説明

釣銭支払い装置及び釣銭支払いプログラム

【課題】 釣銭の支払い指示から釣銭受け皿に釣銭が集まるまでの時間を短縮することができ、レジの混雑緩和等に寄与する。
【解決手段】 釣銭支払い装置において、複数枚の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部10と、硬貨を金種別に一時的に収納する複数のバッファ30と、硬貨収納部10からバッファ30まで硬貨を搬送する搬送機構21と、選択したバッファ30から取り出された硬貨を受け取るための釣銭受け皿50と、を備えている。商品の合計金額と予想される複数の受領額から釣銭予測を行い、予測される釣銭額に必要な各硬貨の金種毎の枚数を算出し、算出された枚数に相当する硬貨をバッファ30に収納させる。そして、商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出し、算出した支払額に基づいてバッファを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS(Point Of Sale)端末や電子式キャッシュレジスタ等に接続して使用される釣銭支払い装置及び釣銭支払いプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS端末や電子式キャッシュレジスタには、商品の合計金額と客からの受領額によって釣銭額を算出し、算出した釣銭額を自動的に支払うための釣銭支払い装置が接続されている。
【0003】
この釣銭支払い装置は、1円,5円,10円,50円,100円,500円の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、硬貨収納部から取り出された硬貨を搬送する搬送部と、搬送部により搬送された硬貨を釣銭受け皿等に集める釣銭払い出し部とを有している。そして、POS端末や電子式キャッシュレジスタから釣銭の払出し指令を受けると、硬貨収納部から釣銭額に相当する分の硬貨を1枚ずつ取り出し、取り出した硬貨を搬送部により搬送し、搬送された硬貨を釣銭受け皿に集めるようにしている。
【0004】
しかし、硬貨収納部から硬貨を取り出し、釣銭受け皿まで搬送する排出動作に時間が掛かるため、客から現金を受け取ってから釣銭を支払うまでに時間が掛かるという問題がった。これは、レジの混雑を招く大きな要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−222625号公報
【特許文献2】特開2007−066328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように従来の釣銭支払い装置は、釣銭の支払い指示を受けた後の排出動作に時間が掛かるため、レジの混雑を招く等の問題があった。
【0007】
本発明の一実施形態は、釣銭の支払い指示から釣銭受け皿に釣銭が集まるまでの時間を短縮することができ、レジの混雑緩和等に寄与し得る釣銭支払い装置及び釣銭支払いプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、釣銭支払い装置において、複数枚の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、前記硬貨を金種別に一時的に収納する複数のバッファと、前記硬貨収納部内の硬貨を取り出し、前記各バッファまで搬送する搬送機構と、前記バッファの何れか1つ又は複数個を選択し、選択したバッファから取り出された硬貨を受け取るための釣銭受け皿と、を備えている。商品の合計金額と予想される複数の受領額から釣銭予測を行い、予測される釣銭額に必要な各硬貨の金種毎の枚数を算出し、算出された枚数に相当する硬貨をバッファに収納させる。そして、商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出し、算出した支払額に基づいてバッファを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係わる釣銭支払い装置を示す概略構成図。
【図2】図1の銭支払い装置に用いたバッファ部の構成と硬貨の移動の様子を示す模式図。
【図3】第1の実施形態における基本的な動作を説明するためのフローチャート。
【図4】予想される受領額と必要な各硬貨の枚数との関係を示す図。
【図5】第1の実施形態における具体的な動作を説明するためのフローチャート。
【図6】第2の実施形態における具体的な動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わる釣銭支払い装置を示す概略構成図である。図1(a)は釣銭を受け皿側に移動する場合、図1(b)は釣銭を釣銭収納部側に戻す場合である。なお、図には示さないが、本実施形態の釣銭支払い装置はPOS端末や電子式キャッシュレジスタに接続されている。
【0012】
図中の10は複数種(1円,5円,10円,50円,100円,500円)の硬貨を金種別に収納した硬貨収納部であり、この硬貨収納部10には、例えば硬貨投入口(図示せず)から投入された硬貨が振り分けて収納される。また、硬貨収納部10内の硬貨は、指定された枚数の硬貨が金種別に1枚ずつ取り出されるようになっている。
【0013】
硬貨収納部10内から取り出された硬貨は、ベルトコンベア型の搬送機構21により搬送され、バッファ部30に搬送されるようになっている。バッファ部30は後述するように8つのバッファを有するものであり、各々のバッファに決められた金種の硬貨が一時的に収納されるようになっている。
【0014】
バッファ部30に収納された硬貨は、バッファ部30の8つのバッファの何れかを同時に選択することにより、選択されたバッファ内の硬貨が一括して取り出される。バッファから取り出された各硬貨は、切り替えレバー40の位置により、釣銭受け皿50又は搬送機構22に送られる。そして、釣銭受け皿50に送られた硬貨は、釣銭として支払われる。一方、搬送機構22に送られた硬貨は、硬貨収納部10に戻される。
【0015】
図2は、バッファ部30の構成と硬貨の移動の様子を示す模式図である。
【0016】
バッファ部30は8つのバッファ31〜38からなり、第1のバッファ31には500円玉、第2及び第3のバッファ32,33には100円玉、第4のバッファ34には50円玉、第5及び第6のバッファ34,35には10円玉、第7のバッファ37には5円玉、第8のバッファ38には1円玉が収納されるようになっている。また、各々のバッファ31〜38は底部にシャッターを有し、シャッターを開くことにより収納した硬貨を下部に排出するようになっている。
【0017】
搬送機構21により搬送された硬貨は、図2に示すように金種毎に対応するバッファ31〜38に収納される。例えば、硬貨収納部10から取り出された500円玉はバッファ31に収納され、100円玉は指定された枚数毎にバッファ32,33に振り分けて収納される。硬貨を各バッファ31〜38に振り分ける手段としては、例えば各バッファ31〜38の上部にシャッターを設けておき、搬送機構21により搬送された硬貨に相当するバッファの上部側シャッターを開くようにすればよい。
【0018】
一方、バッファ31〜38に収納された硬貨は、任意のバッファを選択し、選択したバッファの底部側のシャッターを開くことにより、選択したバッファ内の硬貨のみ下方に取り出される。バッファから取り出された硬貨は、切り替えレバー40を前記図1(a)の状態にしておくことにより、釣銭受け皿50に送られる。一方、図1(a)の状態で選択されなかったバッファを、切り替えレバー40を前記図1(b)の状態に切り替えた後に選択することにより、これらのバッファ内の硬貨は搬送機構22に送られ、釣銭収納部10に戻されるようになっている。
【0019】
なお、これらの制御は、コンピュータとその機能を制御するアプリケーションプログラム(釣銭支払いプログラム)とによって実施することができる。この場合、プログラムは、商品の合計金額が確定されたら、該合計金額と予想される複数の受領額から釣銭予測を行い、予測される釣銭額に必要な各硬貨の金種毎の枚数を算出する手順と、搬送機構21を駆動し、算出された枚数に相当する硬貨を硬貨収納部10からバッファ31〜38まで搬送させる手順と、搬送された硬貨を、算出された金種毎の枚数に対応させてバッファ31〜38に収納させる手順と、実際の受領額が確定したら、商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出する手順と、算出された支払額に基づいて、該支払額に対応する硬貨を収納したバッファ31〜38を選択し、該選択したバッファ内の硬貨を釣銭受け皿50に送出させる手順と、をコンピュータに実施させる。
【0020】
次に、本実施形態の基本的な動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0021】
まず、POS端末や電子式キャッシュレジスタにより商品の合計金額が入力されると、例えば商品のスキャンが終了したことをオペレータが入力すると(ステップS1)、釣銭予測を行い(ステップS2)、予測される釣銭額に必要な各硬貨の枚数を算出する(ステップS3:硬貨枚数算出手段)。算出された枚数に相当する硬貨を硬貨収納部10から取り出し、搬送機構21によりバッファ部30まで搬送する(ステップS4)。そして、搬送された硬貨を対応するバッファ31〜38に振り分ける(ステップS5)。
【0022】
例えば、500円玉の場合は、硬貨収納部10に500円玉1枚の取り出し信号を送ると共に、バッファ31に上部シャッター開の信号を送る。即ち、取り出し信号とシャッター開の信号を共用する。これにより、硬貨収納部10から500円玉が取り出され搬送された後に、バッファ31に収納される。100円玉の場合は、硬貨収納部10に100円玉a枚の取り出し信号を送ると共に、バッファ32に上部シャッター開の信号を送る。これにより、硬貨収納部10から100円玉がa枚取り出され搬送された後に、バッファ32に収納される。さらに、硬貨収納部10に100円玉(a−1)枚の取り出し信号を送ると共に、バッファ33に上部シャッター開の信号を送る。これにより、硬貨収納部10から100円玉が(a−1)枚取り出され搬送された後に、バッファ33に収納される。50円玉、10円玉、5円玉、1円玉に関しても同様に行う。
【0023】
各バッファ31〜38への硬貨の収納が終了した状態で、客からの現金の受領額が入力されたら(ステップS6)、商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出する(ステップS7:釣銭支払額算出手段)。算出した支払額に基づいて、支払額に対応する硬貨を収納したバッファを同時に選択する(ステップS8)。即ち、支払額に対応する対応するバッファの底部側シャッターを同時に開く。このとき、レバー40は釣銭受け皿50側にしておく。これにより、選択したバッファから取り出された硬貨が一括して釣銭受け皿50に収容されることになる(ステップS9)。
【0024】
その後は、レバー40を搬送機構22側にし、残りのバッファを選択することにより、釣銭として支払われなかった硬貨を硬貨収納部10に戻す(ステップS10)。
【0025】
このように、商品の合計金額が確定すると、予測される釣銭に必要な硬貨がバッファ31〜38に搬送され収納される。つまり、商品スキャン終了時の合計金額と予想される複数の受領額から事前に釣銭を予測し、客が金銭を出している間に釣銭の排出準備をする。そして、客からの実際の受領額を入力することにより、バッファ31〜38の幾つかが選択され、選択されたバッファから釣銭に必要な硬貨が同時に釣銭受け皿50に送られることになる。
【0026】
次に、本実施形態をより具体的に説明する。
【0027】
例えば、商品の価格が“372円”の場合で説明する。予想される支払額に対する釣銭における必要な各硬貨の枚数は図4に示すようになる。即ち、500円玉は1枚、100円玉は2枚又は1枚、50円玉は1枚、10円玉は3枚又は2枚、5円玉は1枚、1円玉は3枚となる。従って、バッファに必要な部屋は8となる。即ち、500円玉1枚を一時的に収納する第1のバッファ31と、100円玉を一時的に収納する第2及び第3のバッファ32,33と、50円玉1枚を一時的に収納する第4のバッファ34と、10円玉を一時的に収納する第5及び第6のバッファ35,36と、5円玉1枚を一時的に収納する第7のバッファ37と、1円玉を一時的に収納する第8のバッファ38が必要となる。
【0028】
ここで、バッファの数は、以下に説明するように商品の合計金額に関係なく、常に8個で済むことになる。
【0029】
500円玉、50円玉、5円玉に関しては、常に1枚又は0枚であるから、各々1つのバッファでよいのは明らかである。
【0030】
商品の合計金額の100円の位P100 が“0”又は“5”の場合は100円硬貨4枚を収納すればよい。P100 が1〜4の場合は100円硬貨(5−P100 )枚を収納する場合と、それより1枚少ない枚数を収納する場合がある。P100 が6〜9の場合は100円硬貨(10−P100 )枚を収納する場合と、それより1枚少ない枚数を収納する場合がある。即ち、100円玉に関しては、2つのバッファがあればよいことになる。
【0031】
商品の合計金額の10円の位P10 が“0”又は“5”の場合は10円硬貨4枚を収納すればよい。P10 が1〜4の場合は10円硬貨(5−P10 )枚を収納する場合と、それより1枚少ない枚数を収納する場合がある。P10 が6〜9の場合は10円硬貨(10−P10 )枚を収納する場合と、それより1枚少ない枚数を収納する場合がある。即ち、10円玉に関しては、2つのバッファがあればよいことになる。
【0032】
商品の合計金額の1の位P1 が1〜4の場合は1円硬貨(5−P1 )枚を収納し、P1 が6〜9の場合は1円硬貨(10−P1 )枚を収納すればよい。従って、1円玉に関しては、1つのバッファがあればよいことになる。つまり、合計の8つのバッファ31〜3があれば対応できることになる。
【0033】
ここで、単純に各硬貨の枚数別にバッファを用意すると、500円玉、50円玉,5円玉は各1つでよいが、100円玉,10円玉,及び1円玉に関してはそれぞれ4つ必要となり合計で15個となる。本実施形態では、釣銭予測を行い、予測される釣銭に必要な各硬貨の枚数を金種毎に算出することにより、バッファの数を15個から8個へと約半数に減らすことができる。これは、バッファ数の削減と共にバッファ31〜38の設置に必要な容積を減らすことができ、装置コストの低減に寄与することになる。
【0034】
次に、図5のフローチャートを参照して、釣銭支払い動作をより具体的に説明する。
【0035】
まず、商品の金額又は合計金額Pが設定されたら(ステップS11)、500円玉、50円玉、5円玉の各1枚をそれぞれのバッファ31,34,37にセットする(ステップS12)。
【0036】
次いで、合計金額Pの100の位P100 が“0”又は“5”であるか否かを判定し(ステップS13)、“0”又は“5”の場合は、バッファ32に100円玉を4枚セットする(ステップS14)。そうでない場合は、P100 が1〜4であるか否かを判定し(ステップS15)、1〜4の場合はバッファ32に100円玉を(5−P100 )枚セットし(ステップS16)、6〜9の場合は、バッファ32に100円玉を(10−P100 )枚セットする(ステップS17)。また、バッファ33には、P100 が“0”又は“5”でない場合に、バッファ32の収納枚数aとしたとき100円硬貨(a−1)枚を収納する(ステップS18)。
【0037】
次いで、合計金額Pの10の位P10 が“0”又は“5”であるか否かを判定し(ステップS19)、“0”又は“5”の場合は、バッファ35に10円玉を4枚セットする(ステップS20)。そうでない場合は、P10 が1〜4であるか否かを判定し(ステップS21)、1〜4の場合はバッファ35に10円玉を(5−P10 )枚セットし(ステップS22)、6〜9の場合は、バッファ35に10円玉を(10−P10 )枚セットする(ステップS23)。また、バッファ36には、P10 が“0”又は“5”でない場合に、バッファ35の収納枚数bとしたとき10円硬貨(b−1)枚を収納する(ステップS24)。
【0038】
次いで、合計金額Pの1の位P1 が“0”又は“5”であるか否かを判定し(ステップS25)、“0”又は“5”でない場合は、P1 が1〜4であるか否かを判定する(ステップS26)。そして、P1 が1〜4の場合はバッファ38に1円玉を(5−P1 )枚セットし(ステップS27)、そうでない場合はバッファ38に1円玉を(10−P1 )枚セットする(ステップS28)。
【0039】
ここまでのステップで、バッファ31〜38に対する硬貨のセットは終了する。
【0040】
次いで、客からの受領額が入力されたら、合計金額と受領額から釣銭額を算出し、算出された釣銭額の各桁の枚数に対応するバッファ31〜38を同時に選択することにより、釣銭受け皿50に自動的に釣銭が収容されることになる(ステップS29)。
【0041】
このように本実施形態によれば、商品スキャン終了時の合計金額と予想される複数の受領額から事前に釣銭を予測し、客が金銭を出している間に釣銭の排出準備をすることにより、客からの受領額を入力するとほぼ同時に釣銭を用意することができる。これにより、釣銭の支払い指示から釣銭受け皿50に釣銭が集まるまでの時間を短縮することができ、レジの混雑緩和等に寄与することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態を説明するためのもので、バッファ31〜38への硬貨の収納方法を示すフローチャートである。
【0043】
基本的な装置構成は、先に説明した第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略する。
【0044】
本実施形態では、前記図5のフローチャートの各ステップに加え、S25とS26との間に5円玉1枚をバッファ37にセットするステップS61が追加され、S25とS29との間にP10 が“0”であるか否かを判定するステップS62、そうでない場合に50円玉1枚をバッファ34にセットするステップ63が追加されている。そして、S12では500円玉1枚をバッファ31にセットするようになっている。
【0045】
第1の実施形態では、図5のS12で500円玉,50円玉,5円玉を各1枚ずつバッファに収納したが、50円玉,5円玉に関しては予想される釣銭額によっては必要ない場合がある。そこで本実施形態では、バッファ34は、P10 が“0”で且つP1 が“0”または“5”の場合は50円玉を収納せず、バッファ37は、P1 が“0”又は“5”の場合は5円玉を収納しないようにしている。
【0046】
このような構成であっても、先に説明した第1の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のことである。
【0047】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、硬貨の最高額を500円としたが、更なる高額の硬貨が流通される場合にも対応することができる。即ち、前記図4に示した表に更なる高額の硬貨の欄を設けて、釣銭の一時収納に必要なバッファ数を求めることにより、500円よりも高額の硬貨を用いる場合に対応することが可能である。さらに、硬貨は必ずしも“円”に限るものではなく、他の通貨に適用することも可能である。
【0048】
また、硬貨収納部からバッファへの硬貨の搬送機構、搬送された硬貨のバッファへの硬貨の振り分け機構は、特に特徴を有するものではなく、周知の技術を用いればよい。さらに、複数のバッファの配置位置や順番等は前記図2に何ら限定されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。
【0049】
また、前記実施形態は、装置内部の記憶部に発明の機能を実現させる制御プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。或いは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、且つ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10…硬貨収納部
21,22…搬送機構
30…バッファ部
31〜38…バッファ
40…切り替えレバー
50…釣銭受け皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、
前記硬貨を金種別に一時的に収納する複数のバッファと、
前記硬貨収納部内の硬貨を取り出し、前記各バッファまで搬送する搬送機構と、
前記バッファの何れか1つ又は複数個を選択し、選択したバッファから取り出された硬貨を溜めるための釣銭受け皿と、
を具備したことを特徴とする釣銭支払い装置。
【請求項2】
複数の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、
商品の合計金額と予想される複数の受領額から釣銭予測を行い、予測される釣銭額に必要な各硬貨の金種毎の枚数を算出する手段と、
前記算出された枚数に相当する硬貨を前記硬貨収納部から搬送する搬送機構と、
金種別に1又は2個設けられ、前記搬送機構により搬送された硬貨を、前記算出された金種毎の枚数に対応して一時的に収納する複数のバッファと、
前記商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出する手段と、
前記算出された支払額に基づいて、該支払額に対応する硬貨を収納した前記バッファを選択する手段と、
前記選択したバッファから硬貨を取り出された硬貨を溜めるための釣銭受け皿と、
を具備したことを特徴とする釣銭支払い装置。
【請求項3】
前記バッファは、500円玉1枚を収納する第1のバッファと、100円玉を収納する第2及び第3のバッファと、50円玉1枚を収納する第4のバッファと、10円玉を収納する第5及び第6のバッファと、5円玉1枚を収納する第7のバッファと、1円玉を収納する第8のバッファと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣銭支払い装置。
【請求項4】
前記第2のバッファは、前記商品の合計金額の100円の位が“0”又は“5”の場合は100円玉を4枚を収納し、前記100円の位が1から4までの場合は100円玉を数値5から前記100円の位の数値を引いた枚数収納し、前記100円の位が6から9までの場合は100円玉を数値10から前記100円の位の数値を引いた枚数収納し、
前記第3のバッファは、前記100円の位が“0”又は“5”でない場合は100円玉を前記第2のバッファの収納枚数から数値1を引いた枚数収納し、
前記第5のバッファは、前記商品の合計金額の10円の位が“0”又は“5”の場合は10円玉を4枚を収納し、前記10円の位が1から4までの場合は10円玉を数値5から前記10の位の数値を引いた枚数収納し、前記10円の位が6から9までの場合は10円玉を数値10から前記10の位の数値を引いた枚数収納し、
前記第6のバッファは、前記10円の位が“0”又は“5”でない場合は10円玉を前記第5のバッファの収納枚数から数値1を引いた枚数収納し、
前記第8のバッファは、前記商品の合計金額の1円の位が1から4までの場合は1円玉を数値5から前記1円の位の数値を引いた枚数収納し、前記1円の位が6から9までの場合は1円玉を数値10から前記1円の位の数値を引いた枚数収納するものであることを特徴とする請求項3記載の釣銭支払い装置。
【請求項5】
前記第4のバッファは、前記10円の位が“0”で且つ前記1円の位が“0”の場合は、前記50円玉を収納せず、前記第7のバッファは、前記1円の位 が“0”の場合は、前記5円玉を収納しないことを特徴とする請求項4記載の釣銭支払い装置。
【請求項6】
複数枚の硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、前記硬貨を金種別に一時的に収納する複数のバッファと、前記硬貨収納部から前記各バッファまで前記硬貨を搬送する搬送機構と、前記したバッファから取り出された硬貨を溜めるための釣銭受け皿と、を備えた釣銭支払い装置を制御するための、コンピュータ読み取り可能な釣銭支払いプログラムであって、
商品の合計金額が確定されたら、該合計金額と予想される複数の受領額から釣銭予測を行い、予測される釣銭額に必要な各硬貨の金種毎の枚数を算出する手順と、
前記搬送機構を駆動し、前記算出された枚数に相当する硬貨を前記硬貨収納部から前記バッファまで搬送させる手順と、
前記搬送された硬貨を、前記算出された金種毎の枚数に対応させて前記バッファに収納させる手順と、
実際の受領額が確定したら、前記商品の合計金額と実際の受領額から釣銭の支払額を算出する手順と、
前記算出された支払額に基づいて、該支払額に対応する硬貨を収納した前記バッファを選択し、該選択したバッファ内の硬貨を前記釣銭受け皿に送出させる手順と、
をコンピュータに実施させることを特徴とする釣銭支払いプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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