説明

金属成形機の棒状材料搬送供給装置

【課題】射出装置上に立設した溶解筒への棒状材料の直立状態での搬送供給を、リフトの採用により機台上の材料ストック部から高所の溶解筒の上端開口まで可能となす。
【解決手段】射出装置上に溶解筒を立設した金属成形機の棒状材料搬送供給装置である。射出装置に並設した機台上の後部の材料ストック部及び前部の材料リフト部と、材料ストック部と材料リフト部との間の機台上に配設した下部搬送部と、材料リフト部と射出装置の上部とにわたり配設した上部搬送部とからなる。材料リフト部は下部搬送部の前位置に昇降自在に配置した材料挟持装置を備える。上部搬送部は射出装置と並行して架設した支持ビームと、支持ビーム上に前後移動自在に横架して射出装置と材料リフト部の上部にわたり設けた走行ビームと、走行ビーム上に可動自在に設けられて材料リフト部から溶解筒の受給口部上に丸棒材料を直立状態で搬送し供給する搬送機とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属成形機の射出装置上に立設した溶解筒に、機台上の材料ストック部から棒状材料を搬送して供給する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶融材料の保持槽の上に溶解筒を備え、その溶解筒によりマグネシウムやアルミニウム等の金属の丸棒材料を溶解して保持槽に蓄える材料溶解保持装置を、射出装置のシリンダの上に設置し、その保持槽からシリンダ内に1ショット分の溶融材料を供給して成形を行う金属成形機がある。
また射出加熱筒の溶体保持室の上部に保温貯留筒を立設し、その保温貯留筒の上部に横長に設けた加熱筒の外端に、材料供給装置を射出装置の後端部に高く設置して設け、その材料供給装置に横積みした丸棒材料を加熱筒内に押込みにより供給する手段を備えた金属成形機もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−40807号公報
【特許文献2】特開2008−149350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記材料溶解保持装置をシリンダ上に備えた金属成形機では溶解筒が長いので機械高さが必然的に高くなり、4本分の丸棒材料(60cm)を2本の溶解筒で溶解して保持する標準的な射出装置でも3mに近い高さとなる。また材料供給は溶解筒上端の開口に丸棒材料を立てて挿入する高所での作業となり、溶解筒と丸棒材料のクリアランスも加熱効率の上から1〜1.5mm程度であるので、人手による材料供給は行い難く、装置による自動供給が望まれている。
【0005】
上記保温貯留筒の上部に横長に設けた加熱筒への材料供給では、保持槽の上に溶解筒を立設した材料溶解保持装置よりも供給部位の高さが低く、また丸棒材料の供給も横向きであることから、押出装置の採用により直接供給ができ、設定も射出装置上に容易に行い得るが、溶解筒を立設した材料溶解保持装置では、供給部位の高さから射出装置上に材料供給装置を設置することは極めて困難なことである。
【0006】
高所となる溶解筒への材料供給の手段としては、棒状材料を機台上からリフトにより溶解筒の上端開口まで搬送することが考えられるが、リフトの採用による材料搬送でも、溶解筒に棒状材料を立てにして挿入するという供給状態と、溶解筒の上端開口と丸棒材料の位置ぎめの確実性などから難しさがある。
【0007】
この発明は上記課題を解決するために考えられたものであって、その目的は、リフトの採用により機台上にストックした棒状材料を搬送するものであっても、棒状材料をリフターにより直立状態で供給部位の高さに搬送することができ、またリフトから移したのちも、搬送機によりその状態を維持して射出装置上の溶解筒まで移送することができ、溶解筒上端の受給口と棒状材料の位置決めも射出装置と共に進退移動する溶解筒の位置にこだわらず常に確実に行い得る新たな棒状材料搬送供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的によるこの発明は、射出装置上に溶解筒を立設した金属成形機の棒状材料搬送供給装置であって、射出装置に並設した機台上の材料ストック部及び材料リフト部と、材料ストック部と材料リフト部との間の機台上に配設した下部搬送部と、材料リフト部と射出装置の上部とにわたり配設した上部搬送部とからなり、
上記材料リフト部は、下部搬送部の反射出装置側の側部に立設したリフトシャフトと、そのリフトシャフトの昇降部材の内側に下部搬送部側に長く横設した台座と、台座上の可動部材により支持して下部搬送部の前位置に昇降自在に配置した材料挟持装置とを備えるリフターとからなり、
上記上部搬送部は、上記溶解筒の上端の高さ位置に射出装置と並行して架設した支持ビームと、支持ビーム上に前後移動自在に横架して射出装置と材料リフト部の上部にわたり設けた走行ビームと、走行ビーム上に可動自在に設けられて、材料リフト部から溶解筒の受給口部上に丸棒材料を直立状態で搬送し供給する搬送機とからなる、というものである。
【0009】
上記搬送機は、底部にシャッタプレート付きの開口を有し、そのシャッタプレート上に丸棒材料を直立状態で収容する前面開放の材料ケーシングと、その材料ケーシングの後面の支持部材と、走行ビーム上の移動台座に横向きに止着したベースプレートとからなり、そのベースプレートに支持部材をベースプレート側との間にばね部材を配して摺動自在に設置し、材料ケーシングの開放された前面を上記リフターの材料挟持装置と対向位置させてなる、というものである。
【0010】
上記材料ケーシングは、後面内中央に上記溶解筒の受給口部に立設した材料受けと対向位置する材料押えを、底部の開口縁上に内面を位置させて縦長に設けて備え、その材料押えと材料受けとにより材料ケーシング内の丸棒材料を受給口部にて挟持する構成からなる、というものである。
【0011】
上記下部搬送部は、ベルトコンベア上に多数本の丸棒材料を立ててストックした材料ストック部と上記材料リフト部と間の機台上に移動自在に設けられ、丸棒材料を台板上に立てて材料ストック部側の材料挟持装置に運ぶ搬送台と、材料ストック部と搬送台との間の機台上部に配設した材料搬出装置とからなり、その材料搬出装置は移動自在に支持された搬出本体と、その搬出本体に下向きに設けた昇降シリンダのピストンロッド先端に吸着盤とを備え、そのピストンロッドの伸縮動作と吸着盤の吸着開放動作とにより、材料ストック部の丸棒材料の吊り上げ搬出と、上記搬送台の台板上への吊り下げ搬入とを行う構成からなる、というものである。
【0012】
上記下部搬送部は、多数本の丸棒材料を横向きに寝かせてストックした機台上の材料ストック部と、材料ストック部の前位置の機台上部に配設した材料挟持搬送装置との間に設けられ、その間を進退移動する搬出本体に、材料ストック部から横向きに搬出した丸棒材料を縦向きに回動変位して材料挟持搬送装置に搬出する材料架台を昇降自在に設けた材料搬出装置と、
材料ストック部の前部の機台上部に進退自在に設けられた搬送本体と、搬送本体に下向きに設けた昇降シリンダのピストンロッド下端に丸棒材料を水平に支持する挟持部材とを備える上記材料挟持搬送装置と、
その材料挟持搬送装置の前部機台上に設けた材料載置板と、材料載置板に沿い進退自在に設けて後端の押出板を材料載置板の後位に位置させた丸棒材料の送出部材とを備える材料送出装置と、
上記材料リフト部の材料挟持装置の挟持部材真下の機台上に横設した支軸と、その支軸に脚片を回動自在に支持して上記材料送出装置の前面位置に配置した側面形状がL状形の丸棒材料の起立台と、下端を可動自在に軸支して機台内に揺動自在に上向きに設け、ピストンロッドを起立板の下側の突片に回動自在に連結した起立シリンダとを備える材料起立装置とからなる、というものである。
【0013】
上記下部搬送部は、材料ストック部の前部の機台上部に、所要間隔を空けて機台長手方向に配設した左右のフレームと、フレーム上に進退自在に横架した可動ベース板と、その可動ベース板上に機台横方向に移動自在に設けた搬送本体と、本体前部に下向きに昇降自在に設けた一対の丸棒材料の挟持部材とからなる材料挟持搬送装置と、その材料挟持搬送装置のフレーム間の前部機台上に左右一対の材料載置板を設置した材料送出装置とを備え、その両方の材料載置板への丸棒材料の搬送を上記可動ベース板による搬出本体の縦方向移動と本体自体の横方向移動とにより行い得る構成からなる、というものである。
【0014】
上記下部搬送部は、上記搬送台の後退停止位置又は上記送出装置の材料載置板の設置位置に、丸棒材料の予備加熱装置を備える、というものである。
【発明の効果】
【0015】
上記構成では、機台上にストックした棒状材料を材料挟持装置を備えるリフターにより、棒状材料を直立状態で供給部位の高さに搬送することがき、また棒状材料を直立状態でリフターから搬送機に移し、その状態を搬送機が保持して溶解筒上端の受給口部まで搬送するので、射出装置と共に進退移動する溶解筒の位置が変わっても位置決めが容易に行え、常に確実な棒状材料の搬送供給が可能となる。
【0016】
また上部搬送部の搬送機を、支持ビーム上を前後に移動する走行ビームに移動自在に設け、その走行ビームの移動と搬送機の相互移動により、搬送機を材料リフト部から溶解筒の受給口部に棒状材料を直立状態に保持して移送するので、搬送機を走行ビームの材料リフト部側のビーム端部から射出装置上のビーム端部まで移動し、その位置に停止しておくだけで、搬送機は走行ビームの移動により確実に受給口部の上に重合位置するので、給送供給に複雑な制御も要しない。
【0017】
また搬送機は、底部にシャッタプレート付きの開口を有する前面開放の材料ケーシングを備え、その材料ケーシングの前面をリフターの材料挟持装置と対向位置するように、支持部材により走行ビーム上の移動台座に横向きに止着したベースプレートに、ばね部材を配して摺動自在に設置されていることから、材料挟持装置の挟持部材と正対した状態において、リフターの前進移動による挟持部材の挿入を許容し、挿入後に挟持部材から棒状材料をリリースするだけで受け渡しが済み、棒状材料は底部の開口に収まって直立状態に保持されることから、挟持部材から搬送機への材料移し替えに特別な操作を要せず、また棒状部材が傾いて収容されることもなく、受給口部における材料供給も、後面内に設けた材料押えと受給口部に立設した材料受けとにより棒状材料を挟持して行えるので、棒状材料の傾斜による供給トラブルにより装置の停止を来すようなこともない。
【0018】
下部搬送部を、機台上部に配設した材料搬出装置によりベルトコンベア上に立ててストックした棒状材料を、搬出本体に下向きに設けた昇降シリンダのピストンロッド先端に備える吸着盤により吸着して、材料ストック部側の搬送台に吊下げて搬出できるようにしたので、ベルトコンベアと材料搬出装置及び搬送台の交互作動により、設定時間後との材料搬出と搬送とが行え、また必要に応じて搬送台の待機時間中に棒状材料の予備加熱が行えるので、溶解筒における材料溶解時間の短縮を図ることもできる。
【0019】
また下部搬送部を、機台上に横向きに寝かせてストックした丸棒材料を、搬出本体に昇降自在に設けた回動自在な材料架台により横向き状態で搬出し、その搬出材料を、回動変位により縦向きに向き変えして機台上部の挟持搬送装置の下に搬送し、その材料挟持搬送装置により棒状材料を挟持して前部の機台上の材料送出装置に搬送し、その材料送出装置から材料リフト部の材料挟持装置の挟持部材真下の機台上に回動自在に軸支した材料起立装置に送出し、材料起立台の回動により縦向きに送出された棒状材料を挟持部材間に立てに供給できるようにしたので、棒状材料を機台上に横積みでストックしても、直立状態で棒状材料を材料リフト部の挟持部材に搬送することができ、これにより棒状材料を1本ずつベルト上に立ててストックする場合よりもストック数が増し、材料ストック部への材料補給も投入するだけで済むので作業者による作業負担も少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明に係わる棒状材料搬送供給装置と金属成形機の一部を省略した平面図である。
【図2】棒状材料搬送供給装置の側面図である。
【図3】同上の前端面図である。
【図4】搬送機の射出装置上への移動を示す棒状材料搬送供給装置と金属成形機の一部を省略した平面図である。
【図5】搬送機の材料溶解保持槽上への移動を示す平面図である。
【図6】リフタ−から搬送機への棒状材料の移し替えを示すリフト上部における搬送機の縦断面図である。
【図7】同上の平面図である。
【図8】棒状材料の投入供給状態を示す溶解筒上部と搬送機の縦断面図である。
【図9】同上の平面図である。
【図10】材料ストック部と下部搬送部とが他の構成からなる別実施形態の側面図である。
【図11】材料ストック部を省略した下部搬送部の平面図である。
【図12】別実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図中1は金属成形機の射出装置、2は支持フレームを省略した材料搬送供給装置で、射出装置1の反操作側に並行に設置してある。
【0022】
射出装置1は、加熱シリンダ12の先端のノズルを型締装置11に向けて機台上に進退自在に設置してあり、その加熱シリンダ12の軸線上には材料溶解保持槽13がシリンダ内と連通して立設してある。この材料溶解保持槽13の蓋部材上には、左右一対の溶解筒14が縦長に上端部をシリンダ後部上の支柱15の支持アーム15aに固着して並設してある。
【0023】
上記溶解筒14は、丸棒材料の2本を縦に収容できる長さの筒体、例えば、金属材料がマグネシウム基合金で長さ300mm、直径60mm(溶解時間:20分)の棒状材料では、余長部を加えた長さ850mm、内径62mmの鋼製の円筒体をもって形成され、その円筒体の外周囲に取付けたバンドヒータにより、筒体内の丸棒材料を液相線温度以上の温度又は液相線温度以下−固相線温度以上の温度に加熱して溶解する構成からなる。
【0024】
また溶解筒14の筒体下端は材料溶解保持槽13の保持槽内に開口して、筒体内の溶融材料が重力により保持槽内に流下するようにしてあり、筒体上端にはシャッタ内装の受給装置16が取付けてある。この受給装置16は、筒体上端に嵌着した平面形状が四辺形のブロックによる受給口部16aと、側方から受給口部内に摺動自在に挿入したシャッタープレート16bと、受給口部16の側面に取付けた枠体にシリンダを固着してピストンをシャッタープレート16bの外端に連結した開閉シリンダ16cとからなる。
【0025】
また受給口部16bの上部には縦長で厚肉の材料受部材17が、射出装置1のノズル側に臨む外面中央に佇立した細長い支持部材に取付けて設けてある。この材料受部材17は図8に示すように、上記棒状材料搬送供給装置2の後記する材料ケーシング48と対面する高さ位置に支持され、また内面を受給口部16aの開口縁上に位置させて縦長に垂設してある。
【0026】
上記材料搬送供給装置2は、機台上に設置した後部の材料ストック部20及び前部の材料リフト部30と、材料ストック部20と材料リフト部30との間の機台上と上部とに配設した下部搬送部24と、材料リフト部20と上記射出装置1の上部とにわたり配設した上部搬送部40とからなる。
【0027】
上記材料ストック部20は、所要長さのベルトコンベア21に丸棒材料Mを個々にベルト上に立てて支持する多数のバケット22,22を、上記溶解筒14と間隔を同じくして左右2列にエンドレスに並設した循環ベルトと、各バケットごとに1本ずつ支持した丸棒材料Mを前方に間欠移動するモータ23からなる。
【0028】
下部搬送部24は、機台上に敷設した左右一対のリニアガイドレール25により、材料ストック部20と材料リフト部30との間を往復移動する搬送台26と、機台上部に水平に前後に長く架設した左右一対のリニアガイドレール28aに両端のリニアガイドを嵌合して横架した可動板28bに搬送本体28′を取付けた材料搬出装置28とからなる。
【0029】
材料搬出装置28は、搬出本体下部の左右に下向きに設けた一対の昇降シリンダ29と、ピストンロッドの先端に取付けた吸着盤29′と、図では省略するがエア吸引装置とを備え、その吸着盤29′はピストンロッドの伸長により直下の丸棒材料Mの上端面と接したのちエア吸引により上端面に吸着して、可動板28bの作動により、丸棒材料Mを材料ストック部20のコンベア前端上から吊り上げて搬送台26の後退停止位置上に搬出する。
【0030】
上記搬送台26は、台板上の左右に丸棒材料Mを縦長に個々に支持する四角形の一対の支持ポット26′を備え、両ポットに同時に収容した丸棒材料Mの一対を直立状態で後退停止位置から前方の上記材料リフト部30の材料挟持装置33に搬送する構造からなる。
【0031】
また搬送台26の後退停止位置には、必要に応じて丸棒材料Mの一対を停止時間中に加熱して予熱する装置27が設置してある。この予熱装置27は機台上に設置した支持部材27aと、その支持部材27aに取付けて搬送台26の両側と台板上の中央とに配置した縦長の加熱板27bとからなる。
【0032】
材料リフト部30は、下部搬送部24の反射出装置側の前面側部に機台内から機台上に立設した角柱体のリフトシャフト31と、そのリフトシャフト31に昇降自在に取付けたリフター32と、リフター32の後記するアーム部材38に設置した丸棒材料Mの材料挟持装置33とからなり、リフトシャフト31は、前後側面に取付けたガイドレール31aと、シャフト内側の面内に上端のプーリ31bと機台内の下端に設けたモータ34のプーリ34aとに巻回したリフトベルト35とを備える。
【0033】
上記リフター32は、前後側面板の内側に設けたガイドをガイドレール31aに嵌合し、シャフト側の側面に上記リフトベルト35の上下両端を連結してリフトシャフト31に取付けた昇降部材32aの内側に、下部搬送部側に長く横設した長尺の台座36を備える。この台座36の上面と内側面とには長手方向にリニアガイドレール36aが、また中央部にはガイドシャフト36bが取付けてあり、そのリニアガイドレール36aに下面と側面内とに設けたリニアガイドを嵌合し、ガイドシャフト36bに本体を挿通して可動部材37が台座上に進退自在に設けてある。
【0034】
この可動部材37には、角板材のアーム部材38が基端部を止着して下部搬送部24の前位置まで長く水平に取付けてあり、そのアーム部材38の先端部上に上記材料挟持装置33が開閉器33bを座板38aに載置固定して、左右一対の挟持部材33aを上記搬送台26に向け支持されている。
【0035】
上部搬送部40は、上記溶解筒14の上端位置と高さ位置を同じくして射出装置1と並行に架設した角梁材による所要長さの支持ビーム41と、支持ビーム上に前後移動自在に横架して射出装置1と材料リフト部30の上部にわたり長く設けた角梁材の走行ビーム45と、その走行ビームに可動自在に設けた搬送機47とからなり、その搬送機47は左右の間隔を材料間隔と同一にして並設した一対の材料ケーシング48を備える。
【0036】
上記支持ビーム41は、ビーム本体上の片側に前端内のプーリ41aと、本体後端に設けたモータ42のプーリ42aと巻回して設けた駆動ベルト43と、その駆動ベルトと並行にビーム両側面に設けたガイドレール41bとを備え、そのビーム本体の上に走行台座44が射出装置1に沿って前後移動するように跨設してある。この走行台座44はビーム上に位置する座板と座板両側の下側板とからなり、下側板の下端内に設けたガイドを上記ガイドレール41bに、部材内を駆動ベルト43の前後端と連結してビーム本体上に設けられ、その走行台座44に上記走行ビーム45が直角に載置固定してある。
【0037】
上記走行ビーム45は、ビーム本体の上面中央に並設したガイドシャフト45aと、ビーム本体の両側面のリニアガイドレール45bとを備え、そのビーム本体の上に搬送機台座46が下部搬送部上と射出装置上の間を往復移動するように跨設してある。この搬送機台座46はビーム上に位置する台板と台板両側の下側板とからなり、下側板の下端内に設けたリニアガイドをリニアガイドレール45bに、台座内をガイドシャフト45aに挿通してビーム本体上に移動自在に設けられている。
【0038】
上記搬送機47は、縦長で前面と上面が開放され、図6,7に示すように、横幅が上記挟持部材33aの開き幅とほぼ同じで、丸棒材料を挟持した部材の挿入を許容する材料ケーシング48と、その材料ケーシングの後面板に連結した支持プレート49と、その支持プレートを摺動自在に保持する長方形のベースプレート51からなり、その一対を材料間隔と同一間隔に材料ケーシング48を材料リフト部30側にベースプレート51を搬送機台座46に載置固定して、支持ビーム41と並行に横向きに設けてある。
【0039】
上記材料ケーシング48は、平面形状が上記溶解筒14の受給口部16aと同じ四辺形のブロックで同一径の開口を中央に有する底部48aを備え、その開口を閉塞するシャッタープレート48bが側方から底部内に摺動自在に挿入してある。このシャッタープレート48bには、底部48aの片側面に側方に長く設けた支持板にシリンダを固着した開閉シリンダ48cのピストンが連結してある。また材料ケーシング48の後面板の内側中央には、上記受給口部16aの材料受け17と対向位置する材料押え48′が内面を開口縁上に位置させて縦長に設けてあり、両側板の内側中央の下部には材料振れ止め48″が設けてある。
【0040】
上記支持プレート49は、中央の縦リブにより補強した長方形のプレートで後端が連結片49′に折曲形成され、下面後部の両側にガイド部材49aを備える。またベースプレート51は上面の前部両側にガイドレール51aを長手方向に備え、そのガイドレール51aにガイド部材49aを嵌合して,支持プレート49がベースプレート51に摺動自在に横向きに保持されている。また支持プレート49の連結片49′からベースプレート51の後端に折曲形成した受片51′には、移動制限用のピン52がベースプレート上のばね受片51″とばね部材53とを通して設けてある。
【0041】
上記構成の材料搬送供給装置2では、上記材料ストック部20に一対ずつストックされた多数本の丸棒材料Mのうち、ベルトコンベア21の前端の一対が常に後退停止位置の材料搬出装置28のシリンダ直下に位置する。材料搬出装置28では昇降シリンダ29のピストンロッドの伸長作動により、ロッド先端の吸着盤29′が一対の丸棒材料Mの上端面までそれぞれ降下して圧接され、その後のエア吸引により上端面に吸着する。この状態で昇降シリンダ29のピストンロッドを同時に縮小作動して上昇すると、一対の丸棒材料Mがバケット22からコンベア上に同時に引出されて吊り持たれる。
【0042】
材料搬出装置28は、丸棒材料Mを吊下した状態で可動板28bの作動により前進移動し、上記搬送台26の後退停止位置上の前進停止位置まで丸棒材料Mを搬出して停止する。前進停止位置における一対の丸棒材料Mの直下には、後退停止位置にある搬送台26の支持ポット26′が位置しているので、昇降シリンダ29のピストンロッドを伸長作動して降下すると、丸棒材料Mの下端部が各個に台板上の支持ポット26′ポットに収まって支えられる。伸長作動後にエア吸引を解除して昇降シリンダ29のピストンロッドを縮小作動すると、吸着盤29′が離れて一対の丸棒材料Mはポットにより搬送台上に直立状態に保持される。
【0043】
搬送台26は、リニアガイドレール25の作動により一対の丸棒材料Mを、上記挟持部材33aの直下に設定された前進停止位置まで搬送する。前進停止位置では上記材料挟持装置33の開放された挟持部材33aの部材間に丸棒材料Mが直立状態で運び込まれる。
【0044】
材料挟持装置33は、挟持部材33aの閉作動により丸棒材料Mの両側面を挟んで掴む。挟持後にリフター32は上記モータ34によるリフトベルト35の上方駆動により、上部搬送部40の移送機47が停止位置する上昇停止位置まで上昇する。これにより一対の丸棒材料Mは搬送台26の支持ポット26′から同時に抜け出てリフター側に移り、上昇停止位置まで搬送されて材料ケーシング48の開口前面と正対する。また下部搬送部20では搬送台26と材料搬出装置28がリニアガイドレールの作動により元の後退停止位置に戻って、次の丸棒材料の搬出に備える。
【0045】
上昇停止位置のリフター32は、リフトベルト35の駆動停止によりその位置に保持される。ベルト停止後に上記台座36の可動部材37がリフトシャフト位置から搬送機47の方向に前進移動する。可動部材37の移動によりアーム部材38と共に材料挟持装置33が一対の丸棒材料Mを掴んだまま材料ケーシング48に向かって進み、図6及び図7に示すように、挟持部材33aが丸棒材料Mと共に材料ケーシング48に入り込む。丸棒材料Mの両側を挟持した状態では部材先端が開いているので、前進移動は上記材料押え48′が部材先端間に入り込んで丸棒材料Mと接するところまで行われる。
【0046】
可動部材37の移動停止後、挟持部材33aを僅かに開いて挟持を緩めると、材料押え48′の内面が底部48aの開口縁上に位置していることから、その内面に沿い丸棒材料Mが自重によりリリースして、底部48aの開口内に落ち込み、開口を閉塞しているシャッタプレート48bに直立状態で支えられて材料ケーシング48に収まる。
【0047】
丸棒材料Mのリリース後、可動部材37はリニアガイドレール36bの作動により台座上を元のリフトシャフト位置まで後退移動し、挟持部材33aは半閉状態で材料ケーシング48から抜け出す。後退停止後にリフター32はリフトベルト35の駆動により下部搬送部24の所まで降下し、その移動過程または降下後に挟持部材33aの開放が行われる。
【0048】
搬送機47は、可動部材37の後退移動後に、リニアガイドレール45bの作動により搬送台座45と共に走行ビーム45上を射出装置上のビーム端部まで移動して、一対の材料ケーシング48に収容した丸棒材料Mを、上記一対の溶解筒14とそれぞれ対向する位置に搬送する(図4参照)。
【0049】
搬送機47の停止後、走行ビーム45は上記支持ビーム41のモータ42による駆動ベルト43の作動により、走行台座44と共に支持ビーム上を前方へ走行する。これによりビーム端部の搬送機47も前方の溶解筒14に向かって移動する。この走行ビーム45の前方走行は図5及び図8に示すように、材料ケーシング48が溶解筒14の受給装置16の上に位置して、丸棒材料Mが静止している材料受部材17に押付けられて、底部48aと受給口部16aの開口の両方が重合位置するところまで行われる。
【0050】
この丸棒材料Mの押付けは、支持プレート49とベースプレート51との間の上記ばね部材53を圧縮しながら行われ、そのばね圧により丸棒材料Mは材料受部材17と材料押え48′とに挟まれて垂直に保持される。またばね部材53の圧縮により材料受部材17が材料当接時に受ける衝撃も緩衝されるようになる。走行ビーム45の走行停止後に、受給口部16aと底部48aのシャッタプレート16b,48bとを開作動し、支持ビーム41の駆動ベルト43により走行ビーム45を元の後方位置に低速で移動すると、その後退移動に伴いばね部材53の圧縮による押付力が除かれて、丸棒材料Mは自重で底部48aの開口から受給口部16aの開口を通して溶解筒14に落下供給される。
【0051】
受給口部16aと底部48aの開口は丸棒材料Mの落下供給後にシャッタプレート16b,48bを閉作動して閉じられ、走行ビーム45は元の後方位置に戻される。搬送機47は走行ビーム45の停止後にリニアガイドレール45aの作動により材料挟持装置33と対面するリフトシャフト側のビーム端部に移動して停止し、次の丸棒材料の搬送供給に備える。
【0052】
上記走行ビーム45の前方走行は、上記射出装置1と並行に設置した支持ビーム41の長さが許容する範囲において行い得る。したがって、射出装置1と共に進退移動する材料溶解保持槽13の位置が、図8に鎖線に示す前方位置にあっても、溶解筒14への材料搬送と供給を任意に行い得る。これにより射出装置1を一定位置に停止して丸棒材料Mの搬送供給を行う必要はなく、溶解筒14の受給装置16に対する材料ケーシング45の位置決めにも手数を要しないことから、高所における材料供給を自動的に行い得るようになる。
【0053】
図10〜図12は、材料ストック手段と下部搬送部とが他の構成からなる材料搬送供給装置を示すもので、多数本の丸棒材料Mを機台長手方向に対して横方向(以下横向きという)に並べてストックする機台後部上の材料ストック部200と、その材料ストック部200から横向きに取り出した丸棒材料Mを、機台長手方向に向きを縦(以下縦向きという)に変えて上記搬送リフト部30に搬送したのち起立し、搬送リフト部30の材料挟持装置33に直立位置させる下部搬送部50とからなる。
【0054】
上記材料ストック部200は、材料長さに対応した横幅の立方体形のフレーム201と、フレーム内につづら折りに斜設した複数段の床板の上側コーナを前後交互に開口し、最上段の床板の後端開口を材料投入口202aとして多数本の丸棒材料Mを各床板上に横に並べてストックできる傾斜床202とからなり、その傾斜床202の最下段の搬送リフト部側に臨む床板下端に、樋状の材料受け202bを横設し、その材料受け202bの手前に床板に材料ストッパ装置203を備える。
【0055】
この材料ストッパ装置203は、梃子板203aの支軸前後に下端を可動自在に取付けた前後一対のストッパと、梃子板の後端にピストンロッドを連結して機台フレームに下端を回動自在に軸承した駆動シリンダ203bとからなり、支軸を支点とする梃子板203aの上下動により、前後のストッパが床板上に交互に出没して、床板下端部のの前後の丸棒材料を交互に支える仕組みになっている。
【0056】
下部搬送部50は、機台内の材料搬出装置51と、機台上部の材料挟持搬送装置61と、機台上面の材料送出装置71と、縦向きに送出された丸棒材料Mを前記構成の材料挟持装置33の挟持部材33aの間に直立状態に位置させる材料起立装置81とからなる。
【0057】
材料搬出装置51は、材料ストック部200の前部下側から、機台上部の材料挟持搬送装置61の後部直下の機台内中央の左右一対のフレーム52上の敷設したガイドレール52aと、そのガイドレールに搬出本体の下側両側のガイドを嵌合して進退自在に設け、後端を機台フレームに水平に取付けた駆動シリンダ53のピストンロッドと連結した搬出台54と、搬出台前部に上向きに設けた昇降シリンダ55のピストンロッド先端に回動器56と共に取付けた材料架台57とからなり、その回動器56により材料架台57は水平に180°回転するようにしてある。
【0058】
材料架台57は、板体の両端を上向きに折曲した支持片の上面を丸棒材料Mと同一曲面に弯曲形成したものからなり、その弯曲上面により上記材料受け202bに収まった丸棒材料Mを、昇降シリンダ55のピストンロッドの伸長による押し上げにより掛け外して水平に支持する形態からなる。
【0059】
上記材料挟持搬送装置61は、材料ストック部200の前部の機台上部に、所要間隔を空けて機台長手方向に配設した左右のフレーム62と、一方(図では左側)のフレーム上に設けたリニアガイドレール63aと他方(図では右側)のフレーム上に設けたガイドシャフト63bに、一端部下側の嵌挿部材と他端部下側のリニアガイドとを、それぞれ挿通及び嵌合して進退自在に横架した可動ベース板64と、その可動ベース板上に移動自在に設けた材料挟持手段を備える搬送本体65とからなる。
【0060】
上記材料挟持手段は、搬送本体65の前部にピストンロッドを下向きにして縦設し昇降シリンダ66と、そのピストンロッドの下端に開閉器と共に取付けた丸棒材料Mを水平に挟持する部材66aとからなり、その材料挟持手段を上記材料送出装置71に向けて、搬送本体65は下側のリニアガイドと嵌挿部材とを、可動ベース板上に並設した長手方向のリニアガイドレール64aとガイドシャフト64bとにそれぞれ嵌合及び挿通して、機台横方向に移動自在に設けてある。
【0061】
上記材料送出装置71は、図11に示すように、材料挟持搬送装置61の一対のフレーム62間の前部機台上に、片側(図では右側)の材料載置板72′を上記搬出装置51の延長線上に位置させて長手方向に並設した左右一対の材料載置板72′,72″と、材料載置板間に配設したリニアガイドレール73に細長い板体の先端下側に設けたリニアガイドを嵌合して、上向きに折曲形成した後端の押出板74aを両材料載置板72′,72″の後位に位置させ、その押出板74aにより材料載置台上に置かれた丸棒材料Mを前方に押し出す平面形状がT形の送出部材74とからなる。また図では省略したが、材料載置台72′,72″と機台とのスペースに加熱装置を設置することによって、丸棒材料Mの予備加熱を搬送待機時間内で行うことができるようにしてある。
【0062】
上記材料起立装置81は、機台上の支軸82に回動自在に支持して材料載置台72′,72″の前面位置に配置した側面形状がL状形の板体による材料起立台83と、下端を可動自在に軸支して機台内に揺動自在に上向きに設け、ピストンロッドを起立板83′の下側の突片83aに回動自在に連結した起立シリンダ84とからなり、支軸82を上記材料リフト部30の材料挟持装置33の挟持部材33aの真下の機台上に軸受82aにより横設して、その支軸82に底板83″の外側に突設した脚片83bを回動自在に挿通し、ピストンロッドの伸縮動作により該支軸82を中心に上下に回転するようにしてある。
【0063】
上記構成では、上記搬出台54の昇降シリンダ55を作動してピストンロッドを伸長すると、ロッド先端の回動器56と共に材料架台57が上昇し、材料受け202bの丸棒材料Mを押し上げて水平に支持する。材料支持後に駆動シリンダ53を作動してピストンロッドを伸長すると、搬送台54がそのまま丸棒材料Mを横向きに高く支持しながら鎖線で示す前進停止位置まで移動する。
【0064】
搬出台54の前進停止位置は、機台上部の材料挟持搬送装置61の搬送本体65の後退停止位置の真下にあるので、その位置で材料架台57を回動器56により180°水平回動すると、横向きの丸棒材料Mが鎖線で示すように縦向き変わって、横に開いている挟持部材66aの部材間に位置するようになる。この状態で昇降シリンダ66を伸長作動すると、ピストンロッド先端の挟持部材66aが開いたまま降下して丸棒材料が部材間に位置するので、そこで挟持部材66aを開閉器により閉作動して挟持する。
【0065】
丸棒材料Mの挟持後に昇降シリンダ66を縮小作動すると、挟持部材66aが元の高さ位置まで戻って搬送本体65が丸棒材料Mを高く支持する。その後に搬送本体65は可動ベース板64の作動により、可動ベース板64と共に丸棒材料Mを掴んだまま鎖線で示す前進停止位置まで移動する。丸棒材料Mは鎖線で示すように右側の材料載置板72′の上に位置するので、停止後に再び昇降シリンダ66を伸長作動して丸棒材料Mを材料載置台72′に置き、挟持部材66aを開作動して材料載置台上に移す。
【0066】
材料移し後に挟持部材66aは昇降シリンダ66の縮小作動により上昇して元に戻り、搬送本体65は挟持部材66aを開いたまま可動ベース板64の作動により、可動ベース板64と一緒に元の後退停止位置まで戻る。そして次の丸棒材料の搬送に備える、搬出台54により上記搬出順序で2本目の丸棒材料Mが搬出されてくると、材料挟持搬送装置61では再び挟持部材66aによる材料挟持が行われる。
【0067】
2本目の丸棒材料Mを挟持した搬送本体65は作動により可動ベース板64の板上を機台横方向に移動して、他側(図では左側)の材料載置板72″に臨む位置で停止する。それから前回搬送と同様に可動ベース板64の作動により前進停止位置まで移動して停止し、挟持部材66aの降下と開作動とにより挟持した丸棒材料Mを左側の材料載置台72″の上に載置する。載置後に搬送本体65は可動ベース板64の作動により後退停止位置まで戻され、さらに搬送本体65の作動により横移動して右側の材料載置台72′に臨む待機位置に戻り、新たな棒状材料Mの搬送に備える。
【0068】
上記搬送本体65の可動ベース板上の横移動と、可動ベース板64による縦移動は同時に行ってもよく、この場合には搬送本体65が後退停止位置から左側の材料載置板72″に向かって斜めに移動し、また待機位置に斜めに戻ることになる。
【0069】
材料送出装置71では、左右一対の材料載置台72′,72″の上に丸棒材料Mが載せられると、送出部材74が作動によりリニアガイドレール73にガイドされて起立台側に前進移動し、後端の押出板74aが両材料載置台上の丸棒材料Mを、先端面が起立台83の底板83″に当たるまで押して同時に送り出す。
【0070】
材料送出後に送出部材74を元の位置に後退移動してから、起立シリンダ84を作動してピストンロッドを伸長すると、起立台83が支軸82を支点に上方に90°回動し、受け入れた2本の棒状材料Mを起立板83′と底板83″とにより側面と先端面を支えながら、図10に鎖線で示すように、先端面を下側に逆立ちするよう立て起す。上記リフター32の降下により上記挟持部材33aが起立台上に位置して部材が左右に開いていると、起立台83の棒状材料Mのそれぞれが部材間に入り込んで直立状態で位置するようになる。
【0071】
上記材料挟持装置33では、起立台83の回動停止後に挟持部材33aが閉作動して部材間に直立した丸棒材料Mを挟んで掴む。挟持後にリフター32は前記実施形態と同様に上限停止位置まで上昇し、丸棒材料Mは上記材料ケーシング48と正対する。また起立台83はリフター上昇後に起立シリンダ84の縮小作動により引っ張られて回動し、機台上の元の位置に戻されて次の材料搬送に備える。
【0072】
上記実施形態の棒状材料搬送供給装置は、いずれも射出装置1の材料溶解保持槽13が備える左右一対の溶解筒14に対応させて構成してなるが、単一の溶解筒に対しても同様な構成により丸棒材料Mの搬送供給が行えるので、この発明は図に示す左右一対の溶解筒を対象とした実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 射出装置
2 棒状材料供給搬送装置
13 材料溶解保持槽
14 溶解筒
16 受給装置
16b シャッタープレート
17 材料受部材
20 材料ストック部
21 ベルトコンベヤ
24 下部搬送部
26 搬送台
27 予熱装置
28 材料搬出装置
30 材料リフト部
31 リフトシャフト
32 リフター
33 材料挟持装置
33a 挟持部材
36 台座
37 可動部材
38 アーム部材
40 上部搬送部
41 支持ビーム
45 走行ビーム
47 搬出機
48 材料ケーシング
50 下部搬送部
51 走行装置
53 駆動シリンダ
54 搬送台
57 材料架台
61 材料挟持搬送装置
64 可動ベース板
65 搬送本体
66a 挟持部材
71 送出装置
72′,72″ 材料載置台
74 材料送出部材
81 材料起立装置
83 起立台
84 起立シリンダ
200 材料ストック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出装置上に溶解筒を立設した金属成形機の棒状材料搬送供給装置であって、射出装置に並設した機台上の材料ストック部及び材料リフト部と、材料ストック部と材料リフト部との間の機台上に配設した下部搬送部と、材料リフト部と射出装置の上部とにわたり配設した上部搬送部とからなり、
上記材料リフト部は、下部搬送部の反射出装置側の側部に立設したリフトシャフトと、そのリフトシャフトの昇降部材の内側に下部搬送部側に長く横設した台座と、台座上の可動部材により支持して下部搬送部の前位置に昇降自在に配置した材料挟持装置とを備えるリフターとからなり、
上記上部搬送部は、上記溶解筒の上端位置に射出装置と並行して架設した支持ビームと、支持ビーム上に前後移動自在に横架して射出装置と材料リフト部の上部にわたり設けた走行ビームと、走行ビーム上に可動自在に設けられて、材料リフト部から溶解筒の受給口部上に丸棒材料を直立状態で搬送し供給する搬送機とからなることを特徴とする金属成形機における棒状材料搬送供給装置。
【請求項2】
上記搬送機は、底部にシャッタプレート付きの開口を有し、そのシャッタプレート上に丸棒材料を直立状態で収容する前面開放の材料ケーシングと、その材料ケーシングの後面の支持部材と、走行ビーム上の移動台座に横向きに止着したベースプレートとからなり、そのベースプレートに支持部材をベースプレート側との間にばね部材を配して摺動自在に設置し、材料ケーシングの開放された前面を上記リフターの材料挟持装置と対向位置させてなることを特徴とする請求項1記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。
【請求項3】
上記材料ケーシングは、後面内中央に上記溶解筒の受給口部に立設した材料受けと対向位置する材料押えを、底部の開口縁上に内面を位置させて縦長に設けて備え、その材料押えと材料受けとにより材料ケーシング内の丸棒材料を受給口部にて挟持する構成からなることを特徴とする請求項2記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。
【請求項4】
上記下部搬送部は、ベルトコンベア上に多数本の丸棒材料を立ててストックした材料ストック部と、上記材料リフト部と間の機台上に移動自在に設けられ、丸棒材料を台板上に立てて材料ストック部側の材料挟持装置に運ぶ搬送台と、材料ストック部と搬送台との間の機台上部に配設した材料搬出装置とからなり、その材料搬出装置は移動自在に支持された搬出本体と、その搬出本体に下向きに設けた昇降シリンダのピストンロッド先端に吸着盤とを備え、そのピストンロッドの伸縮動作と吸着盤の吸着開放動作とにより、材料ストック部の丸棒材料の吊り上げ搬出と、上記搬送台の台板上への吊り下げ搬入とを行う構成からなることを特徴とする請求項1記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。
【請求項5】
上記下部搬送部は、多数本の丸棒材料を横向きに寝かせてストックした機台上の材料ストック部と、
材料ストック部の前位置の機台上部に配設した材料挟持搬送装置との間に設けられ、その間を進退移動する搬出本体に、材料ストック部から横向きに搬出した丸棒材料を縦向きに回動変位して材料挟持搬送装置に搬出する材料架台を昇降自在に設けた材料搬出装置と、
材料ストック部の前部の機台上部に進退自在に設けられた搬送本体と、搬送本体に下向きに設けた昇降シリンダのピストンロッド下端に丸棒材料を水平に支持する挟持部材とを備える上記材料挟持搬送装置と、
その材料挟持搬送装置の前部機台上に設けた材料載置板と、材料載置板に沿い進退自在に設けて後端の押出板を材料載置板の後位に位置させた丸棒材料の送出部材とを備える材料送出装置と、
上記材料リフト部の材料挟持装置の挟持部材真下の機台上に横設した支軸と、その支軸に脚片を回動自在に支持して上記送出装置の前面位置に配置した側面形状がL状形の丸棒材料の起立台と、下端を可動自在に軸支して機台内に揺動自在に上向きに設け、ピストンロッドを起立板の下側の突片に回動自在に連結した起立シリンダとを備える材料起立装置とからなることを特徴とする請求項1記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。
【請求項6】
上記下部搬送部は、材料ストック部の前部の機台上部に、所要間隔を空けて機台長手方向に配設した左右のフレームと、フレーム上に進退自在に横架した可動ベース板と、その可動ベース板上に機台横方向に移動自在に設けた搬送本体と、本体前部に下向きに昇降自在に設けた一対の丸棒材料の挟持部材とからなる材料挟持搬送装置と、その材料挟持搬送装置のフレーム間の前部機台上に左右一対の材料載置板を設置した材料送出装置とを備え、その両方の材料載置板への丸棒材料の搬送を上記可動ベース板による搬送本体の縦方向移動と本体自体の横方向移動とにより行い得る構成からなることを特徴とする請求項5記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。
【請求項7】
上記下部搬送部は、上記搬送台の後退停止位置又は上記送出装置の材料載置板の設置位置に、丸棒材料の予備加熱装置を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の金属成形機の棒状材料搬送供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−247203(P2010−247203A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101136(P2009−101136)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000227054)日精樹脂工業株式会社 (293)