説明

釣り用具

【課題】紐体に取り付けるとともにストリンガーを取り付けるための釣り用具であって、紐体の側方から取付け可能であることにより紐体への取付けが容易で予め紐体に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができるストリンガー用係止部材を提供する。
【解決手段】釣り用具としてのストリンガー用係止部材5は、1本の線条部材により形成されていて、螺旋状の紐体取付部10と、紐体取付部の一方の端部から連設された連結部40と、紐体取付部10の他方の端部から連設された連結部50と、連結部40の紐体取付部10とは反対側の端部から連設された係合部20と、連結部50の紐体取付部10とは反対側の端部から連設された係合部30とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリンガーを係止する釣り用具に関するものであり、特に、ストリンガーを係止するとともに、ロープに係止する釣り用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、黒鯛や石鯛等の魚釣り用に用いるストリンガーが存在する。このストリンガーは、釣り上げた魚を潮だまり等に生かしておくための器具であり、複数のフックがロープ等の紐体に通した構成を呈している。このストリンガーを使用する際には、ストリンガーのフックを開状態として魚に刺し、その後、フックを閉状態にして魚が逃げないようにする。
【0003】
ここで、ストリンガーをロープに通しただけの状態では、魚が一個所に集まって、鱗が剥がれてしまう等、魚が弱ってしまうという問題があることから、従来におけるストリンガーを係止するための釣り用具として、図12に示すように、ブランスイベル200を用いる例が存在する。
【0004】
すなわち、図12においては、ブランスイベル200は、本体部201と、本体部201に取り付けられた撚り戻し210とを有し、本体部201は、円筒状部202と、円筒状部202の外周面に間隔を介して設けられたリング状部204、206とを有し、円筒状部202には、ロープ等の紐体100が挿通されている。また、本体部201の円筒状部202におけるリング状部204とリング状部206の間の位置には、撚り戻し210が取り付けられている。すなわち、撚り戻し210は、略円柱状の本体部212と、本体部212に対して回転可能に軸支されている環状部214と、本体部212に対して回転可能に軸支されている環状部216とを有し、円筒状部202におけるリング状部204とリング状部206の間の部分が、環状部214に挿通されている。
【0005】
また、環状部216には、ストリンガー120が取り付けられている。すなわち、ストリンガー120は、スナップ130と、撚り戻し140と、フック部150とを有し、スナップ130が環状部216に取り付けられている。
【0006】
また、従来における他の例として、特許文献1に記載のストリンガーが存在する。特許文献1に記載のストリンガーは、紐体と、基部に連結環部を有する複数のフックとから成り、紐体に大きさの異なる係止片を、下方側に大きいものを配置した形となるようにして段違い状に取り付ける一方、連結環部の大きさの異なった複数個のフックを用意し、紐体をフックの連結環部に通した場合、係止片により、フックを段階的に係留させ得るように構成したものである。
【0007】
また、出願人は、特許文献2の先行技術文献を知得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−198535号公報
【特許文献2】実用新案登録第3129061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図12に示すような、ブランスイベルを用いる場合には、予め紐体をブランスイベルの本体部に挿通しておかなければならないため手間を要し、また、紐体を複数のブランスイベルに挿通したものは嵩張るため、保管や運搬にスペースを必要とするという問題がある。
【0010】
また、特許文献1のストリンガーにおいても、予め係止片に紐体を挿通して係止片を取り付けておかなければならないため手間を要し、また、複数の係止片を取り付けた紐体は嵩張るため、保管や運搬にスペースを必要とするという問題がある。
【0011】
特に、図12の場合には、紐体の端部からブランスイベルに挿通し、特許文献1の場合にも、紐体の端部から係止片に挿入しておく必要があり、紐体の側方から取り付けることができないため、予め紐を挿通しておく必要がある。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする問題点は、紐体に取り付けるとともにストリンガーを取り付けるための釣り用具であって、紐体の側方から取付け可能であることにより紐体への取付けが容易で予め紐体に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができる釣り用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、釣り用のストリンガーを取り付けるとともに、紐体に取り付ける釣り用具(5)であって、釣り用具が、紐体に取り付けるための紐体取付部(10)と、紐体取付部の一方の端部から連設された第1連結部(40)と、紐体取付部の他方の端部から連設された第2連結部(50)と、第1連結部の紐体取付部とは反対側の端部から連設された第1係合部(20)と、第2連結部の紐体取付部とは反対側の端部から連設された第2係合部(30)とを有し、1本の線条部材により形成され、紐体取付部は、略直線状の中心線に沿って螺旋状に形成してなり、第1連結部の第1係合部側の端部と第2連結部の第2係合部側の端部とは、第1係合部と第2係合部との係合を解除した状態の場合には、該中心線に対して略直角な方向に間隔を介した状態となり、第1係合部は、第1連結部から紐体取付部の一方の端部側に向けて巻回して略リング状に形成され、内側に第1挿通穴(K1)を有し、第2係合部は、第2連結部から紐体取付部の他方の端部側に向けて巻回して略リング状に形成され、内側に第2挿通穴(K2)を有し、第1係合部と第2係合部とを係合することにより、第1挿通穴と第2挿通穴とが対向してストリンガーを取り付けるための挿通穴が形成されることを特徴とする。
【0014】
上記第1の構成の釣り用具においては、紐体取付部に紐体を挿通する。つまり、第1係合部と第2係合部の係合状態が解除され、第1係合部と第2係合部の間に隙間が形成された状態で、該隙間から釣り用具の内側の空間に紐体を通し、その後、紐体を螺旋状の紐体取付部に巻回していき、紐体を紐体取付部に挿通した状態として紐体取付部に取り付ける。次に、第1係合部と第2係合部とを係合させると、第1挿通穴と第2挿通穴とが対向してストリンガーを取り付けるための挿通穴が形成されるので、この挿通穴にストリンガー(例えば、ストリンガーのスナップ)を取り付ける。そして、魚釣りに際して魚を釣り上げたら、魚をストリンガーに掛止する。
【0015】
釣り用具を紐体に取り付けるには、第1係合部と第2係合部の係合が解除した状態で、第1係合部と第2係合部の隙間から釣り用具内の空間に紐体を通し、紐体取付部に巻き付けるのみで容易に釣り用具を紐体に取り付けることができるので、紐体の側方から取付け可能であることにより紐体への取付けが容易で、釣り用具を予め紐体に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができる。
【0016】
また、紐体に複数の釣り用具を取り付けた場合には、釣り用具が隣接していても、紐体取付部が紐体に沿って所定の長さを有するので、第1係合部と第2係合部とが係合した個所(つまり、ストリンガーの取付け位置)は、紐体取付部の長さ分だけ間隔を有することになり、ストリンガーに掛止された魚を所定の間隔を介して生かしておくことができるので、魚同士が過度に接触して弱るのを防止することができる。
【0017】
また、釣り用具は1本の線条部材により形成されているので、製造コストも抑えることが可能となる。
【0018】
また、第2には、上記第1の構成において、第1連結部が、該中心線に対して略直角に伸びた第1部材(42)と、第1部材の紐体取付部とは反対側の端部から連設され、第1係合部側にいくほど紐体取付部から遠ざかるとともに紐体取付部の他方の端部側に近づくように該中心線に対して傾斜し、第1係合部側の端部において第1係合部と連設した第2部材(44)とを有し、第2連結部が、該中心線に対して略直角に伸びた第3部材(52)と、第3部材の紐体取付部とは反対側の端部から連設され、第2係合部側にいくほど紐体取付部から遠ざかるとともに紐体取付部の一方の端部側に近づくように該中心線に対して傾斜し、第2係合部側の端部において第2係合部と連設した第4部材(54)とを有することを特徴とする。
【0019】
よって、第1部材が該中心線に対して略直角に伸び、第3部材が該中心線に対して略直角に伸びているので、第1係合部と第2係合部とを係脱する際に、第1連結部や第2連結部とが紐体取付部に接触して第1係合部と第2係合部の係脱に支障を来すおそれがない。
【発明の効果】
【0020】
本発明に基づく釣り用具によれば、釣り用具を紐体に取り付けるには、第1係合部と第2係合部の係合が解除した状態で、第1係合部と第2係合部の隙間から釣り用具内の空間に紐体を通し、紐体取付部に巻き付けるのみで容易に釣り用具を紐体に取り付けることができるので、釣り用具を予め紐体に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができる。
【0021】
また、紐体に複数の釣り用具を取り付けた場合には、釣り用具が隣接していても、紐体取付部が紐体に沿って所定の長さを有するので、第1係合部と第2係合部とが係合した個所(つまり、ストリンガーの取付け位置)は、紐体取付部の長さ分だけ間隔を有することになり、ストリンガーに掛止された魚を所定の間隔を介して生かしておくことができるので、魚同士が過度に接触して弱るのを防止することができる。
【0022】
また、釣り用具は1本の線条部材により形成されているので、製造コストも抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部を係合した状態の斜視図である。
【図2】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部の係合を解除した状態の斜視図である。
【図3】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部を係合した状態の正面図である。
【図4】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部を係合した状態の右側面図である。
【図5】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部の係合を解除した状態の右側面図である。
【図6】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部を係合した状態の底面図である。
【図7】本実施例のストリンガー用係止部材の係合部の係合を解除した状態の底面図である。
【図8】本実施例のストリンガー用係止部材を紐体に取り付けた状態を示す正面図である。
【図9】本実施例のストリンガー用係止部材を紐体に取り付け係合部を係合した状態を示す正面図である。
【図10】本実施例のストリンガー用係止部材を紐体に取り付けストリンガーをストリンガー用係止部材に取り付けた状態を示す正面図である。
【図11】本実施例のストリンガー用係止部材の使用状態を示す説明図である。
【図12】従来におけるストリンガー用係止部材としてのブランスイベルを使用した例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明においては、予め紐体に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができる釣り用具を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0025】
本発明に基づく釣り用具としてのストリンガー用係止部材(以下「係止部材」とする)5は、ストリンガーを係止するための部材(魚釣り用具)であり、図1〜図7に示すように構成され、1本の線条部材(線状部材としてもよい)により形成され、紐体取付部10と、係合部(第1係合部)20と、係合部(第2係合部)30と、紐体取付部10の一方の端部と係合部20の間を連結する連結部(第1連結部)40と、紐体取付部10の他方の端部と係合部30の間を連結する連結部(第2連結部)50とを有している。なお、線条部材は、例えば、金属製の線条部材により形成され、同一(略同一としてもよい)の径に形成されている。
【0026】
ここで、紐体取付部10は、線条部材を略直線状(単に直線状としてもよい)の中心線Pに沿って複数回(図の例では4回)巻回したものであり、該中心線Pに沿って螺旋状に形成され、より具体的には、略円柱状の周面に沿って螺旋状に形成されている。紐体取付部10において、線条部材は左周りに巻回されている。紐体取付部10の内径(線条部材の内側がなす螺旋を外周とする略円柱形状の横断面の直径)は、係止部材5を取り付ける紐体100に取付け可能に、該紐体100の径(直径)以上の径(直径)に形成されている。
【0027】
なお、紐体取付部10における巻回回数は4回であるが、紐体に取り付け可能であれば他の複数回巻回したものでもよい。なお、紐体取付部10を紐体100に取り付けた場合には、図8、図9に示すように、紐体100は上記略直線状に中心線Pに沿って紐体取付部10に取り付けられる。
【0028】
また、係合部20は、係止部材5の一方の端部に形成され、線条部材の一方の端部を巻回することによりリング状(略リング状としてもよい)に形成され、内側に挿通穴K1を有している。係合部20は、連結部40の紐体取付部10側とは反対側の端部から連設されている。なお、係合部20における線条部材の巻回回数は約1.25回(1と1/4回)であるが、1回以上の巻回回数であればよく、ストリンガー120のスナップ130の開閉部134を挿通できる構成であれば、他の回数でもよい。
【0029】
係合部20は、係合部30と係合するために、連結部40の下端(つまり、傾斜部材44の下端)R1から外側(P1の側、紐体取付部10の一方の端部側)に向けて円弧状に巻回(湾曲としてもよい)して形成されている。また、係合部20と係合部30とが係合する際に、線条部材の一対の端部20aと端部30aとが、対向せずに係止しやすくするために、係合部20は、連結部40の係合部20が付勢された方向(図におけるQ1の方向)の側に形成されている。連結部40の下端R1は、連結部40の紐体取付部10とは反対側の端部となる。
【0030】
また、係合部30は、係止部材5の他方の端部に形成され、線条部材の他方の端部を巻回することによりリング状(略リング状としてもよい)に形成され、内側に挿通穴K2を有している。係合部30は、連結部50の紐体取付部10側とは反対側の端部から連設されている。なお、係合部30における線条部材の巻回回数は約1.25回(1と1/4回)であるが、1回以上の巻回回数であればよく、ストリンガー120のスナップ130の開閉部134を挿通できる構成であれば、他の回数でもよい。
【0031】
係合部30は、係合部20と係合するために、連結部50の下端(つまり、傾斜部材54の下端)R2から外側(P2の側、紐体取付部10の他方の端部側)に向けて円弧状に巻回(湾曲としてもよい)して形成されている。また、係合部20と係合部30とが係合する際に、線条部材の一対の端部20aと端部30aとが、対向せずに係止しやすくするために、係合部30は、連結部50の係合部30が付勢された方向(図におけるQ2の方向)の側に形成されている。連結部50の下端R2は、連結部50の紐体取付部10とは反対側の端部となる。なお、図において、Q1−Q2間の方向は、中心線Pの方向と略直角(単に直角としてもよい)の方向である。
【0032】
また、係合部20と係合部30は、紐体取付部10の略中央における略直角方向の位置に設けられている。つまり、係合部20、30は、紐体取付部10の巻回方向となる略直線状の中心線Pに沿った方向の略中央における略直角方向の位置に設けられている。なお、係合部20における線条部材がなす径S1と係合部材30の線条部材がなす径S2とは略同一(同一としてもよい)とするのが好ましい。
【0033】
また、連結部40は、紐体取付部10の一方の端部と係合部20の端部とを連結するものであり、紐体取付部10の一方の端部から下方(紐体取付部10の巻回方向となる略直線状の中心線Pの方向を横方向とした場合の下方)に略直線状に伸びた縦部材(第1部材)42と、縦部材42の下端(つまり、縦部材42の紐体取付部10側とは反対側の端部)から係合部20に向けて斜め下方に略直線状に伸びた傾斜部材(第2部材)44とを有している。
【0034】
縦部材42は、上記中心線Pに対して略直角(単に直角としてもよい)に伸び、紐体取付部10の端部から連続して形成されている。つまり、紐体取付部10において下方(該中心線Pに対して略直角の方向)を向く端部からそのまま連続して形成されている。また、傾斜部材44は、縦部材42の紐体取付部10とは反対側の端部から連設され、係合部20側にいくほど紐体取付部10から遠ざかるとともに紐体取付部10の他方の端部側(P2側)に近づくように上記中心線Pに対して傾斜し、係合部20側の端部において係合部20と連設している。また、縦部材42と傾斜部材44とは、該中心線Pを通る平面(仮想的な平面)と略平行(単に平行としてもよい)となるように形成されている。
【0035】
なお、縦部材42が設けられているので、連結部40が紐体取付部10の端部から係合部20に向けて斜め下方に直線状に形成される場合に比べて、連結部40が紐体取付部10に接触して係合部20、30の係脱に支障を来すおそれがない。
【0036】
また、連結部50は、紐体取付部10の他方の端部と係合部30の端部とを連結するものであり、紐体取付部10の他方の端部から下方(紐体取付部10の巻回方向となる略直線状の中心線Pの方向を横方向とした場合の下方)に略直線状に伸びた縦部材(第3部材)52と、縦部材42の下端(つまり、縦部材52の紐体取付部10側とは反対側の端部)から係合部30に向けて斜め下方に略直線状に伸びた傾斜部材(第4部材)54とを有している。
【0037】
縦部材52は、上記中心線Pに対して略直角(単に直角としてもよい)に伸び、紐体取付部10の端部から連続して形成されている。つまり、紐体取付部10において下方(該中心線Pに対して略直角の方向)を向く端部からそのまま連続して形成されている。傾斜部材54は、縦部材52の紐体取付部10とは反対側の端部から連設され、係合部30側にいくほど紐体取付部10から遠ざかるとともに紐体取付部10の一方の端部側(P1側)に近づくように上記中心線Pに対して傾斜し、係合部30側の端部において係合部30と連設している。また、縦部材52と傾斜部材54とは、該中心線Pを通る平面(仮想的な平面)と略平行(単に平行としてもよい)となるように形成されている。
【0038】
なお、縦部材52が設けられているので、連結部50が紐体取付部10の端部から係合部30に向けて斜め下方に直線状に形成される場合に比べて、連結部50が紐体取付部10に接触して係合部20、30の係脱に支障を来すおそれがない。
【0039】
縦部材42が紐体取付部10と連設された位置と、縦部材52が紐体取付部10と連設された位置とは、係止部材5を側面視した場合(該中心線Pの方向から視認した場合)には、該中心線Pを介して両側に位置する。
【0040】
係合部20と係合部30との係合を解除した状態においては、図2、図5、図7に示すように、連結部40と連結部50とは中心線Pに対して略直角な方向に開いた状態となり、連結部40の係合部20側の端部と連結部50の係合部30側の端部とは(「係合部20と係合部30とは」としてもよい)、該中心線Pに対して略直角(単に直角としてもよい)な方向(Q1−Q2の方向)に間隔を介した状態となる。
【0041】
また、係合部20と係合部30とが係合した状態においては、係合部20と係合部30とはともに、係合部20と係合部30との係合を解除した状態となるように付勢され(つまり、係合部20はQ1の方向に付勢され、係合部30はQ2の方向に付勢されている)、図1、図3、図4、図6に示すように、係合部20と係合部30の一方は、他方における該一方が付勢されている方向の側に存在する。つまり、係合部20は、係合部30における係合部20が付勢されている方向の側、つまり、Q1の側に存在し、係合部30は、係合部20における係合部30が付勢されている方向の側、つまり、Q2の側に存在する。また、係合部20と係合部30とが係合した状態においては、連結部40と連結部50の一方と他方とが互いに交差し、該一方は、該他方における該他方が付勢されている方向の側に存在する。つまり、連結部40は、連結部50における連結部50が付勢されている方向の側、つまり、Q2の側に存在し、連結部50は、連結部40における連結部40が付勢されている方向の側、つまり、Q1の側に存在する。また、係合部20と係合部30とが係合した状態においては、縦部材42と縦部材52とは、略平行(単に平行としていもよい)となる。
【0042】
また、係合部20と係合部30とが係合した状態においては、係合部20と係合部30とが重なり合い、係合部20の挿通穴K1と係合部30の挿通穴K2とが対向して重なり合って、係合部20と係合部30の内側に挿通穴K(図3、図9参照)が形成され、この挿通穴にストリンガー120のスナップ130の開閉部134を挿通することができる。すなわち、係合部20の内径と係合部30の内径とは、ストリンガー120のスナップ130の開閉部134が挿通可能な径に形成されている。
【0043】
上記構成の係止部材5の使用状態について説明する。係止部材5の使用に際しては、係止部材5を紐体100に取り付け、係止部材5にストリンガー120を係止する。
【0044】
なお、ストリンガー120について説明すると、ストリンガー120は、スナップ130と、撚り戻し140と、フック部150とを有している。
【0045】
ここで、スナップ130は、支持板部132と、開閉部134と、開閉部136とを有し、逆U字状に形成された開閉部134は、支持板部132に対して開閉自在に形成され、開閉部136も、支持板部132に対して開閉自在に形成されている。開閉部134と開閉部136は、1本の線条部材により形成され、開閉部134は、1本の線条部材の一方の側に形成され、開閉部136は、1本の線条部材の他方の側に形成されている。開閉部134は、支持板部132における折返し状の掛止部132aに掛止することにより閉状態となり、掛止部132aへの掛止を解除することにより開状態となる。また、開閉部136も、支持板部132における折返し状の掛止部132bに掛止することにより閉状態となり、掛止部132bへの掛止を解除することにより開状態となる。
【0046】
また、撚り戻し140は、略円柱状の本体部142と、本体部142に対して回転可能に軸支されている環状部144と、本体部142に対して回転可能に軸支されている環状部146とを有し、環状部144と環状部146とは、互いに本体部142の反対側に設けられている。なお、環状部144には、スナップ130の開閉部136が挿通されて、スナップ130と撚り戻し140とが連結されている。
【0047】
また、フック部150は、被掛止部152と、縦棒状部154と、環状部156と、縦棒状部158と、開閉部160とを有している。ここで、被掛止部152と、縦棒状部154と、環状部156と、縦棒状部158と、開閉部160とは、全体に1本の線状部材により形成されている。被掛止部152は、線状部材の端部を略U字状に折り返すことにより形成され、横方向に形成されている。この被掛止部152は、開閉部160が掛止する被掛止部材として機能する。また、縦棒状部154と縦棒状部158とは、固定部材170により一体に固定されている。この固定部材170は、帯状のカシメ部材であり、縦棒状部154と縦棒状部158を固定部材170によりかしめることにより縦棒状部154と縦棒状部158とが互いに平行に接した状態で一体にしている。これにより、縦棒状部154と縦棒状部158とにより縦方向に柱状部159を形成している。開閉部160は、縦棒状部158の下端から連設され、縦棒状部158の下端から下方に向けて設けられるとともに、上方に向けて湾曲する形状を呈し、略U字状部162と、棒状先端部164とを有している。
【0048】
係止部材5を紐体100に取り付ける方法について説明すると、紐体取付部10に紐体100を挿通する。つまり、図2、図5、図7に示すように、係合部20と係合部30の係合状態が解除され、係合部20と係合部30の間に隙間が形成された状態で、該隙間から係止部材5の内側の空間に紐体100を通し、その後、紐体100を螺旋状の紐体取付部10に巻回していき(紐体100を右回りに巻回していく)、図8に示すように、紐体100を紐体取付部10に挿通した状態とする。つまり、該中心線Pに沿って紐体100が取り付けられる。なお、紐体100は、例えば、糸巻き200に巻回された紐体とする。
【0049】
次に、係合部20と係合部30とを図9に示すように係合させる。すると、係合部20と係合部30とが重なり合い、係合部20と係合部30の内側に挿通穴Kが形成されるので、ストリンガー120のスナップ130の開閉部134の係止状態を解除して、該開閉部134を挿通穴Kに挿通して図10に示すように、ストリンガー120を係止部材5に取り付けた状態とする。
【0050】
紐体100に複数の係止部材5を取り付けた場合には、係止部材5が隣接していても、紐体取付部10が紐体100に沿って所定の長さを有するので、係合部20と係合部30とが係合した個所(つまり、ストリンガー120の取付け位置)は、紐体取付部10の長さ分だけ間隔を有することになる。
【0051】
実際の釣りにおいては、釣り場に紐体100と係止部材5とストリンガー120とを別にして持参し、釣り場において、複数の係止部材5に紐体100を挿通し、各係止部材5にストリンガー120を係止しておく。
【0052】
なお、ストリンガー120を係止部材5に取り付けた後に、係止部材5の紐体取付部10に紐体100を挿通してもよい。
【0053】
魚を釣り上げたら、釣り上げた魚をストリンガー120に掛止する。すなわち、まず、開閉部160を開状態にする。すなわち、開閉部160の棒状先端部164を柱状部159側に押し込んだ後に押し込んだ方向とは略直角方向に若干移動させて、開閉部160に与えていた力を解除する。すると、開閉部160の被掛止部152への掛止が解除されて、開閉部160が開状態となる。
【0054】
その後、魚の口からエラの手前当たり、例えば、図11に示す位置に開閉部160の棒状先端部164を刺して、開閉部160の略U字状部162に魚を掛止させる。その後、開閉部160を被掛止部152に掛止させて開閉部160を閉状態とする。以上のようにして、フック部150への魚の掛止が完了したら、魚を潮だまり等に入れて生かしておく。
【0055】
以上のように、本実施例の係止部材5によれば、ストリンガー120に掛止された魚を所定の間隔を介して生かしておくことができるので、魚同士が過度に接触して弱るのを防止することができる。つまり、紐体100に取り付けられた複数の係止部材5における各係止部材5は紐体100に沿ってスライドして互いに隣接することがあるが、紐体取付部10が紐体100に沿って所定の長さを有するので、係合部20と係合部30とが係合した個所(つまり、ストリンガー120の取付け位置)は、紐体取付部10の長さ分だけ間隔を有することになり、魚同士が過度に接触して弱るのを防止することができる。
【0056】
また、係止部材5を紐体100に取り付けるには、係合部20と係合部30の係合が解除した状態で、係合部20と係合部30の隙間から係止部材5内の空間に紐体100を通し、紐体取付部10に巻き付けるのみで容易に係止部材5を紐体100に取り付けることができるので、紐体100の側方から取付け可能であることにより紐体100への取付けが容易で、係止部材5を予め紐体100に取り付けておく必要がなく、これにより、紐体の保管や運搬に要するスペースを小さくすることができる。
【0057】
また、係止部材5は1本の線条部材により形成されているので、製造コストも抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
5 ストリンガー用係止部材
10 紐体取付部
20、30 係合部
40、50 連結部
42、52 縦部材
44、54 傾斜部材
100 紐体
120 ストリンガー
130 スナップ
140 撚り戻し
150 フック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用のストリンガーを取り付けるとともに、紐体に取り付ける釣り用具(5)であって、
釣り用具が、紐体に取り付けるための紐体取付部(10)と、紐体取付部の一方の端部から連設された第1連結部(40)と、紐体取付部の他方の端部から連設された第2連結部(50)と、第1連結部の紐体取付部とは反対側の端部から連設された第1係合部(20)と、第2連結部の紐体取付部とは反対側の端部から連設された第2係合部(30)とを有し、1本の線条部材により形成され、
紐体取付部は、略直線状の中心線に沿って螺旋状に形成してなり、
第1連結部の第1係合部側の端部と第2連結部の第2係合部側の端部とは、第1係合部と第2係合部との係合を解除した状態の場合には、該中心線に対して略直角な方向に間隔を介した状態となり、
第1係合部は、第1連結部から紐体取付部の一方の端部側に向けて巻回して略リング状に形成され、内側に第1挿通穴(K1)を有し、
第2係合部は、第2連結部から紐体取付部の他方の端部側に向けて巻回して略リング状に形成され、内側に第2挿通穴(K2)を有し、
第1係合部と第2係合部とを係合することにより、第1挿通穴と第2挿通穴とが対向してストリンガーを取り付けるための挿通穴が形成されることを特徴とする釣り用具。
【請求項2】
第1連結部が、該中心線に対して略直角に伸びた第1部材(42)と、第1部材の紐体取付部とは反対側の端部から連設され、第1係合部側にいくほど紐体取付部から遠ざかるとともに紐体取付部の他方の端部側に近づくように該中心線に対して傾斜し、第1係合部側の端部において第1係合部と連設した第2部材(44)とを有し、第2連結部が、該中心線に対して略直角に伸びた第3部材(52)と、第3部材の紐体取付部とは反対側の端部から連設され、第2係合部側にいくほど紐体取付部から遠ざかるとともに紐体取付部の一方の端部側に近づくように該中心線に対して傾斜し、第2係合部側の端部において第2係合部と連設した第4部材(54)とを有することを特徴とする請求項1に記載の釣り用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−152166(P2012−152166A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15420(P2011−15420)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(594020536)有限会社ヤマワ産業 (8)
【Fターム(参考)】