説明

針収容装置

【課題】針パッケージとして適した、特に編み機用の針のための保持装置を提供する。
【解決手段】フラットな針支持体区分(4)と、該針支持体区分に対向位置して配置された緊締リップ(5)とを有する収容装置(3)が設けられており、前記緊締リップ(5)が、針(2)の一方の端部(14)を上方から緊締し且つ針(2)を針支持体区分(4)に対して緊締することにより保持するために設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージとして適した針収容装置であって、この針収容装置により、複数本の針を整列した形態で保護して使用に備えることができる形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な形式の針収容装置及び針パッケージが公知である。例えばドイツ連邦共和国特許第258019号明細書には、針交換を簡易化するための編み機用補助装置が開示されている。この補助装置には、1つのクランプで以て一緒に緊締される2本のレールが所属している。これらのレール間で針は、その後方又は前方のフック側の端部を把持される。この場合、針はレール間で緊締される。
【0003】
更に、ドイツ連邦共和国特許第260953号明細書から2つの条片を備えた緊締装置が公知であり、針は前記条片間で互いに平行に且つ相互間隔をおいて緊締される。この緊締装置もやはり、針交換を簡易化するための補助装置として役立つ。
【0004】
米国特許第2771187号明細書に記載のカバートを用いた縫い針用の封筒には、針用の収容ポケットが形成されている。針が収容ポケットに挿入されてから、カバートが閉じられる。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第258019号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第260953号明細書
【特許文献3】米国特許第2771187号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、針パッケージとして適した、特に編み機用の針のための保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明では、フラットな針支持体区分と、該針支持体区分に対向位置して配置された緊締リップとを有する収容装置が設けられており、前記緊締リップが、針の一方の端部を上方から緊締し且つ針を針支持体区分に対して緊締することにより保持するために設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による保持装置は、フラットな針支持体区分と、この針支持体区分に対向位置して配置された緊締リップとを有している。この緊締リップは針支持体区分の方向に曲げられており且つ針支持体区分に対して予負荷されていてよい。緊締リップは、該緊締リップの間に配置された針の一方の端部を覆って緊締し且つ針を針支持体区分に対して緊締することにより保持するために設けられている。当該保持装置では、必要に応じて多数の針を相並べて配置することができ、この場合、緊締リップは針を針支持体区分に対して緊締して保持する。この場合、緊締リップ及び針支持体区分は、有利には直接に針と接触している。
【0008】
本発明による保持装置のコンセプトの利点は、弾性紐、Oリング、線材、輪ゴム等を用いた針束の場合とは異なり、事実上任意の大きさの針群が針収容装置に収納可能であるという点にある。数本の針を取り出した後、針収容装置により保持された残りの針は集合体として整然と保持され続ける。
【0009】
線材又はナイロン紐に設けられた針、或いはその他の細長い編み工具のパッケージの場合とは異なり、本発明による針収容装置によって収容しようとする編み工具又は針は、別個に図示される開口を有していなくてよい。
【0010】
本発明による針収容装置では、緊締リップが針支持体区分の方向に曲げられている。この場合、緊締リップの下面と針支持体区分の上面との間の間隔は、収容しようとする編み工具の高さよりも小である。これにより、収容された編み工具は、収容された針が自動的に所定の位置で保持されるような力で、針支持体区分に対して予負荷される。緊締リップも有利には、針の長手方向に対して直交する仮想方向に関してある程度の弾性を有しているので、当該緊締リップは隣接する全ての針を、場合によっては生じる比較的小さな製作誤差にもかかわらず、針支持体区分に対して均等に押圧する。
【0011】
針は互いに結合されること無く、保持装置内で保持され得る。この場合、緊締リップだけが針をブロックとして保持する。但し、針を付加的に互いに位置固定することも可能である。例えば、針は互いに固定ラッカによって、又は例えばゴム紐等の機械的手段によって結合されていてよい。このために適した開口を各針が有しており且つこれらの針の開口が互いに整合している場合は、これらの開口にまっすぐなゴム紐が通される。このゴム紐が解放されると、当該のゴム紐は長手方向で収縮すると同時に、半径方向で拡張する。この場合、ゴム紐は、このゴム紐についている針を緊締する。この場合、これらの針はまとめて保持された1つのブロックを形成する。このようなブロックは、本発明による保持装置によって確実に収容及び保管され得る。
【0012】
保持装置には緊締リップの他に、針を保持又は固定するための別の手段が設けられていてよい。例えば針支持体区分は、保持された針の側方落下を防止する、例えば折り曲げられた縁部の形の構造体を有していてよい。針は、付加的に弾性的なバンド又は適当な帯封によって保持され得る。
【0013】
緊締リップは、保持装置により支承された針を上方から緊締する。有利には、緊締リップの自由端部は、所定の押圧点又は針との接触点において上向きに曲げられており、これにより、収容しようとする針の問題のない挿入が可能である。この場合、緊締リップは針長手方向で見て、有利には少なくとも当該緊締リップが挿入された針の編み目形成範囲を上方から完全に緊締し、これにより、編み目形成範囲が保持装置に形成された収容室に収容される長さを有している。針がその裏面で以て、フラットな針支持体区分に比較的大きな長さ又は全長にわたって接触しているのに対して、緊締リップは各針の所定の1箇所を押圧するに過ぎない。
【0014】
有利な構成では、収容装置は針保持クリップ及びこの針保持クリップに結合された支持体板の形の、少なくとも2つの部分から成っている。この場合、緊締リップは針保持クリップ部分として形成されている。針保持クリップは、例えばプラスチックから形成されていてよいのに対して、支持体板は、有利には例えばボール紙等の別の材料から形成されているか、又はやはりプラスチック或いは別のプラスチックから形成されている。更に、針保持クリップと支持体板とは、同一の又は異なる金属から形成されていてよい。有利には、針保持クリップと支持体板とは互いにリベット留め、かしめ締結、プレス、接着、接合又はその他の手段によって、永続的に又は解離可能に結合されている。
【0015】
支持体板自体が吸収性に形成されているか、又は例えばフェルトライニング或いは別の繊維ライニング等の吸収性のライニングを備えていると、当該の支持体板は、保存剤又は処理剤用の蓄え手段を形成することができる。このことは針収容装置において、例えば防食剤(例えば適当なオイル等)等の材料を蓄える可能性を開く。この場合、防食剤は針を保護するために、次第に針に供給される。このことは、針を最良品質で世界中に送付することを可能にし且つ不都合な環境条件下での長期保管をも可能にする。
【0016】
有利には、支持体板を針保持クリップと結合するためには、この針保持クリップの一方の脚部にスリットが設けられており、このスリットに支持体板が挿入されている。当該スリットは、同じ長さの又は異なる長さの2つの壁によって制限されていてよい。有利には、編み工具又は針に面した壁の前縁に傾斜面が形成されており、この傾斜面は針の挿入を容易にする。針から離れた方の下側の壁が上側の壁よりも長く形成されていると、一方では針が大きな長さにわたって支持体板と接触し且つ他方では支持体板が下側の壁によって補強される。
【0017】
スリットへの支持体板の挿入を簡単にするためには、スリットを制限する両壁のうちの一方のスリット開口部が傾斜されているか、丸みをつけられているか、又はテーパされていてよい。
【0018】
スリットに、支持体板のための位置決め手段を設けることも有利であると見なされる。例えば、スリットに複数のリブが設けられていてよく、これらのリブの間で、挿入された支持体板の縁部が保持される。更に、スリットを制限する壁の端部にそれぞれ突出部又はリブが形成されていてよく、これらの突出部又はリブは、相互間に支持体板を保持又は緊締する。このことは、支持体板の互いに隔てられて規定された2つのストリップ状又は線状の領域が緊締されて、保持又は支承されるという利点を有している。このことは、支持体板及び針保持クリップ相互の精密な位置調整に役立つ。必要な場合には、スリットは支持体板を針保持クリップに材料接続的に結合する接着剤の形の結合手段を有することができる。
【0019】
支持体板は、スリット内で材料接続的に保持されているばかりではない。支持体板を針保持クリップと形状接続的に結合することも可能である。このことは例えば、多少なりともシャープな縁部を有するように形成されたリブによって可能であり、これらのリブは支持体板の片面又は両面に押し込まれ且つ針保持クリップに結合されている。
【0020】
特に快適に操作されるべきであり且つ特に壊れやすい編み工具又は針の保管に適した針収容装置では、針保持クリップに操作装置が対応配置されている。この操作装置は、有利には操作時に緊締リップを支持体板から離反運動させ、これにより、針を問題なく緊締リップと支持体板との間で摺動させるために設けられている。挿入時又は取出し時に、針が緊締リップを開くために必要な力をもたらす必要はない。操作装置としては、例えば緊締リップを支持体板に結合する弾性領域を越えて、互いにほぼ並行に又は鋭角を成して突出した複数の付加部が適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0022】
図1には、複数の針2を備えた針保持装置1が示されており、針2は針保持装置1に収容されている。この針保持装置1は、例えば針出荷用及び針保管用の針パッケージとして使用される。針保持装置1は、単に針パッケージの一部だけを形成していてもよい。針保持装置1は収容装置3を有しており、この収容装置3には、フラットな針支持体区分4と、この針支持体区分4に対向位置して配置された緊締リップ5とが所属している。有利には上から見て方形のフラットな、扁平な針支持体区分4と緊締リップ5とは重なり合って、例えばアーチ形のばね区分6によって結合されていてよい。このばね区分6は、緊締リップ5を針支持体区分4に対して予負荷すると同時に、緊締リップ5を旋回可能に保持する。ばね区分6はばねヒンジを形成している。緊締リップ5及び針支持体区分4は、ばね区分6を介して互いに一体に結合されていてよい。最も簡単なケースでは、針支持体区分4、緊締リップ5及びばね区分6は、例えばプラスチック等の比較的剛性ではあるが、ややフレキシブルな適当な材料から成っている。
【0023】
針支持体区分4が概ね平らなのに対して、緊締リップ5は有利には針支持体区分4から離反するように曲げられた縁部7を有している。これにより、緊締リップ5はばね区分6から出発して、まず最初に鋭角で、当該緊締リップ5が針2に接触する針支持体区分4の接触箇所8に接近し、次いで導入開口の形成下で、針支持体区分4に対してやはり鋭角で前記接触箇所8及び針支持体区分4から離反する。このようにして、緊締リップ5は内部に針2の編み目形成区分10が突入する内室9を取り囲んでいる。前記編み目形成区分10は、針のフック、針胸部及び針ステムの一部を含む。内室9は適当な長さLを有しており、この長さLは緊締リップ5の長さ、即ち接触箇所8のばね区分6からの距離によって規定されている。緊締リップ5は針2のステム11よりも短いので、段部に続く別の針体部分12及びこの針体部分のバット13は内室の外側に位置しており且つ針支持体区分4上に位置している。
【0024】
図1に示したように、針2は緊締リップ5の緊締作用により、針支持体区分4に対して強固に押圧されているので、ブロックとして保持されている。各針2の編み目形成部分10によって形成される端部14が内室9内に保持されているのに対して、全ての針2のその他の部分12は前記内室9の外側に留まっている。つまり、針2の保持は、編み目形成部分とステムに続く段部との間の針ステムにおける緊締リップ5の緊締作用によってのみ行われる。針2の位置固定を支援するために、針支持体区分4は、針下面(針裏面)と当該の針支持体区分4との間の摩擦係数ができるだけ高くなるような性質を有していてよい。このことは、針支持体区分4の適当な材料選択によって、例えば粗いボール紙の形で、又は適当なコーティングによって達成され得る。摩擦の増大は、小さな隆起部、ウェブ若しくは突起の形の構造化によっても達成され得る。これにより、支持体板4上の針2は側方にほとんどずれない。
【0025】
図2に示したように、針2を位置固定するための付加的な手段15が針支持体区分4に設けられていてよい。このような手段15は、例えば1つ又は複数の帯封16の形で形成されていてよく、これらの帯封16は、針2に直交して上方から係合し且つ付加的に保持する。このような帯封16は、原物封緘としても使用することができる。帯封16は、図示のように針2の自由端部に、又はバット13の間に配置されていてよい。この場合は、針2を取り出す前に帯封16を除去することが必要である。更に、帯封16が紙又はプラスチックから成っている場合は、帯封を裂断又は切断する必要がある。択一的に、原物封緘が省かれる場合は、再閉鎖可能な帯封16を設けることが可能である。その他の点では、図2に示した実施例は、図1についての説明に対応して使用された符号に基づいている。
【0026】
別の変化実施例が図3に示されている。図1又は択一的に図2についての前記説明は、図3についても相応に該当する。付加的に、針支持体区分4に1つ又は複数の突出部が、例えば針2に対して平行に方位付けられて折り曲げられた縁部17の形で形成されている。針支持体区分4の対向位置する長手方向縁部にも、やはり折り曲げられた縁部が設けられていてよい(図3には図示せず)。縁部17は、帯封、ゴムバンド又は例えばプラスチックバッグ、プラスチックシュリンクチューブ等の形の別のパッケージにより包囲して緊締することができる。
【0027】
針保持装置1の更に別の実施例が図4に示されている。図1に示した実施例、又は図3或いは図2に示した実施例から出発して、針2は針支持体区分4と針2とを取り囲んで緊締するゴムバンド18によりまとめて保持される。
【0028】
ここまで説明した針保持装置1の実施例の別の詳細図が、図5及び図6に示されている。図示のように、緊締リップ5はほぼ扁平に形成されているか、又は針2に対して直交して延びる曲げ線44に沿って折り曲げられて形成されていてよい。両ケースにおいて、縁部7は、内室9に針が挿入されていない場合に針支持体区分4に対する間隔hが、針裏面で以て針支持体区分4に接触している針2のフック20のフック上面の高さhよりも大であるエッジ19で終わっている。この場合、ばね区分6の予負荷は、緊締リップ5が針支持体区分4における接触箇所8と接触するか、又は針支持体区分4と相俟って狭いギャップを規定するように設定可能である。このギャップはいずれにしろ、支承しようとする針2のステム11の高さよりも狭い。更に、ばね区分6の可能なばね行程は前記高さhよりも大である。
【0029】
針保持装置1の機能形式
図6に示したように、針保持装置1に挿入するためには、針2は縁部7の下側に押しずらされる。この場合、針2は内室9へ滑り込む。この場合、接触箇所8は各針2のフック20及び編み目形成区分10にわたって移動する。最終的に、針のフック20及び場合によっては存在するべら21(図6)は内室9に到達する。この内室9では、フック20及びべら21は別の部材と接触しない。接触箇所8は、フック20及びべら21に対して安全距離を保持している。従って、緊締リップは各針2の編み目形成区分10の上方から係合する。
【0030】
以下に、本発明の更なる詳細と構成手段とを説明する。これらの構成手段は、上で説明した全ての実施例に適用可能である。図7では、針支持体区分4並びに緊締リップ5及びばね区分6は、同一の又は異なる材料から成り且つ互いに結合された別個の構成部材として形成されていてよい。例えば収容装置3は、針保持クリップ22と針支持体板23とによって形成されていてよい。この支持体板23は例えばボール紙であるのに対して、針保持クリップ22は例えばプラスチックから成っている。針保持クリップ22は3つの部分から成る構成部材である。緊締リップ5がばね区分6を介して、支持体板23を支持する脚部24と結合されている。支持体板23は脚部24と、結合手段25を介して結合されている。このためには、例えば支持体板23が大面積で脚部24と接着された接着接合部が役立つ。脚部24は、有利には緊締リップ5よりも長い。緊締リップ5は接触箇所8で以て、支持体板23を脚部24に対して押圧可能である。
【0031】
前記結合手段25は、図8から図11に示したように、脚部24に形成されたスリット26を含んでいてよい。これに関する第1の実施例が図8に示されている。スリット26は、支持体板23に対して平行に方位付けられており且つ2つの壁27,28により制限されている。これらの壁27,28は、互いに平行に且つ支持体板23に対して平行に配置されている。支持体板23はスリット26に挿入されて、針保持クリップ22と結合されている。このためには結合手段として接着剤が役立ち、この接着剤は例えば壁27を支持体板23に結合する。この結合を支援するためには、スリット26内に接着剤が付与されていてもよい。
【0032】
更に、少なくとも有利な1実施例では、壁28のスリット26に隣接するエッジに傾斜面29が設けられている。この傾斜面は、支持体板23から壁28の内室9に面した面に至るソフトな上り勾配の移行部を形成する。当該傾斜面29は、内室9への針の挿入を容易にする。
【0033】
図9に示したように、上側の壁28を外側に位置する壁27より長く構成することも可能である。傾斜面29はやはり、上で説明した全ての実施例と同様に支持体板23若しくは壁28(図9及び図11)と相俟って挿入開口30を規定する縁部7の下位に針を挿入し易くする。針収容装置3は、やはり緊締リップ5と支持体板23とにより形成される。
【0034】
有利には、図7、図8又は図9に示した全ての実施例において、但し特に図9に示した実施例において、下側の壁27のスリット内側には、スリット縁部に向かって延びる傾斜面31が設けられていてよい。この傾斜面31は、スリット26への支持体板23の挿入を容易にする。支持体板23と脚部24との間の結合部はやはり、例えば接着剤等の結合手段25によって形成されていてよい。
【0035】
図10に示したように、脚部24は緊締リップ5より短く形成されていてもよい。このことは、特に支持体板23が比較的剛性である場合に云える。一方では内室9への針の挿入を容易にし且つ他方ではスリット26への支持体板23の挿入を容易にするためには、両壁27,28に、既に説明した傾斜面29,31が設けられていてよい。
【0036】
図11に示したように、両壁27,28が緊締リップ5より長く構成されており延いては接触箇所8を越えて突出していてもよい。傾斜面29,31もやはり設けられている。
【0037】
支持体板23と脚部24との間を結合するための別の手段が図12及び図13に示されている。この場合、同じ長さで形成され且つ縁部に丸みをつけられた壁27,28が内室32を包囲しており、この内室32の、支持体板23に対して垂直方向で測定されるべき幅は、支持体板23の厚さよりも大である。壁27,28の自由端部には、リブ状の突出部33,34が形成されている。内室32の底部にもやはりリブ状の隆起部35,36が形成されており、これらの隆起部35,36は互いの間で所定の間隔37を規定している。この間隔37は、ほぼ支持体板23の厚さに相当するか、又は支持体板23の厚さよりもやや小さい。
【0038】
図13に示したように、支持体板23には突出部33,34に対応配置された適当な凹部が設けられていてよい。支持体板23がやや可撓性の場合、前記凹部は突出部33,34により形成される力の作用下で加工成形可能でもある。これにより支持体板23は位置決め手段によって、即ち一方では突出部33,34によって、且つ他方では隆起部35,36によって規定された2つの線状ゾーンで保持されている。支持体板23はこのようにして極めて精密に保持可能であり、その他の点では支持体板23を脚部24に位置固定するために、内室32は接着剤38で満たされていてよい。
【0039】
別の変化態様が図14及び図15に示されている。図15に関連した図14から判るように、図7に示した実施例から出発して、脚部24の有利には接触箇所8に対向位置する箇所にはリブ39が形成されていてよい。このリブ39は、横断面三角形であり且つ脚部5を向いた縁部を有していてよい。この縁部は、例えばボール紙製の支持体板23に押し込まれ、延いてはこの支持体板23を長手方向で位置固定する。支持体板23と脚部24との間を更に結合するためには、やはり接着剤40が付与されていてよい。
【0040】
更に図14から明らかなように、緊締リップ5をコントロールして開閉するためには、針保持クリップ22に操作装置41が設けられていてよい。この操作装置41は、例えば付加部42,43によって形成される。これらの付加部42,43は、脚部24若しくは緊締リップ5に続いており且つヒンジを形成するばね区分6を越えて延びている。付加部42,43は、針2に直交し且つ図14では図平面に対して垂直方向で方位付けられた針保持クリップ22の全幅にわたって延びていてよい。付加部42と緊締リップ5との間の剛い結合及び付加部43と脚部24との間の剛い結合に基づき、両付加部42,43が例えば手で押し合わされた場合、脚部5は支持体板23から離反運動させられる。このことは、接触箇所8でフック及びべらをこする必要無しで、針を内室9に挿入することを可能にする。更に、フックが緊締リップ5をその緊締位置から押し退ける必要無しで、針を内室9から取り出すことができる。
【0041】
支持体板23は、吸収性の材料から形成されているか、又はこのような吸収性の材料を全面的又は部分的に有していてよい。このことは、上で説明した全ての実施例に当てはまる。
【0042】
特にパッケージとして適した針保持装置1は、フラットな針支持体区分4と、これに引き続き前記針支持体区分4に対してばね弾性的に緊張された緊締リップ5を有する区分とを有している。緊締リップ5は、相並んで接触して針支持体区分4上で保持された針2の編み目形成区分10に上方から係合する。ばね弾性的な緊締リップ5は、1本の、複数本の又は全ての針2の挿入及び引出しを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】複数の針を備えた針収容装置の概略斜視図である。
【図2】針収容装置の1変化実施例の概略斜視図である。
【図3】針収容装置の別の変化実施例の概略斜視図である。
【図4】針収容装置の更に別の変化実施例の概略斜視図である。
【図5】針挿入時の図1に示した針収容装置を異なる大きさで示した図である。
【図6】針挿入時の図1に示した針収容装置を異なる大きさで示した図である。
【図7】針保持クリップ及び支持体板を備えた、2つの部分から成る針収容装置の種々様々な実施例を示した図である。
【図8】針保持クリップ及び支持体板を備えた、2つの部分から成る針収容装置の種々様々な実施例を示した図である。
【図9】針保持クリップ及び支持体板を備えた、2つの部分から成る針収容装置の種々様々な実施例を示した図である。
【図10】針保持クリップ及び支持体板を備えた、2つの部分から成る針収容装置の種々様々な実施例を示した図である。
【図11】針保持クリップ及び支持体板を備えた、2つの部分から成る針収容装置の種々様々な実施例を示した図である。
【図12】支持体板用の特別に成形された収容室を備えた針保持クリップの1区分の部分的な側面図である。
【図13】保持クリップと支持体板との結合箇所を部分的に示した側面図である。
【図14】操作装置及び針保持クリップにおける支持体板の形状接続的な固定部を備えた針収容装置の1実施例を示した図である。
【図15】図14に示した支持体板及び保持クリップの部分拡大図である。
【符号の説明】
【0044】
1 針保持装置、 2 針、 3 収容装置、 4 針支持体区分、 5 緊締リップ、 6 ばね区分、 7 縁部、 8 接触箇所、 9,32 内室、 10 編み目形成範囲、 11 ステム、 13 バット、 14 端部、 16 帯封、 17 縁部、 18 ゴムバンド、 19 エッジ、 20 フック、 21 べら、 22 針保持クリップ、 23 支持体板、 24 脚部、 25 結合手段、 26 スリット、 27,28 壁、 29,31 傾斜面、 30 挿入開口、 33,34 突出部、 35,36 隆起部、 37 間隔、 38,40 接着剤、 39 リブ、 41 操作装置、 42,43 付加部、 44 曲げ線、 L 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編み針(2)用の針保持装置(1)であって、フラットな針支持体区分(4)と、該針支持体区分に対向位置して配置された緊締リップ(5)とを有する収容装置(3)が設けられており、前記緊締リップ(5)が、針(2)の一方の端部(14)を上方から緊締し且つ針(2)を針支持体区分(4)に対して緊締することにより保持するために設けられていることを特徴とする、針保持装置。
【請求項2】
緊締リップ(5)と針支持体区分(4)との間に形成された内室(9)への針(2)の挿入を容易にするための挿入開口(30)を形成するために、緊締リップ(5)が、針支持体区分(4)から離反するように曲げられた縁部(7)を有している、請求項1記載の針保持装置。
【請求項3】
収容装置(3)が、針保持クリップ(22)と、該針保持クリップ(22)に結合された支持体板(23)とを有しており、緊締リップ(5)が、針保持クリップ(22)の部分として形成されている、請求項1記載の針保持装置。
【請求項4】
支持体板(23)が、針保持クリップ(22)とは異なる材料から成っており且つ該針保持クリップと結合手段(25)によって結合されている、請求項3記載の針保持装置。
【請求項5】
針保持クリップ(22)が、緊締リップ(5)、脚部(24)及びばね区分(6)によって形成されており、前記脚部(24)が針支持体区分(4,23)を保持する、請求項3記載の針保持装置。
【請求項6】
針保持クリップ(22)がスリット(26)を有しており、該スリットに支持体板(23)が挿入されている、請求項3記載の針保持装置。
【請求項7】
スリット(26)に、支持体板(4,23)のための位置決め手段(33,34,35,36)が設けられている、請求項6記載の針保持装置。
【請求項8】
支持体板(4,23)が処理剤供給用に装備されている、請求項3記載の針保持装置。
【請求項9】
針保持クリップ(22)に操作装置(41)が対応配置されている、請求項3記載の針保持装置。
【請求項10】
緊締リップ(5)が針支持体区分(4)に対して予負荷されている、請求項1記載の針保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−114925(P2008−114925A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289447(P2007−289447)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(393020339)グローツ−ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト (4)
【氏名又は名称原語表記】Groz−Beckert KG
【住所又は居所原語表記】Parkweg 2,Albstadt−Ebingen,Germany
【Fターム(参考)】