釣り竿
【課題】購入者が、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供する。
【解決手段】板部1aと畝部1bを含んで構成される釣り竿であり、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、切削及び/又は盛上することにより、『調子』を微妙に調整することを可能としている。
【解決手段】板部1aと畝部1bを含んで構成される釣り竿であり、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、切削及び/又は盛上することにより、『調子』を微妙に調整することを可能としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に係る発明は、釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、洋上、河川、湖沼池等における釣りで使用される一般的な釣り竿は、少なくとも一部が中空の管状、又は、パイプ状の釣り竿(以下、「管状釣り竿」)である。
管状釣り竿の具体例としては、渓流竿(対象魚;山女、岩魚、はや等)、鮎竿(対象魚;鮎)、へら竿(対象魚;へら鮒)、ルアー釣り用の釣り竿等を挙げることができる。
ルアー釣り用の釣り竿の具体例としては、例えば、スピニングリール用ロッド、ルアーのベイトキャスティングリール用ロッドとして用いられるルアーロッド、スピニング・ベイト、またフライフィッシング用ロッドとして用いられるフライロッド等を挙げることができる。
例えば、ワカサギ釣りにおけるような穴釣りや、ボートや遊漁船上での釣りにおいては、釣り人の一人当たりの占有スペースが極めて狭いので、一般的な管状釣り竿を使用すると、竿同士がぶつかったり、釣り糸が絡んだりするトラブルが生じがちであった。。
このようなトラブルを避けるべく、釣り人は、自分専用の小型の釣り竿を自作する場合も多かった。
【0003】
[特許文献1〜特開平10−276626号公報]
特開平10−276626号公報には、釣り竿の穂先部を、ステンレス鋼、又は、リン青銅製の板体で形成し、先端方向に向けて徐々に幅細であると共に、部材の表裏両面を先端方向に向かって徐々に薄く形成し、穂先部の基部厚みに対して先端厚みを5分の1〜30の1の範囲に形成したことを特徴とする技術が開示されている。
従来の技術における釣り竿の穂先は、竹を穂先状に切削加工したり、ソリッドなグラスファイバーを切削加工したものが一般的であるが、復元性や嫋(たお)やかさに難があるために、使用時におけるアタリがとりにくく、製品そのものの小型化も困難であった。
特開平10−276626号公報に開示されている釣り竿の穂先部は、このような従来の技術における問題点を解消し、小型化を実現し、初心者であってもアタリを極めてとり易く、携帯性も発揮するものであった。
【0004】
釣り竿の性能の一つとして、『調子』がある。
『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point)に至る相対的な位置をいう。
KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。
先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。
中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
【0005】
[特許文献2〜特開2007−167037号公報]
特開2007−167037号公報には、捩れ難い穂先竿を備えた釣り竿が開示されている。
同公報に開示されている釣り竿の穂先竿10は、円柱部(10a及び10b)と補強部(30又は40)を含んで構成される。
円柱部の形状については、円柱状の周面の少なくとも一部に平面部領域10aを有する。
円柱部の素材について、超弾性合金又は超弾性樹脂によって形成される。
補強部の形状については、平面部領域10aの平面部と平行であって、且つ、円柱部の中心を通る平面に沿って側面に連続的に取着されている。
同公報の原記載における「中立軸X」なる語は、平面部領域10aの平面部と平行であって、且つ、円柱部の中心を通る平面を意味する。
補強部の素材の物性については、円柱部(超弾性合金又は超弾性樹脂)よりも曲げ剛性が大きい。
このような発明特定事項を採用することにより、釣り竿が捩れにくいという作用効果を奏する。
特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「発明の奏する作用効果」を、図49に一覧表として整理した。
本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を、図50〜51に一覧表として整理した。
図50から明らかなように、特許文献2における「補強部」は、対応する本願発明における「板部」と比較すると、釣り竿の基本構造を幅方向に貫通して横断しておらず、側面に「取着」されている点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。
図51から明らかなように、特許文献2における「円柱部」は縦長であるのとは対照的に、対応する本願発明における「板部」は横長である点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。
図50と図51から明らかなように、「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−276626号公報
【特許文献2】特開2007−167037号公報
【0007】
[従来の技術における問題点〜1]
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
[従来の技術における問題点〜2]
伝統的な管状の釣り竿では、釣り竿の製造者は、一旦製造してしまった釣り竿の『調子』については、微妙にチューン・アップすることは困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、上記した従来の技術における問題点に鑑み、多くの試行錯誤の過程で多くの鋭意検討を行ないつつ、研究開発を推進した結果、完成に到達した。本願発明が解決しようとする課題を以下に挙げる。
【0009】
[発明が解決しようとする課題〜1]
一旦購入してしまった釣り竿であっても、購入者が、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することである。
【0010】
[発明が解決しようとする課題〜2]
一旦製造してしまった釣り竿であったも、その『調子』について微妙にチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することである。
【0011】
[発明が解決しようとする課題〜3]
捩れ防止機能を付加した釣り竿を提供することである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の作用効果を以下に挙げる。
【0013】
[発明の効果〜1]
一旦購入してしまった釣り竿であっても、購入者が、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することができる。
【0014】
[発明の効果〜2]
一旦製造してしまった釣り竿であったも、その『調子』について微妙にチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することができる。
【0015】
[発明の効果〜3]
捩れ防止機能を付加した釣り竿を提供することができる。
【0016】
[発明の効果〜4]
本願発明に係る釣り竿においては、柔軟性又は可撓性を有する板部が、剛直性又は剛性を有する畝部を、構造的に撓みやすくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部が、柔軟性又は可撓性を有する板部を、構造的に撓みにくくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部と、柔軟性又は可撓性を有する板部が、相互に拮抗しながら、最適の「調子」を発現するという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、板部が、釣り竿全体を捩れにくくするという作用効果を奏する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本出願に係る発明は、以下の「特許請求の範囲」における「請求項1」乃至「請求項112」に記載した事項により特定される。
[特許請求の範囲]
[請求項1]
板部(1a)と畝部(1b)を含んで構成される熱可塑性樹脂を含んでなる釣り竿。
[請求項2]
熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載した釣り竿。
[請求項3]
芳香族ポリカーボネートが、化学構造式(I)で示される芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする請求項2に記載した釣り竿。
【化1】
(化学構造式(I)において、重合度nは、50乃至200)
[請求項4]
板部(1a)と畝部(1b)が一体成形されたものである、
請求項1乃至3の何れかに記載した釣り竿。
[請求項5] 数式(5)で算出される畝部体積比VR[%]が、
1 ≦ VR[%] ≦ 90
であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した釣り竿。
【数4】
(数式(5)において、
Vrは、畝部の体積(mm3)、
Vfは、板部の体積(mm3)、
Vtは、合計体積(mm3)、
VR[%]は、畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)である。)
[請求項6] 数式(5)で算出される畝部体積比VR[%]が、
1 ≦ VR[%] ≦ 90
であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した釣り竿。
【数5】
(数式(1)において、p%は、評価位置、即ち、断面積を評価する相対的な位置、
Lは、畝/板構造部の長さ(絶対値)であって、
「板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)」の場合には、「L=L1b」であり、
「畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)」の場合には、「L=L1a」であり、
Lmは、畝部の始点から断面積を評価する位置までの距離(絶対値)、
数式(2)において、
AR(p%)[%]は、畝部断面積比、即ち、評価位置p%における合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)、
Af(p%)は、評価位置p%における板部の断面積(mm2)、
Ar(p%)は、評価位置p%における畝部の断面積(mm2)、
At(p%)は、評価位置p%における合計断面積(mm2)、
数式(3)及び数式(4)において、
Vrは、畝部の体積(mm3)、
Vfは、板部の体積(mm3)、
Vtは、合計体積(mm3)、
Psは、評価開始点、即ち、畝/板構造の開始点、即ち、p%=0%の位置、
Peは、評価終了点、即ち、畝/板構造の終了点、即ち、p%=100%の位置、
数式(5)において、
VR[%]は、畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)である。)
[請求項7] 数式(6)で算出される畝部長比LR[%]が、
50 ≦ LR[%] ≦ 200
である特性を具備した請求項1乃至6の何れかに記載した釣り竿。
【数6】
(数式(6)において、LR[%]は、畝部長比、即ち、板部の長さを基準とした畝部の長さの相対比(%)、
L1aは、板部の長さ(絶対値)、
L1bは、畝部の長さ(絶対値)である。)
[請求項8]
少なくとも一つの板部(1a)と、少なくとも一つの畝部(1b)を含んで構成される釣り竿。
[請求項9]
板部(1a)が、畝部(1b)の土台たる平面的な形状を有することを特徴とする請求項1乃至8に記載した釣り竿。
[請求項10]
畝部(1b)が、土台たる板部(1a)から上方に向かって突出した形状を有することを特徴とする請求項1乃至9に記載した釣り竿。
[請求項11]
剛直性又は剛性を有する畝部(1b)と、柔軟性又は可撓性を有する板部(1a)とを、相互に拮抗せしめることにより、剛直性又は剛性と、柔軟性又は可撓性をバランスさせた、調子を発現する機能を発揮することを特徴とする請求項1乃至10に記載した釣り竿。
【0018】
[用語「畝部」の意義]
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「うね」とは、漢字では「畝」又は「畦」と記載され、「畑に作物を植えつけるため、間隔をおいて土を高く盛り上げ、筋をなした所。」又は「山脈・波などの小高く連なったところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語は、広辞苑における「うね」の定義になぞらえれば、「平面的な部分から上方に向かって小高く盛り上げて長手方向に連続的に筋をなしたところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語は、例えば、熱可塑性プラスチックを射出成形法等により、釣り竿として一体成形した場合において、成形品の形状の平面的な部分から上方に向かって突出した部分を包含する。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語における「畝」は、英語で表記すると、「rib」(織物における畝)、又は、「ridge」(畑又は織物における畝)である。
本願発明に係る釣り竿においては、畝部がリブとなって、柔軟性又は可撓性の板部を、構造的に折れ曲がりにくするという作用効果を奏する。
【0019】
[用語「板部」の意義]
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「いた」とは、漢字では「板」と記載され、「材木を薄く平たくひきわったもの。」又は「金属や石などを薄く平たくしたもの。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語は、広辞苑における「いた」の定義になぞらえれば、「長手方向に連続的に平面的な部分が連なったところであって、畝部の土台部としての役割を担うところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語は、例えば、熱可塑性プラスチックを射出成形法等により、釣り竿として一体成形した場合において、成形品の形状の平面的な部分であって畝部の土台となる部分を包含する。
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「いた」とは、漢字では「板」と記載され、「材木を薄く平たくひきわったもの。」又は「金属や石などを薄く平たくしたもの。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語における「板」は、英語で表記すると、「board」、「plate」、「flat board」、「flat plate」又は「flat」である。
【0020】
本願発明に係る釣り竿においては、柔軟性又は可撓性を有する板部が、剛直性又は剛性を有する畝部を、構造的に撓みやすくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部が、柔軟性又は可撓性を有する板部を、構造的に撓みにくくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部と、柔軟性又は可撓性を有する板部が、相互に拮抗しながら、最適の「調子」を発現するという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、板部が、釣り竿全体を捩れにくくするという作用効果を奏する。
【0021】
以下に、願書に添付した図面に基づき、本願発明に係る釣り竿の発明の外延、発明の特定事項、発明の好ましい形態、発明の作用効果について説明する。
【0022】
[図1]
図1に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』を示した。
本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の始点(開始点)と終点(終了点)を示した。
(A)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』である。
(B)畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』である。
Ps;畝/板構造の始点
p% ;評価位置
L ;畝/板構造の長さ
L1a;板部の長さ
L1b;畝部の長さ
Lm ;断面積を評価する位置までの距離
【0023】
[図2]
図2に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部と板部の厚みと幅の測定方法の概念を示した。
[厚みの測定]
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfm ; 板部厚み測定位置
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TFm ; 測定位置における板部の厚み
wrs ; 畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wrm ; 畝部厚み測定位置
wre ; 畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TRm ; 測定位置における畝部の厚み
[幅の測定]
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfm ; 板部幅測定位置
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WFm ; 測定位置における板部の幅
trs ; 畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
trm ; 畝部幅測定位置
tre ; 畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WRm ; 測定位置における畝部の幅
【0024】
[図3]
図3に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造」における板部と畝部の平均厚みの概念を示した。
ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)
ΣTRm 畝部の厚みの積分値(mm2)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
板部の厚みの積分値(ΣTFm)は、以下の数式(i)で表される。
畝部の厚みの積分値(ΣTRm)は、以下の数式(ii)で表される。
板部平均厚み(TFave)は、以下の数式(iii)で表される。
畝部平均厚み(TRave)は、以下の数式(iv)で表される。
【数7】
【0025】
[図4]
図4に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均幅の概念を示した。
ΣWFm 板部の幅の積分値(mm2)
ΣWRm 畝部の幅の積分値(mm2)
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
板部の幅の積分値(ΣWFm)は、以下の数式(v)で表される。
畝部の幅の積分値(ΣWRm)は、以下の数式(vi)で表される。
板部平均幅(WFave)は、以下の数式(vii)で表される。
畝部平均幅(WRave)は、以下の数式(viii)で表される。
【数8】
【0026】
[図5] 図に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の平均幅の概念と、板部の形状を規定するパラメーターを示した。
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における、板部の形状を規定するパラメーターは、数式(ix)又は、数式(x)で表される。
【数9】
【0027】
[図6]
図6に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部の断面形状の具体例を示した。
[凡例] 斜線を付加した部分;板部(1a)
斜線を付加していない部分;畝部(1b)
【0028】
[図7]
図7に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の断面形状の具体例を示した。
[凡例] 斜線を付加していない部分;板部(1a)
斜線を付加している部分;畝部(1b)
【0029】
[図8]
図8に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、『芯/鞘構造』の態様を示した。
(A)芯(コア)部は、釣り竿である。
釣り竿については、斜線を付加した部分が、2つの板部(1a−1、1a−2)と、斜線を付加していない部分が、畝部(1b)である。
(B)鞘(シェル)部は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)である。
(C)芯/鞘(コア/シェル)構造を有する釣り竿を示した。
斜線を付加した部分は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)のカバー又はケースである。
【0030】
[図9]
図9に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の製作例を示した。
(1)が板部であり、(2)が畝部である。
板部と畝部を接合(接着・融着・溶接・締結・嵌合・一体成形等)する。
【0031】
[図10]
図10に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の曲げ特性を示した。
(1)曲げ効果先調子・剛性大、(2)曲げ効果根本調子・剛性小、(3)曲げ効果中調子(剛性中)の態様を示した。
剛性とは、単位変位を生じさせるための外力の大きさである。
Fを外力、kを剛性、δを変位とすると、式「F=kδ」が成り立つ。
【0032】
[図11]
図11に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部及び/又は板部の厚さを調整することにより釣り竿の調子又は剛性を調整する方法を示した。
例えば、畝/板構造における畝部、及び/又は、板部の厚さ、及び/又は、幅を、鉋(かんな)、鑢(やすり)、カッター等で切削することにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
また、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、盛り上げすることにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
「盛り上げ」は、例えば、2液硬化型エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化前の液体状態で盛り付けたり、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を溶融状態で盛り付けたりして、盛り上げることができる。
【0033】
[図12]
図12に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の幅と畝部の幅が同じ場合における板部と畝部の境界の概念を示した。
【0034】
[図13]
図13に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、ツーピース嵌合構造の態様を示した。斜線を付加した部分が板部(1a)であり、斜線を付加していない部分が畝部(1b)である。
指物細工又は寄木細工のように、畝部と板部をスライド構造や嵌合構造により接合する。
畝部を交換することにより、剛性を大・中・小と変更することができる。
【0035】
[図14]
図14に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の主要部を示した。
穂先部(1c)とは、畝部(1b)が途切れた板部(1a)のみで構成される先端部、又は、板部(1a)が途切れた畝部(1b)のみで構成される先端部を意味する。
【0036】
[図15]
図15に、本願発明に係る釣り竿の構造を示した。
釣り竿(100)は、板部(1a)、及び、畝部(1b)を含んで構成される。
場合により、さらに、ジョイント部(2)、ガイド取付部(3)を、さらに、含んで構成される。
【0037】
[図16]
図16に、釣り竿の『調子』の意義について示した。
釣り竿の『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point))に至る相対的な位置をいう。
KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。
先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。
中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
然るに、本願発明に係る釣り竿は、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、切削及び/又は盛上することにより、『調子』を微妙に調整することが可能である。
「盛上」は、2液硬化型エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化前の液体状態で盛り付けたり、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を溶融状態で盛り付けたりして、盛り上げることができる。
【0038】
[図17]
図17に、釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、湾曲指数(CR)を示した。
湾曲指数の算出式(A)において、
rmは穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径、r0は支点〜錘負荷点間距離であって、200mmである。
湾曲指数(CR)は、下記の数式(A)で表される。
【数10】
【0039】
[図18]
図18に、釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、撓み角θを示した。
撓み角正接(tanθ)は、下記の数式(B)で表される。
撓み角(θ)は、下記の数式(C)で表される。
【数11】
【0040】
[図19]
図19に、釣り竿の『調子』の評価方法のイメージを示した。
図19において、支点〜錘負荷点間距離は(r0)は、200mmである。
錘負荷点には、荷重20gの錘を負荷する。
【0041】
[図20]
図20に、釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。
中調子(胴調子)においては、曲率半径r2=81.1mm、湾曲指数CR2=0.406であった。
【0042】
[図21]
図21に、釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。
荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子ではtanθ1=0.563、中調子(胴調子)ではtanθ2=0.865であった。
【0043】
[図22]
図22に、釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。
根本(手元調子)においては、r3=81.1mm、湾曲指数CR3=0.781であった。
【0044】
[図23]
図23に、釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。
荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。
先調子と根本(手元調子)の例を示した。
先調子ではtanθ1=0.563、根本(手元調子)ではtanθ3=1.374であった。
【0045】
[図24]
図24に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の形状を規定する諸元を示した。
諸元は、以下のとおりである。
L0 釣り竿の長さ
L1a 板部の長さ
L2 ジョイント部の長さ
L1b 畝部の長さ
L1c 穂先部の長さ
W1a 板部の幅
W1b 畝部の幅
W2 ジョイント部の幅
1a 板部
T1a 板部の厚さ
T1b 畝部の厚さ
T2 ジョイント部の厚さ
畝部長比(LR[%])は、下記の数式(6)で表される。
【数12】
本願発明において、畝部長比(LR[%])は、特に制限されるものではないが、一般的には、LR[%]=100〜10(即ち、100≧LR[%]≧10)が好ましく、LR[%]=100〜20(即ち、100≧LR[%]≧20)がより好ましく、LR[%]=100〜30(即ち、100≧LR[%]≧30)が更に好ましい。
【0046】
[図25]
図25に、『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。
個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』となる。
【0047】
[図26]
図26に、『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。
個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』となる。
【0048】
[図27]
図27に本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)の計算式(式(1))を示した。
式(1)における記号は、次のとおりである。
p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置)
Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値)
L 畝/板構造部の長さ(絶対値)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a
Ps 評価始点(畝/板構造の始点 ; p%=0%)
Pe 評価終点(畝/板構造の終点 ; p%=100%)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
評価位置(p[%])は、下記の数式(1)で表される。
【数13】
【0049】
[図28]
図28に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
【0050】
[図29]
図29に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
評価位置「p[%]=0」のときの畝部の輪郭と板部の輪郭を点線で示した。
評価位置「p[%]=100」のときの畝部の輪郭と板部の輪郭を点線で示した。
【0051】
[図30]
図30に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部断面積比ARの計算式(式(2))を示した。
式(2)における記号は、次のとおりである。
Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)
Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)
At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)
AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における
合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
畝部断面積比(AR[%])は、下記の数式(2)で表される。
【数14】
【0052】
[図31]
図31に、『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。
x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【0053】
[図32]
図32に、『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。
x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【0054】
[図33]
図33に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VR(式(3)〜式(5))の計算式を示した。
式(3)〜式(5)における記号は、次のとおりである。
Vr 畝部の体積(mm3)
Vf 板部の体積(mm3)
Vt 合計体積(mm3)
VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)
畝部の体積(Vr[mm3])は、下記の数式(3)で表される。
板部の体積(Vf[mm3])は、下記の数式(4)で表される。
畝部体積比(VR[%])は、下記の数式(5)で表される。
【数15】
【0055】
[図34]
図34に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VRの概念を示した。
x軸は畝/板構造部の長さ(L)、y軸は断面積[mm2]である。
【0056】
[図35]
図35に、実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の6面図を示した。
ポリカーボネートは、化学式(I)で示されるものを使用した。
ポリカーボネートとしては、市販されているポリカーボネート樹脂であるノバレックス7025L1(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、レンズグレード、MVR=10、MFR=10、粘度平均分子量23500〜23600、フェノール性水酸基0.4eq/ton)と、ノバレックスS−3000R(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、低粘度グレード、メルトボリューム=12〜19、流れ値(Q値)=5〜12、粘度平均分子量31000〜38000)を、重量比1:1で混合して使用した。
化学式(I)で示される芳香族ポリカーボネートの繰り返し単位の分子量は254(C=16個、O=3個、H=14個)であるので、化学式(I)及び化学式(II)における重合度nは、平均分子量の値を、254で除した数となる。
すなわち、粘度平均分子量=23500〜23600の値に基づけば、重合度nは、n=92.5〜92.9である。
また、粘度平均分子量=31000〜38000の値に基づけば、重合度nは、n=122.0〜149.6である。
本願発明において、重合度nは、特に制限されるものではないが、射出成形時における芳香族ポリカーボネートの溶融流動性を考慮すると、一般的には、n=50〜200が好ましく、n=70〜180がより好ましく、n=80〜160が更に好ましい。
【化3】
ポリカーボネートの重合反応を化学式(II)に示した。
【化4】
【0057】
[図36]
図36に、実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【0058】
[図37]
図37に、実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機の基本構造を示した。
図37の記号は次のとおりである。
1 加熱シリンダー
2 射出スクリュー
3 保持シリンダー
4 供給口
5 ベント口
6 ホッパー
11 加圧ポート
【0059】
[図38]
図38に、実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機と金型の基本構造を示した。
図38の記号は次のとおりである。
12 ゲート
【0060】
[図39]
図39に、実施例1の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した金型の基本構造を示した。
13 型キャビティ部
14 排出口
15 貯槽
【0061】
[図40]
図40に、実施例1の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
実施例1においては、(A)〜(C)の全ての段階において、溶融樹脂の流れが良く、流れが一貫して層流となり、乱流となり、マーブル状のウェルドラインが全く発生しなかった。
ウェルドラインが発生しないので、強度に均一性であり、応力集中が発生しにくい。
【0062】
[図41] 図41に、実施例1の射出成形物(ポリカーボネート一体成形物)と金型のゲート位置を示した。
【0063】
[図42]
図42に、実施例2で使用した金型の基本構造を示した。
【0064】
[図43]
図43に、実施例2の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
実施例2においては、(B)の段階において、溶融樹脂の流れが悪く、流れが層流とならずに、乱流となり、マーブル状のウェルドラインが発生した。
ウェルドラインが発生すると、強度に不均一性が生じ、力学的に弱い箇所に応力集中が発生する場合があり好ましくない。
【0065】
[図44]
図44に、実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
表1に実施例1と実施例3の畝部断面積比AR[%]を示した。
表2に実施例1と実施例3の畝部体積比VR[%]を示した。
【表1】
【表2】
【0066】
[図45]
図45に、実施例1及び実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【0067】
[図46]
図46に、実施例1で作成した釣り竿と、釣り竿にに取り付けることができるガイドとガイド固定具を示した。
【0068】
[図47]
図47に、実施例1で作成した釣り竿に、ガイド固定具でガイドを取り付けた状態を示した。
【0069】
[図48]
図48に、ガイドを取り付けた釣り竿を、電動リールに装着した状態を示した。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』を示した。本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の始点(開始点)と終点(終了点)を示した。(A)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』である。(B)畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』である。Ps;畝/板構造の始点p%;評価位置L;畝/板構造の長さL1a;板部の長さL1b;畝部の長さLm;断面積を評価する位置までの距離
【図2】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部と板部の厚みと幅の測定方法の概念を示した。[厚みの測定]T1a;板部の厚み(最大厚み)T1b;畝部の厚み(最大厚み)wfs;板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wfm;板部厚み測定位置wfe;板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)TFm;測定位置における板部の厚みwrs;畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wrm;畝部厚み測定位置wre;畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)TRm;測定位置における畝部の厚み[幅の測定]W1a;板部の幅(最大幅)W1b;畝部の幅(最大幅)tfs;板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)tfm;板部幅測定位置tfe;板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)WFm;測定位置における板部の幅trs;畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)trm;畝部幅測定位置tre;畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)WRm;測定位置における畝部の幅
【図3】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均厚みの概念を示した。ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)ΣTRm 畝部の厚みの積分値(mm2)TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)W1a;板部の幅(最大幅)W1b;畝部の幅(最大幅)wfs;板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wfe;板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
【図4】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均幅の概念を示した。ΣWFm 板部の幅の積分値(mm2)ΣWRm 畝部の幅の積分値(mm2)WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)T1a;板部の厚み(最大厚み)T1b;畝部の厚み(最大厚み)tfs;板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)tfe;板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
【図5】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の平均幅の概念と、板部の形状を規定するパラメーターを示した。WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)WRave畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
【図6】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部の断面形状の具体例を示した。[凡例]斜線を付加した部分;板部(1a) 斜線を付加していない部分;畝部(1b)
【図7】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の断面形状の具体例を示した。[凡例]斜線を付加していない部分;板部(1a) 斜線を付加している部分;畝部(1b)
【図8】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、『芯/鞘構造』の態様を示した。(A)芯(コア)部は、釣り竿である。釣り竿については、斜線を付加した部分が、2つの板部(1a−1、1a−2)と、斜線を付加していない部分が、畝部(1b)である。(B)鞘(シェル)部は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)である。(C)芯/鞘(コア/シェル)構造を有する釣り竿を示した。斜線を付加した部分は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)のカバー又はケースである。
【図9】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の製作例を示した。(1)が板部であり、(2)が畝部である。板部と畝部を接合(接着・融着・溶接・締結・嵌合・一体成形等)する。
【図10】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の曲げ特性を示した。(1)曲げ効果先調子・剛性大、(2)曲げ効果根本調子・剛性小、(3)曲げ効果中調子(剛性中)の態様を示した。剛性とは、単位変位を生じさせるための外力の大きさである。Fを外力、kを剛性、δを変位とすると、式「F=kδ」が成り立つ。
【図11】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部及び/又は板部の厚さを調整することにより釣り竿の調子又は剛性を調整する方法を示した。例えば、畝/板構造における畝部、及び/又は、板部の厚さ、及び/又は、幅を、鉋(かんな)、鑢(やすり)、カッター等で切削することにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
【図12】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の幅と畝部の幅が同じ場合における板部と畝部の境界の概念を示した。
【図13】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、ツーピース嵌合構造の態様を示した。斜線を付加した部分が板部(1a)であり、斜線を付加していない部分が畝部(1b)である。指物細工又は寄木細工のように、畝部と板部をスライド構造や嵌合構造により接合する。畝部を交換することにより、剛性を大・中・小と変更することができる。
【図14】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の主要部を示した。穂先部(1c)とは、畝部(1b)が途切れた板部(1a)のみで構成される先端部、又は、板部(1a)が途切れた畝部(1b)のみで構成される先端部を意味する。
【図15】本願発明に係る釣り竿の構造を示した。釣り竿(100)は、板部(1a)、及び、畝部(1b)を含んで構成される。場合により、さらに、ジョイント部(2)、ガイド取付部(3)を、さらに、含んで構成される。
【図16】釣り竿の『調子』の意義について示した。釣り竿の『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point))に至る相対的な位置をいう。KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。然るに、本願発明に係る釣り竿は、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を切削することにより、『調子』を微妙に調整することが可能である。
【図17】釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、湾曲指数(CR)を示した。湾曲指数の算出式(A)において、rmは穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径、r0は支点〜錘負荷点間距離であって、200mmである。
【図18】釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、撓み角θを示した。
【図19】釣り竿の『調子』の評価方法のイメージを示した。
【図20】釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。中調子(胴調子)においては、曲率半径r2=81.1mm、湾曲指数CR2=0.406であった。
【図21】釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子ではtanθ1=0.563、中調子(胴調子)ではtanθ2=0.865であった。
【図22】釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。根本(手元調子)においては、r3=81.1mm、湾曲指数CR3=0.781であった。
【図23】釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。先調子と根本(手元調子)の例を示した。先調子ではtanθ1=0.563、根本(手元調子)ではtanθ3=1.374であった。
【図24】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の形状を規定する諸元を示した。諸元は、以下のとおりである。L0 釣り竿の長さ L1a 板部の長さ L2 ジョイント部の長さ L1b 畝部の長さ L1c 穂先部の長さ W1a 板部の幅 W1b 畝部の幅 W2 ジョイント部の幅 1a 板部 T1a 板部の厚さ T1b 畝部の厚さ T2 ジョイント部の厚さ
【図25】『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』となる。
【図26】『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』となる。
【図27】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)の計算式(式(1))を示した。式(1)における記号は、次のとおりである。p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置) Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値) L 畝/板構造部の長さ(絶対値) 板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b 畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a Ps 評価始点(畝/板構造の始点;p%=0%) Pe 評価終点(畝/板構造の終点;p%=100%)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点 畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
【図28】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
【図29】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
【図30】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部断面積比ARの計算式(式(2))を示した。式(2)における記号は、次のとおりである。Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
【図31】『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【図32】『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【図33】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VR(式(3)〜式(5))の計算式を示した。式(3)〜式(5)における記号は、次のとおりである。Vr 畝部の体積(mm3)Vf 板部の体積(mm3)Vt 合計体積(mm3)VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)
【図34】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VRの概念を示した。x軸は畝/板構造部の長さ(L)、y軸は断面積[mm2]である。
【図35】実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の6面図を示した。
【図36】実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図37】実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機の基本構造を示した。図37の記号は次のとおりである。1加熱シリンダー2射出スクリュー3保持シリンダー4供給口5ベント口6ホッパー11 加圧ポート
【図38】実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機と金型の基本構造を示した。図38の記号は次のとおりである。1加熱シリンダー2射出スクリュー3保持シリンダー4供給口5ベント口6ホッパー11 加圧ポート12 ゲート
【図39】実施例1の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した金型の基本構造を示した。13 型キャビティ部14排出口15 貯槽
【図40】実施例1の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。(A)成形サイクル初期(B)成形サイクル中期(C)成形サイクル終期
【図41】実施例1の射出成形物と金型のゲート位置を示した。
【図42】実施例2で使用した金型の基本構造を示した。
【図43】実施例2の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。(A)成形サイクル初期(B)成形サイクル中期(C)成形サイクル終期
【図44】実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図45】実施例1及び実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図46】実施例1で作成した釣り竿と、釣り竿にに取り付けることができるガイドとガイド固定具を示した。
【図47】実施例1で作成した釣り竿に、ガイド固定具でガイドを取り付けた状態を示した。
【図48】ガイドを取り付けた釣り竿を、電動リールに装着した状態を示した。
【図49】特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「発明の奏する作用効果」を、一覧表として整理した。
【図50】本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を一覧表として整理した。特許文献2における「補強部」は、対応する本願発明における「板部」と比較すると、釣り竿の基本構造を幅方向に貫通して横断しておらず、側面に「取着」されている点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【図51】本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を一覧表として整理した。特許文献2における「円柱部」は縦長であるのとは対照的に、対応する本願発明における「板部」は横長である点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【符号の説明】
【0071】
[釣り竿の構造]
100 釣り竿
1a 板部
1b 畝部
2 ジョイント部
3 ガイド取付部
PS ; 畝/板構造の始点
p% ; 評価位置
L ; 畝/板構造の長さ
L1a; 板部の長さ
L1b; 畝部の長さ
Lm ; 断面積を評価する位置までの距離
[厚みの測定]
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfm ; 板部厚み測定位置
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TFm ; 測定位置における板部の厚み
wrs ; 畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wrm ; 畝部厚み測定位置
wre ; 畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TRm ; 測定位置における畝部の厚み
[幅の測定]
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfm ; 板部幅測定位置
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WFm ; 測定位置における板部の幅
trs ; 畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
trm ; 畝部幅測定位置
tre ; 畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WRm ; 測定位置における畝
[平均厚み]
ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
[平均幅]
ΣWFm 畝部の幅の積分値(mm2)
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部厚み方向始点)
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部厚み方向終点)
[湾曲指数]
CR ; 湾曲指数
rm ; 穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径
r0 ; 支点〜錘負荷点間距離(例;200mm)
[釣り竿の形状を規定する諸元]
L0 釣り竿の長さ
L1a 板部の長さ
L2 ジョイント部の長さ
L1b 畝部の長さ
L1c 穂先部の長さ
W1a 板部の幅
W1b 畝部の幅
W2 ジョイント部の幅
1a 板部
T1a 板部の厚さ
T1b 畝部の厚さ
T2 ジョイント部の厚さ
[断面積の評価]
p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置)
Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値)
L 畝/板構造部の長さ(絶対値)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a
Ps 評価始点(畝/板構造の始点 ; p%=0%)
Pe 評価終点(畝/板構造の終点 ; p%=100%)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
[畝部断面積比の評価]
Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)
Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)
At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)
AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における
合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
[畝部断体積比の評価]
Vr 畝部の体積(mm3)
Vf 板部の体積(mm3)
Vt 合計体積(mm3)
VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の
体積の相対比(%)
[射出成形機と金型]
1 加熱シリンダー
2 射出スクリュー
3 保持シリンダー
4 供給口
5 ベント口
6 ホッパー
11 加圧ポート
12 ゲート
13 型キャビティ部
14 排出口
15 貯槽
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
【技術分野】
【0001】
本出願に係る発明は、釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、洋上、河川、湖沼池等における釣りで使用される一般的な釣り竿は、少なくとも一部が中空の管状、又は、パイプ状の釣り竿(以下、「管状釣り竿」)である。
管状釣り竿の具体例としては、渓流竿(対象魚;山女、岩魚、はや等)、鮎竿(対象魚;鮎)、へら竿(対象魚;へら鮒)、ルアー釣り用の釣り竿等を挙げることができる。
ルアー釣り用の釣り竿の具体例としては、例えば、スピニングリール用ロッド、ルアーのベイトキャスティングリール用ロッドとして用いられるルアーロッド、スピニング・ベイト、またフライフィッシング用ロッドとして用いられるフライロッド等を挙げることができる。
例えば、ワカサギ釣りにおけるような穴釣りや、ボートや遊漁船上での釣りにおいては、釣り人の一人当たりの占有スペースが極めて狭いので、一般的な管状釣り竿を使用すると、竿同士がぶつかったり、釣り糸が絡んだりするトラブルが生じがちであった。。
このようなトラブルを避けるべく、釣り人は、自分専用の小型の釣り竿を自作する場合も多かった。
【0003】
[特許文献1〜特開平10−276626号公報]
特開平10−276626号公報には、釣り竿の穂先部を、ステンレス鋼、又は、リン青銅製の板体で形成し、先端方向に向けて徐々に幅細であると共に、部材の表裏両面を先端方向に向かって徐々に薄く形成し、穂先部の基部厚みに対して先端厚みを5分の1〜30の1の範囲に形成したことを特徴とする技術が開示されている。
従来の技術における釣り竿の穂先は、竹を穂先状に切削加工したり、ソリッドなグラスファイバーを切削加工したものが一般的であるが、復元性や嫋(たお)やかさに難があるために、使用時におけるアタリがとりにくく、製品そのものの小型化も困難であった。
特開平10−276626号公報に開示されている釣り竿の穂先部は、このような従来の技術における問題点を解消し、小型化を実現し、初心者であってもアタリを極めてとり易く、携帯性も発揮するものであった。
【0004】
釣り竿の性能の一つとして、『調子』がある。
『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point)に至る相対的な位置をいう。
KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。
先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。
中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
【0005】
[特許文献2〜特開2007−167037号公報]
特開2007−167037号公報には、捩れ難い穂先竿を備えた釣り竿が開示されている。
同公報に開示されている釣り竿の穂先竿10は、円柱部(10a及び10b)と補強部(30又は40)を含んで構成される。
円柱部の形状については、円柱状の周面の少なくとも一部に平面部領域10aを有する。
円柱部の素材について、超弾性合金又は超弾性樹脂によって形成される。
補強部の形状については、平面部領域10aの平面部と平行であって、且つ、円柱部の中心を通る平面に沿って側面に連続的に取着されている。
同公報の原記載における「中立軸X」なる語は、平面部領域10aの平面部と平行であって、且つ、円柱部の中心を通る平面を意味する。
補強部の素材の物性については、円柱部(超弾性合金又は超弾性樹脂)よりも曲げ剛性が大きい。
このような発明特定事項を採用することにより、釣り竿が捩れにくいという作用効果を奏する。
特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「発明の奏する作用効果」を、図49に一覧表として整理した。
本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を、図50〜51に一覧表として整理した。
図50から明らかなように、特許文献2における「補強部」は、対応する本願発明における「板部」と比較すると、釣り竿の基本構造を幅方向に貫通して横断しておらず、側面に「取着」されている点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。
図51から明らかなように、特許文献2における「円柱部」は縦長であるのとは対照的に、対応する本願発明における「板部」は横長である点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。
図50と図51から明らかなように、「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−276626号公報
【特許文献2】特開2007−167037号公報
【0007】
[従来の技術における問題点〜1]
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
[従来の技術における問題点〜2]
伝統的な管状の釣り竿では、釣り竿の製造者は、一旦製造してしまった釣り竿の『調子』については、微妙にチューン・アップすることは困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、上記した従来の技術における問題点に鑑み、多くの試行錯誤の過程で多くの鋭意検討を行ないつつ、研究開発を推進した結果、完成に到達した。本願発明が解決しようとする課題を以下に挙げる。
【0009】
[発明が解決しようとする課題〜1]
一旦購入してしまった釣り竿であっても、購入者が、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することである。
【0010】
[発明が解決しようとする課題〜2]
一旦製造してしまった釣り竿であったも、その『調子』について微妙にチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することである。
【0011】
[発明が解決しようとする課題〜3]
捩れ防止機能を付加した釣り竿を提供することである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の作用効果を以下に挙げる。
【0013】
[発明の効果〜1]
一旦購入してしまった釣り竿であっても、購入者が、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することができる。
【0014】
[発明の効果〜2]
一旦製造してしまった釣り竿であったも、その『調子』について微妙にチューン・アップすることが可能な釣り竿を提供することができる。
【0015】
[発明の効果〜3]
捩れ防止機能を付加した釣り竿を提供することができる。
【0016】
[発明の効果〜4]
本願発明に係る釣り竿においては、柔軟性又は可撓性を有する板部が、剛直性又は剛性を有する畝部を、構造的に撓みやすくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部が、柔軟性又は可撓性を有する板部を、構造的に撓みにくくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部と、柔軟性又は可撓性を有する板部が、相互に拮抗しながら、最適の「調子」を発現するという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、板部が、釣り竿全体を捩れにくくするという作用効果を奏する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本出願に係る発明は、以下の「特許請求の範囲」における「請求項1」乃至「請求項112」に記載した事項により特定される。
[特許請求の範囲]
[請求項1]
板部(1a)と畝部(1b)を含んで構成される熱可塑性樹脂を含んでなる釣り竿。
[請求項2]
熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載した釣り竿。
[請求項3]
芳香族ポリカーボネートが、化学構造式(I)で示される芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする請求項2に記載した釣り竿。
【化1】
(化学構造式(I)において、重合度nは、50乃至200)
[請求項4]
板部(1a)と畝部(1b)が一体成形されたものである、
請求項1乃至3の何れかに記載した釣り竿。
[請求項5] 数式(5)で算出される畝部体積比VR[%]が、
1 ≦ VR[%] ≦ 90
であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した釣り竿。
【数4】
(数式(5)において、
Vrは、畝部の体積(mm3)、
Vfは、板部の体積(mm3)、
Vtは、合計体積(mm3)、
VR[%]は、畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)である。)
[請求項6] 数式(5)で算出される畝部体積比VR[%]が、
1 ≦ VR[%] ≦ 90
であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した釣り竿。
【数5】
(数式(1)において、p%は、評価位置、即ち、断面積を評価する相対的な位置、
Lは、畝/板構造部の長さ(絶対値)であって、
「板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)」の場合には、「L=L1b」であり、
「畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)」の場合には、「L=L1a」であり、
Lmは、畝部の始点から断面積を評価する位置までの距離(絶対値)、
数式(2)において、
AR(p%)[%]は、畝部断面積比、即ち、評価位置p%における合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)、
Af(p%)は、評価位置p%における板部の断面積(mm2)、
Ar(p%)は、評価位置p%における畝部の断面積(mm2)、
At(p%)は、評価位置p%における合計断面積(mm2)、
数式(3)及び数式(4)において、
Vrは、畝部の体積(mm3)、
Vfは、板部の体積(mm3)、
Vtは、合計体積(mm3)、
Psは、評価開始点、即ち、畝/板構造の開始点、即ち、p%=0%の位置、
Peは、評価終了点、即ち、畝/板構造の終了点、即ち、p%=100%の位置、
数式(5)において、
VR[%]は、畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)である。)
[請求項7] 数式(6)で算出される畝部長比LR[%]が、
50 ≦ LR[%] ≦ 200
である特性を具備した請求項1乃至6の何れかに記載した釣り竿。
【数6】
(数式(6)において、LR[%]は、畝部長比、即ち、板部の長さを基準とした畝部の長さの相対比(%)、
L1aは、板部の長さ(絶対値)、
L1bは、畝部の長さ(絶対値)である。)
[請求項8]
少なくとも一つの板部(1a)と、少なくとも一つの畝部(1b)を含んで構成される釣り竿。
[請求項9]
板部(1a)が、畝部(1b)の土台たる平面的な形状を有することを特徴とする請求項1乃至8に記載した釣り竿。
[請求項10]
畝部(1b)が、土台たる板部(1a)から上方に向かって突出した形状を有することを特徴とする請求項1乃至9に記載した釣り竿。
[請求項11]
剛直性又は剛性を有する畝部(1b)と、柔軟性又は可撓性を有する板部(1a)とを、相互に拮抗せしめることにより、剛直性又は剛性と、柔軟性又は可撓性をバランスさせた、調子を発現する機能を発揮することを特徴とする請求項1乃至10に記載した釣り竿。
【0018】
[用語「畝部」の意義]
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「うね」とは、漢字では「畝」又は「畦」と記載され、「畑に作物を植えつけるため、間隔をおいて土を高く盛り上げ、筋をなした所。」又は「山脈・波などの小高く連なったところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語は、広辞苑における「うね」の定義になぞらえれば、「平面的な部分から上方に向かって小高く盛り上げて長手方向に連続的に筋をなしたところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語は、例えば、熱可塑性プラスチックを射出成形法等により、釣り竿として一体成形した場合において、成形品の形状の平面的な部分から上方に向かって突出した部分を包含する。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「畝部」なる用語における「畝」は、英語で表記すると、「rib」(織物における畝)、又は、「ridge」(畑又は織物における畝)である。
本願発明に係る釣り竿においては、畝部がリブとなって、柔軟性又は可撓性の板部を、構造的に折れ曲がりにくするという作用効果を奏する。
【0019】
[用語「板部」の意義]
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「いた」とは、漢字では「板」と記載され、「材木を薄く平たくひきわったもの。」又は「金属や石などを薄く平たくしたもの。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語は、広辞苑における「いた」の定義になぞらえれば、「長手方向に連続的に平面的な部分が連なったところであって、畝部の土台部としての役割を担うところ。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語は、例えば、熱可塑性プラスチックを射出成形法等により、釣り竿として一体成形した場合において、成形品の形状の平面的な部分であって畝部の土台となる部分を包含する。
広辞苑第四版(1991年11月15日 第4版第1刷発行、岩波書店)によれば、「いた」とは、漢字では「板」と記載され、「材木を薄く平たくひきわったもの。」又は「金属や石などを薄く平たくしたもの。」という意味である。
本出願の特許請求の範囲、明細書、及び、図面において使用する「板部」なる用語における「板」は、英語で表記すると、「board」、「plate」、「flat board」、「flat plate」又は「flat」である。
【0020】
本願発明に係る釣り竿においては、柔軟性又は可撓性を有する板部が、剛直性又は剛性を有する畝部を、構造的に撓みやすくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部が、柔軟性又は可撓性を有する板部を、構造的に撓みにくくするという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、剛直性又は剛性を有する畝部と、柔軟性又は可撓性を有する板部が、相互に拮抗しながら、最適の「調子」を発現するという作用効果を奏する。
本願発明に係る釣り竿においては、板部が、釣り竿全体を捩れにくくするという作用効果を奏する。
【0021】
以下に、願書に添付した図面に基づき、本願発明に係る釣り竿の発明の外延、発明の特定事項、発明の好ましい形態、発明の作用効果について説明する。
【0022】
[図1]
図1に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』を示した。
本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の始点(開始点)と終点(終了点)を示した。
(A)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』である。
(B)畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』である。
Ps;畝/板構造の始点
p% ;評価位置
L ;畝/板構造の長さ
L1a;板部の長さ
L1b;畝部の長さ
Lm ;断面積を評価する位置までの距離
【0023】
[図2]
図2に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部と板部の厚みと幅の測定方法の概念を示した。
[厚みの測定]
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfm ; 板部厚み測定位置
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TFm ; 測定位置における板部の厚み
wrs ; 畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wrm ; 畝部厚み測定位置
wre ; 畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TRm ; 測定位置における畝部の厚み
[幅の測定]
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfm ; 板部幅測定位置
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WFm ; 測定位置における板部の幅
trs ; 畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
trm ; 畝部幅測定位置
tre ; 畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WRm ; 測定位置における畝部の幅
【0024】
[図3]
図3に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造」における板部と畝部の平均厚みの概念を示した。
ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)
ΣTRm 畝部の厚みの積分値(mm2)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
板部の厚みの積分値(ΣTFm)は、以下の数式(i)で表される。
畝部の厚みの積分値(ΣTRm)は、以下の数式(ii)で表される。
板部平均厚み(TFave)は、以下の数式(iii)で表される。
畝部平均厚み(TRave)は、以下の数式(iv)で表される。
【数7】
【0025】
[図4]
図4に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均幅の概念を示した。
ΣWFm 板部の幅の積分値(mm2)
ΣWRm 畝部の幅の積分値(mm2)
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
板部の幅の積分値(ΣWFm)は、以下の数式(v)で表される。
畝部の幅の積分値(ΣWRm)は、以下の数式(vi)で表される。
板部平均幅(WFave)は、以下の数式(vii)で表される。
畝部平均幅(WRave)は、以下の数式(viii)で表される。
【数8】
【0026】
[図5] 図に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の平均幅の概念と、板部の形状を規定するパラメーターを示した。
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における、板部の形状を規定するパラメーターは、数式(ix)又は、数式(x)で表される。
【数9】
【0027】
[図6]
図6に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部の断面形状の具体例を示した。
[凡例] 斜線を付加した部分;板部(1a)
斜線を付加していない部分;畝部(1b)
【0028】
[図7]
図7に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の断面形状の具体例を示した。
[凡例] 斜線を付加していない部分;板部(1a)
斜線を付加している部分;畝部(1b)
【0029】
[図8]
図8に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、『芯/鞘構造』の態様を示した。
(A)芯(コア)部は、釣り竿である。
釣り竿については、斜線を付加した部分が、2つの板部(1a−1、1a−2)と、斜線を付加していない部分が、畝部(1b)である。
(B)鞘(シェル)部は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)である。
(C)芯/鞘(コア/シェル)構造を有する釣り竿を示した。
斜線を付加した部分は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)のカバー又はケースである。
【0030】
[図9]
図9に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の製作例を示した。
(1)が板部であり、(2)が畝部である。
板部と畝部を接合(接着・融着・溶接・締結・嵌合・一体成形等)する。
【0031】
[図10]
図10に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の曲げ特性を示した。
(1)曲げ効果先調子・剛性大、(2)曲げ効果根本調子・剛性小、(3)曲げ効果中調子(剛性中)の態様を示した。
剛性とは、単位変位を生じさせるための外力の大きさである。
Fを外力、kを剛性、δを変位とすると、式「F=kδ」が成り立つ。
【0032】
[図11]
図11に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部及び/又は板部の厚さを調整することにより釣り竿の調子又は剛性を調整する方法を示した。
例えば、畝/板構造における畝部、及び/又は、板部の厚さ、及び/又は、幅を、鉋(かんな)、鑢(やすり)、カッター等で切削することにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
また、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、盛り上げすることにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
「盛り上げ」は、例えば、2液硬化型エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化前の液体状態で盛り付けたり、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を溶融状態で盛り付けたりして、盛り上げることができる。
【0033】
[図12]
図12に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の幅と畝部の幅が同じ場合における板部と畝部の境界の概念を示した。
【0034】
[図13]
図13に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、ツーピース嵌合構造の態様を示した。斜線を付加した部分が板部(1a)であり、斜線を付加していない部分が畝部(1b)である。
指物細工又は寄木細工のように、畝部と板部をスライド構造や嵌合構造により接合する。
畝部を交換することにより、剛性を大・中・小と変更することができる。
【0035】
[図14]
図14に、本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の主要部を示した。
穂先部(1c)とは、畝部(1b)が途切れた板部(1a)のみで構成される先端部、又は、板部(1a)が途切れた畝部(1b)のみで構成される先端部を意味する。
【0036】
[図15]
図15に、本願発明に係る釣り竿の構造を示した。
釣り竿(100)は、板部(1a)、及び、畝部(1b)を含んで構成される。
場合により、さらに、ジョイント部(2)、ガイド取付部(3)を、さらに、含んで構成される。
【0037】
[図16]
図16に、釣り竿の『調子』の意義について示した。
釣り竿の『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point))に至る相対的な位置をいう。
KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。
先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。
中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。
伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。
然るに、本願発明に係る釣り竿は、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を、切削及び/又は盛上することにより、『調子』を微妙に調整することが可能である。
「盛上」は、2液硬化型エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化前の液体状態で盛り付けたり、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を溶融状態で盛り付けたりして、盛り上げることができる。
【0038】
[図17]
図17に、釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、湾曲指数(CR)を示した。
湾曲指数の算出式(A)において、
rmは穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径、r0は支点〜錘負荷点間距離であって、200mmである。
湾曲指数(CR)は、下記の数式(A)で表される。
【数10】
【0039】
[図18]
図18に、釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、撓み角θを示した。
撓み角正接(tanθ)は、下記の数式(B)で表される。
撓み角(θ)は、下記の数式(C)で表される。
【数11】
【0040】
[図19]
図19に、釣り竿の『調子』の評価方法のイメージを示した。
図19において、支点〜錘負荷点間距離は(r0)は、200mmである。
錘負荷点には、荷重20gの錘を負荷する。
【0041】
[図20]
図20に、釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。
中調子(胴調子)においては、曲率半径r2=81.1mm、湾曲指数CR2=0.406であった。
【0042】
[図21]
図21に、釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。
荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子ではtanθ1=0.563、中調子(胴調子)ではtanθ2=0.865であった。
【0043】
[図22]
図22に、釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。
先調子と中調子(胴調子)の例を示した。
先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。
根本(手元調子)においては、r3=81.1mm、湾曲指数CR3=0.781であった。
【0044】
[図23]
図23に、釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。
荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。
先調子と根本(手元調子)の例を示した。
先調子ではtanθ1=0.563、根本(手元調子)ではtanθ3=1.374であった。
【0045】
[図24]
図24に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の形状を規定する諸元を示した。
諸元は、以下のとおりである。
L0 釣り竿の長さ
L1a 板部の長さ
L2 ジョイント部の長さ
L1b 畝部の長さ
L1c 穂先部の長さ
W1a 板部の幅
W1b 畝部の幅
W2 ジョイント部の幅
1a 板部
T1a 板部の厚さ
T1b 畝部の厚さ
T2 ジョイント部の厚さ
畝部長比(LR[%])は、下記の数式(6)で表される。
【数12】
本願発明において、畝部長比(LR[%])は、特に制限されるものではないが、一般的には、LR[%]=100〜10(即ち、100≧LR[%]≧10)が好ましく、LR[%]=100〜20(即ち、100≧LR[%]≧20)がより好ましく、LR[%]=100〜30(即ち、100≧LR[%]≧30)が更に好ましい。
【0046】
[図25]
図25に、『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。
個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』となる。
【0047】
[図26]
図26に、『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。
個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』となる。
【0048】
[図27]
図27に本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)の計算式(式(1))を示した。
式(1)における記号は、次のとおりである。
p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置)
Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値)
L 畝/板構造部の長さ(絶対値)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a
Ps 評価始点(畝/板構造の始点 ; p%=0%)
Pe 評価終点(畝/板構造の終点 ; p%=100%)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
評価位置(p[%])は、下記の数式(1)で表される。
【数13】
【0049】
[図28]
図28に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
【0050】
[図29]
図29に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
評価位置「p[%]=0」のときの畝部の輪郭と板部の輪郭を点線で示した。
評価位置「p[%]=100」のときの畝部の輪郭と板部の輪郭を点線で示した。
【0051】
[図30]
図30に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部断面積比ARの計算式(式(2))を示した。
式(2)における記号は、次のとおりである。
Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)
Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)
At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)
AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における
合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
畝部断面積比(AR[%])は、下記の数式(2)で表される。
【数14】
【0052】
[図31]
図31に、『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。
x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【0053】
[図32]
図32に、『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。
x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【0054】
[図33]
図33に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VR(式(3)〜式(5))の計算式を示した。
式(3)〜式(5)における記号は、次のとおりである。
Vr 畝部の体積(mm3)
Vf 板部の体積(mm3)
Vt 合計体積(mm3)
VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)
畝部の体積(Vr[mm3])は、下記の数式(3)で表される。
板部の体積(Vf[mm3])は、下記の数式(4)で表される。
畝部体積比(VR[%])は、下記の数式(5)で表される。
【数15】
【0055】
[図34]
図34に、本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VRの概念を示した。
x軸は畝/板構造部の長さ(L)、y軸は断面積[mm2]である。
【0056】
[図35]
図35に、実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の6面図を示した。
ポリカーボネートは、化学式(I)で示されるものを使用した。
ポリカーボネートとしては、市販されているポリカーボネート樹脂であるノバレックス7025L1(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、レンズグレード、MVR=10、MFR=10、粘度平均分子量23500〜23600、フェノール性水酸基0.4eq/ton)と、ノバレックスS−3000R(登録商標、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、低粘度グレード、メルトボリューム=12〜19、流れ値(Q値)=5〜12、粘度平均分子量31000〜38000)を、重量比1:1で混合して使用した。
化学式(I)で示される芳香族ポリカーボネートの繰り返し単位の分子量は254(C=16個、O=3個、H=14個)であるので、化学式(I)及び化学式(II)における重合度nは、平均分子量の値を、254で除した数となる。
すなわち、粘度平均分子量=23500〜23600の値に基づけば、重合度nは、n=92.5〜92.9である。
また、粘度平均分子量=31000〜38000の値に基づけば、重合度nは、n=122.0〜149.6である。
本願発明において、重合度nは、特に制限されるものではないが、射出成形時における芳香族ポリカーボネートの溶融流動性を考慮すると、一般的には、n=50〜200が好ましく、n=70〜180がより好ましく、n=80〜160が更に好ましい。
【化3】
ポリカーボネートの重合反応を化学式(II)に示した。
【化4】
【0057】
[図36]
図36に、実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【0058】
[図37]
図37に、実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機の基本構造を示した。
図37の記号は次のとおりである。
1 加熱シリンダー
2 射出スクリュー
3 保持シリンダー
4 供給口
5 ベント口
6 ホッパー
11 加圧ポート
【0059】
[図38]
図38に、実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機と金型の基本構造を示した。
図38の記号は次のとおりである。
12 ゲート
【0060】
[図39]
図39に、実施例1の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した金型の基本構造を示した。
13 型キャビティ部
14 排出口
15 貯槽
【0061】
[図40]
図40に、実施例1の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
実施例1においては、(A)〜(C)の全ての段階において、溶融樹脂の流れが良く、流れが一貫して層流となり、乱流となり、マーブル状のウェルドラインが全く発生しなかった。
ウェルドラインが発生しないので、強度に均一性であり、応力集中が発生しにくい。
【0062】
[図41] 図41に、実施例1の射出成形物(ポリカーボネート一体成形物)と金型のゲート位置を示した。
【0063】
[図42]
図42に、実施例2で使用した金型の基本構造を示した。
【0064】
[図43]
図43に、実施例2の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
実施例2においては、(B)の段階において、溶融樹脂の流れが悪く、流れが層流とならずに、乱流となり、マーブル状のウェルドラインが発生した。
ウェルドラインが発生すると、強度に不均一性が生じ、力学的に弱い箇所に応力集中が発生する場合があり好ましくない。
【0065】
[図44]
図44に、実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
表1に実施例1と実施例3の畝部断面積比AR[%]を示した。
表2に実施例1と実施例3の畝部体積比VR[%]を示した。
【表1】
【表2】
【0066】
[図45]
図45に、実施例1及び実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【0067】
[図46]
図46に、実施例1で作成した釣り竿と、釣り竿にに取り付けることができるガイドとガイド固定具を示した。
【0068】
[図47]
図47に、実施例1で作成した釣り竿に、ガイド固定具でガイドを取り付けた状態を示した。
【0069】
[図48]
図48に、ガイドを取り付けた釣り竿を、電動リールに装着した状態を示した。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』を示した。本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の始点(開始点)と終点(終了点)を示した。(A)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』である。(B)畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合には、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』である。Ps;畝/板構造の始点p%;評価位置L;畝/板構造の長さL1a;板部の長さL1b;畝部の長さLm;断面積を評価する位置までの距離
【図2】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部と板部の厚みと幅の測定方法の概念を示した。[厚みの測定]T1a;板部の厚み(最大厚み)T1b;畝部の厚み(最大厚み)wfs;板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wfm;板部厚み測定位置wfe;板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)TFm;測定位置における板部の厚みwrs;畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wrm;畝部厚み測定位置wre;畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)TRm;測定位置における畝部の厚み[幅の測定]W1a;板部の幅(最大幅)W1b;畝部の幅(最大幅)tfs;板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)tfm;板部幅測定位置tfe;板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)WFm;測定位置における板部の幅trs;畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)trm;畝部幅測定位置tre;畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)WRm;測定位置における畝部の幅
【図3】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均厚みの概念を示した。ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)ΣTRm 畝部の厚みの積分値(mm2)TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)W1a;板部の幅(最大幅)W1b;畝部の幅(最大幅)wfs;板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)wfe;板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
【図4】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部と畝部の平均幅の概念を示した。ΣWFm 板部の幅の積分値(mm2)ΣWRm 畝部の幅の積分値(mm2)WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)T1a;板部の厚み(最大厚み)T1b;畝部の厚み(最大厚み)tfs;板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)tfe;板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
【図5】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の平均幅の概念と、板部の形状を規定するパラメーターを示した。WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)WRave畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
【図6】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部の断面形状の具体例を示した。[凡例]斜線を付加した部分;板部(1a) 斜線を付加していない部分;畝部(1b)
【図7】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の断面形状の具体例を示した。[凡例]斜線を付加していない部分;板部(1a) 斜線を付加している部分;畝部(1b)
【図8】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、『芯/鞘構造』の態様を示した。(A)芯(コア)部は、釣り竿である。釣り竿については、斜線を付加した部分が、2つの板部(1a−1、1a−2)と、斜線を付加していない部分が、畝部(1b)である。(B)鞘(シェル)部は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)である。(C)芯/鞘(コア/シェル)構造を有する釣り竿を示した。斜線を付加した部分は、可撓性又は屈曲性を有する管状部材(ゴム管、ホース管等)のカバー又はケースである。
【図9】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の製作例を示した。(1)が板部であり、(2)が畝部である。板部と畝部を接合(接着・融着・溶接・締結・嵌合・一体成形等)する。
【図10】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の曲げ特性を示した。(1)曲げ効果先調子・剛性大、(2)曲げ効果根本調子・剛性小、(3)曲げ効果中調子(剛性中)の態様を示した。剛性とは、単位変位を生じさせるための外力の大きさである。Fを外力、kを剛性、δを変位とすると、式「F=kδ」が成り立つ。
【図11】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における畝部及び/又は板部の厚さを調整することにより釣り竿の調子又は剛性を調整する方法を示した。例えば、畝/板構造における畝部、及び/又は、板部の厚さ、及び/又は、幅を、鉋(かんな)、鑢(やすり)、カッター等で切削することにより、釣り竿の調子又は剛性を調整することができる。
【図12】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における板部の幅と畝部の幅が同じ場合における板部と畝部の境界の概念を示した。
【図13】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』における断面形状の具体例のうち、ツーピース嵌合構造の態様を示した。斜線を付加した部分が板部(1a)であり、斜線を付加していない部分が畝部(1b)である。指物細工又は寄木細工のように、畝部と板部をスライド構造や嵌合構造により接合する。畝部を交換することにより、剛性を大・中・小と変更することができる。
【図14】本願発明に係る釣り竿の基本構造たる『畝/板構造』の主要部を示した。穂先部(1c)とは、畝部(1b)が途切れた板部(1a)のみで構成される先端部、又は、板部(1a)が途切れた畝部(1b)のみで構成される先端部を意味する。
【図15】本願発明に係る釣り竿の構造を示した。釣り竿(100)は、板部(1a)、及び、畝部(1b)を含んで構成される。場合により、さらに、ジョイント部(2)、ガイド取付部(3)を、さらに、含んで構成される。
【図16】釣り竿の『調子』の意義について示した。釣り竿の『調子』とは、釣り竿の穂先に重量を負荷した際に、手元側から、釣り竿が最も撓る点(KP、キック・ポイント(kick point)、ベンド・ポイント(bend point))に至る相対的な位置をいう。KPが手元に近いければ『手元調子(元調子)』、穂先(ヘッド)に近ければ『先調子』、手元と穂先の中間にあれば『中調子(胴調子)』という。先調子(LK/ローキックポイント)の釣り竿は『当たり(アタリ、魚が釣り餌を啄む反応)』を捉えやすく、手元調子(HK/ハイキックポイント)の釣り竿は『釣り応え(釣り針に引っ掛かった魚を釣り上げるまでの反応)を捉えやすく、それぞれ、釣り人の趣向により選択される。中調子(胴調子、MK/ミドルキックポイント)は、最も多い汎用的なタイプである。伝統的な管状の釣り竿では、一旦購入してしまった釣り竿の『調子』については、購入者は、自身の趣向に沿ってチューン・アップすることは困難であった。然るに、本願発明に係る釣り竿は、畝/板構造を有しているために、畝部及び/又は板部について、厚さ及び/又は幅を切削することにより、『調子』を微妙に調整することが可能である。
【図17】釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、湾曲指数(CR)を示した。湾曲指数の算出式(A)において、rmは穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径、r0は支点〜錘負荷点間距離であって、200mmである。
【図18】釣り竿の『調子』の評価方法の一つとして、撓み角θを示した。
【図19】釣り竿の『調子』の評価方法のイメージを示した。
【図20】釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。中調子(胴調子)においては、曲率半径r2=81.1mm、湾曲指数CR2=0.406であった。
【図21】釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子ではtanθ1=0.563、中調子(胴調子)ではtanθ2=0.865であった。
【図22】釣り竿の『調子』の湾曲指数(CR)を評価するイメージを示した。先調子と中調子(胴調子)の例を示した。先調子においては、曲率半径r1=52.2mm、湾曲指数CR1=0.261であった。根本(手元調子)においては、r3=81.1mm、湾曲指数CR3=0.781であった。
【図23】釣り竿の『調子』の撓み角θを評価するイメージを示した。荷重20g、荷重を負荷する距離箇所の距離20mmで評価した。先調子と根本(手元調子)の例を示した。先調子ではtanθ1=0.563、根本(手元調子)ではtanθ3=1.374であった。
【図24】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の形状を規定する諸元を示した。諸元は、以下のとおりである。L0 釣り竿の長さ L1a 板部の長さ L2 ジョイント部の長さ L1b 畝部の長さ L1c 穂先部の長さ W1a 板部の幅 W1b 畝部の幅 W2 ジョイント部の幅 1a 板部 T1a 板部の厚さ T1b 畝部の厚さ T2 ジョイント部の厚さ
【図25】『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1b(畝部の長さ)』となる。
【図26】『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)を示した。個の場合、『L(畝/板構造部の長さ)=L1a(板部の長さ)』となる。
【図27】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の断面積を評価する位置(p%)の計算式(式(1))を示した。式(1)における記号は、次のとおりである。p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置) Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値) L 畝/板構造部の長さ(絶対値) 板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b 畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a Ps 評価始点(畝/板構造の始点;p%=0%) Pe 評価終点(畝/板構造の終点;p%=100%)板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点 畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
【図28】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。Af(p%)は板部断面積、Ar(p%)は畝部断面積、At(p%)は全部断面積である。
【図29】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の評価位置p%における板部と畝部の断面積の概念を示した。
【図30】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部断面積比ARの計算式(式(2))を示した。式(2)における記号は、次のとおりである。Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
【図31】『板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【図32】『畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)』の場合における本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部面積比ARの概念を示した。x軸は板部の長さ(L1a)[mm]、y軸は断面積[mm2]である。
【図33】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VR(式(3)〜式(5))の計算式を示した。式(3)〜式(5)における記号は、次のとおりである。Vr 畝部の体積(mm3)Vf 板部の体積(mm3)Vt 合計体積(mm3)VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の体積の相対比(%)
【図34】本願発明に係る『畝/板構造』を有する釣り竿の畝部体積比VRの概念を示した。x軸は畝/板構造部の長さ(L)、y軸は断面積[mm2]である。
【図35】実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の6面図を示した。
【図36】実施例1で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図37】実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機の基本構造を示した。図37の記号は次のとおりである。1加熱シリンダー2射出スクリュー3保持シリンダー4供給口5ベント口6ホッパー11 加圧ポート
【図38】実施例1及び実施例2の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した射出成形機と金型の基本構造を示した。図38の記号は次のとおりである。1加熱シリンダー2射出スクリュー3保持シリンダー4供給口5ベント口6ホッパー11 加圧ポート12 ゲート
【図39】実施例1の芳香族ポリカーボネート製の釣り竿を成形する際に使用した金型の基本構造を示した。13 型キャビティ部14排出口15 貯槽
【図40】実施例1の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。(A)成形サイクル初期(B)成形サイクル中期(C)成形サイクル終期
【図41】実施例1の射出成形物と金型のゲート位置を示した。
【図42】実施例2で使用した金型の基本構造を示した。
【図43】実施例2の射出成形における溶融樹脂の流れを示した。(A)成形サイクル初期(B)成形サイクル中期(C)成形サイクル終期
【図44】実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図45】実施例1及び実施例3で作成した芳香族ポリカーボネート製の釣り竿の断面積の分布図を示した。
【図46】実施例1で作成した釣り竿と、釣り竿にに取り付けることができるガイドとガイド固定具を示した。
【図47】実施例1で作成した釣り竿に、ガイド固定具でガイドを取り付けた状態を示した。
【図48】ガイドを取り付けた釣り竿を、電動リールに装着した状態を示した。
【図49】特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「発明の奏する作用効果」を、一覧表として整理した。
【図50】本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を一覧表として整理した。特許文献2における「補強部」は、対応する本願発明における「板部」と比較すると、釣り竿の基本構造を幅方向に貫通して横断しておらず、側面に「取着」されている点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【図51】本願発明と特許文献2に係る発明の「発明特定事項」と「作用効果」の比較対照を一覧表として整理した。特許文献2における「円柱部」は縦長であるのとは対照的に、対応する本願発明における「板部」は横長である点で、本願発明と特許文献2は、大きく相違する。「発明の奏する作用効果」については、本願発明については、釣り竿の「調子」の調整を容易にすることができる点で極めてユニークである。
【符号の説明】
【0071】
[釣り竿の構造]
100 釣り竿
1a 板部
1b 畝部
2 ジョイント部
3 ガイド取付部
PS ; 畝/板構造の始点
p% ; 評価位置
L ; 畝/板構造の長さ
L1a; 板部の長さ
L1b; 畝部の長さ
Lm ; 断面積を評価する位置までの距離
[厚みの測定]
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfm ; 板部厚み測定位置
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TFm ; 測定位置における板部の厚み
wrs ; 畝部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wrm ; 畝部厚み測定位置
wre ; 畝部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
TRm ; 測定位置における畝部の厚み
[幅の測定]
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
tfm ; 板部幅測定位置
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WFm ; 測定位置における板部の幅
trs ; 畝部幅測定開始位置(板部幅方向始点)
trm ; 畝部幅測定位置
tre ; 畝部幅測定終了位置(板部幅方向終点)
WRm ; 測定位置における畝
[平均厚み]
ΣTFm 板部の厚みの積分値(mm2)
TFave 板部平均厚み(mm)、即ち、板部の厚みの平均値(mm)
TRave 畝部平均厚み(mm)、即ち、畝部の厚みの平均値(mm)
W1a ; 板部の幅(最大幅)
W1b ; 畝部の幅(最大幅)
wfs ; 板部厚み測定開始位置(板部幅方向始点)
wfe ; 板部厚み測定終了位置(板部幅方向終点)
[平均幅]
ΣWFm 畝部の幅の積分値(mm2)
WFave 板部平均幅(mm)、即ち、板部の幅の平均値(mm)
WRave 畝部平均幅(mm)、即ち、畝部の幅の平均値(mm)
T1a ; 板部の厚み(最大厚み)
T1b ; 畝部の厚み(最大厚み)
tfs ; 板部幅測定開始位置(板部厚み方向始点)
tfe ; 板部幅測定終了位置(板部厚み方向終点)
[湾曲指数]
CR ; 湾曲指数
rm ; 穂先の湾曲に適合する円弧の曲率半径
r0 ; 支点〜錘負荷点間距離(例;200mm)
[釣り竿の形状を規定する諸元]
L0 釣り竿の長さ
L1a 板部の長さ
L2 ジョイント部の長さ
L1b 畝部の長さ
L1c 穂先部の長さ
W1a 板部の幅
W1b 畝部の幅
W2 ジョイント部の幅
1a 板部
T1a 板部の厚さ
T1b 畝部の厚さ
T2 ジョイント部の厚さ
[断面積の評価]
p% 評価位置(断面積を評価する相対的な位置)
Lm 断面積を評価する位置までの距離(絶対値)
L 畝/板構造部の長さ(絶対値)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;L=L1b
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;L=L1a
Ps 評価始点(畝/板構造の始点 ; p%=0%)
Pe 評価終点(畝/板構造の終点 ; p%=100%)
板部の長さ(L1a)≧畝部の長さ(L1b)の場合;畝部の終点
畝部の長さ(L1b)>板部の長さ(L1a)の場合;板部の終点
[畝部断面積比の評価]
Ar(p%) 評価位置p%における畝部の断面積(mm2)
Af(p%) 評価位置p%における板部の断面積(mm2)
At(p%) 評価位置p%における合計断面積(mm2)
AR(p%) 畝部断面積比、即ち、評価位置p%における
合計断面積に占める畝部の断面積の相対比(%)
[畝部断体積比の評価]
Vr 畝部の体積(mm3)
Vf 板部の体積(mm3)
Vt 合計体積(mm3)
VR 畝部体積比、即ち、合計体積に占める畝部の
体積の相対比(%)
[射出成形機と金型]
1 加熱シリンダー
2 射出スクリュー
3 保持シリンダー
4 供給口
5 ベント口
6 ホッパー
11 加圧ポート
12 ゲート
13 型キャビティ部
14 排出口
15 貯槽
(A)成形サイクル初期
(B)成形サイクル中期
(C)成形サイクル終期
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板部(1a)と畝部(1b)を含んで構成される熱可塑性樹脂を含んでなる釣り竿。
【請求項2】
熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載した釣り竿。
【請求項3】
芳香族ポリカーボネートが、化学構造式(I)で示される芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする請求項2に記載した釣り竿。
【化1】
(化学構造式(I)において、重合度nは、50乃至200)
【請求項4】
板部(1a)と畝部(1b)が一体成形されたものである、
請求項1乃至3の何れかに記載した釣り竿。
【請求項1】
板部(1a)と畝部(1b)を含んで構成される熱可塑性樹脂を含んでなる釣り竿。
【請求項2】
熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載した釣り竿。
【請求項3】
芳香族ポリカーボネートが、化学構造式(I)で示される芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする請求項2に記載した釣り竿。
【化1】
(化学構造式(I)において、重合度nは、50乃至200)
【請求項4】
板部(1a)と畝部(1b)が一体成形されたものである、
請求項1乃至3の何れかに記載した釣り竿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【公開番号】特開2011−97942(P2011−97942A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261748(P2010−261748)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2009−275027(P2009−275027)の分割
【原出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(308012978)有限会社大館精工 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2009−275027(P2009−275027)の分割
【原出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(308012978)有限会社大館精工 (9)
【Fターム(参考)】
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