説明

金属検知機能付チェックアウト装置及びその制御プログラム

【課題】 チェックアウトされる商品に対する金属異物の混入を検知することができ、安全性の向上をはかる。
【解決手段】 商品への金属異物の混入を検知する機能を有する金属検知機能付チェックアウト装置であって、商品のコード情報を読み取るスキャナと、商品を入れる袋をセットするための袋かけユニットと、商品に金属が含まれているかを検知する金属センサと、商品内への金属混入を報知する報知機構とを具備している。そして、スキャナで読み取ったコード情報に対応する商品が金属の検知対象物と判別された場合に、金属センサにより袋かけユニットの袋内に新たに入れられた商品に対して金属の有無を検知し、金属を検知した場合に商品内への金属の混入を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品に対する針などの金属異物の混入を検知する機能を備えた金属検知機能付チェックアウト装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、針などの異物混入が大きな問題となっている。金属異物の混入を検出するために、商品の登録・精算処理を行うチェックアウト装置に金属センサを設けることが考えられるが、商品の中には元々金属を含むものもあり、この種の商品に対しては単に金属センサを設けたのみでは異物混入であるか否かを判定することはできない。即ち、金属異物の混入を効率良く検知することはできない。
【0003】
一方、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、人手を減らすための対策として、客自身が商品を登録し、精算処理を行うセルフチェックアウト装置の導入が期待されている。このセルフチェックアウト装置においては、店員による商品チェックも無いため、金属異物の混入が益々大きな問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−157563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は、チェックアウトされる商品に対する金属異物の混入を効率良く検知することができ、安全性の向上をはかり得る金属検知機能付チェックアウト装置及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、商品への金属異物の混入を検知する機能を有する金属検知機能付チェックアウト装置であって、商品のコード情報を読み取るスキャナと、商品を入れる袋をセットするための袋かけユニットと、商品に金属が含まれているかを検知する金属センサと、商品内への金属混入を報知する報知機構とを具備している。そして、スキャナで読み取ったコード情報に対応する商品が金属の検知対象物と判別された場合に、金属センサにより袋かけユニットの袋内に新たに入れられた商品に対して金属の有無を検知し、金属を検知した場合に商品内への金属の混入を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態を説明するためのもので、複数のセルフチェックアウト端末を用いたシステム全体の構成を示す模式図。
【図2】図1のシステムに用いたセルフチェックアウト端末の構成を示す斜視図。
【図3】図2のセルフチェックアウト端末の保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図。
【図4】図2のセルフチェックアウト端末に用いた決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】商品データを構成するPULファイルの一例を示す模式図。
【図6】第1の実施形態に係わる金属検知を含む商品販売データ処理を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態に係わる金属検知を含む商品販売データ処理を示すフローチャート。
【図8】変形例を説明するためのもので、セルフチェックアウト端末の保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わるセルフチェックアウト装置を使用した全体のシステム構成を示す模式図である。このシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS端末21と、ストアコントローラ31とが、通信ネットワーク41を介して接続されて構築されている。セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末501が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0010】
図2は、本実施形態のチェックアウト装置としてのセルフチェックアウト端末101の構成を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0011】
決済端末201は、顧客が購入しようとする商品を入れたカゴ(図示せず)を載置するための商品カゴ載置台102が脇から突出したハウジング202を有している。
【0012】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、このベースハウジング202aの上面に載置される上部ハウジング202bとによって構成されている。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【0013】
上部ハウジング202bには、右側にバーコードスキャナ203が配置され、左側にプリンタカバー204が配置されている。バーコードスキャナ203とプリンタカバー204との間にはカード挿入口212が配置されている。
【0014】
バーコードスキャナ203は、ガラス板で形成されている読取面203aを有し、この読取面203aの前面に位置する読取空間に所定パターンのレーザ光パターンを照射する縦型スキャナである。バーコードスキャナ203は、読取空間に物品が位置付けられてその物品に付されたバーコードが読取面203aに向けられると、バーコードからの反射光を受光素子(図示せず)で受光する。そして、バーコードスキャナ203は、受光素子の出力信号に基づくバーコードの受光信号をデコードし、そのバーコードが表現している商品コードや顧客コードをコードデータとして取得し、決済端末201の制御部253(図4参照)に出力する。ここで、商品コードは、商品を特定するコードであって商品に付されている。また、顧客コードは、顧客を特定するコードであって本実施の形態ではポイントカードに印刷されている。
【0015】
プリンタカバー204には、レシート発行口208が設けられている。プリンタカバー204の奥側にはレシートプリンタ251(図4参照)が上部ハウジング202bに内蔵され、このレシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口208から発行されるように構成されている。プリンタカバー204は、上部ハウジング202bに対して開閉自在に取り付けられている。
【0016】
カード挿入口212の内部には、磁気カードに対するデータの読み書きを可能とする磁気カードリーダライタであるカードリーダライタ252(図4参照)が内蔵されている。カード挿入口212には、磁気カードとしてクレジットカードが挿入される。
【0017】
上部ハウジング202bには、液晶表示パネルを有する表示部としてのLCD210が取り付けられている。このLCD210の画面には、入力部としてのタッチパネル211が積層配置されている。
【0018】
ベースハウジング202aには、硬貨と紙幣との入出金装置221(図4参照)が内蔵されている。入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面には硬貨投入口213が配置され、その左側には硬貨払出口214が配置されている。また、ベースハウジングの前面右上方位置には、紙幣投入口215と紙幣払出口216とが配置されている。このような入出金装置221は、硬貨及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0019】
さらに、ベースハウジング202aの背面からは、セルフチェックアウト端末101の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール217が立設されている。この表示ポール217は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。
【0020】
次に、秤装置301について説明する。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303が設けられ、この秤皿303に袋保持具304が取り付けられて構成されている。秤皿303は、その上面に載置台303aを有する。袋保持具304は載置台303aに取り付けられている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は台座を構成する。つまり、載置台303aの後方中央部にはポール形状のアーム支持部305が立設され、このアーム支持部305の上端には品物を載置するための一時置き台306が固定されている。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201のバーコードスキャナ203でバーコードを読み取った後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303a及び一時置き台306は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0021】
このような一時置き台306の下面には、一対の保持アーム307とフック308とが取り付けられている。つまり、一時置き台306の下面両端位置には、アーム取付具309(図3参照)が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具309のそれぞれには、保持アーム307が埋設されている。また、一時置き台306の下面中央位置には、フック取付具310(図3参照)が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック取付具310には、フック308が埋設されている。
【0022】
図3は、保持アーム307にレジ袋401が保持されている状態を示す斜視図である。保持アーム307は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等の収納袋としてのレジ袋401、つまり、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手403にはスリット404が形成されている。また、レジ袋401には、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406が形成されており、これらの耳部406には引掛け穴407が形成されている。フック308は、引掛け穴407を挿通し、これによってレジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0023】
本実施形態では、上記の基本的な構成に加え、秤皿303の上に複数の金属センサ331が設けられている。金属センサ331は、磁場の変動で金属を検知する電磁コイルを有するものであり、例えば秤皿303の4隅に設けられている。さらに、金属センサ331は、秤皿303の上面から一定の距離だけ離れるように、支持棒などにより秤皿303から浮かして設けられている。ここで、金属センサ331の検出感度を高めるためには、秤皿303は非金属の方が望ましい。
【0024】
また、一時置き台306には、台306の上面から突出しないように、例えば2つの金属センサ332が埋め込まれている。金属センサ332は金属センサ331と同様に電磁コイル有し、磁場の変動で金属を検知するものである。
【0025】
図4は、決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0026】
制御部253の中核をなすのはCPU255である。CPU255には、固定データを固定的に記憶するROM256と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM257と、HDD258とがシステムバス259を介して接続されている。
【0027】
制御部253には、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、発光部218、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260、更には金属センサ331,332がシステムバス259を介して接続され、制御部253による制御を受ける。また、制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現させる。なお、図示はしないが、秤装置301との間のデータ通信を実現させるインターフェースもシステムバス259を介して制御部253に接続されている。
【0028】
制御部253に接続されたHDD258には、動作プログラム、各種表示フレーム、PLUファイルPF(図5参照)、部門ファイル、重量データファイルWDF、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等(PLUファイルPF以外は全て図示せず)が記憶保存されている。これらの動作プログラム、各種表示フレーム、各種ファイル及び各種規則情報等は、その全部又は一部が決済端末201の起動時にRAM254に移されて使用される。そして、それらのPLUファイルPF、重量データファイルWDF、部門ファイル、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等は、商品データファイルを構成する。
【0029】
商品データファイルを構成するPLUファイルPFは、各商品を特定する商品コードに対応させて、単価の他に、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、商品コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0030】
商品データファイルを構成する部門ファイルは、PLUファイルPFに記憶されない各商品についての部門コードに対応させて、その単価、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、部門コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0031】
図5は、PLUファイルPFの一例を示す模式図である。PLUファイルPFは、商品コードに対応させて、商品表示と単価と画像データ、更には金属を含むものか否かを表すフラグを記憶している。商品表示は、対応する商品の商品名称に相当するテキストデータである。画像データは、対応する商品の画像データである。フラグは、金属を含まない場合は“0”、金属を含む場合は“1”となっている。
【0032】
次に、本実施形態の商品販売データ処理及び金属検知に関する動作を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力は、バーコードスキャナ203によるバーコードの読み取りの他、LCD210の表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって行われる。
【0034】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力を判定すると(ステップS11)、検索処理を実行する(ステップS12:識別手段)。
【0035】
検索処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードを認識し、商品データファイルを構成する各種ファイルを検索してその商品コードに対応する単価、重量、商品表示等を取得する処理である。
【0036】
次いで、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、検索処理に続いて、重量チェック処理を実行する(ステップS13)。
【0037】
重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0038】
次いで、商品に金属異物が含まれているか否かのチェックを行う。まず、S12で検索した商品コードに対応するPLUファイルのフラグから、その商品が検査対象物であるか否か、即ち金属を使用した商品か使用していない商品かを判定する(ステップS14:判別手段)。金属を使用していない商品の場合は、レジ袋401内に収容された商品に金属が含まれているか否かを金属センサ331により検知する(ステップS15)。金属センサ331で金属が検知された場合は、金属の混入が生じたことをディスプレイに表示したり、警報ランプ(例えば発光部218)等を点灯させる(ステップS16:報知手段)。
【0039】
ここで、金属センサ331は磁場の変動を検出するものであり、金属の有無により磁場が変動することを利用して金属を検出する。従って、商品が袋内に収容されたときの磁場を検出することにより、商品内に金属が含まれているか否かを検知することができる。仮に、センサ近傍に金属が存在しても、新たな金属が近接すると磁場が変動する。従って、レジ袋401内に商品が収容される前と後の磁場の変化分から、新たに収容された商品内の金属の有無を検知することが可能となる。
【0040】
S14で商品が金属を使用していると判定された場合、又はS15で金属を検知しなかった場合は、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック処理に続いて、商品情報登録処理を実行する(ステップS17)。
【0041】
商品情報登録処理は、バーコードスキャナ203によって読み取られたバーコードによって特定される商品コードと特定された商品コードに基づいて検索処理によって検索された単価とを含む商品情報をRAM254に一時登録する処理である。
【0042】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品情報登録処理に続いて、決済指定の有無を判定する(ステップS18)。決済指定が成されない場合はS11に戻り、次の商品コードの入力有無判定を待機することになる。
【0043】
決済指定は、LCD210での表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって実行される。そして、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、決済指定ありの判定をすると(ステップS18のY)、決済処理を実行する(ステップS19)。
【0044】
決済処理は、検索処理によって取得した単価に基づいて決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。決済金額は、タッチパネル211での締め操作に応じて必要な消費税計算等を含む売上合計金額を計算することによって算出され、RAM254等に仮登録するか、あるいは売上ファイルに登録する。決済処理では、算出した決済金額について、現金を利用した決済を可能にする。現金の扱いは、ベースハウジング202aに設けられた入出金装置221で実行される。また、決済端末201に、非接触ICカードリーダライタを設けて、電子マネーカードを利用した決済を可能にしてもよい。
【0045】
本実施の形態では、商品販売データ処理という概念を、検索処理、重量チェック処理、商品情報登録処理、及び、決済処理等を含む広義の概念として用いている。
【0046】
なお、コード入力した後の商品をレジ袋401内に入れないで一時置き台306に置いた場合、一時置き台306にも金属センサ332を設けているため、この部分で金属異物の混入を検査することも可能である。
【0047】
このように本実施形態によれば、秤装置301上に金属センサ331を設けることにより、チェックアウトされる商品に対する金属異物の混入を検知することができ、安全性の向上をはかることができる。しかも、商品自体に金属が使用されている場合は、金属センサ331による検知を行わないようにしているので、誤動作を未然に防止することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態を説明するためのもので、金属検知を含む商品販売データ処理を示すフローチャートである。
【0049】
本実施形態のシステムの基本構成は、先に説明した第1の実施形態と同様であり、ここでは省略する。本実施形態の基本的なフローは前記図6と同じであり、図6中のS21〜S23,S25〜S29は、図6のS11〜S13,S15〜S19に対応している。
【0050】
本実施形態が先の実施形態と異なる点は、S14の代わりに、インストーマーキングの商品コードが読み取られたか否かを判定し(ステップS24)、インストーマーキングの商品コードが読み取られた場合にS25の金属センサの検知を行うことにある。
【0051】
商品に付されるコードには、ソースマーキング体系の商品コードとインストアマーキング体系の商品コードとがある。前者は、メーカ段階でマーキングする場合であり、後者は店舗内でマーキングする場合である。インストアマーキング体系の商品コードが付される商品は、精肉,鮮魚,青果のような商品であり、針等の異物を混入されやすい。さらに、この種の商品に金属が使用されることは殆ど無い。
【0052】
従って、本実施形態のように、インストアマーキング体系の商品コードを認識した場合に金属センサによる検知を行うようにすることは、異物混入の可能性の高い商品を選択して金属検知を行うことになり、処理の効率化を図ることができる。
【0053】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。金属センサとしては、必ずしも電磁コイルを用いたものに限る必要はなく、金属を非接触で検知できるものであればよい。探知距離が短いと袋内の位置によっては検知できない場合があるため、金属探知機のように比較的検出距離の長いものが望ましい。また、図3に示す金属センサ331の代わりに、図8に示すように、レジ袋401を囲むようなリング状の金属センサ333を用いることも可能である。
【0054】
また、実施形態ではセルフ式のチェックアウトシステムについて説明したが、必ずしもセルフ式に限定されるものではない。例えば、特願2008−33640号公報の図1にあるようなチェックアウトカウンタを挟んで客とキャッシャとが対面する対面式のシステムでも、客の流れ方向に対してスキャナを挟んで下流側の登録済商品置き台に金属センサを設けることで、本発明を適用することができる。
【0055】
また、前記実施形態は、装置内部の記憶部に発明の機能を実現させる制御プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0056】
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
11…セルフチェックアウトシステム
21…POS端末
31…ストアコントローラ
101…セルフチェックアウト端末
201…決済端末
203…バーコードスキャナ
218…発光部
301…秤装置
303…秤皿
306…一時置き台
307…保持アーム
331…金属センサ
401…レジ袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のコード情報を読み取るスキャナと、
前記スキャナで前記コード情報が読み取られた商品を入れる袋をセットするための袋かけユニットと、
前記スキャナで読み取ったコード情報に対応する商品を識別する手段と、
前記識別された商品が金属の検知対象物であるかを判別する手段と、
前記商品が検知対象物と判別された場合に、前記袋かけユニットにセットされた袋内に新たに入れられた商品に金属が含まれているかを検知する金属センサと、
前記センサで金属を検知した場合に、前記商品内への金属混入を報知する手段と、
を具備したことを特徴とする金属検知機能付チェックアウト装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記スキャナで読み取られたコード情報を基に、商品データファイルの設定情報を参照することを特徴とする請求項1記載の金属検知機能付チェックアウト装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記スキャナで読み取られたコード情報を基に、バーコード体系がインストアマーキングの場合に前記商品を検知対象物と判別することを特徴とする請求項1記載の金属検知機能付チェックアウト装置。
【請求項4】
前記袋かけユニットにセットされた袋内の商品の総重量を検知する重量センサを有し、前記識別された商品の重量と前記商品が前記袋内に入れられたときの増加重量とを比較し、これらの差が一定以内の場合にチェックアウト処理が正常に成されていると判断することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金属検知機能付チェックアウト装置。
【請求項5】
前記袋かけユニットの近傍に設けられ、前記スキャナでコード情報が読み取られた商品を一時的に置くための一時置き場と、前記一時置き場に新たに置かれた商品に金属が含まれているかを検知する金属センサと、を更に具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金属検知機能付チェックアウト装置。
【請求項6】
請求項1に記載の金属検知機能付チェックアウト装置を制御するためのコンピュータ読み取り可能な制御プログラムであって、
前記スキャナで読み取られたコード情報に対応する商品を識別する手順と、
前記識別された商品に対する登録処理を行う手順と、
前記識別された商品が金属の検知対象物であるかを判別する手順と、
前記商品が検知対象物と判別された場合に、前記袋かけユニットにセットされた袋内に新たに入れられた商品に金属が含まれているかを前記金属センサで検知する手順と、
前記センサで金属を検知した場合に、前記商品内への金属混入を報知する手順と、
をコンピュータにより実施させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−168625(P2012−168625A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27288(P2011−27288)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】