金属製パレットおよびその製造方法
【課題】設備費等のコストを極力低く抑えて、脚材が所望高さの金属製パレットをユーザ側に廉価に且つ容易に提供する。
【解決手段】金属製パレットPの天板13と、脚材Aの上板10、下板11および支柱12は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した金属薄板のフォーミング材を素材とし、天板と、脚材の上板および下板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせてフォーミング材から所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11cを用いて形成し、支柱は、脚材の任意の組立高さに応じて、フォーミング材から所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立ててなる。
【解決手段】金属製パレットPの天板13と、脚材Aの上板10、下板11および支柱12は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した金属薄板のフォーミング材を素材とし、天板と、脚材の上板および下板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせてフォーミング材から所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11cを用いて形成し、支柱は、脚材の任意の組立高さに応じて、フォーミング材から所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立ててなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材として、細長い上板と下板間に間隔をあけて複数の支柱を挟着した脚材を用いて、全体に格子状の平パレットに組み立ててなる積み荷用の金属製パレットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の金属製パレットの中には、細長い上板と下板間にチャンネル状の支柱を間隔をあけて挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、これら脚材の上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して溶着することにより、全体に格子状をなす、例えば片面パレット型に組み立てるものがある(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2003−118734号公報
【特許文献2】実公平3−56516号公報
【特許文献3】実公昭63−40448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、最近、上述のように脚材が上板と下板間に複数の支柱を挟着した構造の金属製パレットについては、ユーザ側から、パレットの使用時又は保管時に積載高さを低くして省スペース化が図られるように、脚材の高さを低く抑えた構造になるよう要望されることがある。一方で、たとえば天板と脚材の下板間の空間に荷物を収納してパレットを棚代わりに使えるように、脚材の高さを高くした構造のパレットを提供するように要望されることもある。
【0004】
そこで、従来、このようなユーザ側の要望に応えて、脚材高さの異なる金属製パレットを製造しようとすると、例えば、その都度、希望に合わせて任意の高さの支柱をプレス曲げ成形し、その所望高さの支柱を上板と下板間に挟着することにより脚材を高さ調整して組み立て、これによって、脚材が所望高さのパレットをユーザ側に提供することも考えられる。しかしながら、これでは、高さの異なる脚材の支柱ごとに、専用のプレス曲げ型などの加工設備が必要であるため、それだけ設備費が飛躍的に高くなり、到底、ユーザ側の要望に応えられないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10上に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着した金属製パレットPにおいて、前記天板13と、前記脚材Aの上板10、下板11および支柱12は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材Fから所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11cを用いて形成し、前記天板13は、前記脚材Aの上板10上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片13a・13eを、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で溶着する一方、前記支柱12は、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材Fから所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立て、前記脚材Aの両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材Aの両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に形成してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10上に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する金属製パレットの製造方法において、幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、該フォーミング材Fを既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11を成形する一方、同じ前記フォーミング材Fを、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、所望長さに切断して前記支柱12を構成する第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような複数の組立板片を成形し、次いで、前記上板10を間隔をあけて並列させる一方、それら上板10と直交する向きに前記天板13を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板13の中で前記上板10の長さ方向両端に配置する前記天板13は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体20を組み立て、それから、該天板組立体20を前記上板10が上側となる向きとし、該上板10の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15eに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記上板10の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、しかる後、前記下板11を、前記天板組立体20の各上板10上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10の上面に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに細長い複数の底板25を間隔をあけて固着した金属製パレットP´において、前記天板13と、前記脚材Aの上板10、下板11および支柱12と、前記底板25は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11と、前記底板25は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材Fから所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11c、25a〜25eを用いて形成し、前記天板13は、前記脚材Aの上板10上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片13a・13eを、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で溶着し、前記底板25は、前記脚材Aの下板11の長さ方向両端に配置する前記長尺板片25a・25eを、それぞれ幅方向外側に有した上向きの前記嵌合溝15a・15cが前記下板11の端縁から張り出した状態で溶着してなる一方、前記支柱12は、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材Fから所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立て、前記脚材Aの両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込み、前記組立板片の下端を、前記下板11の端縁から張り出た前記底板25の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材Aの両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に形成してなることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10の上面に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに細長い複数の底板25を間隔をあけて固着する金属製パレットの製造方法において、幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、該フォーミング材Fを既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11と、前記底板25を成形する一方、同じ前記フォーミング材Fを前記脚材Aの任意の組立高さに応じて所望長さに切断して前記支柱12を構成する複数の第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を成形し、次いで、前記上板10を間隔をあけて並列させる一方、それら上板10と直交する向きに前記天板13を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板13の中で前記上板10の長さ方向両端に配置する前記天板13は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体20を組み立てると共に、前記下板11を間隔をあけて並列させる一方、それら下板11と直交する向きに前記底板25を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら底板25の中で前記下板11の長さ方向両端に配置する前記底板25は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記下板11の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接sで溶着して格子状の底板組立体30を組み立て、それから、前記天板組立体20を前記上板10が上側となる向きとし、該上板10の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記上板10の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、又は、前記底板組立体30を前記下板11が上側となる向きとし、該下板11の両端部では、前記組立板片の一端を、前記下板11の端縁から張り出た前記底板25の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記下板11の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、しかる後、前記底板組立体30の前記下板11を、前記天板組立体20の各上板10上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立て、又は、前記天板組立体20の前記上板10を、前記底板組立体30の各下板11上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たとえばユーザ側からの要望で、脚材の組立高さを標準より高くしたり低くしたりし、そのために脚材の支柱の高さを逐一変更する必要がある場合でも、常に共通のフォーミング材から、ユーザ希望の脚材高さに合わせた長さに支柱の組立板片を切断して成形し、これら組立板片を用いてチャンネル状と対束状に支柱を組み立てるだけでよい構成であるため、従来の如く高さの異なる脚材の支柱ごとに専用のプレス曲げ型などの加工設備を用意する必要がなく、その結果、設備費等のコストが極力低く抑えられ、脚材が所望高さのパレットをユーザ側に廉価に且つ容易に提供することができる。加えて、フォーミング材の残った切れ端でも、捨てないで、支柱の組立板片などの組立ピースとして有効利用でき、それだけ組立材料費の著しい低コスト化を図ることもできる。
【0010】
更に、本発明によれば、脚材の両端の部位において、支柱を形成する組立板片の端部を、上板や下板の端縁から張り出た天板や底板の嵌合溝に嵌め込んでチャンネル状支柱の立壁部を形成し、脚材が、危険部位である上板や下板の木口(エッジ)を組立板片の端部により外側から覆って保護する組立構成であるため、それだけパレット取扱上、怪我などしないように安全性を向上させることができる。また、従来の脚材は、支柱を単なる平板でチャンネル状に曲げ成形したものであったが、本発明では、断面コ形状の嵌合溝が上下に交互に形成される断面波形の組立板片で支柱をチャンネル状に形成するので、それだけ坐屈(圧縮)強度を一段と向上させることができる。従って、本発明によれば、脚材は、両端部位において、断面波形の組立板片からなるチャンネル状の支柱で十分な坐屈強度が確保されるため、脚材の両端部の間では、同じ断面波形の2枚の組立板片を対向させて対束状に支柱を形成すれば足り、削減される金属板片の分だけパレット全体が取扱いに便利なように軽量にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は本発明の一例である金属製パレットの組立斜視図、図2はその分解斜視図、図3(A)は使用するフォーミング材の要部拡大斜視図で、(B)その端面図である。図示例の金属製パレットPは、細長い上板10と下板11間に複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを並列し(図示例は3本)、これら脚材Aの上板10上に、上板10と直交する向きに細長い複数の天板13(図示例は5枚)を並置して固着し、全体に格子状の片面パレット型に組み立ててなる。
【0013】
図示金属製パレットPは、脚材Aの上板10、下板11および支柱12と、天板13を、いずれも幅方向断面波形に曲げ成形した長尺な、例えば鋼製(スチール製)薄板のフォーミング材Fを、素材(組立加工材料)として用いる点が特徴になっている。即ち、フォーミング材Fは、図3に示すように、断面コ形状をなす図中下向きの嵌合溝15a・15b・15cと上向きの嵌合溝15d・15eが交互に形成される断面波形に曲げ成形してなる。更に、フォーミング材Fの幅方向両側部15fは、それぞれ下端を両側の嵌合溝15a・15cにおいて内向きに折り曲げて断面L状の押当て部15gを設け、両側部15fで剛性を高めると共に、後述する支柱12の組立板片12a・12bを嵌め込んだ時の嵌め込み強度を高める形状になっている。
【0014】
脚材Aの上板10および下板11は、それぞれ斯かるフォーミング材Fから既定のパレット横サイズに合わせて、図2に示すように所定長さに切断加工した、長尺板片10a〜10c、11a〜11cを用いて形成している。天板13は、同じフォーミング材Fから既定のパレット縦サイズに合わせて所定長さに切断加工した、長尺板片13a〜13eを用いて形成している。支柱12も、同じフォーミング材Fから脚材Aの任意の組立高さに合わせて所望長さに切断加工した、比較的短尺な組立板片を用いて組み立てるようになっている。図示例の支柱12は、一般標準の組立高さに合わせて長さ110mmに切断した第1の組立板片12aと、第1組立板片12aより上板10の嵌合溝15a〜15eの略溝深さの約10mm分だけ長く切断した第2組立板片12bの、2種類備えてなる。
【0015】
そこで、金属製パレットPにおいて、天板13は、図1に示すように、それぞれ長尺板片13a〜13eを脚材Aの上板10上に、それら上板10と直交する向きに等間隔に並置し、図4でも示すように、互いに重なる上向き嵌合溝と下向き嵌合溝の底壁間をスポット溶接sで溶着し、脚材Aの上板10とで格子状に組み付ける。この組み付け時、天板13は、長尺板片13a〜13eの中で、特に上板10上の長さ方向両端に配置する長尺板片13a・13eを、幅方向外側に有した下向き嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で溶着する構成になっている。
【0016】
一方、脚材Aは、長さ方向両端側の部位において、それぞれ一段長い第2組立板片12bの上端を、上板10の両端縁から張り出た天板13(13a・13e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、図5に示すように、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込む共に、該組立板片12aの上端と下端をそれぞれ上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に支柱12を形成し、その側壁部の四隅に、図4に示すようにアーク溶接aで溶着して固定してなる。そして、脚材Aの中間部位では、それぞれ一対の第1組立板片12aを対向させ、各々の上端と下端を上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を形成し、その第1組立板片12aの四隅にアーク溶接bで溶着して組み立ててなる。
【0017】
そして、図示金属製パレットPは、脚材Aが、それぞれ長さ方向両端側の部位において、危険部位である上板10と下板11の木口(端縁)Eを、一段長い支柱12の第2組立板片12bの上端と下端により外側から覆って組み立てて、パレット取扱上、怪我などしないように安全性を高めた構成にしている。
【0018】
また、図示金属製パレットPにおいて、脚材Aは、支柱12を、従来は単なる平板でチャンネル状に曲げ成形したものであったが、図示例では、断面コ形状の嵌合溝15a〜15eを上下に交互に形成した断面波形の組立板片12a・12bでチャンネル状に形成するので、それだけ坐屈(圧縮)強度が高まる構成にもなっている。従って、脚材Aは、長さ方向両端側の部位において、断面波形の組立板片12a・12bからなるチャンネル状の支柱12で十分な坐屈強度が確保されるため、脚材Aの中間部位では、同じ断面波形の2枚の第1組立板片12aを対向させて対束状に支柱12を形成すれば足り、その金属板片の分だけパレット全体が取扱いに便利に軽量となる構成になっている。
【0019】
更に、図示金属製パレットPは、脚材Aの上板10および下板11と、支柱12の組立板片12a・12bと、天板13を、いずれも断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上下交互に形成される断面波形の曲げ板片で形成し、しかも、各曲げ板片の幅方向両側部15fの端縁を、図4及び図5に示す如く、両側の嵌合溝15a・15cにおいて内向きに折り曲げ、両側部15fに断面L状の押当て部15gを設けた構成であるため、両側部15fで剛性が高まると共に、支柱12の組立板片12a・12bを嵌合溝15a・15cに嵌め込んで組み立てるときに、各板片を嵌合溝15a・15cにおいて対向する溝側壁と押当て部15gとで挟圧し、これによって、嵌め込み強度が高められる構造になっている。
【0020】
さて、本発明において、たとえばユーザ側からの要望で、上記脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合、従来では所望高さの支柱をそれ専用のプレス曲げ型を用いてプレス成形することが考えられるが、図示例では、支柱12は、同じフォーミング材Fから、ユーザ希望の上記脚材高さに合わせ、図1中鎖線で示すように、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを形成すると共に、第1組立板片12cより上板10の嵌合溝の略溝深さ10mm分だけ長く切断して第2組立板片12dを形成する。そして、これら組立板片12c・12dを用いて、前述したと同様に、一段高い脚材Aのチャンネル状と対束状にそれぞれ支柱12を組み立てるだけでよい構成になっている。
【0021】
一方で、図示しないが、上記脚材Aの組立高さを標準より低くし、そのために支柱12の高さを、例えば60mmに一段低く設定する必要がある場合も、同様に共通のフォーミング材Fから長さ60mmに切断して第1組立板片を形成すると共に、該第1組立板片より10mm長く切断して第2組立板片を形成し、これら組立板片を用いて、前述したと同様に支柱12を組み立てるだけでよい。
【0022】
次に、本発明において、上述した片面パレット型の金属製パレットPを製造する方法の一例を説明する。
【0023】
まず、前記フォーミング材Fを既定のパレット縦サイズに合わせて、図2に示したように、それぞれ所定長さの長尺板片13a〜13eに切断して必要な数の天板13を成形する。他方、同じフォーミング材Fを既定のパレット横サイズさに合わせてそれぞれ所定長さの長尺板片10a〜10c、11a〜11cに切断して脚材用の上板10および下板11を必要な数だけ成形する。また一方で、同じフォーミング材を、脚材Aの任意の組立高さに応じて、比較的短尺な所望長さに切断して支柱12を構成する組立板片を必要な数だけ成形する。図示例では、上述のように、脚材Aの一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断して第1の組立板片12aを成形し、また、第1組立板片12aより上板10の嵌合溝の略溝深さ10mm分だけ長く切断して第2組立板片12bを成形する。
【0024】
さて、本発明において、ユーザ側の要望で、脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合でも、この支柱12用の組立板片の成形加工時に、ユーザ希望の脚材高さに合わせて、同じフォーミング材Fから、図1に示したとおり、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを成形すると共に、第1組立板片12cより10mm長く切断して第2組立板片12dを成形すればよい。
【0025】
次いで、上板10(10a〜10c)を所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、図6に示すように、上板10と直交する向きに、天板13(13a〜13e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、天板13の中で上板10の長さ方向両端に配置する天板13の長尺板片13a・13eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接s(図4参照)で溶着して格子状の天板組立体20を組み立てる。
【0026】
それから、天板組立体20は、図7に示すように、裏返して上板10が天板13に対し上側となる向きに載置し、上板10の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端(図中下端)を、上板10の一端縁から張り出た天板13(13a)の嵌合溝15aに嵌め込み、他端側の部位でも、上板10の他端縁から張り出た天板13(13e)の嵌合溝15cに嵌め込んで、支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに、図5に示すように、それぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に該組立板片12aの一端(図中下端)を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、図8に示すように該側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、上板10の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0027】
しかる後、図9に示すように、下板11を、天板組立体20の各上板10上に立てた支柱12に上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接a・bで溶着(図4参照)すると、金属製パレットPが図1に示すように片面パレット型に組み立てられる。
【0028】
ところで、以上の図示実施の形態では、本発明を格子状の片面パレット型に組み立てる金属製パレットPに適用した場合の例を示したが、本発明は、以下に示すように、同じ格子状でも、両面パレット型に組み立てる金属製パレットに適用することもできる。図10は、本発明の他例である両面パレット型の金属製パレットP´の組立斜視図、図11はその分解斜視図である。図示他例では、上記片面パレット型の金属製パレットPと同一構成・作用の箇所に同一の符号を付して、以下に説明する。
【0029】
図示他例の金属製パレットP´は、細長い上板10と下板11間に複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを並列し(図示他例も3本)、これら脚材Aの上板10の上面に、上板10と直交する向きに細長い複数の天板13(図示他例も5枚)を並置して固着する一方、脚材Aの下板11の下面に、下板11と直交する向きに複数の細長い底板25(図示他例も5枚)を固着し、全体に格子状の片面パレット型に組み立ててなる。
【0030】
本発明において、図示他例の金属製パレットP´は、天板13と、脚材Aの上板10、下板11および支柱12と同様、底板25も、幅方向断面波形に曲げ成形した長尺な上記フォーミング材Fを、素材(組立加工材料)として用いる点が特徴になっている。そして、底板25は、天板13と同様に、共通のフォーミング材Fから既定のパレット縦サイズに合わせて所定長さに切断加工した、長尺板片25a〜25eを用いて形成する。なお、図示他例の支柱12は、一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断した第1の組立板片12aと、第1組立板片12aより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さを合わせた長さ20mm分だけ長く切断した第2組立板片12bの、2種類備えてなる。
【0031】
そこで、金属製パレットP´において、底板25は、上述した天板13とは反対に、それぞれ長尺板片25a〜25eを脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに等間隔に並置し、互いに重なる上向き嵌合溝と下向き嵌合溝の底壁間を、スポット溶接で溶着し、脚材Aの下板11とで格子状に組み付けてなる。この組み付け時、底板25は、長尺板片25a〜25eの中で、特に下板11の下面に長さ方向両端に配置する長尺板片25a・25eを、幅方向外側に有した上向き嵌合溝15a・15cが下板11の端縁から張り出した状態で溶着した構成になっている。
【0032】
そして、金属製パレットP´では、脚材Aの長さ方向両端の部位において、それぞれ一段長い第2組立板片12bの上端を、上板10の両端縁から張り出た天板13(13a・13e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込み、下端を、下板10の両端縁から張り出た底板25(25a・25e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、天板13と底板25間に立壁部を形成すると共に、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片15aの片側側部15fを嵌め込む共に第1組立板片15aの上端と下端をそれぞれ上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に支柱12を形成する。そして、第1組立板片12aの四隅にアーク溶接で溶着して固定してなる。一方、脚材Aの中間部位では、それぞれ一対の第1組立板片12aを対向させ、各々の上端と下端を上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を形成し、その第1組立板片12aの四隅にアーク溶接で溶着して組み立ててなる。
【0033】
従って、金属製パレットP´にあっても、脚材Aが、それぞれ長さ方向両端の部位において、危険部位である上板10と下板11双方の木口(端縁)Eを、一段長い支柱12の第2組立板片12bの上端および下端によって外側から覆って組み立て、パレット取扱上の安全性が高められている。
【0034】
さて、金属製パレットP´においても、ユーザ側からの要望で、上記脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合、図示他例では、支柱12は、同じフォーミング材Fから、ユーザ希望の上記脚材高さに合わせて、図10中鎖線で示すように、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを形成すると共に、第1組立板片12cより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さを合わせた長さ20mm分だけ長く切断して第2組立板片12dを形成する。そして、これら組立板片12c・12dを用いて、一段高い脚材Aのチャンネル状と対束状にそれぞれ支柱12を組み立てるだけでよい構成になっている。
【0035】
次に、本発明において、上述した両面パレット型の金属製パレットP´を製造する方法の一例を説明する。
【0036】
まず、前記フォーミング材Fを、既定のパレット縦サイズさに合わせて、それぞれ所定長さの長尺板片13a〜13eに切断して必要な数の天板13を成形すると共に、長尺板片25a〜25eに切断して必要な数の底板25を成形する。他方、同じフォーミング材Fを既定のパレット横サイズさに合わせてそれぞれ所定長さの長尺板片10a〜10c、11a〜11cに切断して脚材用の上板10および下板11を必要な数だけ成形する。一方で、同じフォーミング材を、脚材Aの任意の組立高さに応じて、比較的短尺な所望長さに切断して支柱12を構成する組立板片を必要な数だけ成形する。図示例では、上述のように、脚材Aの一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断して第1の組立板片12aを成形し、また、該第1組立板片12aより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さdを合わせた長さ20mm分だけ長く切断して第2組立板片12bを成形する。
【0037】
ここで特に、図示他例の製造方法においても、ユーザ側の要望で、脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合でも、この支柱12用の組立板片の成形加工時に、ユーザ希望の脚材高さに合わせて、そのまま同じフォーミング材Fから、図10で鎖線で示したとおり、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを成形すると共に、第1組立板片12cより20mm長い、長さL5に切断して第2組立板片12dを成形すればよい。
【0038】
次いで、上板10(10a〜10c)を、所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、図11に示すように、それら上板10と直交する向きに、天板13(13a〜13e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、天板13の中で上板10の長さ方向両端に配置する天板13の長尺板片13a・13eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着し、格子状の天板組立体20を組み立てる。
【0039】
また併せて、下板11(11a〜11c)を、所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、それら上板10と直交する向きに底板25(25a〜25e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、底板25の中で下板11の長さ方向両端に配置する底板25の長尺板片25a・25eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが下板11の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着し、同様に格子状の底板組立体30を組み立てる。
【0040】
それから、天板組立体20は、裏返して上板10が上側となる向きに載置し、上板10の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端を、上板10の一端縁から張り出た天板13(13a)の嵌合溝15aに嵌め込み、反対の他端側の部位において、上板10の他端縁から張り出た天板13(13e)の嵌合溝15cに嵌め込んで支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に第1組立板片12aの一端を、上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設する。そして、側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、上板10の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、対向する平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0041】
しかる後、格子状底板組立体30の各下板11を、天板組立体20の各上板10上に立てた支柱12に、上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、各第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接で溶着すると、金属製パレットP´が図10に示すように両面パレット型に組み立てられる。
【0042】
なお、両面パレット型に組み立てる本発明の製造方法では、天板組立体20と底板組立体30を組み立てた後に、上記図示例とは反対に、底板組立体30の上に支柱12を立設してから、それら支柱12に天板組立体20の上板10を被せる手順で、金属製パレットP´を両面パレット型に組み立てることもできる。
【0043】
即ち、底板組立体30を、下板11が上側となる向きに載置し、下板11の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端を、下板11の一端縁から張り出た底板25(25a)の嵌合溝15aに嵌め込み、反対の他端側の部位において、下板11の他端縁から張り出た底板25(25e)の嵌合溝15cに嵌め込んで支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に第1組立板片12aの一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設する。そして、側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、下板11の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、対向する平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0044】
しかる後、天板組立体20の各上板11を、底板組立体30の各下板11上に立てた支柱12に、上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、各第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接で溶着し、金属製パレットP´を両面パレット型に組み立てる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一例である金属製パレットの組立斜視図である。
【図2】その金属製パレットの分解斜視図である。
【図3】(A)は使用するフォーミング材の要部拡大斜視図、(B)は端面図である。
【図4】金属製パレットの部分拡大斜視図である。
【図5】脚材の一部を分解して示す斜視図である。
【図6】金属製パレットの天板組立体を示す斜視図である。
【図7】天板組立体に支柱の立壁部を形成する組立途中を示す斜視図である。
【図8】支柱を立てて形成した段階を示す斜視図である。
【図9】支柱上に下板を被せて脚材を形成する段階を示す斜視図である。
【図10】本発明の他例である両面パレット型の金属製パレットの組立斜視図である。
【図11】その金属製パレットの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
A 脚材
F フォーミング材
P・P´ 金属製パレット
a・b アーク溶接部位
s スポット溶接部位
10(10a〜10c) 上板
11(11a〜11c) 下板
12 支柱
12a 支柱の第1組立板片
12b 支柱の第2組立板片
13(13a〜13e) 天板
15a〜15e フォーミング材の嵌合溝
20 天板組立体
25(25a〜25e) 底板
30 底板組立体
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材として、細長い上板と下板間に間隔をあけて複数の支柱を挟着した脚材を用いて、全体に格子状の平パレットに組み立ててなる積み荷用の金属製パレットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の金属製パレットの中には、細長い上板と下板間にチャンネル状の支柱を間隔をあけて挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、これら脚材の上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して溶着することにより、全体に格子状をなす、例えば片面パレット型に組み立てるものがある(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2003−118734号公報
【特許文献2】実公平3−56516号公報
【特許文献3】実公昭63−40448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、最近、上述のように脚材が上板と下板間に複数の支柱を挟着した構造の金属製パレットについては、ユーザ側から、パレットの使用時又は保管時に積載高さを低くして省スペース化が図られるように、脚材の高さを低く抑えた構造になるよう要望されることがある。一方で、たとえば天板と脚材の下板間の空間に荷物を収納してパレットを棚代わりに使えるように、脚材の高さを高くした構造のパレットを提供するように要望されることもある。
【0004】
そこで、従来、このようなユーザ側の要望に応えて、脚材高さの異なる金属製パレットを製造しようとすると、例えば、その都度、希望に合わせて任意の高さの支柱をプレス曲げ成形し、その所望高さの支柱を上板と下板間に挟着することにより脚材を高さ調整して組み立て、これによって、脚材が所望高さのパレットをユーザ側に提供することも考えられる。しかしながら、これでは、高さの異なる脚材の支柱ごとに、専用のプレス曲げ型などの加工設備が必要であるため、それだけ設備費が飛躍的に高くなり、到底、ユーザ側の要望に応えられないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10上に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着した金属製パレットPにおいて、前記天板13と、前記脚材Aの上板10、下板11および支柱12は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材Fから所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11cを用いて形成し、前記天板13は、前記脚材Aの上板10上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片13a・13eを、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で溶着する一方、前記支柱12は、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材Fから所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立て、前記脚材Aの両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材Aの両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に形成してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10上に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する金属製パレットの製造方法において、幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、該フォーミング材Fを既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11を成形する一方、同じ前記フォーミング材Fを、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、所望長さに切断して前記支柱12を構成する第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような複数の組立板片を成形し、次いで、前記上板10を間隔をあけて並列させる一方、それら上板10と直交する向きに前記天板13を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板13の中で前記上板10の長さ方向両端に配置する前記天板13は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体20を組み立て、それから、該天板組立体20を前記上板10が上側となる向きとし、該上板10の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15eに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記上板10の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、しかる後、前記下板11を、前記天板組立体20の各上板10上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10の上面に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに細長い複数の底板25を間隔をあけて固着した金属製パレットP´において、前記天板13と、前記脚材Aの上板10、下板11および支柱12と、前記底板25は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11と、前記底板25は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材Fから所定長さに切断した長尺板片13a〜13e、10a〜10c、11a〜11c、25a〜25eを用いて形成し、前記天板13は、前記脚材Aの上板10上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片13a・13eを、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で溶着し、前記底板25は、前記脚材Aの下板11の長さ方向両端に配置する前記長尺板片25a・25eを、それぞれ幅方向外側に有した上向きの前記嵌合溝15a・15cが前記下板11の端縁から張り出した状態で溶着してなる一方、前記支柱12は、前記脚材Aの任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材Fから所望長さに切断した第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を用いて組み立て、前記脚材Aの両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込み、前記組立板片の下端を、前記下板11の端縁から張り出た前記底板25の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材Aの両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板10と前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に形成してなることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、細長い上板10と下板11間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを間隔をあけて並列し、該脚材Aの前記上板10の上面に、それら上板10と直交する向きに細長い複数の天板13を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに細長い複数の底板25を間隔をあけて固着する金属製パレットの製造方法において、幅方向に断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材Fを素材とし、該フォーミング材Fを既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板13と、前記脚材Aの上板10および下板11と、前記底板25を成形する一方、同じ前記フォーミング材Fを前記脚材Aの任意の組立高さに応じて所望長さに切断して前記支柱12を構成する複数の第1組立板片12aおよび第2組立板片12bのような組立板片を成形し、次いで、前記上板10を間隔をあけて並列させる一方、それら上板10と直交する向きに前記天板13を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板13の中で前記上板10の長さ方向両端に配置する前記天板13は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記上板10の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体20を組み立てると共に、前記下板11を間隔をあけて並列させる一方、それら下板11と直交する向きに前記底板25を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら底板25の中で前記下板11の長さ方向両端に配置する前記底板25は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝15a・15cが前記下板11の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接sで溶着して格子状の底板組立体30を組み立て、それから、前記天板組立体20を前記上板10が上側となる向きとし、該上板10の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板10の端縁から張り出た前記天板13の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記上板10の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、又は、前記底板組立体30を前記下板11が上側となる向きとし、該下板11の両端部では、前記組立板片の一端を、前記下板11の端縁から張り出た前記底板25の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱12を成形する一方、前記下板11の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで平行な対束状に前記支柱12を成形し、しかる後、前記底板組立体30の前記下板11を、前記天板組立体20の各上板10上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立て、又は、前記天板組立体20の前記上板10を、前記底板組立体30の各下板11上に立てた前記支柱12に被せて、該支柱12の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たとえばユーザ側からの要望で、脚材の組立高さを標準より高くしたり低くしたりし、そのために脚材の支柱の高さを逐一変更する必要がある場合でも、常に共通のフォーミング材から、ユーザ希望の脚材高さに合わせた長さに支柱の組立板片を切断して成形し、これら組立板片を用いてチャンネル状と対束状に支柱を組み立てるだけでよい構成であるため、従来の如く高さの異なる脚材の支柱ごとに専用のプレス曲げ型などの加工設備を用意する必要がなく、その結果、設備費等のコストが極力低く抑えられ、脚材が所望高さのパレットをユーザ側に廉価に且つ容易に提供することができる。加えて、フォーミング材の残った切れ端でも、捨てないで、支柱の組立板片などの組立ピースとして有効利用でき、それだけ組立材料費の著しい低コスト化を図ることもできる。
【0010】
更に、本発明によれば、脚材の両端の部位において、支柱を形成する組立板片の端部を、上板や下板の端縁から張り出た天板や底板の嵌合溝に嵌め込んでチャンネル状支柱の立壁部を形成し、脚材が、危険部位である上板や下板の木口(エッジ)を組立板片の端部により外側から覆って保護する組立構成であるため、それだけパレット取扱上、怪我などしないように安全性を向上させることができる。また、従来の脚材は、支柱を単なる平板でチャンネル状に曲げ成形したものであったが、本発明では、断面コ形状の嵌合溝が上下に交互に形成される断面波形の組立板片で支柱をチャンネル状に形成するので、それだけ坐屈(圧縮)強度を一段と向上させることができる。従って、本発明によれば、脚材は、両端部位において、断面波形の組立板片からなるチャンネル状の支柱で十分な坐屈強度が確保されるため、脚材の両端部の間では、同じ断面波形の2枚の組立板片を対向させて対束状に支柱を形成すれば足り、削減される金属板片の分だけパレット全体が取扱いに便利なように軽量にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は本発明の一例である金属製パレットの組立斜視図、図2はその分解斜視図、図3(A)は使用するフォーミング材の要部拡大斜視図で、(B)その端面図である。図示例の金属製パレットPは、細長い上板10と下板11間に複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを並列し(図示例は3本)、これら脚材Aの上板10上に、上板10と直交する向きに細長い複数の天板13(図示例は5枚)を並置して固着し、全体に格子状の片面パレット型に組み立ててなる。
【0013】
図示金属製パレットPは、脚材Aの上板10、下板11および支柱12と、天板13を、いずれも幅方向断面波形に曲げ成形した長尺な、例えば鋼製(スチール製)薄板のフォーミング材Fを、素材(組立加工材料)として用いる点が特徴になっている。即ち、フォーミング材Fは、図3に示すように、断面コ形状をなす図中下向きの嵌合溝15a・15b・15cと上向きの嵌合溝15d・15eが交互に形成される断面波形に曲げ成形してなる。更に、フォーミング材Fの幅方向両側部15fは、それぞれ下端を両側の嵌合溝15a・15cにおいて内向きに折り曲げて断面L状の押当て部15gを設け、両側部15fで剛性を高めると共に、後述する支柱12の組立板片12a・12bを嵌め込んだ時の嵌め込み強度を高める形状になっている。
【0014】
脚材Aの上板10および下板11は、それぞれ斯かるフォーミング材Fから既定のパレット横サイズに合わせて、図2に示すように所定長さに切断加工した、長尺板片10a〜10c、11a〜11cを用いて形成している。天板13は、同じフォーミング材Fから既定のパレット縦サイズに合わせて所定長さに切断加工した、長尺板片13a〜13eを用いて形成している。支柱12も、同じフォーミング材Fから脚材Aの任意の組立高さに合わせて所望長さに切断加工した、比較的短尺な組立板片を用いて組み立てるようになっている。図示例の支柱12は、一般標準の組立高さに合わせて長さ110mmに切断した第1の組立板片12aと、第1組立板片12aより上板10の嵌合溝15a〜15eの略溝深さの約10mm分だけ長く切断した第2組立板片12bの、2種類備えてなる。
【0015】
そこで、金属製パレットPにおいて、天板13は、図1に示すように、それぞれ長尺板片13a〜13eを脚材Aの上板10上に、それら上板10と直交する向きに等間隔に並置し、図4でも示すように、互いに重なる上向き嵌合溝と下向き嵌合溝の底壁間をスポット溶接sで溶着し、脚材Aの上板10とで格子状に組み付ける。この組み付け時、天板13は、長尺板片13a〜13eの中で、特に上板10上の長さ方向両端に配置する長尺板片13a・13eを、幅方向外側に有した下向き嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で溶着する構成になっている。
【0016】
一方、脚材Aは、長さ方向両端側の部位において、それぞれ一段長い第2組立板片12bの上端を、上板10の両端縁から張り出た天板13(13a・13e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで立壁部を形成し、図5に示すように、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込む共に、該組立板片12aの上端と下端をそれぞれ上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に支柱12を形成し、その側壁部の四隅に、図4に示すようにアーク溶接aで溶着して固定してなる。そして、脚材Aの中間部位では、それぞれ一対の第1組立板片12aを対向させ、各々の上端と下端を上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を形成し、その第1組立板片12aの四隅にアーク溶接bで溶着して組み立ててなる。
【0017】
そして、図示金属製パレットPは、脚材Aが、それぞれ長さ方向両端側の部位において、危険部位である上板10と下板11の木口(端縁)Eを、一段長い支柱12の第2組立板片12bの上端と下端により外側から覆って組み立てて、パレット取扱上、怪我などしないように安全性を高めた構成にしている。
【0018】
また、図示金属製パレットPにおいて、脚材Aは、支柱12を、従来は単なる平板でチャンネル状に曲げ成形したものであったが、図示例では、断面コ形状の嵌合溝15a〜15eを上下に交互に形成した断面波形の組立板片12a・12bでチャンネル状に形成するので、それだけ坐屈(圧縮)強度が高まる構成にもなっている。従って、脚材Aは、長さ方向両端側の部位において、断面波形の組立板片12a・12bからなるチャンネル状の支柱12で十分な坐屈強度が確保されるため、脚材Aの中間部位では、同じ断面波形の2枚の第1組立板片12aを対向させて対束状に支柱12を形成すれば足り、その金属板片の分だけパレット全体が取扱いに便利に軽量となる構成になっている。
【0019】
更に、図示金属製パレットPは、脚材Aの上板10および下板11と、支柱12の組立板片12a・12bと、天板13を、いずれも断面コ形状の嵌合溝15a〜15eが上下交互に形成される断面波形の曲げ板片で形成し、しかも、各曲げ板片の幅方向両側部15fの端縁を、図4及び図5に示す如く、両側の嵌合溝15a・15cにおいて内向きに折り曲げ、両側部15fに断面L状の押当て部15gを設けた構成であるため、両側部15fで剛性が高まると共に、支柱12の組立板片12a・12bを嵌合溝15a・15cに嵌め込んで組み立てるときに、各板片を嵌合溝15a・15cにおいて対向する溝側壁と押当て部15gとで挟圧し、これによって、嵌め込み強度が高められる構造になっている。
【0020】
さて、本発明において、たとえばユーザ側からの要望で、上記脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合、従来では所望高さの支柱をそれ専用のプレス曲げ型を用いてプレス成形することが考えられるが、図示例では、支柱12は、同じフォーミング材Fから、ユーザ希望の上記脚材高さに合わせ、図1中鎖線で示すように、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを形成すると共に、第1組立板片12cより上板10の嵌合溝の略溝深さ10mm分だけ長く切断して第2組立板片12dを形成する。そして、これら組立板片12c・12dを用いて、前述したと同様に、一段高い脚材Aのチャンネル状と対束状にそれぞれ支柱12を組み立てるだけでよい構成になっている。
【0021】
一方で、図示しないが、上記脚材Aの組立高さを標準より低くし、そのために支柱12の高さを、例えば60mmに一段低く設定する必要がある場合も、同様に共通のフォーミング材Fから長さ60mmに切断して第1組立板片を形成すると共に、該第1組立板片より10mm長く切断して第2組立板片を形成し、これら組立板片を用いて、前述したと同様に支柱12を組み立てるだけでよい。
【0022】
次に、本発明において、上述した片面パレット型の金属製パレットPを製造する方法の一例を説明する。
【0023】
まず、前記フォーミング材Fを既定のパレット縦サイズに合わせて、図2に示したように、それぞれ所定長さの長尺板片13a〜13eに切断して必要な数の天板13を成形する。他方、同じフォーミング材Fを既定のパレット横サイズさに合わせてそれぞれ所定長さの長尺板片10a〜10c、11a〜11cに切断して脚材用の上板10および下板11を必要な数だけ成形する。また一方で、同じフォーミング材を、脚材Aの任意の組立高さに応じて、比較的短尺な所望長さに切断して支柱12を構成する組立板片を必要な数だけ成形する。図示例では、上述のように、脚材Aの一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断して第1の組立板片12aを成形し、また、第1組立板片12aより上板10の嵌合溝の略溝深さ10mm分だけ長く切断して第2組立板片12bを成形する。
【0024】
さて、本発明において、ユーザ側の要望で、脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合でも、この支柱12用の組立板片の成形加工時に、ユーザ希望の脚材高さに合わせて、同じフォーミング材Fから、図1に示したとおり、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを成形すると共に、第1組立板片12cより10mm長く切断して第2組立板片12dを成形すればよい。
【0025】
次いで、上板10(10a〜10c)を所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、図6に示すように、上板10と直交する向きに、天板13(13a〜13e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、天板13の中で上板10の長さ方向両端に配置する天板13の長尺板片13a・13eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接s(図4参照)で溶着して格子状の天板組立体20を組み立てる。
【0026】
それから、天板組立体20は、図7に示すように、裏返して上板10が天板13に対し上側となる向きに載置し、上板10の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端(図中下端)を、上板10の一端縁から張り出た天板13(13a)の嵌合溝15aに嵌め込み、他端側の部位でも、上板10の他端縁から張り出た天板13(13e)の嵌合溝15cに嵌め込んで、支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cに、図5に示すように、それぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に該組立板片12aの一端(図中下端)を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、図8に示すように該側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、上板10の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0027】
しかる後、図9に示すように、下板11を、天板組立体20の各上板10上に立てた支柱12に上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接a・bで溶着(図4参照)すると、金属製パレットPが図1に示すように片面パレット型に組み立てられる。
【0028】
ところで、以上の図示実施の形態では、本発明を格子状の片面パレット型に組み立てる金属製パレットPに適用した場合の例を示したが、本発明は、以下に示すように、同じ格子状でも、両面パレット型に組み立てる金属製パレットに適用することもできる。図10は、本発明の他例である両面パレット型の金属製パレットP´の組立斜視図、図11はその分解斜視図である。図示他例では、上記片面パレット型の金属製パレットPと同一構成・作用の箇所に同一の符号を付して、以下に説明する。
【0029】
図示他例の金属製パレットP´は、細長い上板10と下板11間に複数の支柱12を挟着した複数の脚材Aを並列し(図示他例も3本)、これら脚材Aの上板10の上面に、上板10と直交する向きに細長い複数の天板13(図示他例も5枚)を並置して固着する一方、脚材Aの下板11の下面に、下板11と直交する向きに複数の細長い底板25(図示他例も5枚)を固着し、全体に格子状の片面パレット型に組み立ててなる。
【0030】
本発明において、図示他例の金属製パレットP´は、天板13と、脚材Aの上板10、下板11および支柱12と同様、底板25も、幅方向断面波形に曲げ成形した長尺な上記フォーミング材Fを、素材(組立加工材料)として用いる点が特徴になっている。そして、底板25は、天板13と同様に、共通のフォーミング材Fから既定のパレット縦サイズに合わせて所定長さに切断加工した、長尺板片25a〜25eを用いて形成する。なお、図示他例の支柱12は、一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断した第1の組立板片12aと、第1組立板片12aより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さを合わせた長さ20mm分だけ長く切断した第2組立板片12bの、2種類備えてなる。
【0031】
そこで、金属製パレットP´において、底板25は、上述した天板13とは反対に、それぞれ長尺板片25a〜25eを脚材Aの下板11の下面に、それら下板11と直交する向きに等間隔に並置し、互いに重なる上向き嵌合溝と下向き嵌合溝の底壁間を、スポット溶接で溶着し、脚材Aの下板11とで格子状に組み付けてなる。この組み付け時、底板25は、長尺板片25a〜25eの中で、特に下板11の下面に長さ方向両端に配置する長尺板片25a・25eを、幅方向外側に有した上向き嵌合溝15a・15cが下板11の端縁から張り出した状態で溶着した構成になっている。
【0032】
そして、金属製パレットP´では、脚材Aの長さ方向両端の部位において、それぞれ一段長い第2組立板片12bの上端を、上板10の両端縁から張り出た天板13(13a・13e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込み、下端を、下板10の両端縁から張り出た底板25(25a・25e)の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、天板13と底板25間に立壁部を形成すると共に、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片15aの片側側部15fを嵌め込む共に第1組立板片15aの上端と下端をそれぞれ上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に支柱12を形成する。そして、第1組立板片12aの四隅にアーク溶接で溶着して固定してなる。一方、脚材Aの中間部位では、それぞれ一対の第1組立板片12aを対向させ、各々の上端と下端を上板10と下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、平行な対束状に支柱12を形成し、その第1組立板片12aの四隅にアーク溶接で溶着して組み立ててなる。
【0033】
従って、金属製パレットP´にあっても、脚材Aが、それぞれ長さ方向両端の部位において、危険部位である上板10と下板11双方の木口(端縁)Eを、一段長い支柱12の第2組立板片12bの上端および下端によって外側から覆って組み立て、パレット取扱上の安全性が高められている。
【0034】
さて、金属製パレットP´においても、ユーザ側からの要望で、上記脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合、図示他例では、支柱12は、同じフォーミング材Fから、ユーザ希望の上記脚材高さに合わせて、図10中鎖線で示すように、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを形成すると共に、第1組立板片12cより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さを合わせた長さ20mm分だけ長く切断して第2組立板片12dを形成する。そして、これら組立板片12c・12dを用いて、一段高い脚材Aのチャンネル状と対束状にそれぞれ支柱12を組み立てるだけでよい構成になっている。
【0035】
次に、本発明において、上述した両面パレット型の金属製パレットP´を製造する方法の一例を説明する。
【0036】
まず、前記フォーミング材Fを、既定のパレット縦サイズさに合わせて、それぞれ所定長さの長尺板片13a〜13eに切断して必要な数の天板13を成形すると共に、長尺板片25a〜25eに切断して必要な数の底板25を成形する。他方、同じフォーミング材Fを既定のパレット横サイズさに合わせてそれぞれ所定長さの長尺板片10a〜10c、11a〜11cに切断して脚材用の上板10および下板11を必要な数だけ成形する。一方で、同じフォーミング材を、脚材Aの任意の組立高さに応じて、比較的短尺な所望長さに切断して支柱12を構成する組立板片を必要な数だけ成形する。図示例では、上述のように、脚材Aの一般標準の組立高さに合わせて、長さ110mmに切断して第1の組立板片12aを成形し、また、該第1組立板片12aより上板10と下板11の嵌合溝15a〜15eの略溝深さdを合わせた長さ20mm分だけ長く切断して第2組立板片12bを成形する。
【0037】
ここで特に、図示他例の製造方法においても、ユーザ側の要望で、脚材Aの組立高さを標準より高くし、そのために支柱12の高さを、例えば150mmに設定する必要がある場合でも、この支柱12用の組立板片の成形加工時に、ユーザ希望の脚材高さに合わせて、そのまま同じフォーミング材Fから、図10で鎖線で示したとおり、長さ150mmに切断して第1組立板片12cを成形すると共に、第1組立板片12cより20mm長い、長さL5に切断して第2組立板片12dを成形すればよい。
【0038】
次いで、上板10(10a〜10c)を、所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、図11に示すように、それら上板10と直交する向きに、天板13(13a〜13e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、天板13の中で上板10の長さ方向両端に配置する天板13の長尺板片13a・13eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが上板10の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着し、格子状の天板組立体20を組み立てる。
【0039】
また併せて、下板11(11a〜11c)を、所定間隔をあけて等間隔に並列させる一方、それら上板10と直交する向きに底板25(25a〜25e)を所定間隔をあけて等間隔に並置して格子状に重ねる。このとき、底板25の中で下板11の長さ方向両端に配置する底板25の長尺板片25a・25eは、幅方向外側の嵌合溝15a・15cが下板11の端縁から張り出した状態で配置する。そして、互いに重なる嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着し、同様に格子状の底板組立体30を組み立てる。
【0040】
それから、天板組立体20は、裏返して上板10が上側となる向きに載置し、上板10の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端を、上板10の一端縁から張り出た天板13(13a)の嵌合溝15aに嵌め込み、反対の他端側の部位において、上板10の他端縁から張り出た天板13(13e)の嵌合溝15cに嵌め込んで支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に第1組立板片12aの一端を、上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設する。そして、側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、上板10の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、対向する平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0041】
しかる後、格子状底板組立体30の各下板11を、天板組立体20の各上板10上に立てた支柱12に、上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、各第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接で溶着すると、金属製パレットP´が図10に示すように両面パレット型に組み立てられる。
【0042】
なお、両面パレット型に組み立てる本発明の製造方法では、天板組立体20と底板組立体30を組み立てた後に、上記図示例とは反対に、底板組立体30の上に支柱12を立設してから、それら支柱12に天板組立体20の上板10を被せる手順で、金属製パレットP´を両面パレット型に組み立てることもできる。
【0043】
即ち、底板組立体30を、下板11が上側となる向きに載置し、下板11の長さ方向一端側の部位において、一段長い第2組立板片12bの一端を、下板11の一端縁から張り出た底板25(25a)の嵌合溝15aに嵌め込み、反対の他端側の部位において、下板11の他端縁から張り出た底板25(25e)の嵌合溝15cに嵌め込んで支柱12の立壁部を形成する。また、各立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝15a・15cにそれぞれ第1組立板片12aの片側側部15fを嵌め込んで連結すると共に第1組立板片12aの一端を上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで側壁部を立設する。そして、側壁部と立壁部とでチャンネル状に支柱12を組み立てる。一方、下板11の中間部位では、一対の組立板片12aを、各々の一端を下板11の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んで、対向する平行な対束状に支柱12を組み立てる。
【0044】
しかる後、天板組立体20の各上板11を、底板組立体30の各下板11上に立てた支柱12に、上から被せて、支柱12の対向した一段短い組立板片12aの図中上端を、上板10の幅方向両側の嵌合溝15a・15cに嵌め込んでから、各第1組立板片12aの四隅においてアーク溶接で溶着し、金属製パレットP´を両面パレット型に組み立てる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一例である金属製パレットの組立斜視図である。
【図2】その金属製パレットの分解斜視図である。
【図3】(A)は使用するフォーミング材の要部拡大斜視図、(B)は端面図である。
【図4】金属製パレットの部分拡大斜視図である。
【図5】脚材の一部を分解して示す斜視図である。
【図6】金属製パレットの天板組立体を示す斜視図である。
【図7】天板組立体に支柱の立壁部を形成する組立途中を示す斜視図である。
【図8】支柱を立てて形成した段階を示す斜視図である。
【図9】支柱上に下板を被せて脚材を形成する段階を示す斜視図である。
【図10】本発明の他例である両面パレット型の金属製パレットの組立斜視図である。
【図11】その金属製パレットの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
A 脚材
F フォーミング材
P・P´ 金属製パレット
a・b アーク溶接部位
s スポット溶接部位
10(10a〜10c) 上板
11(11a〜11c) 下板
12 支柱
12a 支柱の第1組立板片
12b 支柱の第2組立板片
13(13a〜13e) 天板
15a〜15e フォーミング材の嵌合溝
20 天板組立体
25(25a〜25e) 底板
30 底板組立体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着した金属製パレットにおいて、
前記天板と、前記脚材の上板、下板および支柱は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、
前記天板と、前記脚材の上板および下板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材から所定長さに切断した長尺板片を用いて形成し、
前記天板は、前記脚材の上板上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で溶着する一方、
前記支柱は、
前記脚材の任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材から所望長さに切断した組立板片を用いて組み立て、前記脚材の両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に形成してなる、金属製パレット。
【請求項2】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する金属製パレットの製造方法において、
幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、該フォーミング材を既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板と、前記脚材の上板および下板を成形する一方、同じ前記フォーミング材を、前記脚材の任意の組立高さに応じて、所望長さに切断して前記支柱を構成する複数の組立板片を成形し、
次いで、前記上板を間隔をあけて並列させる一方、それら上板と直交する向きに前記天板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板の中で前記上板の長さ方向両端に配置する前記天板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体を組み立て、
それから、該天板組立体を前記上板が上側となる向きとし、該上板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記上板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
しかる後、前記下板を、前記天板組立体の各上板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなる、金属製パレットの製造方法。
【請求項3】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板の上面に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材の下板の下面に、それら下板と直交する向きに細長い複数の底板を間隔をあけて固着した金属製パレットにおいて、
前記天板と、前記脚材の上板、下板および支柱と、前記底板は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、
前記天板と、前記脚材の上板および下板と、前記底板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材から所定長さに切断した長尺板片を用いて形成し、
前記天板は、前記脚材の上板上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で溶着し、
前記底板は、前記脚材の下板の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した上向きの前記嵌合溝が1つ前記下板の端縁から張り出した状態で溶着してなる一方、
前記支柱は、
前記脚材の任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材から所望長さに切断した組立板片を用いて組み立て、前記脚材の両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込み、前記組立板片の下端を、前記下板の端縁から張り出た前記底板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に形成してなる、金属製パレット。
【請求項4】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板の上面に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材の下板の下面に、それら下板と直交する向きに細長い複数の底板を間隔をあけて固着する金属製パレットの製造方法において、
幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、該フォーミング材を既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板と、前記脚材の上板および下板と、前記底板を成形する一方、同じ前記フォーミング材を前記脚材の任意の組立高さに応じて所望長さに切断して前記支柱を構成する複数の組立板片を成形し、
次いで、前記上板を間隔をあけて並列させる一方、それら上板と直交する向きに前記天板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板の中で前記上板の長さ方向両端に配置する前記天板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体を組み立てると共に、前記下板を間隔をあけて並列させる一方、それら下板と直交する向きに前記底板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら底板の中で前記下板の長さ方向両端に配置する前記底板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記下板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の底板組立体を組み立て、
それから、前記天板組立体を前記上板が上側となる向きとし、該上板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記上板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
又は、前記底板組立体を前記下板が上側となる向きとし、該下板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記下板の端縁から張り出た前記底板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記下板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
しかる後、前記底板組立体の前記下板を、前記天板組立体の各上板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立て、
又は、前記天板組立体の前記上板を、前記底板組立体の各下板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなる、金属製パレットの製造方法。
【請求項1】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着した金属製パレットにおいて、
前記天板と、前記脚材の上板、下板および支柱は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、
前記天板と、前記脚材の上板および下板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材から所定長さに切断した長尺板片を用いて形成し、
前記天板は、前記脚材の上板上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で溶着する一方、
前記支柱は、
前記脚材の任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材から所望長さに切断した組立板片を用いて組み立て、前記脚材の両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に形成してなる、金属製パレット。
【請求項2】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板上に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する金属製パレットの製造方法において、
幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、該フォーミング材を既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板と、前記脚材の上板および下板を成形する一方、同じ前記フォーミング材を、前記脚材の任意の組立高さに応じて、所望長さに切断して前記支柱を構成する複数の組立板片を成形し、
次いで、前記上板を間隔をあけて並列させる一方、それら上板と直交する向きに前記天板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板の中で前記上板の長さ方向両端に配置する前記天板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体を組み立て、
それから、該天板組立体を前記上板が上側となる向きとし、該上板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記上板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
しかる後、前記下板を、前記天板組立体の各上板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなる、金属製パレットの製造方法。
【請求項3】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板の上面に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材の下板の下面に、それら下板と直交する向きに細長い複数の底板を間隔をあけて固着した金属製パレットにおいて、
前記天板と、前記脚材の上板、下板および支柱と、前記底板は、いずれも幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、
前記天板と、前記脚材の上板および下板と、前記底板は、それぞれ既定のパレット縦横長さに合わせて前記フォーミング材から所定長さに切断した長尺板片を用いて形成し、
前記天板は、前記脚材の上板上の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した下向きの前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で溶着し、
前記底板は、前記脚材の下板の長さ方向両端に配置する前記長尺板片を、それぞれ幅方向外側に有した上向きの前記嵌合溝が1つ前記下板の端縁から張り出した状態で溶着してなる一方、
前記支柱は、
前記脚材の任意の組立高さに応じて、前記フォーミング材から所望長さに切断した組立板片を用いて組み立て、前記脚材の両端部では、前記組立板片の上端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込み、前記組立板片の下端を、前記下板の端縁から張り出た前記底板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を設け、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込むと共に該組立板片の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に形成する一方、前記脚材の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の上端と下端をそれぞれ前記上板と前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に形成してなる、金属製パレット。
【請求項4】
細長い上板と下板間に長さ方向に間隔をあけて複数の支柱を挟着した複数の脚材を間隔をあけて並列し、該脚材の前記上板の上面に、それら上板と直交する向きに細長い複数の天板を間隔をあけて並置して固着する一方、前記脚材の下板の下面に、それら下板と直交する向きに細長い複数の底板を間隔をあけて固着する金属製パレットの製造方法において、
幅方向に断面コ形状の嵌合溝が上向き下向き交互に形成される断面波形に曲げ成形した長尺な金属薄板のフォーミング材を素材とし、該フォーミング材を既定のパレット縦横長さに合わせてそれぞれ所定長さに切断して前記天板と、前記脚材の上板および下板と、前記底板を成形する一方、同じ前記フォーミング材を前記脚材の任意の組立高さに応じて所望長さに切断して前記支柱を構成する複数の組立板片を成形し、
次いで、前記上板を間隔をあけて並列させる一方、それら上板と直交する向きに前記天板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら天板の中で前記上板の長さ方向両端に配置する前記天板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記上板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の天板組立体を組み立てると共に、前記下板を間隔をあけて並列させる一方、それら下板と直交する向きに前記底板を間隔をあけて重ねて並置すると共に、それら底板の中で前記下板の長さ方向両端に配置する前記底板は、それぞれ幅方向外側の前記嵌合溝が前記下板の端縁から張り出した状態で配置し、互いに重なる前記嵌合溝の底壁間をスポット溶接で溶着して格子状の底板組立体を組み立て、
それから、前記天板組立体を前記上板が上側となる向きとし、該上板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記上板の端縁から張り出た前記天板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記上板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
又は、前記底板組立体を前記下板が上側となる向きとし、該下板の両端部では、前記組立板片の一端を、前記下板の端縁から張り出た前記底板の嵌合溝に嵌め込んで立壁部を形成し、該立壁部の幅方向両側に有した嵌合溝に前記組立板片の片側側縁を嵌め込んで連結すると共に該組立板片の一端を前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで側壁部を立設し、該側壁部と前記立壁部とでチャンネル状に前記支柱を成形する一方、前記下板の両端部の間では、一対の前記組立板片を対向させ、各々の一端を前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んで平行な対束状に前記支柱を成形し、
しかる後、前記底板組立体の前記下板を、前記天板組立体の各上板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記下板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立て、
又は、前記天板組立体の前記上板を、前記底板組立体の各下板上に立てた前記支柱に被せて、該支柱の対向した平行な前記組立板片の上向き他端を、前記上板の幅方向両側の嵌合溝に嵌め込んでから、アーク溶接で溶着して組み立ててなる、金属製パレットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−210624(P2007−210624A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31105(P2006−31105)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(390008350)東邦シートフレーム株式会社 (11)
【出願人】(506044993)松本アルミ工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(390008350)東邦シートフレーム株式会社 (11)
【出願人】(506044993)松本アルミ工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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