説明

釣り用掛止具

【課題】鮎釣り用の曳舟の紐体を掛止するための釣り用掛止具において、嵩張ることがなく、釣り人の腰に装着しても邪魔とならず、保管や運搬にも省スペースとできる釣り用掛止具を提供する。
【解決手段】釣り用掛止具5は、掛止具本体10と、係止具110と、取付け具130とを有し、掛止具本体10は、本体構成部20と、回動掛止部40と、本体構成部20の正面側構成部21に設けられる内側構成部60とを有し、紐体を掛止するための回動掛止部40は、突出部30に回動自在に取り付けられ、立設した状態と正面側に突出した状態の間で回動可能となっている。また、係止具110には、曳舟の紐体に取り付けられたナス環等の係止部材を係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用掛止具に関するものであり、特に、鮎釣り用の曳舟の紐体を掛止するための釣り用掛止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鮎の友釣りにおいては、釣り上げた鮎を収納するための曳舟が用いられるが、曳舟に設けられた紐体を釣り人のベルト等に係止しておく。そして、通常は、曳舟を川に流した状態にしておくが、鮎を釣り上げた際に紐体をたぐって曳舟を手元に引き寄せておくために紐体を掛止するための掛止具として、特許文献1に記載の釣用掛止具が存在する。
【0003】
特許文献1の釣用掛止具は、略直方体状であり、紐体の外形を挟持部と挟持部の間に挟み込み長手方向の移動を係止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−112391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の釣用掛止具は、略直方体状であるので、嵩張ってしまい、釣りに際して邪魔となったり、保管や運搬にスペースを要するという問題がある。つまり、特許文献1の釣用掛止具は略直方体状であるので、特に前後方向に嵩張ってしまい、釣り人の腰に装着した際に釣りの邪魔となってしまい、保管や運搬にスペースを要してしまう。
【0006】
また、特許文献1の釣用掛止具では、スリ割溝の位置に正確に紐体を配置して係止しなければならず、係止が容易ではないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、鮎釣り用の曳舟の紐体を掛止するための釣り用掛止具において、嵩張ることがなく、釣り人の腰に装着しても邪魔とならず、保管や運搬にも省スペースとでき、紐体の掛止が容易な釣り用掛止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、紐体を掛止するための釣り用掛止具であって、略板状の主部(22、122)と、主部の一方の面側である正面側に突出して形成され、左右方向に間隔を介して互いに略平行に形成された左側突出部(32)及び右側突出部(34)とを有する主構成部(21、121)と、左側突出部と右側突出部の間に左側突出部及び右側突出部に対して回動自在に設けられ、左右方向に対して直角方向を長手方向として形成された基端部(44)と、基端部(44)の先端から基端部に対して屈曲して形成され、左右方向に対して直角方向を長手方向として形成された先端部(46)とを有し、側面視で略V字状に屈曲して形成され、基端部と先端部間に紐体を掛止するための隙間を有し、先端部の左右方向に対する直角方向の長さが基端部の左右方向に対する直角方向の長さよりも短く形成された屈曲部(42)と、を有し、屈曲部が上方に回動して、屈曲部の回動範囲の一方の端部に位置する状態である第1状態の場合に、屈曲部部が立設した状態となり、一方、屈曲部が下方に回動して、屈曲部の回動範囲の他方の端部に位置する状態である第2状態の場合に、屈曲部が正面側に突出し、先端部が基端部の上側となることを特徴とする。
【0009】
第1の構成の釣り用掛止具においては、主部の背面側の面をズボンのベルト等に取り付けて釣り用掛止具を装着する。釣り用掛止具を使用しない場合には、屈曲部を第1状態にしておき、釣り用掛止具を使用する場合には、屈曲部を第1状態から下方に回動させて第2状態として、屈曲部を正面側に突出した状態として、屈曲部の基端部と先端部の隙間に紐体を掛止して使用する。例えば、鮎の友釣りにおいて、鮎を釣り上げた際に、屈曲部を第1状態から第2状態にしておき、曳舟に設けられた紐体をたぐって曳舟を手元に引き寄せ、紐体を屈曲部に掛止させる。
【0010】
その後、紐体の屈曲部への掛止を解除する場合には、紐体を屈曲部の基端部と先端部の隙間から引き出し、屈曲部を上方に回動させて第1状態とする。
【0011】
本発明の釣り用掛止具においては、屈曲部が第1状態と第2状態の間で回動可能であり、第1状態の場合には、屈曲部が立設した状態となるので、釣り用掛止具が嵩張ることがなく、釣り人の腰に装着しても邪魔とならず、保管や運搬にも省スペースとできる。
【0012】
また、屈曲部においては、先端部が基端部よりも短く形成され、また、屈曲部が第2状態の場合に、先端部が基端部の上側となるので、屈曲部が第2状態の場合には、先端部の先端と主部の正面側の面の間には間隔が形成され、屈曲部に掛止する直前の紐体を配置するスペースを広く確保することができ、先端部の先端よりも背面側に紐体を配置した後に、紐体を正面側にスライドさせることにより係止できるので、紐体を屈曲部に掛止させるのが容易となる。
【0013】
なお、上記第1の構成を以下の構成としてもよい。すなわち、「紐体を掛止するための釣り用掛止具であって、主構成部(21、121)と、主構成部に回動自在に設けられた回動掛止部(40)と、主構成部に取り付けられた内側構成部(60)とを有し、主構成部が、内側構成部を取り付けるための開口部(K20)が設けられた略板状の主部(22、122)と、主部の一方の面側である正面側に突出して形成された突出部で、左側突出部(32)と右側突出部(34)と連結部(36)とを有し、左側突出部が右側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第1溝部で、その正面側の端部が左側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第1溝部(M1)を有するとともに、右側突出部が左側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第2溝部で、その正面側の端部が右側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第2溝部(M2)を有し、左側突出部と右側突出部とが左右方向に間隔を介して形成され、連結部が左側突出部の下端と右側突出部の下端とを連結する突出部(30)とを有し、回動掛止部は、略V字状に屈曲して形成された屈曲部で、第1軸部と第2軸部の軸線方向である左右方向に対して直角方向に伸びて形成された基端部(44)と、基端部の長手方向の一方の端部から基端部に対して屈曲して形成され左右方向に対して直角方向に伸びて形成された先端部(46)とを有し、先端部の左右方向に対する直角方向の長さが基端部の左右方向に対する直角方向の長さよりも短く形成され、基端部と先端部間の隙間に紐体を掛止する屈曲部(42)と、基端部の長手方向の他方の端部の左側面側に突出して形成され第1溝部内における正面側の端部に設けられた第1軸部(50)と、基端部の長手方向の他方の端部の右側面側に突出して形成され第2溝部内における正面側の端部に設けられ第1軸部と同軸上に形成された第2軸部(52)とを有するとともに、基端部の長手方向の他方の端部には、鉤状部の先端と係合するための突状部(44b)が形成され、内側構成部は、主部の開口部内に設けられた枠状部(62a)と、該枠状部の内側に設けられ先端が正面側に向けて設けられた鉤状部(62b)とを有する内側構成部本体(62)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第1突出部で、第1溝部内に設けられ第1軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第1突出部(68)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第2突出部で、第2溝部内に設けられ第2軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第2突出部(70)とを有し、回動掛止部が上方に回動して、突状部が鉤状部の先端と係合した第1状態の場合に、回動掛止部が立設した状態となり、一方、回動掛止部が下方に回動して、基端部の長手方向の他方の端部が連結部に当接した第2状態の場合に、回動掛止部が正面側に突出し、先端部が基端部の上側となり、回動掛止部が第1状態と第2状態の間で回動可能であることを特徴とする。
【0014】
また、第2には、上記第1の構成において、主部には、内側構成部を取り付けるための開口部(K20)が形成され、左側突出部には、右側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第1溝部で、その正面側の端部が左側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第1溝部(M1)が形成されるとともに、右側突出部には、左側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第2溝部で、その正面側の端部が右側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第2溝部(M2)が形成され、左側突出部の下端と右側突出部の下端とを連結する連結部(36)が形成され、屈曲部において、基端部の基端側の左側面側に突出して形成され第1溝部内における正面側の端部に設けられた第1軸部(50)と、基端部の基端側の右側面側に突出して形成され第2溝部内における正面側の端部に第1軸部と同軸上に設けられ第2軸部(52)とが形成され、基端部の基端側の端部には、鉤状部の先端と係合するための突状部(44b)が形成され、主部の開口部に取り付けられた内側構成部で、主部の開口部内に設けられた枠状部(62a)と、該枠状部の内側に設けられ先端が正面側に向けて設けられた鉤状部(62b)とを有する内側構成部本体(62)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第1突出部で、第1溝部内に設けられ第1軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第1突出部(68)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第2突出部で、第2溝部内に設けられ第2軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第2突出部(70)とを有し、鉤状部が左右方向において内側構成部第1突出部と内側構成部第2突出部の間の位置に設けられた内側構成部(60)が形成され、第1状態の場合に、突状部が鉤状部の先端と係合し、第2状態の場合に、基端部の基端側の端部が連結部に当接することを特徴とする。
【0015】
よって、屈曲部が第1状態の場合に、突状部が鉤状部の先端と係合した状態となるので、屈曲部を正面側に回動させるように力を加えない限り、第1状態が維持され、不用意に屈曲部が下方に回動して正面側に突出することがない。
【0016】
なお、上記第2の構成において、屈曲部における先端部の先端が外側に湾曲した形状を呈し、屈曲部が第1状態の場合に、先端部の先端が主部の開口部内に収納されることを特徴とするものとしてもよい。このようにすることにより、第1状態において、屈曲部が正面側に突出することを防止することができる。
【0017】
また、上記第2の構成において、主構成部には、主部及び左側突出部に前後方向に設けられた第1ネジ穴(H10)と、主部及び右側突出部に前後方向に設けられた第2ネジ穴(H12)と、主部における第1ネジ穴の上側に設けられた第3ネジ穴(H14)と、主部における第2ネジ穴の上側に設けられた第4ネジ穴(H16)とが設けられ、内側構成部には、内側構成部第1突出部の左側面側に突出し、第1ネジ穴に対応した開口穴(65a)が設けられた第1片部(64a)と、内側構成部第2突出部の右側面側に突出し、第2ネジ穴に対応した開口穴が設けられた第2片部(64b)とが設けられていることを特徴とするものとしてもよい。これにより、背面側からネジ部を螺着することにより、釣り用掛止具をベルト等に取り付けることができる。
【0018】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、主構成部は、主部の上下の端部から背面側に突出した側面部(24、26)を有し、一対の側面部における背面側に略板状の背面構成部(80)が、主部と間隔を介して取り付けられていることを特徴とする。これにより、主部と背面構成部間にベルトを挿通することにより、釣り用掛止具をベルトに取り付けることができる。
【0019】
また、第4には、上記第2の構成において、主構成部は、主部の左右の端部から背面側に突出した側面部(24、26)を有し、一対の側面部における背面側に略板状の背面構成部(80)が、主部と間隔を介して取り付けられていることを特徴とする。よって、主部と背面構成部間に帯状部材を挿通し、ループ状に形成することにより、該帯状部材をベルト通し部として使用して、ベルトに装着することが可能となる。
【0020】
また、第5には、上記第4の構成において、釣り用掛止具が、帯状部材により形成された取付け具(130)を有し、取付け具の一部が主部と背面構成部間に挟設され、主部と背面構成部間に挟設された部分を含む取付け具の少なくとも一部が、ループ状に形成されていることを特徴とする。よって、取付け具のループ状の部分にベルトを挿通することにより、ベルトに装着することが可能となる。
【0021】
また、第6には、上記第5の構成において、主構成部には、主部及び左側突出部に前後方向に設けられた第1ネジ穴(H10)と、主部及び右側突出部に前後方向に設けられた第2ネジ穴(H12)と、主部における第1ネジ穴の上側に設けられた第3ネジ穴(H14)と、主部における第2ネジ穴の上側に設けられた第4ネジ穴(H16)とが設けられ、内側構成部には、内側構成部第1突出部の左側面側に突出し、第1ネジ穴に対応した開口穴(65a)が設けられた第1片部(64a)と、内側構成部第2突出部の右側面側に突出し、第2ネジ穴に対応した開口穴(65b)が設けられた第2片部(64b)とが設けられ、背面構成部には、各ネジ穴に対応した開口穴(K40、K42、K44、K46)が設けられ、背面構成部における第1ネジ穴と第2ネジ穴に対応する開口穴にネジ部を挿通し、該ネジ部を取付け具に挿通し、さらに内側構成部の第1片部と第2片部に設けられた開口穴に挿通して、第1ネジ穴と第2ネジ穴に螺着し、また、背面構成部における第3ネジ穴と第4ネジ穴に対応する開口穴にネジ部を挿通し、該ネジ部を取付け具に挿通し、第3ネジ穴と第4ネジ穴に螺着することにより、背面構成部が主構成部に固定されることを特徴とする。
【0022】
よって、ネジ部を取付け具に挿通した状態で螺着するので、掛止部本体を取付け具に強固に取り付けることができ、また、第1ネジ部と第2ネジ部は、内側構成部に設けられた開口部にも挿通した状態で螺着されるので、内側構成部を正面側構成部に強固に固定でき、屈曲部に設けられた第1軸部及び第2軸部のぐらつきを防止することができる。
【0023】
また、第7には、上記第5又は第6の構成において、取付け具の下端に、ナス環又は鉄砲環からなる係止部材を係止するために環状に形成された係止具(110、110’)が取り付けられていることを特徴とする。よって、曳舟の紐体に取り付けられた係止部材を該係止具に係止して取り付けることができ、係止部材を係止させるための部材を別途設ける必要がない。
【0024】
なお、第7の構成において、主部と背面構成部間に挟設された部分とともに形成されたループ状の部分とは別にループ状に形成された部分に係止具が挿通して設けられているものとしてもよい。
【0025】
また、第7の構成において、主部と背面構成部間に挟設された部分とともに形成されたループ状の部分に係止具が挿通して設けられているものとしてもよい。
【0026】
また、第8には、上記第7の構成において、係止具が、平板状の板状部材で、取付け具を挿通するための開口部である第2開口部を有する板状部材(114)と、係止部材を係止する係止具突出部で、板状部材の両側の下端からそれぞれ板状部材の一方の面に対して突出して該両側の下端同士を架橋して形成され、板状部材との間に第3開口部を有する係止具突出部(120)と、を有し、板状部材の下端部分と係止具突出部とで環状に形成され、取付け具が第2開口部に挿通されることにより、係止具が取付け具に取り付けられていることを特徴とする。
【0027】
よって、係止部材を係止具に係止させる際には、係止具突出部が板状部材から突出して形成されているので、係止部材を一方の手で持って係止具突出部に係止させればよく、係止具を他方の手で支持しておく必要がない。特に、係止部材を係止させる際に係止具突出部を下方に押さえておくことにより、板状部材の背面側の面が板状部材の背面側の他の物の面側に押されるので、これにより、係止具が固定され、係止部材を係止しやすくすることができる。係止具を他方の手で支持しておく必要がないので、係止部材を係止させる際に両手を用いる必要がない。
【0028】
また、係止具突出部は、板状部材の一方の面に対して突出して形成されているので、釣り用係止具をズボンのベルトに装着して上側から視認した場合に、係止具の存在を識別しやすく、ナス環等の係止部材の係止を容易に行うことができる。
【0029】
なお、上記第8の構成において、係止具突出部が、板状部材に対して屈曲して形成されていることを特徴とするのが好ましく、また、係止具突出部が、U字状又は円弧状を呈することを特徴とするのが好ましい。
【0030】
また、上記第8の構成において、板状部材の下端には、板状部材の左右方向の長さよりも左右方向の長さが短く形成され、板状部材の下端から板状部材の左右の端部から間隔を介して連設された先端板部(116)が連設されていることを特徴とするのが好ましい。これにより、先端板部が板状部材の下端から下方に形成されているので、係止具突出部を下方に押しても係止具突出部が下方に回動することがなく、係止部材の掛止具突出部に対する係止が容易となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に基づく釣り用掛止具においては、屈曲部が第1状態と第2状態の間で回動可能であり、第1状態の場合には、屈曲部が立設した状態となるので、釣り用掛止具が嵩張ることがなく、釣り人の腰に装着しても邪魔とならず、保管や運搬にも省スペースとできる。
【0032】
また、屈曲部においては、先端部が基端部よりも短く形成され、また、屈曲部が第2状態の場合に、先端部が基端部の上側となるので、屈曲部が第2状態の場合には、先端部の先端と主部の正面側の面の間には間隔が形成され、屈曲部に掛止する直前の紐体を配置するスペースを広く確保することができ、先端部の先端よりも背面側に紐体を配置した後に、紐体を正面側にスライドさせることにより係止できるので、紐体を屈曲部に掛止させるのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】回動掛止部が格納状態の場合の釣り用掛止具の前方斜視図である(実施例1)。
【図2】回動掛止部が格納状態の場合の釣り用掛止具の後方斜視図である(実施例1)。
【図3】回動掛止部が使用状態の場合の釣り用掛止具の前方斜視図である(実施例1)。
【図4】掛止具本体の前方斜視図である。
【図5】掛止具本体の後方斜視図である。
【図6】掛止具本体の前方分解斜視図である。
【図7】掛止具本体の後方分解斜視図である。
【図8】図4のA−A断面図である。
【図9】図4のB−B断面図である。
【図10】釣り用掛止具の使用状態図である。
【図11】釣り用掛止具の使用状態図である。
【図12】釣り用掛止具の使用状態図である。
【図13】釣り用掛止具の他の例を示す前方斜視図である。
【図14】他の例の釣り用掛止具の後方分解斜視図である(実施例2)。
【図15】他の例の釣り用掛止具とその使用状態を示す後方斜視図である(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明においては、鮎釣り用の曳舟の紐体を掛止するための釣り用掛止具において、嵩張ることがなく、釣り人の腰に装着しても邪魔とならず、保管や運搬にも省スペースとできる釣り用掛止具を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【実施例1】
【0035】
本発明に基づく釣り用掛止具5は、図1〜図9に示されるように構成され、掛止具本体10と、係止具110と、掛止具本体10と係止具110を取り付けるための取付け具(掛止具本体10と係止具110を支持する支持具としてもよい)130とを有している。
【0036】
ここで、掛止具本体10は、本体構成部20と、本体構成部20に対して回動する回動掛止部40と、本体構成部20の正面側構成部21に取り付けられる内側構成部60とを有している。
【0037】
本体構成部(筐体部としてもよい)20は、正面側(Y1側)に設けられる正面側構成部21と、正面側構成部21の背面側(Y2側)に取り付けられる背面構成部80とを有している。
【0038】
正面側構成部(主構成部)(筐体部本体としてもよい)21は、回動掛止部40を回動可能に軸支するとともに、内側構成部60と背面構成部80とを取付け可能に形成されていて、正面部22と、正面部22の左側面側の端から背面側に連設された側面部24と、正面部22の右側面側の端部から背面側に連設された側面部26と、正面部22の正面側の面から正面側に突出して形成された突出部30とを有している。正面側構成部21は、合成樹脂により全体に一体に形成されている。
【0039】
正面部(主部)22は、略方形状(略縦長長方形状)の略板状を呈し(つまり、上下方向と左右方向に伸びた略板状を呈していて、厚み方向を向いた一対の面の一方が正面側の面となり、他方が背面側の面となっている)、上下方向の略中央から下方に向けて、略凸状の開口部K20が形成されている。つまり、開口部K20は、横長の下側開口部K22の上側に縦長の上側開口部K24が連設された形状を呈している。下側開口部K22には、突出部30の内側の空間(つまり、側面部32dの右側面側の面と、側面部34dの左側面側の面と、連結部36の上面で囲まれる空間)が連設され、また、上側開口部K24には、回動掛止部40を上方に回動して格納状態(第1状態)(閉状態としてもよい)にある場合に、図8に示すように、回動掛止部40の先端部46の湾曲した先端が配置される。これにより、回動掛止部40の格納状態において、回動掛止部40が正面側に突出することを防止することができる。なお、上側開口部K24の内側の左側面側には、内側構成部60の突出部67aが嵌合するための凹部23aが形成され、上側開口部K24の内側の右側面側には、内側構成部60の突出部67bが嵌合するための凹部23bが形成されている。
【0040】
正面部22の背面側の面には、下側開口部K22の周囲に、内側構成部60における片部64を配置するための凹部K10が形成されている。この凹部K10が形成されていることにより、内側構成部60を正面側構成部21に取り付けた際に、片部64の背面側の面が正面部22の背面と面一となる(つまり、同一平面を形成する)。この凹部K10の外形は、片部64の外形に合わせて形成され、下端の外形は、左右方向(X1−X2方向)の直線状に形成され、左右の端部の外形は、三角形状に形成され、上端の外形は、該三角形状の上端から連設され、左右方向の直線とその内側に連設された鉤形状からなる形状となっている。
【0041】
また、左右の凹部K10には、前後方向に形成されたネジ穴(第1ネジ穴)H10とネジ穴(第2ネジ穴)H12が形成され、ネジ穴H10は左側突出部32にまで連設され、ネジ穴H12は右側突出部34にまで連設されている。
【0042】
また、正面部22の背面側の面の上側領域には、ネジ穴K10の上側に形成されたネジ穴(第3ネジ穴)H14と、ネジ穴K12の上側に形成されたネジ穴(第4ネジ穴)H16が形成され、正面部22の正面側におけるネジ穴H14に対応する位置には、略円柱状の突状部22aが形成され、ネジ穴H14は突状部22aにまで連設され、また、正面部22の正面側におけるネジ穴H16に対応する位置には、略円柱状の突状部22bが形成され、ネジ穴H16は突状部22bにまで連設されている。
【0043】
なお、掛止具本体10の組立て状態では、正面部22は、背面構成部80とは略平行に間隔を介して対向して設けられる。
【0044】
また、側面部24は、正面部22の左側面側の端部から背面側に突出して略板状に形成され、上下方向には正面部22の上下方向の長さと略同一の長さを有している。側面部24の背面側の内側には、背面構成部80の左側面側の縁部が嵌合するための切欠部24aが側面部24の上端から下端に上下方向に形成され、これにより、側面部24の背面が段状に形成され、さらに、側面部24の背面側の端部(切欠部24aよりも外側の部分)における上下方向の略中央には、該切欠部24aから連設された縦長の切欠部24bが形成され、この切欠部24bには、背面構成部80の左側面側の突状部84が嵌合する。
【0045】
また、側面部26は、正面部22の右側面側の端部から背面側に突出して略板状に形成され、上下方向には正面部22の上下方向の長さと略同一の長さを有している。側面部26の背面側の内側には、背面構成部80の右側面側の縁部が嵌合するための切欠部26aが側面部26の上端から下端に上下方向に形成され、これにより、側面部26の背面が段状に形成され、さらに、側面部26の背面側の端部(切欠部26aよりも外側の部分)における上下方向の略中央には、該切欠部26aから連設された縦長の切欠部26bが形成され、この切欠部26bには、背面構成部80の右側面側の突状部86が嵌合する。
【0046】
また、突出部30は、正面部22の下側領域から正面側に突出して形成され、回動掛止部40を回動可能に支持するために軸部50、52を収納するとともに、内側構成部60(特に、内側構成部60の正面側の部分)を収納する空間を内側に有している。
【0047】
すなわち、突出部30は、突出部30の左側を構成する左側突出部32と、突出部30の右側を構成する右側突出部34と、左側突出部32の下面部32cと右側突出部34の下面部34c(図7参照)とを連結する連結部36とを有している。左側突出部32と右側突出部34とは、左右方向に間隔を介して互いに略平行(平行としてもよい)に形成されている。
【0048】
左側突出部32は、正面側に突出した略四角柱状の内側(右側面側)に溝部(第1溝部)M1を形成した形状を呈している。つまり、左側突出部32の正面側は、上下方向の円弧状の周面を有するとともに左側面側が斜めに面取りされた形状を呈し、溝部M1は、左側面側が上下方向及び前後方向の平面をなし、上面が背面側から正面側に向けて下方に傾斜する平面をなし、下面が背面側から正面側に向けて上方に傾斜する平面をなし、正面側が円弧状の周面(円柱形状の周面の一部)をなしている。これにより、溝部M1は、正面側に行くほど上下方向の幅が狭くなるテーパ状を呈している。また、溝部M1の正面側の端部は左側突出部32の正面側の端部よりも背面側にあり、溝部M1の正面側の端部は、左側突出部32の正面側の端部にまで達してはいない。
【0049】
左側突出部32をより具体的に説明すると、左側突出部32は、正面部22から連設された略板状の上面部32aと、正面部22から連設され上面部32aの下方に上面部32aと間隔を介して設けられた略板状の下面部32cと、上面部32aの正面側の端部と下面部32cの正面側の端部間に連設され、略円弧状に湾曲した板状を呈し外側が斜めに面取りされた先端部32bと、上面部32aの下面と先端部32bの背面及び左側面と下面部32cの上面とに連設され、上面部32aと先端部32bと下面部32cとで囲まれた空間の左側面側に設けられ、左側突出部32の左側面側を塞いだ状態の側面部32dとを有している。ここで、上面部32aと下面部32cとは、上面部32aと下面部32c間の間隔が正面側にいくほど狭くなるようにテーパ状を呈し、これにより、左側突出部32の内側に設けられた空間は、正面側に行くほど上下方向の幅が狭くなるテーパ状を呈し、該空間の先端は、側面視で円弧状となっている。左側突出部32の内側に設けられた空間の正面側に軸部50が支持され、さらに、左側突出部32の内側に設けられた空間の背面側には、内側構成部60の突出部68が配置される。また、側面部32dの右側面側の面、つまり、左側突出部32の内側に設けられた空間の左側面側の面は、鉛直方向をなし、かつ、前後方向に伸びていて、正面部22の下側開口部K22の左側面側の面から面一に連設されている。
【0050】
また、右側突出部34は、左側突出部32と左右対称に形成されている。すなわち、正面側に突出した略四角柱状の内側(左側面側)に溝部(第2溝部)M2を形成した形状を呈している。つまり、右側突出部34の正面側は、上下方向の円弧状の周面を有するとともに右側面側が斜めに面取りされた形状を呈し、溝部M2は、右側面側が上下方向及び前後方向の平面をなし、上面が背面側から正面側に向けて下方に傾斜する平面をなし、下面が背面側から正面側に向けて上方に傾斜する平面をなし、正面側が円弧状の周面(円柱形状の周面の一部)をなしている。これにより、溝部M2は、正面側に行くほど上下方向の幅が狭くなるテーパ状を呈している。また、溝部M2の正面側の端部は右側突出部34の正面側の端部よりも背面側にあり、溝部M2の正面側の端部は、右側突出部34の正面側の端部にまで達してはいない。溝部M1と溝部M2とは、互いに平行(略平行としてもよい)に形成されている。
【0051】
右側突出部34をより具体的に説明すると、右側突出部34は、正面部22から連設された略板状の上面部34aと、正面部22から連設され上面部34aの下方に上面部34aと間隔を介して設けられた略板状の下面部34cと、上面部34aの正面側の端部と下面部34cの正面側の端部間に連設され、略円弧状に湾曲した板状を呈し外側が斜めに面取りされた先端部34bと、上面部34aの下面と先端部34bの背面及び右側面と下面部34cの上面とに連設され、上面部34aと先端部34bと下面部34cとで囲まれた空間の右側面側に設けられ、右側突出部34の右側面側を塞いだ状態の側面部34dとを有している。ここで、上面部34aと下面部34cとは、上面部34aと下面部34c間の間隔が正面側にいくほど狭くなるようにテーパ状を呈し、これにより、右側突出部34の内側に設けられた空間は、正面側に行くほど上下方向の幅が狭くなるテーパ状を呈し、該空間の先端は、側面視で円弧状となっている。右側突出部34の内側に設けられた空間の正面側に軸部52が支持され、さらに、右側突出部34の内側に設けられた空間の背面側には、内側構成部60の突出部70が配置される。また、側面部34dの左側面側の面、つまり、右側突出部34の内側に設けられた空間の右側面側の面は、鉛直方向をなし、かつ、前後方向に伸びていて、正面部22の下側開口部K22の左側面側の面から面一に連設されている。
【0052】
また、連結部36は、左側突出部32と右側突出部34間を連結して設けられ、正面部22の下端から正面側に連設して設けられている。この連結部36は略板状を呈し、前後方向の長さは、下面部32cや下面部34cの前後方向の長さよりも短く形成され、突出部30の下端の中央には、略四角形状の切欠きK26が形成され、突出部30を底面側から視認すると、凹状に形成されている。これにより、正面側に回動した状態の回動掛止部40の基端部44の基端部分が切欠きK26に入り込む状態となる。
【0053】
また、回動掛止部40は、略V字状に屈曲した略板状を呈している。つまり、回動掛止部40は、側面視で略V字状に屈曲した略板状を呈する屈曲部42と、屈曲部42の基端部44の基端部分の左側面側に設けられた軸部(第1軸部)50と右側面側に設けられた軸部(第2軸部)52とを有している。回動掛止部40は、合成樹脂により全体に一体に形成されている。
【0054】
ここで、屈曲部42は、基端部44と、基端部44の先端から連設され基端部44に対して鋭角をなす先端部46と、基端部44と外側の面から先端部46の外側の面にかけて形成された補強部47とを有している。
【0055】
基端部44は、回動掛止部40の回動軸線の方向(軸部50、52の軸線方向)である左右方向に対して直角方向を長手方向として伸びて形成され、略板状を呈し、左右方向の幅は同一(略同一としてもよい)に形成され、基端側から先端側に向けて厚みが薄く形成されている。基端部44の先端部46と対向した面には、凹凸部44aが形成され、凹凸部44aは、左右方向に形成された突状部が基端部44の長手方向に複数形成することにより形成されている。また、基端部44の凹凸部44aが形成された面の基端側には、左右方向に伸びた棒状の突状部44bが形成され、この突状部44bは、回動掛止部40を上方に回動して格納状態にある場合に、内側構成部60の鉤状部62bに係合して、回動掛止部40を正面側に回動させるように力を加えない限り、格納状態を維持できるようになっている。
【0056】
また、先端部46は、略板状を呈し、基端部44に対して鋭角の角度に形成され、基端部44との間に略V字状の溝部M3が形成されている。この溝部M3が、紐体を掛止するための隙間となる。つまり、先端部46と基端部44とは、先端部46の内側の面と基端部44の内側の面との間隔(つまり、溝部M3の幅)が基端部44の先端側にいくほど狭くなるように、側面視でテーパ状を呈している。なお、先端部46の先端は、曳舟の紐体を掛止しやすいように、外側に湾曲した形状となっている。先端部46は、左右方向に対して直角方向を長手方向として伸びて形成され、先端部46の長手方向の長さは、基端部44の長手方向の長さよりも短く形成されている。
【0057】
また、補強部47は、左右方向に同一(略同一としてもよい)の幅を有するフランジ状を呈し、基端部44の外側の面と先端部46の外側の面とから突出して形成されている。
【0058】
なお、屈曲部42の左右方向の幅(つまり、基端部44の左右方向の幅と先端部46の左右方向の幅)は、回動掛止部40を左側突出部32と右側突出部34間に設けることができるように、左側突出部32と右側突出部34間の左右方向の距離以下(好ましくは該距離未満)に形成されている。
【0059】
また、軸部50、52は、円柱状(略円柱状としてもよい)に形成され、軸部50の軸線と軸部52の軸線は一致している。これにより、軸部50は、左側突出部32の内側に設けられた空間である溝部M1の正面側の端部に回転可能に設けられ、軸部52は、右側突出部34の内側に設けられた空間である溝部M2の正面側の端部に回転可能に設けられる。これにより、基端部44は、その基端側の端部が左側突出部32と右側突出部34の間の位置に設けられ、左側突出部32及び右側突出部34に対して回動自在に設けられ、よって、回動掛止部40は、突出部30に回動自在に支持される。
【0060】
なお、回動掛止部40が格納状態の場合には、回動掛止部40の長手方向は上下方向に立設した状態(つまり、立った状態)となり(特に、基端部44(つまり、基端部44の長手方向)が略上下方向(丁度上下方向としてもよい)に立設した状態となる)、前後に突出しない状態となる。また、回動掛止部40が下方に回動して、正面側に突出した状態になると、基端部44の背面が突出部30の連結部36に当接して、下方への回動が停止され、図3、図12に示すように、回動掛止部40が水平よりもやや斜め下方の状態となる。つまり、回動掛止部40の使用状態(第2状態)(開状態としてもよい)では、図3、図12に示すように、回動掛止部40が正面側に突出した状態となり、先端部46が基端部44の上側となる。
【0061】
回動掛止部40においては、先端部46が基端部44よりも短く形成され、また、回動掛止部40が突出部30の先端側に回動可能に設けられ、回動掛止部40の使用状態の場合に、先端部46が基端部44の上側となるので、図3に示すように、回動掛止部40の使用状態の場合には、先端部46の先端と正面部22の正面側の面の間には間隔Wが形成される。よって、回動掛止部40が使用状態の場合に、回動掛止部に掛止する直前の紐体を配置するスペースを広く確保することができ、紐体を該スペース(つまり、先端部46の先端よりも背面側の位置、特に、基端部44の上面)に配置した後に、紐体を前方にスライドさせることにより紐体を回動掛止部40に掛止できるので、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。
【0062】
また、基端部44の基端側部分42−1の凹凸部44aが形成された側の面は、回動掛止部40が使用状態において、突出部30における基端側部分42−1の両側の部分の上面と連続した形状に形成されているので、回動掛止部40が使用状態の場合に、紐体を突出部30の上面に配置した後に、紐体を前方にスライドさせることにより容易に回動掛止部40に掛止させることができ、紐体と回動掛止部40とを目視していなくても、掛止することができる。
【0063】
また、内側構成部(内蓋部としてもよい)60は、正面側構成部21における下側開口部K22と凹部K10の位置に取り付けられるものであり、内側構成部本体62と、内側構成部本体62の片部64から正面側に突出して形成された突出部68、70とを有している。内側構成部60は、合成樹脂により全体に一体に形成されている。
【0064】
ここで、内側構成部本体62は、四角枠状の枠状部62aと、枠状部62aの上端部62a−1から下方に設けられた鉤状部62bと、枠状部62aの左右両側及び底面側に突出して形成された片部64とを有している。
【0065】
すなわち、枠状部62aは、左右方向に設けられた四角柱状の上端部62a−1と、上端部62a−1の左側面側の端部から下方に形成された四角柱状の左端部62a−2と、上端部62a−1の右側面側の端部から下方に形成された四角柱状の右端部62a−3と、左端部62a−2の下端と右端部62a−3の下端をつなぐ四角柱状の下端部62a−4とを有している。なお、枠状部62aの外側面の正面側は、開口部K20(特に、開口部K24)に強固に嵌合するように外側(つまり、左側面側と右側面側)に突出して形成された突出部67a、67bが設けられている。
【0066】
また、鉤状部62bは、平板状部材を鉤状に折曲した形状を呈し、上端部62a−1から連設され、上下方向に形成された第1板状部62b−1と、第1板状部62b−1の下端から正面側に突出して形成された第2板状部62b−2とを有している。第1板状部62b−1の正面側の面は、枠状部62aの正面側の面と面一となっている。鉤状部62bは、左右方向において、突出部68と突出部70の間の位置に設けられている。
【0067】
また、片部64は、枠状部62aの周囲から突出した平板状を呈し、枠状部62aの左端から連設され略三角形状を呈する左側片部(第1片部)64aと、枠状部62aの右端から連設され略三角形状を呈する右側片部(第2片部)64bと、左側片部64aの内側の下端と右側片部64bの内側の下端の間に設けられ、枠状部62aの下端から連設された下側片部64cとを有している。この片部64の外形は、片部64を正面側構成部21の正面部22の背面に形成された凹部K10内に配置できるように、凹部K10と略同一に形成されている。なお、左側片部64aには、開口部(開口穴)65aが設けられ、開口部65aは、ネジ穴H10と対応する位置に形成されている。また、右側片部64bには、開口部(開口穴)65bが設けられ、開口部65bは、ネジ穴H12と対応する位置に形成されている。
【0068】
また、突出部68は、左側片部64aの正面側の面から正面側に突出して形成され、正面側にいくほど幅狭となる略台形形状の板状を呈している。突出部68の右側面側の面は枠状部62aの左側面側の面と接している。突出部70は、右側片部64bの正面側の面から正面側に突出して形成され、正面側にいくほど幅狭となる略台形形状の板状を呈しており、突出部68と左右対称に形成されている。突出部70の左側面側の面は枠状部62aの右側面側の面と接している。突出部68と突出部70とは、左右方向に間隔を介して互いに平行(略平行としてもよい)に形成されている。
【0069】
突出部68、70は、正面部22の下側開口部K22を挿通して、突出部30の内側の空間に配設され、軸部50、52が前後方向に移動するのを防止している。つまり、突出部68は、溝部M1(左側突出部32の内側の空間)内に嵌合し、軸部50が前後方向に移動するのを規制(防止としてもよい)し、突出部70は、溝部M2(右側突出部34の内側の空間)内に嵌合して、軸部52が前後方向に移動するのを規制(防止としてもよい)している。突出部68を溝部M1に嵌合した状態では、溝部M1における突出部68の先端よりも正面側には、軸部50を配置するための空間が形成され、また、突出部70を溝部M2に嵌合した状態では、溝部M2における突出部70の先端よりも正面側には、軸部52を配置するための空間が形成される。
【0070】
また、背面構成部(外蓋部としてもよい)80は、正面部22と対向して設けられ、略方形状(略縦長長方形状)の略板状(具体的には、略平板状)を呈し、背面構成部80の左側面側の辺部には正面側に上下方向に切欠部80aが形成され、背面構成部80の背面側には、左側面側に突出した突出部82aが形成されている。この突出部82aは、側面部24の切欠部24aに嵌合する。また、突出部82aからは左側面側に略台形形状の突状部84が突出して形成されている。この突状部84は、切欠部24bに嵌合する。
【0071】
また、背面構成部80の右側面側の辺部には正面側に上下方向に切欠部80bが形成され、背面構成部80の背面側には、右側面側に突出した突出部82bが形成されている。この突出部82bは、側面部26の切欠部26aに嵌合する。また、突出部82bからは右側面側に略台形形状の突状部86が突出して形成されている。この突状部86は、切欠部26bに嵌合する。
【0072】
また、背面構成部80の4箇所には、円形の外形を有する凹部と該凹部の位置に設けられた開口部が形成されている。つまり、ネジ穴H10に対応する位置には、凹部K30と開口部(開口穴)K40が形成され、ネジ穴H12に対応する位置には、凹部K32と開口部(開口穴)K42が形成され、ネジ穴H14に対応する位置には、凹部K34と開口部(開口穴)K44が形成され、ネジ穴H16に対応する位置には、凹部K36と開口部(開口穴)K46が形成されている。
【0073】
つまり、背面構成部80を正面側構成部21の背面側に配置した状態で、背面構成部80に設けられた各開口部にネジ部90を挿通して、正面部22に設けられた各ネジ穴に螺着することにより、背面構成部80が正面側構成部21に固定される。ネジ部90は、工具が嵌合するための溝部を設けた頭部90aと、頭部から連設され、周面に沿って螺旋状の溝が形成された軸部(ネジ部本体)90bを有している。
【0074】
背面構成部80を正面側構成部21に取り付けた状態では、正面部22と側面部24と側面部26と背面構成部80により筒状に形成され、上下方向に挿通穴が形成される。
【0075】
また、係止具110は、板状部112と、板状部112に対して屈曲して形成された突出部(係止具突出部)(環状構成部、架橋部としてもよい)120とを有し、全体に一体に形成されている。係止具110は、金属製であり、具体的には、ステンレスにより形成されている。
【0076】
板状部112は、略逆凸状(略T字状としてもよい)の外形を有する平板状を呈し、上側の領域に取付け具130を挿通するための横長(左右方向(X1−X2方向)に横長)の開口部(第2開口部)114aが形成されている。すなわち、板状部112は、略方形状の平板状を呈する板状部本体(板状部材)114と、板状部本体114の下端から下方に連設された先端部(先端板部)116とを有している。板状部112の正面側の面と背面側の面とは、平面状に形成されている。
【0077】
すなわち、板状部本体114は、横長(左右方向に横長)の略長方形状を呈し、具体的には、板状部本体114の上辺と下辺とが直線状で互いに平行に形成され、一対の側辺は、外側に膨出した円弧状を呈している。また、板状部本体114の上側の領域には、横長の長穴状の開口部114aが一方の面(例えば、正面側(Y1側)の面)から他方の面(例えば、背面側(Y2側)の面)に貫通して設けられている。
【0078】
また、先端部116は、略方形状の平板状を呈し、具体的には、方形状(横長長方形状)の下端の2つの角部にアールが形成された形状を呈している。この先端部116の横幅h1は、突出部120の基端部(板状部112との接続部分)の内径h2(つまり、突出部120の背面側の端部における内径)よりも小さく形成され、先端部116における左右両側の端部と突出部120との間には、左右方向において間隔J1、J2が設けられている。つまり、先端部116は、板状部本体114の左右方向の長さよりも左右方向の長さが短く形成され、板状部本体114の下端から板状部本体114の左右の端部から間隔を介して連設されている。なお、先端部116における左右両側の端部と突出部120との間に左右方向において間隔が設けられない構成としてもよい。この先端部116は、突出部120の上下方向の位置よりも下方に突出して形成されている。
【0079】
また、突出部120は、U字状の棒状を呈し、上面と下面とが平面状に形成されている。つまり、上面と下面とが平面状に形成された平板棒状の部材をU字状に形成した形状を呈している。突出部120の上面は同一平面上に形成され、突出部120の下面は同一平面上に形成されている。突出部120における一対の端部は、板状部本体114の両側の下端と連設されており、板状部本体114における左側面側の端部と突出部120の左側面側の端部(背面側の一方の端部でもある)間には、連続面が形成され、板状部本体114における右側面側の端部と突出部120の右側面側の端部(背面側の他方の端部でもある)間には、連続面が形成されている。
【0080】
なお、突出部120は、板状部112(特に、板状部本体114)に対して屈曲して形成され、具体的には、板状部112の正面側の面に対して突出して形成され、例えば、突出部120の上面と板状部112の正面側の面とがなす角度α(図11参照)は、100〜110度(好適には105度)となっている。なお、角度αは、略直角としてもよい。
【0081】
この突出部120と突出部120が連設された板状部本体114(特に、板状部本体114の下端部分)とによって、環状に形成され、内側に開口部(第3開口部)Kが形成されている。なお、この突出部120と突出部120が連設された板状部本体114の下端部分とによって略D形の環状部が形成される。つまり、突出部120は、板状部本体114の下端で先端部116が連設されていない両側の下端(つまり、板状部本体114の下端で、先端部116よりも右側面側の下端部分と先端部116よりも左側面側の下端部分)からそれぞれ板状部の一方の面(つまり、正面側の面)に対して突出して該両側の下端同士を架橋して形成され、板状部本体とともに環状を構成し、板状部本体114との間に開口部Kを有している。なお、板状部112(特に、板状部本体114)における左右方向に間隔を介した位置からそれぞれ突出し、板状部112から間隔を介した位置で連設することにより、板状部112とともに環状を構成する構成ともいえる。また、板状部112(特に、板状部本体114)の面のある位置(第1位置)から突出するとともに、板状部112のその面における第1位置から左右方向に間隔を介した位置(第2位置)において板状部112と連設することにより、板状部112とともに環状を構成するともいえる。
【0082】
なお、係止具110の製造に関しては、平板状の金属を突出部120が板状部112と同一平面状となっている形態に打ち抜き、その後、突出部120を板状部112に対して折曲した状態とすることにより形成することができる。
【0083】
また、取付け具130は、帯状の布製部材をループ状に形成したものであり、具体的には、帯状の布製部材を8の字状のループ状に形成したものであり、第1背面部130aと第1背面部130aから連設された正面部130bと正面部130bから連設された第2背面部130cとを有している。
【0084】
つまり、帯状の布製部材の一方の端部を上方に向けた状態で該一方の端部から下方の位置で正面側、かつ、上方に折り返し(この折り返し位置が下端の折り返し位置(係止具本体側の折り返し位置)となる)、さらに、上端位置で背面側、かつ、下方に折り返して(この折り返し位置が上端の折り返し位置となる)、帯状の布製部材の他方の端部領域を一方の端部領域の背面側の面と重なるようにして、帯状の布製部材の一方の端部と他方の端部とが重なった箇所で、第1背面部130aと正面部130bと第2背面部130cとを直線上に縫い付けて縫製部132を形成することにより構成したものである。布製部材の一方の端部から下端の折り返し位置までの部分が第1背面部130aとなり、布製部材の下端の折り返し位置から上端の折り返し位置までの正面側の部分が正面部130bとなり、上端の折り返し位置から布製部材の他方の端部までの部分が第2背面部130cとなる。縫製部132の位置では、正面部130bと第1背面部130aと第2背面部130cとは積層した状態となっていて、正面部130bの背面側の面に第1背面部130aが重なり、第1背面部130aの背面側の面に第2背面部130cが重なっている。
【0085】
掛止具本体10は、取付け具130の正面部130bに取り付けられている。すなわち、本体構成部20の正面側構成部21と背面構成部80の間に正面部130bを挿通した状態で、ネジ部90を螺着することにより、掛止具本体10が取付け具130に固定される。つまり、正面部130bの一部は、正面部22と背面構成部80間に挟設された状態となっている。掛止具本体が取付け具130に取り付けられた状態では、正面部130bには、ネジ部90による穴が形成され、正面部130bにネジ部90が挿通した状態となる。
【0086】
また、取付け具130の下端部分が係止具110の開口部114aに挿通された状態となっていて、これにより、係止具110が取付け具130に吊り下げられた状態となっている。つまり、布製部材の下端の折り返し位置が係止具本体10の開口部114aに挿通されている。つまり、取付け具130の第1背面部130aと正面部130bにおける縫製部132よりも下側の部分がループ状(筒状)に形成され、該ループ状の部分であるループ状部130−2(第2ループ状部)に板状部本体114の上端部分が挿通され、該ループ状部130−2が、係止具110を吊り下げた状態で支持する部分となっている。
【0087】
また、正面部130bと第2背面部130cにおける縫製部132よりも上側の部分(すなわち、正面部22と背面構成部80間に挟設された部分を含む取付け具130の少なくとも一部)はループ状(筒状)に形成されていて、このループ状に形成された部分であるループ状部130−1(第1ループ状部)がベルト通し部134となる。つまり、取付け具130は、ループ状部130−1とループ状部130−2の2つのループ状部を有している。
【0088】
つまり、取付け具130は、開口部114aに挿通されることにより係止具110に取り付けられ、取付け具130の少なくとも一部が筒状に形成され、これにより、ベルト通し部134が形成されている。
【0089】
縫製部132は、布製部材の下端の折り返し位置と略平行に形成されており、下端の折り返し位置に近い側に形成されている。これにより、ベルト通し部134を大きく形成することができる。
【0090】
取付け具130は、2つのループ状部分を持つ8の字ループ状であるとして説明したが、帯状の布製部材の両側の端部を単に縫製して、1つのループ状とし、布製部材の一部を正面部22と背面構成部80間に挟設して、掛止具本体10を取付け具130に取り付け、該布製部材を係止具110の開口部114aに挿通して、係止具110を取付け具130に取り付けるようにしてもよい。
【0091】
釣り用係止具5は、左右対称に形成され、係止具本体10と取付け具130とはそれぞれ左右対称に形成されている。
【0092】
なお、図1、図2、図4、図5、図8、図9、図10、図11、図13は、回動掛止部40が格納状態の場合を示し、図3、図12は、回動掛止部40が使用状態の場合を示している。
【0093】
釣り用掛止具5を組み立てるには、軸部50、52側を背面側として回転掛止部40を横向きにして、回転掛止部40を正面側構成部21の背面側から開口部K20(特に、下側開口部K22)に挿通し、突出部30内の空間の正面側の端部に軸部50、52を配置する。つまり、軸部50を左側突出部32の溝部M1の正面側の端部に配置し、軸部52を右側突出部34の溝部M2の正面側の端部に配置する。これにより回転掛止部40の先端側(基端部44と先端部46とが連設されている側)を突出部30から突出した状態とする。つまり、回動掛止部40を突出部30に回動自在に取り付ける。その後、内側構成部60を突出部68、70側を正面側として正面側構成部21の背面側から下側開口部K22に挿通し、突出部68を溝部M1に嵌合させるとともに、突出部70を溝部M2に嵌合させる。これにより、回動掛止部40の軸部50は、突出部68により前後方向の移動が規制され、軸部52は、突出部70により前後方向の移動が規制される。つまり、軸部50は、溝部M1の正面側の端部位置で回転可能に配置され、軸部52は、溝部M2の正面側の端部位置で回転可能に配置される。
【0094】
その後、布製部材に掛止具本体10を取り付ける。つまり、布製部材を正面側構成部21(回転掛止部40と内側構成部60を取り付けた状態の正面側構成部21)の正面部22の背面側に配置し、背面構成部80を正面側構成部21の背面側に布製部材をカバーするように配置し、その後、ネジ部90を開口部K40〜K46に挿通するとともにネジ穴H10〜H16に螺着する。その際、4つのネジ部を取付け具130に挿通した状態で螺着するので、掛止部本体10を取付け具130に強固に取り付けることができ、また、開口部K40と開口部K42に対応したネジ部は、内側構成部60に設けられた開口部65a、65bにも挿通した状態で螺着されるので、内側構成部60を正面側構成部21に強固に固定でき、回動掛止部40の軸部50、52のぐらつきを防止することができる。
【0095】
布製部材に掛止具本体10を取り付けたら、布製部材を係止具110の開口部114aに通した状態で、布製部材の一方の端部領域と他方の端部領域とを重ねた状態で縫製を行う。
【0096】
上記構成の釣り用係止具5の使用状態について説明する。釣り用掛止具5を使用する際には、取付け具130のベルト通し部134にベルト(主として、ズボンのベルト)を通して釣りを行う使用者に装着する。釣り用係止具5の装着位置としては、使用者の腰の辺りとするのが好ましい。図10、図11は、ズボンのベルト150を取付け具130に挿通して装着した状態を示している。
【0097】
鮎の釣り場において、曳舟160に設けられた紐体170に取り付けられたナス環180を係止具110に係止する。つまり、ナス環180を係止具110の突出部120に係止させる。なお、回動掛止部40は、図10、図11に示すように、上方に回動して格納された状態としておく。回動掛止部40が格納状態にある場合には、突状部44bは内側構成部60の鉤状部62bに係合して、回動掛止部40を正面側に回動させるように力を加えない限り、格納状態が維持され、不用意に回動掛止部40が下方に回動して正面側に突出することがない。
【0098】
ナス環180を突出部120に係止させるに際しては、係止具110においては、突出部120が板状部112の正面側の面に対して突出して形成されていて、釣り用掛止具5をベルト150に装着した状態では、突出部120が側方に突出した状態となっているので、ナス環180の留め具184をナス環本体182に対して開いた状態として(つまり、留め具184を内側に押さえることにより開いた状態となる)ナス環本体182を突出部120に係止させ、留め具184をナス環本体182に対して開けた状態を解除する(留め具184を押さえていた指を離すことにより解除される)ことにより留め具184をナス環本体182に対して閉じた状態としてナス環180を係止具110(特に、突出部120)に係止させる。
【0099】
なお、ナス環本体182を突出部120に係止させる際に、突出部120の先端側を下方に押しても、板状部112に先端部116が設けられているので、突出部120が下方に回動することがなく、ナス環本体182を突出部120に係止させる操作が容易である。つまり、先端部116が突出部120の上下方向の位置よりも下方に突出して形成されているので、突出部120を下方に押しても、先端部116の背面側の面が他の物(この場合には、使用者の腰の部分(図11では、Pの辺りが腰の辺りとなる))に接することにより突出部120が下方には回動しない。
【0100】
また、突出部120を下方に押さえておくことにより、先端部116の背面側の面が該他の物の面側に押されるので、これにより、係止具110が固定され、ナス環180を係止しやすくすることができる。
【0101】
留め具184を内側に押さえた状態でナス環本体182を突出部120に係止させ、留め具184を押さえていた指を離して留め具184をナス環本体182に対して開けた状態を解除する操作は、片手で行うことができるので、両手を用いることなくナス環180を係止具110に係止させることができる。なお、突出部120を下方に押さえる操作も、ナス環180を係止させる直前に行えばよく、ナス環180を持った手で行なうことができる。
【0102】
次に、ナス環180を係止具110に取り付けた状態で、曳舟を川に流した状態で鮎の友釣りを行ない、鮎を釣り上げた際には、回動掛止部40を正面側構成部21に対して下方に回動させて、回動掛止部40を前方に突出した使用状態とし、その後、紐体170をたぐって曳舟160を手元に引き寄せる。
【0103】
回動掛止部40を格納状態から使用状態にする際には、突状部44bが内側構成部60の鉤状部62bに係合しているが、回動掛止部40を正面側に回動させることにより、係合状態が解除される。なお、回動掛止部40を下方に回動させる操作は、紐体170をたぐった後に行っておいてもよい。
【0104】
紐体170をたぐり寄せたら、図12に示すように、紐体170の途中位置を回動掛止部40に掛止させる。つまり、回動掛止部40の溝部M3の開口側(先端部46の先端側)から紐体170を溝部M3に挿入して回動掛止部40に掛止させる。紐体170を掛止させる際には、紐体170の方向は、回動掛止部40の回動軸(軸部50、52の軸線)と略平行にしておく。なお、溝部M3は、回動掛止部40の先端側にいくほど狭くなるテーパ状を呈しているので、紐体170の径に応じて回動掛止部40の長手方向の所定の位置で固定される。
【0105】
そして、釣り上げた鮎を曳舟160に投入したら、紐体170の回動掛止部40への掛止を解除し(つまり、紐体170を回動掛止部40の基端側にスライドさせて回動掛止部40から取り外す)、再び、曳舟160を川に流した状態とする。回動掛止部40は、次に紐体170を掛止するまでは使用しないので、回動掛止部40を上方に回動させて格納状態にしておくことが好ましい。
【0106】
上記構成の釣り用掛止具5によれば、掛止具本体10に回動掛止部40が設けられているので、鮎の友釣りに際して釣り上げた鮎を曳舟160に投入する際に、紐体170をたぐって掛止しておくことができるので、曳舟160への投入を容易とすることができる。
【0107】
また、紐体170を掛止する回動掛止部40は、上記のように格納状態と使用状態との間を回動するので、回動掛止部40を使用しない場合には、回動掛止部40の長手方向を上下方向にして前後方向に突出しないので、釣り用掛止具5が嵩張らず、釣り用掛止具5を釣り人の腰に装着しても釣り用掛止具5(特に、回動掛止部40)が邪魔になることがなく、保管や運搬にも省スペースとすることができる。
【0108】
また、回動掛止部40においては、先端部46が基端部44よりも短く形成され、また、回動掛止部40が突出部30の先端側に回動可能に設けられ、回動掛止部40の使用状態の場合に、先端部46が基端部44の上側となるので、図3に示すように、回動掛止部40の使用状態の場合には、先端部46の先端と正面部22の正面側の面の間には、間隔Wが形成され、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。また、回動掛止部40が使用状態において、突出部30の上面と基端部44の基端側の上面は連続して形成されているので、これによっても、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。すなわち、特許文献1の釣用掛止具では、スリ割溝の位置に正確に紐体を配置して係止しなければならないが、本実施例の釣り用掛止具5においては、突出部30の上面に紐体を配置し、その後、前方に紐体をスライドさせることにより回動掛止部40に掛止する。
【0109】
また、釣り用掛止具5には係止具110が設けられているので、曳舟に設けられた係止部材(ナス環、鉄砲環等)を係止させるための部材を別途設ける必要がない。
【0110】
また、係止具110は、上記のように構成されているので、ナス環等の係止部材を係止させる際に係止させる部分(つまり、突出部120)を一方の手で持ち上げる必要がなく、ナス環等の係止部材を片手で係止させることができ、両手を用いることなくナス環180を係止具110に係止させることができる。特に、突出部120は板状部112に対して屈曲して形成されており、100〜110度に形成されているので、突出部120の上下に十分な空間を確保することができ、係止部材を容易に係止することができる。また、突出部120が略U字状に形成されているので、危険となることがない。つまり、突出部120が略U字状ではなく角張った形状の場合には、手や腕が負傷するという危険が生じる可能性があるが、そのようなおそれがない。
【0111】
また、ベルト150を取付け具130のベルト通し部134に通して釣り用係止具5を装着した状態(つまり、垂下してぶら下げた状態)では、突出部120が側方に突出した状態となっているので、上側から視認した場合に、係止具110の存在を識別しやすく、ナス環等の係止部材の係止を容易に行うことができる。
【0112】
なお、上記の説明において、板状部112には先端部116が設けられるとしたが、板状部本体114が上下方向に十分な長さがあれば、突出部120を下方に押しても板状部112が回動してしまうことがないので、先端部116の構成を省略してもよい。
【0113】
また、上記の説明においては、板状部112から正面側に突出した部材(突出部120)がU字状であるとしたが、板状部本体114の下端で先端部116が連設されていない両側の下端からそれぞれ板状部の一方の面に対して突出して該両側の下端同士を架橋して形成され、板状部本体とともに環状を構成し、板状部本体114との間に開口部を有する構成であれば他の形状でもよく、例えば、円弧状でもよく、略コ字状でもよい。なお、円弧状に形成する場合には、角張った形状でないので、危険となることがない。
【0114】
なお、突出部120は、板状部112に対して100〜110度又は略直角に形成されているとしたが、板状部本体114に対して屈曲して板状部112の正面側の面に対して突出して形成されていればよい。なお、ナス環等の係止部材が係止しやすいためには、角度αは、少なくとも45度〜135度程度が好ましい。つまり、角度αが45度よりも小さい場合や135度よりも大きい場合には、突出部120の先端と板状部112の正面側の面との間の距離を十分確保することができず、係止部材を係止しにくいという問題がある。
【0115】
なお、上記の説明においては、釣り用掛止具5においては、係止具110が設けられているとして説明したが、図13に示すように、従来から存在するD環としてもよい。つまり、係止具110’は、D環により形成され、係止具110’は、円弧状部110’−1と、円弧状部110’−1の両端を結んで形成された直線状部(直線棒状部)110’−2とを有し、全体にD形状の環状を呈していて、直線状部110’−2が取付け具130の下端の筒状部分(取付け具130の第1背面部130aと正面部130bにおける縫製部132よりも下側のループ状部130−2に挿通している。
【0116】
なお、釣り用掛止具5には、掛止具本体10と、係止具110、110’が設けられているとしたが、釣り用掛止具5を掛止具本体10と取付け具130のみとし、曳舟160の紐体170に設けられたナス環180を係止する部材は別に設けるようにしてもよい。すなわち、係止具110(又は係止具110’)を帯状の布製部材をループ状に形成した取付け具に取り付けた構成の装置を別途用意して、掛止具本体10と取付け具130のみからなる釣り用掛止具と、該装置とをベルトに挿通して使用してもよい。
【実施例2】
【0117】
実施例2の釣り用掛止具105は、実施例1と略同様の構成であるが、取付け具130と係止具110、110’が設けられておらず、ベルト(主として、ズボンのベルト)を正面側構成部と背面構成部間に直接挿通する構成である。
【0118】
すなわち、釣り用掛止具105は、図14に示すように、本体構成部20と、本体構成部20に対して回動する回動掛止部40と、本体構成部20の正面側構成部21に取り付けられる内側構成部60とを有し、本体構成部20は、正面側構成部21と、正面側構成部21の背面側(Y2側)に取り付けられる背面構成部80を有している。
【0119】
正面側構成部(主構成部)21は、実施例1の正面側構成部21と略同様の構成であるが、実施例1では、正面部22の左右両側から側面部24、26が背面側に突出しているのに対して、正面部22の上下の端部から背面側に突出している点が異なる。
【0120】
すなわち、本体構成部21は、正面部(主部)22と、正面部22の上面側の端部から背面側に突出して連設された上面部25と、正面部22の下面側の端部から背面側に突出して連設された下面部27と、正面部22の正面側の面から正面側に突出して形成された突出部30とを有している。正面側構成部21は、合成樹脂により全体に一体に形成されている。
【0121】
正面部22と突出部30の構成は、実施例1の正面部22と突出部30と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
【0122】
上面部25は、正面部22の上面側の端部から背面側に突出して略板状に連設され、左右方向には正面部22の左右方向の長さと略同一の長さを有している。上面部25の背面側の内側には、背面構成部80の上面側の縁部が嵌合するための切欠部25aが上面部25の左端から右端に左右方向に形成され、これにより、上面部25の背面が段状に形成されている。
【0123】
下面部27は、正面部22の下面側の端部から背面側に突出して略板状に連設され、左右方向には正面部22の左右方向の長さと略同一の長さを有している。下面部27の背面側の内側には、背面構成部80の上面側の縁部が嵌合するための切欠部27aが下面部27の左端から右端に左右方向に形成され、これにより、下面部27の背面が段状に形成されている。
【0124】
また、回動掛止部40は、実施例1の回動掛止部40と同様の構成であり、突出部30に回動自在に支持される。回動掛止部40は、実施例1の回動掛止部40と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
【0125】
また、内側構成部60は、実施例1の内側構成部60と同様の構成であり、正面部22に取り付けられる。内側構成部60は、実施例1の内側構成部60と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
【0126】
また、背面構成部80は、正面部22と対向して設けられ、実施例1の背面構成部80と略同様の構成であるが、上面側と下面側に突出している点が異なる。すなわち、背面構成部80は、略方形状(略縦長長方形状)の略平板状を呈し、背面構成部80の上面側の辺部には正面側に左右方向に切欠部81aが形成され、背面構成部80の背面側には、上面側に突出した突出部83aが形成されている。この突出部83aは、上面部25の切欠部25aに嵌合する。
【0127】
また、背面構成部80の下面側の辺部には正面側に左右方向に切欠部81bが形成され、背面構成部80の背面側には、下面側に突出した突出部83bが形成されている。この突出部83bは、下面部27の切欠部27aに嵌合する。
【0128】
また、実施例1と同様に、背面構成部80の4箇所には、円形の外形を有する凹部K30〜K36と該凹部の位置に設けられた開口部K40〜計46が形成されている。
【0129】
背面構成部80を正面側構成部21に取り付けた状態では、正面部22と上面部25と下面部27と背面構成部80により筒状に形成され、左右方向に挿通穴が形成される。
【0130】
実施例2の釣り用掛止具105を組み立てるには、実施例1と同様に、回動掛止部40を突出部30に回動自在に取り付け、その後、内側構成部60を突出部68、70側を正面側として正面側構成部21の背面側から下側開口部K22に挿通し、突出部68を溝部M1に嵌合させるとともに、突出部70を溝部M2に嵌合させて、内側構成部60を正面部22に取り付ける。
【0131】
その後、背面構成部80を正面側構成部21の背面側に配置し、ネジ部90を開口部K40〜K46及び開口部65a、65bに挿通するとともに正面部22のネジ穴H10〜H16に螺着する。
【0132】
釣り用掛止具105の使用状態としては、ズボンのベルト150を本体構成部20において左右方向に設けられた挿通穴(つまり、正面部22と上面部25と下面部27と背面構成部80により囲まれた挿通穴)に挿通して使用する。また、曳舟160の紐体170に設けられたナス環180(図10等参照)を係止する部材は別に設ける。
【0133】
釣り用掛止具105の具体的な使用状態は、実施例1と同様であり、曳舟を川に流した状態で鮎の友釣りを行ない、鮎を釣り上げた際には、回動掛止部40を正面側構成部21に対して下方に回動させて、回動掛止部40を前方に突出した使用状態とし、その後、紐体170をたぐって曳舟160を手元に引き寄せて、回動掛止部40に掛止させる。
【0134】
上記構成の釣り用掛止具105によれば、正面側構成部21に回動掛止部40が設けられているので、鮎の友釣りに際して釣り上げた鮎を曳舟160に投入する際に、紐体をたぐって掛止しておくことができるので、曳舟への投入を容易とすることができる。
【0135】
また、紐体を掛止する回動掛止部40は、上記のように格納状態と使用状態との間を回動するので、回動掛止部40を使用しない場合には、回動掛止部40の長手方向を上下方向にして前後方向に突出しないので、釣り用掛止具105が嵩張らず、釣り用掛止具105を釣り人の腰に装着しても釣り用掛止具105(特に、回動掛止部40)が邪魔になることがなく、保管や運搬にも省スペースとすることができる。
【0136】
また、回動掛止部40は、突出部30の先端側に回動可能に設けられているので、回動掛止部40の使用状態(回動掛止具40が正面側に突出した状態)の場合には、先端部46の先端と正面部22の正面側の面の間には、間隔Wが形成され、また、回動掛止部40が使用状態において、突出部30の上面と基端部44の基端側の上面は連続して形成されているので、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。
【実施例3】
【0137】
実施例3の釣り用掛止具205は、実施例2の釣り用掛止具105と比べて、背面構成部80が省略され、正面側構成部21における上面部25と下面部27が省略された構成となっている。
【0138】
つまり、釣り用掛止具205は、図15に示すように、本体部(主構成部)121と、本体部121の突出部30に対して回動する回動掛止部40と、本体部121の板状部122に取り付けられる内側構成部60とを有している。
【0139】
ここで、本体部121は、板状部(主部)122と、板状部122の正面側の面から正面側に突出して形成された突出部30とを有している。
【0140】
板状部122は、実施例1や実施例2の正面部22と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。つまり、実施例1の正面側構成部21から側面部24、26を省略した構成であり、実施例2の正面側構成部21から上面部25と下面部27を省略した構成ともいえる。
【0141】
また、突出部30の構成は、実施例1や実施例2の突出部30と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
【0142】
また、回動掛止部40は、実施例1の回動掛止部40と同様の構成であり、突出部30に回動自在に支持される。回動掛止部40は、実施例1の回動掛止部40と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
【0143】
また、内側構成部60は、実施例1の内側構成部60と同様の構成であり、板状部122に取り付けられる。内側構成部60は、実施例1の内側構成部60と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
【0144】
実施例3の釣り用掛止具205を組み立てるには、実施例1と同様に、回動掛止部40を突出部30に回動自在に取り付け、その後、内側構成部60を突出部68、70側を正面側として本体部121の背面側から下側開口部K22に挿通し、突出部68を溝部M1に嵌合させるとともに、突出部70を溝部M2に嵌合させて、内側構成部60を板状部122に取り付ける。
【0145】
釣り用掛止具205の使用状態としては、ズボン等のベルト150に固着して使用する。すなわち、図15に示すように、釣り用掛止具205の板状部122の背面をベルト150の面に当接させ、下側の2つのネジ部90については、ベルト150における釣り用掛止具205を当接させた面の反対側の面からネジ部90をベルト150に挿通し、内側構成部60の2つの開口部に挿通するとともに板状部122のネジ穴に螺着し、一方、上側の2つのネジ部90については、ベルト150における釣り用掛止具205を当接させた面の反対側の面からネジ部90をベルト150に挿通し、板状部122のネジ穴に螺着する。
【0146】
釣り人は上記のように釣り用掛止具205を取り付けたベルト150を装着して釣りを行なう。また、曳舟160の紐体170に設けられたナス環180(図10等参照)を係止する部材は別に設ける。
【0147】
釣り用掛止具205の具体的な使用状態は、実施例1と同様であり、曳舟を川に流した状態で鮎の友釣りを行ない、鮎を釣り上げた際には、回動掛止部40を突出部30に対して下方に回動させて、回動掛止部40を前方に突出した使用状態とし、その後、紐体170をたぐって曳舟160を手元に引き寄せて、回動掛止部40に掛止させる。
【0148】
上記構成の釣り用掛止具205によれば、本体部121に回動掛止部40が設けられているので、鮎の友釣りに際して釣り上げた鮎を曳舟160に投入する際に、紐体をたぐって掛止しておくことができるので、曳舟への投入を容易とすることができる。
【0149】
また、紐体を掛止する回動掛止部40は、上記のように格納状態と使用状態との間を回動するので、回動掛止部40を使用しない場合には、回動掛止部40の長手方向を上下方向にして前後方向に突出しないので、釣り用掛止具205が嵩張らず、釣り用掛止具205を釣り人の腰に装着しても釣り用掛止具205(特に、回動掛止部40)が邪魔になることがなく、保管や運搬にも省スペースとすることができる。
【0150】
また、回動掛止部40においては、先端部46が基端部44よりも短く形成され、また、回動掛止部40が突出部30の先端側に回動可能に設けられているので、図15に示すように、回動掛止部40の使用状態の場合には、先端部46の先端と板状部122の正面側の面の間には、間隔が形成され、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。また、回動掛止部40が使用状態において、突出部30の上面と基端部44の基端側の上面は連続して形成されているので、これによっても、紐体を回動掛止部40に掛止させるのが容易となる。
【0151】
なお、上記各実施例において、回動掛止部40には軸部50、52が設けられ、軸部50、52が溝部M1、M2に回転可能に設けられるが、屈曲部が42が左側突出部32と右側突出部34間の位置で回動自在とする構成は他の構成でもよく、例えば、左側突出部32において溝部M1を形成せずに右側面側に突出した軸部を形成するとともに、右側突出部34において溝部M2を形成せずに左側面側に突出した軸部を形成し、屈曲部42の基端部44の両側には、各軸部を挿通する凹部を設けるようにしてもよいし、左右方向に貫通する穴部を設けてもよい。
【0152】
また、上記各実施例においては、左側突出部32に溝部M1を設け、右側突出部34に溝部M2を設けた構成としたが、左側突出部32には溝部M1の代わりに軸部50が挿入される円柱状の凹部を設け、右側突出部34には溝部M2の代わりに軸部52が挿入する円柱状の凹部を設けてもよい。
【0153】
つまり、左側突出部32及び右側突出部34と屈曲部42における一方に軸部を設け、他方に該軸部が挿入する凹部(又は穴部)を設ける構成としてもよい。また、屈曲部42と軸部を別の構成とし、屈曲部42の基端部44の基端部分に左右方向に貫通穴を設け、該貫通穴に軸部を嵌合させて、軸部の両側を基端部44の左右両側に突出した構成としてもよい。
【0154】
左側突出部32及び右側突出部34と屈曲部42における一方に軸部を設け、他方に該軸部が挿入する凹部(又は穴部)を設ける構成の場合には、軸部は凹部(又は穴部)に前後方向の動きが規制されるので、内側構成部60の構成を省略してもよい。
【0155】
なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
【符号の説明】
【0156】
5、105、205 釣り用掛止具
10 掛止具本体
20 本体構成部
21 正面側構成部
22 正面部
24、26 側面部
25 上面部
27 下面部
30、68、70、82a、82b、83a、83b、120 突出部
32 左側突出部
34 右側突出部
36 連結部
40 回動掛止部
42 屈曲部
44 基端部
44b 突状部
46 先端部
50、52 軸部
60 内側構成部
62 内側構成部本体
62a 枠状部
62b 鉤状部
64 片部
64a 左側片部
64b 右側片部
65a、65b 開口部
80 背面構成部
110 係止具
112 板状部
114 板状部本体
116 先端部
120 突出部
121 本体部
122 板状部
130 取付け具
130−1、130−2 ループ状部
H10、H12、H14、H16 ネジ穴
K40、K42、K44、K46 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐体を掛止するための釣り用掛止具であって、
略板状の主部(22、122)と、主部の一方の面側である正面側に突出して形成され、左右方向に間隔を介して互いに略平行に形成された左側突出部(32)及び右側突出部(34)とを有する主構成部(21、121)と、
左側突出部と右側突出部の間に左側突出部及び右側突出部に対して回動自在に設けられ、左右方向に対して直角方向を長手方向として形成された基端部(44)と、基端部(44)の先端から基端部に対して屈曲して形成され、左右方向に対して直角方向を長手方向として形成された先端部(46)とを有し、側面視で略V字状に屈曲して形成され、基端部と先端部間に紐体を掛止するための隙間を有し、先端部の左右方向に対する直角方向の長さが基端部の左右方向に対する直角方向の長さよりも短く形成された屈曲部(42)と、
を有し、
屈曲部が上方に回動して、屈曲部の回動範囲の一方の端部に位置する状態である第1状態の場合に、屈曲部部が立設した状態となり、一方、屈曲部が下方に回動して、屈曲部の回動範囲の他方の端部に位置する状態である第2状態の場合に、屈曲部が正面側に突出し、先端部が基端部の上側となることを特徴とする釣り用掛止具。
【請求項2】
主部には、内側構成部を取り付けるための開口部(K20)が形成され、
左側突出部には、右側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第1溝部で、その正面側の端部が左側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第1溝部(M1)が形成されるとともに、右側突出部には、左側突出部と対向する側に該開口部から正面側に連設された第2溝部で、その正面側の端部が右側突出部の正面側の端部よりも背面側にある第2溝部(M2)が形成され、左側突出部の下端と右側突出部の下端とを連結する連結部(36)が形成され、
屈曲部において、基端部の基端側の左側面側に突出して形成され第1溝部内における正面側の端部に設けられた第1軸部(50)と、基端部の基端側の右側面側に突出して形成され第2溝部内における正面側の端部に第1軸部と同軸上に設けられ第2軸部(52)とが形成され、基端部の基端側の端部には、鉤状部の先端と係合するための突状部(44b)が形成され、
主部の開口部に取り付けられた内側構成部で、主部の開口部内に設けられた枠状部(62a)と、該枠状部の内側に設けられ先端が正面側に向けて設けられた鉤状部(62b)とを有する内側構成部本体(62)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第1突出部で、第1溝部内に設けられ第1軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第1突出部(68)と、内側構成部本体から正面側に突出して設けられた内側構成部第2突出部で、第2溝部内に設けられ第2軸部の前後方向の移動を規制する内側構成部第2突出部(70)とを有し、鉤状部が左右方向において内側構成部第1突出部と内側構成部第2突出部の間の位置に設けられた内側構成部(60)が形成され、
第1状態の場合に、突状部が鉤状部の先端と係合し、第2状態の場合に、基端部の基端側の端部が連結部に当接することを特徴とする請求項1に記載の釣り用掛止具。
【請求項3】
主構成部は、主部の上下の端部から背面側に突出した側面部(24、26)を有し、一対の側面部における背面側に略板状の背面構成部(80)が、主部と間隔を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣り用掛止具。
【請求項4】
主構成部は、主部の左右の端部から背面側に突出した側面部(24、26)を有し、一対の側面部における背面側に略板状の背面構成部(80)が、主部と間隔を介して取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の釣り用掛止具。
【請求項5】
釣り用掛止具が、帯状部材により形成された取付け具(130)を有し、取付け具の一部が主部と背面構成部間に挟設され、主部と背面構成部間に挟設された部分を含む取付け具の少なくとも一部が、ループ状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の釣り用掛止具。
【請求項6】
主構成部には、主部及び左側突出部に前後方向に設けられた第1ネジ穴(H10)と、主部及び右側突出部に前後方向に設けられた第2ネジ穴(H12)と、主部における第1ネジ穴の上側に設けられた第3ネジ穴(H14)と、主部における第2ネジ穴の上側に設けられた第4ネジ穴(H16)とが設けられ、内側構成部には、内側構成部第1突出部の左側面側に突出し、第1ネジ穴に対応した開口穴(65a)が設けられた第1片部(64a)と、内側構成部第2突出部の右側面側に突出し、第2ネジ穴に対応した開口穴(65b)が設けられた第2片部(64b)とが設けられ、背面構成部には、各ネジ穴に対応した開口穴(K40、K42、K44、K46)が設けられ、背面構成部における第1ネジ穴と第2ネジ穴に対応する開口穴にネジ部を挿通し、該ネジ部を取付け具に挿通し、さらに内側構成部の第1片部と第2片部に設けられた開口穴に挿通して、第1ネジ穴と第2ネジ穴に螺着し、また、背面構成部における第3ネジ穴と第4ネジ穴に対応する開口穴にネジ部を挿通し、該ネジ部を取付け具に挿通し、第3ネジ穴と第4ネジ穴に螺着することにより、背面構成部が主構成部に固定されることを特徴とする請求項5に記載の釣り用掛止具。
【請求項7】
取付け具の下端に、ナス環又は鉄砲環からなる係止部材を係止するために環状に形成された係止具が取り付けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の釣り用掛止具。
【請求項8】
係止具が、
平板状の板状部材で、取付け具を挿通するための開口部である第2開口部を有する板状部材(114)と、
係止部材を係止する係止具突出部で、板状部材の両側の下端からそれぞれ板状部材の一方の面に対して突出して該両側の下端同士を架橋して形成され、板状部材との間に第3開口部を有する係止具突出部(120)と、
を有し、板状部材の下端部分と係止具突出部とで環状に形成され、
取付け具が第2開口部に挿通されることにより、係止具が取付け具に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の釣り用掛止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−90613(P2013−90613A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236187(P2011−236187)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(594020536)有限会社ヤマワ産業 (8)
【Fターム(参考)】