説明

針刺し事故を減らすための新規なアンビル構造を有する、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツール

ハンドツールの動作中のユーザーの不慮の針刺し事故を減らす新規のアンビル構造と、ハンドツールニードルの交換中のユーザーの不慮の針刺し事故をさらに減らす新規のケーシングを備えたニードルとを有するプラスチックファスナーを繰り出す改良型ハンドツール。ハンドツールは、銃身部分およびハンドル部分を備えた銃形状のケーシングを有する。ケーシングは、銃身部分の前部にあるニードルアセンブリ開口部と、ハンドル部分の前部にあるトリガースロットとを備える。ハンドツールは、ニードルアセンブリの一端に配置された中空ニードルをさらに有する。ニードルアセンブリは、ケーシング内に実質的に配置される後退位置と、ニードルアセンブリ開口部を通ってケーシングの外に実質的に配置される延在位置との間で、摺動的に前後に移動可能である。ハンドツールは、ケーシング内に枢動可能に載置され、トリガースロットから外へ延在するトリガーをさらに備える。トリガーは、ニードルアセンブリを後退位置と延在位置との間で移動させることができる。ハンドツールは、さらにアンビルを備える。アンビルは、指ガイド部分、主要部分、およびタグスロットを備える。
タグスロットは、指ガイド部分を主要部分から切り離す。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年2月11日出願の米国特許仮出願第61/303,352号、2010年8月13日出願の第61/373,517号、および2010年10月26日出願の第61/406,602号の利益を主張し、当該仮出願全体を参照により本明細書中に援用するものである。
【技術分野】
【0002】
プラスチックファスナーを繰り出すハンドツール、および該ツールの使用方法。より詳細には、本発明は、幾多の物品に品質表示タグを付けるためにプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールに関するものである。ハンドツールは、ハンドツールの動作中におけるユーザーの不慮の針刺し事故を減らす新規なアンビル構造を有する。さらにまた、ハンドツールは、ハンドツールニードルの交換中のユーザーの不慮の針刺し事故をさらに減らす新規なニードルケーシングを備えたニードルを利用する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールに関し、より詳細には、新規なアンビル構造とハンドツールで利用されるニードル用の新規なニードルケーシングとを採用することにより、ユーザーの不慮の針刺し事故を減らす新規なプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールに関するものである。
【0004】
柔軟なフィラメントの一方の端部に第1の拡大部、および反対側の端部に第2の拡大部を有する細長い柔軟なフィラメントを含むタイプのプラスチックファスナーは、技術的に周知であり、商業的に広く使われている。このタイプのプラスチックファスナーに共通するひとつの用途は、ラベル、値段タグ、または他の物を物品に付けることである。伝統的に、ラベル、値段タグ、または他の物を物品に付けるためには、露出した固定ニードルを備えるプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール(一般に「タグ付け銃」と呼ばれる)が、プラスチックファスナーを繰り出すために使用されてきた。露出した固定ニードルを備えるタグ付け銃は、既知であり、そのようなツールの例としては、米国特許第5,639,006号、第5,683,025号、および第5,772,073号で開示されたものが含まれる。
【0005】
これらの既知のタグ付け銃の構造には、いくつかの動作上の問題が生じる。第1に、露出したニードルのタグ付け銃の基本構造には、操作者の怪我の原因となる可能性がある無益な危険が伴う。タグ付け銃の露出したニードルには、ニードルの尖端が常に露出しているため、作業者の負傷や不慮のニードル破損が不注意に生じるという問題がある。使用していないときには、ある種のニードル保護デバイスが、露出した固定ニードルを覆うために設けられる場合があるが、一旦タグ付け銃を作業場に持ち込むと、ニードル保護デバイスは、紛失される場合があり、ニードル破損の防護には役立たない。
【0006】
さらにまた、既知の露出したニードルのタグ付け銃の動作は、操作者の負傷という大きな危険を招く。上に特定したタグ付け銃の構造では、操作者は、最初に、ラベルまたは値段タグに露出した固定ニードルを挿入し、次に、操作者がラベルまたは値段タグを付けることを望む物品に露出した固定ニードルを突き通し、最後に、ラベルまたは値段タグを物品に付けるために、プラスチックファスナーを繰り出すタグ付け銃を作動させる必要がある。このプロセス中に、操作者は、操作者の負傷の原因となる可能性がある2つの動作に曝される。第1に、操作者が、ニードルをラベルまたは値段タグに挿入しようとするとき、操作者は、ニードルで不注意に自分自身を刺す可能性がある。第2に、操作者が、物品にニードルを突き通すとき、不注意に自分自身をニードルで刺す可能性がある。
【0007】
既知のタグ付け銃の構造に関連したさらなる動作上の問題は、ラベルまたは値段タグを物品に付ける上述のプロセスには、高水準の技巧を要するということである。操作者は、ラベルまたは値段タグと、ラベルまたは値段タグが付けられる物品との両方を同時に操作し、その上、タグ付け銃を同時に操作し、作動させることが必要である。操作者の気が散ったり、タグ付け銃を操作するために必要な多くの作業の調整に気を取られたりしたとき、操作者は、露出したニードルで自分自身を突き刺さないようにする注意が低下するため、露出したニードルで自分自身を突き刺す可能性が、非常に増加する。
【0008】
最後に、既知のタグ付け銃構造のニードル交換手順によって、操作者が負傷する可能性はさらに高まる。既知のタグ付け銃のニードルを交換するためには、操作者は、ニードルを直接つかむことが必要である。タグ付け銃のニードルは、小さいため、ニードルをつかむことは、高水準の技巧を必要する。操作者は、ニードルをつかみにくいと感じるかもしれず、タグ付け銃からニードルを取り外すのに苦労して、ニードルで自分自身を偶然に突き刺すかも知れないという高い可能性が存在する。
【0009】
したがって、タグ付け銃の使用中に操作者が負傷する危険性を低減した改良型タグ付け銃が求められている。具体的には、ラベルまたは値段タグを物品に付ける間、およびタグ付け銃のニードルを交換する間に、操作者が負傷する危険性を低減したタグ付け銃を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
ハンドツール操作中のユーザーの不慮の針刺し事故を減らすことを目的とする新規のアンビル構造を備えた、プラスチックファスナーを繰り出す改良型ハンドツールと、さらに、ハンドツールニードルの交換中、ユーザーの不慮の針刺し事故を減らす新規のケーシングを備えたニードルとを提供することによって、本発明は、現在の露出した固定ニードルのタグ付け銃に関連する上述の問題を解決する。
【0011】
本発明は、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールに関するものである。ハンドツールは、銃身部分およびハンドル部分を有する銃形状のケーシングを備える。ケーシングは、銃身部分の前部にニードルアセンブリ開口部と、ハンドル部分の前部にトリガースロットとを備える。ハンドツールは、ニードルアセンブリの一端に配置された中空ニードルをさらに備える。ニードルアセンブリは、実質的にケーシング内に配置される後退位置と、ニードルアセンブリ開口部を通って実質的にケーシングの外へ配置される延長位置との間で摺動可能に前後移動できる。ハンドツールは、さらに、ケーシング内に枢動可能に載置され、トリガースロットから外へ延在するトリガーを備える。トリガーは、ニードルアセンブリを後退位置と延長位置との間で移動させることができる。ハンドツールは、さらにアンビルを備える。アンビルは、指ガイド部分、主要部分、およびタグスロットを備える。タグスロットは、指ガイド部分を主要部分から切り離している。
【0012】
本発明はまた、品質表示タグを衣料品に付けるために、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールの使用方法に関するものである。方法は、最初に、銃身部分およびハンドル部分を有する銃形状のケーシングを備えたハンドツールを準備するステップを含む。ケーシングは、銃身部分の前部にニードルアセンブリ開口部を有する。ハンドツールは、さらに、中空ニードル、ニードルアセンブリ、トリガー、およびアンビルを備える。アンビルは、指ガイド部分と、主要部分と、指ガイド部分を主要部分から切り離しているタグスロットとを備える。次に、方法は、品質表示タグをタグスロットに挿入して、アンビルを物品に押し付けるステップを含む。次に、トリガーを押下して、中空ニードルが、品質表示タグおよび物品を突き通すまで、ニードルアセンブリを前方に進める。次に、トリガーをさらに押して、中空ニードルの中を通してプラスチックファスナーを繰り出し、品質表示タグを物品に付ける。方法は、トリガーを解放してニードルアセンブリを後退させることによって、完了する。
【0013】
本発明はまた、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールの摩滅ニードルを交換する方法に関するものである。方法は、最初に、銃身部分およびハンドル部分を有する銃形状のケーシングを備えたハンドツールを準備するステップを含む。ケーシングは、銃身部分の前部にニードルアセンブリ開口部を有する。ハンドツールは、さらに、中空ニードル、ニードルアセンブリ、トリガー、およびアンビルを備える。アンビルは、指ガイド部分と、主要部分と、指ガイド部分を主要部分から切り離すタグスロットとを有する。次に、方法は、保護ニードルケーシングを備えた交換ニードルを準備するステップを含む。交換ニードルは、尖端、ステム、およびベース部分を有する。ニードルケーシングは、第1の端部、第2の端部、および管状本体を有する。交換ニードルの尖端およびステムは、ケーシングの第1の端部に挿入される。次に、方法は、ニードルケーシングの第2の端部をアンビルの指ガイド部分に挿入するステップを含む。その後、トリガーを押下して、中空ニードルの尖端およびステムが、ニードルケーシングの第2の端部に挿入されるまで、ニードルアセンブリを前方に進める。次に、方法は、アンビルの指ガイド部分からニードルケーシングを取り除いて、トリガーを解放するステップを含む。その後、ニードルケーシングの第1の端部をアンビルの指ガイド部分に挿入する。次に、トリガーを押下して、交換ニードルが、ニードルアセンブリとともに配置されるまで、ニードルアセンブリを前方に進める。方法は、指ガイド部分からニードルケーシングを取り除いて、トリガーを解放することによって、完了する。
【0014】
本発明はまた、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのアンビルを調節する方法に関するものである。方法は、最初に、銃身部分およびハンドル部分を有する銃形状のケーシングを備えたハンドツールを準備するステップを含む。ケーシングは、銃身の前部にニードルアセンブリ開口部を有する。ハンドツールは、さらに、中空ニードル、ニードルアセンブリ、トリガー、およびアンビルを有する。アンビルは、指ガイド部分と、主要部分と、指ガイド部分を主要部分から切り離すタグスロットとを有する。アンビルは、さらに、タグスロット内に突出するボールプランジャーを備えている。次に、方法は、ボールプランジャーが、タグスロット内にほんの少し突出するように、ボールプランジャーを調節するステップを含む。方法は、品質表示タグをタグスロットに挿入して、タグスロット内で品質表示タグを動かしながらボールプランジャーを調節して、品質表示タグ上で抵抗が感じられるまでボールプランジャーをタグスロット内にさらに突出させるステップで完了する。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかとなるであろう。本発明の好ましい他の実施形態を示すと同時に幾多の実施形態および特定の例の詳細な説明を提示したがこれらは単に例として提示しただけであり、これに限定されるものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の多くの変更および改変は、本発明の精神を逸脱することなく行うことが可能であり、本発明は、そのような改変のすべてを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の前述ならびに他の目的および利点は、添付の図面と併せて以下の本発明の目下の好ましい典型的な実施形態のより詳細な説明を参照することにより、より完全に理解され、自明となるであろう。
【0017】
【図1】本発明の左側の側面図である。
【0018】
【図2】ニードルアセンブリがケーシングの中に後退した状態の本発明の左前方側面の斜視図である。
【0019】
【図2A】ニードルガード用の尖っていないノーズのための交互構成を示す図である。
【0020】
【図3】ニードルアセンブリがケーシングの中に後退した状態の本発明の左前方側面の切欠き斜視図である。
【0021】
【図4】詳細にアンビルを示している本発明の左側面の拡大側面図である。
【0022】
【図5】詳細にアンビルを示している本発明の左前方側面の拡大斜視図である。
【0023】
【図6】品質表示タグがハンドツールのアンビルで固定され、ニードルアセンブリがケーシングの中に後退した状態の本発明の左前方側面の斜視図である。
【0024】
【図7】品質表示タグがハンドツールのアンビルで固定され、ニードルアセンブリがケーシングから延在された状態の本発明の左前方側面の斜視図である。
【0025】
【図8】本発明のハンドツールで使用される交換ニードルおよびニードルケーシングの左前方側面の斜視図である。
【0026】
【図9】ニードルケーシングを使ってハンドツールから摩滅ニードルを取り外すプロセスを示す本発明の左前方側面の拡大斜視図である。および
【0027】
【図10】ボールプランジャーの左前方側面の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この文書で開示した器具および方法を、図に関して例を用いて詳述する。特段の断りのない限り、全図面を通して、図の類似番号は、同一要素、類似要素または対応する要素の参照番号を示す。自明であるが、開示され記述された例、機構、構成、構成要素、要素、器具、方法、材料などへの改変は、実行可能であり、特定の用途に対しては望ましい場合がある。この開示では、特定の形状、材料、技術、機構などのあらゆる識別は、提示される特定の例に関連があるか、単にそのような形状、材料、技術、機構などの一般的な記述に過ぎないかのいずれかである。特定の詳細または例の識別は、特段の指示がない限り、強制的または限定的と解釈されるものではないし、そう解釈されるべきではない。
【0029】
ここで、図1、2、および3を参照すると、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツール1が示されている。なお、本発明に関係しないハンドツール1の部分は、本明細書では、詳細に示さないし、説明もしない。ハンドツール1は、銃形状のケーシング10を備える。銃形状のケーシング10は、銃身部分15とハンドル部分20とを備える。ケーシング10は、右半分30と左半分35とを含む。両半分30、35は、共同で、銃身部分15の前部付近に位置するニードルアセンブリ開口部16と、ハンドル部分20の前部に位置するトリガースロット21とを画定する。複数の4つのアセンブリポスト500、501、502、503が、右半分30内に形成されている。第1のアセンブリポスト500は、銃身部分15の前面近くにあり、第2のアセンブリポスト501は、ニードルアセンブリ開口部16の前面近くにあり、第3のアセンブリポスト502は、銃身部分15の後部近くにあり、および第4のアセンブリポスト503は、ハンドル部分20の底部近くにある。複数の4つのアセンブリ穴505、506、507、508は、左半分35に形成されている。ケーシング10の左半分35と右半分30とをくっつけると、4つのアセンブリ穴505、506、507、508の位置は、4つのアセンブリポスト500、501、502、503の位置に合致する。ケーシング10の左半分35と右半分30とは、アセンブリ穴505、506、507、508を通してアセンブリポスト500、501、502、503の中にねじ込まれる複数の4本のアセンブリネジ515、516、517、518によって一緒に固定される。
【0030】
トリガー40は、ケーシング10に枢動可能に取り付けられ、トリガースロット21を通り抜けて延在する。第1のトリガアーム41は、トリガー40の底部から延在する。第1のトリガアーム41の一端は、トリガー40の底部に枢動可能に連結されているが、第1のトリガアーム41の他端は、ハンドル部分20の中央でアンカーポイント23に枢動可能に固定される。第2のトリガアーム42は、第1のトリガアーム41をニードルアセンブリアーム43に連結している。第2のトリガアーム42の一端は、第1のアンカーポイント23に枢動可能に固定されているが、第2のトリガアーム42の他端は、ニードルアセンブリアーム43に枢動可能に連結されている。トリガー40はまた、材料の層を通してニードルを引き戻すとき、ユーザーを支援できるリング44(図2参照)を含んでもよい。
【0031】
図2Aは、尖っていないすなわちドーム型のノーズであるニードルガード59のための交互構成を示す図である。ドーム型のノーズは、ツール1のガード59の丸い形状によって、ユーザーの指をニードルガードから遠ざける際の助けになる。
【0032】
ここで、図3、4、および5を参照すると、ハンドツール1は、銃身部分15の前部に載置されたアンビル45を備える。アンビル45は、指ガイド部分50および主要部分55を備える。指ガイド51は、アンビル45の指ガイド部分50上に設けられている。指ガイド51は、先端91およびベース92を有する。指ガイド部分50には、さらに後部壁81、円形通路93、およびニードル照準溝94がある。円形通路93は、指ガイド部分50を通って、指ガイド51の先端91から指ガイド部分50の後部壁81まで延在している。ニードル照準溝94は、円形通路93への目視通路を形成して、指ガイド部分50の左側に沿って位置している。
【0033】
タグスロット52は、指ガイド部分50を主要部分55から切り離している。タグスロット52は、アンビル45の長さに対して実質上垂直に延在し、アンビル45のほとんど全幅に延在する。アンビル45は、主要部分55の前部に位置するボールプランジャー筐体58をさらに備える。ボールプランジャー筐体58は、(図10に詳細に示した)ねじ付きボールプランジャー53を含む。ボールプランジャー53には、ボール端57および溝付き端56がある。ボールプランジャー53は、ボールプランジャー53のボール端57が、タグスロット52内に突出し、溝付き端56が、アンビル45の後部を向いた状態で、ボールプランジャー筐体58に通される。リミッター壁410は、ボールプランジャー筐体58から上方に延在する一方、第1のアンビルタブ221は、ボールプランジャー筐体58から下方に延在する。第1のアンビルタブ221は、実質上正方形であり、U字形状の溝222を有する。第2のアンビルタブ225は、主要部分55の後部を向いて設けられている。第2のアンビルタブ225は、主要部分55の右後部壁と一体形成されたU字形状の溝226から成る。
【0034】
第1のアンビルタブ221および第2のアンビルタブ225は、第1のアセンブリポスト500および第2のアセンブリポスト501と協同して、アンビル45を銃身部分15の前部に固定する。第1のアンビルタブ221のU字形状の溝222は、第1のアセンブリポスト500を係合する一方、第2のアンビルタブ225のU字形状の溝226は、第2のアセンブリポスト501を係合する。アセンブリねじ505、506、507、508をアセンブリ穴を通してアセンブリポスト500、501、502、503にねじ込んで、ケーシング10の右半分30および左半分35を一緒に締め付けるにつれて、ケーシング10の右半分30および左半分35は、ケーシング10の右半分30および左半分35の間に延在する第1および第2のアンビルタブ221、225上に力を加え始める。一旦アセンブリねじ505、506、507、508を完全に締め付けて、ケーシング10の右半分30および左半分35を一緒にきつく締め付けると、ケーシング10の右半分30および左半分35によって第1および第2のアンビルタブ221、225上に与えられる力は、アンビル45をハンドツール1の銃身部分15の前部に固定する際に、第1および第2のアンビルタブのU字形状の溝222、226をさらに加勢する。
【0035】
ハンドツール1は、さらに中空ニードル75を備える。ニードル75は、先端80、ステム部分85、およびベース部分90を有する。ベース部分90は、ニードルスライド95の中に載置される。リミッター220は、ニードルスライド95の最前端から延在している。ベース部分90は、ニードルロック100によりニードルスライド95に固定される。ニードルロック100には、ねじ付き部分101(不図示)および溝付き端102がある。ねじ付き部分101は、ニードルロック開口部103にねじ込まれる。ニードルロック開口部103は、ニードル75が、ニードルスライド95の内部に載置されるとき、ニードル75のベース部分90の一部と交差する。ベース部分は、ニードル75が、ニードルスライド95の内部に載置されるとき、ニードルロック開口部103と並ぶニードルロック溝104(不図示)を有する。ニードルロック100が、ニードルロック開口部103に完全にねじ込まれたとき、ニードルロック100は、ニードルロック溝104によって受け入れられ、それによって、中空ニードル75はニードルスライド95に固着される。
【0036】
ニードルスライドカバー110は、ニードルスライド95に取り付けられる。ニードルアセンブリアーム43は、ニードルスライドカバー110の底部から下方に延在する。一緒に、ニードルスライド95およびニードルスライドカバー110は、ニードルアセンブリ105を形成している。ニードルスライド95およびニードルスライドカバー110が、互いに固定されて、ニードルアセンブリ105を形成するとき、ニードルスライドカバー110は、左のニードルアセンブリ108を構成し、ニードルスライド95は、右のニードルアセンブリ109を構成する。第1のリッジ106は、左のニードルアセンブリ108の底端部に沿って縦方向に延在し、第2のリッジ107は、右のニードルアセンブリ109の底端部に沿って縦方向に延在する。第1の溝115(不図示)は、左半分35の銃身部分15の内部に形成される。第2の溝120は、右半分30の銃身部分15の内部に形成される。第1および第2の溝115、120は、銃身部分15の前部から後部まで実質上平行に延在する。第1および第2の溝115、120は、第1および第2のリッジ106、107と協同してニードルアセンブリ105を銃身部分15内に摺動可能に固定し、ニードルアセンブリ105を銃身部分15内で縦方向の移動に制限している。
【0037】
以下に図8を参照すると、交換ニードル305を保持するニードルケーシング300が、示される。ニードルケーシング300は、実質的に円筒形状の本体310を有する。ニードルケーシング300は、本体310の第1の端316に第1の開口部315と、本体310の第2の端321に第2の開口部320とを有する。円筒形状の本体310は、アンビル45の円形通路93の直径よりわずかに大きい直径を有する。開口部315、320は、交換ニードル305の直径よりわずかに小さい直径を有する。したがって、交換ニードル305が、第1の開口部315に挿入されたとき、第1の開口部315と交換ニードル305との間に締りばめが作られる。この締りばめによって、交換ニードル305は、第1の開口部315内に保持されることになる。
【0038】
制限リッジ325が、保護ケーシング300の中央に設けられている。制限リッジ325によって、ハンドツール1ニードル75の交換は容易になると同時にまたハンドツール1の操作者によるニードルケーシング300の操作も楽になる。交換ニードル305は、先端340(不図示)、ステム部分350、およびベース360を備える。ベース部分360には、ニードルロック溝380がある。
【0039】
図3、5、6、および7を参照しながら、品質表示タグを物品に付けるために、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツール1の使用方法を説明する。なお、本発明に関係しないハンドツール1の動作は、本明細書では詳述しない。
【0040】
品質表示タグを物品に付ける動作を開始するために、操作者は、先ず品質表示タグ400をハンドツール1のアンビル45内に固定する。図6では、品質表示タグ400をアンビル45に固定し、ニードルアセンブリ105を筐体10の銃身部分15に後退させた状態のハンドツール1を示す。品質表示タグ400を、アンビル45のタグスロット52内で、指ガイド部分50と主要部分55との間に固定する。なお、アンビル45の構造によって、操作者からのどんな追加支援もなしに、品質表示タグ400をアンビル45内に固定できる。したがって、一旦、品質表示タグ400をタグスロット52に入れると、操作者は、品質表示タグ400を手放すことができ、品質表示タグ400は、指ガイド部分50とアンビル45の主要部分55との間に固定されたままとなる。
【0041】
品質表示タグ400は、指ガイド部分50とアンビル45の主要部分55との間で、ボールプランジャー53によって固定される。上述のように、ボール端が、タグスロット52内に突出し、溝付き端56が、アンビル45の後部を向いている状態で、ボールプランジャー53をボールプランジャー筐体58に通す。ボール端57は、品質表示タグ400上にちょうど十分な力を加え、品質表示タグ400を指ガイド部分50の後部壁81に軽く押し付ける。他の手段を用いて、品質表示タグ400を指ガイド部分50の後部壁81に軽く押し付けてもよいことが考えられる。たとえば、ばね式ボールプランジャーを使用してもよく、あるいは、ボールプランジャー53のボール端57をローラー車輪に置き換えてもよいことが考えられる。
【0042】
なお、ボールプランジャー53は、調節可能であり、異なる厚みがある品質表示タグに対応できる。ボールプランジャー53を調節するには、操作者はまず、ツールをボールプランジャー53の溝付き端56に挿入する。ツールを挿入すると、操作者は、直ちにツールを使って、ボールプランジャー53を望ましい調整レベルに達するまで回転させる。時計回りにボールプランジャー53を回転させると、ボールプランジャー53をボールプランジャー筐体58の中にねじ込むことになり、それによって、ボール端57をタグスロット52内にさらに突出させることになり、より薄い品質表示タグに対応できる一方、反時計回りにボールプランジャー53を回転させると、ボールプランジャー53をボールプランジャー筐体58からねじ戻すことになり、それによって、ボール端57をタグスロット52内に浅く突出させることになり、より厚い品質表示タグに対応できる。
【0043】
操作者は、適正にボールプランジャー53を調整して、ハンドツール1の滑らかな動作を確実にするように注意しなければならない。ボール端57が、タグスロット52内に深く突出するように、操作者が、ボールプランジャー53を調節した場合、操作者は、ボール端57と指ガイド部分50の後部壁81との間で品質表示タグをすべらせることができなくなったり、あるいは、操作者が、ボール端57と指ガイド部分50の後部壁81との間に品質表示タグを無理に押し進めようとして、結局、品質表示タグを曲げることになる。あるいは、ボール端57が、十分深くタグスロット52内に突出しないように、操作者が、ボールプランジャーを調節した場合、操作者は、品質表示タグを指ガイド部分50とアンビル45の主要部分55との間に固定したままにすることができなくなる。
【0044】
ボールプランジャー53を迅速かつ正確に調節するためには、ボール端57が、タグスロット52から完全に後退するまで、操作者は、先ずボールプランジャー53をボールプランジャー筐体58から後退させることから始める。次に、操作者は、単一の品質表示タグをタグスロット52に入れる。操作者は、次に、タグスロット52内で品質表示タグを上下に動かし始めると同時に品質表示タグの一部を確実にボールプランジャー53のボール端57の前部に残す。タグスロット52内で品質表示タグを上下に動かしている間、操作者は、時計回りにゆっくりボールプランジャー53を回し始め、ボールプランジャー筐体58にボールプランジャー53を進め、それによって、ボール端57が、タグスロット52内に突出する量を増やす。操作者は、品質表示タグを上下に動かし続けると同時に、操作者が、品質表示タグの動きにわずかな抵抗を感じるまでボールプランジャー53を時計回りに回転させる。一旦このわずかな抵抗を感じたら、操作者は、次に、ボールプランジャー53をさらに8分の1回転時計回りに回転させて調節を完了する。この手順を使用すれば、操作者は、品質表示タグが、タグスロット52に簡単にすべり込む一方、品質表示タグが、タグスロット52で確実に保持されるように、ハンドツール1を容易に調節することができる。操作者は、次に、最初に調節を行うために使用された品質表示タグと同じ厚みを有する品質表示タグを使用する限り、さらなる調整なしでハンドツール1を使い続けることができる。しかし、操作者が、厚みが異なる品質表示タグを使うことを望む場合、上記の調整方法を繰り返して、確実に、ハンドツール1が、適正に機能し続けるようにしなければならない。
【0045】
ここで、品質表示タグ400をタグスロット52内でボールプランジャー53のボール端57と指ガイド部分50の後部壁81との間に固定した状態で、操作者は、次に、操作者が品質表示タグ400を付けることを望む物品に指ガイド51の先端91を押し付けることができる。この開示の目的としては、品質表示タグ400をシャツに付けることとする。操作者は、シャツを指ガイド51の先端91の上で確実にピンと引っ張って、確実に中空ニードル75の先端80をきれいにシャツに突き通さなければならない。シャツを指ガイド51の先端91の上でピンと引っ張らなかった場合、中空ニードル75の先端80をシャツに突き通すことができなかったり、またはシャツが裂けたり破れたりする原因にさえなる場合がある。
【0046】
なお、操作者が、シャツを指ガイド51の先端91に対してピンと引っ張って保持する必要がある期間の間の怪我を避ける際に、指ガイド51の構造は、操作者を支援する。操作者が、最初に指ガイド51の先端91をシャツに押し付けるとき、シャツは、指ガイド51の先端91にゆるく掛けられるだけであり、望ましい緊張が得られない。望ましい緊張を得るためには、操作者は、シャツの布地を通して、指ガイド51の先端91を手さぐりすることになる。一旦操作者が、指ガイド51を探し当てると、次に、操作者は、シャツの布地を指ガイド51に押し付け、シャツの布地を先端91に対してピンと引っ張ることになる。指ガイド51の形状によって、操作者の指は、指ガイド51の先端91から遠くへ離されてベース92の方へ移動される。指ガイド51の形状によって、操作者の指は、当然ながら、ハンドツール1の使用中は常に、先端91から遠くへかつベース92の方へ付勢される。このことは、ハンドツール1を作動させたとき、ニードル75の先端80が、指ガイド51の先端91から出るため、非常に望ましい。指ガイド51の構造によって、操作者の指が、指ガイド51の先端91から遠くへかつベース92の方へ誘導されるため、ハンドツール1の操作者は、一旦ハンドツール1が作動すると、操作者の指が、ニードル75の通路から遠く離されるため、おそらく自分自身に損傷を与えることは少なくなる。
【0047】
なお、指ガイド51は、いくつかの異なる構造構成を有してもよい。たとえば、図1、2、3にドーム形、および図5、6、7、9に円錐形を有する指ガイド51を示す。指ガイド51の構造上の唯一の必要条件は、操作者が自分の指を指ガイド51に押し付けたときはいつでも、指ガイド51の形状によって、操作者の指が、指ガイド51の先端91から遠くへかつベース92の方へ誘導されなければならないということである。アンビル45は、ハンドツール1から着脱可能であるため、操作者は、自分の個人的好みによって、または、ハンドツール1を使う用途によって、指ガイド51の形状を選択可能である。
【0048】
アンビル45を交換するためには、操作者は、先ず4本のアセンブリねじ515、516、517、518のうちの2本をゆるめるが、取り外さない。この方法により、ケーシング10の左半分35および右半分30を互いからわずかに引き離すことができる。上述のように、ケーシング10の右半分30と左半分35との間に延在し、アンビル45を銃身部分の前部に固定する際に支援する第1および第2のアンビルタブ221、225にケーシング10の右半分30および左半分35は、力を加えている。アセンブリねじ515、516、517、518をゆるめると、この力が除去され、アンビル45をハンドツール1から取り外しできる。アセンブリねじ506、507、508、509をゆるめた状態で、操作者は、ここで、アンビル45をハンドツール1から取り外すことができる。新しいアンビル45を設置するためには、操作者は、先ず第1および第2のアンビルタブ221、225を第1および第2のアセンブリポスト500、501に合致させなければならない。操作者は、次に、第1のアンビルタブ221のU字形状の溝222が、第1のアセンブリポスト500に係合する一方で、第2のタブ225のU字形状の溝226が、第2のアセンブリポスト501に係合するように、銃身部分15の前部にアンビル45を下ろす。アセンブリねじ516、517、518、519を締め付け、それにより、アンビル45をハンドツール1に堅く固定すると同時に、ケーシング10の右半分30および左半分35を固定しなおすことによって、操作者は、アンビル交換プロセスを完了する。
【0049】
ここで、品質表示タグが、タグスロット52内でボールプランジャー53のボール端57と指ガイド部分50の後部壁81との間に固定され、かつシャツの布地が、指ガイド51の先端91に対してピンと引っ張られた状態で、操作者が、次に、トリガー40を押下し、ハンドツール1を作動させると、それによって、トリガー40は、トリガースロット21の中に後退する。トリガー40が、トリガースロット21の中に後退することによって、第1のトリガアーム41は、アンカー23のまわりで時計回りに回転し、それによって、第2のトリガアーム42もまたアンカー23のまわりで時計回りに回転する。第2のトリガアーム42の回転によって、ニードルアセンブリアーム43は、ハンドル部分20の後部から離れて、銃身部分15の前部の方へ旋回する。ニードルアセンブリアーム43が、ニードルアセンブリ105に連結しているため、このニードルアセンブリアーム43の動きによって、ニードルアセンブリ105は、銃身部分15の前部の方へ移動する。ニードルアセンブリ105は、ニードルスライド95上のリミッター220が、アンビル45のリミッター壁410と接触するまで前進移動を続け、それによって、ニードルアセンブリ105は、銃身部分15の前部へさらに進むことを妨げられる。ニードルアセンブリ95が、銃身部分15の前部へ進むにつれて、ニードルアセンブリ105に載置された中空ニードル75も同様に前進する。中空ニードル75が前進するにつれて、先端80は、タグスロット52に固定された品質表示タグを突き通して、指ガイド部分50の円形通路93の中を進み、指ガイド51の先端91を貫通してシャツの布地を突き通す。一旦リミッター220が、リミッター壁410と接触すると、ニードル75の先端80およびステム部分85の一部は、指ガイド51の先端91を越えて延在する。操作者がさらにトリガー40を押下することによって、プラスチックファスナーが中空ニードル75の鋭い先端80を通ってされ、それによって、品質表示タグ400がシャツに固定される。
【0050】
一旦プラスチックファスナーが、ハンドツール1からされると、操作者は、トリガー40を解放できる。ニードルアセンブリ95は、一旦トリガーが解放される21と、ニードルアセンブリ95が銃身部分15の後部の方へ後退することになる後方付勢下にある。銃身部分15の後部へニードルアセンブリ95が移動することによって、トリガー40もまたトリガースロット21から延在することになる。ニードルアセンブリ95が、銃身部分15の後部へ戻るにつれて、ニードル75も同様にシャツの布地、指ガイド部分50、品質表示タグ400、およびアンビル55の主要部分から後退する。ニードル75およびニードルアセンブリ95が後退すると、操作者は、次に、ここでシャツに付けられている品質表示タグ400をタグスロット52から取り外し、新しい品質表示タグをタグスロット52に入れ、別のシャツで上述のプロセスを繰り返して、品質表示タグの取り付けを続けることができる。
【0051】
ここで、図8および9に注目しながら、ニードルケーシング300を使って摩滅ニードルを新しいニードルと交換する方法を以下で説明する。図8は、ハンドツール1用の交換ニードル305が出荷される方法を表す。交換ニードル305は、ニードル305の先端340およびステム部分350の一部が、ニードルケーシング300の第1の開口部315に確実に挿入された状態で出荷される。ケーシング300がすでに装着された状態で交換ニードル305を出荷することは、2つの目的にかなう。第1の目的は、交換ニードル305の出荷または収納中に、交換ニードル305に接触する人すべてを針刺し事故から保護する。第2の目的は、交換ニードル305の先端340が、鈍くなることから保護し、さらにニードル305のステム350が、曲がったり折れたりすることから保護する。
【0052】
摩滅ニードルの交換を開始するためには、操作者は、先ずニードルケーシング300の第2の端321を指ガイド51の先端91および円形通路93に挿入する。操作者は、次に、ニードルケーシング300を指ガイド51の中に、制限リッジ325が指ガイド51の先端91と接触するまで指ガイド部分50の後部壁81の方へ押し込む。このように、ニードルケーシング300が、円形通路93にさらに挿入されないようにする。上述のように、ニードルケーシング300の円筒形状の本体310の直径は、指ガイド部分50の円形通路93の直径よりわずかに大きい。したがって、一旦ニードルケーシング300を指ガイド51の先端91に挿入して押し込めば、操作者は、ニードルケーシング300から手を放してもよい。ニードルケーシング300は、ニードルケーシング300の本体300と指ガイド部分50の円形通路93との間に作られる締りばめの結果としてアンビル45の内部に配置されたままとなる。
【0053】
次に、摩滅ニードルの交換を続けるためには、操作者は、ツールをニードルロック100の溝付き端102に挿入して、反時計回りにニードルロック100を回転させることによって、ニードルロック開口部103からニードルロック100を取り外す。一旦ニードルロック100をニードルロック開口部103から取り外すと、ベース部分90は、もはやニードルスライド95の中に固定されず、したがって、中空ニードル75は、自由にハンドツール1から取り外せる。制限リッジ325が指ガイド51の先端91と接触した場合、中空ニードル75の先端80は、ニードルケーシング300の第2の開口部320に部分的に挿入される。しかし、ニードル75のステム部分85が、第2の開口部320にまだ挿入されていないため、ニードル75とニードルケーシング300との間の締りばめは、まだ確立されていない。したがって、ニードル75をハンドツール1から取り外すためには、まだニードルケーシング300を使用できない。
【0054】
必要な締りばめを作るためには、操作者は、制限リッジ325を確実に指ガイド51の先端91と堅く接触したままにするために、先ずニードルケーシング300をつかんで、ニードルケーシング300を指ガイド部分50の後部壁81の方へ押し込まなければならない。上述のように、ニードルケーシング300は、ニードルケーシング300と円形通路93との間の締りばめの結果として、指ガイド部分50の円形通路93で所定の位置に保持されるが、操作者は、それでも、ニードル交換プロセスのこのステップの間に、ニードルケーシング300にさらなる支持を実行しなければならない。制限リッジ325を指ガイド51の先端91に堅く押し付けた状態で、次に、操作者は、トリガー40を押下できる。上述のように、トリガー40を押下することによって、ニードルアセンブリ105は、銃身部分15の前部の方へ進む。ニードルアセンブリ105のこの移動によって、ステム85が、第2の開口部320に押し込まれ、それによって、ニードル75のステム85とニードルケーシング300との間の望ましい締りばめを作るように、ニードル75の先端80もまた第2の開口部320にさらに押し込まれることになる。ここで、ニードル75が、ニードルケーシング300の第2の開口部320で確実に保持された状態で、操作者は、本体310の第2の端321を指ガイド部分50の円形通路93から取り外して、ニードル75をハンドツール1から取り外すことができる。
【0055】
次に、操作者は、ケーシング300を反転させ、ニードルケーシング300の第1の端316を指ガイド51の開口部の方へ配向する。第2の端321に関して上述のプロセスと同様に、操作者は、ニードルケーシング300の第1の端316を指ガイド51の先端91に挿入して、制限リッジ325が、指ガイド51の先端91と接触するまで、ニードルケーシング300を指ガイド部分50の後部壁81の方へ押す。これにより、交換ニードル305のベース360は、ニードルスライド95の直前に置かれる。しかし、トリガー40がもはや押下されていない場合、ニードルスライド95は、交換ニードル305のベース360からは間隔をあけて配置される。したがって、操作者は、ニードルアセンブリ105を前進させて、ニードルスライド95を交換ニードル305のベース360と接触させるために、トリガー40を押下しなければならない。トリガー40が依然として押下され、交換ニードル305のベース360がニードルスライド95内に静止している場合、操作者は、ツールをニードルロック100の溝付き端102に挿入して、時計回りにニードルロック100を回転させることによって、ニードルロック100をニードルロック開口部103の中に戻すことができる。一旦ニードルロック100をニードルロック開口部103内に確実に配置すると、交換ニードル305のベースは、ハンドツール1に固定される。しかし、交換ニードル305のステム350とニードルケーシング300の第1の開口部315との間の締りばめの力は、ニードルアセンブリ105の後方付勢の力より強い。したがって、操作者は、アンビル45の円形通路93からニードルケーシング300を取り外し、交換ニードル305をニードルケーシング300から解放しなければならない。一旦ニードルケーシング300が、取り外されると、ニードルアセンブリ105は、次に、ケーシング10の銃身部分15の後部へ自由に戻り、ハンドツール1は、交換ニードル305が装着された状態でさらに使用できる状態になる。
【0056】
したがって、新規のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールが記載されたことが分かる。最も実際的かつ好ましい実施形態であると現在考えられるものに関連して本発明を説明してきたが、当業者には明らかなように、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、それらの多くの修正物および同等物を本発明の範囲内で作ることが可能であり、本発明の範囲は、すべての同等の構造物および製品を網羅するように添付の特許請求の範囲の最も広い解釈を与えられるものである。
【符号の説明】
【0057】
1 ハンドツール
10 ケーシング
16 ニードルアセンブリ開口部
21 トリガースロット
40 トリガー
45 アンビル
52 タグスロット
53 ボールプランジャー
75 ニードル
105 ニードルアセンブリ
300 ニードルケーシング
305 交換ニードル
400 品質表示タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールであって、
銃形状のケーシングと、ここで、前記ケーシングは、銃身部分およびハンドル部分を備え、前記ケーシングは、前記銃身部分の前部にニードルアセンブリ開口部と、前記ハンドル部分の前部にトリガースロットとをさらに備えるものであり、
中空ニードルと、
ニードルアセンブリと、ここで、前記ニードルアセンブリは、実質的に前記ケーシング内に配置される後退位置と、前記ニードルアセンブリ開口部を通って実質的に前記ケーシングの外に配置される延在位置との間で前後に摺動的に移動可能であり、前記ニードルは、前記ニードルアセンブリの一端に配置されるものであり、
トリガーと、ここで、前記トリガーは、前記ケーシング内で枢動可能に載置され、前記トリガースロットから外に延在し、前記トリガーは、前記ニードルアセンブリを前記後退位置と延在位置との間で移動させることができるものであり、
アンビルとを含み、ここで、アンビルは、指ガイド部分、主要部分、およびタグスロットを備え、前記タグスロットは、前記指ガイド部分を前記主要部分から切り離しているものである
ことを特徴とする、プラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項2】
前記指ガイド部分は、実質的に円錐形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項3】
前記指ガイド部分は、実質的にドーム形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項4】
前記指ガイド部分は、実質的にピラミッド形状であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項5】
前記中空ニードルは、ニードルケーシングを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項6】
前記ニードルケーシングは、摩滅ニードルを前記ハンドツールから取り外すために使用できることを特徴とする、請求項5に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項7】
前記ニードルケーシングは、交換ニードルを前記ハンドツールに装着するために使用できることを特徴とする、請求項5に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項8】
前記ニードルケーシングは、前記ニードルを破損から保護することを特徴とする、請求項5に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項9】
前記アンビルは、品質表示タグを前記タグスロットにおいて前記指ガイド部分と前記主要部分との間に固定できることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項10】
前記アンビルは、異なる構成を有するアンビルと交換可能であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項11】
前記品質表示タグは、前記タグスロットにおいて前記指ガイド部分と前記主要部分との間にボールプランジャーによって固定されることを特徴とする、請求項9に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項12】
前記品質表示タグは、前記タグスロットにおいて前記指ガイド部分と前記主要部分との間にばね負荷式機構によって固定されることを特徴とする、請求項9に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツール。
【請求項13】
品質表示タグを物品に付けるためにプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールの使用方法であって、
銃身部分およびハンドル部分を備える銃形状のケーシングを有するハンドツールを準備するステップと、ここで、前記ケーシングは、前記銃身部分の前部にあるニードルアセンブリ開口部と、中空ニードルと、ニードルアセンブリと、トリガーと、アンビルとを備え、前記アンビルは、指ガイド部分、主要部分、およびタグスロットを有し、前記タグスロットは、前記指ガイド部分を前記主要部分から切り離しているものであり、
品質表示タグを前記タグスロットに挿入するステップと、
前記アンビルを物品に押し付けるステップと、
前記中空ニードルが、前記品質表示タグおよび前記物品を突き通すまで、前記ニードルアセンブリを前方に進めるために、前記トリガーを押下するステップと、
前記中空ニードルを通してプラスチックファスナーを繰り出し、前記品質表示タグを前記物品に付けるために、前記トリガーをさらに押下し続けるステップと、
前記ニードルアセンブリを後退させるために、前記トリガーを解放するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項14】
前記アンビルを前記物品に押し付けるステップの後、前記アンビルの前記指ガイド部分に対して前記物品をピンと引っ張るステップをさらに含むことを特徴とする、請求国13に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールの使用方法。
【請求項15】
プラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのニードルを交換する方法であって、
銃身部分およびハンドル部分を備える銃形状のケーシングを有するハンドツールを準備するステップと、ここで、前記ケーシングは、前記銃身部分の前部にあるニードルアセンブリ開口部と、中空ニードルと、ここで前記ニードルは、先端、ステム、およびベース部分を有するものであり、ニードルアセンブリと、トリガーと、アンビルとを備え、前記アンビルは、指ガイド部分、主要部分、およびタグスロットを有し、前記タグスロットは、前記指ガイド部分を前記主要部分から切り離しているものであり、
保護ニードルケーシングを備えた交換ニードルを準備するステップと、ここで、前記交換ニードルは、先端、ステム、およびベース部分を有し、前記保護ニードルケーシングは、第1の端部、第2の端部、および管状本体を有し、前記交換ニードルの前記ステムの前記先端は、前記保護ニードルケーシングの前記第1の端部に挿入されているものであり、
前記保護ニードルケーシングの前記第2の端部を前記アンビルの前記指ガイド部分に挿入するステップと、
前記中空ニードルの前記先端および前記ステムが、前記第2の端部に挿入されるまで、前記ニードルアセンブリを前方に進めるために、前記トリガーを押下するステップと、
前記保護ニードルケーシングを前記アンビルの前記指ガイド部分から取り外すステップと、
前記トリガーを解放するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記保護ニードルケーシングの前記第1の端部を前記アンビルの前記指ガイド部分に挿入するステップと、
前記交換ニードルの前記ベースが、前記ニードルアセンブリ内に配置されるまで、前記ニードルアセンブリを前方に進めるために、前記トリガーを押下するステップと、
前記保護ニードルケーシングを前記アンビルの前記指ガイド部分から取り外すステップと、
前記トリガーを解放するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのニードルを交換する方法。
【請求項17】
前記ハンドツールが、ニードルロックをさらに有することを特徴とする、請求項16に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのニードルを交換する方法。
【請求項18】
前記保護ニードルケーシングの前記第2の端部を前記アンビルの前記指ガイド部分に挿入するステップの後、前記ニードルロックをアンロックするステップをさらに有することを特徴とする、請求項17に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのニードルを交換する方法。
【請求項19】
前記交換ニードルの前記ベースが、前記ニードルアセンブリ内に配置されるまで、前記ニードルアセンブリを前方に進めるために前記トリガーを押下するステップの後、前記ニードルロックをロックするステップをさらに有することを特徴とする、請求項17に記載のプラスチックファスナーを繰り出すハンドツールのニードルを交換する方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−519599(P2013−519599A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552983(P2012−552983)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2011/024304
【国際公開番号】WO2011/100400
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511205046)エイブリィ デニソン コーポレーション (15)
【Fターム(参考)】