体。
【請求項2】
前記IRM化合物が前記担体材料に付着する、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項3】
前記IRM化合物が前記担体材料に共有結合的に付着する、請求項2に記載のIRM−担体複合体。
【請求項4】
前記IRM化合物が、前記担体材料の前記金属の少なくとも1つに共有結合的に付着する、請求項3に記載のIRM−担体複合体。
【請求項5】
前記担体材料が多孔性粒子の形態である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項6】
前記金属が前記担体材料上に被覆される、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項7】
前記担体材料が有機ポリマーまたは無機ポリマーを含んでなる、請求項6に記載のIRM−担体複合体。
【請求項8】
前記微粒子担体材料が金属酸化物を含んでなる、請求項7に記載のIRM−担体複合体。
【請求項9】
前記微粒子担体材料がガラスまたはセラミックを含んでなる、請求項8に記載のIRM−担体複合体。
【請求項10】
前記担体材料が固形金属粒子の形態である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項11】
前記金属が前記微粒子担体材料の前記コアを形成する、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項12】
前記微粒子担体材料が0.1g/cm3〜25g/cm3の平均密度を有する、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項13】
前記微粒子担体材料が5g/cm3〜20g/cm3の平均密度を有する、請求項12に記載のIRM−担体複合体。
【請求項14】
前記微粒子担体材料が1ナノメートル〜250μmの平均粒度を有する、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項15】
前記微粒子担体材料が0.1μm〜20μmの平均粒度を有する、請求項14に記載のIRM−担体複合体。
【請求項16】
前記微粒子担体材料が0.2μm〜5μmの平均粒度を有する、請求項14に記載のIRM−担体複合体。
【請求項17】
前記微粒子担体材料が磁性である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項18】
前記微粒子担体材料が超常磁性である、請求項17に記載のIRM−担体複合体。
【請求項19】
前記IRM化合物が少なくとも1つのTLRの作動薬である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項20】
前記TLRが、TLR6、TLR7、TLR8、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項19に記載のIRM−担体複合体。
【請求項21】
前記IRM化合物が小型分子免疫反応調節物質である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項22】
少なくとも1つのIRM化合物が、イミダゾキノリンアミン、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、チオエーテル置換イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、そしてピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾ二量体、それらの薬剤的に許容可能な塩、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項23】
前記IRMが、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、尿素置換イミダゾピリジン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、そしてピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾ二量体、それらの薬剤的に許容可能な塩、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項24】
少なくとも1つのIRM化合物が、プリン、イミダゾキノリンアミド、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾピリジン、アデニン、およびそれらの誘導体よりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項25】
少なくとも1つのIRM化合物が、五員環の窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンを含んでなる、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項26】
前記金属が遷移金属、半金属、または希土類金属である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項27】
前記金属が周期表の6〜11族よりなる群から選択される、請求項26に記載のIRM−担体複合体。
【請求項28】
前記金属がタングステン、鉄、金、銀、白金、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項27に記載のIRM−担体複合体。
【請求項29】
前記金属が0価の金属である、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項30】
前記0価の−金属が合金の形態である、請求項29に記載のIRM−担体複合体。
【請求項31】
少なくとも1つの追加的薬剤をさらに含んでなる、請求項1に記載のIRM−担体複合体。
【請求項32】
前記追加的薬剤がワクチンである、請求項31に記載のIRM−担体複合体。
【請求項33】
前記ワクチンがDNAワクチンである、請求項32に記載のIRM−担体複合体。
【請求項34】
少なくとも1つの0価の遷移金属を含んでなる微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体であって、前記微粒子担体材料が5g/cm3〜20g/cm3の平均密度を有する、IRM−担体複合体。
【請求項35】
送達銃に含有される、請求項34に記載のIRM−担体複合体。
【請求項36】
前記金属が、タングステン、鉄、金、銀、白金、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項34に記載のIRM−担体複合体。
【請求項37】
少なくとも1つの0価の遷移金属を含んでなる微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体であって、前記微粒子担体材料が0.2μm〜5μmの平均粒度を有するIRM−担体複合体。
【請求項38】
前記金属が、タングステン、鉄、金、銀、白金、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項37に記載のIRM−担体複合体。
【請求項39】
周期表の6〜11族よりなる群から選択される少なくとも1つの0価の遷移金属を含んでなる微粒子担体材料に共有結合的に付着する、少なくとも1つのIRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体。
【請求項40】
前記金属がタングステン、鉄、金、銀、白金、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、チタン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項39に記載のIRM−担体複合体。
【請求項41】
前記微粒子担体材料が5nm〜100nmの平均粒度を有する、請求項40に記載のIRM−担体複合体。
【請求項42】
オリゴヌクレオチドに共有結合的に付着する少なくとも1つのIRM化合物を含んでなるIRM−担体複合体であって、少なくとも1つの金属を含んでなる微粒子担体材料に付着するIRM−担体複合体。
【請求項43】
前記微粒子担体材料が2μm〜5μmの平均粒度を有する、請求項42に記載のIRM−担体複合体。
【請求項44】
請求項1に記載のIRM−担体複合体を送達するステップを含んでなる、IRMを対象に送達する方法。
【請求項45】
請求項34に記載のIRM−担体複合体を送達するステップを含んでなる、IRMを対象に送達する方法。
【請求項46】
請求項37に記載のIRM−担体複合体を送達するステップを含んでなる、IRMを対象に送達する方法。
【請求項47】
請求項39に記載のIRM−担体複合体を送達するステップを含んでなる、IRMを対象に送達する方法。
【請求項48】
請求項42に記載のIRM−担体複合体を送達するステップを含んでなる、IRMを対象に送達する方法。
【請求項49】
少なくとも1つの金属を含んでなる微粒子担体材料上の少なくとも1つのIRM化合物を含んでなる、IRM−担体複合体を含有する貯蔵所を含んでなる送達装置。
【請求項50】
前記IRM化合物が前記微粒子担体材料に共有結合的に付着する、請求項49に記載の送達装置。
【請求項51】
前記微粒子担体材料が少なくとも1つの0価の遷移金属を含んでなる、請求項50に記載の送達装置。
【請求項52】
前記微粒子担体材料が10g/cm3〜20g/cm3の平均密度を有する、請求項50に記載の送達装置。
【請求項53】
前記微粒子担体材料が0.2μm〜5μmの平均粒度を有する、請求項50に記載の送達装置。
【請求項54】
前記0価の遷移金属が周期表の6〜11族よりなる群から選択される、請求項50に記載の送達装置。
【請求項55】
衝撃装置である請求項50に記載の送達装置。
【請求項56】
免疫反応調節物質を少なくとも1つの金属を含んでなる微粒子担体材料に付着するステップを含んでなる、IRM−担体複合体を製造する方法。
【請求項57】
前記免疫反応調節物質が前記微粒子担体材料に共有結合的に付着する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記IRMがアルコキシシラン部分を含んでなるように変性するステップを含んでなる、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記IRM変性アルコキシシランがケイ素含有微粒子担体材料に付着する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ケイ素含有微粒子担体材料がシリカ粒子を含んでなる、請求項59に記載の方法。

【公表番号】特表2007−500210(P2007−500210A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532392(P2006−532392)
【出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/011081
【国際公開番号】WO2004/108072
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】