説明

釣り竿の設置装置

【課題】波が上下運動しても魚が餌に食いついたときには確実に「魚の当たり」と判り、波の上下運動と区別することのできる釣り竿の設置具を提供する。
【解決手段】釣り竿用の釣置具1が、縦方向に縦長の長穴2aを設け、両端部の端を連結した渡しバー2dと、渡しバー2dの中央部に固定した固定部材とより形成され、曲線に沿って平面上で転がり可能な半円状の第一の竿支持台2と、筏の平坦部に固定する固定部3bと立設する柱部3cの上に前記竿支持台2の長穴2aを突き抜ける平坦板3dに立設した立設部材3cを設けた平板台3と、前記固定部材を通したバーと一方に竿の手元近傍やリールを設置する後部受け部と先端部近傍を設置する前部受け部とより成る第二の竿支持台とを備えて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海や湖等で釣りをする場合に使用する釣り竿の設置装置、特に船や釣り用の筏(単に筏とする)に載って釣りをする場合に釣り竿を設置して、波があっても上下する船や筏の影響が釣り竿の先端部に殆ど影響せず、確実に魚の当たりや或いは餌への食い付きを敏感に感知することのできる釣り竿の設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、海などで釣りをする場合は、釣り人は船に載るか或いは筏の上に載って釣り竿に設けた仕掛けを投入して魚の当たりを待つ。そのような場合、釣り竿は仕掛けに餌を付けて置き竿にしたり、釣り竿をこの置き竿具の上に置いたり、立て掛けたりして、魚がかかるのを待つ。
【0003】
よく知られた置き竿具の例としては、図10に示すように、船や筏の台座(板材)に固定する置き竿具20のねじ止め21を下面に設けた台座22と、縦棒として上下に伸縮可能として上部に竿の付け根近傍や竿に取り付けたリールを載せる竿受け部23と、先端部に竿受け24を設けた長い棒25と、該長い棒25の付け根に取り付け前記台座22のボス部22aに取り付け前記長い棒25の上下方向の角度を調整できるようにした調整ねじ26と、で構成したものが使用される。この場合、長い棒25は数本の短い棒を長手方向(図10の場合3本)に嵌め込み式として長さが伸縮調整できるようにしてある。
【0004】
また、他の置き竿具30として、図9に示すように、床設置台31と立設棒32とを軸33で回転可能に組み立てる折り畳み式竿台35と、一方に竿の付け根近傍やリールを載せる受け部34と他方に竿の先端部近傍が落下しないようにズレ防止具36aを設けた受ける受け部36とを設けた長い棒37と、該長い棒37を横置きにスライドする横竿受け台38と、で構成されるものが使用されている。なお、前記横竿受け台38は、前記立設棒32の頂部に太い竿保持部材として形成され、長い竿37を通すようにしてある。
【0005】
船釣り用の釣り竿保持具としては、長駆Aと短躯Bよりなる台の上に半円状のアームをアーム固定盤に取り付けねじで固定し、該アームの両端部に竿軸を逆向きとしたフックと設置部に固定したものが知られている。こうしてどんな船縁形態にも対応できる万能、計量でコンパクトで、かつ、収納も簡単で安全な船釣り用の釣り竿保持具が提案されている(特許文献1)。
また、釣り竿の前方への抜け落ちが防止され、速やかに煽り動作ができると共に必要に応じて釣り竿の取り替えが容易にできるものとして、船べりに係止するためのクランプと、クランプ部に回動と前後位置が変更可能な湾曲した竿受け基部と、基部を前側に前後に回動可能に取り付けられたY字形の前方の顔受け部と、基部の後側に前後に回動可能に取り付けられた後竿受け部と、釣竿に取り付けられた釣竿緊締具と、で構成された竿掛装置が提案されている。この引用例では、基部はネジで固定されるようになっている(特許文献2)。
また、エアチューブのゴム座に対して竿受を確実に固定し、釣竿やリールをインフレータブルボートに安定良く取り付けるものとして、インフレータブルボートのゴム座に外嵌しこれを保持する直方体状の部屋を備え、かつ竿受けが取り付けられる嵌合保持部と、この嵌合保持部の下部から延出され、ボートのエアチューブの周面に沿う円弧状の下面を備えたチューブ当て座と、上記ゴム座の貫通孔と合致して上記嵌合保持部の室壁に形成された少なくとも1個の貫通孔と、この嵌合保持部の貫通孔を介し上記ゴム座の貫通孔に挿入されるロックピンとを備えてなり、このロックピンの一部に上記ゴム座の貫通孔にねじ込み可能な雄ねじを形成したインフレータブルボートの竿受け用固定装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許文献1.特開2003−204748
特許文献2.特開2001−095452
特許文献3.特開平11−046654
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記図10や図9に示す竿保持具は、波により船や筏が上下すると一緒にこれらの置き竿台や竿も上下し、波の上下運動と竿置き具や上記特許文献1〜3に設置された竿の動きは、常に波の上下運動と一致する。この場合、波で竿が持ち上がるとき、竿先が海側に引き込まれ、さも魚がかかったような動きとなることがある。このため、波の上下運動は魚が餌に食いついて竿先を引っ張った(曲げた)のか、波の上下運動によって引っ張られたのか、容易に判別し難いことが多い。よって魚がかかった、と思って釣り竿を上げてもそれは単に波の浮力によって竿先が曲げられたに過ぎないことが多い。一方、竿先が曲がったとき、単に波の上下運動で竿先が曲げられたのに違いないと思ったところ、魚が餌に食いついて曲がったのだ、と後で気づくことがある。このように波の上下運動と共に竿先も同じ上下運動をすると、竿先が曲がり、魚の食い付きと波の上下運動との区別が判らないことが圧倒的に多く、このため釣果に影響することが多い。しかしながら、海や湖の上に浮かべた船や筏は波の上下と共に動くから竿も同時に上下に動くことは避けられない。したがって、魚が食いついた時だけ置いた竿に通常の波の上下と異なる動きをさせることは困難である。
【0008】
上記特許文献1の半円状(円弧状)の竿掛けアームはネジで固定するものであり、特許文献2の基部はネジで固定するものであり、特許文献3の竿受けもネジ付ナットで固定するものである。したがって、いずれも波の上下に従ってこれらの竿掛けアームや基部や竿受けに乗せた釣り竿も、波と同じように上下するため水中における魚の餌の食い付き状態も判りにくい。
【0009】
本発明は上記する課題に対処するためになされたものであり、波が上下運動しても竿先の位置はあまり変わらず、魚が餌に食いついたときには確実に「魚の当たり」と判り、波の上下運動と区別することのできる釣り竿の設置装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は上記する課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、釣り竿の設置装置1が、縦方向に縦長の長穴2aを設けるとともに半円中央部に平坦部2fを形成し、縦方向に転がり前記平坦部2fより外れると半円の曲線に沿って平坦面上で前または後に転がり可能な半円状の揺動部材2と、
前記半円状の揺動部材2の両側上端を固定して渡し、竿10を置く竿置きとする渡しバー2dと、筏の一部にねじ等の固定部材3aにより固定される固定部3bを有し且つこれより立設された柱部3cの上に、平坦面となる平坦板3dを設けるとともに、前記揺動部材2の長穴2aに隙間が形成される程度に突き抜ける立設部材3eを設けた平面状の平板台3と、
を備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は上記する課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、釣り竿の設置装置1が、縦方向に縦長の長穴2aを設け、一方の端部2bと他方の端部2cとを連結した渡しバー2dと該渡しバー2dの中央部にスライド可能に固定する固定部材2eとより構成され、曲線に沿って平板面上で前または後に転がり可能な半円状の揺動部材2と、
前記渡しバー2dの中央部に固定した固定部材2eにバー4aを通して一方にリールを設置する後部受け部4bを設けると共に、他方に竿の落下防止部材4cを設けて釣り竿10を乗せる竿支持台4と、
筏の一部に固定部材3aにより固定される固定部3bを有し且つこれより立設された柱部3cの上に、平坦面となる平坦板3dを設けるとともに、前記揺動部材2の長穴2aに隙間が形成される程度に突き抜ける立設板3eを設けた平面状の平板台3と、
を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1の揺動部材2には半円状の縦方向に縦長の長穴を形成する円弧とすることを特徴とする請求項2に記載の釣竿用の設置装置。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記ねじ等の固定部材3aにより固定する固定部3bは、幅広で柱部3cより幅が広く安定させる固定部とすることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、前記竿支持台4は、渡しバー2dに固定した固定部材2eを通してスライド可能としてあることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の釣り竿の設置装置を上記手段とすると、船や筏に設置したとき、波の上下運動と魚が餌に食いついたときとの差の動作の相違が明確に判る。すなわち、波が上下運動した場合、船や筏も共に上下運動するが、揺動部材は半円の曲線に沿って平坦部より外れると平面上で曲線に沿って前後に転がるので釣り竿の竿先は波の上下に係わらず、常に一定の位置にある。なお、前記平坦部は揺動部材を安定させる役割をする。第2の実施例の場合は直ちに半円に沿って転がるが、釣り竿の竿先はあまり変わらない。このように、本発明の釣り竿用の設置装置は波の上下運動に係わらず、釣り竿の竿先は常に大体一定の位置となるので魚が餌に食いついたときには、竿先が曲がり、それは「魚の当たりもしくは餌への食い付き」であることがはっきりわかる。また、前記請求項1の揺動部材2には平坦部は必ずしも必要ではなく、波が無いとき敏感に反応する。
【0016】
このため本発明の釣り竿の設置装置を使用すると、魚がつれる確率は高くなり、釣果が極めて良くなる。特に、黒鯛(チヌ)の場合、当たりが微妙であるため魚をかける(合わせる)タイミングが非常に重要であるが、筏等で本発明の釣り竿用の設置具を使用すると極めてタイミングを合わせやすくなるため釣果に大きく影響することになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、図1は本発明の第1の実施例の釣り竿用の設置装置の全体斜視図である。
【図2】図(A)2は、本発明の第1実施例の上部斜視図であり、図2(B)は、下部斜視図である。
【図3】図3(A)は、本発明を構成する揺動部材の側面図であり、図3(B)は、揺動部材の他の実施例の側面図であり、図3(C)は、揺動部材の更に他の実施例の側面図である。
【図4】図4は、本発明の釣り竿の設置装置を筏の上に設置して、餌を海中に投入した状態の全体側面図である。
【図5】図5は、本発明の釣り竿の設置装置を筏に載せて使用し、餌を海中に投入し、魚が餌に食いついた状態を示す全体側面図である。
【図6】図6(A)は、本発明の釣り竿の設置装置を筏に設けて、波の上下運動で筏(の浮き)が波の上に乗っ状態を示す側面図であり、図6(B)は、本発明の釣り竿の設置装置を設けて、波の上下運動で筏(の浮き)が波と波との間の谷に入った状態を示す筏の端部の側面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例の釣り竿用の設置装置の全体斜視図である。
【図8】図8(A)は、本発明の第2の実施例で筏に乗せた本発明の釣り竿の設置装置の全体側面図であって、釣り竿を筏に乗せた状態で、筏から遠くに出す状態を示し、図8(B)は、本発明の第2の実施例で釣り竿の設置装置の全体側面図であって、釣り竿を筏に乗せた状態で、筏から近くに釣り竿を出す状態を示す図である。
【図9】図9は、従来の釣り竿の別の設置装置の全体斜視図であて釣り竿を水平に設置する場合の釣り釣り竿の設置具である。
【図10】図10は、従来の釣り竿の設置装置の全体斜視図であて釣り竿を斜め上方に設置する場合の釣り竿の設置装置である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態およびその釣り竿用の設置装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施例の釣り竿用設置装置1の全体斜視図であって、釣り竿10を載せた状態を示す図である。本発明の釣り竿用設置装置1において、2は、全体が半円状(円弧状)出あって、縦方向中央部下端部に縦方向に縦長の長穴2aを設けるとともに中央部に平坦部2fを形成し、傾斜させるとこの半円の曲線に沿って前記平坦部2fを超えると平面上(後述する平坦板3d上)で前または後に転がり可能な揺動部材である。2dは、前記半円の揺動部材2の両側上端を固定して渡した釣り竿置きとする渡しバーである。該渡しバー2dの後部にはリール8を置く後部受け部2bが設けられ、前部には竿受け部2cが設けてある。なお、前記前記平坦部2fが設けてあると前記揺動部材2は、多少の波があっても安定する。しかし、平坦部2fはなくても良い場合もある。
【0019】
また、3は、筏11の一部にねじ等の固定部材3aにより固定される固定部3bを有し且つこれより立設された柱部3cの上に、平坦面とした平坦板3dを設けるとともに前記竿揺動部材2の長穴2aに隙間が形成される程度に突き抜ける立設板3eを設けた平板台である。該平板台3の前記立設部材3eは、図の如く三角形でなく、矩形状であっても円弧状であっても良い。
【0020】
本発明の第1の実施例の釣り竿設置装置1は、図2に示すように、上部の釣り竿設置部Aと、下部の釣り竿設置部Bと、に分けて組み立てられる。
すなわち、上部釣り竿設置部Aは、図2(A)に示すように、曲線に沿って平面上で転がり可能な中央部に平坦部2fを形成した半円状の揺動部材2と、一方に竿の手元側近傍やリール8を設置する後部受け部2bと、釣り竿10の先端部近傍には竿の横方向へ落下防止できるようにした前部受け部2cとを備えた竿支持台を兼ねる渡しバー2dと、から構成される。
【0021】
また、下部の斜視図2(B)は、ねじ3a等のような固定部材で固定する固定部3bを有しこれより立設する柱部3cと、該柱部3cに固定される平坦板3dと、更に該平坦板3dに立設され前記揺動部材2の長穴2aを突き抜けて通す立設した突き抜ける立設板3eとを設けた平板台3の全体斜視図である。この場合、前記立設板3eを長穴2aに嵌めたときある程度揺動したときこの揺動を止める揺動止め5が設けてある。そして、本発明の釣り竿用設置装置1は、上部Aの竿支持台2の長穴2aに、下部Bの平板部3の突き抜け部材3eを通すだけで組み立てられる。なお、前記ねじ等の固定部材3aにより固定する固定部3bには、幅広で柱部3cより幅が広く安定させる固定部を設けると、全体が安定しやすくなる。
【0022】
なお、前記ねじ等により固定する固定部3bには、図1や図2の実施例のように、幅広で柱部3cより横幅を長く安定させるようにすると、本発明の釣り竿の設置具1はより安定する。
【0023】
図3(A)は、前記揺動部材2の側面図である。前記揺動部材2には半円状の中央下端部に平坦部2fが形成されている。前記揺動部材2の平坦部2fにより多少の揺れでも釣り竿用設置装置1の全体が安定する。但し、この平坦部2fは長くはせず、比較的短くした方が良い。そして、該揺動部材2は揺動して平坦部2fを超えると平坦板3dの上でスムーズに前後どちらかに転がる。なお、平坦部2fは半円部の端2g、2hの間を直線で結んだとき平坦であれば良く、図3(B)や図3(C)に示すように、途中の形状は問わない。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施例の釣り竿用設置装置1を筏11の上に設置して、餌を海中に投入した状態の全体側面図であり、図5は、魚が餌に食いついたときの全体側面図である。そして波のない状態では魚が餌に食いつくと、釣り竿の穂先にそのまま魚の当たりとなって、釣り人に魚が食いついたことを知らせてくれる。この場合、魚に抵抗感を与えることもないので魚は餌に食い付きやすい。したがって釣り人はこの穂先の動きに合わせるだけで確実に魚を掛け合わせることができる。
【0025】
図6は船や筏を浮かべた海や湖に上下の波が立った場合の本発明の釣り竿の設置具に乗せた釣り竿の挙動を示す図である。筏11の下部には浮力を作用させる浮き12が数カ所設けてある。図6(A)は、筏11の端部の浮き12が波の頂上に乗ったときの状態を示す釣り竿の設置具の側面図である。この場合、本発明の釣り竿の設置装置1は、一方の端の筏11の浮き12が波の頂上に乗ると筏11の端部が持ち上がる。そして平板台3の平坦板3dは、筏11の表面と同じ傾斜をするが、該平坦板3dは筏11に固定されているため半円状の揺動部材2 は矢印のように前側へ回転(揺動)し前側が下がるように傾斜する。揺動部材2や釣竿10の受け部材となる渡しバー2dは、平坦部2fを超えると、前側に下がるように傾斜する。すなわち、釣り竿10は、平坦部2fを超えると、釣り竿10の穂先10Pの位置は元の状態を維持する。
【0026】
次に、図6(B)に示すように、次の波では波と波との間の谷に浮き12が来る。このときには筏11の浮き12は波と波との間の谷に入る状態となる。そして、筏11の端部は下がるため端部は前に傾斜する。そして平板台3の平坦面3dは、筏11に固定されているため筏11と同じ傾斜となる。しかし、半円状の揺動部材2は矢印のように後側へ回転(揺動)し後側が下がるように傾斜し、揺動部材2や渡しバー2dは、前側が上るように傾斜する。すなわち、釣り竿10は、平坦部2fを超えると、釣り竿10の穂先10Pの位置は元の状態を維持する。したがって、いずれの場合も釣り竿10の穂先10Pの位置は元の状態を維持する。
【0027】
上記するように、本発明の釣り竿の設置装置によれば、船や筏を浮かべる海や湖が波の立たない状態でも、波が立った状態でもいずれの状態でも釣り竿の穂先の位置は変わらない。したがっていつも魚の餌の食い付きか、そうでないかを直ちに判断することができる。
【0028】
図7は本発明の第2の実施例の釣り竿の設置装置の全体斜視図であって、釣り竿10を載せた状態を示す図である。本発明の釣り竿の設置装置1は、縦方向中央部に縦長の長穴2aを設け、上部には、一方の端部2bと他方の端部2cとを連結した渡しバー2dと該渡しバー2dの中央部に固定した固定部材2eとより形成され、曲線に沿って平面上で転がり可能な半円状の揺動部材2と、下部には、船や筏(いかだ)の平坦部にねじ等の固定部材3aにより固定する固定部3bを有しこれより立設する柱部3cの上には、平坦面を有する平坦板3dを設けると共に該平坦板3dに、前記揺動部材2の長穴2aに隙間が形成される程度に突き抜ける立設板3eを設けた平板台3と、前記渡しバー2dの中央部に固定した固定部材2eを通し、釣り竿10を置く竿置きバー4aと一方に竿の手元近傍やリール8を設置する竿の後部受け部4bと他方に竿の落下防止部材を設けて先端部近傍を設置する前部受け部4cとより成る竿支持台4と、で構成されている。この場合、前記揺動部材2には、第1の実施例のように、平坦部2fを形成していないが、形成しても良い。
【0029】
図8(A)は、本発明の第2の実施例の釣り竿の設置装置1の全体側面図であって、釣り竿10を筏11からなるべく遠くへ出す場合を示す。すなわち、竿受け4は、渡しバー2dの中央部に固定した固定部材2eを緩めてなるべく海側にスライドさせ再度固定する。こうして仕掛けを遠くに投入することができる。また、図8(B)は、釣り竿10を筏11に乗せた状態で、なるべく手前に設置する状態を示す。この図に示すように、竿受け4は、スライドさせ釣り竿を筏11の近くに設置して仕掛けを投入することもできる。このように、本発明の釣り竿の設置装置は筏11のなるべく遠くで釣ったり、近くで釣ったりすることができるので、釣りに邪魔な浮遊物を避けるのに便利である。これらの場合、竿支持台4を移動させるには渡しバー2dと竿指示台4を固定しているねじ13を緩めて移動させ、適宜の位置へ来たら締め込むようにする。なお、場合によっては、揺動部材2の中央の平坦部2fは無くしても良い。なお、これらの釣り竿10を前後に調整して置くことは第1の実施例でも可能である。
【0030】
第1の実施例では、前記渡しバー2dは、「竿置き」用としていたが、第2の実施例では、前記揺動部材2を連結する渡しバー2dに設けた固定部材2eを通した渡しバー2dの上の竿受け台4がその竿受けの役目をし、釣り竿10は、該竿受け台4の上に設置される。また、渡しバー2dに固定される固定部材2eは、止めねじ13を緩めたり、締めたりして渡しバー2dを任意の位置へスライドさせ、固定することができる。
【0031】
本発明の実施例は、以上詳述した説明の如くであるが、第1の実施例と第2の実施例の相違点は、第1の実施例の渡しバー2dが釣り竿の設置台となるので、第2の実施例の釣り竿の支持台4の代わりとなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
いままで困難であった波がある場合と無い場合の釣果の違いを解決し、釣果の良い釣りをする場合の釣り竿設置具として広く製造、販売することができる。このため釣り具業界の産業を活発化し、取引を大いに発展させることができるようになる。
【符号の説明】
【0033】
1 釣り竿の設置装置
2 揺動部材
2a 長穴
2b 後部受け部
2c 前部受け部
2d 渡しバー
2e 固定部材
3 平板台
3a 固定用ねじ(固定部材)
3b 固定部
3c 柱部
3d 平板板
3e 立設板
4 竿支持台
5 揺動止め
10 釣り竿
10P 釣り竿の竿先
11 筏
12 浮き
A 上部の釣り竿設置部
B 下部の釣り竿設置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に縦長の長穴を設けるとともに半円中央部に平坦部を形成し、縦方向に転がり前記平坦部より外れると半円の曲線に沿って平坦面上で前または後に転がり可能な半円状の揺動部材と、
前記半円状の揺動部材の両側上端を固定して渡し、竿を置く竿置きとする渡しバーと、
筏の一部にねじ等の固定部材により固定される固定部を有し且つこれより立設された柱部の上に、平坦面となる平坦板を設けるとともに、前記揺動部材の長穴に隙間が形成される程度に突き抜ける立設部材を設けた平面状の平板台と、
を備えてなることを特徴とする釣り竿の設置装置。
【請求項2】
縦方向に縦長の長穴を設け、一方の端部と他方の端部とを連結した渡しバーと該渡しバーの中央部にスライド可能に固定する固定部材と、
曲線に沿って平板面上で前または後に転がり可能な半円状の揺動部材と、
前記渡しバーの中央部に固定した前記固定部材にバーを通して一方にリールを設置する後部受け部を設けると共に、他方に竿の落下防止部を設けて釣り竿を乗せる竿支持台と、
筏の一部に固定部材により固定される固定部を有し且つこれより立設された柱部の上に、平坦面となる平坦板を設けるとともに、前記揺動部材の長穴に隙間が形成される程度に突き抜ける立設板を設けた平面状の平板台と、
を備えてなることを特徴とする釣り竿の設置装置。
【請求項3】
前記揺動部材には半円状の縦方向に縦長の長穴を形成する円弧とすることを特徴とする請求項2に記載の釣竿用の設置装置。
【請求項4】
前記ねじ等の固定部材により固定する固定部には、幅広で柱部より幅が広く安定させる固定部材を設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣り竿の設置装置。
【請求項5】
前記竿支持台は、渡しバーに固定した固定部材を通してスライド可能としてあることを特徴とする請求項2に記載の釣竿の設置装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−213354(P2012−213354A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80675(P2011−80675)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(511083123)
【Fターム(参考)】